JP2000249784A - 蒸気発生器の水漏洩検出装置 - Google Patents

蒸気発生器の水漏洩検出装置

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JP2000249784A
JP2000249784A JP11051465A JP5146599A JP2000249784A JP 2000249784 A JP2000249784 A JP 2000249784A JP 11051465 A JP11051465 A JP 11051465A JP 5146599 A JP5146599 A JP 5146599A JP 2000249784 A JP2000249784 A JP 2000249784A
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water leak
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waveguide
water
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Tokuyuki Takeshima
徳幸 竹島
Ryoichi Arai
良一 新井
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液体金属冷却型高速炉に用いられる蒸気発生器
における伝熱管破損による液体金属中への水漏洩を、迅
速に、かつ大きなSN比を確保しつつ検出すること。 【解決手段】液体金属冷却型高速炉に用いられる蒸気発
生器1を貫通して取付けられ超音波を伝播させる導波体
32と、導波体32に圧電素子33を介して超音波を送信する
超音波発信手段34と、圧電素子33を介して導波体32の共
振特性に応じた超音波を受信する超音波受信手段35と、
超音波発信手段34から送信された信号と超音波受信手段
35により受信した信号に基づいて、導波体32の共振特性
を分析する信号処理手段36と、信号処理手段36により分
析された共振特性から蒸気発生器1の水漏洩を判定する
水漏洩判定手段37とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体金属冷却型高
速炉に用いられる蒸気発生器における伝熱管破損による
液体金属中への水漏洩を検出する水漏洩検出装置に係
り、特に液体金属中への水漏洩を、迅速に、かつ大きな
信号対雑音比(以下、SN比と称する)を確保しつつ検
出できるようにした蒸気発生器の水漏洩検出装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、液体金属冷却型高速炉(以下、
単に高速炉と略称する)に使用される蒸気発生器は、冷
却材として用いられる液体金属ナトリウム等の液体金属
により水を加熱して蒸気を発生させる熱交換器である。
【0003】以下、この種の蒸気発生器について、らせ
ん状の伝熱管を用いたヘリカルコイル型の蒸気発生器を
例にとって説明する。
【0004】図17は、この種の蒸気発生器の構成例を
示す縦断面図である。
【0005】図17において、蒸気発生器1は、外胴2
の内側に同心軸状に外部シュラウド3および内部シュラ
ウド4が設置されており、この外部シュラウド3と内部
シュラウド4との間の空間が、液体金属の流路を形成し
ている。
【0006】また、外部シュラウド3と内部シュラウド
4との間には、複数本の伝熱管5からなる伝熱管コイル
6がらせん状に配設されており、この伝熱管5の内部が
水の流路となる。
【0007】一方、外胴2の下部には給水入口ヘッダ7
および給水管板8が設けられ、外胴2の上部には蒸気管
板9および蒸気出口ヘッダ10が設けられている。
【0008】また、外胴2の頂部には液体金属入口配管
11が設置され、外胴2の下部には液体金属分配管12
が設置されている。
【0009】さらに、外胴2の底部には、液体金属出口
配管13が接続されている。
【0010】次に、以上のように構成された蒸気発生器
1においては、水は給水入口ヘッダ7から流入して給水
管板8で各伝熱管5に配分され、伝熱管5内を上昇して
伝熱管コイル部6において液体金属と熱交換し、蒸気と
なって蒸気管板9を経て蒸気出口ヘッダ10から流出す
る。
【0011】一方、高温の液体金属は液体金属入口配管
11より流入し、外部シュラウド3と内部シュラウド4
とにより形成された流路を流下する間に、伝熱管コイル
部6の伝熱管5内の水と熱交換し、低温の液体金属とな
って液体金属出口配管13から流出する。
【0012】ここで、液体金属としては、前述のように
化学的に非常に活性なナトリウム等が用いられる。この
ため、もし伝熱管5が破損して、伝熱管5内の水あるい
は蒸気が液体金属中に流出した場合(これを水漏洩と称
する)には、液体金属と水との反応現象が生じて、水素
ガスが発生する。
【0013】そして、この水漏洩がさらに進展すると、
液体金属と水との高温反応生成物ジェットにより隣接す
る伝熱管に破損が伝播する可能性があり、大量の水素ガ
スの発生により蒸気発生器1内の圧力が急減に上昇し
て、蒸気発生器1の構造健全性に影響を及ぼすことにな
る。
【0014】従って、この蒸気発生器1における水漏洩
を、早期に、かつ確実に検出することが重要な課題とな
っている。
【0015】従来から、水漏洩の検出方法としては、例
えば液体金属中または液体金属のカバーガス中の水素を
検出する方法、発生した水素ガスによる圧力上昇を圧力
検出器により検出する方法、あるいは系内の圧力が過度
に上昇するのを防ぐために設けられた破壊板の破裂を検
出する方法等が、それぞれ実用化されてきている。
【0016】しかしながら、これらの検出方法では、隣
接する伝熱管5の損耗が最も激しくなる数g/s〜数1
00g/sの範囲における水漏洩検出に要する時間が長
すぎることから、例えば図18に示すような音響式水漏
洩検出方法が提案されてきている。
【0017】この音響式水漏洩検出方法としては、図1
8(a)に示すパッシブ法と、図18(b)に示すアク
ティブ法が存在する。
【0018】パッシブ法は、蒸気発生器1の外胴2等
に、加速度ピックアップ等の音響検出器21を設置し、
伝熱管5からの水漏洩音を捕らえる方法である。
【0019】また、アクティブ法は、蒸気発生器1の外
胴2等に、AEセンサ等の送信用の音響検出器22を設
置して、信号発生器24から常時超音波を送信させてお
き、蒸気発生器1の外胴2の反対側に設置した受信用の
音響検出器23の信号を監視し、水漏洩に伴なって水素
ガスが発生すると音響的な透過減衰が生じて受信信号が
低下するため、これを捕らえる方法である。
【0020】なお、図18において、36は検出した信
号を処理する信号処理部、37は信号処理部36により
処理された結果から蒸気発生器1の水漏洩を判定する水
漏洩判定部である。
【0021】これらの音響式水漏洩検出方法は、10g
/sの水漏洩を10秒以内に検出することを、一つの開
発目標として研究が進められている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
水漏洩の検出方法としては、液体金属中または液体金属
のカバーガス中の水素を検出する方法、発生した水素ガ
スによる圧力上昇を検出する方法、あるいは系内の圧力
が過度に上昇するのを防ぐために設けられた破壊板の破
裂を検出する方法が実用化されている。
【0023】しかしながら、これらの検出方法では、隣
接する伝熱管5の損耗が最も激しくなる数g/s〜数1
00g/sの範囲における水漏洩検出に要する時間が長
すぎるという問題がある。
【0024】一方、音響式水漏洩検出方法にも課題があ
る。すなわち、パッシブ法においては、伝熱管5におけ
る漏洩音がナトリウムを伝播して外部シュラウド3およ
び外胴2を透過して、外胴2に設置した音響検出器21
に到達する必要があるが、通常外部シュラウド3および
外胴2において漏洩音はそれぞれ一桁程度減衰するた
め、SN比を大きくとれないという問題がある。
【0025】また、アクティブ法においても、外胴2に
設置した送信用音響検出器22から送信した音響を外胴
2および外部シュラウド3を透過して伝熱管5部まで到
達させ、さらには外部シュラウド3および外胴2を透過
させて、受信用音響検出器23まで到達する必要がある
が、パッシブ法の場合と同様に、SN比を大きくとるこ
とができないという問題がある。
【0026】本発明の目的は、液体金属冷却型高速炉に
用いられる蒸気発生器における伝熱管破損による液体金
属中への水漏洩を、迅速に、かつ大きなSN比を確保し
つつ検出することが可能な極めて信頼性の高い蒸気発生
器の水漏洩検出装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、液体金属冷却型高速炉に用いられる蒸気発生器に
おける液体金属中への水漏洩を検出する水漏洩検出装置
において、請求項1の発明では、蒸気発生器を貫通して
取付けられ超音波を伝播させる導波体と、導波体に圧電
素子を介して超音波を送信する超音波発信手段と、圧電
素子を介して導波体の共振特性に応じた超音波を受信す
る超音波受信手段と、超音波発信手段から送信された信
号と超音波受信手段により受信した信号に基づいて、導
波体の共振特性を分析する信号処理手段と、信号処理手
段により分析された共振特性から蒸気発生器の水漏洩を
判定する水漏洩判定手段とを備えている。
【0028】従って、請求項1の発明の蒸気発生器の水
漏洩検出装置においては、蒸気発生器を貫通して取付け
た導波体を使用して水漏洩を検出することにより、液体
金属に接した導波体が正弦波状の超音波を与えられて振
動している状態において、蒸気発生器の伝熱管が破損し
て液体金属中に水あるいは蒸気が流出することによって
発生する水素気泡が導波体に付着すると、この導波体の
共振状態が変化して、早い応答時間で水漏洩を検出する
ことができる。また、導波体を直接蒸気発生器の内部に
挿入していることにより、大きなSN比で水漏洩を検出
することができる。これにより、極めて信頼性の高い蒸
気発生器の水漏洩検出装置を得ることが可能となる。
【0029】また、請求項2の発明では、蒸気発生器の
出口配管を貫通して取付けられ超音波を伝播させる導波
体と、導波体に圧電素子を介して超音波を送信する超音
波発信手段と、圧電素子を介して導波体の共振特性に応
じた超音波を受信する超音波受信手段と、超音波発信手
段から送信された信号と超音波受信手段により受信した
信号に基づいて、導波体の共振特性を分析する信号処理
手段と、信号処理手段により分析された共振特性から蒸
気発生器の水漏洩を判定する水漏洩判定手段とを備えて
いる。
【0030】従って、請求項2の発明の蒸気発生器の水
漏洩検出装置においては、蒸気発生器の出口配管を貫通
して取付けた導波体を使用して水漏洩を検出することに
より、蒸気発生器の伝熱管のどの部分で水漏洩が発生し
ても、発生した水素気泡は蒸気発生器の出口配管に集ま
るため、前記請求項1の発明よりも少ない導波体で確実
に水漏洩を検出することができる。
【0031】さらに、請求項3の発明では、蒸気発生器
本体を超音波を伝播させる導波体として使用し、蒸気発
生器本体に圧電素子を介して超音波を送信する超音波発
信手段と、圧電素子を介して蒸気発生器本体の共振特性
に応じた超音波を受信する超音波受信手段と、超音波発
信手段から送信された信号と超音波受信手段により受信
した信号に基づいて、蒸気発生器本体の共振特性を分析
する信号処理手段と、信号処理手段により分析された共
振特性から蒸気発生器の水漏洩を判定する水漏洩判定手
段とを備えている。
【0032】従って、請求項3の発明の蒸気発生器の水
漏洩検出装置においては、蒸気発生器の本体である外胴
を導波体として使用することにより、前記請求項1また
は請求項2の発明のように導波体を別途設ける必要がな
く、構成部品点数の削減を図ることができ、構成の簡素
化とコストの低減化を共に図ることができる。
【0033】一方、請求項4の発明では、上記請求項1
または請求項2の発明の蒸気発生器の水漏洩検出装置に
おいて、導波体を複数本設置するようにしている。
【0034】従って、請求項4の発明の蒸気発生器の水
漏洩検出装置においては、導波体を複数本設置すること
により、蒸気発生器の伝熱管のどの位置で水漏洩が発生
しても、確実に水漏洩を検出することができる。また、
複数本の導波体からの水漏洩信号のロジック処理を行な
うことにより、水漏洩信号の信頼性を向上させることが
できる。
【0035】また、請求項5の発明では、上記請求項4
の発明の蒸気発生器の水漏洩検出装置において、複数本
の導波体の長さをそれぞれ互いに異なる長さとするよう
にしている。
【0036】従って、請求項5の発明の蒸気発生器の水
漏洩検出装置においては、複数本の導波体の長さをそれ
ぞれ変えることにより、導波体間の共振をなくすことが
でき、正確に水漏洩を検出することができる。
【0037】さらに、請求項6の発明では、上記請求項
4の発明の蒸気発生器の水漏洩検出装置において、複数
本の導波体に対してそれぞれ互いに異なる周波数帯の超
音波を送信するようにしている。
【0038】従って、請求項6の発明の蒸気発生器の水
漏洩検出装置においては、複数本の導波体に対してそれ
ぞれ互いに異なる周波数帯の超音波を用いて水漏洩検出
を行なうことにより、導波体間の共振をなくすことがで
き、正確に水漏洩を検出することができる。
【0039】また、請求項7の発明では、上記請求項4
の発明の蒸気発生器の水漏洩検出装置において、複数本
の導波体に対するそれぞれの超音波送信の時期を時間的
にずらすようにしている。
【0040】従って、請求項7の発明の蒸気発生器の水
漏洩検出装置においては、複数本の導波体に対するそれ
ぞれの超音波送信の時期を時間的にずらすことにより、
導波体間の共振をなくすことができ、正確に水漏洩を検
出することができる。
【0041】さらに、請求項8の発明では、上記請求項
4の発明の蒸気発生器の水漏洩検出装置において、複数
本の導波体からのそれぞれの水漏洩信号を相互比較して
水漏洩位置の判定を行なう水漏洩位置判定手段を付加し
ている。
【0042】従って、請求項8の発明の蒸気発生器の水
漏洩検出装置においては、複数本の導波体からのそれぞ
れの水漏洩信号を相互比較して水漏洩位置の判定を行な
うことにより、蒸気発生器の伝熱管のどの位置から水漏
洩が発生したかを特定するための情報を入手することが
できる。
【0043】一方、請求項9の発明では、上記請求項1
乃至請求項3のいずれか1項の発明の蒸気発生器の水漏
洩検出装置において、水漏洩判定手段に、蒸気発生器の
運転状態に対応して水漏洩検出の設定値が変化するよう
な可変設定値を持たせるようにしている。
【0044】従って、請求項9の発明の蒸気発生器の水
漏洩検出装置においては、蒸気発生器の運転状態に対応
して水漏洩検出の設定値が変化するような可変設定値を
持たせることにより、液体金属あるいは導波体の温度が
変化しても、正確に水漏洩の判定を行なうことができ
る。
【0045】また、請求項10の発明では、上記請求項
3の発明の蒸気発生器の水漏洩検出装置において、圧電
素子として、ニオブ酸リチウムからなる高温センサを使
用するようにしている。
【0046】従って、請求項10の発明の蒸気発生器の
水漏洩検出装置においては、圧電素子として、ニオブ酸
リチウム等の材料からなる高温センサを使用することに
より、蒸気発生器の外胴に直接圧電素子を設置すること
ができ、高感度に水漏洩を検出することができる。
【0047】さらに、請求項11の発明では、上記請求
項10の発明の蒸気発生器の水漏洩検出装置において、
高温センサを、シュラウド、または伝熱管支持構造物に
設置するようにしている。
【0048】従って、請求項11の発明の蒸気発生器の
水漏洩検出装置においては、高温センサを、シュラウ
ド、または伝熱管支持構造物に設置することにより、高
温センサを外胴に設置する場合に比べて、より一層高感
度に水漏洩を検出することができる。
【0049】一方、請求項12の発明では、上記請求項
1または請求項2の発明の蒸気発生器の水漏洩検出装置
において、超音波発信手段が送信する超音波の周波数
を、導波体の共振特性から得られる最も測定に適した共
振次数近傍の共振周波数帯のみについて共振特性を分析
するように周波数掃引範囲を設定する機能を、水漏洩判
定手段に持たせるようにしている。
【0050】従って、請求項12の発明の蒸気発生器の
水漏洩検出装置においては、あらかじめ工場試験等から
求められる導波体の共振特性から得られる最も測定に適
した共振次数近傍の共振周波数帯のみについて共振特性
を分析するように、送信する超音波の周波数掃引範囲を
設定することにより、測定に不要な周波数範囲まで共振
特性を分析する必要がなくなり、測定に要する時間を短
縮することができる。
【0051】また、請求項13の発明では、上記請求項
12の発明の蒸気発生器の水漏洩検出装置において、周
波数掃引範囲についてのみ共振点の有無を分析し、その
結果共振点がない場合に水漏洩と判定する機能を、水漏
洩判定手段に持たせるようにしている。
【0052】従って、請求項13の発明の蒸気発生器の
水漏洩検出装置においては、周波数掃引範囲についての
み共振点の有無を分析し、その結果共振点がない場合に
水漏洩と判定することにより、判定のロジックが容易と
なり、信頼性を向上させることができる。
【0053】さらに、請求項14の発明では、上記請求
項1または請求項2の発明の蒸気発生器の水漏洩検出装
置において、導波体の複数の共振周波数帯を含むように
超音波を送信する機能を、超音波発信手段に持たせ、複
数の共振周波数の特性について分析し水漏洩の判定を行
なう機能を、信号処理手段に持たせている。
【0054】従って、請求項14の発明の蒸気発生器の
水漏洩検出装置においては、導波体の水漏洩測定に適し
た複数の共振周波数帯を含むように超音波を送信し、複
数の共振次数の共振特性が同様に水漏洩であることを示
すことによって水漏洩であるか否かを判定することによ
り、判定ロジックの信頼性を向上させることができる。
【0055】さらにまた、請求項15の発明では、上記
請求項3の発明の蒸気発生器の水漏洩検出装置におい
て、水漏洩判定手段としては、導波体として使用する蒸
気発生器本体の共振特性として、共振点と反共振点の共
振周波数およびインピーダンスを使って求められる共振
の鋭さを用いて水漏洩の判定を行なうようにしている。
【0056】従って、請求項15の発明の蒸気発生器の
水漏洩検出装置においては、導波体として使用する蒸気
発生器本体の共振特性として、共振点と反共振点の共振
周波数およびインピーダンスを使って求められる共振の
鋭さを用いることにより、蒸気発生器の内部に導波体を
設置する必要がなく、貫通部も不要であるため、蒸気発
生器からのナトリウム漏洩の可能性を低減することがで
きる。
【0057】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0058】(第1の実施の形態:請求項1に対応)図
1は、本実施の形態による蒸気発生器の水漏洩検出装置
の構成例を示す概要図であり、図17および図18と同
一または相当部分には同一符号を付して示している。な
お、蒸気発生器1本体は、前記図17に示した下部分の
みについて図示している。
【0059】図1において、水は給水ヘッダ7から流入
して、給水管板8で各伝熱管5に分配され、伝熱管5内
を上昇して伝熱管コイル部6において液体金属と熱交換
し、蒸気となって図示しない蒸気管板を経て、図示しな
い蒸気ヘッダから流出する。
【0060】また、高温の液体金属は図示しない液体金
属入口配管から流入し、外部シュラウド3と図示しない
内部シュラウドとにより形成された流路を流下する間
に、伝熱管コイル部6の伝熱管5内の水と熱交換し、低
温の液体金属となって液体金属出口配管13から流出す
る。
【0061】一方、蒸気発生器1の水漏洩検出装置は、
蒸気発生器1の下部鏡板31を貫通して取付けられ超音
波を伝播させる導波体32と、この導波体32の蒸気発
生器1の外側の先端に設置した圧電素子33と、この圧
電素子33から導波体32に超音波を送信させる超音波
発信器34と、圧電素子33を介して導波体32の共振
特性に応じた超音波を受信する超音波受信器35と、超
音波発信器34から送信された信号と超音波受信器35
により受信した信号とに基づいて、導波体32の共振特
性(共振あるいは反共振周波数)を分析する信号処理部
36と、この信号処理部36により分析された共振特性
(共振あるいは反共振周波数)から蒸気発生器1の水漏
洩を判定する水漏洩判定部37とから構成している。
【0062】ここで、導波体32は、例えば外径が20
mmの中実のステンレス製丸棒の一端を長方形に削り出
し、その長方形部分を中心電極として両面に圧電素子3
3を張りあわせた構造としている。
【0063】また、圧電素子33の材料としては、チタ
ン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛等の
材料を使用することが好ましい。
【0064】金属弾性板、すなわちここではステンレス
製の丸棒を長方形に削り出した部分を中心電極として2
枚の圧電素子33の薄板を張り合わせた構造(バイモル
フ型と称する)は、2枚の圧電素子33が電圧によって
一方が伸び、他方が縮むように結線すると、印加電圧の
波形に応じて屈曲振動し、アクチュエータとして用いる
ことができる。本実施の形態においては、これを利用し
て導波体32を強制振動させるのに用いる。
【0065】圧電素子33および金属弾性板は、超音波
トランスデューサを形成し、超音波発信器34および超
音波受信器35にそれぞれ電気的に接続される。
【0066】超音波発信器34は、時間と共に周波数が
変化する正弦波信号を超音波トランスデューサに与える
ことにより、導波体32を強制振動させる。この導波体
32は、その材質や長さ、および慣性能率(回転半径)
で決まる固有の共振周波数を有している。
【0067】例えば、円形断面の導波棒の共振周波数
は、下記式のように表わすことができる。
【0068】
【数1】
【0069】ただし、fm:共振周波数、m:共振次
数、E:導波棒のヤング率、L:導波棒の長さ、ρ:導
波棒の密度、R:導波棒の回転半径、A:導波棒の浸っ
ている液体に関する係数である。
【0070】導波体32の屈曲振動には腹と節がある
が、導波体32の蒸気発生器1への固定は節の部分とし
て、屈曲振動が効率的に蒸気発生器1内の導波体32に
伝播する構造とする。
【0071】信号処理部36は、周波数掃引した正弦波
に対する受信信号のインピーダンスから導波体32の共
振周波数を求める。この導波体32の共振周波数は、蒸
気発生器1の水漏洩によって変化する。
【0072】すなわち、水漏洩が発生していない通常の
状態においては、導波体32の周りは液体金属である。
ところが、蒸気発生器1の伝熱管5に水漏洩が発生する
と、液体金属と水とが反応して水素ガスが発生する。こ
の水素ガスの気泡は、液体金属の流れに乗って液体金属
出口配管13側に流されてくる。従って、導波体32の
周りに気泡が付着し、導波体32に対する付加質量が小
さくなって、共振周波数/反共振周波数が増加する。
【0073】水漏洩判定部37においては、共振周波数
/反共振周波数が定められた設定値よりも増加したこと
をもって、蒸気発生器1の水漏洩と判定し、警報あるい
は保護インタロックを発信する。
【0074】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、蒸気発生
器1を貫通して取付けた導波体32を使用して水漏洩を
検出するようにしているので、液体金属に接した導波体
が正弦波状の超音波を与えられて振動している状態にお
いて、蒸気発生器1の伝熱管5が破損して液体金属中に
水あるいは蒸気が流出することによって発生する水素気
泡が導波体32に付着すると、この導波体32の共振状
態が変化して、早い応答時間で迅速に水漏洩を検出する
ことが可能となる。
【0075】また、導波体32を直接蒸気発生器1の内
部に挿入する構成としているので、外部シュラウド3お
よび外胴2を透過してくる音響を捕らえる前述した従来
型の音響式水漏洩検出方法に比較して、大きなSN比で
水漏洩を検出することが可能となる。
【0076】これにより、極めて信頼性の高い蒸気発生
器の水漏洩検出装置を得ることができる。
【0077】なお、本実施の形態では、導波体32を蒸
気発生器1の下方から蒸気発生器1の内部に挿入する構
成としたが、蒸気発生器1の上部、あるいは側部から蒸
気発生器1の内部に挿入する構成とすることも可能であ
る。
【0078】(第2の実施の形態:請求項2に対応)図
2は、本実施の形態による蒸気発生器の水漏洩検出装置
の構成例を示す概要図であり、図17および図18と同
一または相当部分には同一符号を付して示している。な
お、図1と同様に、蒸気発生器1本体は、前記図17に
示した下部分のみについて図示している。
【0079】図2において、水は給水ヘッダ7から流入
して、給水管板8で各伝熱管5に分配され、伝熱管5内
を上昇して伝熱管コイル部6において液体金属と熱交換
し、蒸気となって図示しない蒸気管板を経て、図示しな
い蒸気ヘッダから流出する。
【0080】また、高温の液体金属は図示しない液体金
属入口配管から流入し、外部シュラウド3と図示しない
内部シュラウドとにより形成された流路を流下する間
に、伝熱管コイル部6の伝熱管5内の水と熱交換し、低
温の液体金属となって液体金属出口配管13から流出す
る。
【0081】さらに、液体金属出口配管13は、蒸気発
生器1の底部よりも下方向に設置され、その後水平に延
長されている。また、液体金属出口配管13は、曲がり
部で下方に延長されて閉止蓋38で塞がれている。
【0082】一方、蒸気発生器1の水漏洩検出装置は、
蒸気発生器1の液体金属出口配管13の閉止蓋38を貫
通して取付けられ超音波を伝播させる導波体32と、こ
の導波体32の蒸気発生器1の外側の先端に設置した圧
電素子33と、この圧電素子33から導波体32に超音
波を送信させる超音波発信器34と、圧電素子33を介
して導波体32の共振特性に応じた超音波を受信する超
音波受信器35と、超音波発信器34から送信された信
号と超音波受信器35により受信した信号とに基づい
て、導波体32の共振特性(共振あるいは反共振周波
数)を分析する信号処理部36と、この信号処理部36
により分析された共振特性(共振あるいは反共振周波
数)から蒸気発生器1の水漏洩を判定する水漏洩判定部
37とから構成している。
【0083】ここで、導波体32は、前記第1の実施の
形態の場合と同様な構造であり、圧電素子33と共に超
音波トランスデューサを形成する。
【0084】超音波発信器34は、時間と共に周波数が
変化する正弦波信号を超音波トランスデューサに与える
ことにより、導波体32を強制振動させる。この導波体
32は、その材質や長さ、および慣性能率(回転半径)
で決まる固有の共振周波数を有している。
【0085】信号処理部36は、周波数掃引した正弦波
に対する受信信号のインピーダンスから導波体32の共
振周波数を求める。この導波体32の共振周波数は、蒸
気発生器1の水漏洩によって変化する。
【0086】すなわち、水漏洩が発生していない通常の
状態においては、導波体32の周りは液体金属である。
ところが、蒸気発生器1の伝熱管5に水漏洩が発生する
と、液体金属と水とが反応して水素ガスが発生する。こ
の水素ガスの気泡は、液体金属の流れに乗って液体金属
出口配管13側に流されてくる。従って、導波体32の
周りに気泡が付着し、導波体32に対する付加質量が小
さくなって、共振周波数/反共振周波数が増加する。
【0087】水漏洩判定部37においては、共振周波数
/反共振周波数が定められた設定値より増加したことを
もって、蒸気発生器1の水漏洩を判定し、警報あるいは
保護インタロックを発信する。
【0088】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、蒸気発生
器1の出口配管13を貫通して取付けた導波体32を使
用して水漏洩を検出するようにしているので、蒸気発生
器1のどの部分の伝熱管5で水漏洩が発生しても、水素
気泡は蒸気発生器1の出口配管13に集まってくるた
め、前記第1の実施の形態の場合よりも少ない導波体3
2で確実に水漏洩を検出することが可能となる。
【0089】(第3の実施の形態:請求項3に対応)図
3は、本実施の形態による蒸気発生器の水漏洩検出装置
の構成例を示す概要図であり、図17および図18と同
一または相当部分には同一符号を付して示している。
【0090】図3において、水は給水ヘッダ7から流入
して、給水管板8で各伝熱管5に分配され、伝熱管5内
を上昇して伝熱管コイル部6において液体金属と熱交換
し、蒸気となって蒸気管板9を経て、蒸気ヘッダ10か
ら流出する。
【0091】また、高温の液体金属は液体金属入口配管
11から流入し、外部シュラウド3と内部シュラウド4
とにより形成された流路を流下する間に、伝熱管コイル
部6の伝熱管5内の水と熱交換し、低温の液体金属とな
って液体金属出口配管13から流出する。
【0092】一方、蒸気発生器1の水漏洩検出装置は、
蒸気発生器1本体を前述した導波体として使用し、この
蒸気発生器1本体の外胴33に設置した圧電素子33
と、この圧電素子33から蒸気発生器1本体に超音波を
送信させる超音波発信器34と、圧電素子33を介して
導波体32の共振特性に応じた超音波を受信する超音波
受信器35と、超音波発信器34から送信された信号と
超音波受信器35により受信した信号とに基づいて、導
波体32の共振特性(共振あるいは反共振周波数)を分
析する信号処理部36と、この信号処理部36により分
析された共振特性(共振あるいは反共振周波数)から蒸
気発生器1の水漏洩を判定する水漏洩判定部37とから
構成している。
【0093】超音波発信器34は、時間と共に周波数が
変化する正弦波信号を蒸気発生器1本体の外胴2に設置
した圧電素子33に与えることにより、蒸気発生器1本
体を強制振動させる。
【0094】外胴2は、通常300℃以上の高温となっ
ているため、外胴2に導波棒40を設置して、その導波
棒40の先端に圧電素子33を固定する。
【0095】蒸気発生器1本体は、その材質や構造で決
まる固有の共振周波数を有している。
【0096】信号処理部36は、周波数掃引した正弦波
に対する受信信号のインピーダンスから蒸気発生器1本
体の共振周波数を求める。この蒸気発生器1本体の共振
周波数は、蒸気発生器1の水漏洩によって変化する。
【0097】すなわち、水漏洩が発生していない通常の
状態においては、蒸気発生器1本体の内部は液体金属で
ある。ところが、蒸気発生器1の伝熱管5に水漏洩が発
生すると、液体金属と水とが反応して水素ガスが発生す
る。従って、蒸気発生器1本体の周りに気泡が存在する
こととなり、蒸気発生器1本体に対する付加質量が小さ
くなって、共振周波数/反共振周波数が増加する。
【0098】水漏洩判定部37においては、共振周波数
/反共振周波数が定められた設定値より増加したことを
もって、蒸気発生器1の水漏洩を判定し、警報あるいは
保護インタロックを発信する。
【0099】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、蒸気発生
器1の本体である外胴33を導波体として使用している
ので、前述のように導波体を別途設ける必要がなく、構
成部品点数の削減を図ることができ、構成の簡素化とコ
ストの低減化を共に図ることが可能となる。
【0100】(第4の実施の形態:請求項4に対応)図
4(a)は、本実施の形態による蒸気発生器の水漏洩検
出装置の構成例を示す横断面図であり、図1または図2
と同一または相当部分には同一符号を付して示してい
る。
【0101】図4(a)において、蒸気発生器は、外胴
1の内側に同心軸上に、外部シュラウド3と内部シュラ
ウド4が設置されており、外部シュラウド3と内部シュ
ラウド4との間の空間が液体金属の流路を形成してい
る。
【0102】また、外部シュラウド3と内部シュラウド
4との間には、伝熱管コイル6が配設されており、この
伝熱管の内部を水あるいは蒸気が流れる構造となってい
る。
【0103】さらに、伝熱管を支持するために、外部シ
ュラウド3から内部シュラウド4まで、伝熱管支持構造
物39が例えば8枚放射状に設置されている。すなわ
ち、伝熱管コイル6部は、外部シュラウド3と内部シュ
ラウド4と伝熱管支持構造物39とによって、8領域に
分割されている。
【0104】図4(b)は、本実施の形態による蒸気発
生器の水漏洩検出装置の下部の構成例を示す横断面図で
あり、図1または図2と同一または相当部分には同一符
号を付して示している。
【0105】図4(b)において、外胴2の内側は液体
金属が存在し、この液体金属は中央の液体金属出口管1
3から流出する。
【0106】また、蒸気発生器の下部の鏡板には、前記
第2の実施の形態に対応する導波体32が、複数本(図
では8本)設置されている。
【0107】この8本の導波体32は、図4(a)に示
した外部シュラウド3と内部シュラウド4と伝熱管支持
構造物39とによって囲まれた8領域に対応している。
【0108】図4(c)は、本実施の形態による蒸気発
生器の水漏洩検出装置の構成例を示す横断面図であり、
図1または図2と同一または相当部分には同一符号を付
して示している。
【0109】図4(c)において、液体金属出口配管1
3の閉止蓋には、複数本(図では4本)の導波体32を
設置している。
【0110】蒸気発生器の伝熱管に水漏洩が発生すると
水素気泡が発生し、この液体金属出口配管13部に流れ
てくる。本実施の形態では、4本の導波体32で水漏洩
を検出しており、各導波体32からの信号の例えば2
out of 4のロジックを組んで、水漏洩の警報信
号、あるいは保護インタロックを出力するようにしてい
る。
【0111】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、伝熱管の
一部で水漏洩が発生すると、漏洩部分が含まれる領域に
は水素気泡が大量に発生するが、他の領域では水素気泡
があまり存在しないという場合もある。
【0112】また、ある一つの領域で水漏洩が発生した
場合、発生した水素気泡は、外部シュラウド3と内部シ
ュラウド4と伝熱管支持構造物39とによって囲まれた
領域内を下流側に流れ、その領域に対応して設置された
導波体32によって、水漏洩が検出される。
【0113】すなわち、水漏洩検出を行なう導波体32
を複数本設置しているので、蒸気発生器の伝熱管のどの
位置で水漏洩が発生しても、確実に水漏洩を検出するこ
とが可能となる。
【0114】さらに、複数本の導波体32からの水漏洩
信号のロジック処理を行なうようにしているので、水漏
洩信号の信頼性を向上させることが可能となる。
【0115】(第5の実施の形態:請求項5に対応)図
5は、本実施の形態による蒸気発生器の水漏洩検出装置
の要部構成例を示す概要図であり、図4と同一または相
当部分には同一符号を付して示している。
【0116】すなわち、本実施の形態の蒸気発生器の水
漏洩検出装置は、図5に示すように、前記第4の実施の
形態において複数本の導波体32を設置する場合に、そ
れぞれの導波体32の長さを互いに異なる長さとするこ
とにより、各導波体32の共振特性を異なるものとし
て、導波体32間の共振が起こらないように構成してい
る。
【0117】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、水漏洩検
出を行なう導波体32を複数本設置し、それぞれの導波
体32の長さを互いに異なる長さとしているので、導波
体32間での共振をなくすことができ、蒸気発生器の伝
熱管のどの位置で水漏洩が発生しても、確実に水漏洩を
検出することが可能となる。
【0118】すなわち、前記第4の実施の形態で説明し
たように、水漏洩検出を行なう導波体32を複数本設置
する場合、導波体32の共振周波数は導波体32の寸法
で決まってくるため、複数本設置した導波体32に同じ
直径、長さのものを使用すると共振特性が同じになり、
導波体32間で共振を起こして水漏洩の誤信号を発生す
る場合もあるが、本実施の形態では、このような懸念を
なくすることができる。
【0119】また、複数本の導波体32からの水漏洩信
号のロジック処理を行なうようにしているので、水漏洩
信号の信頼性を向上させることが可能となる。
【0120】(第6の実施の形態:請求項6に対応)図
6は、本実施の形態による蒸気発生器の水漏洩検出装置
の要部構成例を示す概要図であり、図4と同一または相
当部分には同一符号を付して示している。
【0121】すなわち、本実施の形態の蒸気発生器の水
漏洩検出装置は、図6に示すように、前記第4の実施の
形態において複数本の導波体32を設置する場合に、そ
れぞれの導波体32に対応して異なる超音波発信器34
および超音波受信器35を備えるようにし、さらに信号
処理部36からそれぞれの超音波発信器34に対して互
いに異なる周波数帯の超音波を送信させる機能を持た
せ、それ以外の周波数帯の超音波は送信しないように構
成している。
【0122】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、水漏洩検
出を行なう導波体32を複数本設置し、導波体32の長
さは同じにしておくが、それぞれの導波体32に対して
それぞれ互いに異なる周波数帯を用いているので、導波
体32はそれぞれ互いに異なる周波数で振動することと
なり、導波体32間での共振をなくすことができ、正確
に水漏洩を検出することが可能となる。
【0123】(第7の実施の形態:請求項7に対応)本
実施の形態の蒸気発生器の水漏洩検出装置は、前記第4
の実施の形態において複数本の導波体32を設置する場
合に、それぞれの導波体32に対するそれぞれの超音波
送信の時期を時間的にずらすように構成している。
【0124】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、水漏洩検
出を行なう導波体32を複数本設置し、導波体32の長
さおよび周波数帯は同じにしておくが、それぞれの導波
体32に対して時間的にずらして超音波の送信・受信を
行なう、すなわち図7のタイムチャートに示すように、
4本の導波体32の超音波の送信・受信を0.1秒ずつ
時間的にずらすようにしているので、導波体32間での
共振をなくすことができ、正確に水漏洩を検出すること
が可能となる。
【0125】(第8の実施の形態:請求項8に対応)図
8は、本実施の形態による蒸気発生器の水漏洩検出装置
の要部構成例を示す概要図であり、図4と同一または相
当部分には同一符号を付して示している。
【0126】すなわち、本実施の形態の蒸気発生器の水
漏洩検出装置は、図8に示すように、前記第4の実施の
形態において蒸気発生器の下部に複数本の導波体32を
設置する場合に、それぞれの導波体32に対応して異な
る超音波発信器34、超音波受信器35、信号処理部3
6、および水漏洩判定部37を備えるようにし、さらに
それぞれの導波体32からの水漏洩信号を相互比較して
水漏洩位置の判定を行なう水漏洩位置判定手段を付加し
た構成としている。
【0127】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、複数本の
導波体32からのそれぞれの水漏洩信号を相互比較して
水漏洩位置の判定を行なうようにしているので、蒸気発
生器の伝熱管のどの位置で水漏洩が発生しても、確実に
水漏洩を検出することが可能となる。
【0128】すなわち、ある一つの領域で水漏洩が発生
した場合、発生した水素気泡は外部シュラウドと内部シ
ュラウドと伝熱管支持構造物とによって囲まれた領域内
を下流側に流れ、その領域に対応して設置された導波体
32によって水漏洩が検出される。
【0129】つまり、蒸気発生器の伝熱管が図8に示す
ように8領域に分割されている場合、もし領域S2で水
漏洩が発生したとすると、共振周波数の時間特性は領域
S2の信号のみ増加し、他の領域においてはあまり変化
が現われないこととなる。
【0130】よって、水漏洩位置判定部41において、
領域S1から領域S8までの信号の相互比較を行ない、
最も変化の大きな領域を選択することにより、蒸気発生
器の伝熱管の水漏洩が発生した領域を判定することが可
能となる。
【0131】このように、複数本の導波体32からの水
漏洩信号を相互比較して、水漏洩位置の判定を行なうこ
とにより、蒸気発生器の伝熱管のどの位置から水漏洩が
発生したかを特定するための情報を入手することができ
る。
【0132】(第9の実施の形態:請求項9に対応)図
9は、本実施の形態による蒸気発生器の水漏洩検出装置
の要部構成例を示す概要図であり、図1乃至図3と同一
または相当部分には同一符号を付して示している。
【0133】すなわち、本実施の形態の蒸気発生器の水
漏洩検出装置は、図9に示すように、前記第1乃至第3
のいずれかの実施の形態において、導波体32に対し
て、超音波発信器34、超音波受信器35、信号処理部
36、および水漏洩判定部37を備えている。
【0134】また、蒸気発生器には、熱電対42も設置
されており、導波体32の温度を計測できるようにして
いる。
【0135】さらに、熱電対42からの信号を、信号変
換器43を介して水漏洩判定部37に入力するように
し、水漏洩判定部37には、蒸気発生器の運転状態に対
応して水漏洩検出の設定値が変化するような可変設定
値、すなわち温度の上昇に伴なって水漏洩検出設定値
(共振周波数あるいは反共振周波数)が上昇するような
可変設定値を持たせる構成としている。
【0136】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、蒸気発生
器の運転状態に対応して水漏洩検出の設定値が変化する
ような可変設定値を持たせているので、液体金属あるい
は導波体の温度が変化しても、正確に水漏洩の判定を行
なうことが可能となる。
【0137】すなわち、蒸気発生器内の液体金属温度
は、プラントの運転状態によって変化する。液体金属と
して、例えばナトリウムを使用する場合には、停止時に
は200℃であるが、定格運転時には350℃程度の温
度に上昇する。一方、導波体32の共振周波数は、[ヤ
ング率/密度]の平方根に比例する。ここで、導波体3
2のヤング率あるいは密度の温度の上昇に伴って低下し
ていくため、導波体32の共振周波数も低下していくこ
ととなる。
【0138】よって、蒸気発生器の運転温度が変化する
と、これに伴なって水漏洩検出の設定値も変化し、運転
温度に対応した水漏洩判定を行なうことが可能となる。
【0139】このように、蒸気発生器の運転状態に対応
して水漏洩検出の可変設定値を持足せることにより、液
体金属あるいは導波体の温度が変化しても、正確に水漏
洩判定を行なうことができる。
【0140】(第10の実施の形態:請求項10に対
応)図10は、本実施の形態による蒸気発生器の水漏洩
検出装置の要部構成例を示す概要図であり、図3と同一
または相当部分には同一符号を付して示している。
【0141】すなわち、本実施の形態の蒸気発生器の水
漏洩検出装置は、図10に示すように、前記第3の実施
の形態において、前記圧電素子33として、ニオブ酸リ
チウム等の材料からなる高温センサを使用する構成とし
ている。
【0142】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、圧電素子
33として、ニオブ酸リチウム等の材料からなる高温セ
ンサを使用しているので、ニオブ酸リチウムは600℃
以上の温度条件で使用できる圧電素子材料であり、図1
0に示すように、蒸気発生器の外胴2に直接圧電素子3
3を設置することができ、高感度に水漏洩を検出するこ
とが可能となる。
【0143】すなわち、例えばチタン酸鉛のような圧電
素子の使用温度は、最高300℃である。蒸気発生器の
外胴2は、これ以上の高温となっているため、導波体3
2を介して低温の部分に圧電素子33を固定する必要が
あるが、音響的にはこの導波体32によって信号が減衰
するため、感度が低下するという問題があるが、本実施
の形態では、このような問題をなくすることができる。
【0144】(第11の実施の形態:請求項11に対
応)図11(a)は、本実施の形態による蒸気発生器の
水漏洩検出装置の要部構成例を示す概要図であり、図1
0と同一または相当部分には同一符号を付して示してい
る。
【0145】すなわち、本実施の形態の蒸気発生器の水
漏洩検出装置は、図11(a)に示すように、前記第1
0の実施の形態において、外部シュラウド3に、高温セ
ンサの圧電素子33を設置する構成としている。
【0146】なお、ここでは、圧電素子33を1個設置
した場合の構成を示しているが、伝熱管支持構造物39
によって区分された8領域に圧電素子33を設置する
か、あるいは縦方向に複数個圧電素子33を設置する
等、圧電素子33を複数個設置してもよい。
【0147】図11(b)は、本実施の形態による蒸気
発生器の水漏洩検出装置の要部構成例を示す概要図であ
り、図10と同一または相当部分には同一符号を付して
示している。
【0148】すなわち、本実施の形態の蒸気発生器の水
漏洩検出装置は、図11(b)に示すように、前記第1
0の実施の形態において、内部シュラウド4に、高温セ
ンサの圧電素子33を設置する構成としている。
【0149】なお、ここでも、圧電素子33を1個設置
した場合の構成を示しているが、伝熱管支持構造物39
に圧電素子33を設置するか、あるいは縦方向に複数個
圧電素子33を設置する等、圧電素子33を複数個設置
してもよい。
【0150】図11(c)は、本実施の形態による蒸気
発生器の水漏洩検出装置の要部構成例を示す概要図であ
り、図10と同一または相当部分には同一符号を付して
示している。
【0151】すなわち、本実施の形態の蒸気発生器の水
漏洩検出装置は、図11(c)に示すように、前記第1
0の実施の形態において、伝熱管支持構造物39に、高
温センサの圧電素子33を設置する構成としている。
【0152】なお、ここでも、圧電素子33を1個設置
した場合の構成を示しているが、伝熱管支持構造物39
によって区分された8領域に圧電素子33を設置する
か、あるいは縦方向に複数個圧電素子33を設置する
等、圧電素子33を複数個設置してもよい。
【0153】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、高温セン
サの圧電素子33を、外部シュラウド3、または内部シ
ュラウド4、あるいは伝熱管支持構造物39に設置して
いるので、外胴2に高温センサの圧電素子33を設置し
た場合に比べて、より一層高感度に水漏洩を検出するこ
とが可能となる。
【0154】すなわち、蒸気発生器の水漏洩は伝熱管部
で発生し、液体金属と水あるいは蒸気とが反応して発生
する水素気泡は、外部シュラウド3と内部シュラウド4
と伝熱管支持構造物39とで囲まれた領域で発生する。
よって、水素気泡は外部シュラウド3、内部シュラウド
4、伝熱管支持構造物39に付着するため、これらの構
造物の共振周波数を直接計測することが可能であれば、
より一層高感度な水漏洩検出を実現することができる。
【0155】(第12の実施の形態:請求項12に対
応)本実施の形態の蒸気発生器の水漏洩検出装置は、前
記第1または第2の実施の形態において、前記超音波発
信器34が送信する超音波の周波数を、導波体32の共
振特性から得られる最も測定に適した共振次数近傍の共
振周波数帯のみについて共振特性を分析するように周波
数掃引範囲を設定する機能を、前記水漏洩判定部37に
持たせた構成としている。
【0156】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、あらかじ
め工場試験等から求められる導波体32の共振特性から
得られる最も測定に適した共振次数近傍の共振周波数帯
のみについて共振特性を分析するように、送信する超音
波の周波数掃引範囲を設定しているので、測定に不要な
周波数範囲まで共振特性を分析する必要がなくなり、測
定に要する時間を短縮することが可能となる。
【0157】すなわち、導波体32の共振周波数は、そ
の次数に応じて複数の共振があり、例えば図12に示す
ような共振特性を有している。このため、広い範囲の共
振周波数にわたって共振特性を求めようとすると、共振
周波数の掃引範囲が広くなり、時間を要する。しかし、
一般に、導波体はそのサイズ等により、水素気泡の測定
に適した共振次数とそうでない共振次数とがある。
【0158】この点、本実施の形態では、あらかじめ工
場試験等により水漏洩の判定適した共振次数(周波数範
囲)を求め、例えば図13に示すように、その周波数範
囲を低周波数fl から高周波数fh に限定して共振特性
を分析することにより、水漏洩の判定に要する時間を短
縮することができる。
【0159】(第13の実施の形態:請求項13に対
応)本実施の形態の蒸気発生器の水漏洩検出装置は、前
記第13の実施の形態において、周波数掃引範囲につい
てのみ共振点の有無を分析し、その結果共振点がない場
合に水漏洩と判定する機能を、前記水漏洩判定部37に
持たせた構成としている。
【0160】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、周波数掃
引範囲についてのみ共振点の有無を分析し、その結果共
振点がない場合に水漏洩と判定するようにしているの
で、判定のロジックが容易となり、信頼性を向上させる
ことが可能となる。
【0161】すなわち、前記第13の実施の形態のよう
に、分析に用いる周波数範囲を低周波数fl から高周波
数fh に限定した場合の水漏洩判定法として、共振点の
有無により水漏洩を判定する。
【0162】例えば、水漏洩がない場合には、図14
(a)に示すように、低周波数fl から高周波数fh
限定した周波数範囲内に共振点が存在するが、水漏洩が
発生して導波体32に気泡が付着すると、図14(b)
に示すように、共振周波数が移動して限定した周波数範
囲内に共振点が存在しなくなる。よって、この共振点が
なくなったことによって、蒸気発生器の水漏洩を判定す
る。
【0163】このように、水漏洩の判定基準が、限定さ
れた周波数範囲に共振点が有るか無いかという二者択一
方式であることにより、判定ロジックが容易であり、判
定の信頼性を向上させることができる。
【0164】(第14の実施の形態:請求項14に対
応)本実施の形態の蒸気発生器の水漏洩検出装置は、前
記第1または第2の実施の形態において、前記導波体3
2の複数の共振周波数帯を含むように超音波を送信する
機能を、前記超音波発信器34に持たせ、複数の共振周
波数の特性について分析し水漏洩の判定を行なう機能
を、前記信号処理部36に持たせた構成としている。
【0165】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、導波体3
2の水漏洩測定に適した複数の共振周波数帯を含むよう
に超音波を送信し、複数の共振次数の共振特性が同様に
水漏洩であることを示すことによって水漏洩であるか否
かを判定するようにしているので、判定ロジックの信頼
性を向上させることが可能となる。
【0166】すなわち、前記第12の実施の形態で説明
したように、導波体32の共振には複数の次数がある。
【0167】この点、本実施の形態では、あらかじめ工
場試験等により水漏洩の判定に適した複数の共振次数を
選ぶようにし、共振特性の分析をこれら複数の共振次数
に対して行なうことにより、例えば図15に示すよう
に、例えばある一つの共振次数の特性が何らかの水素気
泡の発生以外の理由による原因で変化した場合にも、別
の共振特性が変化しない時には水漏洩と判定しないよう
にする。
【0168】このように、複数の共振次数の共振特性を
水漏洩の判定に用いることにより、誤判定の確率を低減
して、装置の信頼性を向上させることができる。
【0169】(第15の実施の形態:請求項15に対
応)本実施の形態の蒸気発生器の水漏洩検出装置は、前
記第3の実施の形態において、前記水漏洩判定部37と
しては、導波体32として使用する蒸気発生器1本体の
共振特性として、共振点と反共振点の共振周波数、およ
びインピーダンスを使って求められる共振の鋭さを用い
て、水漏洩の判定を行なう構成としている。
【0170】従って、以上のように構成した本実施の形
態の蒸気発生器の水漏洩検出装置においては、導波体3
2として使用する蒸気発生器1本体の共振特性として、
共振点と反共振点の共振周波数、およびインピーダンス
を使って求められる共振の鋭さを用いるようにしている
ので、蒸気発生器1の内部に導波体を設置する必要がな
く、貫通部も不要であるため、蒸気発生器1からのナト
リウム漏洩の可能性を低減することが可能となる。
【0171】すなわち、本実施の形態では、前記第3の
実施の形態のように蒸気発生器1本体を導波体として用
いるが、判定に用いる共振特性を共振周波数の変化では
なく共振点と反共振点の共振周波数とインピーダンスで
決まる共振の鋭さの変化を用いることにより、蒸気発生
器1の壁面に水素気泡が付着すると、例えば図16に示
すように、共振の鋭さが小さくなるため、これを検出し
て水漏洩を知ることができる。
【0172】この場合、共振の鋭さは、下記式のように
表わすことができる。
【0173】
【数2】
【0174】ただし、fr:共振周波数、Zr:共振点
インピーダンス、fa:反共振周波数、Za:反共振点
インピーダンスである。
【0175】このように、蒸気発生器1本体を導波体と
して用いることにより、導波体を蒸気発生器1内に入れ
る必要がなく、貫通部も必要ないため、ナトリウムの漏
洩の可能性を低減することができる。
【0176】また、共振周波数と反共振周波数の両者か
ら定義される共振鋭さによって水漏洩を判定することに
より、確実に蒸気発生器の水漏洩を検出することができ
る。
【0177】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の蒸気発生
器の水漏洩検出装置によれば、蒸気発生器、あるいは蒸
気発生器の出口配管を貫通して取付けた導波体を使用し
て、蒸気発生器の伝熱管が破損して液体金属中に水ある
いは蒸気が流出することによって発生する水素気泡を、
導波体の共振状態の変化として捕らえるようにしている
ので、早い応答時間で迅速に水漏洩を検出することが可
能となり、また導波体を直接蒸気発生器の内部に挿入す
るようにしているので、大きなSN比を確保しつつ水漏
洩を検出することが可能となり、もって極めて信頼性の
高い蒸気発生器の水漏洩検出装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蒸気発生器の水漏洩検出装置の第
1の実施の形態を示す概要図。
【図2】本発明による蒸気発生器の水漏洩検出装置の第
2の実施の形態を示す概要図。
【図3】本発明による蒸気発生器の水漏洩検出装置の第
3の実施の形態を示す概要図。
【図4】本発明による蒸気発生器の水漏洩検出装置の第
4の実施の形態を示す横断面図。
【図5】本発明による蒸気発生器の水漏洩検出装置の第
5の実施の形態を示す概要図。
【図6】本発明による蒸気発生器の水漏洩検出装置の第
6の実施の形態を示す概要図。
【図7】本発明の第7の実施の形態による蒸気発生器の
水漏洩検出装置を示すタイムチャート。
【図8】本発明による蒸気発生器の水漏洩検出装置の第
8の実施の形態を示す概要図。
【図9】本発明による蒸気発生器の水漏洩検出装置の第
9の実施の形態を示す概要図。
【図10】本発明による蒸気発生器の水漏洩検出装置の
第10の実施の形態を示す概要図。
【図11】本発明による蒸気発生器の水漏洩検出装置の
第11の実施の形態を示す概要図。
【図12】本発明の第12の実施の形態による蒸気発生
器の水漏洩検出装置における導波体32の共振特性の一
例を示す図。
【図13】本発明の第12の実施の形態による蒸気発生
器の水漏洩検出装置を説明するための特性図。
【図14】本発明の第13の実施の形態による蒸気発生
器の水漏洩検出装置を説明するための概念図。
【図15】本発明の第14の実施の形態による蒸気発生
器の水漏洩検出装置を説明するための図。
【図16】本発明の第15の実施の形態による蒸気発生
器の水漏洩検出装置を説明するための図。
【図17】従来の蒸気発生器の構成例を示す縦断面図。
【図18】従来の音響式水漏洩検出装置の一例を示す概
要図。
【符号の説明】
1…蒸気発生器、 2…外胴、 3…外部シュラウド、 4…内部シュラウド、 5…伝熱管、 6…伝熱管コイル、 7…給水入口ヘッダ、 8…給水管板、 9…蒸気管板、 10…蒸気出口ヘッダ、 11…液体金属入口配管、 12…液体金属分配管、 13…液体金属出口配管、 21…音響検出器、 22…送信用音響検出器、 23…受信用音響検出器、 24…信号発生器、 31…鏡板、 32…導波体、 33…圧電素子、 34…超音波発信器、 35…超音波受信器、 36…信号処理部、 37…水漏洩判定部、 38…閉止蓋、 39…伝熱管、 41…水漏洩位置判定部、 42…熱電対、 43…信号変換器。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体金属冷却型高速炉に用いられる蒸気
    発生器における液体金属中への水漏洩を検出する水漏洩
    検出装置において、 前記蒸気発生器を貫通して取付けられ超音波を伝播させ
    る導波体と、 前記導波体に圧電素子を介して超音波を送信する超音波
    発信手段と、 前記圧電素子を介して前記導波体の共振特性に応じた超
    音波を受信する超音波受信手段と、 前記超音波発信手段から送信された信号と前記超音波受
    信手段により受信した信号に基づいて、前記導波体の共
    振特性を分析する信号処理手段と、 前記信号処理手段により分析された共振特性から前記蒸
    気発生器の水漏洩を判定する水漏洩判定手段と、 を備えて成ることを特徴とする蒸気発生器の水漏洩検出
    装置。
  2. 【請求項2】 液体金属冷却型高速炉に用いられる蒸気
    発生器における液体金属中への水漏洩を検出する水漏洩
    検出装置において、 前記蒸気発生器の出口配管を貫通して取付けられ超音波
    を伝播させる導波体と、 前記導波体に圧電素子を介して超音波を送信する超音波
    発信手段と、 前記圧電素子を介して前記導波体の共振特性に応じた超
    音波を受信する超音波受信手段と、 前記超音波発信手段から送信された信号と前記超音波受
    信手段により受信した信号に基づいて、前記導波体の共
    振特性を分析する信号処理手段と、 前記信号処理手段により分析された共振特性から前記蒸
    気発生器の水漏洩を判定する水漏洩判定手段と、 を備えて成ることを特徴とする蒸気発生器の水漏洩検出
    装置。
  3. 【請求項3】 液体金属冷却型高速炉に用いられる蒸気
    発生器における液体金属中への水漏洩を検出する水漏洩
    検出装置において、 前記蒸気発生器本体を超音波を伝播させる導波体として
    使用し、 前記蒸気発生器本体に圧電素子を介して超音波を送信す
    る超音波発信手段と、 前記圧電素子を介して前記蒸気発生器本体の共振特性に
    応じた超音波を受信する超音波受信手段と、 前記超音波発信手段から送信された信号と前記超音波受
    信手段により受信した信号に基づいて、前記蒸気発生器
    本体の共振特性を分析する信号処理手段と、 前記信号処理手段により分析された共振特性から前記蒸
    気発生器の水漏洩を判定する水漏洩判定手段と、 を備えて成ることを特徴とする蒸気発生器の水漏洩検出
    装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1または請求項2に記載の蒸
    気発生器の水漏洩検出装置において、 前記導波体を複数本設置するようにしたことを特徴とす
    る蒸気発生器の水漏洩検出装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項4に記載の蒸気発生器の水漏
    洩検出装置において、 前記複数本の導波体の長さをそれぞれ互いに異なる長さ
    とするようにしたことを特徴とする蒸気発生器の水漏洩
    検出装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項4に記載の蒸気発生器の水漏
    洩検出装置において、 前記複数本の導波体に対してそれぞれ互いに異なる周波
    数帯の超音波を送信するようにしたことを特徴とする蒸
    気発生器の水漏洩検出装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項4に記載の蒸気発生器の水漏
    洩検出装置において、 前記複数本の導波体に対するそれぞれの超音波送信の時
    期を時間的にずらすようにしたことを特徴とする水漏洩
    検出装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項4に記載の蒸気発生器の水漏
    洩検出装置において、 前記複数本の導波体からのそれぞれの水漏洩信号を相互
    比較して水漏洩位置の判定を行なう水漏洩位置判定手段
    を付加して成ることを特徴とする蒸気発生器の水漏洩検
    出装置。
  9. 【請求項9】 前記請求項1乃至請求項3のいずれか1
    項に記載の蒸気発生器の水漏洩検出装置において、 前記水漏洩判定手段に、前記蒸気発生器の運転状態に対
    応して水漏洩検出の設定値が変化するような可変設定値
    を持たせるようにしたことを特徴とする蒸気発生器の水
    漏洩検出装置。
  10. 【請求項10】 前記請求項3に記載の蒸気発生器の水
    漏洩検出装置において、 前記圧電素子として、ニオブ酸リチウムからなる高温セ
    ンサを使用するようにしたことを特徴とする蒸気発生器
    の水漏洩検出装置。
  11. 【請求項11】 前記請求項10に記載の蒸気発生器の
    水漏洩検出装置において、 前記高温センサを、シュラウド、または伝熱管支持構造
    物に設置するようにしたことを特徴とする蒸気発生器の
    水漏洩検出装置。
  12. 【請求項12】 前記請求項1または請求項2に記載の
    蒸気発生器の水漏洩検出装置において、 前記超音波発信手段が送信する超音波の周波数を、前記
    導波体の共振特性から得られる最も測定に適した共振次
    数近傍の共振周波数帯のみについて共振特性を分析する
    ように周波数掃引範囲を設定する機能を、前記水漏洩判
    定手段に持たせるようにしたことを特徴とする蒸気発生
    器の水漏洩検出装置。
  13. 【請求項13】 前記請求項12に記載の蒸気発生器の
    水漏洩検出装置において、 前記周波数掃引範囲についてのみ共振点の有無を分析
    し、その結果共振点がない場合に水漏洩と判定する機能
    を、前記水漏洩判定手段に持たせるようにしたことを特
    徴とする蒸気発生器の水漏洩検出装置。
  14. 【請求項14】 前記請求項1または請求項2に記載の
    蒸気発生器の水漏洩検出装置において、 前記導波体の複数の共振周波数帯を含むように超音波を
    送信する機能を、前記超音波発信手段に持たせ、 前記複数の共振周波数の特性について分析し水漏洩の判
    定を行なう機能を、前記信号処理手段に持たせるように
    したことを特徴とする蒸気発生器の水漏洩検出装置。
  15. 【請求項15】 前記請求項3に記載の蒸気発生器の水
    漏洩検出装置において、 前記水漏洩判定手段としては、前記導波体として使用す
    る蒸気発生器本体の共振特性として、共振点と反共振点
    の共振周波数およびインピーダンスを使って求められる
    共振の鋭さを用いて水漏洩の判定を行なうようにしたこ
    とを特徴とする蒸気発生器の水漏洩検出装置。
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