JP2000264154A - 自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造及び衝撃エネルギ吸収材 - Google Patents

自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造及び衝撃エネルギ吸収材

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JP2000264154A
JP2000264154A JP11070244A JP7024499A JP2000264154A JP 2000264154 A JP2000264154 A JP 2000264154A JP 11070244 A JP11070244 A JP 11070244A JP 7024499 A JP7024499 A JP 7024499A JP 2000264154 A JP2000264154 A JP 2000264154A
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absorbing material
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JP11070244A
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Toshikatsu Sato
利勝 佐藤
Yuji Nakane
裕司 中根
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空のエネルギ吸収材の中間部と端部とにお
けるエネルギ吸収量の差を少なくできる、自動車の車体
上部の衝撃エネルギ吸収構造を提供すること。 【解決手段】 構造部材とこの構造部材から車室内方へ
エネルギ吸収に必要な間隔をおいて配置される内装材と
を備える自動車の車体上部において衝撃エネルギを吸収
する構造であって、前記間隔内に配置された中空のエネ
ルギ吸収材(26)を備える。このエネルギ吸収材は、
衝撃荷重によって軸線に交差する方向へ塑性変形し、塑
性変形域が軸線方向へ広がる性質を本来有するもので、
前記塑性変形域が広がるのを制限するスリット(36)
を軸線方向の2つの端部を除く中間部(40)に有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車、特に乗用車
の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造と、衝撃エネルギ吸
収材とに関する。
【0002】
【従来の技術】構造部材と、この構造部材から車室内方
へエネルギ吸収に必要な間隔をおいて配置される内装材
とを備える自動車の車体上部において、押し出し成形可
能な金属製の中空のエネルギ吸収材を前記間隔内に配置
した衝撃エネルギ吸収構造が提案されている(特開平11
-5503号公報)。
【0003】金属製の中空のエネルギ吸収材によれば、
立ち上がりの急な荷重対変位のエネルギ吸収特性を得る
ことが可能である。また、中空のエネルギ吸収材がその
軸線に直交する仮想面で切断した断面において閉じ構造
を呈するため、荷重を受ける面の大きさや、エネルギ吸
収材に伝達された荷重を構造部材に伝える面の大きさな
どを容易に調整できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】中空のエネルギ吸収材
について試験を繰り返した結果、次の事実が判明した。
すなわち、中空のエネルギ吸収材、特に金属を押し出し
成形したエネルギ吸収材のように粘りのあるエネルギ吸
収材では、軸線に交差する方向の衝撃荷重が加わると
き、軸線に交差する方向へ塑性変形し、同時に塑性変形
域が軸線方向へ広がる傾向がある。そのため、エネルギ
吸収材の中間部では軸線方向の両側へ向けて塑性変形域
が広がり、端部では軸線方向の片側へ向けて塑性変形域
が広がる。エネルギ吸収量は、塑性変形した範囲が広い
ほど多くなることから、同じ大きさの衝撃荷重が加わっ
たとき、中間部と端部とにおけるエネルギ吸収量に差が
生ずることとなる。
【0005】本発明は、中空のエネルギ吸収材の中間部
と端部とにおけるエネルギ吸収量の差を少なくできる、
自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造と、衝撃エネ
ルギ吸収材とを提供する。
【0006】本発明はまた、エネルギ吸収材の塑性変形
域を制限できる、自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収
構造と、衝撃エネルギ吸収材とを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明
は、構造部材とこの構造部材から車室内方へエネルギ吸
収に必要な間隔をおいて配置される内装材とを備える自
動車の車体上部において衝撃エネルギを吸収する構造で
あって、前記間隔内に配置された中空のエネルギ吸収材
を備える。このエネルギ吸収材は、衝撃荷重によって軸
線に交差する方向へ塑性変形し、塑性変形域が軸線方向
へ広がる性質を本来有するが、本発明では、エネルギ吸
収材は、前記塑性変形域が広がるのを制限する手段を軸
線方向の2つの端部を除く中間部に有する。
【0008】軸線に交差する方向の衝撃荷重がエネルギ
吸収材の中間部に加わるとき、エネルギ吸収材は軸線に
交差する方向へ塑性変形し、塑性変形域が軸線方向へ広
がろうとするが、塑性変形域の広がりが制限手段によっ
て制限される。
【0009】その結果、エネルギ吸収材に発生する反力
荷重が低下し、エネルギ吸収材の中間部におけるエネル
ギ吸収量が少なくなり、端部とのエネルギ吸収量の差が
小さくなる。
【0010】前記制限手段は、前記エネルギ吸収材の少
なくとも前記内装材に対面する部位に、軸線方向へ所定
のピッチをおいて設けられ、周方向へ伸びている複数の
スリットであることが好ましい。
【0011】中空のエネルギ吸収材を成形した後、周方
向へ伸びる複数のスリットをエネルギ吸収材に加工す
る。
【0012】スリットはエネルギ吸収材の外周面から内
周面へ貫通した形態であっても、また貫通しない形態で
あってもよいが、特に前者の場合には、エネルギ吸収材
の粘りがスリットによって完全に断ち切られるため、塑
性変形域を制限する効果が大きい。
【0013】塑性変形域がスリットによって制限される
ため、衝撃荷重がエネルギ吸収材の軸線方向の複数箇所
に加わるようなことが起こっても、各箇所において実質
的に設定どおりの衝撃エネルギ吸収が可能である。
【0014】スリット間のピッチを調整することによ
り、軸線方向の塑性変形域の大きさが変わり、エネルギ
吸収量が異なることから、エネルギ吸収材の軸線方向に
おけるエネルギ吸収特性を容易に制御することができ
る。すなわち、ピッチを小さ目に、全てのピッチが実質
的に同じ値となるように定めることにより、エネルギ吸
収材の中間部と端部とのエネルギ吸収量の差を小さくす
ることができる。また、ピッチを軸線方向において異な
らせることにより、エネルギ吸収材の軸線方向における
エネルギ吸収量に差をつけることができる。
【0015】本発明はまた、車体の構造部材とこの構造
部材から車室内方へ間隔をおいて配置される内装材との
間の前記間隔内に配置される衝撃エネルギ吸収材に関す
る。衝撃エネルギ吸収材は、衝撃荷重によって軸線に交
差する方向へ塑性変形し、塑性変形域が軸線方向へ広が
る中空材からなる。この中空材は、前記塑性変形域が広
がるのを制限するための、周方向へ伸びている複数のス
リットを軸線方向へ所定のピッチをおいて有する。
【0016】複数のスリットを設けたエネルギ吸収材を
車体の構造部材と内装材との間の間隔内に配置すること
により、衝撃エネルギ吸収構造が得られる。
【0017】エネルギ吸収材に複数のスリットを加工す
るだけでよく、容易に作ることができる。
【0018】本発明はまた、構造部材とこの構造部材か
ら車室内方へエネルギ吸収に必要な間隔をおいて配置さ
れる内装材とを備える自動車の車体上部において衝撃エ
ネルギを吸収する構造であって、衝撃荷重によって軸線
に交差する方向へ塑性変形する、前記間隔内に配置され
た中空のエネルギ吸収材を備える。このエネルギ吸収材
の衝撃荷重が加わる端部のうち前記内装材に対面する部
分は、車室外方へ向けて曲げられ、塑性変形に抗するよ
うに形成されている。
【0019】衝撃荷重がエネルギ吸収材の端部に加わる
とき、車室外方へ向けて曲げられた部分、つまり抵抗部
が塑性変形に抗する結果、端部に発生する反力荷重が上
がる。そして、抵抗部がこの抵抗部に対向するエネルギ
吸収材の部分に当たると、抵抗部が車室内方へ向けて変
形するため、反力荷重がさらに上がる。これによって、
中間部とのエネルギ吸収量の差が小さくなる。
【0020】本発明はまた、車体の構造部材とこの構造
部材から車室内方へ間隔をおいて配置される内装材との
間の前記間隔内に配置される衝撃エネルギ吸収材に関す
る。衝撃エネルギ吸収材は、軸線に交差する方向へ塑性
変形可能な中空材からなる。この中空材は、衝撃荷重が
加わる端部のうち前記内装材に対面して位置することと
なる部分が前記構造部材に対面して位置することとなる
部分の方へ向けて曲げられ、塑性変形に抗するように形
成されている。
【0021】端部の内装材に対面して位置することとな
る部分が構造部材に対面して位置することとなる部分の
方へ向けて曲がるように加工するだけで中間部とのエネ
ルギ吸収量の差が小さくなったエネルギ吸収材を得るこ
とができ、このエネルギ吸収材を車体の構造部材と内装
材との間に配置することによって衝撃エネルギ吸収構造
を得ることができる。
【0022】本発明はまた、構造部材とこの構造部材か
ら車室内方へエネルギ吸収に必要な間隔をおいて配置さ
れる内装材とを備える自動車の車体上部において衝撃エ
ネルギを吸収する構造であって、軸線に交差する方向へ
塑性変形可能であり、前記間隔内に配置された中空のエ
ネルギ吸収材と、このエネルギ吸収材の衝撃荷重が加わ
る端部に隣接して前記間隔内に配置された付加的なエネ
ルギ吸収材とを備える。
【0023】衝撃荷重がエネルギ吸収材の端部に加わる
とき、この端部と共に付加的なエネルギ吸収材が塑性変
形し、エネルギ吸収する。これは、衝撃荷重によって発
生する反力荷重が高くなることであり、より多くのエネ
ルギを吸収できることである。このようにして、中間部
とのエネルギ吸収量の差を少なくすることができる。
【0024】前記付加的なエネルギ吸収材は、樹脂製の
前記内装材に一体に成形された樹脂リブであることが好
ましい。
【0025】内装材の成形時に、付加的なエネルギ吸収
材である樹脂リブが内装材と一体に設けられるため、能
率良く生産でき、低コスト化を図ることができる。ま
た、中空のエネルギ吸収材と付加的なエネルギ吸収材と
を別個独立に作るときには、それぞれを組み付ける手間
が必要となるが、この発明によれば、付加的なエネルギ
吸収材が内装材と一体となっているため、組み付け性を
向上できる。
【0026】
【発明の実施の形態】衝撃エネルギ吸収構造は、斜視状
態の図1と、断面状態の図2とを参照すると、構造部材
20と、構造部材20から車室内方へエネルギ吸収に必
要な間隔22をおいて配置される内装材24とを備える
自動車の車体上部において衝撃エネルギを吸収するもの
であって、中空のエネルギ吸収材26を備える。
【0027】構造部材20は、図示の実施例では、イン
ナパネル28と、アウタパネル30と、補強パネル32
とからなり、それぞれのフランジを重ね合わせて接合
し、閉じ断面構造に形成されたフロントピラーである。
フロントピラーの前方にウインドシールドガラス34が
配置され、フロントピラーの後方にドアガラス36が配
置されている。
【0028】間隔22は、例えば、15-30mmの大きさで
ある。この間隔をおいて構造部材20の車室内方に配置
された内装材24は、樹脂製のピラーガーニッシュであ
る。
【0029】エネルギ吸収材26が間隔22内に配置さ
れている。このエネルギ吸収材26は、アルミニウム又
はアルミニウム合金を押し出し成形して作られるもの
で、軸線に交差する方向の衝撃荷重によって軸線に交差
する方向へ塑性変形し、塑性変形域が軸線方向へ広がる
性質を有するところ、エネルギ吸収材26は、前記塑性
変形域が広がるのを制限する手段36を軸線方向の2つ
の端部38,39を除く中間部40に有する。
【0030】制限手段36は、図示の実施例では、エネ
ルギ吸収材26の少なくとも内装材24に対面する部位
に、軸線方向へ所定のピッチP1、P2……P5をおいて
設けられ、周方向へ伸びている複数のスリットである。
所定のピッチは、端部39のピッチP5を除くピッチ
1、P2……P4が全て同じ一定値となるように定めて
もよく、各ピッチが異なる値となるように定めてもよ
い。すなわち、荷重対変位のエネルギ吸収特性をエネル
ギ吸収材26の軸線方向の各部位において実質的に同じ
に保ち、中間部と端部とのエネルギ吸収量の差を小さく
するには、全てのピッチを同じ一定値にする。これに対
して、エネルギ吸収特性をエネルギ吸収材26の軸線方
向の各部位において異ならせるには、各ピッチが独自の
値となるようにする。
【0031】制限手段36は、塑性変形域が軸線方向へ
広がるのを制限するもので、スリットの他、周方向へ並
べた複数の孔としたり、周方向へ伸びる凹部としたりす
ることができる。制限手段36がスリットである場合、
加工がし易いばかりでなく、エネルギ吸収材26に切れ
目を入れて粘りを切るため、塑性変形域が広がるのを制
限する効果が高い。
【0032】制限手段36は、少なくとも内装材24に
対面する部位には制限手段36が設けられるように、周
方向の長さを定める。図2に示した実施例では、エネル
ギ吸収材26は、内装材24に対面する内周片42と、
内周片42から間隔をおいた外周片43と、2つの側片
44,45とを有する。そして、制限手段36は内周片
42から2つの側片44,45に至る部分に設けられて
いるが、内周片42のみとすることもできる。制限手段
36が側片まで伸びる場合、特に制限手段36がスリッ
トであるとき、エネルギ吸収材26の強度が保たれるよ
うな配慮が必要である。すなわち、エネルギ吸収材26
がその形状を維持した状態で運搬でき、切欠き46や孔
48を利用してエネルギ吸収材26を内装材に24に取
り付けたとき、エネルギ吸収材26に加わる振動にもか
かわらず、エネルギ吸収材26が取付け状態に保たれる
ようにする。
【0033】斜視状態の図3に示すように、自動車の車
体上部には、フロントピラー20の他、ルーフサイドレ
ール50やヘッダ52のような構造部材が配置される
が、本発明はこのような構造部材と、この構造部材の車
室内方に配置される内装材とにおいて実施することもで
きる。さらに、図示は省略したが、センタピラーやクォ
ータピラーのような構造部材と、内装材とにおいても実
施することができる。
【0034】本発明に係る衝撃エネルギ吸収材は、再び
図1及び図2を参照すると、車体の構造部材20と、構
造部材20から車室内方へ間隔22をおいて配置される
内装材24との間の前記間隔内に配置される。衝撃エネ
ルギ吸収材26は、衝撃荷重によって軸線に交差する方
向へ塑性変形し、塑性変形域が軸線方向へ広がる中空材
からなる。この中空材は、前記塑性変形域が広がるのを
制限するための、周方向へ伸びている複数のスリット3
6を軸線方向へ所定のピッチをおいて有する。
【0035】中空材は前述のアルミニウム又はアルミニ
ウム合金を押し出し成形して作ることができる。また、
中空材として、金属箔の芯材と、この芯材の表裏にそれ
ぞれ重ね合わされるクラフト紙とからなり、芯材とクラ
フト紙とを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成さ
れた、いわゆるハイブリッドパイプ(特開平10-29482号
公報)を使用することもできる。
【0036】図2と、断面状態の図5とに示した衝撃エ
ネルギ吸収構造では、構造部材20と、構造部材20か
ら車室内方へエネルギ吸収に必要な間隔22をおいた内
装材24との間の間隔22内に配置される中空のエネル
ギ吸収材26を備える。エネルギ吸収材26は、衝撃荷
重が加わる端部54のうち前記内装材に対面する部分5
5が車室外方へ向けて曲げられ、塑性変形に抗するよう
に形成されている。ここで、衝撃荷重が加わる端部54
とは、図1に示した端部38,39のいずれか、又は両
方の端部である。
【0037】エネルギ吸収材26の車室外方へ向けて曲
げられた部分55は、いわば抵抗部であり、端部54を
塑性変形しにくくする。そのためには、平坦状に曲げて
も、また湾曲状に曲げてもよいが、次の点を考慮して曲
げることが好ましい。衝撃荷重Fを受けたとき、図5
(b)に仮想線で示すように、端部54が塑性変形して
抵抗部55の一部がこれに対向する部分56に突き当た
ると、抵抗部55が車室内方へ向けて変形を開始する。
これによって、端部54の塑性変形がさらにしにくくな
るようにする。
【0038】本発明に係る衝撃エネルギ吸収材は、再び
図2及び図5を参照すると、車体の構造部材20と構造
部材20から車室内方へ間隔22をおいて配置される内
装材24との間の前記間隔内に配置される。衝撃エネル
ギ吸収材26は、軸線に交差する方向へ塑性変形可能な
中空材からなり、この中空材は、衝撃荷重が加わる端部
54のうち内装材24に対面することとなる部分55が
構造部材20に対面することとなる部分56の方へ向け
て曲げられ、塑性変形に抗するように形成されている。
【0039】この場合の衝撃エネルギ吸収材26は、端
部54の内装材24に対面する部分55を車室外方へ向
けて曲げるように形成すれば十分であるが、さらに図1
に示すように、エネルギ吸収材26の中間部40に周方
向へ伸びる複数のスリット36を設けて形成することも
できる。すなわち、前者によれば、エネルギ吸収材26
の端部を塑性変形しにくくして、端部と中間部とのエネ
ルギ吸収量の差を小さくするが、後者によれば、エネル
ギ吸収材26の端部を塑性変形しにくくすると共に、中
間部の軸線方向の塑性変形域を制限し、端部と中間部と
のエネルギ吸収量の差を一層小さくする。
【0040】斜視状態の図6に示した衝撃エネルギ吸収
構造は、構造部材(図示せず)とこの構造部材から車室
内方へエネルギ吸収に必要な間隔をおいて配置される内
装材64とを備える自動車の車体上部において衝撃エネ
ルギを吸収する構造であって、前記間隔内に配置される
中空のエネルギ吸収材66と、付加的なエネルギ吸収材
68とを備える。構造部材は前述の実施例と同様なもの
である。
【0041】内装材64は、図示の実施例では樹脂製の
ピラーガーニッシュであるが、後述するように、樹脂リ
ブを一体に有する。
【0042】中空のエネルギ吸収材66は、軸線に交差
する方向へ塑性変形可能な、アルミニウム又はアルミニ
ウム合金を押し出し成形したパイプである。また、ハイ
ブリッドパイプを用いることもできる。中空のエネルギ
吸収材66の端部では、塑性変形域が軸線方向の片側へ
向けて広がるだけであるため、塑性変形域が軸線方向の
両側へ向けて広がる中間部と比べてエネルギ吸収量が少
ない。
【0043】付加的なエネルギ吸収材68は、中空のエ
ネルギ吸収材66の荷重が加わる端部67に隣接して前
記間隔内に配置され、端部67の少ないエネルギ吸収量
を補償する。そのためには、付加的なエネルギ吸収材6
8は、格子状の樹脂リブの他、ウレタン、エネルギ吸収
材66のような中空体、ハイブリッドパイプなどによっ
て作ることができる。
【0044】図示の実施例では、付加的なエネルギ吸収
材68は、ピラーガーニッシュ64に一体に成形された
樹脂リブである。樹脂リブ68は、縦リブ70と横リブ
72とからなり、ピラーガーニッシュ64の裏面から一
体に突出されている。樹脂リブ68は、中空のエネルギ
吸収材66を内装材64又は構造部材に取り付けたと
き、エネルギ吸収材66の端部67に隣接するように、
位置決めされている。
【0045】図1及び図2に示した衝撃エネルギ吸収材
26は、次のように作用する。軸線に交差する方向の所
定以上の衝撃荷重Fが衝撃体80によりエネルギ吸収材
26の中間部40に加わると、模式的に示した図4
(a)のように、中間部40は軸線に交差する方向へ塑
性変形し、塑性変形域が軸線方向へ広がろうとする。し
かし、エネルギ吸収材26の軸線方向には複数のスリッ
ト66が切ってあるため、塑性変形域82は衝撃体80
の有効面積、つまり寸法の範囲に限られる。これに対し
て、スリット66がない場合、塑性変形域82は、仮想
線で示すように、衝撃体80の寸法を超えて軸線方向に
広がる。
【0046】衝撃荷重がエネルギ吸収材26の端部39
に加わると、模式的に示した図4(b)のように、塑性
変形域84は近傍のスリット66まで広がる。本発明で
は、端部39に抵抗部があるため、模式的に示した図5
に示すように、端部の内周片42が圧縮され、2つの側
片44,45が倒れ込むように塑性変形する際、抵抗部
55の抵抗が大きくなる。そして、抵抗部55が対向す
る部分56に突き当たると、抵抗部55が内方へ向けて
変形するため、さらに抵抗が大きくなる。
【0047】荷重対変位のエネルギ吸収特性を示す図7
ないし図10を参照して本発明の効果を説明する。図7
に示すように、エネルギ吸収材の中間部にスリットを設
けた場合(実線A)には、スリットがないもの(破線
B)と比べて、塑性変形域が制限されているため、ピー
ク荷重が下がっている。図8に示すように、エネルギ吸
収材の端部に抵抗部を設けた場合(実線C)には、抵抗
部がないもの(破線D)と比べて、変形に対する抵抗が
増しているため、ピーク荷重が上がっている。その結
果、図9に示すように、エネルギ吸収材の中間部の特性
(実線E)と端部の特性(実線F)とは接近している。
これに対して、図10に示すように、中間部にスリット
がない特性(破線G)と端部に抵抗部がない特性(破線
H)とは、大きな差で離れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエネルギ吸収材の実施例を示す
斜視図である。
【図2】 本発明に係る自動車の車体上部の衝撃エネル
ギ吸収構造の実施例を示す断面図で、図3の2−2線で
切断したものである。
【図3】 自動車の車体上部の概略を示す斜視図であ
る。
【図4】 本発明に係るエネルギ吸収材の作用を示す模
式図で、(a)は中間部に衝撃荷重が作用した場合を、
(b)は端部に衝撃荷重が作用した場合を示している。
【図5】 本発明に係るエネルギ吸収材の端部の作用を
示す模式図で、(a)は軸線に直交する面で切断した断
面を、(b)は軸線を含む面で切断した断面を示してい
る。
【図6】 本発明に係る自動車の車体上部の衝撃エネル
ギ吸収構造の別の実施例を示す、一部を破断した斜視図
である。
【図7】 荷重対変位のエネルギ特性図である。
【図8】 荷重対変位のエネルギ特性図である。
【図9】 荷重対変位のエネルギ特性図である。
【図10】 荷重対変位のエネルギ特性図である。
【符号の説明】
20 構造部材(フロントピラー) 22 間隔 24,64 内装材(ピラーガーニッシュ) 26,66 エネルギ吸収材 36 制限手段(スリット) 38,39,54,67 端部 40 中間部 68 付加的なエネルギ吸収材 82,84 塑性変形域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D003 AA05 BB02 CA32 CA33 CA34 CA40 3D023 BA01 BA07 BB06 BB09 BB14 BC01 BD08 BD10 BE01 BE03 BE09 BE24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造部材とこの構造部材から車室内方へ
    エネルギ吸収に必要な間隔をおいて配置される内装材と
    を備える自動車の車体上部において衝撃エネルギを吸収
    する構造であって、 前記間隔内に配置された中空のエネルギ吸収材であって
    衝撃荷重によって軸線に交差する方向へ塑性変形し、塑
    性変形域が軸線方向へ広がるエネルギ吸収材を備え、 このエネルギ吸収材は、前記塑性変形域が広がるのを制
    限する手段を軸線方向の2つの端部を除く中間部に有す
    る、自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造。
  2. 【請求項2】 前記制限手段は、前記エネルギ吸収材の
    少なくとも前記内装材に対面する部位に、軸線方向へ所
    定のピッチをおいて設けられ、周方向へ伸びている複数
    のスリットである、請求項1に記載の車体上部の衝撃エ
    ネルギ吸収構造。
  3. 【請求項3】 車体の構造部材とこの構造部材から車室
    内方へ間隔をおいて配置される内装材との間の前記間隔
    内に配置される衝撃エネルギ吸収材であって、 衝撃荷重によって軸線に交差する方向へ塑性変形し、塑
    性変形域が軸線方向へ広がる中空材からなり、この中空
    材は、前記塑性変形域が広がるのを制限するための、周
    方向へ伸びている複数のスリットを軸線方向へ所定のピ
    ッチをおいて有する、衝撃エネルギ吸収材。
  4. 【請求項4】 構造部材とこの構造部材から車室内方へ
    エネルギ吸収に必要な間隔をおいて配置される内装材と
    を備える自動車の車体上部において衝撃エネルギを吸収
    する構造であって、 衝撃荷重によって軸線に交差する方向へ塑性変形する、
    前記間隔内に配置された中空のエネルギ吸収材を備え、 このエネルギ吸収材の衝撃荷重が加わる端部のうち前記
    内装材に対面する部分は、車室外方へ向けて曲げられ、
    塑性変形に抗するように形成された、車体上部の衝撃エ
    ネルギ吸収構造。
  5. 【請求項5】 車体の構造部材とこの構造部材から車室
    内方へ間隔をおいて配置される内装材との間の前記間隔
    内に配置される衝撃エネルギ吸収材であって、 軸線に交差する方向へ塑性変形可能な中空材からなり、
    この中空材は、衝撃荷重が加わる端部のうち前記内装材
    に対面して位置することとなる部分が前記構造部材に対
    面して位置することとなる部分の方へ向けて曲げられ、
    塑性変形に抗するように形成された、衝撃エネルギ吸収
    材。
  6. 【請求項6】 構造部材とこの構造部材から車室内方へ
    エネルギ吸収に必要な間隔をおいて配置される内装材と
    を備える自動車の車体上部において衝撃エネルギを吸収
    する構造であって、 軸線に交差する方向へ塑性変形可能であり、前記間隔内
    に配置された中空のエネルギ吸収材と、このエネルギ吸
    収材の衝撃荷重が加わる端部に隣接して前記間隔内に配
    置された付加的なエネルギ吸収材とを備える、車体上部
    の衝撃エネルギ吸収構造。
  7. 【請求項7】 前記付加的なエネルギ吸収材は、樹脂製
    の前記内装材に一体に成形された樹脂リブである、請求
    項6に記載の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102700618A (zh) * 2012-06-08 2012-10-03 大连理工大学 一种横隔板加强的薄壁能量吸收管
CN102991581A (zh) * 2012-11-23 2013-03-27 浙江吉利汽车研究院有限公司杭州分公司 一种吸能式a柱结构总成
JP2017154719A (ja) * 2016-03-02 2017-09-07 裕 中山 視界を遮らない透明素材で作られ、芯材を内包する乗り物のフロントピラー、及その製造方法

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CN102991581B (zh) * 2012-11-23 2015-10-28 浙江吉利汽车研究院有限公司杭州分公司 一种吸能式a柱结构总成
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