JP2000267108A - 反強誘電性液晶表示装置 - Google Patents

反強誘電性液晶表示装置

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JP2000267108A
JP2000267108A JP7447199A JP7447199A JP2000267108A JP 2000267108 A JP2000267108 A JP 2000267108A JP 7447199 A JP7447199 A JP 7447199A JP 7447199 A JP7447199 A JP 7447199A JP 2000267108 A JP2000267108 A JP 2000267108A
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Shingo Kataoka
真吾 片岡
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は直視型液晶ディスプレイに用いて好適
な反強誘電性液晶表示装置に関し、反強誘電性液晶の広
視野角性,高速応答性を活かしつつ、コントラスト,中
間調表示さらには歩留まりの向上を図ることを課題とす
る。 【解決手段】配向制御層6,7及び電極4,5がそれぞ
れ配設された一対の基板3,4間に、反強誘電性液晶9
が介装された構成の反強誘電性液晶表示装置において、
パラレルラビング方向(法線方向)に対して上下の内一
方の向制御層に施した配向処理方向のなす角度を配向の
ずれ角をθ1とし、上配向制御層6に施した配向処理の
方向と下配向制御層7に施した配向処理の方向とのなす
ツイスト角をθ2とした場合、ツイスト角θ2が配向の
ずれ角θ1の二倍よりも小さくなるよう(θ2<2×θ
1)構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は反強誘電性液晶表示
装置に係り、特に直視型液晶ディスプレイに用いて好適
な反強誘電性液晶表示装置に関する。近年、携帯用パー
ソナルコンピュータ等の携帯用電子機器の出力装置とし
て、液晶表示装置が多用されるようになってきている。
液晶表示装置は、CRTに比べて小型・軽量であるた
め、携帯用電子機器に用いて利益が大である。
【0002】しかるに、液晶表示装置はCRTに比べて
広視野角性及び高速応答性に劣ることが指摘されてい
る。そこで、広視野角性及び高速応答性に優れた液晶表
示装置の出現が望まれている。
【0003】
【従来の技術】現在、能動素子を用いた液晶表示装置
(液晶パネル)においては、誘電率異方性が正のネマテ
ィック液晶を基板面に対しほぼ水平に配向させ、かつ対
向する基板間で液晶分子の配向方向を90°ツイストさ
せた、TN(Twisted Nematic )モードが主流である。
しかし、このTNモードの液晶表示装置は、視野角が狭
い、応答速度が遅いという致命的な欠点がある。
【0004】そこで近年では、このTNモードの持つ欠
点を改善し、広視野角、高速応答を実現するとして誘電
率異方性が負のネマティック液晶を基板面に対しほぼ垂
直に配向させたVA(Vertica11y Aligned) モードを用
いた液晶表示装置が発表、量産されている。しかし、視
角依存性や輝度反転をなくすためには配向分割をする必
要があり、また高価な光学補償フィルムを用いる必要が
あるためコストが上昇してしまう。更に、応答速度の点
においても動画をCRTと同等に表示させるためにはま
だ不十分であり、ネマティック液晶を用いる限りは応答
速度の改善には限界があると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そのような中で、近年
広視野角でかつTN方式の1000倍程度の高速応答性を兼ね
備える強誘電性液晶或いは反強誘電性液晶を用いた液晶
ディスプレイが注目されている。その中でも現在では、
中間調表示(グレー表示)が得やすいため反強誘電性液
晶を用いた液晶表示装置の方が注目度が高い。しかし、
反強誘電性液晶は、ネマティック液晶を用いたディスプ
レイと比較して配向制御が難しい,閾値むらが出やす
い,ギャップが狭く短絡しやすいという問題点があっ
た。
【0006】即ち、反強誘電性液晶の液晶分子は、配向
制御層に配向処理を行なっても配向処理方向には必ずし
も配向しない。いま、片側のみ配向処理を施したとき
の、そのずれの角度を“配向のずれ角”と呼ぶこととす
ると、配向のずれ角は配向処理方向と消光位とのなす角
として求められる。特開平6 −3676号公報では、反強誘
電性液晶表示装置において、上下の配向制御層に実施す
る配向処理の方向(即ち、配向のずれ角)を互いにずら
すことにより、配向状態を向上させることが開示されて
いる。しかし、そのずらす角度については明確にされて
おらず、またスメクティツク層の層法線を上下基板間で
揃えたとしても良好な配向状態を得られない場合があ
り、実用上問題ないレベルの配向状態を得るためには条
件的に不十分である。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、反強誘電性液晶の広視野角性,高速応答性を活か
しつつ、コントラスト,中間調表示さらには歩留まりに
も優れた反強誘電性液晶表示装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴と
するものである。請求項1記載の発明は、配向処理が行
なわれる上配向制御層及び液晶を駆動するための上電極
が配設された上基板と、配向処理が行なわれる下配向制
御層及び液晶を駆動するための下電極が配設された下基
板との間に、反強誘電性液晶が介装された構成の反強誘
電性液晶表示装置において、前記上及び下配向制御層に
おける前記反強誘電性液晶の液晶分子の一軸配向処理
を、上下いずれか一方の前記配向制御層に配向処理を施
した時、前記反強誘電性液晶の液晶分子が配向処理方向
からずれるずれ角度を配向のずれ角θ1とし、かつ、前
記上配向制御層に施した配向処理の方向と、前記下配向
制御層に施した配向処理の方向とのなす角度をツイスト
角θ2とした場合、前記ツイスト角θ2が配向のずれ角
θ1の二倍よりも小さくなるよう(θ2<2×θ1)構
成したことを特徴とするものである。
【0009】また、請求項1記載の反強誘電性液晶表示
装置において、ラビングを用いて前記配向制御層に配向
処理処理を行なってもよい。また、紫外線照射を用いて
前記配向制御層に配向処理処理を行なうこともできる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の反強誘電
性液晶表示装置において、少なくとも一方の前記配向制
御層の材料として、配向処理の方向とは異なる方向に前
記反強誘電性液晶の液晶分子を配向させる材料を用いた
ことを特徴とするものである。
【0010】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の反強誘電性液晶表示装置において、前記配向処理の
方向とは異なる方向に前記反強誘電性液晶の液晶分子を
配向させる材料として、前記配向制御層に施す配向処理
に対して前記液晶分子の配向方向がほぼ垂直となる材料
を用いたことを特徴とするものである。
【0011】また、請求項4記載の発明は、請求項2ま
たは3記載の反強誘電性液晶表示装置において、前記上
下配向制御層における前記反強誘電性液晶の一軸配向処
理方向のなす角と、前記配向制御層が前記反強誘電性液
晶の液晶分子に与える配向規制方向のなす角とを異なら
せたことを特徴とするものである。
【0012】また、請求項1乃至6のいずれかに記載の
反強誘電性液晶表示装置において、前記配向制御層の材
料として、ネマティック液晶に対してプレティルト角を
ほとんど与えない材料を用いることができる。また、前
記反強誘電性液晶の配向状態としてC2配向を用いるこ
ともできる。また、配向制御層の持つ配向規制力が球状
のスペーサを基板間に散布した際にスペーサ周辺に配向
欠的を生じさせる配向規制力以上とすることもできる。
更に、反強誘電性液晶の液晶分子の自発分極値を150nC/
cm2 程度以下とすることが好ましい。
【0013】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至4のいずれかに記載の反強誘電性液晶表示装置におい
て、前記反強誘電性液晶を駆動する前記電極が、上電極
と下電極で互いにずらして配置したことを特徴とするも
のである。上記の各手段は、次のように作用する。
【0014】本発明は反強誘電性液晶表示装置におい
て、良好な初期配向性、むらのない表示品質、作製工程
の簡略化、歩留まりの向上を実現するものである。ま
た、本発明は上記の不十分な点を補うと共に確実に良好
な配向状態を実現可能とする。実用上のスペック(自発
分極値、粘性、ティルト角、SmCA* 相温度範囲、配向容
易性など)を満たし得る混合系液晶材料を用いる場合、
上下基板に施す配向処理に対して明確な条件があること
がわかった。
【0015】即ち、請求項1記載のように、上及び下配
向制御層における反強誘電性液晶の液晶分子の一軸配向
処理を、ツイスト角θ2が配向のずれ角θ1の二倍より
も小さくなるよう(θ2<2×θ1)構成することによ
り、良好な配向状態を得ることができる。ここで、配向
のずれ角θ1は、上下いずれか一方の配向制御層に配向
処理を施した時、反強誘電性液晶の液晶分子が配向処理
方向からずれるずれ角度をいう。また、ツイスト角θ2
は、上配向制御層に施した配向処理の方向と、下配向制
御層に施した配向処理の方向とのなす角度をいう。
【0016】しかし、その角度だけずらして配向処理し
ただけでは配向状態を向上させることができても実用可
能な状態に至らないことがある。上記の条件に加えて、
上下基板界面の液晶分子をシェブロン層構造を取った場
合にその配向状態がC1もしくはC2として分類できる
ように配向させたとき、最も反強誘電性液晶特有の筋状
欠陥がない配向状態を得ることができる。
【0017】このときの配向状態は層の折れ曲がり方に
よりC1配向とC2配向に分類される。しかし、C1配
向を全面に得ることは困難でありC2配向との混在によ
るジグザグ配向欠陥が生じやすい。衝撃によってもC2
配向に転じやすく、また反強誘電製液晶は通常の強誘電
性液晶よりもN* 相(ネマティック相)を持たないた
め、このような配向制御層材料で良好な配向性を得るこ
とは困難である。
【0018】いくつもの配向制御層材料で評価した結
果、反強誘電性液晶を良好に配向させる材料はネマテ
ィック液晶に与えるプレティルト角がほとんどゼロであ
り、SmA相から直接あるいは極めて短い温度範囲でC
2配向へ相転移させるということがわかった。以上をま
とめると、スメクティツタ液晶特有のジグザグ配向欠的
が存在しない反強誘電性液晶表示装置を実現するために
はネマティック液晶に対してプレティルト角をほとんど
与えない材料を用いて、C2配向を利用することが有効
である。
【0019】また、このときの界面の液晶分子の配向方
向は配向処理方向と一致している必要はなく、請求項2
乃至請求項4に記載のように、配向処理方向と例えば垂
直方向といった異なる方向に配向させるような材料を用
いることも可能である。このような材料は液晶分子に与
えるアンカリングエネルギーが小さく、オーダー(配向
秩序)の高い配向状態が得られる。
【0020】また、配向処理の方法としては、ラビング
法の他に紫外線による配向処理を用いることができる。
特に、紫外線による配向処理法を用いた場合には、液晶
分子との界面におれる配向規制力が小さく、また強誘電
性液晶はもともと層構造を作ろうとする特性があるた
め、界面における配向性を向上させることができる。更
に、配向制御層が液晶分子に与える配向規制力が、球状
のスペーサを面内に散布した場合にその周りに小さな配
向欠賂が生じる程度以上の配向規制力となるよう構成す
ることにより、液晶分子の配向秩序の非常に高い配向状
態が得られ、その結果、コントラストの高い反強誘電性
液晶表示装置が実現可能となる。
【0021】また、反強誘電性液晶表示装置は、配向制
御層の厚みのばらつきに起因した閾値電圧の変化による
表示むらが発生し易い。これについては、液晶材料の自
発分極値を低くすることで改善が可能である。実際の製
造プロセスを考慮した場合、150nC/cm2 以下(できれば
100nC/cm2 程度)であることが望ましい。更に、上下基
板の間のギャップは1.6 μm前後と薄いため、上下基板
間が短絡し易いという問題点もある。これに対しては、
例えば電極と配向制御層の間に絶縁層をもう一つ設ける
ことで対処可能であるが、この構成では製造コストの上
昇につながる。
【0022】そこで本発明では、請求項5記載のよう
に、反強誘電性液晶を駆動する電極が、上電極と下電極
で互いにずらして配置することにより、上下電極の全
て、或いは殆どの領域が互いに対向しないように配置し
た。これにより、上下基板間のギャップが狭くても、コ
ストを上昇させることなく上下電極が短絡することを防
止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面と共に説明する。図1は、本発明の一実施例であ
る反強誘電性液晶表示装置1(以下、液晶表示装置とい
う)の要部断面を示している。同図に示すように、液晶
表示装置1は、大略すると上基板2,下基板3,スペー
サ8,及び強誘電性液晶9等により構成されている。
【0024】上基板2の強誘電性液晶9と対向する位置
には、強誘電性液晶9を駆動するための上電極4が形成
されると共に、配向処理が行なわれる上配向制御層6が
形成されている。同様に、下基板3の強誘電性液晶9と
対向する位置には、強誘電性液晶9を駆動するための下
電極5が形成されると共に、配向処理が行なわれる下配
向制御層7が形成されている。
【0025】上及び下基板2,3は透明ガラス基板であ
り、この各基板2,3に上下電極4,5及び上下配向制
御層6,7は積層形成されている。上及び下電極4,5
は、各基板2,3上にマトリックス状に形成された透明
電極であり、液晶表示装置の外周部分に配設された駆動
回路(図示せず)に接続されている。また、上及び下配
向制御層6,7は有機材料よりなり、強誘電性液晶9に
対して一軸配向性を持つように一軸配向処理が実施され
る。
【0026】また、スペーサ8は微細な球状体であり、
上基板2と下基板3との間に多数個介装されることによ
り、各基板2,3間に微細な間隙(例えば、約1.4 μm
程度の間隙)を形成する。そして、強誘電性液晶9は、
この各基板2,3間に形成される微細な間隙内に介装さ
れる。尚、図示しないが、上及び下基板2,3の外側に
は偏光板が配設され、また液晶表示装置1をカラーディ
スプレイとして用いる場合には上或いは下基板2,3に
カラーフィルターが配設される。
【0027】続いて、本発明による配向制御処理につい
て説明する。ここでは配向処理としてラビング法を取り
上げて説明する。しかるに、配向処理はラビング法に限
定されるものではなく、紫外線を用いた配向処理を適用
することも可能である。この紫外線を用いて配向処理法
を用いた場合には、強誘電性液晶9の液晶分子と各配向
制御層6,7との界面における配向規制力が小さく、ま
た強誘電性液晶9はもともと層構造を作ろうとする特性
があるため、界面における配向性を向上させることがで
きる。
【0028】本発明における配向制御処理は、ツイスト
角θ2が配向のずれ角θ1の2倍よりも小さくなるよう
(θ2<2×θ1)構成したことを特徴としている。こ
こで、“配向のずれ角θ1”とは、上下いずれか一方の
配向制御層に配向処理を施した液晶表示素子(いわゆる
片側ラビングによる液晶表示素子)を作製した際、図2
に示されるように、反強誘電性液晶の液晶分子10が配
向処理方向(即ち、ラビング方向)からずれるずれ角度
をいう。即ち、配向のずれ角θ1は、ラビング方向と消
光位とのなす角度として定義される。また、配向のずれ
角θ1は、配向制御層を手前として時計回りをプラス、
反時計回りをマイナスと定義する。
【0029】一方、“ツイスト角θ2”とは、図3に示
されるように、上基板2の上配向制御層6に施した配向
処理の方向(上ラビング方向)と、下基板3の下配向制
御層7に施した配向処理の方向(下ラビング方向)との
なす角度をいう。そして、液晶表示装置1が、上記のよ
うにツイスト角θ2が配向のずれ角θ1の2倍よりも小
さくなるよう(θ2<2×θ1)構成することにより、
両側ラビングにより均一に筋状欠陥を発生させることな
く液晶分子を配向させることが実現できた。
【0030】図6は、上下基板2,3の各配向制御層
6,7に施したラビング方向がなす角であるツイスト角
θ2を変化させたときの配向状態の変化を示している。
図6(A)はツイスト角θ2=0deg の配向状態を示し
ており、図6(B)はツイスト角θ2=6deg の配向状
態を示しており、更に図6(C)はツイスト角θ2=9
deg の配向状態を示している。
【0031】また、同図に示す実験では、反強誘電液晶
9としてMX−X143 (三菱ガス化学株式会社製)を用
い、配向制御層6,7には日産化学株式会社製のRN−
1199を用いた。このとき、同一の材料を用いて片側ラビ
ングによる液晶表示素子を作製したところ、配向のずれ
角θ1は+6deg であった。ここで、図6に注目する
と、図6(A),(B)のツイスト角θ2が0deg 及び
6deg の場合には、筋状の欠陥11が発生しており、ま
た図6(B)に示すツイスト角θ2が6deg の場合に
は、筋状の欠陥11に加えてダイレクタの乱れ(図中、
矢印Aで示す範囲)が発生していることが判る。
【0032】これに対し、図6(C)に示すツイスト角
θ2が9deg の場合には、スペーサ8の近傍に微細な欠
陥11が発生しているのみであり、良好な配向状態とな
っていることが判る。よって図6より、ツイスト角θ2
の2 倍である12deg より小さなツイスト角9deg (図
6(C))で良好な配向状態を得ることができているこ
とが分かる。
【0033】図5は、各種反強誘電性液晶材料(AFL
Cと略称する)の配向のずれ角と最適なツイスト角の測
定結果を示す。ここで、MLC0071は三井化学株式会社
製、その他のMX−X198,MX−X532,MX−X143 は
三菱ガス化学株式会社製のAFLC材料である。図5に
示す結果より、いずれのAFLC材料においても、配向
のずれ角θ1の2 倍より小さな範囲内に最適なツイスト
角θ2が存在していることが判る。
【0034】これに対し、配向制御層材料として片面を
日本合成ゴム株式会社(JSR)製のJALS−684 に
置き換えたものについて配向を見たところ、多くの領域
でC1配向を得ることができたものの、図4(B)に示
すようにいたるところでジグザグ配向欠陥12が見られ
た。このジグザグ配向欠陥12は、図4(B)に示され
るようにC1配向とC2配向の接する部分で発生する。
このジグザグ配向欠陥12が存在すると、表示むらが発
生してしまう。
【0035】これに対し、図4(A)に示されるよう
に、C2配向のみの場合には表示むらが発生することは
なく、良好な表示を行なうことができる。尚、全てをC
1配向のみとすることも可能であるが、C1配向はC2
配向に比べて安定性が悪く、C2配向とすることが望ま
しい。次に、日産化学工業株式会社製SE−7792を両面
に用いたものについて配向を見たところ、C2配向が主
であったがC1配向が局所的に散在し、ジグザグ配向欠
陥が見られた。また、ストライプ欠陥が多く見られ、実
用レベルの配向状態ではなかった。ここで、ネマティッ
ク液晶にメルク社製FT−5028を用いてプレティルト角
θP を測慈したところ、JALS−684 ではではラビン
グ処理時に84deg 前後、SE−7792では4deg前後のプレ
ティルト角であった。
【0036】また、図7は、このときのラビング強度を
変化させたときの配向状態を示している。図7(A)に
示すラビング強度が弱い場合は、スペーサ周りに目立つ
欠陥はないが、全体的に液晶分子の配向秩序の度合いが
低い。これに対し、ラビング強度を強くしていくと、図
7(B)に示されるように、スペーサ8の周りに配向欠
陥11が現れてくるが、全体的な配向秩序は極めて高
い。また、表示特性を比較した場合においてもラビング
強度が強い方が良好であり、逆に良好な配向秩序を示し
表示特性に優れるラビング強度を与えた場合にはスペー
サ周りに配向欠陥が発生する。
【0037】図8は、ツイスト角θ2が9degで、先に図
7(B)に示した程度の強めのラビング強度で作製した
液晶表示装置1のコントラスト特性を示している。ここ
で、ギャップは1.6 μmである。同図から、正面コント
ラストで1000以上の高コントラスト、コントラスト10の
レベルで左右 140°以上、上下約 130°の広視野角が光
学補償無しで得られている。また、階調反転は全方位 1
40°の範囲内で観察されなかった。表示領域外のみでギ
ャップを制御し、スペーサ8の周りの配向欠陥11(図
7(B)参照)からの光漏れを防ぐことによりさらに黒
レベルを向上させ、コントラストを上げることが可能で
ある。
【0038】一方で、反強誘電性液晶の能動素子駆動に
おいては、配向制御層6,7の厚みによる透過率−電圧
特性の変化が問題としてある。この変化が大きいと、表
示むらの原因となる。図9は、MX−X143 における透
過率−電圧特性を示しており、また配向制御層7,8の
膜厚が 700Åと1200Åのものを同一の図に合わせて記載
している。同図に示されるように、配向制御層6,7の
膜厚が700 Åのものと1200Åのものとで、最大透過率に
達する電圧に約4Vの電圧差が見られた。
【0039】実際の製造ラインにおける配向制御層6,
7の印刷においても平坦部で平均数十Åのばらつきがあ
る。よって、この様な材料を用いた場合、液晶のON/
OFFを行なうスイッチングの閾値の変化による表示む
らを完全に避けることは極めて困難である。この閾値の
変化は、液晶材料の自発分極値に大きく依存することが
判っている。MX−X143 の自発分極値は 229nC/cm2
ある。これに代えて、自発分極値を128nC/cm2まで下げ
たMX−M207 を用いて液晶表示装置1を作製したとこ
ろ、閾値の変化が極めて減少して実用上問題のないレベ
ルの液晶表示装置1を実現することができた。
【0040】ところで、液晶表示装置1(反強誘電性液
晶表示装置)は、ギャップ(一対の基板2,3の間の間
隙距離)が約1.4 〜1.6 μmと薄いため、上電極4と下
電極5との間で短絡が起こりやすい。その大きな原因の
一つが、スペーサ8の周りにおける電荷の蓄積である。
これを解決する手段としては、電極と配向制御層の間に
絶縁層をもう一つ設けることが考えられるが、この構成
では製造コストが上昇してしまうことは前述した通りで
ある。そこで本発明では、図1に示すように、上電極4
と下電極5が互いにずれるよう配置した。
【0041】これにより、配向制御層以外の短絡防止用
の絶縁層を設けることなく、スペーサ8を介して各電極
4,5が短絡することを防止することができる。よっ
て、低コストで不良動作のない液晶表示装置1を実現す
ることができる。また、図1に示す構造の液晶表示装置
1では、電界によるティルト角の減少による透過率の低
下はごくわずかである。
【0042】一方、上記したスペーサ8に代えて、表示
領域外に感光性樹脂等で突起を設け、この突起により上
基板2と下基板3のギャップ(間隙)を制御することも
効果的である。具体的には、シプレイ社製レジストLC
−200 を用いて幅10μm, 高さ1.6 μmのストライプ状
の突起を表示領域外に設けたところ、均一にギャップを
取るとともに無欠陥の配向状態を得ることができ、光滑
れのほとんどない黒レベルが極めて高い表示を実現する
ことができた。
【0043】続いて、配向処理方法として、ラビング法
に代えて紫外線を照射する方法を用いた例について説明
する。配向制御層材料としてポリビニルシンナメート
(PVCi)を用い、偏光紫外線光を照射して液晶表示
装置を作製した。まず、液晶として通常の強誘電性液晶
材料TA−C100 及びCS−1014(共にチッソ株式会社
製)を用いて配向を観察したところ、偏光方向に対して
垂直の方向に配向していた。
【0044】このとき、ラビング法を用いたときよりも
液晶分子のオーダーは極めて高く、スメクティツク液晶
でよく見られる配向むらは全くなく、極めて良好な暗状
態を得ることができた。また、スペーサ8の周りの欠陥
をはっきりと観察することができた。更に、照射強度や
照射波長によっては、偏光方向に対して斜めに配向する
こともあった。この結果をもとに先述の各種反強誘電性
液晶材料を用いたところ、同様の傾向が見られることが
確認できた。
【0045】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、正面コント
ラストで現状のTN方式の2倍を超える高コントラス
ト、1000倍程度の高速応答、閾値むらの非常に少ない高
表示品質の反強誘電性液晶表示装置を歩留まり良く容易
に実現することが可能となる。また、コストの上昇を伴
うことなく短絡を防止し、同時に黒レベルを向上させる
ことができる。
【0046】即ち、請求項1記載の発明によれば、良好
な配向状態を得ることができる。また、請求項2乃至請
求項4記載の発明によれば、配向処理方向と例えば垂直
方向といった異なる方向に配向させるような材料を用い
ることにより、液晶分子に与えるアンカリングエネルギ
ーが小さく、オーダーの高い配向状態を得ることができ
る。
【0047】また、請求項5記載の発明によれば、上下
基板間のギャップが狭くても、コストを上昇させること
なく上下電極が短絡することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である反強誘電性液晶表示装
置の断面図である。
【図2】本発明の一実施例である反強誘電性液晶表示装
置における配向制御処理を説明するための図であり、配
向のずれ角を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施例である反強誘電性液晶表示装
置における配向制御処理を説明するための図であり、上
から見たラビング方向を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施例である反強誘電性液晶表示装
置における配向制御処理を説明するための図であり、横
から見たラビング方向を説明するための図である。
【図5】各液晶材料とラビング方向のなす角とを示す図
である。
【図6】ツイスト角による配向状態の変化を示す図であ
り、(A)はツイスト角が0degの時の配向状態を示し、
(B)はツイスト角が6degの時の配向状態を示し、
(C)はツイスト角が9degの時の配向状態を示してい
る。
【図7】配向処理強度と配向秩序との関係を示す図であ
り、(A)は配向処理強度が弱い場合を示し、(B)は
配向処理強度が強い場合を示している。
【図8】本発明の一実施例である反強誘電性液晶表示装
置の視覚特性を示す図である。
【図9】反強誘電性液晶(MX−X143)の透過率−
電圧特性を示す図である。
【符号の説明】
1 液晶表示装置(反強誘電性液晶表示装置) 2 上基板 3 下基板 4 上電極 5 下電極 6 上配向制御層 7 下配向制御層 8 スペーサ 9 強誘電性液晶 10 液晶分子 11 欠陥

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向処理が行なわれる上配向制御層及び
    液晶を駆動するための上電極が配設された上基板と、配
    向処理が行なわれる下配向制御層及び液晶を駆動するた
    めの下電極が配設された下基板との間に、反強誘電性液
    晶が介装された構成の反強誘電性液晶表示装置におい
    て、 前記上及び下配向制御層における前記反強誘電性液晶の
    液晶分子の一軸配向処理を、 上下いずれか一方の前記配向制御層に配向処理を施した
    時、前記反強誘電性液晶の液晶分子が配向処理方向から
    ずれるずれ角度を配向のずれ角θ1とし、 かつ、前記上配向制御層に施した配向処理の方向と、前
    記下配向制御層に施した配向処理の方向とのなす角度を
    ツイスト角θ2とした場合、 前記ツイスト角θ2が配向のずれ角θ1の二倍よりも小
    さくなるよう(θ2<2×θ1)構成したことを特徴と
    する反強誘電性液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の反強誘電性液晶表示装置
    において、 少なくとも一方の前記配向制御層の材料として、配向処
    理の方向とは異なる方向に前記反強誘電性液晶の液晶分
    子を配向させる材料を用いたことを特徴とする反強誘電
    性液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の反強誘電性液晶表示装置
    において、 前記配向処理の方向とは異なる方向に前記反強誘電性液
    晶の液晶分子を配向させる材料は、前記配向制御層に施
    す配向処理に対して前記液晶分子の配向方向がほぼ垂直
    となる材料であることを特徴とする反強誘電性液晶表示
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の反強誘電性液晶
    表示装置において、 前記上下配向制御層における前記反強誘電性液晶の一軸
    配向処理方向のなす角と、前記配向制御層が前記反強誘
    電性液晶の液晶分子に与える配向規制方向のなす角とを
    異ならせたことを特徴とする反強誘電性液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の反強
    誘電性液晶表示装置において、 前記反強誘電性液晶を駆動する前記電極が、上電極と下
    電極で互いにずらして配置したことを特徴とする反強誘
    電性液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011081427A (ja) * 2000-05-12 2011-04-21 Samsung Electronics Co Ltd 液晶表示装置及びそれに用いられる基板

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