JP2000265082A

JP2000265082A - 増粘無機塗料による加飾方法

Info

Publication number: JP2000265082A
Application number: JP6934199A
Authority: JP
Inventors: Masakazu Hibi; 正和日比; Masahito Sakakibara; 雅人榊原
Original assignee: Inax Corp
Current assignee: Inax Corp
Priority date: 1999-03-15
Filing date: 1999-03-15
Publication date: 2000-09-26

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】建築用板の表面に立体的な加飾が可能となる
加飾方法の提供を目的とする。【解決手段】粒体固形分を含有する水溶性アルカリ金
属珪酸塩素水溶液塗料に後添加で、粘土分２０〜５０重
量％，長石分５０〜８０重量％の無機質原料を加えて増
粘させ、これを基材上に厚盛りして立体的な加飾を施
す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、建築用板の加飾方法
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来、建築用板を塗装する
に際し、基材上に下塗り塗料を塗布し、その上にスプレ
ーによる斑点やボカシの塗装をし、その上に上塗り塗料
を塗布して、斑点やボカシを呈する塗装を行っている
が、従来の塗料では粘性が低すぎて厚盛りすることがで
きず、そのため、立体的なロール印刷やスクリーン印刷
による加飾を施すことができなかった。なお、スプレー
とマスク塗装により厚塗りすることも可能であるが、こ
れでは加熱時に発泡してしまい、また、垂れて広がり、
意匠性が悪くなるという問題点があった。また、厚盛り
するために塗料の粘性を高めようとして、メチルセルロ
ース等の有機物を添加すると、有機物であるため紫外線
に弱く、耐久性が損なわれてしまい、有機物添加による
増粘は困難であった。また、塗料中の硬化材とか充填
材，顔料等の重量比をアップさせて、塗料の粘性を高め
ようとすると、混合等の作業性が悪くなり、またコスト
が増大してしまうという問題点があった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、コストが安く、容易に
増粘して塗料を基材上に厚塗りすることのできる加飾方
法を提供せんことを目的とし、その第１の要旨は、粉体
固形分を含有する水溶性アルカリ金属珪酸塩系水溶液塗
料に、後添加で、粘土分２０〜５０重量％，長石分５０
〜８０重量％の無機質原料を加えて、基材上に厚盛りし
たことである。また、第２の要旨は、前記無機質原料
を、外割りで１５〜４０重量％後添加したことである。
また、第３の要旨は、前記無機質原料が、磁器質，せっ
器質タイル用のスプレー坏土，デシン坏土等であること
である。

【０００４】

【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本例で
は、建築用の基材上に塗布する下塗り塗料に対し、粘土
分２０〜５０重量％，長石分５０〜８０重量％のスプレ
ー坏土，デシン坏土等の窯業用に加工された配合原料を
後添加し、混合させて、下塗り塗料の粘性を高め、基材
に対する下塗り塗料の付着性を増大させて、加飾ロール
等を用いて下塗り塗料を基材上に厚盛りできるように構
成したものである。

【０００５】次に、例を挙げると、酸化亜鉛，酸化マグ
ネシウム，酸化アルミニウム，水酸化マグネシウム，水
酸化アルミニウム等の硬化材を３〜１０重量％（好まし
くは７重量％）と、珪石，アルミナ，ガラス粉，雲母等
の充填材を１０〜１５重量％（好ましくは１３重量％）
と、二酸化チタン，ベンガラ，クロムグリーン，コバル
トブルー等の顔料を３〜１０重量％（好ましくは７重量
％）と、その他、界面活性剤，分散剤，消泡材等の添加
材を０．５〜１．５重量％（好ましくは１重量％）と
に、水２０〜３５重量％（好ましくは２８重量％）をポ
ットミルにて混合した後、これを取り出して、粘土分２
０〜５０重量％，長石分５０〜８０重量％のスプレー坏
土とか、デシン坏土を、外割りで１５〜４０重量％（好
ましくは２０〜３０重量％）後添加して、これにより塗
料の粘性を高めて、これに水溶性アルカリ金属珪酸塩４
０％水溶液を４４重量％加えて塗料を調合し、この調合
した塗料を１００〜５００μｍの厚さに、基材上に加飾
ロール等を用いて厚塗り塗布することができ、ロール印
刷とかスクリーン印刷によって部分的な厚盛り加飾を施
すことが可能となって、多色での油絵のような立体的な
表現を基材上に施すことが可能となった。

【０００６】なお、前記スプレー坏土，デシン坏土等の
無機質原料は、ミルで細磨して粒径３〜５０μｍにした
ものを用い、これらのスプレー坏土とかデシン坏土等は
窯業用に加工された配合原料であり、安価に入手が可能
で、粒径を同一にすることが容易で、溶解性も高く、色
の隠蔽性が低く、これらの無機質原料はミル細磨するこ
とにより粒径が塗料中の固形分と同一とすることがで
き、後添加しても凝集せず分散性が良好で、塗料に容易
に後添加して、塗料を増粘させて付着性を増大させるこ
とができるものである。

【０００７】なお、このようにスプレー坏土，デシン坏
土等の無機質原料を後添加して増粘させた塗料を、厚塗
りして油絵のような立体的な表現を施す前に、エアスプ
レーによる全面または部分的なボカシ塗装工程を入れて
も良く、立体的な表現を施した後には、その上から、粉
体固形分の含有量が小量の水溶性アルカリ金属珪酸塩系
水溶液塗料の上塗り塗料を塗布して、前記塗料による加
飾層の耐久性を高め、かつクリアーな保護層を形成し
て、表面側から視認した場合に下側の塗料の加飾面が良
好に視認できるようにすることができる。

【０００８】例えば、硬化材４重量部と、充填材２０重
量部と、顔料４重量部と、界面活性剤０．５重量部と、
消泡剤０．５重量部に、水を２１重量部加えて混合し
て、水溶性アルカリ金属珪酸塩４０％水溶液５０重量部
を加えて調合し、１８０ｇ／m²の塗布量で塗装した下塗
り塗料上に、

【０００９】硬化材４重量部と、充填材２０重量部と、
顔料４重量部と、界面活性剤０．５重量部と、消泡剤
０．５重量部に、水を２１重量部加えて混合して、これ
にスプレー坏土を、外割りで５重量％，１５重量％，２
５重量％，３５重量％と変化させて、それぞれの添加量
で後添加し、その後、水溶性アルカリ金属珪酸塩４０％
水溶液５０重量部を加えて調合した塗料を適量塗布し、

【００１０】その上から、硬化材０．５重量部と、ガラ
ス質原料３〜１０重量部と、その他の添加物として界面
活性剤，分散剤，消泡剤，増粘剤等を１重量部に、水を
７０重量部加えてミルに入れて混合し、その後に、水溶
性アルカリ金属珪酸塩４０％水溶液を２０重量部加えて
調合した上塗り塗料を、３０ｇ／m²の塗布量で塗布し、
その後乾燥させ、酸・アンモニウム塩系水溶液を適用
し、水洗，乾燥して完了した。

【００１１】発明者らは、前記スプレー坏土を、外割り
で５重量％，１５重量％，２５重量％，３５重量％と変
化させて後添加した、それぞれの場合の溶解性とか付着
性とか発泡の有無、その他、紫外線に対する耐久性等を
検査した結果、何れの場合にも、乾燥時の発泡は全く見
られず、溶解性に優れ、また付着性に優れた判定結果が
得られ、また、耐久性でも優れた判定結果を得た。な
お、スプレー坏土の添加量が外割りで４５重量％以上の
場合には、僅かに耐久性の減少傾向が見られた。

【００１２】

【発明の効果】本発明は、粉体固形分を含有する水溶性
アルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料に、後添加で、粘土分
２０〜５０重量％，長石分５０〜８０重量％の無機質原
料を加えて、基材上に厚盛りしたことにより、無機質原
料を後添加して増粘効果を容易に得られて、塗料を厚盛
りしてロール印刷とかスクリーン印刷等により立体的な
表現が可能となる効果を有する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 4D075 DA06 DC02 DC03 EA06 EA41 EB02 EC01 EC33 EC54 4J038 AA001 HA456 HA556 KA07 NA01

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】粉体固形分を含有する水溶性アルカリ金
属珪酸塩系水溶液塗料に、後添加で、粘土分２０〜５０
重量％，長石分５０〜８０重量％の無機質原料を加え
て、基材上に厚盛りしたことを特徴とする増粘無機塗料
による加飾方法。
【請求項２】前記無機質原料を、外割りで１５〜４０
重量％後添加したことを特徴とする請求項１に記載の増
粘無機塗料による加飾方法。
【請求項３】前記無機質原料が、磁器質，せっ器質タ
イル用のスプレー坏土，デシン坏土等である請求項１ま
たは請求項２に記載の増粘無機塗料による加飾方法。