JP2000268700A - 超電導限流ヒューズおよびこれを用いた過電流制御システム - Google Patents

超電導限流ヒューズおよびこれを用いた過電流制御システム

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JP2000268700A JP11069282A JP6928299A JP2000268700A JP 2000268700 A JP2000268700 A JP 2000268700A JP 11069282 A JP11069282 A JP 11069282A JP 6928299 A JP6928299 A JP 6928299A JP 2000268700 A JP2000268700 A JP 2000268700A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力配電系統おいて用いられた場合でも充分
な臨界電流密度により半波程度の極めて短い時間内に確
実に電路を開放する。 【解決手段】 電力供給源と電力需要側との間を超電導
部材により電気的に接続して定格以上の過電流によりこ
の超電導部材が溶断して電流を遮断するものにおいて、
前記超電導部材は、所定の厚さを有し、かつ、電気的な
絶縁性を有する絶縁基板33上に設けられると共に、前
記過電流が流れることにより溶断される超電導薄膜34
により構成されている。また、過電流が流れたときに切
断される超電導部材3と、この超電導部材3が切断され
たときに超電導部材の切断箇所を迂回して電流を供給す
るように前記電力供給線または超電導部材に接続された
転流用の導電性部材5,6を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流供給路に流れ
る短絡電流等の過大な電流から電力需要側の機器等を保
護するために電流を限流する超電導ヒューズおよびこの
超電導限流ヒューズを用いた超電導制御システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、電流供給路(電路)で短絡事故
や地絡事故等が発生し場合、電力ケーブルやこの電流供
給路に接続されている電力機器を保護するために、事故
電流を高速で限流または遮断する必要がある。このよう
な電力機器等の保護を目的として、過大な電流が流れた
場合に素子の一部が溶断して回路を開くヒューズが用い
られることが多い。しかしながら、通常のヒューズは溶
断部分に常電導体を用いているために、通常の通電時に
おいても常に発熱している。したがって、通常の通電電
流値はヒューズの溶断電流値よりもかなり小さく、例え
ば10分の1程度にしておかなければ、通常通電時にヒ
ューズの温度が上昇をしてしまうことになる。
【0003】換言すると、溶断電流の大きさは通常の通
電電流値よりもかなり大きく設定しなければならず、こ
の結果、事故電流は抑制されるものの、一部は非常に大
きな事故電流が流れてしまう。そこで、通常通電時は溶
断部分に電流を流さず、過電流が流れた場合のみ電流を
溶断部分に転流させることにより、通常通電電流値の数
倍程度でも電流供給路を遮断する方法も提案されている
(特公平7−73024号公報参照)。
【0004】しかしながら、この方法によれば過電流が
流れたことを検出する検出手段が必要となり、また電流
を転流させるための手段も必要となるなど装置構成が複
雑になるという問題点があった。そのため、ヒューズの
溶断部分を超電導体により構成して過電流が流れた場合
に超電導体がクエンチする現象を利用したヒューズが幾
つか提案されている(特開平8−236822号公報、
特開平8−87948号公報)。この明細書において、
「クエンチ」とは超電導体が部分的に常電動状態に転移
することをいう。
【0005】上記の先行技術文献に記載されている超電
導体を用いたヒューズによれば、通常通電時の発熱は殆
ど無視することができ、さらに超電導体の臨界電流値を
超える電流が流れると、超電導体は速やかに常電導状態
へと転移(クエンチ)するため多量のジュール熱が発生
し始め、超電導体は断線し回路は開極されることにな
る。つまり、超電導体を用いたヒューズにおいては、通
常通電電流と超電導体の臨界電流値を同程度の値に設定
することにより、通常通電電流の数倍の過電流が流れる
と、超電導体が断線し、回路が開極するようなヒューズ
を非常に簡単な構成により得ることが可能となる。
【0006】このように、従来の超電導ヒューズは超電
導体を電路に直列に接続することにより構成されている
ので、電路に過電流が流れた場合に超電導体が溶断・破
壊されて電路が遮断される。したがって、通常の通電時
には超電導体のいわゆる交流損失以外の損失が発生せず
温度も殆ど上昇しない。また、通常の通電電流値と超電
導体の臨界電流値が近い場合には通常の通電電流より大
きい過電流が流れると超電導体には速やかに発熱が生
じ、過度の温度上昇や熱衝撃などにより超電導体が溶断
または破壊されて回路は開極される。
【0007】このような超電導限流ヒューズを用いる電
力配電系統においては、短絡事故などにより過電流が流
れるのを交流の半波(1/4サイクル)程度の時間内で
阻止することが強く望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
超電導限流ヒューズを用いた過電流制御システムにおい
ては、短絡事故などにより過電流が流れた場合に、交流
の半波(1/4サイクル)程度の時間内で阻止すること
が強く望まれているにも拘わらず、この程度の時間内で
システムを開くことができなかったできなかった。この
ような短絡事故によりヒューズが即時に切断されるよう
にするためには、通常のヒューズによれば定格容量に対
してぎりぎりの容量にしておく必要があり、この場合に
は通常通電時にかなりの発熱を伴うことになる。この通
常通電時の発熱を防止するために断面積の大きなヒュー
ズを用いると、定格電流よりも遙かに大きな電流が流れ
なければヒューズは切断されないばかりでなく、半波程
度の時間内では到底切断されないという問題がある。
【0009】このため、電力配電系統の電路に用いられ
る限流ヒューズを超電導体により構成すると、通常の通
電電流値が超電導体の臨界電流値以下であれば発熱はな
く、それ以上の電流が電力配電系統に流れると急激に大
きな抵抗が発生するため短時間で切断される。ただし、
限流ヒューズに用いられる超電導体が焼結体である場合
には、この超電導体の臨界電流密度は小さくなってお
り、この超電導体に大電流を流すために体積を大きくし
て構成すると、半波程度の時間内で限流ヒューズが溶断
されることはなく、上記問題は解決されないことにな
る。したがって、半波時間内でヒューズが溶断される程
度には臨界電流密度の大きい超電導体により限流ヒュー
ズを構成する必要がある。
【0010】本発明は上述した種々の問題を解決するた
めになされたものであり、電力配電系統おいて用いられ
た場合でも充分な臨界電流密度により半波程度の極めて
短い時間内に確実に電路を開放することのできる超電導
限流ヒューズおよびこれを用いた過電流制御システムを
提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る超電導限流ヒューズは、電力供給源
と電力需要側との間を超電導部材により電気的に接続し
て定格以上の過電流によりこの超電導部材が溶断して電
流を遮断するものにおいて、前記超電導部材は、所定の
厚さを有し、かつ、電気的な絶縁性を有する絶縁基板上
に設けられると共に、前記過電流が流れることにより溶
断される超電導薄膜により構成されていることを特徴と
する。
【0012】また、請求項2に係る超電導限流ヒューズ
は、請求項1に記載のものにおいて前記超電導薄膜が設
けられる前記絶縁基板が有する前記所定の厚さは、前記
過電流が流れたときに速やかに破壊される厚さであるこ
とを特徴としている。
【0013】また、請求項3に係る超電導限流ヒューズ
は、請求項2に記載のものにおいて前記絶縁基板が有す
る前記所定の厚さは、好ましくは5mm以下であること
を特徴としている。
【0014】また、請求項4に係る超電導限流ヒューズ
は、請求項1に記載のものにおいて前記絶縁基板と前記
超電導薄膜とは剛体により支持されており、少なくとも
その一部は前記剛体と機械的に非接触であることを特徴
としている。
【0015】また、請求項5に係る超電導限流ヒューズ
は、請求項1に記載のものにおいて前記超電導薄膜は、
密閉された冷媒中に収納されることを特徴としている。
【0016】さらに、請求項6に係る超電導限流ヒュー
ズは、電力需要側に電力供給源から必要な電力を供給す
る電力供給線に介挿され、前記電力供給源、電力供給線
および電力需要側を含む電力系統に所定値以上の過電流
が流れたときに切断される超電導部材と、この超電導部
材が切断されたときに超電導部材の切断箇所を迂回して
電流を供給するように前記電力供給線または超電導部材
に接続された転流用の導電性部材と、を備えることを特
徴としている。
【0017】また、請求項7に係る超電導限流ヒューズ
は、請求項6に記載のものにおいて前記超電導部材は、
電気的絶縁性を有する絶縁基板上に積層された酸化物超
電導薄膜により形成されていることを特徴としている。
【0018】また、請求項8に係る超電導限流ヒューズ
は、請求項1または請求項6に記載のものにおいて前記
超電導部材は、電路の表面が通常の通電温度では固体で
あって電気的絶縁性を有する材料により被覆されている
ことを特徴としている。
【0019】また、請求項9に係る過電流制御システム
は、電力供給源と、電力需要側と、これら電極供給側と
電力需要側との間に設けられる電力供給線と、前記電力
供給源、電力供給線および電力需要側を含む電力系統に
所定値以上の過電流が流れたときに前記電力供給線を遮
断するように設けられた限流ヒューズと、を備えるもの
であって、前記限流ヒューズは定格以上の過電流により
この超電導部材が溶断して電流を遮断する超電導限流ヒ
ューズにより構成されると共に、前記超電導部材は所定
の厚さを有し、かつ、電気的な絶縁性を有する絶縁基板
上に設けられると共に、前記過電流が流れることにより
溶断される超電導薄膜により構成されていることを特徴
としている。
【0020】また、請求項10に係る過電流制御システ
ムは、電力供給源と、電力需要側と、これら電極供給側
と電力需要側との間に設けられる電力供給線と、前記電
力供給源、電力供給線および電力需要側を含む電力系統
に所定値以上の過電流が流れたときに前記電力供給線を
遮断するように設けられた限流ヒューズと、を備えるも
のであって、前記限流ヒューズは、前記電力供給線およ
び電力需要側を含む電力系統に所定値以上の過電流が流
れたときに切断される超電導部材と、この超電導部材が
切断されたときに超電導薄部材の切断箇所を迂回して電
流を供給するように前記電力供給線または超電導薄部材
に接続された転流用の導電性部材と、を備える超電導限
流ヒューズであることを特徴としている。
【0021】以上の請求項1ないし請求項5の構成によ
れば、本発明の基本構成に係る超電導限流ヒューズは、
過電流が流れたときに前記超電導薄膜が直ちに溶断され
ると共に、これを支持する節煙基板も直ちに破壊される
ので、瞬時にして電力供給源と電力需要側との間の電力
供給路(電路)を開放することができる。これにより、
交流電流の1/4サイクルに相当する半波程度の時間内
で短絡事故に起因する過電流の流通を阻止することが可
能となる。
【0022】また、請求項6ないし請求項8の構成によ
れば、超電導部材が切断されたときに超電導薄部材の切
断箇所を迂回して電流を供給するように前記電力供給線
または超電導薄部材に接続された転流用の導電性部材を
備えているため、電力供給線(電路)に過大電流が一時
的に流れて超電導部材が切断された場合であっても、事
故電流は超電導部材を迂回して例えば並列に接続されて
いる転流用の導電性部材に流れるので、超電導限流ヒュ
ーズが設けられた配電系統を流れる電力は時間的な遅れ
を経ずに直ちに転流されることになる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る超電導限流ヒ
ューズの実施形態について添付図面を参照しながら詳細
に説明する。個別的な実施例を説明する前に、本発明の
基本的な構成を示す第1実施形態の超電導限流ヒューズ
について図1を用いて説明する。図1は第1実施形態に
係る超電導限流ヒューズの構成を示す断面図である。
【0024】図1において、超電導限流ヒューズ30
は、絶縁性支持基材31上に電極32,32を設け、こ
の電極32間に絶縁基板33と超電導薄膜34とを積層
させて載置し、超電導薄膜34の縁部分に銀箔層35を
介してインジウム片36をあてがった後、このインジウ
ム片36の外端側を締め付け部材37のクランプにより
固定して構成されている。
【0025】図1においては、厚さが5mm以下、好ま
しくは2mm以下のSrTiO3 ,LaAlO3 ,YS
Z(Y stabilized Zilconia),Al23 などの単結
晶あるいは多結晶基板33上に直接あるいは基板と超電
導体薄膜34との反応を防ぐバッファ層を介して成膜す
る。超電導薄膜34の幅および厚さは電流容量によって
決まる。例えば、通常通電容量が100Aの時は臨界電
流密度Jcが1×106 A/cm2 であれば1cm、厚
さ1μmで良い。また、Jcが低いと厚さを増やす必要
があるが通常2μm程度を超えて厚くしても臨界電流I
cはふえない。したがって、膜の幅を広くするlptp
が必要になるが、基板が効果になる上に動作時に破壊さ
れにくくなり好ましくない。、よって、臨界電流密度J
cは1×105A/cm2 以上であることが望ましいこ
とになる。幅1cm長さ10cmの基板に1μmのYB
COを成膜した後、両端1cmずつの箇所に銀箔(A
g)などの超電導体と接触抵抗が低い金属を100nm
から500nm成膜し1気圧酸素中、400℃から50
0℃で1時間アニールした。これにより更に接触抵抗を
低くすることができる。
【0026】上記超電導部材は、図1に示すように、電
気絶縁性支持基材31上に乗せてインジウム(In)な
どの導電性が高く展性に富んだ材料からなるワイヤー、
箔あるいは板などを用いて電極32に接続する。このよ
うにした部材に臨界電流以上の電流が流れると常伝導に
転移し発熱する。その熱衝撃および周囲の液体窒素が沸
騰するときの体膨張により本発明の部材は基板が薄いた
め割れる。
【0027】次に、図2に示す第2実施形態に係る超電
導限流ヒューズを説明する。第1実施形態と同様にして
作成した超電導部材を図2に示すようにYBCOを成膜
した基板33および薄膜34の両端だけを電極32によ
り支持し、液体窒素中に浸漬する。このように基板33
および薄膜34の中間を支えずに使用した場合、薄膜に
臨界電流以上の電流が流れ常電動に転移して発生した熱
により沸騰して気化した液体窒素の圧力で基板が割れ
る。以上説明したように基板ごと部材の一部がなくなる
ため電圧のかかっている間に十分な距離ができることお
よび液体窒素中であるためアーク放電が生じにくくな
り、半波時間程度の短時間でのヒューズの溶断が可能と
なる。
【0028】図3に示す第3実施形態は、YBCO膜3
4上に設けた銀箔(Ag)35に直接あるいはInの箔
などを介してボルト38を接触させて電流を流す。この
場合は基板33の両端を上下でしっかり固定しているた
め動作時に、より破壊しやすい。なお、ボルト38は電
極ブロックよりも熱膨張率の小さい材料を用いると冷却
時の熱収縮により、さらに強く接触することになるの
で、より好ましい効果が得られる。
【0029】その他の使用方法を以下に示す。なお、以
下の実施形態においては図1と同一符号を付すことによ
り同一構成要素を示すものとして、重複説明を省略す
る。図4に示す第4実施形態においては、部材を第3実
施形態とは裏表逆に取り付けることで電極ブロック32
と超電導薄膜34との接触面積を大きくすることができ
る。
【0030】また、図5に示す第5実施形態において
は、セラミクス、硬質プラスチックなど剛性の高い絶縁
体31を、基板33および超電導薄膜34よりなる部材
の下面に一定の距離をおいて対向させる。離間させる距
離は0.1mm以上50mm以下であり、1mm以上2
0mm以下であればさらに好ましい。この構成によれば
気化した窒素の圧力をより効果的に使うことができ破壊
力はより高くなる。
【0031】図6に示す第6実施形態においては、一部
に凹部39を設けた絶縁性支持材31上に凹部39をふ
さぐようにYBCO薄膜34の膜面を下にして基板33
よりなる部材を取り付ける。YBCO薄膜34の発熱に
より凹部39内のの液体窒素が気化して導電性部材33
を破壊する。
【0032】次に、本発明に係る超電導限流ヒューズの
より実用的な実施形態として第7実施形態について説明
する。超電導ヒューズは、現在のところ常温では超電導
状態を維持することが難しいため、何らかの冷却機構を
設ける必要がある。したがって、図7に示される第7実
施形態においては、図1に示す第1実施形態に係る超電
導ヒューズ30を気密可能な真空容器40内に封入し、
絶縁基板31上に載置する。
【0033】真空容器40内では、コールドヘッド41
を介して容器の外部より冷凍機42により冷却する。こ
のような構成とすることにより、液体窒素を補給する必
要がなくなる。コールドヘッド41がクライオポンプの
役割を果たすので10−6Torr以上の真空が保たれ
るためYBCO薄膜の劣化がなく、また動作時に放電し
にくくなり、その結果、高速動作が可能になるというこ
の第7実施形態に特有の効果を奏する。
【0034】図8に示す第8実施形態に係る超電導限流
ヒューズにおいては、真空容器40を図示省略して、コ
ールドヘッド41および超電導ヒューズ30のみを示し
ている。すなわち、コールドヘッド41上にAlN,B
Nなどの熱伝導率が大きな絶縁体31を介して2つの電
極ブロック32を2mm以上100mm以下の距離だけ
離間させて対向配置している。このような所望の距離だ
け離間させて電極ブロック32を対向させることによ
り、超電導薄膜の冷却を充分に行なうことができると共
に、アークの発生を防止することもできる。
【0035】なお、上記第8実施形態においては、電極
ブロック32の離間距離を2mm以上100mm以下と
して説明したが、この数値には特に限定されず、超電導
薄膜34を積層した絶縁基板3の長さの0.5倍以下と
しても良い。この場合、例えば絶縁基板33の長さ好ま
しくは絶縁基板33の長さが300mm以上であるとき
には電極ブロック32の離間距離は150mm以下とな
る。さらに好ましくは、絶縁基板33の長さの0.2倍
以下の距離をおいて載置するようにしても良い。電極ブ
ロック32の離間距離がこれらの範囲から外れた場合に
は、上述したように、狭いときはアークが飛ぶことにな
り、また、広いときには超電導薄膜34の冷却が不充分
になる。
【0036】図8に示すように構成することにより、超
電導薄膜33の中間部分の温度が僅かに高くなるが、過
電流が流れた場合は必ずその温度の高い箇所が破壊され
るという特有の効果がある。また、図8に図示のものの
絶縁基板33の両面に超電導薄膜34を成膜することに
より、電流容量を2倍にすることができる。
【0037】次に、図9に示す第9実施形態に係る超電
導限流ヒューズは、真空容器40およびコールドヘッド
41共に図示省略されているが、電極32のブロックと
2つの導電性部材33,33とそれぞれの外側の面に積
層された超電導薄膜34とによりヒューズの本体を構成
し、このままの状態で図示されないコールドヘッド上に
載置した場合を平面図により表している。勿論コールド
ヘッドとヒューズ本体との間には絶縁体が介挿されてい
る。このような図9に示す第9実施形態に係る超電導限
流ヒューズを適用することによっても電流容量を2倍に
することが可能となる。
【0038】図10に示す第10実施形態においては、
超電導薄膜34の膜面同士を向き合わせるように、2つ
の導電性部材33のそれぞれ内側に設けるようにしてい
る。その他の構成は図9に示す第9実施形態と同様であ
る。このような構成の第10実施形態に係る超電導ヒュ
ーズによっても、超電導薄膜34と電極ブロック32と
の接触面積が増え、動作的に超電導薄膜が蒸発しても基
板33間に挟まれているため大きなアークが飛ばないと
いう特有の効果を奏する。
【0039】また、図11に示す第11実施形態に係る
超電導ヒューズは、図9および図10にそれぞれ示され
た第9および第10実施形態の超電導ヒューズを組み合
わせた構成を有しており、導電性の基板33の両面にそ
れぞれ超電導薄膜34を成膜することにより電流容量
は、図10に示される超電導ヒューズの2倍にすること
ができる。超電導限流ヒューズを大容量化するために
は、このようなユニットを複数コールドヘッド上に乗
せ、並列に接続すれば良い。
【0040】次に、図12ないし図14を用いて、本発
明の第12実施形態に係る超電導限流ヒューズについて
説明する。この第12実施形態は、後述する過電流制御
システムに用いられることに鑑みて、超電導ヒューズの
構成をより実用化し易い構成として具体的な構成を提案
するものであり、第1例ないし第3例を例示した。
【0041】図12に示した第12実施形態の第1例
は、超電導部材34を介してビスマス(Bi)系の銀シ
ース超電導線61が接続されている。液体窒素等の超電
導線61の冷媒62を部材34の冷却に使用でき、これ
により短絡事故による過電流でケーブル全体がクエンチ
することがなくなった。
【0042】図13に示す第12実施形態の第2例は第
1例のものに対して仕切り63を設け、冷媒62をしき
り63の両側で別々に対流させるようにしたものであ
る。シースに包まれたビスマス系の超電導体61の中心
側の中空により供給された冷媒62は超電導体61の外
周側へと循環している。このような構成によっても、超
電導部材34とビスマス系超電導体61との冷却を1つ
の冷却機構により行なうことができる。
【0043】図14に示す第12実施形態の第3例は、
超電導ヒューズを幾つかの部材64に分割してこれをク
ランプ部材65によりクランプして長尺な電力供給路を
一体的に形成している。図中斜線を付した絶縁部材66
により所定の箇所が絶縁されており、矢印に示されるよ
うな経路により冷媒が循環されている。符号67は銀シ
ースを有する超電導線である。
【0044】以上のような構成により第12実施形態に
係る第1例ないし第3例の超電導ヒューズにより超電導
部材34の冷却とビスマス系超電導線との冷却を液体窒
素により行なうことができる。このような構成により超
電導ヒューズおよびこれを用いた過電流制御システムの
実施化を一層容易にすることができ、上述した実施形態
に適用することによって一層効果的なものとなる。
【0045】なお、本発明に係る超電導限流ヒューズに
おいては、短絡事故により過電流が流れて超電導部材が
溶断・破壊されて電路が遮断された後、事故が回復した
か否かを瞬時に確認し、再閉路することが必要である
が、このような課題を達成するためには、本出願人は以
下のような構成を有する過電流制御システムにより電力
の供給を行なうことを提案する。
【0046】すなわち、このような過電流制御システム
は、電力供給源と電力需要側との間に介挿されて定格電
流以上の過電流が流れるのを阻止するものにおいて、前
記定格電流以上の過電流が流れるのを阻止する超電導限
流ヒューズが複数セット設けられると共に、電力需要側
の機器における短絡の有無を検知する検知機構からの信
号に基づいて、前記複数セットの超電導限流ヒューズが
切替可能に設けられていることを特徴としている。
【0047】このような基本的な構成を有する過電流制
御システムの具体的な実施形態について、以下に説明す
る。まず、図15は第13実施形態に係る過電流制御シ
ステムの回路構成を示す回路図である。図15におい
て、過電流制御システム50は電源51と負荷58の間
に開閉器52,53を介して2組の超電導ヒューズ54
および55が接続されている。また、負荷58と並列に
開閉器56を介して電源51よりも電圧の低い小型の電
源57が接続されている。
【0048】通常は、開閉器52のみがONとなってお
り、負荷58が短絡すると過電流が流れようとする。こ
の過電流が流れると、1/4サイクル以内の時間で超電
導部ヒューズ54は切断される。その後、開閉器52は
OFFになるが、この開閉器52をOFFとした信号に
基づいて、開閉器56が負荷58の回路を閉路する。こ
のとき、図示されない電流計などの測定装置を用いて負
荷のインピーダンスを測定し、負荷58の短絡が回復し
ている場合には開閉器56をOFFにして開閉器53を
ONにする。
【0049】このようにして、回路全体としては再閉路
して、その間に切断された超電導ヒューズ54を交換す
ることができる。以上のように構成することにより、こ
の第17実施形態に係る過電流制御システムによれば、
回路を高速で再閉路することが可能になり、停電時間を
短くすることができる。
【0050】次に、図16を参照しながら第14実施形
態に係る過電流制御システムについて説明する。図16
において、第14実施形態に係る過電流制御システム5
0の超電導ヒューズ54,55のそれぞれには、抵抗値
R1およびR2をそれぞれ有する抵抗59および60が
それぞれ並列に接続されている。通常は、開閉器52が
閉路しているので超電導部材54にだけ電流が流れてお
り、過電流が流れると抵抗59(R1)に電流が分流す
る前に超電導ヒューズ54の超電導部材が切断される。
その後、直ちに開閉器52がOFFになるが、再度ON
し抵抗に流れる電流を図示しない電流計で測定し定格以
内である場合には、開閉器52をOFFし開閉器53を
ONにする。この場合、抵抗59(R1)と外部負荷5
8との間には以下のような関係が成り立つことが望まし
い。
【0051】0.5R≦R1≦5Rこれより、抵抗値が
小さいと開閉器の容量内に収まらない可能性が生じ、こ
れよりも抵抗値が大きいと短絡が回復したか否かの判断
がしにくくなるので好ましくない。
【0052】次に、図17に示す第15実施形態に係る
過電流制御システムについて説明する。図17におい
て、通常は開閉器52がONとなり、開閉器53がOF
Fとなっている。負荷(図17には図示せず)側の事故
により超電導ヒューズ54の超電導部材が切断された
後、開閉器52は一旦OFFになるが、再度ONとなっ
て抵抗59(R1)を介して電流を流す。このとき、電
流値が定格以内であればONになるが、定格以上の場合
にはその電流による電磁力の反発でONにならないよう
な開閉器53を接続しておくと良い。これにより事故が
復帰していれば超電導ヒューズ55を介して電流を供給
することができ、その間に超電導ヒューズ54を交換す
ることができる。超電導ヒューズ54が交換された後
に、外部信号により開閉器53をOFFにする。
【0053】最後に、本発明に係る超電導限流ヒューズ
を用いた過電流制御装置の第16ないし第21実施形態
を図18ないし図23を用いて説明する。これら第16
ないし第21実施形態に係る過電流制御システムは、何
れも電力供給源としての発電装置71と、超電導限流ヒ
ューズ72と、負荷73と、を少なくとも有する構成と
なっている。
【0054】本発明に係る超電導限流ヒューズ72は、
自己発電装置71からなる配電システムに用いると連結
機器の事故で過電流が流れようとした場合に、自己発電
装置71を守ることができる。すなわち、通常では定格
を大きく上まわる過電流が急激に流れた場合、発電装置
71の負荷73が急激に変動することにより発電装置7
1が破壊されてしまうことがあるからである。図18に
示す第16実施形態のように、発電装置71から本発明
に係る超電導ヒューズ72を介して複数の配電系統(負
荷)73に分岐している場合には、定格を大きく上まわ
る電流が流れることは無い。
【0055】また、図19に示す第17実施形態のよう
に、各配電系統(負荷)73に各々本発明による超電導
ヒューズ72を挿入しておくと、事故が発生した特定の
負荷73の系統だけを遮断することができ、システム全
体を停止させることがなくなって、より好ましい結果が
得られる。また各超電導ヒューズ72の通電容量はそれ
ぞれ小さくて済むことになる。
【0056】さらに、システムでの使用電力に時間的変
動があり、それに伴う過不足を系統の商用電力74と接
続し受電あるいは売電することで対応している場合、図
20に示す第18実施形態のように、発電装置71と系
統の商用電力74を本発明による超電導ヒューズ72を
介して接続しておくと、商用電力74側で事故が起こっ
た場合にも自己発電装置71を守ることができるので好
ましい。
【0057】また、図21に示す第19実施形態のよう
に、システム内の負荷73と商用電力74の間にも超電
導ヒューズ75を挿入しておくと、負荷73側で事故が
起こった場合に商用電力74側に影響を及ばさなくて済
み、事故発電装置71にたいしても商用電力74に対し
ても好ましい効果がある。。
【0058】また、図22および図23にそれぞれ示す
第20および第21実施形態のような接続方法でも同様
の効果が期待できる。図22に示す第20実施形態に係
る過電流制御システムは、商用電力74と発電装置71
との間には超電導ヒューズ75が介挿されており、商用
電力74と負荷73とのそれぞれの間には超電導ヒュー
ズ72がそれぞれ設けられている。また、図23に示す
第21実施形態に係る過電流制御システムは、図19に
示す第17実施形態のシステムに対して超電導ユー図7
5を介して商用電力74が接続されたような構成を有し
ている。
【0059】特に、図23に示す第21実施形態のよう
に接続した場合には、各超電導ヒューズ72および75
の容量も小さくて済み、負荷73側、商用電力74側の
何れにおいて事故が発生しても、他へ負荷73や発で装
置71,商用電力74射与える影響が少なくなる。な
お、図23に示す第21実施形態を例にとると、通電容
量には以下の関係が成り立つことが望ましい。
【0060】負荷1:I1 負荷2:I2 負荷3:I3 負荷n:In システム−商用電力間:I 最大負荷:Imaxとすると、 Imax≦I≦I1+I2+13+…+In となる。
【0061】なお、上述した第1ないし第21実施形態
の超電導限流ヒューズおよびこれを用いた過電流制御シ
ステムにおいては、超電導体が過電流により発熱を始め
てから破壊されるまでの時間は、一般に極めて小さくこ
のプロセスにより電路は瞬時に開極される。このため、
超電導体の断線部分には回路電圧のみならず大きなサー
ジ電圧が重畳されることになる。また、一般に過電流に
より超電導体の断線は局所的に発生するために断線部分
の電界強度は著しく大きな値となり、超電導体断線に伴
いこの部分に大規模なアークが発生することになる。ひ
とたび大規模なアークが発生すると、この部分での電圧
降下はほとんど期待されず、電流が零となる迄大きな事
故電流が流れ続けてしまうことになる。
【0062】つまり、上述の実施形態に係る超電導限流
ヒューズは、従来構成の超電導限流ヒューズと同様に、
ヒューズの動作開始電流値を小さく設定することができ
るとはいえ、1度は大きな事故電流が流れてしまう虞が
ある。したがって、超電導体を用いたヒューズが高速で
電流を限流または遮断し、過大な事故電流を1度でも流
さないようにするためには、超電導体が破壊された場合
でも過大な電圧が発生せず、大規模なアーク放電を防ぐ
ための機能が付与されていることが望ましい。以下に説
明する実施形態は、このようなアーク放電を防止する機
能を付加した超電導限流ヒューズに関するものである。
【0063】図24において、超電導限流ヒューズ1
は、図示されない電力供給線に接続されている端子2
と、これら端子2の対向する部分に並列に接続された超
電導部材3および転流用導電性部材4と、超電導部材3
および導電性部材4の対向する側面を接続する橋絡用の
導電性部材5と、を備え、橋絡用の導電性部材5は、複
数の電気的絶縁線6により各々がブリッジと呼ばれる複
数部分、図24および図25では5つのブリッジ5aな
いし5eに電気的に分離されている。超電導部材3およ
び導電性部材4,5は、図24の平面図に示されるよう
に第22実施形態においては薄膜状に形成されており、
通常の通電電流7は図24の点線により示される経路を
流れている。
【0064】超電導体の一部分が破壊された場合に大き
なサージ電圧を発生させないためには事故電流を急激に
は零としないことが必要であり、このため、第22実施
形態に係る超電導限流ヒューズにおいては、図24に示
されるように、超電導部材1と導電性部材2により構成
され、これらが導電性のブリッジ5aないし5eにより
並列に接続されていることが必要である。このように構
成されたヒューズが超電導体の転移温度以下に冷却され
ており、端子2より電流を流した場合、通常の通電電流
7は図24の点線により示したように超電導体3を通し
て流れるためにほとんど発熱しない。
【0065】一方、過大な電流が電路を流れることによ
り超電導部材3の一部の領域8が局所的に常伝導状態に
転移(クエンチ)すると、ジュール熱が発生し始めて、
これによりこの領域8の超電導体が溶断または破壊され
たときには、過大電流は直ちに導電性部材4および5側
に転流するようにヒューズを構成する。具体的には、図
25に示すように、超電導部材3の溶断部分である領域
8を迂回するブリッジ5bと5dとを介して迂回電流路
9が図25の点線で示すように形成されることになる。
【0066】ただし、事故電流が導電性材料に転流した
ことにより急激に抑制されるように導電性材料の抵抗を
設定するとやはり過大な電圧が発生する。したがって、
転流により電流を抑制しても、抑制の度合いを大きくし
過ぎないように設定しなければならない。このとき発生
する電圧の許容範囲は電源電圧が一つの目安となる。電
力機器内部や機器のアースに対する耐電圧などは一般に
この機器に電力を供給する電源の電圧を大きく超えるも
のではないために、仮にヒューズ内部でアークが発生し
なくてもそれ以外の場所で機器の耐電圧を超えてしまう
可能性があるからである。
【0067】一方、超電導体と導線性材料がそれぞれの
両端のみで接続されている場合には超電導体が一個所で
も断線すると転流電流は導電性材料の端から端まで流れ
ることになる。したがって上に記した条件を科すと導電
性材料の全抵抗は過電流が流れたときでも電源電圧程度
の電圧しか発生させることができない。これは逆に言え
ばこのヒューズでは過電流を抑制できないことを意味す
る。以上のことより分かるように超電導体と導電性材料
は少なくとも3ケ所以上で接続されるかまたは超電導体
の表面が後述する実施形態のように面接触により導電性
材料と電気的に接続されている必要がある。
【0068】このような構成においては超電導体のどこ
か一個所が断線した場合、図25に示すように、過電流
が導電性材料の一部の領域8を迂回して流れるように転
流する。上述のように、この領域8だけでは抵抗を発生
しないが、さらに過電流が流れ続けることにより、他の
領域でも超電導体が断線しはじめる。これらの領域の導
電性材料の抵抗分を足し上げることにより最終的には過
電流を限流するのに充分な抵抗が発生するのである。以
上のように超電導体のクエンチ現象を利用した限流ヒュ
ーズの場合、複数個所で超電導体が断線することが重要
であるが超電導体として薄膜超電導体を用いた場合には
基板との熱膨張係数の違いなどのためにバルク材を用い
た場合に比べて比較的短時間で複数個所を断線させるこ
とが容易であり、ヒューズに用いる超電導体としてはよ
り優れているといえる。
【0069】また、超電導体表面に例えばシース等の固
体絶縁を施しておくことにより、超電導体が伝導冷却さ
れていたり冷媒の中に直接浸けられていたりして超電導
体の表面が真空中または気体中に晒されている場合と比
べて、よりアークの発生を防ぐことができる。
【0070】次に、上述した第22実施形態に係る超電
導限流ヒューズのより詳細な構成を有する第23実施形
態に係る超電導限流ヒューズについて図26ないし図3
0を参照しながら説明する。図26は第23実施形態に
係る超電導限流ヒューズを示す平面図、図27および図
28は図26におけるI−I線、II−II線でそれぞれ切
断した断面図である。図29および図30は第2実施形
態に係る超電導ヒューズの作用・効果を説明するための
特性図である。
【0071】図26ないし図28において、超電導ヒュ
ーズ10は、多結晶YSZ基板(YStabilized Zilconi
a) により形成さえた基板11と、この基板11上に形
成されたニッケル等の薄膜12と、ラジウム・酸化アル
ミニウム(LaAlO3 )等の単結晶基板13と、この
単結晶基板13上に積層形成された超電導部材としての
超電導薄膜14と、これら全体の表面に形成された転流
用の導電性部材としてのインジウム(In)線15と、
ヒューズ10の両端に設けられた端子16と、を備えて
いる。
【0072】この超電導ヒューズとしては、幅10m
m、長さ120mmのLaAlO3単結晶基板13上に
レーザー蒸着法等により形成した超電導(YBCO)薄
膜14は、厚さが約1μmであり液体窒素中での臨界電
流値は150Aであった。また過電流分流用の導電性部
材としては、長さ120mm、幅50mmの多結晶YS
Z基板11上にスパッタ法により形成した厚さ100m
mのNi薄膜12を使用した。この膜厚は後述するよう
に、長さ2cmあたりの抵抗が1Ωとなるように決定さ
れた値である。次に、Ni薄膜12およびYBCO薄膜
14が形成された面を上にして、LaAlO3 基板11
を置き、約2cm間隔でIn線15を押し付けることに
よりYBCO薄膜14とNi薄膜12とを電気的に接続
した。また両端の1cm程の領域は電流端子16として
用いている。
【0073】図26ないし図28より分かるように、こ
の構造の超電導ヒューズ10はYBCO薄膜14が過電
流により局所的に断線した場合、YBCO薄膜14を挟
むように設けられているIn線15を通って長さ約2c
mの領域のNi薄膜12に過電流が流れる。一方、ここ
で使用しているYBCO薄膜14と同じ方法で作成し、
同じ臨界電流値を持つYBCO薄膜は約400Aの過電
流が流れると局所的にクエンチして断線した。したがっ
て、この長さ2cmのNi薄膜12への転流により回路
電圧程度の電圧しか発生させないためには最大回路電圧
をVとしたときに長さ2cmのNi薄膜12の抵抗は最
大でもV/400Ω程度にしなければならない。
【0074】この第23実施形態に係る超電導ヒューズ
10の場合、最大電圧1000Vの交流電源と1Ωの回
路抵抗を用いることにより50Hzの電圧を半サイクル
印加する実験をおこなった。したがって第2実施形態に
おいて作成したNi薄膜12の抵抗は2cm当たり約1
Ωとなるように設定している。このようにして構成した
超電導ヒューズを液体窒素中で冷却し50Hz、150
Aピークの連続通電を1時間行なったが、超電導ヒュー
ズ10の温度上昇は観測されなかった。一方、過電流を
通電した場合の電流波形を図29に示す。超電導体は電
流が約400Aで局所的に断線し始め、その後アーク放
電を発生することなしに電流を限流することに成功して
いる。
【0075】実験終了後にヒューズを観測したところ、
YBCO薄膜14はIn線15により挟まれた領域すべ
てで断線していた。一方、同様の超電導特性を持つYB
CO薄膜を用い、Ni薄膜12と電気的に接続する構成
以外は同じ方法で作成したヒューズを用いて過電流を通
電した場合の電流波形を図30に示す。これより分かる
ように過電流が400A程度になると一度電流は抑制さ
れるがすぐに電流は増大し、ヒューズを用いない場合と
ほぼ同程度の電流が流れ続けた。ヒューズが動作した際
に大きなアーク放電が発生しており過電流はこのアーク
を介して流れ続けたものと考えられる。
【0076】以上の第23実施形態に係る超電導ヒュー
ズ10においては、YBCO薄膜14と導電性材料とし
てのニッケル薄膜12とは、In線15を用いて電気的
に接続された構成となっていたが、迂回させるための導
電線の橋絡部分の構成はこのインジウム線15に限定さ
れない。例えば、図31および図32に示す第24実施
形態に係る超電導ヒューズ10Aにおいては、YBCO
薄膜14の下側の表面に銀ペースト17を塗布し、この
面をNi薄膜12に密着させ熱処理することにより電気
的に接続させている。ただし、この第24実施形態の場
合、超電導(YBCO)薄膜14を作成した面をNi薄
膜12側にしているので、電流端子16を作成するため
には、図31の平面図に示すように、Ni薄膜12を作
成するためのYSZ基板11が10cmとなり、YBC
O薄膜14よりも短くしている。図32は、図31に示
された超電導限流ヒューズをIII−III線で切断した断面
図である。電流端子16はNi薄膜12よりはみ出した
YBCO薄膜14の両端とNi薄膜12の両端1cmの
領域に銀を厚さ20μmでペースト状に蒸着して形成し
た。このようにして作成した第3実施形態に係る超電導
ヒューズ10Aも、第2実施形態と同じ電源を用いて試
験をした結果、図29および図30に示された第23実
施形態のヒューズ10の特性とほぼ類似の電流波形を示
し、またアークも発生しなかった。
【0077】次に、図33を用いて、本発明の第25実
施形態に係る超電導限流ヒューズについて説明する。第
25実施形態の超電導限流ヒューズの構成は、図26な
いし図28に示す第23実施形態に係る超電導限流ヒュ
ーズの構成と略同一である。第23実施形態の場合、導
電性薄膜としてのニッケル薄膜12の抵抗を2cmあた
り1000/400Ωすなわち2.5Ωに高めても過電
流分流の際のサージ電圧はあまり大きくないと推定され
る。
【0078】そこで、第23実施形態の超電導限流ヒュ
ーズと導電性薄膜の抵抗が2cmあたり2.5Ωである
こと以外には同じ構造をしたヒューズを作成して実験を
行なったところ、YBCO薄膜14の表面にアーク放電
が発生した。その際の電流は、図30に示す電流波形と
同様の波形を示した。これは過電流が流れた際に超電導
体が破壊され始める領域が狭く、サージ電圧が発生しな
くても系統の電圧程度の電圧印加でも電界集中が大きく
なり、アークが発生したためと考えられる。
【0079】すなわち、過電流を転流することにより過
大なサージ電圧の発生を防ぐことにより限流ヒューズの
特性は大幅に向上するがその表面の絶縁特性を向上する
ことによりさらに特性の改善が図れることが分かる。一
方、酸化物超電導体の冷却には一般に液体窒素が用いら
れているが、この実験の場合も同様であるが、電界集中
が発生した場合には固体絶縁の方が耐電圧が高いことが
知られている。したがって、導電性材料によりサージ電
圧を防止すると共に、超電導体表面を絶縁性の固体によ
りコーティングすることにより、さらにアークの発生を
抑制することができる。
【0080】そこで、第25実施形態においては、図示
説明は控えるが、導電性薄膜の抵抗が2cmあたり2.
5Ωであること以外は、第23実施形態のヒューズと同
様の構造の超電導限流ヒューズを作成し、さらにYBC
O薄膜表面を絶縁ワニスによりコーティングしたヒュー
ズを作成した。さらに、この上にグリースを厚さ5mm
程度塗布した。このグリースは、液体窒素温度では固化
している。このようにして作成したヒューズを第23実
施形態の場合と同じ電源により実験を行った際の特性を
図33に示す。図33より理解できるように、動作時に
アークは発生せず過電流は充分に限流されることを確認
した。この特性は限流開始電流値は第2実施形態の超電
導ヒューズと同じであるが、動作後の通過電流はほぼ半
分となっており電流抑制効果が大きく改善されているこ
とが分かる。
【0081】次に、第26実施形態に係る超電導限流ヒ
ューズについて、図34ないし図36を参照しながら詳
細に説明する。この第26実施形態に係る超電導ヒュー
ズ20は全体の形状としては図36に示すように円筒形
状を有しており、芯となる超電導円柱23の外周に所定
の距離ずつ離隔させて銀線24を巻回させ、円柱23の
外周側を導電性部材としての半円筒21を2つ合わせて
包囲する構成となっている。半円筒21の前記銀線24
に対応する箇所には層状にニッケル薄膜22が介挿され
ている。
【0082】この第26実施形態においては、図35に
示すように、液体窒素中の臨界電流値が500A(アン
ペア)の実効値を有し、かつ、直径0.3cm、長さ1
5cmの円筒形状を有するビスマス系のバルク材より構
成された超電導体23を用いている。また、図34に示
すように、転流用導電性部材としては、図35に示され
た円筒状の超電導体23を中に入れることのできる寸法
である外径5cm、内径直径0.4cm、長さ13cm
のセラミック材料よりなる円筒体を縦に2分し、内側に
転流用の金属線が入る溝が形成された導電性半円筒部材
21を用い、その表面にスパッタ法により介挿されたN
i薄膜22が挟み込まれている。
【0083】本第26実施形態のヒューズ20は、Ni
薄膜を作成した部材を2つ用いて超電導体を包み込むよ
うに構成した。この際セラミック材利用の表面にあるN
i薄膜と中心にある超電導体とを電気的に接続するため
に、まず、図35に示すように約2cm間隔で銀線24
を超電導体の周りに設け、さらに熱処理によって接触抵
抗を低減したものを半円筒状のセラミック性の部材2つ
で挟み込みさらに余った銀線をNi薄膜を作製したセラ
ミック性材料の表面に巻き付け、再度熱処理により電気
的に接続した。このヒューズの外観は図36に示すよう
になっている。ただし、実際に作成されたヒューズ20
は、その両端2cmの領域にも銀により電流端子25が
形成されている。
【0084】転流用Ni薄膜22の直径が超電導体と比
べて非常に大きいのは転流時の温度上昇で金属薄膜自身
が損傷しないように面積当たりの熱負荷を低減する目的
で全体の面積を増加させたためである。この第26実施
形態に係る超電導限流ヒューズ20を最大電圧1000
V、回路抵抗が0.2Ωの回路に装着して試験を行なっ
たところ、過電流が1.5kとなったときに超電導体は
断線したがその後アークを発生することもなく電流を抑
制することに成功した。
【0085】なお、この超電導体23と同様の超電導体
は約1.5kAで断線することが分かっているので、長
さ2cmあたりのNi薄膜22の抵抗は1000/15
00Ωより小さくしておくことが重要であり、実際に作
成したヒューズの場合には約0.5Ωとしている。この
ように設定しておくことにより、超電導体23が多くの
箇所で破損した場合には3Ω程度の抵抗が発生すること
が期待されるのに対して、実際の実験において発生した
抵抗は2.8Ωであり、ほぼ予想どおりの抵抗が発生し
た。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超電導限
流ヒューズによれば電力系統に過電流が流れても絶縁基
板に設けられた超電導薄膜が瞬時に溶断され、絶縁基板
も同時に破壊されるので、過電流により超電導体が断線
した際に交流の半波(1/4サイクル)時間程度の時間
で電路を直ちに遮断することができる。また、瞬間的に
電路が開かれるために大きなサージ電圧や局所的な電界
集中が発生せず、その結果アークを生じさせることなく
過電流を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の超電導限流ヒューズを
示す断面図。
【図2】本発明の第2実施形態の超電導限流ヒューズを
示す断面図。
【図3】本発明の第3実施形態の超電導限流ヒューズを
示す断面図。
【図4】本発明の第4実施形態の超電導限流ヒューズを
示す断面図。
【図5】本発明の第5実施形態の超電導限流ヒューズを
示す断面図。
【図6】本発明の第6実施形態の超電導限流ヒューズを
示す斜視図。
【図7】本発明の第7実施形態の超電導限流ヒューズを
示す断面図。
【図8】本発明の第8実施形態の超電導限流ヒューズを
示す断面図。
【図9】本発明の第9実施形態の超電導限流ヒューズを
示す断面図。
【図10】本発明の第10実施形態の超電導限流ヒュー
ズを示す断面図。
【図11】本発明の第11実施形態の超電導限流ヒュー
ズを示す断面図。
【図12】本発明の第12実施形態の超電導限流ヒュー
ズの第1例を示す断面図。
【図13】本発明の第12実施形態の超電導限流ヒュー
ズの第2例を示す断面図。
【図14】本発明の第12実施形態の超電導限流ヒュー
ズの第3例を示す断面図。
【図15】本発明の第13実施形態の過電流制御システ
ムを示す回路図。
【図16】本発明の第14実施形態の過電流制御システ
ムを示す回路図。
【図17】本発明の第15実施形態の過電流制御システ
ムを示す回路図。
【図18】本発明の第16実施形態の過電流制御システ
ムを示すブロック図。
【図19】本発明の第17実施形態の過電流制御システ
ムを示すブロック図。
【図20】本発明の第18実施形態の過電流制御システ
ムを示すブロック図。
【図21】本発明の第19実施形態の過電流制御システ
ムを示すブロック図。
【図22】本発明の第20実施形態の過電流制御システ
ムを示すブロック図。
【図23】本発明の第21実施形態の過電流制御システ
ムを示すブロック図。
【図24】本発明の第22実施形態に係る超電導限流ヒ
ューズを示す平面図。
【図25】図24に示す第22実施形態において過電流
が流れた際の転流を示す平面図。
【図26】本発明の第23実施形態に係る超電導限流ヒ
ューズを示す平面図。
【図27】図26に示された超電導ヒューズをI−I線
により切断した断面図。
【図28】図26に示された超電導ヒューズをII−II線
により切断した断面図。
【図29】本発明の第23実施形態の超電導限流ヒュー
ズの電流特性を示す波形図。
【図30】第23実施形態との比較のために作成した転
流部分を有しないヒューズの電流特性を示す波形図。
【図31】本発明の第24実施形態の超電導限流ヒュー
ズを示す平面図。
【図32】図31に示された超電導ヒューズをIII−III
線により切断した断面図。
【図33】本発明の第25実施形態の限流ヒューズの特
性を示す電流特性を示す波形図。
【図34】第26実施形態に係る超電導ヒューズのセラ
ミック基板を示す斜視図。
【図35】第26実施形態に用いられる超電導体を示す
斜視図。
【図36】第26実施形態の超電導限流ヒューズを組立
てた状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 超電導限流ヒューズ 3 超電導部材(超電導薄膜) 4 導電性部材 5 転流用導電性部材(ブリッジ) 7 通常通電路 8 溶断領域 9 溶断時通電路 10 超電導限流ヒューズ 11 多結晶化合物基板 12 導電性部材(ニッケル薄膜) 13 単結晶基板 14 超電導部材(薄膜) 15 転流用導電性部材(インジウム線) 16 端子 17 銀ペースト 20 超電導限流ヒューズ 21 半円筒導電性部材 22 ニッケル薄膜 23 超電導部材(円柱) 24 銀線 25 銀電流端子 30 超電導限流ヒューズ 32 電極 33 絶縁基板 34 超電導薄膜 35 銀ペースト 36 インジウム線 40 真空容器 41 コールドヘッド 42 冷却装置 50 過電流制御システム 51 電直供給源 52,53 開閉器 54,55超電導限流ヒューズ 58 電力需要側(負荷) 61 超電導線 71 電力供給源(発電装置) 72 超電導限流ヒューズ 73 電力需要側(負荷) 74 電力供給源(商用電力) 75 超電導限流ヒューズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山 崎 六 月 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 芳 野 久 士 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5G004 AA01 AB02 BA03 CA06 DA02 5G502 AA01 AA05 BB01 BB13 BD02 GG10 KK01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力供給源と電力需要側との間を超電導部
    材により電気的に接続して定格以上の過電流によりこの
    超電導部材が溶断して電流を遮断する超電導限流ヒュー
    ズにおいて、前記超電導部材は、所定の厚さを有し、か
    つ、電気的な絶縁性を有する絶縁基板上に設けられると
    共に、前記過電流が流れることにより溶断される超電導
    薄膜により構成されていることを特徴とする超電導限流
    ヒューズ。
  2. 【請求項2】前記超電導薄膜が設けられる前記絶縁基板
    が有する前記所定の厚さは、前記過電流が流れたときに
    速やかに破壊される厚さであることを特徴とする請求項
    1に記載の超電導限流ヒューズ。
  3. 【請求項3】前記絶縁基板が有する前記所定の厚さは、
    好ましくは5mm以下であることを特徴とする請求項2
    に記載の超電導限流ヒューズ。
  4. 【請求項4】前記絶縁基板と前記超電導薄膜とは剛体に
    より支持されており、少なくともその一部は前記剛体と
    機械的に非接触であることを特徴とする請求項1に記載
    の超電導限流ヒューズ。
  5. 【請求項5】前記超電導薄膜は、密閉された冷媒中に収
    納されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導
    限流ヒューズ。
  6. 【請求項6】電力需要側に電力供給源から必要な電力を
    供給する電力供給線に介挿され、前記電力供給源、電力
    供給線および電力需要側を含む電力系統に所定値以上の
    過電流が流れたときに切断される超電導部材と、この超
    電導部材が切断されたときに超電導部材の切断箇所を迂
    回して電流を供給するように前記電力供給線または超電
    導部材に接続された転流用の導電性部材と、を備えるこ
    とを特徴とする超電導限流ヒューズ。
  7. 【請求項7】前記超電導部材は、電気的絶縁性を有する
    絶縁基板上に積層された酸化物超電導薄膜により形成さ
    れていることを特徴とする請求項6に記載の超電導限流
    ヒューズ。
  8. 【請求項8】前記超電導部材は、電路の表面が通常の通
    電温度では固体であって電気的絶縁性を有する材料によ
    り被覆されていることを特徴とする請求項1および6の
    何れかに記載の超電導限流ヒューズ。
  9. 【請求項9】電力供給源と、電力需要側と、これら電力
    供給側と電力需要側との間に設けられる電力供給線と、
    前記電力供給源、電力供給線および電力需要側を含む電
    力系統に所定値以上の過電流が流れたときに前記電力供
    給線を遮断するように設けられた限流ヒューズと、を備
    える過電流制御システムであって、 前記限流ヒューズは定格以上の過電流によりこの超電導
    部材が溶断して電流を遮断する超電導限流ヒューズによ
    り構成されると共に、前記超電導部材は所定の厚さを有
    し、かつ、電気的な絶縁性を有する絶縁基板上に設けら
    れると共に、前記過電流が流れることにより溶断される
    超電導薄膜により構成されていることを特徴とする過電
    流制御システム。
  10. 【請求項10】電力供給源と、電力需要側と、これら電
    力供給側と電力需要側との間に設けられる電力供給線
    と、前記電力供給源、電力供給線および電力需要側を含
    む電力系統に所定値以上の過電流が流れたときに前記電
    力供給線を遮断するように設けられた限流ヒューズと、
    を備える過電流制御システムであって、 前記限流ヒューズは、前記電力供給線および電力需要側
    を含む電力系統に所定値以上の過電流が流れたときに切
    断される超電導部材と、この超電導部材が切断されたと
    きに超電導薄部材の切断箇所を迂回して電流を供給する
    ように前記電力供給線または超電導薄部材に接続された
    転流用の導電性部材と、を備える超電導限流ヒューズで
    あることを特徴とする超電導限流ヒューズを用いた過電
    流制御システム。
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