JP2000271532A - 親水性皮膜の形成方法、および、塗装物品 - Google Patents

親水性皮膜の形成方法、および、塗装物品

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JP2000271532A
JP2000271532A JP11079481A JP7948199A JP2000271532A JP 2000271532 A JP2000271532 A JP 2000271532A JP 11079481 A JP11079481 A JP 11079481A JP 7948199 A JP7948199 A JP 7948199A JP 2000271532 A JP2000271532 A JP 2000271532A
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JP11079481A
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Tsutomu Minami
努 南
Seiji Tadanaga
清治 忠永
Atsunori Matsuda
厚範 松田
Masataka Ooka
正隆 大岡
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れる親水性皮膜を簡便に調製する
方法を提供すること、および、かかる方法により得られ
る親水性皮膜をトップコート層として設けてなる塗装物
品を提供すること。 【解決手段】 基材上に、チタニウムキレート化合物
(A)からなる皮膜もしくはアモルファス酸化チタン
(B)の皮膜と、ポリシロキサン(C)の皮膜を順次形
成せしめて複層皮膜を調製した後、当該複層皮膜に活性
エネルギー線を照射する親水性皮膜の形成方法、およ
び、この方法により形成される親水性皮膜をトップコー
ト層として設けてなる塗装物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る親水性皮膜の形成方法と、当該形成方法により得られ
る親水性皮膜をトップコート層として設けてなる塗装物
品とに関する。
【0002】さらに詳しくは、基材上にチタニウムキレ
ート化合物からなる皮膜もしくはアモルファス酸化チタ
ンの皮膜と、ポリシロキサンの皮膜を順次形成せしめて
複層皮膜を調製したのち、当該複層皮膜に活性エネルギ
ー線を照射することを特徴とする、親水性皮膜の形成方
法、ならびに当該形成方法により調製される親水性皮膜
をトップコート層として設けてなる塗装物品に関するも
のである。
【0003】そして、こうして調製される親水性皮膜
は、建築の外壁材、橋梁やタンク等の屋外構築物あるい
は自動車等の車両類等の各種の屋外で使用される物品の
トップコートとして汚染防止のための皮膜、クーラー等
の熱交換用の室外機や室内機に使用されるアルミニウム
フィンの如きフィン類の親水化コーティング、屋内で使
用される各種のガラスや鏡類の曇防止コーティング、さ
らには、画像形成用の媒体等の各種の用途に有効に利用
できるものである。
【0004】
【従来の技術】これまでに、親水性皮膜の形成方法とし
ては、(1)カルボキシレート基、スルホネート基もし
くはポリオキシアルキレン基の如き親水性基を含有する
重合体を架橋することにより調製する方法であるとか、
(2)特許第2756474号公報や特開平9−579
12号公報に記載されている如く、結晶性酸化チタンの
如き光酸化触媒としての機能を有する金属酸化物微粒子
とシリコーン系等のバインダーとからなるコーティング
剤を基材に塗装したのちに、光照射により親水化せしめ
る方法、等がある。
【0005】しかしながら、かかる方法のうち、(1)
の方法により得られる親水性皮膜は耐久性に劣る問題点
があるし、(2)の方法では、予め、高温で焼成して得
られる光酸化触媒としての機能を有する微粒子とバイン
ダーとからコーティング剤を調製するという煩雑な工程
を経なけらばならない問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明者ら
は、上述したような従来型技術における種々の問題点
を、悉く、解消するべく、研究を開始した。
【0007】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、耐久性に優れる親水性皮膜を簡便に調製する方法
を提供することにあり、また、かかる方法により得られ
る親水性皮膜をトップコート層として設けてなる塗装物
品を提供することにある。
【0008】本発明者らは、上述の課題を解決すべく、
鋭意研究を重ねた結果、基材上に、チタニウムキレート
化合物から室温乾燥もしくは比較的低温での焼き付けで
チタニウムキレート化合物の皮膜を形成させるか、もし
くは低温での焼成によりアモルファス酸化チタンの皮膜
を形成させ、次いで、その上にポリシロキサンの皮膜を
形成せしめて複層皮膜を調製したのち、当該複層皮膜に
活性エネルギー線を照射することにより、耐久性に優れ
る親水性被膜を容易に得ることが出来ること、また、こ
のようにして得られる親水性皮膜をトップコート層とし
て設けてなる塗装物品は、耐曝露汚染性、防曇性、水流
下性等の表面の高親水化に由来する各種の性能と耐久性
に優れることを見いだし、本発明が解決しようとする課
題を、見事に、解決することが出来ることを確信するに
及んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
【0009】すなわち、本発明は、 1.基材上に、チタニウムキレート化合物(A)からな
る皮膜もしくはアモルファス酸化チタン(B)の皮膜
と、ポリシロキサン(C)の皮膜を順次形成せしめて複
層皮膜を調製した後、当該複層皮膜に活性エネルギー線
を照射することを特徴とする、親水性皮膜の形成方法、
【0010】2.前記した、ポリシロキサン(C)の皮
膜が、珪素原子に結合した加水分解性基の少なくとも1
個と珪素原子に結合した1価の有機基の少なくとも1個
を併有するオルガノシラン化合物および/またはシリケ
ート化合物、もしくは当該オルガノシラン化合物および
/またはシリケート化合物の加水分解生成物、より形成
されるものである、上記1に記載の親水性皮膜の形成方
法、
【0011】3.前記した基材上に、予め花弁状アルミ
ナ皮膜が形成されたものである、上記1に記載の親水性
皮膜の形成方法、
【0012】4.活性エネルギー線の照射により、上記
複層皮膜と水との接触角を20度以下に低下せしめる、
上記1〜3のいずれか1つに記載の親水性皮膜の形成方
法、
【0013】5.前記した活性エネルギー線が紫外線で
ある、上記1〜4のいずれか1つに記載の親水性皮膜の
形成方法、および、
【0014】6.前記した、1〜5のいずれか1つに記
載の方法により調製される親水性皮膜をトップコート層
として設けてなる塗装物品、を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、さらに一層、
詳細に、説明することにする。先ず、本発明で云う親水
性皮膜とは、水との接触角として概ね50度以下、好ま
しくは40度以下、特に好ましくは20度以下の親水性
を有する皮膜を指称するものである。
【0016】かかる親水性皮膜を形成する際に使用され
る基材としては、公知慣用の各種のものを使用すること
が出来る。かかる基材の特に代表的なものとしては、各
種の金属基材、無機質基材、プラスチック基材、紙、木
質系基材の如き各種のものが挙げられる。
【0017】かかる各種の基材のうち、金属基材の代表
的なものとしては、鉄、ニッケル、アルミニウム、クロ
ム、亜鉛、錫、銅、鉛の如き各種の金属類;ステンレス
スチー、真鍮の如き、これらの各種金属の合金類;前掲
したような各種の金属類であって、メッキや化成処理な
どが施された各種の表面処理金属類等が挙げられる。
【0018】また、無機質基材とは、セメント系、珪酸
カルシウム等の珪酸塩系、石膏系、石綿系、セラミック
ス系等で代表される如き無機質の材料を主とするもので
あり、その具体的なものとしては、コンクリート、セメ
ントモルタル、石膏プラスター、ドロマイトプラスタ
ー、軽量気泡コンクリート(ALC)、石綿セメント
板、ガラス繊維強化の珪酸カルシウム板、石膏ボード、
陶器、磁器、アルミナパネル、タイルの如き各種の粘土
の焼成物もしくはガラスなどの各種のものが挙げられ
る。
【0019】プラスチック基材の代表的なものとして
は、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタ
クリレート、ABS樹脂、ポリフェニレンオキサイド、
ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプ
ロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
テレフタレートの如き、種々の熱可塑性樹脂のフィルム
や成形品;不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、
架橋型ポリウレタン、架橋型のアクリル樹脂、架橋型の
飽和ポリエステル樹脂の如き、各種の熱硬化性樹脂から
得られる架橋フィルムや架橋した成形品等が挙げられ
る。
【0020】また、上述した各種の基材類のなかで各種
の金属とか、ガラス、セラミックス類等の耐熱性に優れ
る基材を使用する場合には、かかる基材の上に予め、
J.Ceram.Soc.Japan,Vol.10
3,No.6,582−585(1995)、Pro
c.of XVII,Inter.Congress
onGlass,Vol.4,445−449(Bei
jing,China,1995)、New Glas
s,Vol.12,No.2,42−45(199
7)、特開平9−202,649号、特開平9−20
2,650号、特開平9−202,651号等に開示さ
れている、花弁状アルミナ皮膜が設けられたものが、好
ましい基材の一つとして挙げられる。
【0021】かかる花弁状のアルミナ皮膜とは、アルミ
ナ膜の表層部分が熱水または加熱水蒸気の解膠作用を受
けて、花弁状の構造を有するアルミナがランダムに集合
化した微小な孔状の空隙を持った膜を指称するものであ
る。かかる、花弁状アルミナ膜は、例えば、アルミニウ
ムトリイソプロポキサイド、アルミニウムトリ−n−ブ
トキサイド、アルミニウムトリ−sec−ブトキサイ
ド、アルミニウムトリ−tert−ブトキサイドの如き
アルミニウムアルコキサイド類を、アセト酢酸エステル
もしくはアセチルアセトンの如き安定化剤として機能す
るキレート化剤の存在下に加水分解して得られるゾル液
を、基材に塗布し高温で焼成してアルミナゲル膜を調製
した後に、熱水または加熱水蒸気で、処理し、さらに高
温で焼成することにより作製することが出来る。
【0022】こうした花弁状のアルミナ膜を設けると、
活性エネルギー線を照射する前の複層被膜の撥水性をよ
り高めることが出来るので、高撥水性部分と高親水性部
分を併有するパターン化された塗装物品を利用する用途
には、非常に有効である。
【0023】さらに、本発明において、基材として、上
述した如き各種の基材に、予め公知慣用の塗料を塗装し
て皮膜を形成せしめたものを使用することもできる。こ
のような皮膜を形成せしめる際に使用される塗料の代表
的なものとしては、アクリル樹脂系塗料、ポリエステル
樹脂系塗料、アルキド樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗
料、ポリウレタン樹脂系塗料、フルオロオレフィン重合
体系塗料、水ガラス系塗料、アルキルシリケート系塗
料、ポリシロキサン系塗料の如き各種タイプが挙げられ
る。これらの塗料は、有機溶剤溶液型、有機溶剤分散
型、水分散型、無溶剤型もしくは粉末型等のいずれの形
態であってもよい。
【0024】本発明の方法において、基材上に、第一層
としてチタニウムキレート化合物(A)からなる皮膜も
しくはアモルファス酸化チタン(B)の皮膜が形成され
る。かかる被膜のうち、チタニウムキレート化合物
(A)からなる被膜を調製するに際し使用されるチタニ
ウムキレート化合物(A)としては、公知慣用の各種の
ものを使用することが出来る。
【0025】チタニウムキレート化合物(A)におけ
る、キレート化剤の代表的なものとしては、アセチルア
セトン、ジピロバイルメタン、トリフルオロアセチルア
セトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイル
アセトン、ジベンゾイルメタンの如きβ−ジケトン化合
物類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢
酸アリル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸−iso−
プロピル、アセト酢酸−tert−ブチル、アセト酢酸
−iso−ブチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル、
3−ケト−n−バレリック酸メチル等の如き、β−ケト
エステル化合物類;さらには、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミンの如き、ア
ルカノールアミン類等を挙げることができる。
【0026】上述したチタニウムキレート化合物(A)
の調製法としては公知慣用の各種の方法を採用すること
が出来るが、公知慣用のチタニウムアルコキサイド類
と、上述した如き各種のキレート化剤を反応させること
が、特に簡便である。
【0027】その際に使用されるチタニウムアルコキサ
イド類の代表的なものとしては、チタニウムテトライメ
トキサイド、チタニウムテトラエトキサイド、チタニウ
ムテトライソプロポキサイド、チタニウムテトラ−n−
ブトキサイド、チタニウムテトラ−sec−ブトキサイ
ド、チタニウムテトラ−tert−ブトキサイドもしく
は前記した各種のチタニウムのアルコキサイド類を部分
加水分解して得られるチタニウムアルコキサイドのオリ
ゴマー類が挙げられる。
【0028】上述した各種のチタニウムアルコキサイド
類とキレート化剤とから得られるチタニウムキレート化
合物(A)の具体的なものとしては、チタニウムモノ
(アセチルアセトネート)トリ−n−ブトキサイド、チ
タニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニ
ウムテトラキス(エチルアセトアセテート)、チタニウ
ムビス(アセチルアセトネート)ジイソプロポキサイ
ド、チタニウムビス(エチルアセトアセテート)ジ−n
−ブトキサイド、チタニウムモノ(ベンゾイルアセトネ
ート)トリ−n−ブトキサイドの如きものが挙げられ
る。
【0029】そして、かかるチタニウムキレート化合物
(A)のなかでも、皮膜形成性の点から、一分子中に少
なくとも1個のチタン原子に結合したアルコキシ基を含
有するものであることが、特に好ましい。即ち、本発明
で使用されるチタニウムキレート化合物(A)として
は、1分子中に少なくとも1個のキレート化剤と少なく
とも1個のアルコキシ基が結合した化合物であることが
特に好ましいものである。
【0030】かかるチタニウムキレート化合物(A)か
らなる皮膜を調製するに当たり、先ず、例えば、予め
調製した上記した如き各種のキレート化合物(A)を各
種の溶剤類に溶解せしめる方法とか、上述した各種の
チタニウムアルコキシドの有機溶剤溶液にキレート化剤
を添加せしめる方法とか、によりキレート化合物(A)
を含有するコーティング剤が調製される。
【0031】かかる、キレート化合物(A)を含有する
コーティング剤を調製するに当たり使用される溶剤とし
ては、公知慣用の各種のものを使用することができる。
そして、その代表的なものとしては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、is
o−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、is
o−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、エ
チレングリコールもしくはエチレングリコール−モノ−
n−プロピルエーテルの如きアルコール類;n−ヘキサ
ン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、
シクロオクタンの如き、各種の脂肪族系ないしは脂環族
系の炭化水素類;
【0032】トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如
き、各種の芳香族炭化水素類;ギ酸エチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル、エチレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテ
ルアセテートの如き、各種のエステル類;アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノンの如き、各種のケトン類;ジメトキシエタン、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエー
テルの如き、各種のエーテル類;クロロホルム、メチレ
ンクロライド、四塩化炭素。テトラクロロエタンの如
き、各種の塩素化炭化水素類;N−メチルピロリドン、
ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチ
レンカーボネートの如き、非プロトン性極性溶剤等が挙
げられる。
【0033】上述したまたはなる方法により、本発
明で使用されるコーティング剤を調製するに当たり、コ
ーティング剤の安定性の点から、上述した如き各種の溶
剤類のうち、アルコール類を必須成分として使用するこ
とが特に好ましい。また、これらの方法によりキレート
化合物(A)を含有するコーティング剤を調製するに際
して、必要に応じて水を添加して、金属に結合したアル
コキシ基を部分的に加水分解せしめてもよい。水を添加
する際の添加量としては、上述したように、金属に結合
したアルコキシ基が1分子当たり少なくとも1個は残留
するような範囲内の量とするのが好ましい。
【0034】また、キレート化合物(A)を含有するコ
ーティング剤には、アルコキシ基の加水分解を促進した
り、チタン原子に結合した水酸基同志の脱水縮合反応を
促進したりすることにより、皮膜の形成を容易に進行さ
せる為の触媒を添加することができる。
【0035】かかる触媒の代表的なものとしては、硝
酸、塩酸、硫酸、燐酸の如き、各種の無機酸類;p−ト
ルエンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、酢酸の如
き、各種の有機酸類;アンモニウムハイドロキサイド、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの如き、各種の無機
塩基類;ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫の如
き、各種の錫カルボン酸塩類;鉄、コバルト、マンガ
ン、亜鉛の如き、各種の金属のナフテン酸塩、オクチル
酸塩の如き金属カルボン酸塩類;
【0036】1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデセン−7(DBU)、トリ−n−ブチルアミンもし
くはジメチルベンジルアミン、イミダゾール、1−メチ
ルイミダゾールの如き、各種のアミン系化合物類;テト
ラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム
塩、トリメチル(2−ヒドロキシルプロピル)アンモニ
ウム塩の如き各種の4級アンモニウム塩類であって、し
かも、対アニオンとして、それぞれ、クロライド、ブロ
マイド、カルボキシレート、ハイドロオキサイドなどを
有する塩類などが挙げられる。
【0037】かかる触媒類を添加する場合の、その使用
量としては、コーテイング剤に含有されるキレート化合
物(A)の100重量部に対して、0.0001〜10
重量部なる範囲内が、好ましくは、0.0005〜3重
量部なる範囲内が、特に好ましくは、0.0005〜1
重量部なる範囲内が適切である。
【0038】また、キレート化合物(A)を含有するコ
ーティング剤は、着色剤を含まないクリヤーなコーティ
ング剤として使用することも出来るし、また、公知慣用
の種々の有機系あるいは無機系の顔料や染料を含有する
コーティング剤として使用することもできる。さらに、
かかるコーティング剤には、必要に応じて、レベリング
剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤または可塑剤などの公知慣用の種々の添加剤、ある
いは、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂もしくはポリウレ
タン系樹脂等の各種の樹脂類をも配合せしめて、使用す
ることができる。
【0039】次いで、公知慣用の方法により基材に塗装
し、室温で乾燥するか、または60〜400℃程度の温
度でキレート結合が残留する程度の時間の強制乾燥もし
くは焼き付けを行って皮膜を形成すればよい。その際に
適用される塗装方法の代表的なものとしては、ディッピ
ング法、スピンコート法、ノズルフローコート法、スプ
レー法、リバースコート法、フレキソ法、印刷法、フロ
ーコート法、バーコート法、エアースプレー法、エアレ
ススプレー法の如き各種の方法が挙げられる。
【0040】次に、基材上に、アモルファス酸化チタン
の皮膜を形成する方法について説明する。かかる方法と
しては、公知慣用の各種の方法を適用することが出来
る。例えば、上記した如き各種のチタニウムアルコキ
サイド類あるいはチタニウムテトラアセテートの如きチ
タニウムカルボキシレート等の加水分解により水酸化チ
タンを生成する化合物を、上述した如き溶剤類のうち、
メタノール、エタノールあるいはイソプロパノールの如
き水溶性溶剤に溶解し、次いで水を加えて部分加水分解
もしくは完全加水分解を行うことにより得られるコーテ
ィング剤を、上述した如き各種のコーティング方法によ
り基材に塗布、乾燥して水酸化チタンを形成せしる。さ
らに、必要により、400℃程度までの温度で焼き付け
を行ってアモルファス酸化チタンに変換する方法、上
述した如く基材上にチタニウムキレート化合物(A)か
ら皮膜を形成した後に、400℃程度までの温度で加熱
を行って、キレート結合を熱分解せしめてアモルファス
酸化チタンに変換する方法、等を適用すればよい。
【0041】上述のなる方法を適用する場合、コーテ
ィング剤の調製に際して、キレート化合物(A)を含有
するコーティング剤を調製する際に添加できるものとし
て例示した如き各種の触媒を添加することも出来る。
【0042】こうして形成される、チタニウムキレート
化合物(A)からなる皮膜もしくはアモルファス酸化チ
タンの皮膜の膜厚としては、高度の親水性を発現させる
点および耐クラック性の点から、0.5nm〜10μm
程度に設定するのが好ましい。
【0043】上述のようにして基材上に形成された、チ
タニウムキレート化合物(A)からなる皮膜もしくはア
モルファス酸化チタン(B)の皮膜の上にポリシロキサ
ン(C)の皮膜を形成せしめることにより複層皮膜が調
製される。かかる、ポリシロキサン(C)の皮膜を形成
するにも公知慣用の各種の方法を適用することが出来
る。かかる方法の具体的なものとしては、珪素原子に
結合した加水分解性基の少なくとも1個を有するシラン
化合物を必須成分として含有するシラン系コーティング
剤を塗布して当該シラン化合物を加水分解縮合せしめる
方法、予め調製した、珪素原子に結合した加水分解性
基の少なくとも1個を有するシラン化合物の加水分解物
もしくは当該シラン化合物の加水分解縮合物であるポリ
シロキサンを必須成分として含有するポリシロキサン系
コーティング剤を塗布して、さらに縮合を進める方法、
等が挙げられる。
【0044】上述したまたはなる方法において使用
されるシラン化合物としては、珪素原子に結合した加水
分解性基の少なくとも1個と珪素原子に結合した有機基
の少なくとも1個を併有するオルガノシラン化合物とか
各種のシリケート化合物が挙げられる。
【0045】かかるオルガノシラン化合物において、珪
素原子に結合した加水分解性基とは、アルコキシ基、置
換アルコキシ基、アルケニルオキシ基、イミノオキシ
基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン
原子、水素原子の如き、加水分解により珪素原子に結合
した水酸基、即ち、シラノール基、を形成する基を指称
するものである。そして、珪素原子に結合した有機基の
代表的なものとしては、珪素−炭素結合を介して、アル
キル基、各種の置換基が結合した置換アルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
基の如き各種の有機基が挙げられる。
【0046】上記した有機基のうちでアルキル基の代表
的なものとしては、メチル基、エチル基、n−ブチル
基、iso−ブチル基、n−オクチル基、n−ドデシル
基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基、n−トリ
アコシル基の如き炭素数が1〜30のアルキル基が挙げ
られる。置換基アルキル基の代表的なものとしては、3
−グリシドキシプロピル基、3−(メタ)アクリロイル
オキシプロピル基、3−ウレイドプロピル基、3−イソ
シアナトプロピル基、3−ジメチルアミノプロピル基の
如き3−置換プロピル基;3,3,3,−トリフルオロ
プロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、CF
3(CF2)2CH2CH2-、CF3(CF2)3CH2CH2-、CF3(CF 2)7CH2CH
2-、CF3(CF2)9CH2CH2-、CF3(CF2)11CH2CH2-、CF3(CF2)
13CH2CH2-、CF3(CF2)15CH2CH2-、CF3(CF2)17CH2CH2-、C
F3(CF2)21CH2CH2-、CF3(CF2)25CH2CH2-、CF3(CF2)27CH2
CH2-の如き各種のフッ素原子が置換したアルキル基;2
−シクロヘキシルエチル基、3,4−エポキシシクロヘ
キシルエチル基の如きシクロヘキシル基が置換したアル
キル基の如きもの等が挙げられる。
【0047】シクロアルキル基の代表的なものとして
は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基の如きものが
挙げられる。アリール基の代表的なものとしては、フェ
ニル基、p−トリル基、1−ナフチル基が挙げられる。
アラルキル基の代表的なものとしては、2−フェニルエ
チル基、1−フェニルエチル基の如きものが挙げられ
る。また、アルケニル基の代表的なものとしては、ビニ
ル基、イソプロペニル基の如きものが挙げられる。
【0048】上記した如き加水分解性基の少なくとも1
個と有機基の少なくとも1個を含有するオルガノシラン
化合物のうちの加水分解性基としてアルコキシ基もしく
は置換アルコキシ基を含有するものの代表的なものとし
ては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、メチルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、
n−ブチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメト
キシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−オ
クタデシルトリメトキシシラン、n−ドコシルトリメト
キシシラン、n−エイコシルトリメトキシシラン、n−
トリアコシルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−
ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n
−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリス(2−
メトキシエトキシ)シランもしくはアリルトリメトキシ
シラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテ
ル、2−トリエトキシシリルエチルビニルエーテル、3
−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、3−ト
リエトキシシリルプロピルビニルエーテル、3−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3,3,3,−トリフルオロプロピルトリメトキシ
シラン、4,4,4−トリフルオロブチルトリメトキシ
シラン、CF3(CF2)2CH2CH2-Si(OCH3)3、CF3(CF2)3CH2CH2
-Si(OCH3)3、CF3(CF2)7CH2CH2-Si(OCH3)3、CF3(CF2)9CH
2CH2-Si(OCH3)3、CF3(CF2)11CH 2CH2-Si(OCH3)3、CF3(CF
2)13CH2CH2-Si(OCH3)3、CF3(CF2)15CH2CH2-Si(OCH3)3
CF3(CF2)17CH2CH2-Si(OCH3)3、CF3(CF2)21CH2CH2-Si(OC
H3)3、CF3(CF2)25CH2CH2-Si(OCH3)3、CF3(CF2)27CH2CH2
-Si(OCH3)3、3,4−エポキシシクロヘキシルトリメト
キシシランの如き、各種のオルガノトリアルコキシシラ
ン類;
【0049】ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジメチルジ(2−メトキシエトキ)シシ
ラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジメ
トキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プ
ロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシ
シラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブ
チルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−ブト
キシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチル
フェニルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、2−(メチルジメトキシシリル)エチルビニルエ
ーテル、3−(メチルジメトキシシリル)プロピルビニ
ルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、CF3(CF2)7CH2CH2-Si(CH3)(OC
H3)2、CF3(CF2)9CH2CH2-Si(CH3)(OCH3)2の如き、各種の
ジオルガノジアルコキシシラン類;トリメチルメトキシ
シラン、トリエチルメトキシシラン、tert−ブチル
ジメチルメトキシシラン、シクロヘキシルジメチルメト
キシラン、CF3(CF2)7CH2CH2-Si(CH3)2(OCH3)の如き、ト
リオルガノモノアルコキシシラン類が挙げられる。
【0050】加水分解性基として、アルコキシ基あるい
は置換アルコキシ基以外の各種の基を含有するオルガノ
シラン化合物としては、上掲した如き各種のアルコキシ
シラン化合物において、アルコキシ基もしくは置換アル
コキシ基に代えて他の加水分解性基を導入した各種の化
合物が挙げられる。
【0051】上掲した各種のオルガノシラン化合物のな
かでは、親水性皮膜の耐久性の点から、2個または3個
の加水分解性基を含有するシラン化合物を主成分として
使用することが特に好ましい。また、取り扱い易さの点
から加水分解性基としてはアルコキシ基もしくは置換ア
ルコキシ基を含有するものが特に好ましい。
【0052】上述したまたはなる方法において使用
されるシラン化合物の1つとしての、シリケート化合物
の代表的なものとしては、テトラメチルシリケート、テ
トラエチルシリケート、テトラ−n−ブチルシリケー
ト、テトラ−2−エチルヘキシルシリケート、テトラ−
n−オクチルシリケート、テトラ−n−ドデシルシリケ
ート、テトラ−n−オクタデシルシリケートの如き炭素
数が1〜18程度のアルコキシ基を含有する各種のシリ
ケート類;テトラ−2−メトキシエトキシシリケート、
テトラ−3−メトキシプロピルシリケートの如き置換ア
ルキルシリケート;ベンジルシリケート、2−フェニル
エチルシリケートの如きアラルキルシリケート等の各種
のものが挙げられる。上述したオルガノシラン化合物と
シリケート化合物は、それぞれを単独で使用できるし、
両者を併用することもできる。
【0053】上述した各種のシラン化合物から、本発明
で使用されるシラン系コーティング剤あるいはポリシロ
キサン系コーティング剤を調製するには公知慣用の各種
の方法に従って行えばよい。即ち、上述したキレート化
合物(A)を含有するコーティング剤を調製する際に使
用されるものとして例示した如き各種の溶剤類にシラン
化合物を溶解せしめたり、当該溶剤中でシラン化合物を
部分加水分解縮合せしめたり、加水分解せしめたり、あ
るいは加水分解縮合せしめるといった方法を適用するこ
とが出来る。また、これらのコーティング剤を調製する
に際して、上述した如き各種の触媒類をも添加すること
もできる。
【0054】かかる触媒類を添加する場合の、その使用
量としては、コーテイング剤に含有されるシラン化合物
あるいはポリシロキサンの100重量部に対して、0.
0001〜10重量部なる範囲内が、好ましくは、0.
0005〜3重量部なる範囲内が、特に好ましくは、
0.0005〜1重量部なる範囲内が適切である。
【0055】上述したようにして、オルガノシラン化合
物および/またはシリケート化合物からポリシロキサン
系コーティング剤が調製されるが、ポリシロキサンとし
て、メチル基あるいはフェニル基が結合した珪素原子を
含有し、且つ、官能基としてシラノール基やメトキシ基
を含有する市販の各種のシリコーン樹脂をも使用するこ
とが出来る。
【0056】本発明で使用されるシラン系コーティング
剤あるいはポリシロキサン系コーティング剤には、必要
に応じて、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤または可塑剤などの公知慣用
の種々の添加剤、あるいは、アクリル樹脂系、ビニル樹
脂系、ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系の如き
各種の樹脂類をも配合せしめて、使用することができ
る。
【0057】また、本発明で使用される上述のコーティ
ング剤は、着色剤を含まないクリヤーなコーティング剤
として使用することも出来るし、また、公知慣用の種々
の有機系あるいは無機系の顔料や染料を含有するコーテ
ィング剤として、使用することもできる。
【0058】かくして調製されるコーティング剤は、上
述したチタニウムキレート化合物(A)からなる皮膜を
調製する際に適用されるものとして例示した如き各種の
方法を適用して、基材上に形成されたチタニウムキレー
ト化合物(A)からなる皮膜あるいはアモルファス酸化
チタン(B)の皮膜の上に塗布される。次いで、室温に
1日〜10日間程度のあいだ放置して乾燥せしめたり、
60〜300℃程度の温度で1分〜3時間程度のあいだ
強制乾燥もしくは焼き付けることによりポリシロキサン
(C)の皮膜を得ることが出来る。
【0059】上述のようにして、形成されるポリシロキ
サン(C)の皮膜の膜厚としては、高度の親水性を発現
させる点および耐クラック性の点から、0.5nm〜1
0μm、好ましくは、1nm〜5μm程度に設定するの
が好ましい。
【0060】かくして得られる複層皮膜に活性エネルギ
ー線を照射することにより親水性皮膜を形成することが
できるが、その際に照射される活性エネルギー線の種類
および照射時間等の照射条件は、水との接触角が、概ね
50度以下、好ましくは40度以下、最も好ましくは2
0度以下となるように設定すればよい。
【0061】かかる、活性活性エネルギー線としては、
公知慣用の各種のものを使用することができ、その代表
的なものとしては、可視光線、紫外線、エキシマレーザ
ー光線、半導体レーザー光線、電子線、X線の如きもの
が挙げられる。
【0062】かかる、活性エネルギー線を照射する線源
としては、それぞれの活性エネルギー線を発生させるこ
とができる公知慣用の装置を使用すればよいし、また、
太陽光をも線源として使用することができる。
【0063】上述した如き各種の活性エネルギー線のな
かでも、特に好ましいものとして紫外線が挙げられる。
【0064】活性エネルギー線を照射する時間は、皮膜
に付与しようとする親水性の程度、皮膜の厚さ、線源の
強度等に応じて、最適な時間を設定すればよいが、概ね
5分から10時間程度でよい。但し、線源として太陽光
を使用する場合には、1日から1ヶ月に亘る曝露によっ
て初めて親水化できることもある。
【0065】本発明の方法により親水性の皮膜が形成さ
れるメカニズムは、未だ解明されてはいないが、チタニ
ウムキレート化合物(A)から得られるの皮膜あるいは
アモルファス酸化チタン(B)の皮膜が光分解機能を発
現し、トップコート層のポリシロキサン皮膜に含有され
る有機基あるいはアルコキシ基等の分解が起きて親水性
のシリカ系皮膜が形成されることによると推定される。
【0066】次に、本発明の親水性皮膜の形成方法によ
り得られる親水性皮膜をトップコート層として設けてな
る塗装物品について説明する。
【0067】かかる塗装物品のより具体的なものとして
は、それぞれ、基材として金属基材が使用された自動
車、自動二輪車、電車、自転車、船舶または飛行機ある
いは其の他の輸送関連機器類と、それらに使用される金
属基材あるいはプラスチック基材等が使用された諸々の
部品;基材として、金属基材あるいはプラスチック基材
等が使用された、テレビ、ラジオ、冷蔵庫、洗濯機、ク
ーラー室外機、クーラーの室内機あるいは室外機等に設
置される熱交換用のアルミニウムフィン等のフィン材ま
たはコンピュータあるいは其の他の家電製品類;金属基
材が主に使用される各種の画像形成用の媒体;フロント
グラス、リヤーグラス、サイドグラス、ドアミラー等の
車両用のガラス製部品類、鏡あるいは建築物の窓ガラス
の如きガラス製品類;
【0068】各種の無機質系の瓦、金属製の屋根材、無
機質系外壁材、金属製の壁材、金属製の窓枠、金属製の
ドア、内壁材の如き、種々の建材類;道路、道路標識、
ガードレール、橋梁、タンク、煙突、ビルディングの如
き、各種の屋外構築物;さらには、ポリエステル樹脂フ
ィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィル
ム、フッ素樹脂フィルム等の各種の有機フィルムに塗装
した各種の被覆フィルムなどが挙げられる。
【0069】そして、これらの各種の塗装物品のうち、
特に好ましいものとして、トップコート層を親水化せし
めて、耐曝露汚染性を向上せしめる点から、種々の外装
用建材類および各種の屋外構築物;親水化による水の流
下性や防曇性を活かせる点から、熱交換用のフィン材や
各種のガラス製品類が挙げられる。
【0070】また、エネルギー線照射により大幅な親水
化を達成できることから、照射部分と未照射部分の親水
性の差を活かすことができる画像形成用の材料も本発明
の塗装物品の有用なものの1つとして挙げられる。
【0071】
【実施例】次に、本発明を、参考例、実施例および比較
例により、一層、具体的に説明をするが、本発明は、決
して、これらの例のみに限定されるものではない。な
お、以下において、部および%は、特に断りの無い限
り、すべて、重量基準であるものとする。また、親水性
の尺度である水との接触角の測定は、皮膜上に約1.7
μlの水滴を載せ、エルマ(株)製の接触角計を使用し
て、大気中で25℃の温度条件下に測定したものであ
る。
【0072】参考例1〔アモルファス酸化チタンの皮膜
形成用のコーティング剤の調製例〕 攪拌機、温度計および滴下ロートを備えた反応容器に、
チタニウムテトラ−n−ブトキサイドの34.0グラム
(0.1モル)とエタノールの92.1グラム(2.0
モル)を仕込み、25℃で10分間のあいだ撹拌を行っ
て均一な溶液とした。ついで、エタノールの46.1グ
ラム(1.0モル)と1.2規定の塩酸水溶液の3.3
グラムからなる混合物を30分間で滴下した。さらに混
合物を同温度で30分間のあいだ撹拌を続行することに
よりチタニウムテトラ−n−ブトキサイドを加水分解・
重縮合せしめてコーティング剤を得た。以下、これをコ
ーティング剤(C−1)と略称する。
【0073】参考例2〔チタニウムキレート化合物の皮
膜形成用のコーティング剤の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、チタニウムテトラ−n−
ブトキサイドの34.0グラム(0.1モル)とエタノ
ールの92.1グラム(2.0モル)を仕込み、25℃
で30分間のあいだ撹拌を行った。ついで、アセチルア
セトンの10.0グラム(0.1モル)とエタノールの
46.1グラム(1.0モル)からなる混合物を30分
間で滴下した。さらに混合物を2時間のあいだ25℃で
撹拌を続行してから0.01規定の硝酸水溶液の1.8
グラムを加えて1時間のあいだ撹拌を行って、キレート
化剤としてアセチルアセトンが結合したチタニウムキレ
ート化合物を含有するコーティング剤を得た。以下、こ
れをコーティング剤(C−2)と略称する。
【0074】参考例3〔チタニウムキレート化合物の皮
膜形成用のコーティング剤の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、チタニウムテトラ−n−
ブトキサイドの34.0グラム(0.1モル)とエタノ
ールの691.1グラム(15.0モル)を仕込み、2
5℃で30分間のあいだ撹拌を行った。ついで、アセチ
ルアセトンの10.0グラム(0.1モル)とエタノー
ルの46.1グラム(1.0モル)からなる混合物を3
0分間で滴下した。さらに混合物を2時間のあいだ25
℃で撹拌を続行してから0.01規定の硝酸水溶液の
1.8グラムを加えて1時間のあいだ撹拌を行って、キ
レート化剤としてアセチルアセトンが結合したチタニウ
ムキレート化合物を含有するコーティング剤を得た。以
下、これをコーティング剤(C−3)と略称する。
【0075】参考例4〔ポリシロキサン(C)の皮膜形
成用のコーティング剤の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、n−オクタデシルトリエ
トキシシランの41.7グラム(0.1モル)とエタノ
ールの921.4グラム(20.0モル)を仕込み、3
0℃で撹拌しながら、0.02規定の塩酸水溶液の3.
6グラムを10分間で滴下した。引き続き、同温度で5
時間のあいだ撹拌を続行してシラン系コーティング剤の
溶液を得た。以下、これをコーティング剤(C−4)と
略称する。
【0076】参考例5〔同上〕 n−オクタデシルトリエトキシシランの41.7グラム
に代えてメチルトリエトキシシランの17.8グラム
(0.1モル)を使用する以外は、参考例4と同様に反
応を行ってシラン系コーティング剤の溶液を得た。以
下、これをコーティング剤(C−5)と略称する。
【0077】参考例6〔同上〕 n−オクタデシルトリエトキシシランの41.7グラム
に代えてビニルトリエトキシシランの19.0グラム
(0.1モル)を使用する以外は、参考例4と同様に反
応を行ってシラン系コーティング剤の溶液を得た。以
下、これをコーティング剤(C−6)と略称する。
【0078】参考例7〔同上〕 n−オクタデシルトリエトキシシランの41.7グラム
に代えてフェニルトリエトキシシランの24.4グラム
(0.1モル)を使用する以外は、参考例4と同様に反
応を行ってシラン系コーティング剤の溶液を得た。以
下、これをコーティング剤(C−7)と略称する。
【0079】参考例8〔同上〕 参考例1と同様の反応容器に、メチルトリメトキシシラ
ンの17.8グラム(0.1モル)、テトラエチルシリ
ケートの20.8グラム(0.1モル)とエタノールの
276.4グラム(6.0モル)を仕込み、30℃で撹
拌しながら、0.01規定の塩酸水溶液の12.6グラ
ムを20分間で滴下した。引き続き、同温度で5時間の
あいだ撹拌を続行してシラン系コーティング剤の溶液を
得た。以下、これをコーティング剤(C−8)と略称す
る。
【0080】参考例9〔同上〕 参考例1と同様の反応容器に、n−ブチルシリケートの
32.1グラム(0.1モル)とエタノールの230.
4グラム(5.0モル)を仕込み、50℃で撹拌しなが
ら、0.02規定の塩酸水溶液の1.8グラムを10分
間で滴下した。引き続き、同温度で5時間のあいだ撹拌
を続行したのち、エタノールの230.4グラム(5.
0モル)を添加して、シラン系コーティング剤の溶液を
得た。以下、これをコーティング剤(C−9)と略称す
る。
【0081】参考例10〔同上〕 参考例1と同様の反応容器に、ヘプタデカフルオロデシ
ルトリメトキシシラン〔C8F17CH2CH2Si(OCH3)3〕の5
6.8グラム(0.1モル)とイソプロパノールの12
02.0グラム(20.0モル)を仕込み、30℃で撹
拌しながら、0.01規定の塩酸水溶液の5.4グラム
を10分間で滴下した。引き続き、同温度で5時間のあ
いだ撹拌を続行してシラン系コーティング剤の溶液を得
た。以下、これをコーティング剤(C−10)と略称す
る。
【0082】参考例11〔花弁状アルミナ膜形成用のコ
ーティング剤の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、アルミニウムトリ−se
c−ブトキサイドの24.6グラム(0.1モル)とイ
ソプロパノールの100.0グラム(1.66モル)を
仕込み、30℃で撹拌しながら、アセト酢酸エチルの1
3.0グラム(0.1モル)を10分間で滴下し、同温
度で1時間のあいだ撹拌を行った。次いで、同温度で撹
拌しながら、イソプロパノールの20グラム(0.33
モル)と水の7.2グラム(0.4モル)からなる混合
物を10分間で滴下し、さらに、同温度で3時間のあい
だ撹拌を行って、花弁状アルミナ膜形成用のコーティン
グ剤を調製した。以下、これをコーティング剤(C−1
1)と略称する。
【0083】実施例1 参考例1で調製したコーティング剤(C−1)を、脱脂
処理を施した2.5cm×2.5cm×0.1cmのソ
ーダライムガラス板にディッピング装置を使用して、
2.0mm/秒の引き上げ速度でディップコーティング
を行って皮膜を形成させ、次いで300℃で30分間の
焼成を行って膜厚が80nmなる酸化チタンの皮膜を形
成せしめた。この皮膜についてX線回折による同定を行
ったところ、結晶性酸化チタンに特有の回折ピークは観
察されず、この皮膜はアモルファス酸化チタンであるこ
とが確認出来た。
【0084】次いで、このようにして作成したアモルフ
ァス酸化チタンで被覆されたガラス板を、参考例4で調
製したコーティング剤(C−4)に浸漬してから引き上
げるディップコーティング法によりアモルファス酸化チ
タンの皮膜上にシラン系コーティング剤を塗布した。つ
いで、250℃で10分間の加熱処理を行って膜厚が2
nmなるポリシロキサンの皮膜を形成せしめた。
【0085】このようにして調製された複層皮膜に、ウ
シオ電機(株)製の250W超高圧水銀灯「UIS−2
5102」(照射光の波長:250〜450nm)を使
用して5cmの距離から30分間の紫外線照射を行っ
た。紫外線照射前の、皮膜の水との接触角は95度であ
ったが、照射後のそれは5度以下であり、皮膜が高度に
親水化したことが確認できた。
【0086】実施例2 参考例11で調製したコーティング剤(C−11)に浸
漬してから引き上げるディップコート法により、実施例
1と同様のソーダライムガラス板上にアルミナゾル系の
コーティング剤を塗装した。風乾後、400℃にて10
分間の焼成を行った後、沸騰水中に10分間浸漬した。
次いで、400℃で10分間の焼成を行って厚さ200
nmの花弁状のアルミナ皮膜が形成されたガラス板を得
た。
【0087】花弁状のアルミナ皮膜が形成されたガラス
板に参考例3で調製したコーティング剤(C−3)をデ
ィップコート法により塗装し、300℃で30分間の焼
成を行って膜厚が2nmなるアモルファス酸化チタンの
皮膜を形成せしめた。次いで、このようにして得られた
被覆ガラス板に、参考例4で調製したコーティング剤
(C−4)をディップコート法により塗装し、250℃
で10分間の加熱処理を行ってポリシロキサンの皮膜を
形成させて複層皮膜を得た。こうして得られた複層被膜
の中心部分に2.0mm×2.0mmの遮光板を置き、
実施例1と同様の装置を使用し、且つ、同例と同様の条
件で紫外線照射を行った。紫外線照射前の、皮膜の水と
の接触角は150度と非常に大きく、しかも、照射後の
それは5度以下であり、照射により皮膜が高度に親水化
したことが確認できた。また、遮光板を置いた紫外線の
未照射部分の水との接触角も150度であった。従っ
て、部分的にマスキングして紫外線を照射することによ
り、高撥水部分と高親水部分の両部分を併有するパター
ンを形成することが可能である。こうしたパターン形成
された塗装物品は画像形成用に有効に利用できるもので
ある。
【0088】実施例3 実施例2と同様にして作成した、膜厚が200nmの花
弁状のアルミナ皮膜と膜厚が2nmなるアモルファス酸
化チタンの皮膜を順次形成せしめたガラス板に、参考例
10で調製したコーティング剤(C−10)をディップ
コート法により塗装し、250℃で10分間の加熱処理
を行ってポリシロキサンの皮膜を形成させて複層皮膜を
得た。こうして得られた複層被膜に、実施例1と同様の
装置を使用し、且つ、同例と同様の条件で紫外線照射を
行った。紫外線照射前の、皮膜の水との接触角は160
度と非常に大きく、しかも、照射後のそれは5度以下で
あり、照射により皮膜が高度に親水化したことが確認で
きた。
【0089】実施例4 実施例2と同様にして作成した、膜厚が200nmの花
弁状のアルミナ皮膜を形成せしめたガラス板に、参考例
3で調製したチタニウムキレート化合物を含有するコー
ティング剤(C−3)をディップコート法により塗装
し、100℃で30分間の加熱処理を行ってチタニウム
キレート化合物の皮膜を形成せしめた。次いで、得られ
た被覆ガラス板に参考例10で調製したコーティング剤
(C−10)をディップコート法により塗装し、250
℃で10分間の加熱処理を行ってポリシロキサンの皮膜
を形成させて複層皮膜を得た。こうして得られた複層被
膜に、実施例1と同様の装置を使用し、且つ、同例と同
様の条件で紫外線照射を行った。紫外線照射前の、皮膜
の水との接触角は150度と非常に大きく、しかも、照
射後のそれは5度以下であり、照射により皮膜が高度に
親水化したことが確認できた。 実施例5 脱脂処理を施した2.5cm×2.5cm×0.3cm
の白色磁器タイルを基材として使用し、このうえに参考
例2で調製したチタニウムキレート化合物を含有するコ
ーティング剤(C−3)をディップコート法により塗装
し、室温で1日間のあいだ乾燥を行ってチタニウムキレ
ート化合物の皮膜を形成せしめた。次いで、得られた被
覆タイルに参考例5で調製したコーティング剤(C−
5)をディップコート法により塗装し、250℃で10
分間の加熱処理を行ってポリシロキサンの皮膜を形成さ
せて複層皮膜を得た。こうして得られた複層被膜に、実
施例1と同様の装置を使用し、且つ、同例と同様の条件
で紫外線照射を行った。紫外線照射前の、皮膜の水との
接触角は100度で、照射後のそれは5度以下であり、
照射により皮膜が高度に親水化したことが確認できた。
【0090】得られた塗装板を、耐雨垂れ汚染性の促進
試験機にセットし、屋外での曝露試験を実施した。3ヶ
月間の曝露の後に皮膜の汚染は全く認められず、極めて
耐雨垂れ汚染性に優れることが確認できた。したがっ
て、本発明の方法により形成される皮膜をトップコート
層として設けてなる無機質系の基材は、建築外装や建材
用途に有効に利用できることが明らかとなった。
【0091】実施例6 基材として、脱脂処理を施した2.5cm×2.5cm
×0.01cmのステンレススチール板を使用し、この
上に参考例2で調製したコーティング剤(C−2)をデ
ィップコート法により塗装し、100℃で30分間の加
熱処理を行って膜厚が100nmなるチタニウムキレー
ト化合物の皮膜を形成せしめた。次いで、得られたステ
ンレススチール板に参考例8で得たコーティング剤(C
−8)ををディップコート法により塗装し、100℃で
30分間の加熱処理を行って膜厚が10nmなるポリシ
ロキサンの皮膜を形成させて複層皮膜を得た。
【0092】得られた複層皮膜が形成されたステンレス
スチール板の両面に、実施例1と同様の装置を使用し、
且つ、同例と同様の条件で紫外線照射を行った。紫外線
照射前の、皮膜の水との接触角は85度で照射後のそれ
は5度以下であり、照射により皮膜が高度に親水化した
ことが確認できた。
【0093】このようにして調製したステンレススチー
ル板を5枚積層して、空調機用の熱交換機のモデル品を
作成した。このモデル品について、30℃の水中浸漬の
8時間と80℃での乾燥の16時間を1サイクルとする
繰り返し試験を5回行った後、霧吹き試験によるブリッ
ジ(ステンレススチール板間への水滴の滞留)を評価し
たところ、ブリッジの発生は全く認められず、水の流下
性に優れることが確認できた。従って、本発明の方法に
より調製される親水性皮膜をトップコート層として設け
てなるステンレススチール板は、熱交換機用のフィン材
として有効に利用出来るものである。
【0094】実施例7〜9 コーティング剤(C−4)に代えて、コーティング剤
(C−6)、(C−7)または(C−9)を使用する以
外は、実施例1と同様にして、ソーダライムガラス上
に、厚さが約80nmのアモルファス酸化チタンの皮膜
および膜厚が約2nmなるポリシロキサンの皮膜が形成
された複層皮膜を調製した。それぞれの複層皮膜に実施
例1と同様にして紫外線照射を行った。紫外線照射前と
照射後の複層皮膜の水との接触角は第1表に示した通り
であり、何れの、複層皮膜についても紫外線照射による
高度の親水化が確認された。
【0095】
【表1】
【0096】
【発明の効果】本発明の親水性被膜の形成方法は、室温
での乾燥もしくは比較的低温での焼きつけで調製される
チタニウムキレート化合物の皮膜もしくは低温での焼成
で調製されるアモルファス酸化チタンの皮膜と、ポリシ
ロキサンの皮膜からなる複層皮膜に活性エネルギー線を
照射することにより、耐久性に優れる高親水性皮膜を簡
便に得ることが出来るという点で極めて実用性が高い。
かかる親水性皮膜をトップコート層として設けてなる塗
装物品は、防曇性、水の流下性、耐曝露汚染性等の皮膜
の親水性に由来する優れた性能を有するものであり、さ
らに、高撥水性部分と高親水性部分の両パターンを併有
する塗装物品として利用する用途にも非常に有用であ
り、極めて利用価値が高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 C 183/04 183/04 185/00 185/00 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB46Z CA34 CA37 DC01 DC05 DC12 EA21 EB01 EB43 EB51 4F006 AA12 AA15 AA17 AA22 AA31 AA33 AA35 AA36 AA37 AA58 AB39 AB67 AB68 AB74 BA10 CA00 CA01 CA04 DA03 DA04 EA03 EA05 4F100 AA21B AG00A AH08B AK52C AK79C AT00A BA03 BA10A BA10C EJ42 GB07 GB32 JA12B JB05 JL00 4J038 AA011 DL032 HA211 JC38 NA06 PA07 PA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、チタニウムキレート化合物
    (A)からなる皮膜もしくはアモルファス酸化チタン
    (B)の皮膜と、ポリシロキサン(C)の皮膜を順次形
    成せしめて複層皮膜を調製した後、当該複層皮膜に活性
    エネルギー線を照射することを特徴とする、親水性皮膜
    の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記した、ポリシロキサン(C)の皮膜
    が、珪素原子に結合した加水分解性基の少なくとも1個
    と珪素原子に結合した1価の有機基の少なくとも1個を
    併有するオルガノシラン化合物および/またはシリケー
    ト化合物、もしくは当該オルガノシラン化合物および/
    またはシリケート化合物の加水分解生成物、より形成さ
    れるものである、請求項1に記載の親水性皮膜の形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記した基材上に、予め花弁状アルミナ
    皮膜が形成されたものである、請求項1に記載の親水性
    皮膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 活性エネルギー線の照射により、複層皮
    膜と水との接触角を20度以下に低下せしめる、請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の親水性皮膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記した、活性エネルギー線が紫外線で
    ある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の親水性皮膜
    の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記した、請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の方法により調製される親水性皮膜をトップコー
    ト層として設けてなる塗装物品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014199155A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 株式会社神戸製鋼所 アルミニウムフィン材およびその製造方法
WO2020129456A1 (ja) * 2018-12-19 2020-06-25 富士フイルム株式会社 光触媒複合材、並びに、サイネージ用ディスプレイ保護部材、タッチパネル用保護部材、太陽電池用保護部材、センサカバー用保護部材、サイネージ用ディスプレイ、タッチパネル、太陽電池、及び、センサカバー

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JP2014199155A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 株式会社神戸製鋼所 アルミニウムフィン材およびその製造方法
WO2020129456A1 (ja) * 2018-12-19 2020-06-25 富士フイルム株式会社 光触媒複合材、並びに、サイネージ用ディスプレイ保護部材、タッチパネル用保護部材、太陽電池用保護部材、センサカバー用保護部材、サイネージ用ディスプレイ、タッチパネル、太陽電池、及び、センサカバー

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