JP2000248643A - コンクリート構造物からのアンモニアガス低減方法およびコンクリートからのアンモニアガス発生量の予測方法 - Google Patents

コンクリート構造物からのアンモニアガス低減方法およびコンクリートからのアンモニアガス発生量の予測方法

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JP2000248643A
JP2000248643A JP11049046A JP4904699A JP2000248643A JP 2000248643 A JP2000248643 A JP 2000248643A JP 11049046 A JP11049046 A JP 11049046A JP 4904699 A JP4904699 A JP 4904699A JP 2000248643 A JP2000248643 A JP 2000248643A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリートに用いるセメントや骨材の選
択、コンクリート中に混入すべき低減用混和材料の種類
と混入量を、構造物に要求される性能及び施工する際の
作業性やコストに関する条件を勘案しながら適正に決定
する。 【解決手段】 コンクリート構造物からのアンモニアガ
スによる影響を受けないアンモニアガス濃度レベルを予
め設定すると共に、建築構造上の設計諸条件と工事期間
の環境条件を予め設定し、この供用性能及び設計条件に
基づいてコンクリートから発生するアンモニアガス発生
量の許容量を予測、設定し、この許容量に対して、コン
クリートから発生するアンモニアガス発生量を調整する
に当たり、セメントの種類、骨材の種類、水結合材比の
選択、コンクリートに対するアンモニアガス低減用混和
材料の種類、アンモニアガス低減用混和材料の添加量、
及びコンクリート表面へのアンモニアガス吸着材料或い
はアンモニアガス分解材料の塗付、添付のうちの少なく
とも1つ以上を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造
物からのアンモニアガス低減方法およびコンクリートか
らのアンモニアガス発生量の予測方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に、油絵などの美術品は、空気中
のアンモニアガスの存在によって変色したりすることが
知られている。特に、美術館などの建設工事において
は、打設したコンクリートから長期にわたり微量である
が、アンモニアガスの発生が大きな問題となっており、
こうしたアンモニアガスの低減技術の確立が強く求めら
れている。
【0003】一般的には、美術館、博物館の建設工事で
は、美術品に対するアンモニアガスの影響が少なくなる
ように、2年程度の長期の枯らし期間を設けている。こ
の枯らし期間は、コンクリートが十分に乾燥し、アンモ
ニアガスの発生量が十分に低減するまで行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、美術館建設
後、所要の枯らし期間が要求されることは、建設コスト
や美術館運営上の観点からも効率的でないことは明らか
である。
【0005】また、アンモニアガスを吸着除去するフィ
ルターなどを、開館後設置して空気質環境を調整する方
法が取られる場合がある。しかし、現状においては、コ
ンクリートから発生するアンモニアガスの定量的な評価
に基づいた対策となっていないために、低減対策として
効率的でなかったり、十分な効果が得られない場合があ
る。
【0006】さらに、コンクリート工事以後、コンクリ
ート表面にアンモニアガスを吸着する壁紙やボードを取
り付ける方法や、ケミカルフィルターなどにアンモニア
ガスを補足する方法なども対策として取られている。し
かし、意匠上あるいは建築物の機能上の問題で、コンク
リート表面の全てにこうしたアンモニアガス吸着シート
を貼ることが困難であったり、ケミカルフィルターを用
いた換気設備のような高価な設備を投入できない場合も
往々にしてある。
【0007】また、コンクリートから発生するアンモニ
アガス量は、材料やコンクリートの乾燥程度により大き
な差があり、ガス発生量が多い場合には、こうした吸着
処理だけでは対処しきれない場合がある。さらに、コン
クリートからのアンモニアガス発生量が通常以下のレベ
ルであっても、部屋の大きさやレイアウトなど換気が十
分にされない環境下では同様な問題が発生するため、最
適なアンモニアガス濃度を達成できない場合もある。
【0008】一方、コンクリートから発生するアンモニ
アガスを低減するに際して、コンクリート強度の違い、
使用するセメントや骨材の種類、コンクリートの乾燥条
件、部屋の大きさや換気条件などの違いについて考慮さ
れることがなく、条件によっては、アンモニアガス濃度
を効果的に低減することができないといった問題点があ
った。
【0009】また、建設工事の期間も工事の規模や契約
により異なっており、所定のアンモニアガス濃度を達成
すべき時間的な要因も正確には考慮されていないという
問題もあった。これに加え、コンクリートから発生する
アンモニアガス濃度を低減するコンクリートを製造する
には、適切なセメント材料の選択や骨材の選択を始め、
低減処理剤の適用などの方策が採られるが、これらの方
法の選択を誤ると、低減効果が得られないばかりか、場
合によっては多大なコストアップを招く可能性がある。
【0010】また、コンクリートに混入すべきアンモニ
アガス低減用の混和材料(混和剤を含む)の種類、混入
量、組み合せはアンモニアガスの発生量の程度に影響す
るばかりでなく、コンクリートの硬化時間や強度に影響
を与えるために、構造物の施工に実際に用いる場合のコ
ストや施工性に大きく影響する。これらのことから、打
設後のコンクリート構造物の置かれる空気環境を十分に
配慮して、最終的に求められるアンモニアガス濃度環境
を確保しつつ、構造物の施工時のコンクリートの作業
性、品質、工期およびコストを適正な範囲内とするよう
な技術が求められていた。
【0011】本発明は、上記のような事情に鑑みなされ
たものであり、その目的は、コンクリートに用いるセメ
ントや骨材の選択、コンクリート中に混入すべき低減用
混和材料の種類と混入量を、構造物に要求される性能お
よび施工するに当たっての作業性やコストに関する条件
を勘案しながら適正に決定するための技術の提供をする
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
コンクリート構造物からのアンモニアガスによる影響を
受けないアンモニアガス濃度レベルを予め設定すると共
に、建築構造上の設計諸条件と工事期間の環境条件を予
め設定し、この供用性能および設計条件に基づいてコン
クリートから発生するアンモニアガス発生量の許容量を
予測、設定し、この許容量に対して、コンクリートから
発生するアンモニアガス発生量を調整するに当たり、コ
ンクリートのセメントの種類、骨材の種類、水結合材比
の選択、該コンクリートに対するアンモニアガス低減用
混和材料の種類、該アンモニアガス低減用混和材料の添
加量、およびコンクリート表面へのアンモニアガス吸着
材料あるいはアンモニアガス分解材料の塗付、添付のう
ちの少なくとも1つ以上を調整することを特徴とする。
【0013】請求項2に係る発明は、コンクリートをチ
ャンバー内に入れ、発生するアンモニアガス量とセメン
トの種類、骨材の種類、水結合材比、調合、および該コ
ンクリートに添加するアンモニアガス低減用混和材料の
種類および混入率との関係を予め調べて、予測対象のコ
ンクリートの材料条件に応じたアンモニアガス発生ポテ
ンシャルを決定しておき、請求項1における供用性能お
よび設計条件に基づいてコンクリートから発生するアン
モニアガス発生量の許容量の予測に際し、試験条件と現
実のコンクリート間の環境条件を補正することにより、
アンモニアガス発生量を算定することを特徴とする。
【0014】(作用)請求項1記載のコンクリートから
のアンモニアガス低減方法は、美術品などの収蔵品がア
ンモニアガスによって変色などの不具合を起こすことの
ないような、アンモニアガス濃度レベルを予め設定して
おき、この供用性能と建築構造の各部屋毎の大きさや換
気量、およびコンクリート打設量、表面積、コンクリー
ト打設から構造物の供用が開始されるまでの期間などの
各種の条件に基づいて、コンクリートに許容されるアン
モニアガス発生量を決定する。
【0015】このアンモニアガス発生量の許容値に対し
て、コンクリートのセメントの種類、骨材の種類、水結
合材比の選択、該コンクリートに対するアンモニアガス
低減用混和材料(混和剤を含む)の種類、このアンモニ
アガス低減用混和材料(混和剤を含む)の添加重、およ
びコンクリート部材外部におけるアンモニアガス吸着材
料あるいはアンモニアガス分解材料の塗付、添付のうち
の少なくとも1つまたはそれ以上を調整することをによ
り、コンクリートのアンモニアガス発生量を許容値以下
に調整することができる。
【0016】上記のような構成のために、このコンクリ
ート建造物のアンモニアガス発生量の低減方法において
は、要求性能に応じてコンクリート用材料の選択、強
度、コンクリートに混入される混和材(剤)の種類や混
入量の違いを発生するアンモニアガス量の制御に反映さ
せることができる。請求項2記載のコンクリートからの
アンモニアガス発生量の予測方法は、コンクリートに許
容されるアンモニアガス発生量を予測する方法であっ
て、構成材料、調合、混入用アンモニアガス低減材、外
部処理用アンモニアガス低減材と経過時間、環境条件の
効果を予め把握しておき、予測される低減効果を累積す
ることによって、設計上設定されたアンモニアガス濃度
レベルを達成することを可能とするものである。
【0017】これにより、設定されたアンモニアガス濃
度レベルを達成するための最も経済的で、かつ現実的な
対処方法の選択が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態により
説明する。
【0019】図1は、本実施形態のフローチャートを示
す(請求項1、2に対応)。このフローチャートに基づ
いて説明する。本実施の形態のコンクリート構造物から
発生するアンモニアガス低減方法は、図1に示すように
大きく分けて、要求性能の決定、調整量の算定、材料調
合選定、調合による低減効果の確認、低減材使用の検
討、およびその効果の確認の各ステップから構成され
る。
【0020】[ステップS1]最初のステップS1で
は、対象となる部屋のアンモニアガス濃度の要求性能を
決定している。要求性能は、建築物あるいは対象とする
部屋の用途、目的に応じて決められるものである。
【0021】ここでは、一例として美術品の収蔵庫とし
て使用される場合について説明する。収蔵される美術品
の中に重要な美術品が含まれる場合を考慮してアンモニ
アガス濃度のレベルを建物の竣工時において20ppb
と設定する。この20ppbのアンモニアガス濃度値
は、重要な美術品に対し安全な濃度であると一般に考え
られている。この値は美術品の種類や重要度に応じて変
更することができる。また、他の用途に対するアンモニ
アガス濃度値については、さらに厳しい値を設定するこ
ともできる。
【0022】[ステップS2]次のステップS2では、
建築物の設計図書から、部屋の面積と容積、コンクリー
ト面の面積、換気量、コンクリート打設から竣工までの
期間などから、低減すべきコンクリートのアンモニアガ
ス量を算出する。
【0023】ここでは、一例として部屋の面積96
2、部屋の容積230m3、コンクリート面の面積16
0m2、コンクリート打設から竣工までの期間を45週
と設定した。この工事期間中の換気条件は、部屋の壁、
屋根、開口部の取付状況に応じて3回ほど条件が変わる
設定とした。アンモニアガス濃度の予測に際しては、コ
ンクリートから発生するアンモニアガス量の経時的な変
化を近似的に数式化したものを用いることにより予測さ
れる。
【0024】室内のモデルは単室、複室のいずれのモデ
ルでも同じである。一般的には、竣工前の部屋の空気室
環境を予測するという目的に関しては、単室のモデルで
十分である。また、コンクリート打設後、竣工前の段階
では設備的な換気は積極的には行われないか、行われた
としても設備機器が配置された後の短時間であるので、
部屋の開口部分の面積に応じて換気量、漏洩量を含めた
空気の入れ替え量を考慮すればよい。
【0025】また、この場合工事の進行状況に応じて開
口比率が大きく変化するので、変化の状況に応じて段階
に分けてモデル化するものとする。循環空気量、空気の
混合比率なども厳密には考慮されるべきであるが、工事
期間中の実際と予測の目的を考慮して、これらの値は一
定あるいは1と仮定して問題はない。ある部屋の任意の
時間におけるアンモニアガス濃度を予測するには、例え
ば以下の式を用いることができる。
【0026】 Cir=Ci-1r+k(q0C。−qii)+S(i)−R ・・・式1 Ci,Ci-1:対象としている時間iあるいはi−1にお
ける室内アンモニアガス濃度 Vr:室容量 qi:取入れ外気量と漏入量の和 q0:排出空気量と漏出量の和 (但し、qi=q。) S(i):対象としている時間iにおけるコンクリート
壁面からのアンモニアガス発生量 R:室内自然消失量 ここで、Sは任意の時間におけるコンクリート壁面から
のアンモニアガス発生量で、下記の式2のように表され
る。
【0027】 S(t)=AcN(t) ・・・式2 Ac:コンクリートの部屋に面する面積 N(t)は任意の時間におけるコンクリートの単位面積
当たりのアンモニアガス発生量である。N(t)は一定
の試験条件で、試験体を用いて求められた単位面積当た
りのアンモニアガス発生量Nex(t)を表わす以下の式
3を用いて表すことができる。
【0028】 Nex(t)=αexp(−βt) ・・・式3 ここで、α,βはコンクリート材料種別による発生強度
と発生速度を表す係数である。式3は、実験的に求めら
れたアンモニアガス発生曲線であるが、実環境と比べ湿
度、温度、ガス濃度勾配(ガス拡散速度)などの諸条件
の違いにより、実環境とはガスの発生速度が異なってい
る。このため、実環境のガス濃度を予測するためには、
これらの環境条件の違いを適切に補正する必要がある。
コンクリート材料から発生するアンモニアガスの総量は
基本的には同じであると考えられるので、アンモニアガ
スの総発生量は同じとして、発生速度のみを補正する方
法が妥当である。
【0029】よって、式3に、試験体と実際の環境条件
の差を補正する係数keを導入して、下記の式4のよう
に補正することができる。 N(t)=keαexp(−βket) ・・・式4 ここで、keの値は実験法の評価方法にも依存するが、
通常0.1〜1.0の間の値を取る。
【0030】式4を用いて、式1をコンクリート打設後
の時間ゼロから任意の時間(通常は、竣工時)までの期
間について、換気量やアンモニア発生量などの経時変化
を考慮して逐次計算することにより、予測する部屋の任
意の時間におけるアンモニアガス濃度が求められる。本
式を用いてコンクリートに求められる許容値を計算する
と、後述する評価実験(図2)で1.5mmg/m2
day(材令7日)のアンモニアガスを発生する一般的
なコンクリートを用いた場合、実環境におけるコンクリ
ート打設後45週後におけるコンクリートのアンモニア
ガス発生量は80μg/m2/day(≒560μg/
2/週)となり、予測する部屋のアンモニアガス濃度
は70ppbとなる。設計要求性能は20ppbである
ので、50ppb分のアンモニアガス発生量を低減する
必要がある。すなわち、材令45週以降におけるコンク
リート単位表面積あたりのアンモニアガス発生量が11
μg/m2/day(≒75μg/m2/週)以下となる
必要がある。この値を、初期材令(7日)における評価
試験法の値に換算すると、0.35mmg/m2/da
yがアンモニア発生量の許容値となる。これに対し、一
般的なコンクリートのアンモニアガス発生量は、約1.
5mmg/m2/day程度であるので、この値と許容
値との差1.15mmg/m2/dayが低減量の目標
値となる。言い換えれば、目標の低減量を達成するため
には、コンクリートから発生するアンモニガス量を約4
〜5分の1にしなければならないことになる。
【0031】[ステップS3]次のステップS3では、
1.15mmg/m2/dayの低減分に対して、コン
クリートの構成材料、あるいは調合の選択により低減が
可能であるかについて検討する。検討対象とした工事で
は、3つのコンクリートプラントがあり、セメントの種
類の選択、限定された範囲での細骨材と粗骨材の選択、
およびAE減水剤の選択が可能である。
【0032】コンクリート材料から発生するアンモニア
ガス量については、以下のような方法で実験的に評価す
ることができる。この評価方法は、図2に示すように、
評価するコンクリート試験体1をデシケータ(チャンバ
ー)2内に入れる。次に、ボンベ4内の不活性ガス(N
2ガス)を一定量で流す。ポンプ6を作動させ、流量計
5の弁を調整して一定量(ここでは2リッター/分)の
不活性ガスが流れるように調整する。
【0033】不活性ガスは、デシケータ(チャンバー)
2内を通り、コンクリート試験体1から発生するアンモ
ニアガスと一緒になってから、インピンジャー3を通
る。インピンジャー3内には純水が入っており、ここを
通るアンモニアガスは純水中に溶けることにより、捕集
される。純水に溶けたアンモニアガスは、アンモニアイ
オンとして存在している。所定の時間(ここでは6時
間)窒素ガスを透過させた後、純粋をサンプリングし、
この純水中に溶けたアンモニアイオンをイオンクロマト
により定量分析する。
【0034】同様な評価は、コンクリート試験体1を一
定期間デシケータ(チャンバー)2内に入れ、内部に放
出されたアンモニガスを検知管、あるいは測定装置など
で直接分析する方法でも測定可能である。予め上記の方
法で各種のコンクリート材料の種類がアンモニアガス発
生量に及ぼす影響を評価した結果の一例を表1から表5
に示す。
【0035】表1は、セメント材料によるアンモニアガ
ス発生量の違いを示す。表2は、セメント添加用石膏種
類によるアンモニアガス発生量の違いを示す。表3は、
セメント添加鋼滓スラグ量によるアンモニアガス発生量
の違いを示す。表4は、細骨材種類によるアンモニアガ
ス発生量の違いを示す。表5は、AE減水剤種類による
アンモニアガス発生量の違いを示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】 構成材料のうち、アンモニアガス発生量への影響が大き
いものは、セメントと細骨材であり、粗骨材の種類の影
響は大きくない。AE減水剤の多くはアンモニアガス発
生量に大きな影響を及ぼさないが、ある種のものは影響
を与える。
【0036】セメントの種類に関しては、100ppm
以上の窒素含有量のセメント(表1のA,B)を用いる
と、コンクリートのアンモニアガス発生量が大きくな
り、またコンクリートに用いる単位セメント量が増加し
てもアンモニアガス発生量が大きくなる。また、セメン
トを構成する材料の中では、鉄滓スラグの添加量が多い
もの、かつ凝結調整のために添加される石膏に天然二水
石膏を用いたセメント(表2のA)は、アンモニアガス
の発生量が多くなっている。
【0037】コンクリートの力学的な諸性能を考える
と、鉄滓スラグの添加量が少なく、チタン石膏、排脱石
膏(表2のB,C)などの天然二水石膏以外の石膏を添
加したセメントを用いることが、コンクリートのアンモ
ニアガス発生量を抑える上で有効となる。AE減水剤お
よび高性能AE減水剤は、通常、アンモニアの発生源と
なるものはないが、その製造過程においてアンモニアイ
オンを含む物質を触媒として使う場合があり、こうした
場合にはAE減水剤および高性能AE減水剤にアンモニ
アイオンが含まれることになる。AE減水剤および高性
能AE減水剤の使用量は、セメントや骨材に比べて少な
いが、アンモニアイオンの含有率が100μg/g以上
になる(表5のE,F)と、コンクリートのアンモニア
ガス発生量を増加させるので、100μg/g以下の含
有率のAE減水剤あるいは高性能減水剤をセメント重量
の1%以下の範囲で用いることにより、コンクリートの
アンモニアガス発生量の低減が可能となる。
【0038】また、細骨材は、表4に示すように、その
種類によって、コンクリートのアンモニアガス発生に比
較的大きな影響を及ぼす。原因としては骨材表面に付着
した有機物と鉱物中の含有される窒化物の両者が考えら
れるが、川砂や海砂のなかに比較的アンモニアガス発生
量を増加させる種類が多い。定量的には、特に150p
pm以上のアンモニアイオン含有量の細骨材を用いる
と、コンクリートのアンモニアガス発生量の増加が顕著
であり、この量は細骨材の使用量とも関係している。コ
ンクリートの一般的な性能も考慮すると、150ppm
以下のアンモニアイオン含有量の細骨材をs/a=55
%以下の範囲で用いることにより、コンクリートから発
生するアンモニアガスに対する細骨材の影響を小さくす
ることが可能となる。
【0039】上記各項目は、アンモニアガス低減コンク
リートの調合を決定する上での基本方針となるが、実際
の建設工事では強度などの設計条件を満たす必要がある
と共に、使用可能な材料が限られるので、制約条件を考
慮した上で、使用可能な材料を評価し、上記方針に従っ
て材料選定と調合を決定するものとする。この項目がス
テップS3に当たる。
【0040】図3は打設したコンクリートから発生する
アンモニアガス量の予測曲線で、単位面積当たりの発生
量として表している。最初に、図2に示すような実験に
基づいて、試験体レベルの発生量が、式3の形で表され
る。この実験条件では、実環境と比べ湿度、温度、ガス
濃度勾配(ガス拡散速度)などの諸条件が異なり、実環
境とはガスの発生速度よりも早くなっている。このた
め、実環境のアンモニアガス発生量を予測するために、
環境条件の違いを、発生速度を式4のように補正した予
測曲線が、図3に示す結果である。
【0041】標準コンクリート、材料選定後、低減剤混
入後の各コンクリートのアンモニアガス発生曲線は式4
のように表される。その結果を表6に示す。また、図4
は特定の建築空間を対象として、その空間のガス濃度を
予測した結果である。
【0042】ここでは、対象とする部屋の容積を230
3とし、5面がコンクリート製の壁、スラブ、天井
で、有効なコンクリート表面積を159m2と仮定し
た。また、養生期間における換気率の違いを、天井が施
工されるまでの期間、ドア、サッシなどが取り付けられ
るまでの期間、ドア、サッシなどが取り付けられた後の
期間の3段階に分類して換気率をそれぞれ、50%、1
5%、10%と設定した。これらの諸条件は設計図面や
従来の建設作業空間の換気率の測定結果に基づいて決め
られる。
【0043】図4の予測結果は、上記の条件を式1に代
入すると共に、式2のコンクリート壁面からのアンモニ
アガス発生量として、式4を用いて、コンクリート打設
後から、130週経過後までについて、逐次計算した結
果である。その結果を表6に示す。計算結果の評価につ
いては、図1のステップS2に記述しているので省略す
る。
【表6】 [ステップS4]コンクリートの設計強度から定まる水
セメント比はw/c=55%であるが、w/cが40〜
60%の範囲では、W/Cはアンモニアガス発生量に大
きな影響を及ぼさないので、ここでは調合上の水セメン
ト比は変化させないこととした。この方針に従って使用
可能な材料を評価した結果、セメント(総窒素量82p
pm)、細骨材(山砂、アンモニアイオン溶出量85p
pm以下)、粗骨材(石灰岩砕石)、AE減水剤(表5
中Aに相当)が、アンモニアガス発生量を低減するのに
有効であると判断された。また、これらの材料を用いて
w/c=55%としてコンクリートを製造し、アンモニ
アガス発生量を評価した結果、発生量は仮定した標準コ
ンクリートの46%(評価試験で約0.67mmg/m
2/day)程度となった。
【0044】ただし、許容値の0.35mmg/m2
dayに対しては、これを満足する値とはなっておら
ず、構成材料の調整に加え低減剤の混入などの対策が必
要であることが示唆される。 [ステップS5]材料の調整のみによる低減効果を確認
するために、上記結果に適合するように式3の値を調整
して、前述した予測計算を再度実施すると、予測する部
屋のアンモニアガス濃度はコンクリート打設後45週後
において50ppbと予測される。設計要求性能は20
ppbであるので、さらに30ppb分のアンモニアガ
ス発生量をさらに低減する必要がある。この濃度を達成
するためには、発生量をさらに低減する必要がある。
【0045】[ステップS6]次のステップS6では、
上記ステップS5でさらに低減が必要とされた分に対し
て、コンクリートにアンモニアガス低減用混和剤を添加
することにより低減が可能であるかについて検討する。
コンクリート中のような高アルカリ環境下においても、
アンモニアガス吸着性能を示す混入用低減材には幾つか
のタイプがある。ここでは、ステップS6を選択する場
合、アンモニア低減用混和剤のコストを考慮すると共
に、予め標準的なコンクリート試験体を用いて測定して
おいた低減効果を考慮して、アンモニアガス低減用のシ
リカ質混和材をセメント重量に対して15%程度添加す
ることとする。上記ステップS5で実験的に検討した結
果に基づくと、低減効果は無添加のものに比ベアンモニ
アガス発生量を約50%にまで低減することができ、評
価の結果、発生量は0.32mmg/m2/dayとな
った。
【0046】[ステップS7]この結果に適合するよう
に式3の値を調整して、予測計算による確認を再度実施
すると、予測する部屋のアンモニアガス濃度がコンクリ
ート打設後45週後において29ppbと予測される。
設計要求性能は20ppbであるので、さらに9ppb
分のアンモニアガス発生量をさらに低減する必要があ
る。
【0047】[ステップS8]および[ステップS9]
さらに9ppb分のアンモニアガス低減量に対し、ステ
ップS8のコンクリート表面にアンモニアガス吸着シー
トを貼るか、ステップS9の空調設備の換気量およびア
ンモニアガス除去フィルターを増設するか、のいずれか
の方法によって低減することを検討する。
【0048】設備機器の設置は工程上、材令50週前後
になることを配慮して、ここではステップS8のコンク
リート表面にアンモニアガス吸着固定シートを貼付する
方法を採用する。対象となるアンモニアガス低減濃度は
9ppbと高くなり、対象となる部屋の大きさからアン
モニアガスの総量を求め、これを吸収できるシートの吸
着容量から計算して、コンクリート壁の露出の内、壁の
1面である14.4m 2分にアンモニアガス吸着固定シ
ートを貼付することとした。
【0049】[ステップS10]ここで適用したアンモ
ニアガス吸着シートの吸着速度は、予め図2と同様な試
験条件あるいは室内実験から求めた実験式に基づいて計
算することができる。アンモニアガス吸着シートを材令
37週で貼付するとして、室内のアンモニアガス濃度の
予測計算による確認を実施すると、アンモニアガス濃度
はコンクリート打設後45週後において17ppbと予
測され、この段階で目標性能が満たされたことになる。
【0050】もし、設計上の要求性能が高いか、低減効
果が不充分で、さらなる低減が必要な場合には、もう一
度ステップS8またはS9に戻り、アンモニアガス吸着
フィルターの増強を行うか、コンクリート表面に貼るア
ンモニアガス吸着シートの面積を増やし、目標性能が達
成されるかについて検討する。
【0051】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、建築物の要求
性能に応じて、コンクリートから発生するアンモニアガ
ス量の許容値を定めておき、所定の許容値を満足するよ
うにコンクリート材料の選定、アンモニアガスを低減す
るコンクリート用混和剤の混入、アンモニアガス低減の
ためのコンクリートの処理などを効率的に組み合わせて
実施することにより、建築物内のアンモニアガス濃度を
所定の性能値以内にするものであるから、所定の工事期
間内に要求されるアンモニアガス濃度レベルに低減する
ことが可能となる。
【0052】また、請求項2の発明によれば、構成材
料、調合、混入用アンモニアガス低減材、外部処理用ア
ンモニアガス低減材と経過時間、環境条件の効果を予め
把握しておき、予測される低減効果を累積することによ
って、設計上設定されたアンモニアガス濃度レベルを達
成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるアンモニアガス低減方法の
フローチャートである。
【図2】コンクリート試験体を用いたアンモニアガス発
生量の測定を示す説明図である。
【図3】アンモニアガス発生量予測曲線である。
【図4】アンモニアガス濃度予測曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米澤 敏男 千葉県印西市大塚一丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 呂 俊民 千葉県印西市大塚一丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 石黒 武 千葉県印西市大塚一丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 Fターム(参考) 2E001 DH23 EA01 HA04 JA01 JA06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート構造物からのアンモニアガ
    スによる影響を受けないアンモニアガス濃度レベルを予
    め設定すると共に、建築構造上の設計諸条件と工事期間
    の環境条件を予め設定し、 この供用性能および設計条件に基づいてコンクリートか
    ら発生するアンモニアガス発生量の許容量を予測、設定
    し、 この許容量に対して、コンクリートから発生するアンモ
    ニアガス発生量を調整するに当たり、 コンクリートのセメントの種類、骨材の種類、水結合材
    比の選択、該コンクリートに対するアンモニアガス低減
    用混和材料の種類、該アンモニアガス低減用混和材料の
    添加量、およびコンクリート表面へのアンモニアガス吸
    着材料あるいはアンモニアガス分解材料の塗付、添付の
    うちの少なくとも1つ以上を調整することを特徴とする
    コンクリート構造物からのアンモニアガス低減方法。
  2. 【請求項2】 コンクリートをチャンバー内に入れ、発
    生するアンモニアガス量とセメントの種類、骨材の種
    類、水結合材比、調合、および該コンクリートに添加す
    るアンモニアガス低減用混和材料の種類および混入率と
    の関係を予め調べて、予測対象のコンクリートの材料条
    件に応じたアンモニアガス発生ポテンシャルを決定して
    おき、 請求項1における供用性能および設計条件に基づいてコ
    ンクリートから発生するアンモニアガス発生量の許容量
    の予測に際し、 試験条件と現実のコンクリート間の環境条件を補正する
    ことにより、アンモニアガス発生量を算定することを特
    徴とするコンクリートからのアンモニアガス発生量の予
    測方法。
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