JP2000255593A - 圧縮袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 布団等の被収納物(3) が収容される袋体(1)
であって、内部の空気を排出させることによって被収納
物(3) を圧縮状態に収納することのできる圧縮袋に関
し、圧縮状態にある袋体(1) を、収納庫に積層させて収
納した場合に、その下層に位置する袋体(1) を取り出し
易くすること。 【解決手段】 袋体(1) の少なくとも一辺(11)に、引き
出し用の把手部(12)を設けたこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は圧縮袋、特に、布
団等の被収納物を収容した後に内部の空気を排出するこ
とによって前記被収納物を圧縮した状態で収容すること
のできる圧縮袋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】布団や衣類等の被収納物を透明樹脂製の
袋体内に収容し、前記袋体内の空気を掃除機等で吸引し
て、前記袋体内を略真空状態とすることにより、前記被
収納物を圧縮させて保管することのできる形式の圧縮袋
が知られている。この種圧縮袋を利用することにより、
布団や衣類等をその折り畳んだ状態の通常の厚さの３分
の１程度に圧縮させた状態で収納することができるの
で、普段使用しない布団や嵩張るセーターやジャンパー
等の衣類を、押し入れや衣装ケース等に嵩低く重ねて収
納しておくことができ、その分、収納スペースを有効に
利用することができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の圧縮袋は、一般に、押し入れ等の収納庫に
積層されて収納されることが多く、この場合、下層に位
置させた袋体を取り出しにくいという問題があった。特
に、布団のように重量のある被収納物を圧縮収納させた
前記袋体を押し入れに多数積層させて収納した場合、下
層に位置する袋体には、それ自体に重量がある上に、そ
の上方から他の袋体の重量が加算されることとなり、下
層に位置する袋体のみを引っ張り出すには、かなりの労
力が必要となる。又、前記従来の袋体は、一般に合成樹
脂製シートにより構成されているものであるから表面が
滑り易く、取り出す際に袋体に手をかけてもその手が滑
り易く、さらに、運搬する場合にもその取り扱いが困難
である。

【０００４】本発明は、『布団等の被収納物が収容され
る袋体であって、内部の空気を排出させることによって
前記被収納物を圧縮した状態で保管することのできる圧
縮袋』において、圧縮状態にある袋体を、押し入れ等の
収納庫に積層させて収納した場合でも、その下層に位置
する袋体を容易に取り出すことができるようにすること
を課題とする。 ＜１項＞

【０００５】

【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ために講じた本発明の解決手段は『前記袋体の少なくと
も一辺に、引き出し用の把手部を設けた』ことである。
上記解決手段は次のように作用する。前記袋体から空気
を排出させて袋体の内部を略真空状態とすることによ
り、内部に収容させていた衣類等の被収納物は圧縮さ
れ、前記袋体は全体に扁平な板状体となる。この板状体
の少なくとも一辺からは前記把手部が突出する構成とな
っており、この把手部が室内側に向くようにして、前記
袋体を押し入れ等の収納庫に順に積層させて収納する。
積層後の複数枚の袋体のうち、所望の被収納物が収納さ
れた袋体を取り出したい場合は、前記所望の袋体に取り
付けられている把手部を室内側に引っ張る。すると、前
記袋体は一般に相互に滑り易い合成樹脂製シートにより
構成されていることも相俟って、前記所望の袋体のみが
袋体の積層体から容易に引っ張り出されることとなる。

【０００６】

【発明の効果】本発明は、上記構成であるから次の特有
の効果を有する。扁平状態に圧縮させ、押し入れ等の収
納庫内に積層させた複数の袋体の室内側の一辺に突設さ
せた把手部を室内側に引っ張るだけで、前記積層状態に
収納されている前記袋体の中から、所望の袋体のみを容
易に取り出すことができるから、被収納物が重量のある
布団等の場合であって且それが積層体の下層に位置する
場合であっても、前記袋体の前記収納庫からの取り出し
を容易に行うことができる。又、取り出した後の袋体を
別の部屋に運ぶ場合等にも、前記把手部を持って運搬す
ることができるから、袋体の取扱いも容易となる。

【０００７】さらに、前記袋体を矩形状に構成し、その
長辺と短辺の両辺又は四辺全てに前記把手部を設けてお
けば、袋体を収納庫内に収納する際に、袋体の向きを考
慮する必要がない。 ＜２項＞上記１項のものにおいて、『前記把手部は、前
記袋体の前記一辺の中央に対して対称な位置に１つずつ
取り付けられる』ものでは、一対の把手部を両手で持っ
て引き出すことができるから、前記袋体の引き出しがよ
り一層容易となる。このものは、特に、長方形状の袋体
の長辺に設ける場合に効果的である。 ＜３項＞上記２項のものにおいて、『前記把手部は、前
記一辺の両端に連設される構成とした』ものでは、前記
把手部に加えられる引っ張り力が、前記一辺の両端に続
く袋体の両側辺に作用することとなるため、前記把手部
を引っ張った時に、前記一辺の、前記把手部が設けられ
ている部分のみが引っ張られて袋体が引き出しにくかっ
たり、引っ張られた部分のみが破損してしまうといった
不都合がなく、袋体全体が引き出し易くなるという効果
がある。 ＜４項＞上記１項から３項のものにおいて、『前記把手
部は、前記一辺全域から延長形成させた延長片と前記延
長片内に形成された手掛け用の開口とからなる構成と
し、前記一辺及びその両端に連続する両側辺、さらに
は、前記延長片の周縁に沿って所定幅を有する溶着部を
設けた』ものでは、前記開口内に手を掛けて引っ張るこ
とにより、引っ張り力は、前記一辺全域及び両側辺に作
用することとなり、前記袋体の収納庫からの取り出しを
より一層スムーズに行うことができる。又、前記各辺さ
らには前記延長片の周縁には、溶着部が形成されている
から、袋体の各辺は強靭なものとなり、前記把手部を引
っ張っても、前記延長片及び前記一辺が変形したり破損
したりする不都合を確実に防止することができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を、
図示例と共に説明する。以下に示す各例に採用する圧縮
袋としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等の柔軟な
合成樹脂製の袋体の一辺に沿って開閉自在な空気排出口
が形成されている従来の構成のものが採用可能である。

【０００９】この袋体内に布団等の被収納物を圧縮収納
するには、まず、前記空気排出口を全開状態にして、袋
体内に、前記被収納物を折り畳んだ状態で収納し、その
後、前記空気排出口に沿って設けられているファスナー
等の閉塞手段により、その一端に開放部分を残して略密
封状態に閉塞する。そして、前記開放部分に掃除機のノ
ズルを挿入させて吸引する等の方法により、空気排出口
の前記開放部分から内部の空気の殆どすべてを排出さ
せ、袋体内を略真空状態とする。これにより、前記被収
納物は扁平状態に圧縮され、前記袋体の開放部分を閉塞
させることにより、袋体内に前記扁平状態のまま密封収
納されることとなる。圧縮後の被収納物の嵩は圧縮前の
３分の１程に減縮され、それに伴って、袋体は、全体と
して扁平な板状体となる。

【００１０】図１に示す第１番目の実施の形態の袋体
(1) は、２枚の矩形状の合成樹脂製シートを重ね合わせ
ると共に空気排出口(10)が形成される一辺を除いた残り
の三辺に沿って、熱溶着、超音波溶着又は高周波溶着等
による溶着部(14)を形成することにより、閉塞させた構
成となっており、前記空気排出口(10)には、樹脂製の凸
条と凹溝とからなる形式のファスナー部(21)が２本平行
に位置するように設けてある。各ファスナー部(21)の凸
条を凹溝にそれぞれ強制的に嵌め込むことにより、袋体
(1) 内は密封されることとなる。

【００１１】ファスナー部(21)が形成されている前記一
辺に対向する辺を引き出し辺(11)とし、その中央に、略
Ｃ字状の把手部(12)を取り付ける。この把手部(12)は、
前記袋体(1) と同じ材質のシートを複数枚重ね合わせる
と共にその周縁に沿って溶着部(14)を形成してなるもの
で、引き出し辺(11)に沿って溶着部(14)が形成される際
に同時に溶着させることにより取り付けることができ
る。

【００１２】この実施の形態のものでは、まず、袋体
(1) の空気排出口(10)から、布団等の被収納物(3) を上
記した要領で圧縮収納させ。ファスナー部(21)を２本と
も閉塞させる。これにより、圧縮された状態で密封され
た状態の扁平な板状体となった袋体(1) の引き出し辺(1
1)から把手部(12)が外方に突出する態様となる。この袋
体(1) を、図２に示すように、引き出し辺(11)が室内(2
0)側に向くように、押し入れ等の収納庫(2) 内に積層状
態に収納する。これにより、積層状態に収納された多数
枚の袋体(1) から室内(20)側に把手部(12)が突出する態
様となるが、把手部(12)は、上記したように、袋体(1)
と同じ合成樹脂製の扁平体であるから、同図の最上層の
袋体(1) の把手部(12)のように、不要時には内方に折り
込んでおくことができるので、把手部(12)が収納の邪魔
になることはない。

【００１３】そして、この積層体から袋体(1) を取り出
すには、所望の袋体(1) から突出している把手部(12)を
室内(20)側に引っ張る。各袋体(1) は、それぞれ上記し
たように、合成樹脂製のシートにより構成されているこ
とから、上下の接触面相互は滑り易い性質がある。把手
部(12)を室内(20)側に引っ張ると、この滑り易い性質も
相俟って、所望の袋体(1) は、同図の下から３番目に位
置する袋体(1) のように、収納庫(2) 内から容易に取り
出すことができる。

【００１４】又、把手部(12)が取り付けられている前記
引き出し辺(11)は、溶着部(14)が形成されていることに
より、適度な強さを有するものとなっており、把手部(1
2)を引っ張っても、引き出し辺(11)が不用意に変形した
り破損したりする不都合がない。図３は、第２番目の実
施の形態の圧縮袋を示すものであり、上記した袋体(1)
と同様な構成の袋体(1) の引き出し辺(11)の両端近傍
に、一対の把手部(12a)(12b)をそれぞれ取り付けたもの
である。

【００１５】このものでは、前記２つの把手部(12a)(12
b)のそれぞれに手を掛けることにより、袋体(1) の引き
出し辺(11)を両手で引っ張ることができるので、引っ張
り力を袋体(1) に加え易い。特に、同図に示すように、
把手部(12a)(12b)各々の一方の端部が、引き出し辺(11)
の両端にそれぞれ連設される構成とすることにより、把
手部(12a)(12b)に加えられる引っ張り力は、引き出し辺
(11)の両端近傍の他、これに続く両側辺(13a)(13b)にも
分散して作用させることができる。これら各辺は溶着部
(14)となっているため、引き出し辺(11)の変形や袋体
(1) の破損は確実に防止できるとともに、さらに、前記
引っ張り力は、袋体(1) 全体に作用することとなり、積
層体の下層に位置する袋体(1) であっても、より一層容
易に収納庫から引き出すことができるものとなる。

【００１６】この実施の形態のものは、例えば、ダブル
サイズ用の布団用収納袋の袋体のように、２枚の長方形
の樹脂製シートを重ね合わせてなる袋体の長辺を前記引
き出し辺(11)として機能させる場合に効果的である。さ
らに、図３の二点鎖線に示すように、袋体(1) の短辺の
一方である側辺(13a) にも同様な把手部(12c) を設ける
構成としても良い。この場合、長方形のシートからなる
袋体(1) の長辺及び短辺の両辺を引き出し辺(11)として
機能させることができる。収納庫(2) の大きさや形状に
よって、長方形の平面形状を有する袋体(1) の長辺を収
納庫(2) の幅に沿わせるか又は奥行きに沿わせるかとい
うように、袋体(1) の収納庫(2) 内における収納姿勢が
変更される場合があるが、この実施の形態のものでは、
長辺及び短辺の両辺を、引き出し辺(11)として機能させ
ることができるようにしたから、上記どちらの収納姿勢
の場合であっても、室内側を向く辺を、把手部(12)が設
けられた引き出し辺(11)として機能させることができ
る。よって、収納庫(2) への袋体(1) の収納姿勢に関係
なく、袋体(1) の室内側の辺に設けられた把手部(12a)
(12b)又は(12c) を引っ張って、袋体(1) を引き出すこ
とができる。

【００１７】又、把手部(12)は、矩形状の袋体(1) の四
辺全てに設けておくことも可能であり、この場合、袋体
(1) の向きを考慮することなく、収納庫(2) 内に積層さ
せることができる。図４に示すものは、第３番目の実施
の形態の圧縮袋を示す平面図であり、引き出し辺(11)の
全域から、さらに外方に延長片(15)を延長形成させると
ともに、その中央に対して対称な２か所に、手掛け用の
開口部(16)をそれぞれ形成したものである。この実施の
形態のものの場合、開口部(16)を具備させた延長片(15)
が、把手部(12)として機能することとなる。

【００１８】延長片(15)としては、袋体(1) を構成する
２枚の樹脂シートをそのまま延長させた構成としても良
いが、引っ張り力に十分耐え得る強度を具備させるため
には、前記シートを３枚以上重ね合わせると共にその周
縁に溶着部(14)を施すことにより一体とし、それを、引
き出し辺(11)に取り付ける構成としておくと良い。この
ものでは、把手部(12)が、引き出し辺(11)全域に渡って
形成された態様となっているから、開口部(16)それぞれ
に手を掛けて、袋体(1) を両手で引っ張ると、その引っ
張り力は、引き出し辺(11)の全域に及ぶこととなる。す
なわち、引き出し辺(11)が部分的に引っ張られることが
ないから、引き出し辺(11)が部分的に変形したり破損し
たりする不都合がない上に、その引っ張り力は、引き出
し辺(11)全域から、その両端に連続する両側辺(13a)(13
b)にも及ぶこととなるから、袋体(1) は少ない引っ張り
力でも容易に引き出すことができることとなる。

【００１９】尚、延長片(15)の形状は、図示したものに
限定されることはなく、又、延長片(15)の形状によって
は、開口部(16)は、その中央に１つ形成される構成のも
のでも良い。さらには、把手部(12)として、紐状のもの
を採用しても良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１番目の実施の形態の圧縮袋を示す平面図。

【図２】第１番目の実施の形態の圧縮袋を収納庫内に積
層状態に収納した様子を示す側面図。

【図３】第２番目の実施の形態の圧縮袋を示す平面図。

【図４】第３番目の実施の形態の圧縮袋を示す平面図。

【符号の説明】

(1) ・・・・・・・袋体 (12)・・・・・・・把手部 (3) ・・・・・・・被収納物 尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 布団等の被収納物が収容される袋体であ
   って、内部の空気を排出させることによって前記被収納
   物を圧縮した状態で保管することのできる圧縮袋におい
   て、前記袋体の少なくとも一辺に、引き出し用の把手部
   を設けたことを特徴とする圧縮袋。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の圧縮袋において、前記
   把手部は、前記袋体の前記一辺の中央に対して対称な位
   置に１つずつ取り付けられる圧縮袋。
3. 【請求項３】 請求項１又は２に記載の圧縮袋におい
   て、前記把手部は、前記一辺の両端に連設される構成と
   した圧縮袋。
4. 【請求項４】 請求項１から３のいずれかに記載の圧縮
   袋において、前記把手部は、前記一辺全域から延長形成
   させた延長片と前記延長片内に形成された手掛け用の開
   口とからなる構成とし、前記一辺及びその両端に連続す
   る両側辺、さらには、前記延長片の周縁に沿って所定幅
   を有する溶着部を設けた圧縮袋。