JP2000271727A - ベント付き金型材及びその製造方法 - Google Patents
ベント付き金型材及びその製造方法Info
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- JP2000271727A JP2000271727A JP11084126A JP8412699A JP2000271727A JP 2000271727 A JP2000271727 A JP 2000271727A JP 11084126 A JP11084126 A JP 11084126A JP 8412699 A JP8412699 A JP 8412699A JP 2000271727 A JP2000271727 A JP 2000271727A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ベント付きの金型材の提供
【解決手段】 金型材は、金型材本体13が鋳造可能な金
属で形成され、金型に加工された状態で型空間側の内面
から金型の外面に達するベント10を有し、ベントが所定
の大きさの孔、又は孔内に設けた多孔質体の微細孔によ
って形成され、孔の内周面を形成する部分が金型材本体
の金属と融合接合した所定厚さの金属層14で形成されて
いる。多孔質体が、金属の粉末、金属の繊維、セラミッ
クの粉末、セラミックの繊維、の中のいずれか1種類又
は複数種類を焼結した焼結体であり、且つその焼結体と
孔の内周面を形成する部分の金属層とが焼結接合してい
る。製造方法は、ベントを設ける位置に、ベントに相当
する内孔を有し、又は内孔にベントを形成する微細孔を
有する多孔質体を設けてあり溶湯の鋳込みにより溶湯と
外周面が融合接合する肉厚を有する管状金属部材を設置
した金型材鋳造用鋳型を準備し、これに金型材本体を形
成する溶湯を鋳込む。
属で形成され、金型に加工された状態で型空間側の内面
から金型の外面に達するベント10を有し、ベントが所定
の大きさの孔、又は孔内に設けた多孔質体の微細孔によ
って形成され、孔の内周面を形成する部分が金型材本体
の金属と融合接合した所定厚さの金属層14で形成されて
いる。多孔質体が、金属の粉末、金属の繊維、セラミッ
クの粉末、セラミックの繊維、の中のいずれか1種類又
は複数種類を焼結した焼結体であり、且つその焼結体と
孔の内周面を形成する部分の金属層とが焼結接合してい
る。製造方法は、ベントを設ける位置に、ベントに相当
する内孔を有し、又は内孔にベントを形成する微細孔を
有する多孔質体を設けてあり溶湯の鋳込みにより溶湯と
外周面が融合接合する肉厚を有する管状金属部材を設置
した金型材鋳造用鋳型を準備し、これに金型材本体を形
成する溶湯を鋳込む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板の成形、樹
脂の成形、セラミックの成形の際に発生するあるいは存
在する気体や液体を排出するためのベントを備えた金型
を製作するためのベント付き金型材及びその製造方法に
関する。
脂の成形、セラミックの成形の際に発生するあるいは存
在する気体や液体を排出するためのベントを備えた金型
を製作するためのベント付き金型材及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属板のプレス成形において、特
に深絞り加工の場合、巻き込んだ空気を逃がすためのベ
ントとして、金型の適切な位置に直径が4〜10mm程
度の穴を機械加工により設けている。これは空気を巻き
込んだまま成形すると、金型形状が転写されないで製品
不良となるからである。また、樹脂製品の射出成形にお
いても、巻き込んだ空気を逃がすための或いは樹脂から
発生するガスを逃がすためのベントとして、金型の適切
な位置に直径が1mm以下程度の微小な穴を機械加工に
より設けている。また、セラミック製品を成形する場合
も、成形体を均質化し、セラミック粉末に流動性を持た
せるため、水やアルコールなどの液体中に粉末を分散さ
せ、スラリー状にして、金型に流し込み成形する。その
金型下部には、液体を排出するためのフィルターを設け
ているが、(製品の精度若しくは外観を良くするため
に、金型の面とフィルターの面を合わせることが必要
で)ベントが必要である。このように金型製作におい
て、適切なベントが必要な場合が多く、ベント部の加工
のために、従来は比較的精密な機械加工、機械的接合な
どが必要であった。
に深絞り加工の場合、巻き込んだ空気を逃がすためのベ
ントとして、金型の適切な位置に直径が4〜10mm程
度の穴を機械加工により設けている。これは空気を巻き
込んだまま成形すると、金型形状が転写されないで製品
不良となるからである。また、樹脂製品の射出成形にお
いても、巻き込んだ空気を逃がすための或いは樹脂から
発生するガスを逃がすためのベントとして、金型の適切
な位置に直径が1mm以下程度の微小な穴を機械加工に
より設けている。また、セラミック製品を成形する場合
も、成形体を均質化し、セラミック粉末に流動性を持た
せるため、水やアルコールなどの液体中に粉末を分散さ
せ、スラリー状にして、金型に流し込み成形する。その
金型下部には、液体を排出するためのフィルターを設け
ているが、(製品の精度若しくは外観を良くするため
に、金型の面とフィルターの面を合わせることが必要
で)ベントが必要である。このように金型製作におい
て、適切なベントが必要な場合が多く、ベント部の加工
のために、従来は比較的精密な機械加工、機械的接合な
どが必要であった。
【0003】このようなベント部の加工において、機械
加工をできるだけ少なくするには、金型本体が鋳鉄のよ
うに鋳造されるものである場合に、鋳造時に予めベント
部を形成してしまうことが考えられる。すなわち、ベン
ト部を流体の流通できる多孔質体で構成するものとし、
これを鋳くるむことによって金型材にベント部を形成す
るのである。しかし従来は、ソリッド(中実体)の鉄系
金属材料を鋳鉄溶湯で鋳くるむことは行われているが、
多孔質体を鋳くるむことは行われていない。また、充実
体の鉄系金属材料を鋳鉄溶湯で鋳くるむ場合は、鋳鉄溶
湯が鉄系金属材料に接触する際に、急冷されて、十分に
融合しないで空隙が生じてしまう問題があり、このた
め、鋳鉄溶湯を被鋳くるみ材に接触させながら外へ排出
させる、湯はかせという工程を行った後に鋳くるむこと
によって、溶湯と被鋳くるみ材との融合を図ることが行
われている。
加工をできるだけ少なくするには、金型本体が鋳鉄のよ
うに鋳造されるものである場合に、鋳造時に予めベント
部を形成してしまうことが考えられる。すなわち、ベン
ト部を流体の流通できる多孔質体で構成するものとし、
これを鋳くるむことによって金型材にベント部を形成す
るのである。しかし従来は、ソリッド(中実体)の鉄系
金属材料を鋳鉄溶湯で鋳くるむことは行われているが、
多孔質体を鋳くるむことは行われていない。また、充実
体の鉄系金属材料を鋳鉄溶湯で鋳くるむ場合は、鋳鉄溶
湯が鉄系金属材料に接触する際に、急冷されて、十分に
融合しないで空隙が生じてしまう問題があり、このた
め、鋳鉄溶湯を被鋳くるみ材に接触させながら外へ排出
させる、湯はかせという工程を行った後に鋳くるむこと
によって、溶湯と被鋳くるみ材との融合を図ることが行
われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の金型材は、金型
材から金型に加工する際にベント部を加工しているか
ら、手間と時間が掛かり、金型の加工費が高い問題があ
る。前述したベント部に多孔質体あるいは他のベント部
構成部材を適用するとして、これと融合するように鋳く
るむために、前記湯はかせ工程を採用すると、湯はかせ
工程で大量の溶湯を必要とする点で問題があり、更に多
孔質体の気孔に溶湯が浸入して閉塞される問題もある。
本発明は、従来の金型材における前記問題点が解決され
たベント付きの金型材を提供するとともに、その製造方
法を提供することを課題とする。
材から金型に加工する際にベント部を加工しているか
ら、手間と時間が掛かり、金型の加工費が高い問題があ
る。前述したベント部に多孔質体あるいは他のベント部
構成部材を適用するとして、これと融合するように鋳く
るむために、前記湯はかせ工程を採用すると、湯はかせ
工程で大量の溶湯を必要とする点で問題があり、更に多
孔質体の気孔に溶湯が浸入して閉塞される問題もある。
本発明は、従来の金型材における前記問題点が解決され
たベント付きの金型材を提供するとともに、その製造方
法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のベント付き金型
材は、金型材本体が鋳造可能な金属で形成され、金型に
加工された状態で型空間側の内面から金型の外面に達す
るベント部を有し、前記ベント部が所定の大きさの孔で
形成され、前記孔の内周面を形成する部分が前記金型材
本体の金属と融合接合した所定厚さの金属層で形成され
ていることを特徴とする(請求項1)。
材は、金型材本体が鋳造可能な金属で形成され、金型に
加工された状態で型空間側の内面から金型の外面に達す
るベント部を有し、前記ベント部が所定の大きさの孔で
形成され、前記孔の内周面を形成する部分が前記金型材
本体の金属と融合接合した所定厚さの金属層で形成され
ていることを特徴とする(請求項1)。
【0006】この手段では、ベントが単純な孔、例え
ば、円孔、四角孔等の場合であり、金型材本体が鋳造可
能な金属で形成されており、ベント部の孔の内周面を形
成する部分が所定厚さの金属層で形成されているから、
ベント部を予め形成しておいて、例えばパイプを適用し
て、これを鋳ぐるむことによって金型本体の所望位置に
ベント部を設けることができる。金型材が予めベント部
を設けられているから、金型の形状加工のみによってベ
ント付きの金型とすることができる。また、従来のよう
にベント部の無い金型材から金型形状とベント部とを加
工する場合のベント部の加工に比べて、金型材製造時に
ベント部を設ける方が容易である。
ば、円孔、四角孔等の場合であり、金型材本体が鋳造可
能な金属で形成されており、ベント部の孔の内周面を形
成する部分が所定厚さの金属層で形成されているから、
ベント部を予め形成しておいて、例えばパイプを適用し
て、これを鋳ぐるむことによって金型本体の所望位置に
ベント部を設けることができる。金型材が予めベント部
を設けられているから、金型の形状加工のみによってベ
ント付きの金型とすることができる。また、従来のよう
にベント部の無い金型材から金型形状とベント部とを加
工する場合のベント部の加工に比べて、金型材製造時に
ベント部を設ける方が容易である。
【0007】また、本発明のベント付き金型材は、金型
材本体が鋳造可能な金属で形成され、金型に加工された
状態で型空間側の内面から金型の外面に達するベント部
を有し、前記ベント部が所定の大きさの孔内に設けた多
孔質体の微細孔によって形成され、前記孔の内周面を形
成する部分が金型材本体の金属と融合接合した所定厚さ
の金属層で形成されていることを特徴とする(請求項
2)。
材本体が鋳造可能な金属で形成され、金型に加工された
状態で型空間側の内面から金型の外面に達するベント部
を有し、前記ベント部が所定の大きさの孔内に設けた多
孔質体の微細孔によって形成され、前記孔の内周面を形
成する部分が金型材本体の金属と融合接合した所定厚さ
の金属層で形成されていることを特徴とする(請求項
2)。
【0008】この手段では、ベントが多孔質体の微細孔
の場合であり、金型材本体が鋳造可能な金属で形成され
ており、多孔質体を設けたベント部の孔の内周面を形成
する部分が所定厚さの金属層で形成されているから、ベ
ント部を予め形成しておいて、例えばパイプ内に多孔質
体を設けておいて、これを鋳ぐるむことによって金型材
本体の所望位置にベント部を設けることができる。金型
材が予めベント部を設けられているから、金型の形状加
工のみによってベント付きの金型とすることができる。
また、従来のようにベント部の無い金型材から金型形状
とベント部とを加工する場合のベント部の加工に比べ
て、金型材製造時にベント部を設ける方が容易である。
の場合であり、金型材本体が鋳造可能な金属で形成され
ており、多孔質体を設けたベント部の孔の内周面を形成
する部分が所定厚さの金属層で形成されているから、ベ
ント部を予め形成しておいて、例えばパイプ内に多孔質
体を設けておいて、これを鋳ぐるむことによって金型材
本体の所望位置にベント部を設けることができる。金型
材が予めベント部を設けられているから、金型の形状加
工のみによってベント付きの金型とすることができる。
また、従来のようにベント部の無い金型材から金型形状
とベント部とを加工する場合のベント部の加工に比べ
て、金型材製造時にベント部を設ける方が容易である。
【0009】前記ベント付き金型材(請求項2)におい
て、前記多孔質体が、金属の粉末、金属の繊維、セラミ
ックの粉末、セラミックの繊維、の中のいずれか1種類
又は複数種類を焼結した焼結体であり、且つその焼結体
と前記孔の内周面を形成する部分の金属層とが焼結接合
している構成とするのがよい(請求項3)。この構成で
は、多孔質体とこれに接合している金属層とが焼結接合
であり、更にその金属層の外側の金型材本体との接合状
態が、融合接合であるから強力であり、金型材から金型
形状に機械加工する場合及び金型の使用において強度的
に支障はない。
て、前記多孔質体が、金属の粉末、金属の繊維、セラミ
ックの粉末、セラミックの繊維、の中のいずれか1種類
又は複数種類を焼結した焼結体であり、且つその焼結体
と前記孔の内周面を形成する部分の金属層とが焼結接合
している構成とするのがよい(請求項3)。この構成で
は、多孔質体とこれに接合している金属層とが焼結接合
であり、更にその金属層の外側の金型材本体との接合状
態が、融合接合であるから強力であり、金型材から金型
形状に機械加工する場合及び金型の使用において強度的
に支障はない。
【0010】本発明のベント付き金型材の製造方法は、
所定のベント付き金型用のベント付き金型材鋳造用鋳型
であって、前記ベントを設ける位置に、前記ベントに相
当する内孔を有し後記溶湯の鋳込みにより溶湯と外周面
が融合接合する肉厚を有する管状金属部材を設置した金
型材鋳造用鋳型を準備する工程と、前記金型材鋳造用鋳
型に金型材本体を形成する溶湯を鋳込む工程とを具備す
ることを特徴とする(請求項4)。
所定のベント付き金型用のベント付き金型材鋳造用鋳型
であって、前記ベントを設ける位置に、前記ベントに相
当する内孔を有し後記溶湯の鋳込みにより溶湯と外周面
が融合接合する肉厚を有する管状金属部材を設置した金
型材鋳造用鋳型を準備する工程と、前記金型材鋳造用鋳
型に金型材本体を形成する溶湯を鋳込む工程とを具備す
ることを特徴とする(請求項4)。
【0011】この手段では、ベントが単純な孔、例え
ば、円孔、四角孔等の場合であり、管状金属部材を設置
するから、管状金属部材の肉厚を適当に選択することに
より、湯はかせすることなく鋳込みを行っても、鋳込み
を行った金属と管状金属部材の外表面とが溶湯の熱で融
合接合し、単純な孔からなるベントが所望位置に形成さ
れたベント付きの金型材が得られる。また、管状金属部
材は、任意に屈曲させたものを設置することが可能であ
るから、機械加工では困難な滑らかに屈曲した或いは適
当に屈曲したベントを有する金型材を得て、その屈曲し
たベントを有する金型とすることもできる。
ば、円孔、四角孔等の場合であり、管状金属部材を設置
するから、管状金属部材の肉厚を適当に選択することに
より、湯はかせすることなく鋳込みを行っても、鋳込み
を行った金属と管状金属部材の外表面とが溶湯の熱で融
合接合し、単純な孔からなるベントが所望位置に形成さ
れたベント付きの金型材が得られる。また、管状金属部
材は、任意に屈曲させたものを設置することが可能であ
るから、機械加工では困難な滑らかに屈曲した或いは適
当に屈曲したベントを有する金型材を得て、その屈曲し
たベントを有する金型とすることもできる。
【0012】前記ベント付き金型材の製造方法(請求項
4)において、前記金型材鋳造用鋳型に設置される管状
金属部材内に微粒の砂を充填しておく構成とするのがよ
い(請求項5)。この方法では、管状金属部材の厚さを
薄くする必要がある場合に適用して、管状金属部材内に
溶湯が侵入することを防止できるから、ベントを形成す
る所望の大きさの内孔を維持できる。砂は鋳造後に取り
出す。
4)において、前記金型材鋳造用鋳型に設置される管状
金属部材内に微粒の砂を充填しておく構成とするのがよ
い(請求項5)。この方法では、管状金属部材の厚さを
薄くする必要がある場合に適用して、管状金属部材内に
溶湯が侵入することを防止できるから、ベントを形成す
る所望の大きさの内孔を維持できる。砂は鋳造後に取り
出す。
【0013】また、本発明のベント付き金型材の製造方
法は、所定のベント付き金型用のベント付き金型材鋳造
用鋳型であって、前記ベントを設ける位置に、所定の大
きさの内孔を有しその内孔に前記ベントを形成する微細
孔を有する多孔質体を設けてあり後記溶湯の鋳込みによ
り溶湯と外表面が融合接合する肉厚を有する管状金属部
材を設置した金型材鋳造用鋳型を準備する工程と、前記
金型材鋳造用鋳型に金型材本体を形成する溶湯を鋳込む
工程とを具備することを特徴とする(請求項6)。
法は、所定のベント付き金型用のベント付き金型材鋳造
用鋳型であって、前記ベントを設ける位置に、所定の大
きさの内孔を有しその内孔に前記ベントを形成する微細
孔を有する多孔質体を設けてあり後記溶湯の鋳込みによ
り溶湯と外表面が融合接合する肉厚を有する管状金属部
材を設置した金型材鋳造用鋳型を準備する工程と、前記
金型材鋳造用鋳型に金型材本体を形成する溶湯を鋳込む
工程とを具備することを特徴とする(請求項6)。
【0014】この手段では、ベントが多孔質体の微細孔
の場合であり、予め多孔質体を設けてある管状金属部材
を設置するから、管状金属部材の肉厚を適当に選択する
ことにより、湯はかせすることなく鋳込みを行っても、
鋳込みを行った金属と管状金属部材の外表面とが溶湯の
熱で融合接合し、多孔質体の微細孔からなるベントが所
望位置に形成されたベント付きの金型材が得られる。ま
た、管状金属部材は、任意に屈曲させたものを設置する
ことが可能であるから、機械加工では困難な滑らかに屈
曲した或いは適当に屈曲したベントを有する金型材を得
てその屈曲したベントを有する金型とすることもでき
る。
の場合であり、予め多孔質体を設けてある管状金属部材
を設置するから、管状金属部材の肉厚を適当に選択する
ことにより、湯はかせすることなく鋳込みを行っても、
鋳込みを行った金属と管状金属部材の外表面とが溶湯の
熱で融合接合し、多孔質体の微細孔からなるベントが所
望位置に形成されたベント付きの金型材が得られる。ま
た、管状金属部材は、任意に屈曲させたものを設置する
ことが可能であるから、機械加工では困難な滑らかに屈
曲した或いは適当に屈曲したベントを有する金型材を得
てその屈曲したベントを有する金型とすることもでき
る。
【0015】前記ベント付き金型材の製造方法(請求項
6)において、前記金型材鋳造用鋳型に設置した前記管
状金属部材の内孔に設けてある多孔質体が、金属粉末、
金属繊維、セラミック粉末、セラミック繊維、の中のい
ずれか1種類又は複数種類を焼結した焼結体であり、且
つその焼結体と前記管状金属部材の内周面とが焼結接合
している予め焼結したものである構成とするのがよい
(請求項7)。この方法では、金型材鋳造用鋳型内に設
置した管状金属部材内の多孔質体が、焼結された金属と
セラミックのいずれか一方又は双方からなる多孔質体で
あり、予め焼結されて管状金属部材の内周面を形成する
部分の金属層と焼結接合しているものであるから、溶湯
と管状金属部材の外周面との融合接合を重点的に留意す
ればよく、鋳造が容易である。
6)において、前記金型材鋳造用鋳型に設置した前記管
状金属部材の内孔に設けてある多孔質体が、金属粉末、
金属繊維、セラミック粉末、セラミック繊維、の中のい
ずれか1種類又は複数種類を焼結した焼結体であり、且
つその焼結体と前記管状金属部材の内周面とが焼結接合
している予め焼結したものである構成とするのがよい
(請求項7)。この方法では、金型材鋳造用鋳型内に設
置した管状金属部材内の多孔質体が、焼結された金属と
セラミックのいずれか一方又は双方からなる多孔質体で
あり、予め焼結されて管状金属部材の内周面を形成する
部分の金属層と焼結接合しているものであるから、溶湯
と管状金属部材の外周面との融合接合を重点的に留意す
ればよく、鋳造が容易である。
【0016】また、本発明のベント付き金型材の製造方
法は、所定のベント付き金型用のベント付き金型材鋳造
用鋳型であって、前記ベントを設ける位置に、所定の大
きさの内孔を有しその内孔に焼結されて多孔質体となる
多孔質体原料を収容してある所定の肉厚を有する管状金
属部材を設置した金型材鋳造用鋳型を準備する工程と、
前記金型材鋳造用鋳型に金型材本体を形成する金属の溶
湯を鋳込む工程とを具備し、前記溶湯の鋳込みにより、
前記金型本体と前記管状金属部材の外表面が融合接合
し、前記多孔質体原料が焼結されて多孔質体となり、前
記管状金属部材の内周面と形成される前記多孔質体とが
融合接合することを特徴とする(請求項8)。
法は、所定のベント付き金型用のベント付き金型材鋳造
用鋳型であって、前記ベントを設ける位置に、所定の大
きさの内孔を有しその内孔に焼結されて多孔質体となる
多孔質体原料を収容してある所定の肉厚を有する管状金
属部材を設置した金型材鋳造用鋳型を準備する工程と、
前記金型材鋳造用鋳型に金型材本体を形成する金属の溶
湯を鋳込む工程とを具備し、前記溶湯の鋳込みにより、
前記金型本体と前記管状金属部材の外表面が融合接合
し、前記多孔質体原料が焼結されて多孔質体となり、前
記管状金属部材の内周面と形成される前記多孔質体とが
融合接合することを特徴とする(請求項8)。
【0017】この手段では、金型材鋳造用鋳型に設置さ
れる管状金属部材の内孔に焼結されて多孔質体となる多
孔質体原料を収容してあるから、溶湯の鋳込みにより多
孔質体が焼結形成され、この多孔質体の微細孔がベント
となり、ベント付きの金型材が得られる。また、多孔質
体の焼結による形成が鋳込みと同時に行われ、別の焼結
工程を必要としないから、より一層金型の製作費を低減
できる。
れる管状金属部材の内孔に焼結されて多孔質体となる多
孔質体原料を収容してあるから、溶湯の鋳込みにより多
孔質体が焼結形成され、この多孔質体の微細孔がベント
となり、ベント付きの金型材が得られる。また、多孔質
体の焼結による形成が鋳込みと同時に行われ、別の焼結
工程を必要としないから、より一層金型の製作費を低減
できる。
【0018】前記ベント付き金型材の製造方法(請求項
8)において、前記管状金属部材の内孔に収容してある
前記多孔質体原料が、金属の粉末、金属の繊維、セラミ
ックの粉末、セラミックの繊維、の中のいずれか1種類
又は複数種類である構成とするのがよい(請求項9)。
この方法における金属の溶湯が鋳鉄である場合には、金
属の粉末及び金属の繊維としてはFe系のもの、セラミ
ックの粉末及び繊維としてはアルミナ系のもので、融点
が1000°C以上程度のものが使用できる。
8)において、前記管状金属部材の内孔に収容してある
前記多孔質体原料が、金属の粉末、金属の繊維、セラミ
ックの粉末、セラミックの繊維、の中のいずれか1種類
又は複数種類である構成とするのがよい(請求項9)。
この方法における金属の溶湯が鋳鉄である場合には、金
属の粉末及び金属の繊維としてはFe系のもの、セラミ
ックの粉末及び繊維としてはアルミナ系のもので、融点
が1000°C以上程度のものが使用できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態として、金型
材の構成とその金型材の製造方法を以下に説明する。第
1の実施の形態の金型材1は、図1に示すように、ベン
トが単純な円孔で形成され、比較的多くのベントを備え
たセラミック粉末の泥しょう鋳込み成形金型用の金型材
である。この金型材1は、多数のベント10を備えた金
型の底壁部11とベントのない枠状の土台部12とを一
体に形成したものであるが、場合によってはこの底壁部
11と土台部12とを別々に形成して機械的に結合する
場合もある。金型材1の大部分を構成する金型材本体1
3がFCD60相当の鋳鉄であり、この種の金型のベン
トの直径は通常10〜30mm程度の円孔であるが、こ
の例では直径24mmの単純な円孔である。この円孔の
内周面は本体13とは別の金属層14(S15C相当)
の内周面で形成されている。金属層14の厚さは約1m
mである。
材の構成とその金型材の製造方法を以下に説明する。第
1の実施の形態の金型材1は、図1に示すように、ベン
トが単純な円孔で形成され、比較的多くのベントを備え
たセラミック粉末の泥しょう鋳込み成形金型用の金型材
である。この金型材1は、多数のベント10を備えた金
型の底壁部11とベントのない枠状の土台部12とを一
体に形成したものであるが、場合によってはこの底壁部
11と土台部12とを別々に形成して機械的に結合する
場合もある。金型材1の大部分を構成する金型材本体1
3がFCD60相当の鋳鉄であり、この種の金型のベン
トの直径は通常10〜30mm程度の円孔であるが、こ
の例では直径24mmの単純な円孔である。この円孔の
内周面は本体13とは別の金属層14(S15C相当)
の内周面で形成されている。金属層14の厚さは約1m
mである。
【0020】この金型材1の製造には、図2に示す焼失
模型15を組み込んだ、図3に示すような金型材鋳造用
の鋳型16を用いる。図示及び説明を簡単にするため
に、前記金型の底壁部11と土台部12とを別々に形成
する場合の底壁部材用の鋳型の例について説明する。こ
の鋳型16には、縦×横×高さが300×200×50
mmの焼失模型(発泡スチロール製)15を用いる。消
失模型15には、予め、ベントを形成する位置に内径2
4mm、肉厚1mmの市販のスチールパイプ17(S1
5C相当)の長さ80mmに切断したもの54本を、図
示のように、消失模型15を貫通させて両端が突出する
ように設置し、消失模型と同じ材料で湯口18、堰19
を設け、スチールパイプ17内に樹脂分の含まれていな
い砂を充填しておく。湯口18は直径35mmの円形断
面とし、溶湯が下から充満されるように設け、堰19は
4箇所に設けた。これを図3に示すように、金枠(図示
省略)内に設置し、周囲をフラン砂20で覆って鋳型1
6とする。スチールパイプ17はベント10の孔の内周
面を形成する金属層14となるものである。
模型15を組み込んだ、図3に示すような金型材鋳造用
の鋳型16を用いる。図示及び説明を簡単にするため
に、前記金型の底壁部11と土台部12とを別々に形成
する場合の底壁部材用の鋳型の例について説明する。こ
の鋳型16には、縦×横×高さが300×200×50
mmの焼失模型(発泡スチロール製)15を用いる。消
失模型15には、予め、ベントを形成する位置に内径2
4mm、肉厚1mmの市販のスチールパイプ17(S1
5C相当)の長さ80mmに切断したもの54本を、図
示のように、消失模型15を貫通させて両端が突出する
ように設置し、消失模型と同じ材料で湯口18、堰19
を設け、スチールパイプ17内に樹脂分の含まれていな
い砂を充填しておく。湯口18は直径35mmの円形断
面とし、溶湯が下から充満されるように設け、堰19は
4箇所に設けた。これを図3に示すように、金枠(図示
省略)内に設置し、周囲をフラン砂20で覆って鋳型1
6とする。スチールパイプ17はベント10の孔の内周
面を形成する金属層14となるものである。
【0021】この鋳型16に、鋳込み温度1380〜1
420°Cで鋳鉄溶湯を鋳込み、鋳造後にパイプ17内
の砂を出し、パイプ17の余分な部分及び湯口部分等を
切除すると、図1を用いて説明した金型材1の底壁部1
1が得られる。
420°Cで鋳鉄溶湯を鋳込み、鋳造後にパイプ17内
の砂を出し、パイプ17の余分な部分及び湯口部分等を
切除すると、図1を用いて説明した金型材1の底壁部1
1が得られる。
【0022】得られた金型材1の底壁部は、スチールパ
イプ17であった部分が内孔を有する管状の金属層14
として存在する。この金属層14の外周面と金型材本1
3との間には隙間がなく、また介在物もなく良好に融合
接合しており、強固に接合していた。その接合部の断面
を顕微鏡観察による模式図を図9(a)に示す。図にお
いて、21が融合接合部である。なお、図1に示した枠
状の土台部12を有する形状の金型材1でも、略同様に
して鋳造できる。
イプ17であった部分が内孔を有する管状の金属層14
として存在する。この金属層14の外周面と金型材本1
3との間には隙間がなく、また介在物もなく良好に融合
接合しており、強固に接合していた。その接合部の断面
を顕微鏡観察による模式図を図9(a)に示す。図にお
いて、21が融合接合部である。なお、図1に示した枠
状の土台部12を有する形状の金型材1でも、略同様に
して鋳造できる。
【0023】図4は金型材1から製作した下型22とそ
の上型23を組み合わせた金型24の使用状態を示す断
面図であり、25は泥しょう、26はフィルターとして
の石膏型、27は液受け容器である。
の上型23を組み合わせた金型24の使用状態を示す断
面図であり、25は泥しょう、26はフィルターとして
の石膏型、27は液受け容器である。
【0024】第2の実施の形態を、図5(a)、(b)
に示す。この金型材は金属板の深絞り用の上下の金型用
のものであり、上金型材30に2個のベント31を、下
金型材32に1個のベント33を設けてあるものであ
る。この金型材30、32は、図示説明は省略するが、
第1の実施の形態と同様にベントを構成する外形10m
m、内径6mmのスチールパイプ(S15C相当)を設
置した消失模型を用いた金型用鋳型により鋳造し、余分
なパイプ部分を切り落として得られる。得られた金型材
30、33のベント31、34の孔の内周面を形成して
いる金属層34は金型材本体35の鋳鉄と良好に融合接
合していた。その接合部の断面の顕微鏡観察による結果
は、前記図9(a)に示す模式図と略同じである。第1
の実施の形態と比べて使用したスチールパイプの肉厚が
大きいのは、ベントの数、大きさ、密度等から、パイプ
が溶損することなく融合接合するようにするためであ
る。なお、図6は図5の金型材で形成した上下の金型3
6、37の深絞り加工中の縦断面図であり、図中38が
金属板であり、金属板の上面側及び下面側の空気がベン
ト31、33から排出されることがわかる。
に示す。この金型材は金属板の深絞り用の上下の金型用
のものであり、上金型材30に2個のベント31を、下
金型材32に1個のベント33を設けてあるものであ
る。この金型材30、32は、図示説明は省略するが、
第1の実施の形態と同様にベントを構成する外形10m
m、内径6mmのスチールパイプ(S15C相当)を設
置した消失模型を用いた金型用鋳型により鋳造し、余分
なパイプ部分を切り落として得られる。得られた金型材
30、33のベント31、34の孔の内周面を形成して
いる金属層34は金型材本体35の鋳鉄と良好に融合接
合していた。その接合部の断面の顕微鏡観察による結果
は、前記図9(a)に示す模式図と略同じである。第1
の実施の形態と比べて使用したスチールパイプの肉厚が
大きいのは、ベントの数、大きさ、密度等から、パイプ
が溶損することなく融合接合するようにするためであ
る。なお、図6は図5の金型材で形成した上下の金型3
6、37の深絞り加工中の縦断面図であり、図中38が
金属板であり、金属板の上面側及び下面側の空気がベン
ト31、33から排出されることがわかる。
【0025】第3の実施の形態を、図7を用いて説明す
る。同図は本発明を適用した上金型材から加工した合成
樹脂の射出成形用の上金型40、及びこれに組合された
下型41を示し、上金型40にベント42を設けてあ
る。このベント42は、金型材の鋳造時に鋳くるみ成形
したもので、管状の金属層43の内孔に多孔質体44が
設けれている構成である。この上金型40の金型材の鋳
造には、図示は省略するが、図2を用いて説明したと略
同様に、消失模型とスチールパイプを用いて所望の位置
にベントが位置するように金型材鋳造用鋳型を構成した
ものを使用する。この金型材鋳造用鋳型の製作の時に使
用するスチールパイプは、その中に金属短繊維を充填し
て焼結したものである。すなわち、外形10mm、内径
6mm、材質S15C相当のスチールパイプの内部に、
びびり振動切削により得られた直径約50μm、長さ約
1.5mm、材質S15Cの金属短繊維を充填し、機械
プレスにより空孔率50%となるように圧縮成形し、こ
れを真空炉により1473Kで焼結したものである。
る。同図は本発明を適用した上金型材から加工した合成
樹脂の射出成形用の上金型40、及びこれに組合された
下型41を示し、上金型40にベント42を設けてあ
る。このベント42は、金型材の鋳造時に鋳くるみ成形
したもので、管状の金属層43の内孔に多孔質体44が
設けれている構成である。この上金型40の金型材の鋳
造には、図示は省略するが、図2を用いて説明したと略
同様に、消失模型とスチールパイプを用いて所望の位置
にベントが位置するように金型材鋳造用鋳型を構成した
ものを使用する。この金型材鋳造用鋳型の製作の時に使
用するスチールパイプは、その中に金属短繊維を充填し
て焼結したものである。すなわち、外形10mm、内径
6mm、材質S15C相当のスチールパイプの内部に、
びびり振動切削により得られた直径約50μm、長さ約
1.5mm、材質S15Cの金属短繊維を充填し、機械
プレスにより空孔率50%となるように圧縮成形し、こ
れを真空炉により1473Kで焼結したものである。
【0026】この金型材鋳造用鋳型に鋳鉄溶湯(FCD
60)を、鋳込み温度1380°C〜1420°Cで鋳
込み、後で突出した余分なスチールパイプ部分を切除す
ると、上金型40用のベント付き金型材が得られる。得
られた金型材は、スチールパイプであった部分が内孔を
有する管状の金属層43として存在する。この金属層4
3の外周面と金型材本13との間には隙間がなく、また
介在物もなく良好に融合接合しており、強固に接合して
いた。その接合部の断面の顕微鏡観察による模式図を図
9(c)に示す。図において、21が融合接合部であ
る。なお、前記S15Cの金属短繊維に代えて、びびり
振動切削により得られた直径約30μm、長さ約2m
m、材質SUS430Lの金属短繊維を用いた場合も同
様に良好な結果が得られた。
60)を、鋳込み温度1380°C〜1420°Cで鋳
込み、後で突出した余分なスチールパイプ部分を切除す
ると、上金型40用のベント付き金型材が得られる。得
られた金型材は、スチールパイプであった部分が内孔を
有する管状の金属層43として存在する。この金属層4
3の外周面と金型材本13との間には隙間がなく、また
介在物もなく良好に融合接合しており、強固に接合して
いた。その接合部の断面の顕微鏡観察による模式図を図
9(c)に示す。図において、21が融合接合部であ
る。なお、前記S15Cの金属短繊維に代えて、びびり
振動切削により得られた直径約30μm、長さ約2m
m、材質SUS430Lの金属短繊維を用いた場合も同
様に良好な結果が得られた。
【0027】この金型材から機械加工して上金型40を
得る。その機械加工において、ベント部分は予め多孔質
体によって形成されているから、ベント42の加工の必
要はない。従って、ベントの機械加工を省略できる。こ
の多孔質体44の部分は、実用試験において、樹脂の差
し込み等はなく、エア抜きとして有効であることが確認
された。図8は、前記実施の形態と同じ形状の合成樹脂
物品の成形用の、従来の上金型45、及びこれと組合さ
れた下金型46を示し、そのベント47は、深さ0.0
05mm〜0.03mm、幅3〜5mmのものが所定の
長さ範囲に放電加工によって設けられていると共にこれ
に続いて適当な孔が穿設されている。図7、図8におい
て、48はPL面、49はゲートである。この第3の実
施の形態の上金型40は、従来の上金型45よりもベン
トの精密機械加工を行わないでよい点で安価に製作でき
る。
得る。その機械加工において、ベント部分は予め多孔質
体によって形成されているから、ベント42の加工の必
要はない。従って、ベントの機械加工を省略できる。こ
の多孔質体44の部分は、実用試験において、樹脂の差
し込み等はなく、エア抜きとして有効であることが確認
された。図8は、前記実施の形態と同じ形状の合成樹脂
物品の成形用の、従来の上金型45、及びこれと組合さ
れた下金型46を示し、そのベント47は、深さ0.0
05mm〜0.03mm、幅3〜5mmのものが所定の
長さ範囲に放電加工によって設けられていると共にこれ
に続いて適当な孔が穿設されている。図7、図8におい
て、48はPL面、49はゲートである。この第3の実
施の形態の上金型40は、従来の上金型45よりもベン
トの精密機械加工を行わないでよい点で安価に製作でき
る。
【0028】第3の実施の形態において、スチールパイ
プ内に金属短繊維を所定の気孔率となるように充填し、
予め焼結してから金型材鋳造用鋳型に使用したが、場合
によっては焼結しないで使用してもよい。すなわち、第
3の実施の形態において使用したパイプ内に同じ金属短
繊維を同様に充填して焼結処理をしていないものを準備
し、金型材鋳造用鋳型に使用して鋳造したところ、鋳造
時の溶湯による加熱により、金属短繊維が焼結されて多
孔質体となり、またその多孔質体が管状金属層(スチー
ルパイプ)内面とも焼結していることが分かった。従っ
て、第3の実施の形態は、多孔質体の焼結が本体の鋳込
みで十分に行われにくい場合に、適用するのがよい。こ
の実施の形態では別の工程で、予め焼結しておくことを
省略できる分だけ、ベントが多孔質体である金型材を安
価に提供できる。
プ内に金属短繊維を所定の気孔率となるように充填し、
予め焼結してから金型材鋳造用鋳型に使用したが、場合
によっては焼結しないで使用してもよい。すなわち、第
3の実施の形態において使用したパイプ内に同じ金属短
繊維を同様に充填して焼結処理をしていないものを準備
し、金型材鋳造用鋳型に使用して鋳造したところ、鋳造
時の溶湯による加熱により、金属短繊維が焼結されて多
孔質体となり、またその多孔質体が管状金属層(スチー
ルパイプ)内面とも焼結していることが分かった。従っ
て、第3の実施の形態は、多孔質体の焼結が本体の鋳込
みで十分に行われにくい場合に、適用するのがよい。こ
の実施の形態では別の工程で、予め焼結しておくことを
省略できる分だけ、ベントが多孔質体である金型材を安
価に提供できる。
【0029】また、第1、第2、又は第3の実施の形態
において、金型材鋳造用鋳型に使用するスチールパイ
プ、又は金属短繊維を充填したものに代えて、管状金属
内に金属粉末、セラミック繊維、セラミック粉末、又は
これらに金属短繊維を含めたものを適当に組み合わせ、
混合したものを充填して、必要に応じて予め焼結し、場
合によっては焼結を省略して鋳込みの際に焼結するよう
にして、使用することは可能である。従って、金型のベ
ントとして、単純な孔のもの、又は孔内に多孔質体が設
けられたものを有する金型用の金型材が、略同様にして
得られる。このような試験例として金属粉末により多孔
質体を形成した場合のベント部を図9(b)に示す。す
なわち、図9(b)は、金属粉末をスチールパイプ内で
焼結して多孔質体50とすると共にスチールパイプ内周
面とも焼結接合したものを、金型材本体13で鋳くるん
だ場合の断面の拡大図であり、51が管状金属層、52
がベント、21が融合接合部である。
において、金型材鋳造用鋳型に使用するスチールパイ
プ、又は金属短繊維を充填したものに代えて、管状金属
内に金属粉末、セラミック繊維、セラミック粉末、又は
これらに金属短繊維を含めたものを適当に組み合わせ、
混合したものを充填して、必要に応じて予め焼結し、場
合によっては焼結を省略して鋳込みの際に焼結するよう
にして、使用することは可能である。従って、金型のベ
ントとして、単純な孔のもの、又は孔内に多孔質体が設
けられたものを有する金型用の金型材が、略同様にして
得られる。このような試験例として金属粉末により多孔
質体を形成した場合のベント部を図9(b)に示す。す
なわち、図9(b)は、金属粉末をスチールパイプ内で
焼結して多孔質体50とすると共にスチールパイプ内周
面とも焼結接合したものを、金型材本体13で鋳くるん
だ場合の断面の拡大図であり、51が管状金属層、52
がベント、21が融合接合部である。
【0030】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、単純な孔で構
成されるベントを有する金型の製作費を低減できる効果
を奏する。請求項2に記載の発明は、多数の微細孔で構
成されるベントを有する金型の製作費を低減できる効果
を奏する。請求項3に記載の発明は、多数の微細孔で構
成されるベントを有する金型の製作費を低減できる効果
を奏する。請求項4に記載の発明は、所望位置に単純な
孔のベントを有する金型材を鋳造によって製造できるか
ら、金型の製作費を低減でき、更にそのベントを屈曲し
たベントにすることができる効果を奏する。請求項5に
記載の発明は、ベントを形成する所望の大きさの内孔を
確保できる効果を奏する。請求項6に記載の発明は、多
孔質体の微細孔からなるベントが所望位置に形成された
ベント付きの金型材を鋳造によって製造できるから、金
型の製作費を低減でき、更にそのベントを屈曲したベン
トにすることができる効果を奏する。請求項7に記載の
発明は、鋳造が容易である効果を奏する。請求項8、請
求項9に記載の発明は、多孔質体の焼結による形成が鋳
込みと同時に行われるから、多孔質体の微細孔で形成さ
れるベント付きの金型の製作費をいっそう低減できる効
果を奏する。
成されるベントを有する金型の製作費を低減できる効果
を奏する。請求項2に記載の発明は、多数の微細孔で構
成されるベントを有する金型の製作費を低減できる効果
を奏する。請求項3に記載の発明は、多数の微細孔で構
成されるベントを有する金型の製作費を低減できる効果
を奏する。請求項4に記載の発明は、所望位置に単純な
孔のベントを有する金型材を鋳造によって製造できるか
ら、金型の製作費を低減でき、更にそのベントを屈曲し
たベントにすることができる効果を奏する。請求項5に
記載の発明は、ベントを形成する所望の大きさの内孔を
確保できる効果を奏する。請求項6に記載の発明は、多
孔質体の微細孔からなるベントが所望位置に形成された
ベント付きの金型材を鋳造によって製造できるから、金
型の製作費を低減でき、更にそのベントを屈曲したベン
トにすることができる効果を奏する。請求項7に記載の
発明は、鋳造が容易である効果を奏する。請求項8、請
求項9に記載の発明は、多孔質体の焼結による形成が鋳
込みと同時に行われるから、多孔質体の微細孔で形成さ
れるベント付きの金型の製作費をいっそう低減できる効
果を奏する。
【図1】本発明の第1の実施の形態の金型材を示し、
(a)は正面図、(b)は平面図である。
(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図2】図1の金型材の鋳型模型と同模型に設置された
金属パイプを示し(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。
金属パイプを示し(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。
【図3】図1の金型材の鋳造用鋳型を示し、(a)は
(b)のA−A断面図、(b)は(a)のB−B断面図
である。
(b)のA−A断面図、(b)は(a)のB−B断面図
である。
【図4】第1の実施の形態の金型材から形成した下金型
に上金型を組み合わせた使用状態を示す概略縦断面図で
ある。
に上金型を組み合わせた使用状態を示す概略縦断面図で
ある。
【図5】本発明第2の実施の形態の金型材を示し、
(a)は上金型材の概略縦断面図、(b)は下金型材の
概略縦断面図である。
(a)は上金型材の概略縦断面図、(b)は下金型材の
概略縦断面図である。
【図6】第2の実施の形態の金型材から加工した金型の
使用状態を示す主要部縦断図である。
使用状態を示す主要部縦断図である。
【図7】第3の実施の形態の金型材から加工した金型の
使用状態を示す主要部縦断図である。
使用状態を示す主要部縦断図である。
【図8】第3の実施の形態と同様な従来の金型の使用状
態を示す主要部縦断図である。
態を示す主要部縦断図である。
【図9】本発明の実施の形態における各種ベント部分を
模式的に表したもので、(a)はベントが円孔の縦断面
部分拡大図、(b)はベントが粉体焼結多孔質体の縦断
面部分拡大図、(c)はベントが短繊維焼結体の部分縦
断面拡大図である。
模式的に表したもので、(a)はベントが円孔の縦断面
部分拡大図、(b)はベントが粉体焼結多孔質体の縦断
面部分拡大図、(c)はベントが短繊維焼結体の部分縦
断面拡大図である。
1 金型材 10 ベント 11 底壁部 12 土台部 13 金型材本体 14 金属層 15 焼失模型 16 鋳型 17 スチールパイプ 18 湯口 19 堰 20 フラン砂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 45/34 B29C 45/34 Fターム(参考) 4E050 JC02 JC04 4E093 NB07 NB08 4F202 AJ06 AJ10 CA27 CD02 CD18 CP01
Claims (9)
- 【請求項1】 金型材本体が鋳造可能な金属で形成さ
れ、金型に加工された状態で型空間側の内面から金型の
外面に達するベント部を有し、前記ベント部が所定の大
きさの孔で形成され、前記孔の内周面を形成する部分が
前記金型材本体の金属と融合接合した所定厚さの金属層
で形成されていることを特徴とするベント付き金型材。 - 【請求項2】 金型材本体が鋳造可能な金属で形成さ
れ、金型に加工された状態で型空間側の内面から金型の
外面に達するベント部を有し、前記ベント部が所定の大
きさの孔内に設けた多孔質体の微細孔によって形成さ
れ、前記孔の内周面を形成する部分が金型材本体の金属
と融合接合した所定厚さの金属層で形成されていること
を特徴とするベント付き金型材。 - 【請求項3】 請求項2に記載のベント付き金型材にお
いて、前記多孔質体が、金属の粉末、金属の繊維、セラ
ミックの粉末、セラミックの繊維、の中のいずれか1種
類又は複数種類を焼結した焼結体であり、且つその焼結
体と前記孔の内周面を形成する部分の金属層とが焼結接
合していることを特徴とするベント付き金型材。 - 【請求項4】 所定のベント付き金型用のベント付き金
型材鋳造用鋳型であって、前記ベントを設ける位置に、
前記ベントに相当する内孔を有し後記溶湯の鋳込みによ
り溶湯と外周面が融合接合する肉厚を有する管状金属部
材を設置した金型材鋳造用鋳型を準備する工程と、前記
金型材鋳造用鋳型に金型材本体を形成する溶湯を鋳込む
工程とを具備することを特徴とするベント付き金型材の
製造方法。 - 【請求項5】 請求項4に記載のベント付き金型材の製
造方法において、前記金型材鋳造用鋳型に設置される管
状金属部材内に微粒の砂を充填しておくことを特徴とす
るベント付き金型材の製造方法。 - 【請求項6】 所定のベント付き金型用のベント付き金
型材鋳造用鋳型であって、前記ベントを設ける位置に、
所定の大きさの内孔を有しその内孔に前記ベントを形成
する微細孔を有する多孔質体を設けてあり後記溶湯の鋳
込みにより溶湯と外表面が融合接合する肉厚を有する管
状金属部材を設置した金型材鋳造用鋳型を準備する工程
と、前記金型材鋳造用鋳型に金型材本体を形成する溶湯
を鋳込む工程とを具備することを特徴とするベント付き
金型材の製造方法。 - 【請求項7】 請求項6に記載のベント付き金型材の製
造方法において、前記金型材鋳造用鋳型に設置した前記
管状金属部材の内孔に設けてある多孔質体が、金属粉
末、金属繊維、セラミック粉末、セラミック繊維、の中
のいずれか1種類又は複数種類を焼結した焼結体であ
り、且つその焼結体と前記管状金属部材の内周面とが焼
結接合している予め焼結したものであることを特徴とす
るベント付き金型材の製造方法。 - 【請求項8】 所定のベント付き金型用のベント付き金
型材鋳造用鋳型であって、前記ベントを設ける位置に、
所定の大きさの内孔を有しその内孔に焼結されて多孔質
体となる多孔質体原料を収容してある所定の肉厚を有す
る管状金属部材を設置した金型材鋳造用鋳型を準備する
工程と、前記金型材鋳造用鋳型に金型材本体を形成する
金属の溶湯を鋳込む工程とを具備し、前記溶湯の鋳込み
により、前記金型本体と前記管状金属部材の外表面が融
合接合し、前記多孔質体原料が焼結されて多孔質体とな
り、前記管状金属部材の内周面と形成される前記多孔質
体とが融合接合することを特徴とするベント付き金型材
の製造方法。 - 【請求項9】 請求項8に記載のベント付き金型材の製
造方法において、前記管状金属部材の内孔に収容してあ
る前記多孔質体原料が、金属の粉末、金属の繊維、セラ
ミックの粉末、セラミックの繊維、の中のいずれか1種
類又は複数種類であることを特徴とするベント付き金型
材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11084126A JP2000271727A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | ベント付き金型材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11084126A JP2000271727A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | ベント付き金型材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007069355A (ja) * | 2005-09-02 | 2007-03-22 | Toyota Motor Corp | 成形金型 |
JP2008173887A (ja) * | 2007-01-19 | 2008-07-31 | Ngk Insulators Ltd | 射出成形型用ガス抜き部材 |
JP2010030159A (ja) * | 2008-07-29 | 2010-02-12 | Toyota Boshoku Corp | 射出成形用の成形型 |
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WO2017118889A1 (en) * | 2016-01-06 | 2017-07-13 | Appleton Grp, Llc | Vent plate |
-
1999
- 1999-03-26 JP JP11084126A patent/JP2000271727A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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