JP2000266528A - アルミニウム又はアルミニウム合金板の板厚測定方法 - Google Patents
アルミニウム又はアルミニウム合金板の板厚測定方法Info
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- JP2000266528A JP2000266528A JP11070941A JP7094199A JP2000266528A JP 2000266528 A JP2000266528 A JP 2000266528A JP 11070941 A JP11070941 A JP 11070941A JP 7094199 A JP7094199 A JP 7094199A JP 2000266528 A JP2000266528 A JP 2000266528A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アルミニウム板の冷間圧延時において、X線
照射による吸収係数から算出される板厚と、実際に得ら
れるアルミニウム板の板厚との間に発生する誤差を低減
することができるアルミニウム又はアルミニウム合金板
の板厚測定方法を提供する。 【解決手段】 先ず、アルミニウム合金板の冷間圧延時
において、X線入射強度(I0)と、X線出射強度
(I)とを測定すると共に、このときのアルミニウム板
の温度を測定する。次に、アルミニウム合金板の合金成
分を考慮して、吸収係数uを算出すると共に、アルミニ
ウム板の熱膨張による板厚の変化量及び比重の変化量を
考慮して、吸収係数の変化量としての温度補正値rを求
める。次いで、吸収係数uに温度補正値rを考慮して補
正吸収係数wを求め、これによりアルミニウム合金板の
板厚を算出する。
照射による吸収係数から算出される板厚と、実際に得ら
れるアルミニウム板の板厚との間に発生する誤差を低減
することができるアルミニウム又はアルミニウム合金板
の板厚測定方法を提供する。 【解決手段】 先ず、アルミニウム合金板の冷間圧延時
において、X線入射強度(I0)と、X線出射強度
(I)とを測定すると共に、このときのアルミニウム板
の温度を測定する。次に、アルミニウム合金板の合金成
分を考慮して、吸収係数uを算出すると共に、アルミニ
ウム板の熱膨張による板厚の変化量及び比重の変化量を
考慮して、吸収係数の変化量としての温度補正値rを求
める。次いで、吸収係数uに温度補正値rを考慮して補
正吸収係数wを求め、これによりアルミニウム合金板の
板厚を算出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷間圧延機による圧
延時に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金板
の板厚測定方法に関し、特に、温度による板厚の測定誤
差を低減することができるアルミニウム又はアルミニウ
ム合金板の板厚測定方法に関する。
延時に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金板
の板厚測定方法に関し、特に、温度による板厚の測定誤
差を低減することができるアルミニウム又はアルミニウ
ム合金板の板厚測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミニウム又はアルミニウ
ム合金板の冷間圧延機による圧延時においては、X線又
はβ線をアルミニウム又はアルミニウム合金板に照射し
て、そのX線吸収係数から板厚が測定されている。以
下、アルミニウム又はアルミニウム合金板を、単にアル
ミニウム板という。冷間圧延機を使用した場合、アルミ
ニウム板の圧延速度は1600(m/分)と高くなるの
で、板厚測定の応答性が高いことが要求される。このた
め、板厚の測定には、X線が多く使用されている。しか
しながら、X線照射によって得られる吸収係数からアル
ミニウム合金板の板厚を算出する場合、X線はアルミニ
ウム合金板の合金成分に対する感度が高いので、合金成
分の含有量が約0.1重量%変動しても、X線吸収係数
が大きく変化する。従って、一般的には、アルミニウム
合金板中の合金成分の分析値に基づいてX線吸収係数を
予測する方法が実施されており、更に、この予測の精度
を高めるために、予測式の成分項を増加させて吸収係数
を算出しているが、この方法によっても、予測の精度を
十分に向上させることができない。そこで、一般的に
は、合金成分に対する感度が低いβ線をX線と併用し
て、吸収係数を予測している。
ム合金板の冷間圧延機による圧延時においては、X線又
はβ線をアルミニウム又はアルミニウム合金板に照射し
て、そのX線吸収係数から板厚が測定されている。以
下、アルミニウム又はアルミニウム合金板を、単にアル
ミニウム板という。冷間圧延機を使用した場合、アルミ
ニウム板の圧延速度は1600(m/分)と高くなるの
で、板厚測定の応答性が高いことが要求される。このた
め、板厚の測定には、X線が多く使用されている。しか
しながら、X線照射によって得られる吸収係数からアル
ミニウム合金板の板厚を算出する場合、X線はアルミニ
ウム合金板の合金成分に対する感度が高いので、合金成
分の含有量が約0.1重量%変動しても、X線吸収係数
が大きく変化する。従って、一般的には、アルミニウム
合金板中の合金成分の分析値に基づいてX線吸収係数を
予測する方法が実施されており、更に、この予測の精度
を高めるために、予測式の成分項を増加させて吸収係数
を算出しているが、この方法によっても、予測の精度を
十分に向上させることができない。そこで、一般的に
は、合金成分に対する感度が低いβ線をX線と併用し
て、吸収係数を予測している。
【0003】このように、従来において、冷間圧延時に
X線照射による吸収係数から板厚を算出する場合には、
アルミニウム合金板の合金成分による板厚測定誤差につ
いての対策がなされている。
X線照射による吸収係数から板厚を算出する場合には、
アルミニウム合金板の合金成分による板厚測定誤差につ
いての対策がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
板厚測定方法においては、合金成分の相違による板厚測
定誤差の補正を行っても、冷間圧延時にX線照射による
吸収係数から算出した板厚と、実際に得られたアルミニ
ウム板の板厚との間には未だ測定誤差が発生しており、
この板厚測定誤差を十分に低減することはできていな
い。
板厚測定方法においては、合金成分の相違による板厚測
定誤差の補正を行っても、冷間圧延時にX線照射による
吸収係数から算出した板厚と、実際に得られたアルミニ
ウム板の板厚との間には未だ測定誤差が発生しており、
この板厚測定誤差を十分に低減することはできていな
い。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、アルミニウム板の冷間圧延時において、X
線照射による吸収係数から算出される板厚と、実際に得
られるアルミニウム板の板厚との間に発生する誤差を低
減することができるアルミニウム又はアルミニウム合金
板の板厚測定方法を提供することを目的とする。
のであって、アルミニウム板の冷間圧延時において、X
線照射による吸収係数から算出される板厚と、実際に得
られるアルミニウム板の板厚との間に発生する誤差を低
減することができるアルミニウム又はアルミニウム合金
板の板厚測定方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ム又はアルミニウム合金板の板厚測定方法は、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金板の冷間圧延時にX線を照射
してそのX線吸収係数から板厚を測定する方法であっ
て、前記アルミニウム又はアルミニウム合金板中に含有
される合金成分を考慮した吸収係数に、圧延時に加工熱
によって発生するアルミニウム又はアルミニウム合金板
の熱膨張による温度補正値を考慮して補正吸収係数を求
め、前記補正吸収係数によって前記アルミニウム又はア
ルミニウム合金板の板厚を算出することを特徴とする。
ム又はアルミニウム合金板の板厚測定方法は、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金板の冷間圧延時にX線を照射
してそのX線吸収係数から板厚を測定する方法であっ
て、前記アルミニウム又はアルミニウム合金板中に含有
される合金成分を考慮した吸収係数に、圧延時に加工熱
によって発生するアルミニウム又はアルミニウム合金板
の熱膨張による温度補正値を考慮して補正吸収係数を求
め、前記補正吸収係数によって前記アルミニウム又はア
ルミニウム合金板の板厚を算出することを特徴とする。
【0007】この温度補正値は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金板の熱膨張による板厚の変化量と、比重の
変化量とを考慮することにより得ることができる。
ミニウム合金板の熱膨張による板厚の変化量と、比重の
変化量とを考慮することにより得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、補正吸収係数
を求め、この値からアルミニウム板の板厚を算出する。
本発明に係るアルミニウム又はアルミニウム合金板の板
厚測定方法について、以下に説明する。
を求め、この値からアルミニウム板の板厚を算出する。
本発明に係るアルミニウム又はアルミニウム合金板の板
厚測定方法について、以下に説明する。
【0009】先ず、従来法と同様に、冷間圧延時にアル
ミニウム板にX線を照射して、アルミニウム板に入射す
る前のX線入射強度(I0)と、アルミニウム板から出
射されるX線出射強度(I)とを測定する。このとき、
アルミニウム板のX線吸収係数をu、アルミニウム板の
板厚をtとすると、X線吸収係数uと、X線の強度I及
びI0とは、下記数式1に示す関係が成立する。
ミニウム板にX線を照射して、アルミニウム板に入射す
る前のX線入射強度(I0)と、アルミニウム板から出
射されるX線出射強度(I)とを測定する。このとき、
アルミニウム板のX線吸収係数をu、アルミニウム板の
板厚をtとすると、X線吸収係数uと、X線の強度I及
びI0とは、下記数式1に示す関係が成立する。
【0010】
【数1】I=I0e-ut 上記数式1において、吸収係数uは、測定されるアルミ
ニウム板中の合金成分によって変化する値であるので、
予め、合金成分を考慮して算出している。この吸収係数
uは、例えば下記数式2によって算出することができ
る。
ニウム板中の合金成分によって変化する値であるので、
予め、合金成分を考慮して算出している。この吸収係数
uは、例えば下記数式2によって算出することができ
る。
【0011】
【数2】u=[Al]a+[B]b+[C]c+[D]d ここで、[Al]、[B]、[C]及び[D]は、夫
々、測定されるアルミニウム合金板中のAl、B、C及
びD成分の含有量(原子%)である。また、a、b、c
及びdは、各成分の種類により決定される所定の値であ
る。
々、測定されるアルミニウム合金板中のAl、B、C及
びD成分の含有量(原子%)である。また、a、b、c
及びdは、各成分の種類により決定される所定の値であ
る。
【0012】従来においては、上記数式1に実際に測定
されたI、I0を代入すると共に、合金成分の含有量か
ら求められる吸収係数uを代入することによって、板厚
tを算出していたが、この方法によっても、高精度で実
際に得られるアルミニウム板の板厚を算出することはで
きなかった。
されたI、I0を代入すると共に、合金成分の含有量か
ら求められる吸収係数uを代入することによって、板厚
tを算出していたが、この方法によっても、高精度で実
際に得られるアルミニウム板の板厚を算出することはで
きなかった。
【0013】そこで、本願発明者等は、冷間圧延時にお
いて、その加工熱によりアルミニウム板が熱膨張するこ
とに着目した。例えば、アルミニウム又はアルミニウム
合金については、熱膨張係数が2.35×10-5(20
〜100℃)乃至2.56×10-5(100〜300
℃)であり、鉄の熱膨張係数1.17×10-5(20
℃)と比較して高い値を有している。
いて、その加工熱によりアルミニウム板が熱膨張するこ
とに着目した。例えば、アルミニウム又はアルミニウム
合金については、熱膨張係数が2.35×10-5(20
〜100℃)乃至2.56×10-5(100〜300
℃)であり、鉄の熱膨張係数1.17×10-5(20
℃)と比較して高い値を有している。
【0014】このように、冷間圧延時において、測定板
の温度が変化することによっても、板厚の測定誤差が発
生する。これは、加工熱によってアルミニウム板が膨張
し、板厚が厚くなって、体積が増加すると共に比重が減
少することにより、吸収係数uが変動することに起因す
る。従って、冷間圧延時に、アルミニウム板の熱膨張に
よって変化する板の比重及び厚さの変化量を十分に考慮
して、板厚を算出することが必要である。即ち、X線照
射による吸収係数から算出される板厚と、実際のアルミ
ニウム板の板厚とのずれ(誤差)を低減するためには、
合金成分及びその含有量による吸収係数の誤差を考慮す
ると共に、熱膨張による吸収係数の誤差を考慮すること
が必要である。
の温度が変化することによっても、板厚の測定誤差が発
生する。これは、加工熱によってアルミニウム板が膨張
し、板厚が厚くなって、体積が増加すると共に比重が減
少することにより、吸収係数uが変動することに起因す
る。従って、冷間圧延時に、アルミニウム板の熱膨張に
よって変化する板の比重及び厚さの変化量を十分に考慮
して、板厚を算出することが必要である。即ち、X線照
射による吸収係数から算出される板厚と、実際のアルミ
ニウム板の板厚とのずれ(誤差)を低減するためには、
合金成分及びその含有量による吸収係数の誤差を考慮す
ると共に、熱膨張による吸収係数の誤差を考慮すること
が必要である。
【0015】本発明においては、アルミニウム板の熱膨
張による板厚の変化量及び比重の変化量を考慮して、合
金成分のみを考慮した吸収係数uからの変化量である温
度補正値rを求める。この温度補正値rは、合金成分の
含有量に拘わらず、温度のみに依存する関数で表すこと
ができるので、例えば、下記数式3によって、補正吸収
係数wを求める。
張による板厚の変化量及び比重の変化量を考慮して、合
金成分のみを考慮した吸収係数uからの変化量である温
度補正値rを求める。この温度補正値rは、合金成分の
含有量に拘わらず、温度のみに依存する関数で表すこと
ができるので、例えば、下記数式3によって、補正吸収
係数wを求める。
【0016】
【数3】w=u+r 従って、実際に得られるアルミニウム板の板厚tは、下
記数式4を満足するtを算出することによって、求める
ことができる。
記数式4を満足するtを算出することによって、求める
ことができる。
【0017】
【数4】I=I0e-wt このように、本発明においては、合金成分を考慮した吸
収係数uに、更に温度補正値rを考慮して、補正吸収係
数wを得ている。従って、アルミニウム板の冷間圧延時
の加工熱によって板厚及び比重が変化しても、実際に得
られるアルミニウム合金板の板厚と、圧延時にX線によ
って測定した板厚測定値との間に発生する誤差を低減す
ることができる。
収係数uに、更に温度補正値rを考慮して、補正吸収係
数wを得ている。従って、アルミニウム板の冷間圧延時
の加工熱によって板厚及び比重が変化しても、実際に得
られるアルミニウム合金板の板厚と、圧延時にX線によ
って測定した板厚測定値との間に発生する誤差を低減す
ることができる。
【0018】なお、補正吸収係数は上述の方法により算
出することができるが、例えば、種々の合金成分及び温
度が考慮された表を作成し、この表から、測定するアル
ミニウム板の合金成分及び温度に対応した補正吸収係数
を求めることもできる。
出することができるが、例えば、種々の合金成分及び温
度が考慮された表を作成し、この表から、測定するアル
ミニウム板の合金成分及び温度に対応した補正吸収係数
を求めることもできる。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係るアルミニウム又はアルミ
ニウム合金板の板厚測定方法の実施例についてその比較
例と比較して具体的に説明する。
ニウム合金板の板厚測定方法の実施例についてその比較
例と比較して具体的に説明する。
【0020】先ず、JIS5086のアルミニウム合金
板を使用して、種々の加工率でこのアルミニウム合金板
を冷間圧延して、圧延時にX線によってX線入射強度
(I0)と、X線出射強度(I)とを測定すると共に、
このときのアルミニウム板の温度を測定した。次に、ア
ルミニウム合金板の合金成分を考慮して、吸収係数uを
算出した。本実施例においては、このように、合金成分
のみを考慮した吸収係数uを100%と設定した。
板を使用して、種々の加工率でこのアルミニウム合金板
を冷間圧延して、圧延時にX線によってX線入射強度
(I0)と、X線出射強度(I)とを測定すると共に、
このときのアルミニウム板の温度を測定した。次に、ア
ルミニウム合金板の合金成分を考慮して、吸収係数uを
算出した。本実施例においては、このように、合金成分
のみを考慮した吸収係数uを100%と設定した。
【0021】次いで、圧延後のアルミニウム合金板の温
度変化による板厚及び比重の変化を考慮して、各温度に
おける温度補正値rを求めた後、吸収係数uに温度補正
値rを加算することにより、補正吸収係数wを算出し、
吸収係数uに対する比率を求めた。これらの冷間圧延加
工率、アルミニウム板温度及び吸収係数u(100%)
に対する補正吸収係数の比率を下記表1に示す。
度変化による板厚及び比重の変化を考慮して、各温度に
おける温度補正値rを求めた後、吸収係数uに温度補正
値rを加算することにより、補正吸収係数wを算出し、
吸収係数uに対する比率を求めた。これらの冷間圧延加
工率、アルミニウム板温度及び吸収係数u(100%)
に対する補正吸収係数の比率を下記表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】上記表1に示すように、実施例1は、アル
ミニウム合金板の温度が60℃であるので、室温を20
℃とすると、冷間圧延の加工熱によってアルミニウム合
金板が40℃発熱したことになる。従って、この40℃
の発熱によるアルミニウム合金板の熱膨張及び比重の変
化量を考慮して、補正吸収係数wを算出すると、合金成
分のみを考慮した吸収係数uと比較して、0.19%低
いものとなる。
ミニウム合金板の温度が60℃であるので、室温を20
℃とすると、冷間圧延の加工熱によってアルミニウム合
金板が40℃発熱したことになる。従って、この40℃
の発熱によるアルミニウム合金板の熱膨張及び比重の変
化量を考慮して、補正吸収係数wを算出すると、合金成
分のみを考慮した吸収係数uと比較して、0.19%低
いものとなる。
【0024】同様に、実施例2については、60℃の発
熱によるアルミニウム合金板の熱膨張及び比重の変化量
を考慮して、補正吸収係数wを算出すると、合金成分の
みを考慮した吸収係数uと比較して、0.28%低いも
のとなる。更に、実施例3は発熱が80℃であり、吸収
係数uと比較して、補正吸収係数wは0.37%低いも
のとなる。
熱によるアルミニウム合金板の熱膨張及び比重の変化量
を考慮して、補正吸収係数wを算出すると、合金成分の
みを考慮した吸収係数uと比較して、0.28%低いも
のとなる。更に、実施例3は発熱が80℃であり、吸収
係数uと比較して、補正吸収係数wは0.37%低いも
のとなる。
【0025】次いで、圧延によって得られたアルミニウ
ム合金板の実際の板厚及び比重等を測定し、これらの値
からアルミニウム合金板の実際の吸収係数(実吸収係
数)を算出した。
ム合金板の実際の板厚及び比重等を測定し、これらの値
からアルミニウム合金板の実際の吸収係数(実吸収係
数)を算出した。
【0026】図1は吸収係数u、補正吸収係数w及び実
吸収係数とアルミニウム合金板の温度との関係を示すグ
ラフ図である。但し、図1において、室温が20℃であ
って、X線測定時のアルミニウム合金板の温度が20℃
の場合の吸収係数の補正値、即ち、温度を考慮せず、合
金成分のみを考慮した吸収係数uを100%とした。従
って、補正吸収係数w及び実吸収係数は吸収係数uに対
する比率で示す。また、吸収係数u、本実施例方法によ
り得られた補正吸収係数w及びこれにより算出される板
厚等についての具体的な値、並びに実際の板厚との誤差
を下記表2及び3に示す。
吸収係数とアルミニウム合金板の温度との関係を示すグ
ラフ図である。但し、図1において、室温が20℃であ
って、X線測定時のアルミニウム合金板の温度が20℃
の場合の吸収係数の補正値、即ち、温度を考慮せず、合
金成分のみを考慮した吸収係数uを100%とした。従
って、補正吸収係数w及び実吸収係数は吸収係数uに対
する比率で示す。また、吸収係数u、本実施例方法によ
り得られた補正吸収係数w及びこれにより算出される板
厚等についての具体的な値、並びに実際の板厚との誤差
を下記表2及び3に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】図1に示すように、圧延時のアルミニウム
合金板の温度上昇に伴って、実吸収係数は低下してお
り、吸収係数uとの差が大きくなっていく。一方、本実
施例方法によって温度を考慮した補正吸収係数は、実吸
収係数と同様に温度上昇に伴って低下し、実吸収係数と
の差が低減された。
合金板の温度上昇に伴って、実吸収係数は低下してお
り、吸収係数uとの差が大きくなっていく。一方、本実
施例方法によって温度を考慮した補正吸収係数は、実吸
収係数と同様に温度上昇に伴って低下し、実吸収係数と
の差が低減された。
【0030】また、上記表2及び3に示すように、比較
例No.7〜9はX線測定時のアルミニウム合金板の温
度の上昇に伴って、板厚の測定誤差が大きくなってい
る。一方、実施例No.4〜6は温度変化による吸収係
数の補正を実施しているので、アルミニウム合金板の温
度に依存することなく、板厚の測定誤差を低減すること
ができた。
例No.7〜9はX線測定時のアルミニウム合金板の温
度の上昇に伴って、板厚の測定誤差が大きくなってい
る。一方、実施例No.4〜6は温度変化による吸収係
数の補正を実施しているので、アルミニウム合金板の温
度に依存することなく、板厚の測定誤差を低減すること
ができた。
【0031】更に、製品板厚が0.5乃至1.0mmで
あるアルミニウム合金板に対して、従来の吸収係数uに
よって得られた板厚と、実際の板厚との偏差を算出する
と共に、本発明方法による補正吸収係数によって得られ
た板厚と実際の板厚との偏差を算出した。その結果、従
来法による板厚測定誤差の偏差は1.8μmであった
が、本発明方法によると、板厚測定誤差の偏差は1.0
μmとなった。なお、板厚中心値偏差とは、目標板厚と
実際の板厚との差のバラツキをいう。
あるアルミニウム合金板に対して、従来の吸収係数uに
よって得られた板厚と、実際の板厚との偏差を算出する
と共に、本発明方法による補正吸収係数によって得られ
た板厚と実際の板厚との偏差を算出した。その結果、従
来法による板厚測定誤差の偏差は1.8μmであった
が、本発明方法によると、板厚測定誤差の偏差は1.0
μmとなった。なお、板厚中心値偏差とは、目標板厚と
実際の板厚との差のバラツキをいう。
【0032】このように、本実施例方法による補正吸収
係数によって板厚を算出すると、圧延加工率の上昇によ
ってアルミニウム合金板の温度が変化しても、従来の板
厚測定方法と比較して、板厚の測定誤差の発生を低減す
ることができる。
係数によって板厚を算出すると、圧延加工率の上昇によ
ってアルミニウム合金板の温度が変化しても、従来の板
厚測定方法と比較して、板厚の測定誤差の発生を低減す
ることができる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
アルミニウム又はアルミニウム合金板の冷間圧延時にX
線照射による吸収係数から板厚を算出する場合に、合金
成分を考慮した吸収係数に、アルミニウム又はアルミニ
ウム合金板の熱膨張による温度温度補正値を考慮して補
正吸収係数を求め、この補正吸収係数によってアルミニ
ウム又はアルミニウム合金板の板厚を算出するので、冷
間圧延時において、X線照射による吸収係数から算出さ
れる板厚と、実際に得られるアルミニウム板の板厚との
間に発生する誤差を低減することができる。
アルミニウム又はアルミニウム合金板の冷間圧延時にX
線照射による吸収係数から板厚を算出する場合に、合金
成分を考慮した吸収係数に、アルミニウム又はアルミニ
ウム合金板の熱膨張による温度温度補正値を考慮して補
正吸収係数を求め、この補正吸収係数によってアルミニ
ウム又はアルミニウム合金板の板厚を算出するので、冷
間圧延時において、X線照射による吸収係数から算出さ
れる板厚と、実際に得られるアルミニウム板の板厚との
間に発生する誤差を低減することができる。
【図1】縦軸に吸収係数uに対する補正吸収係数w及び
実吸収係数の比率をとり、横軸にX線測定時のアルミニ
ウム合金板温度をとって、種々の場合の吸収係数と、ア
ルミニウム合金板の温度との関係を示すグラフ図であ
る。
実吸収係数の比率をとり、横軸にX線測定時のアルミニ
ウム合金板温度をとって、種々の場合の吸収係数と、ア
ルミニウム合金板の温度との関係を示すグラフ図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉下 幸男 栃木県真岡市鬼怒ヶ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 Fターム(参考) 2F067 AA27 BB12 DD06 FF06 FF07 GG06 HH04 KK06
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金板の
冷間圧延時にX線を照射してそのX線吸収係数から板厚
を測定する方法であって、前記アルミニウム又はアルミ
ニウム合金板中に含有される合金成分を考慮した吸収係
数に、圧延時に加工熱によって発生するアルミニウム又
はアルミニウム合金板の熱膨張による温度補正値を考慮
して補正吸収係数を求め、前記補正吸収係数によって前
記アルミニウム又はアルミニウム合金板の板厚を算出す
ることを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金
板の板厚測定方法。 - 【請求項2】 前記温度補正値は、アルミニウム又はア
ルミニウム合金板の熱膨張による板厚の変化量と、比重
の変化量とを考慮したものであることを特徴とする請求
項1に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金板の板
厚測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11070941A JP2000266528A (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | アルミニウム又はアルミニウム合金板の板厚測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11070941A JP2000266528A (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | アルミニウム又はアルミニウム合金板の板厚測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000266528A true JP2000266528A (ja) | 2000-09-29 |
Family
ID=13446044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11070941A Pending JP2000266528A (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | アルミニウム又はアルミニウム合金板の板厚測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000266528A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107702667A (zh) * | 2017-10-26 | 2018-02-16 | 武钢新日铁(武汉)镀锡板有限公司 | 一种新型x射线测厚仪材质补偿系统的建立方法 |
-
1999
- 1999-03-16 JP JP11070941A patent/JP2000266528A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107702667A (zh) * | 2017-10-26 | 2018-02-16 | 武钢新日铁(武汉)镀锡板有限公司 | 一种新型x射线测厚仪材质补偿系统的建立方法 |
CN107702667B (zh) * | 2017-10-26 | 2019-12-17 | 武钢新日铁(武汉)镀锡板有限公司 | 一种新型x射线测厚仪材质补偿系统的建立方法 |
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