JP2000279503A - 微生物汚染防止方法、送風装置 - Google Patents

微生物汚染防止方法、送風装置

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JP2000279503A
JP2000279503A JP11088539A JP8853999A JP2000279503A JP 2000279503 A JP2000279503 A JP 2000279503A JP 11088539 A JP11088539 A JP 11088539A JP 8853999 A JP8853999 A JP 8853999A JP 2000279503 A JP2000279503 A JP 2000279503A
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blower
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Kenzo Takahashi
建造 高橋
Makoto Furukawa
誠 古川
Naoshi Yokoie
尚士 横家
Yoshimi Iwamura
義巳 岩村
Yoshitaka Yajima
義孝 矢島
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 別荘や空家のような長期不在の住宅では、空
気の滞留によりカビなどの微生物が繁殖し、室内及び室
内空気を汚染すると言う課題があった。 【解決手段】 抗菌活性分子を徐放する徐放エレメント
1を送風装置5に組み込み、抗菌活性分子を室内に徐放
して、カビなどの空中浮遊微生物を不活性化して、微生
物汚染を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は室内や床下などの居
住あるいは非居住空間において、清潔な室内環境や衛生
的な空気環境を維持するための微生物汚染防止方法及び
その送風装置に関するものであり、特に抗菌作用あるい
は防カビ作用を有する抗菌活性分子を、空気中に徐放し
て微生物汚染防止をする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保全の一環として省エネ
ルギーと、冷暖房効果を高めるために居住空間の高気密
・高断熱化が進められている。しかし一方で上記居住空
間における空気汚染が問題となり、室内空気質の改善が
求められている。室内空気を汚染する物質として塵挨、
臭気ガス、有害ガス、空中浮遊微生物等が挙げられ、空
気清浄機あるいは空清機能を組み込んだ空調機器は、室
内空気を循環しながら上記空気汚染物質を除去すること
により居住空間の空気浄化を行っている。
【0003】一方、別荘や空家等の長期不在の住宅の居
住空間あるいは押入、クローゼット、納戸、床下や収納
庫等の非居住空間においては空気が滞留するために空中
浮遊微生物、特に真菌(カビ類)が建材、家具の表面で
繁殖し、微生物による室内汚染および空気汚染が特に問
題となる。別荘のオーナーは空気の入れ替えと清掃のた
めに時々別荘に行く必要があり、費用、労力、時間のム
ダが多かった。これらの長期不在の住宅の居住空間にお
いて空中浮遊微生物の繁殖を防止し、清潔な室内環境お
よび衛生的な空気環境を維持・保全するためには、上記
空中浮遊微生物の繁殖を防止する新たな住宅の微生物汚
染防止方法及びその装置が必要となる。
【0004】特開昭64−29263で公開された「防
かび装置」では、昇華性の防カビ剤であるα−ブロムシ
ンナムアルデヒドを吸着したシリカゲルを用い、送風機
の下流にヒーターを設け、昇温した温風を前記シリカゲ
ルに送風することにより、前記防カビ剤を昇華させ、押
入や物置の壁や収納物にα−ブロムシンナムアルデヒド
を再吸着させることによりカビの発生を防止している。
α−ブロムシンナムアルデヒドのカビに対する最小発育
阻止濃度は10ppm以上であり、上記公開特許の実施
例ではα−ブロムシンナムアルデヒド濃度を140pp
m以上に高めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように構成された
装置では、ヒータを設ける必要があり無人運転や長期間
連続的に運転をするには火災に対する対策をしなければ
ならず、また、高濃度にしないと効果が無く、高濃度に
すると人体への影響が心配されるなどの課題があった。
本発明では1ppm以下程度という問題の起こらない
低濃度で、空中浮遊微生物に対して抗菌作用あるいは防
カビ作用を有する抗菌活性分子を用い、室温において徐
々に室内空気に徐放する徐放エレメントを用いて、住宅
等に対しても火災の心配が無く、また、人体に影響しな
い安全性の高い清潔で衛生的な空気環境をより容易に実
現する微生物汚染を防止する方法及び送風装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、送風機を微生
物汚染を防止を行う空間に送風するように配置するステ
ップと、抗菌活性分子を徐放する徐放エレメントを送風
機が送風する流路に設けるステップと、を備え、抗菌活
性分子を空間に徐放して微生物汚染を防止するものであ
る。
【0007】また、徐放エレメントに風を当てて徐放を
行い空間内を浮遊する、または空間内に配置された物体
の表面に付着する微生物を不活性にするものである。
【0008】また、抗菌活性分子は沃素またはヒノキチ
オールである。
【0009】また、送風機は非居住空間に連続的または
間欠的に送風するように電源に接続されている。
【0010】また、送風機は空間の入り口を開閉する開
閉手段を開く動作または前記空間内を照明する照明器の
スイッチにより照明を行う動作と連動して運転停止を行
うものである。
【0011】また、徐放エレメントと送風機を離れて別
々に設置し送風機からの風が徐放エレメントに当たるよ
うにしたものである。
【0012】また、抗菌活性分子を徐放する徐放エレメ
ントと、送風する送風機とからなり、徐放エレメントの
表面に送風機による風が当たるように徐放エレメントと
送風機を一体に組み合せ、抗菌活性分子を風により徐放
して微生物汚染防止を可能とするものである。
【0013】また、上記徐放エレメントを着脱可能にし
たものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態として、清潔
な室内環境および衛生的な空気環境をより簡便に実現す
るために、低濃度で空中浮遊微生物に対して抗菌作用あ
るいは防カビ作用を有する抗菌活性分子を用い、加熱な
どを行わず室温において徐々に抗菌活性分子を室内空気
に徐放する徐放エレメントを用いた方法を図1から図9
を用いて説明する。抗菌活性分子は室温において揮発性
を有しており、送風することにより空気中に徐放される
性質を有している。
【0015】本発明に用いる抗菌材料としては北里薬品
産業より市販されている沃素系抗菌材料「トリオシン」
を使用する。このトリオシンの微粒子をエマルジョンタ
イプのバインダを介して不織布の繊維の表面に固定処理
した徐放エレメントの拡大図を図1に示す。図中10は
微粒子状の抗菌材料である。
【0016】また、1は抗菌材料を固定処理した不織布
をエレメント枠に納めた徐放エレメントで、この例とし
て、不織布が平面状の構造にしたものを図2に示し、ま
た、不織布をプリーツ状に折り込んだ構造の徐放エレメ
ントの実施例を図3に示す。図中11は抗菌材料を固定
処理した不織布、12はプリーツ状の不織布、15はエ
レメント枠である。
【0017】実施の形態1.実施の形態1として、抗菌
活性分子を徐放する機能を有する徐放エレメントおよび
送風用ファンより構成され、微生物汚染を防止したい居
住および非居住の所定空間に設置して抗菌活性分子を上
記空間に徐放することにより微生物汚染を防止する微生
物汚染防止方法及びその装置について図1から図5によ
り説明する。
【0018】図4は徐放エレメントおよび送風用ファン
より構成される徐放エレメントを送風機に組込んだ送風
装置を示す。図において、1は徐放エレメントで、木枠
15の中に前述した不織布11の繊維の表面に抗菌活性
分子を固定処理したエレメントを設けたもので図2また
は図3に示す構造である。2は風を送るためのファン
で、3はファン2を回転させるモーターである。
【0019】4は送風機と本体としてのケーシングで吸
込み口31と吹出し口32を有し、中に前述の徐放エレ
メント1、ファン2、モーター3を有している。5は前
記1から3をケーシング4により一体として構成された
送風装置である。6は天井や壁等の建材である。徐放エ
レメント1はケーシング4の吸込み口31に設けられて
いるが吹出し口32側に設けられることもある。
【0020】このように構成された送風装置5は室内6
の天井または壁に取り付けられて使用するが、天井や壁
に取り付けないで床や机などの特定な場所に置いて使用
することもできる。送風装置5は運転をすると、ファン
2が回転して室内などの所定空間の空気をケーシング4
の吸込み口31から吸込み、吹出し口32から吹出して
風を起こす。
【0021】図5に徐放エレメントを組込んだ送風機装
置5を住宅の天井、壁あるいは室内の棚7の上等各場所
に設置した場合の風の流れを示す。送風装置5は室内6
に設けられた電源コンセント5aに接続され、送風装置
5のスイッチを入れると、送風装置5から吹出された風
は図のように天井や壁に沿って循環する。ケーシング4
の吸込み口31に設けられた徐放エレメント1に風が通
ることにより、エレメントより徐々に抗菌活性分子が空
気中に徐放され空間内に拡散される。抗菌活性分子は特
に加熱して温度を上げなくても室温で風が当たることに
より放出拡散され空間内を漂い物の隙間などにも入り込
んでいく。
【0022】抗菌活性分子が空気中に拡散されると、空
中の浮遊微生物や壁、床及び家具や棚7の保管品(例え
ば、本棚の本や、棚の乾物、穀物、漬物等の食品16、
ビンや缶の類)の表面に付着した微生物などに対して抗
菌作用あるいは防カビ作用を発揮して、これらの菌を不
活性化してカビの発生を防止する。これにより清潔な室
内環境および衛生的な空気環境を簡便に実現、維持する
ことができる。
【0023】実施の形態2.実施の形態2として、抗菌
活性分子として沃素を徐放する機能を有する徐放エレメ
ントを用いて、これを微生物汚染を防止したい居住およ
び非居住空間等の所定空間に設置して沃素を徐放するこ
とにより微生物汚染を防止する方法及びその送風装置に
ついて説明する。なお、本実施の形態は抗菌活性分子と
して沃素を徐放する徐放エレメントを用いる事以外は実
施の形態1.と同じである。
【0024】沃素は細菌、ウイルス、カビ等に対して高
い抗菌作用を有し、ヨードチンキとして使用されてい
る。沃素分子は0.1ppmの低濃度で高い抗菌効果、
防カビ効果を有する抗菌活性分子であり、人体への悪影
響が無く清潔な室内環境および衛生的な空気環境をより
簡便に実現、維持することができる。なお沃素には若干
の特有に匂いがあり人によって嫌う場合は消臭剤と併用
することでもよい。
【0025】実施の形態3.実施の形態3として、抗菌
活性分子としてヒノキチオールを徐放する機能を有する
徐放エレメントを用いて、これを微生物汚染を防止した
い居住および非居住空間等の所定空間に設置して、ヒノ
キチオールを徐放することにより微生物汚染を防止する
方法及びその装置を説明する。なお、本実施の形態は抗
菌活性分子としてヒノキチオールを徐放する徐放エレメ
ントを用いる事以外は実施の形態1.と同じである。
【0026】ヒノキチオールは植物(青森ヒバ)から抽
出される天然の抗菌活性分子で、防腐用に食品に添加さ
れている人体に無害な安全性の高い抗菌活性分子であ
り、マスキング型消臭機能も有することより微生物の増
殖防止と消臭の効果が同時に得られる。なおヒノキチオ
ールは液状であっても図1のごとく繊維に付着させ乾燥
させれば粒子状となる。
【0027】実施の形態4.図6に示すように、室内の
空気を循環するサーキュレーター8と徐放エレメント1
を別置きとし、徐放エレメント1を気流の当たる天井あ
るいは壁に設置し、居住空間の微生物汚染を防止する方
法を説明する。9は衣裳箱、23はドアである。なお、
サーキュレータ8の他に空調機や扇風機の風が当たる場
所でも同様な作用効果が得られる。
【0028】図6にサーキュレーター8と平板状の徐放
エレメント1を別置きした配置例を示す。室内のサーキ
ュレーターが設置されているその風下に平板状の徐放エ
レメントを設置し、徐放エレメントの表面を、流れる空
気に当てるようにして、徐放エレメントの表面より抗菌
活性分子を徐放させ風に乗せて室内に拡散する。この方
法は徐放エレメントを風の当たる所に設けるだけで既存
のサーキュレーター(または、送風装置)により微生物
汚染防止ができ、安価に効果が得られる。図6の9は開
放型のクローゼットのような衣裳箱であって衣類に対す
る抗菌作用を得ることができる。
【0029】実施の形態5.実施の形態5は、別荘、空
家、倉庫等の無人や長期不在住宅の居住空間を常に清潔
な室内環境および衛生的な空気環境に維持・保全するた
めに、徐放エレメントを組み合わせた送風装置を無人で
連続運転する方法である。
【0030】図6のドアにはドアの開閉によりオンオフ
する接点が設けられており、長期不在時から居住者が戻
ってきた場合この接点が開きサーキュレータ8が運転を
停止するようになっている。もし居住者が長期的に離れ
る場合は室外に設けられた別のスイッチにより接点を閉
じてサーキュレータ8を運転させればよい。
【0031】なおここではドアにスイッチを設ける例で
説明したが地下収納庫のように使用時に明かりが必要で
不要時には明かりを消すところでは照明スイッチと連動
させて、例えば、明かりを消したらサーキュレータ8が
作動するようにすることは当然である。サーキュレータ
8は徐放エレメントに風を当てて抗菌活性分子を徐放さ
せるだけであり数ワットまたは数十ワット程度の小さな
装置ですみ、また、モーターでファンをまわしているだ
けでヒータのように加熱するものでなく無人で長期間連
続してまわしていても安全である。
【0032】また、この徐放エレメントからの徐放量に
比べて狭い室内で沃素分子などが十分に存在する場合、
外気と完全に遮断されるような場合等はサーキュレータ
内にタイマーによるスイッチ機構を設け、間欠的な運転
を行うようにすればよい。これによりモータの外側の温
度もほとんど上がらなくなり、また徐放エレメントの寿
命を延ばすことが出来る。
【0033】無人や別荘等の長期不在住宅の居住空間を
常に清潔な室内環境および衛生的な空気環境に維持・保
全するためには、室内に一定濃度の抗菌活性分子を保持
するように徐放エレメントを組み合わせた送風装置を無
人で連続運転し、抗菌活性分子を徐放拡散し続け室内の
隅々まで一定濃度の抗菌活性分子を保持して、常に清潔
な室内環境および衛生的な空気環境に維持・保全する。
室温の風を徐放エレメントに当てるだけで抗菌活性分子
の徐放拡散をし続けることができるので、ヒータなどを
使用する必要が無く、無人でも火災の心配が無い。
【0034】また、図7には別荘などで換気兼用の空調
用エアコンを設置している場合の例を示す。24は別
荘、17は室内から空気を吸い込む吸い込み口、18は
各室内を連通している通風口、19、20はエアコン用
送風機30によりエアコン用熱交換器を介して暖房され
た送風を導く送風ダクトと吸込ダクト、22はエアコン
用送風機30、照明21、床下用換気扇29等のオンオ
フを行う電源スイッチ、28は靴入れである。
【0035】徐放エレメント1はダクト19の風の通過
する位置や、床下換気扇に設けられている。別荘1の中
に人がいないときはスイッチ22によりエアコン用送風
機を低速で間欠的にまわすとともに床下用換気扇は常時
回転させ通風させている。
【0036】一方別荘24に人が来たときは、スイッチ
22を作動させてエアコンは冷房や暖房など必要な動作
が行われる。叉床下換気扇は同様に常時回転している。
徐放エレメント1からは別荘の各室内に空調により抗菌
活性分子を隅々まで送り込んで靴入れ他の黴対策を行え
る。これにより各室内は居住時も非居住時も清潔に維持
できるとともに、床下は常に微生物防止が行えることに
なる。
【0037】
【実施例】この発明を構成する徐放エレメントに用いる
抗菌材料としては室温で液体でも固体でも構わないが、
固体の抗菌材料は抗菌活性分子を徐放する性質が必要が
ある。このような抗菌材料としては北里薬品産業より市
販されている沃素系抗菌材料「トリオシン」がある。ト
リオシンの分子構造は「4級アンモニウムイオンを官能
基とする陰イオン交換樹脂の3ヨウ化物の塩」である。
液体の抗菌材料としては檜やヒバから抽出されたフィト
ンチッドやヒノキチオールの他にベイオイル、シナモン
リーフオイル、クローブバドオイル、オリガナムオイル
等がある。実施例ではトリオシンを抗菌材料として用い
た場合について詳述する。
【0038】実施例1.押入、クローゼット、納戸、床
下収納庫等の非居住空間において空中浮遊微生物、特に
真菌(カビ類)が建材、家具の表面で繁殖することを効
果的に防止できることを実験室的に検証するために、2
台の透明なアクリル樹脂製のデシケーターを用意した。
両方のデシケーターの天井に小型の軸流ファンを固定
し、建材や家具の代わりにカビが生え易い食パンを置
き、デシケーター内の湿度を90%以上になるように調
湿した。一方のデシケーターの小型の軸流ファンに徐放
エレメントを組み込んで同時にファンを回転させた。
【0039】徐放エレメントを組み込んでいないデシケ
ーター内の食パンは2日目より徐々に青カビが発生し、
1週間で食パン全体が青カビや綿状のカビで覆われてし
まった。一方、徐放エレメントを組み込んだデシケータ
ー内の食パンは1ヶ月経過しても全くカビは生えなかっ
た。
【0040】図8に上記試験結果の写真を記載する。図
中(イ)は2台の透明なアクリル樹脂製のデシケーター
を用いて試験をしている様子を示す。(ロ)は上記カビ
の繁殖した食パンの写真、(ハ)は1ヶ月経過しても全
くカビは生えなかった食パンの写真を示す。
【0041】非居住空間においては小型の送風用ファン
で充分であり、消費電力が10W程度のトイレットファ
ンやダクト用のプロペラファンが好適に用いられる。ま
た、徐放エレメントは図2に示すような薄型のものが好
適である。送風用ファンの風下側に徐放エレメントを組
み込んだ送風機器を非居住空間の天井面、側面あるいは
床面に設置し、24時間連続運転することが好ましい。
【0042】カビは高温、高湿で気流のない所に繁殖し
易い。抗菌活性分子を気流と共に運搬し、隙間部分は拡
散によって行き渡らせることが有効である。なお、デシ
ケータとして20リットル程度のものを使用し、ファン
は5,6cm程度のミニ軸流ファンを使用しており、こ
れにより非居住空間を想定して実験を奥なった。
【0043】実施例2.別荘や空家等の長期不在の住宅
の居住空間において空中浮遊微生物、特に真菌(カビ
類)が建材、家具の表面で繁殖することを効果的に防止
できることを実験室的に検証するために、6畳相当の気
密性の高い試験室の天井に空気を循環するファンを設置
した。室内の4ヶ所に建材や家具の代わりにカビが生え
易い食パンを置き、試験室内の湿度が80%以上になる
ように調湿した。
【0044】ファンを回転させながら覗き窓より食パン
を観察した結果、3日目より徐々に青カビが発生し、1
週間で食パン全体が青カビや綿状のカビで覆われてしま
った。次に上記空気を循環するファンに徐放エレメント
を組み込んでファンを回転させながら覗き窓より食パン
を観察した結果、食パンは1ヶ月経過しても一部に僅か
にカビが発生する程度で、繁殖はしなかった。
【0045】図9に上記試験結果の写真を記載する。図
中(イ)および(ロ)は上記カビの繁殖した食パンの写
真を示し、(ハ)は1ヶ月経過しても一部に僅かにカビ
が発生する程度で、繁殖はしなかった食パンの写真を示
す。
【0046】居住空間においては扇風機や換気扇程度の
送風用ファンが適する。また、徐放エレメントは図3に
示すような不織布を折り込んで表面積を増加させたもの
が好適である。送風用ファンの風下側に徐放エレメント
を組み込んだ送風機器を居住空間の天井、壁面あるいは
机の上に設置し、無人の時に連続運転することが好まし
い。有人の時はファンを停止すれば抗菌活性分子の徐放
量が大幅に低下し、実質的に徐放を停止する。
【0047】実施例3.長期不在の実際の住宅の居住空
間および非居住空間である所定空間において空中浮遊微
生物、特に真菌(カビ類)が建材、家具の表面で繁殖す
ることを効果的に防止できることを検証するために、6
畳の室内の天井に空気を循環するファンを設置し、押入
の天井に小型の軸流ファンを固定して24時間連続運転
を行った。
【0048】2ケ月間継続して室内の微生物汚染の状況
を観察したが、建材や家具表面のカビの発生も全くな
く、微生物汚染に基づく室内の清掃も必要がなかった。
徐放エレメントは6ヶ月以上の寿命を有しており、寿命
は不織布の色の変化で容易に判定することができる。初
期には濃い茶色であるが、沃素が抜けるに従ってベージ
ュ色に変色する。徐放エレメント全体がベージュ色に変
色した時が寿命と判断し交換される。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、抗菌活性分子を徐放す
る機能を有する徐放エレメントと、送風する送風機と
を、微生物汚染を防止したい所定空間に設置して、上記
抗菌活性分子を上記所定空間に徐放するようにしたので
して住宅の微生物汚染を防止し、保守する効果が得られ
る。
【0050】また、徐放エレメントに、風をあてること
により、抗菌活性分子を上記所定空間に徐放することに
より、容易に住宅の微生物汚染を防止しする効果が得ら
れる。
【0051】また、抗菌活性分子として、沃素または、
ヒノキチオールを徐放することで、加熱しなくても住宅
の微生物汚染を防止し、保守する効果が得られる。
【0052】また、送風機を間欠的に運転しすることに
より、徐放エレメントの寿命を長くして一定濃度の抗菌
活性分子を保持できるので、住宅の微生物汚染を防止
し、保守する効果が長く得られる。
【0053】また、送風機をドアの開閉や照明などのス
イッチと連動することにより、自動的に運転のオン、オ
フができ居住空間または、非居住空間に忘れることなく
抗菌活性分子を徐放することにより、住宅の微生物汚染
を防止し、保守する効果が得られる。
【0054】また、徐放エレメントと上記送風装置を離
れて別々に設置し上記送風装置からの風が上記徐放エレ
メントに当たるようにしたので、徐放エレメントを設け
るだけで既存の送風装置で住宅の微生物汚染を防止し、
保守する効果が得られる。
【0055】また、抗菌活性分子を徐放する機能を有す
る徐放エレメントと、送風する送風機とからなり、上記
徐放エレメントに送風機による風が当たるように、上記
徐放エレメントを送風機と一体に組み合せ、上記抗菌活
性分子を風により徐放する装置としたので、この装置に
より住宅の微生物汚染を防止し、保守する効果が得られ
る。
【0056】また、上記徐放エレメントを着脱可能にし
たので、徐放エレメントの寿命が来た時交換ができ、装
置の微生物汚染を防止し能力を復元できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の徐放エレメントの繊維の拡大図を示
す。
【図2】 本発明の徐放エレメントの構造を示す図であ
る。
【図3】 本発明の徐放エレメントの構造を示す図であ
る。
【図4】 本発明の送風装置の構成を示す図である。
【図5】 本発明の送風装置を室内に設置した場合の風
の流れを示す図である。
【図6】 本発明のサーキュレーターと徐放エレメント
を別置きにした場合を示す図である。
【図7】 本発明の別荘での実施した場合を示す図であ
る。
【図8】 本発明の実施例1の効果を示す試験結果の図
である。
【図9】 本発明の実施例2の効果を示す試験結果の図
である。
【符号の説明】
1 徐放エレメント、 2 ファン、 3 モーター、
4 ケーシング、5 送風装置、 8 サーキュレー
ター、 10 微粒子状の抗菌樹脂、 11 不織布、
12 プリーツ状の不織布、 15 エレメント枠。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横家 尚士 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 岩村 義巳 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 矢島 義孝 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4C080 AA03 BB05 HH05 HH09 JJ03 KK03 LL10 MM01 MM16 NN22 QQ11 QQ16 QQ17 QQ20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送風機を微生物汚染を防止を行う空間に
    送風するように配置するステップと、抗菌活性分子を徐
    放する徐放エレメントを前記送風機が送風する流路に設
    けるステップと、を備え、前記抗菌活性分子を前記空間
    に徐放して微生物汚染を防止することを特徴とする微生
    物汚染防止方法。
  2. 【請求項2】 徐放エレメントに風を当てて徐放を行い
    空間内を浮遊する、または空間内に配置された物体の表
    面に付着する微生物を不活性にすることを特徴とする請
    求項1記載の微生物汚染防止方法。
  3. 【請求項3】 抗菌活性分子は沃素またはヒノキチオー
    ルであることを特徴とする請求項1記載の微生物汚染防
    止方法。
  4. 【請求項4】 送風機は非居住空間または、居住空間に
    連続的または間欠的に送風するように電源に接続されて
    いることを特徴とする請求項1記載の微生物汚染防止方
    法。
  5. 【請求項5】 送風機は空間の入り口を開閉する開閉手
    段を開く動作または前記空間内を照明する照明器のスイ
    ッチを入れて照明を行う動作と連動して運転を停止する
    ことを特徴とする請求項4記載の微生物汚染防止方法。
  6. 【請求項6】 徐放エレメントと送風機を離れて別々に
    設置し前記送風機からの風が前記徐放エレメントに当た
    るようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の
    いずれか1項に記載の微生物汚染防止方法。
  7. 【請求項7】 抗菌活性分子を徐放する徐放エレメント
    と、駆動手段により駆動され送風する送風機と、前記徐
    放エレメントの表面に前記送風機による風が当たるよう
    に前記徐放エレメントと前記送風機を一体に組み合せる
    ケーシングと、を備え、前記抗菌活性分子を風により徐
    放して微生物汚染防止を可能とすることを特徴とする送
    風装置。
  8. 【請求項8】 徐放エレメントを着脱可能にしたことを
    特徴とする請求項7に記載の送風装置。
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