JP2000246232A - 汚染土壌の無害化処理方法並びに無害化処理及び利用方法 - Google Patents

汚染土壌の無害化処理方法並びに無害化処理及び利用方法

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JP2000246232A
JP2000246232A JP11054633A JP5463399A JP2000246232A JP 2000246232 A JP2000246232 A JP 2000246232A JP 11054633 A JP11054633 A JP 11054633A JP 5463399 A JP5463399 A JP 5463399A JP 2000246232 A JP2000246232 A JP 2000246232A
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blast furnace
contaminated
detoxified
contaminated soil
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Kazumasa Wakimoto
一政 脇元
Takashi Wada
和田  隆
Shinichi Shimogoryo
伸一 下御領
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重金属及び/又は有機系物質で汚染された土
壌を安価に無害化する。 【解決手段】 汚染土壌1を操業中の高炉10に装入す
ることにより、高温下において、有害物質を分解、ガス
化、燃焼、溶融、溶解及び溶融スラグ化の各処理の内の
いずれか一種又は二種以上の組合わせにより無害化す
る。また、高炉ガス11の一部として、溶融スラグ14
をセメント材料18又は路盤材19として、あるいは、
高炉ダスト12を酸化鉄源物質若しくは鉄源物質等とし
て回収利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、重金属及び/又
は有機系物質で汚染された土壌を処理して当該汚染物質
を実用上無害化すると共に、土壌を有効利用する技術に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の著しい産業活動に伴ない、重金属
や有機系物質により汚染された土壌が発生している。こ
れらの有害物質を含んだ汚染土壌対策が、環境改善上重
要な問題となっている。例えば、市街地開発に伴ない、
工場跡地区を利用する場合、当該地区の土壌に含まれる
上記汚染物質を所定の基準値以下にする必要がある。
【0003】重金属汚染に対しては、多くの場合、汚染
物質の不溶化処理、遮水工事、覆土工事等の周辺環境に
対する遮断方法が採られている。しかしながら、この方
法は、最終処分場の不足問題や更に環境上の問題の本質
的な解決策とは言い難い。上記問題に関連して、各種処
理方法が知られている。
【0004】例えば、汚染土壌の洗浄方法が提案されて
いる。これは、汚染物質を除去するために、水や適切な
溶媒を用いて汚染土壌から有害物質を物理的あるいは化
学的に抽出分離する方法である。
【0005】重金属汚染土壌の洗浄方法としては、従
来、土壌粒径の分級により、高濃度汚染粒子の分離除去
処理、及び、酸溶液あるいはキレート剤溶液等、溶媒に
よる重金属の溶脱処理が知られている。即ち、分級によ
る汚染成分の分離除去処理は、汚染成分の吸着能が高い
粒子を分離除去して、汚染されていない粒径範囲の粒子
を清浄粒子(土壌)として取り出すことを目的とする。
例えば、汚染土壌を浄化する各種の方法が知られてい
る。
【0006】例えば、特開平10−71387号公報に
は、重金属及びシアン化合物を同時に除去する方法とし
て、汚染土壌を分級し、乾式又は湿式磁選を行なう方法
が開示されている(以下、先行技術1という)。この方
法は、土中の汚染物質が雨水や地下水に溶解して移動す
るときに、その通路に鉄分が存在すると、この部分に選
択的に鉛やシアン化合物が吸着していることを利用し
て、重金属とシアン化合物とを磁選により着磁物として
分離する。こうして、重金属及びシアン化合物により汚
染されている土壌を、着磁物として分離し、残部の非着
磁の土壌を、非汚染土壌として、汚染処理対象から除外
して、処理対象土壌の量を減らすというものである。但
し、吸着分布の粒径依存度が小さい汚染成分に対して
は、この洗浄効果は不十分である。
【0007】また、溶媒による溶脱処理には、難溶性重
金属や、当該重金属が粒子内部に存在する場合の処理の
長時間化、あるいは処理薬剤使用量増大の問題がある。
また酸やキレート剤等の使用量の増大はその排水処理上
問題がある。更に、かかる溶脱処理で重金属を十分に除
去することは、実際上かなり困難である。
【0008】上記分級で選別した重金属汚染土壌のみに
溶脱処理を行なえば、処理対象量が減るので有利である
が、上記難溶性重金属においては、酸等による溶媒抽出
によりイオン化し、土壌中に再吸着したり、粒子内部に
まで進入する。このような場合には、比重選別により重
金属含有粒子を濃縮除去し、残さを溶媒抽出する方法が
ある。そして比重選別が困難な程度に粒度が極めて小さ
くなった場合には、分級処理により清浄粒子のみが含ま
れる粒度範囲のものを除いた後、粒度に応じて比重選
別、溶脱処理、電気浸透及びイオン泳動作用を利用して
重金属を濃縮させる。上記方法が、特開平10−296
230号公報に開示されている(以下、先行技術2とい
う)。しかしながらこの方法によっても、粒径範囲が4
25〜2000μであって高比重の粒子は回収できな
い。その割合は例えば5%程度存在する。
【0009】次に、有機系産業廃液により汚染された土
壌から汚染物質を分離除去又は分解除去する方法とし
て、各種方法が提案されている。例えば、特表平4―5
01378号公報には、コークス工場跡地から掘り出さ
れた汚染土壌を処理する方法として、これを予備乾燥し
た後、800〜1000℃の温度で加熱して有害物質を
気相に移行させ、当該有害物質を含んだ排ガスをサイク
ロンで処理して粉塵を除去し、こうして粉塵が除去され
た排ガスを二次燃焼させるという土壌修復方法が記載さ
れている(以下、先行技術3という)。
【0010】この方法によれば、汚染された土壌を80
0〜1000℃という高温に加熱するので、重金属を除
くほとんどの有機物は酸化されてほぼ焼却状態となって
土壌雰囲気の気相に移行し、多くの炭化物は二酸化炭素
と水とに分解される。即ち、この方法はほとんどの有機
物に対して有効な処理方法である。しかしながら、土壌
を800℃以上に昇温するためには莫大なエネルギーが
必要となり、その結果、処理コストが非常に高くなる。
また、通常、800〜1000℃で処理するためのドラ
ム回転式加熱炉を建設する場合には、鉄鋼構造体のみか
らなる加熱炉では高温強度及び耐熱性が不足するため
に、鉄皮の内部を耐火煉瓦等で内張りする必要がある。
従って、設備費が高くなる上に、大重量物を回転させる
ための動力費も高くなるという問題がある。更に、この
ような高温での加熱は、土壌の物理特性を変化させてし
まう懸念があるといわれている。
【0011】また、特開平8―33882号公報には次
の方法が記載されている。即ち、揮発性有機物質を含む
土壌にキャリアー空気を供給しつつ当該土壌を間接加熱
方式で加熱する。その際、加熱温度をその揮発性有機物
質の沸点を超える温度で加熱し、当該揮発性有機物質を
キャリアー空気で汚染土壌から分離する方法が記載され
ている(以下、先行技術4という)。
【0012】ここで、揮発性有機物質としてテトラクロ
ロエチレンで汚染された土壌を例とし、間接加熱温度を
テトラクロロエチレンの沸点である121.2℃よりも
30℃以上高くすることが必要であり、上限温度は装置
の運転効率上、上記沸点+50℃以内が望ましいとして
いる。この方法によれば、土壌から除去しようとする成
分が揮発性有機物質の場合には効果を発揮するが、油類
等の難揮発性有機物質が含まれている場合や、シアン化
合物のような非揮発性化合物が含まれている土壌を浄化
しようとする場合には、先行技術4の方法ではそれらの
成分を十分に除去する効果は期待できない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の技術には種々の問題がある。特に、重金属について
は、汚染土壌の分級による汚染粒子の分離除去や溶脱処
理では、その有害物質を最終的に無害化することはでき
ず、これを濃縮して埋立て廃棄することになり、根本的
な技術的な解決策とならず、また処分場問題及び環境問
題が残る。その上、処理には複雑なプロセスが必要であ
る。また、有機系物質の無害化処理についても、当該処
理専用の設備が必要となり、膨大なエネルギー要し、設
備費及び運転費がかさむ。更に、重金属と有機系物質の
両方を含んだ汚染土壌の処理を一つの処理プロセスで行
なうことはできない。このように、多くの問題が残され
ている。
【0014】従って、この発明の課題は、上記問題を解
決することにあり、これにより、重金属及び/又は有機
系物質で汚染された土壌を安価なコストで無害化処理を
達成し、新たな問題を発生させることなく、ひいては有
害物質で汚染された土壌を有効活用する技術を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、重金属及び/又は有機系物質で汚染された土
壌の無害化処理方法及び無害化処理・利用方法を開発す
べく鋭意試験・研究を重ねた。その結果、新たな専用設
備や複雑な処理プロセスを経なくても、2000℃以上
という超高温処理が可能である既存の高炉設備とその付
帯設備を活用することにより、上述した問題の殆んどす
べてを解決することが可能であることを知見した。この
発明は、上述した知見に基づきなされたものであり、そ
の要旨は次の通りである。
【0016】請求項1記載の汚染土壌の無害化処理方法
は、重金属及び有機系物質の内のいずれか一方又は両方
からなる有害物質で汚染された土壌を、操業中の高炉に
装入し、前記土壌に含まれた前記有害物質を前記高炉内
において、分解、ガス化、燃焼、溶融、溶解及び溶融ス
ラグ化の各処理の内の、いずれか一種又は二種以上の組
合わせにより、無害化されたガスにするか、当該高炉内
の溶銑もしくは溶融スラグの中に移行させて実質的に無
害化された状態にするか、又は、高炉排ガス中ダストの
中に移行させて実質的に無害化された状態にすることに
特徴を有するものである。
【0017】請求項2記載の汚染土壌の無害化処理・利
用方法は、重金属及び有機系物質の内のいずれか一方又
は両方からなる有害物質で汚染された土壌を、操業中の
高炉に溶銑製造用副原料の一部として装入し、前記土壌
に含まれた前記有害物質を前記高炉内において、分解、
ガス化、燃焼、溶融、溶解及び溶融スラグ化の各処理の
内の、いずれか一種又は二種以上の組合わせにより、無
害化されたガスにするか、当該高炉内の溶銑もしくは溶
融スラグの中に移行させて実質的に無害化された状態に
するか、又は、高炉排ガス中ダストの中に移行させて実
質的に無害化された状態にすると共に、前記無害化され
たガスを高炉ガスの一部としての利用、前記実質的に無
害化された溶融スラグをセメント材料又は路盤材として
の利用、及び、前記実質的に無害化されたダストを酸化
鉄源物質若しくは鉄源物質としての利用又は当該ダスト
に含有される有価金属の回収利用の内の少なくとも一つ
の用途に供することに特徴を有するものである。
【0018】請求項3記載の汚染土壌の無害化処理方法
は、重金属及び有機系物質の内のいずれか一方又は両方
からなる有害物質で汚染された土壌を、操業中の高炉へ
装入することにより無害化する方法であって、前記汚染
された土壌を高炉用焼結鉱製造の副原料の一部として用
い、こうして得られた前記焼結鉱を前記高炉に装入し、
そして請求項1記載の方法により無害化することに特徴
を有するものである。
【0019】請求項4記載の汚染土壌の無害化処理・利
用方法は、重金属及び有機系物質の内のいずれか一方又
は両方からなる有害物質で汚染された土壌を、操業中の
高炉へ装入することにより無害化する方法であって、前
記汚染された土壌を高炉用焼結鉱製造の副原料の一部と
して用い、こうして得られた前記焼結鉱を前記高炉に装
入し、そして請求項2記載の方法により無害化すると共
に、同請求項記載の用途に供することに特徴を有するも
のである。
【0020】請求項5記載の汚染土壌の無害化処理方法
は、請求項1又は請求項3に記載の発明において、前記
有害物質で汚染された前記土壌として、予め当該土壌か
ら金属片類の異物を除去し、次いで当該異物を除去され
た当該土壌を分級し、こうして分級された土壌を用いる
ことに特徴を有するものである。
【0021】請求項6記載の汚染土壌の無害化処理方法
は、請求項2又は請求項4に記載の発明において、前記
有害物質で汚染された前記土壌として、予め当該土壌か
ら金属片類の異物を除去し、次いで当該異物を除去され
た当該土壌を分級し、こうして分級された土壌を用いる
ことに特徴を有するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら説明する。
【0023】図1は、この発明の望ましい実施態様例を
説明する、汚染土壌の無害化処理及び更にその利用方法
を説明するフロー図である。重金属及び有機系物質の両
方を含む汚染土壌1を、高炉設備がレイアウトされた付
近にある当該汚染土壌の仮置場2へ搬入する。仮置場2
の隣接ヤードにおいて、当該汚染土壌に混じっている種
々の異物、具体的には各種金属片、木片、等の土壌以外
の大塊異物を分離・除去する。次いで、篩分け装置3で
所定粒径以上と未満とに分級する。篩上の粒子径の大き
い方の土壌(塊)5は、高炉10に装入し、篩下の小さ
い方の土壌(粉)7は、焼結原料用とする。但し、上記
異物の分離・除去後、及び篩分け後において所定サイズ
以上の大きいものは別途、破砕機4で処理して再度篩分
け装置3にかける。
【0024】但し、この発明においては、有害物質で汚
染された土壌1を高炉10に装入するときの汚染土壌1
の形態としては、図1に示す土壌(塊)5の形態で直
接、高炉10に装入する場合(「ケース1」という)
と、図1に示す焼結鉱20中に含有された形態で高炉1
0に装入する場合(「ケース2」という)との二通りに
分けられる。従って、以下の説明においても、この二通
りに分けて説明する。
【0025】〔1〕ケース1:汚染土壌を高炉に直接装
入する場合 有害物質で汚染された土壌(塊)5を高炉10に装入す
る目的は、次の二項目に集約される。第一は、当該汚染
物質である重金属及び有機系物質を高炉10内の高温条
件下において、後述する処理により無害化することにあ
る。第二は、土壌(塊)5の構成主成分中のSiO2
CaO及びMgOに注目して、後述する高炉への装入副
原料として利用するために、若干なりともそれに代替さ
せて、有効資源として利用できる。上記目的の第一であ
る汚染物質の無害化の作用及び効果は次の通りである。
【0026】高炉10に装入された所定サイズの塊状の
原料ないし副原料は一般に炉内滞留時間は凡そ1〜2h
r程度と比較的長時間である。高炉10に装入された土
壌5も、最大限これに準じる炉内滞留時間を有する。そ
して、 (イ)土壌5に含まれた有機系物質、例えば、ベンゼン
や重油系等の油類、シアン化合物やトリクロロエチレン
等の油類以外の有機系物質は、炉内最高温度約2000
℃以上の温度条件を有する高炉10内におかれるので、
すべての有機系物質は熱分解する。そして、炉内の上昇
ガス流に混じって上昇し、炉頂から排出される高炉ガス
11の中に、CO2 、H2 O、N2 等となって存在し、
高炉10の通常操業時の高炉ガス11中の無害ガス成分
の一部を構成するに至る。
【0027】(ロ)土壌5に含まれた有害な重金属、例
えば、Pb、Cd、Cr、Hg、Zn及びAs等の重金
属は、これらの内、沸点が比較的低いPb、Hg、Zn
はその大部分が気化して、上記同様、炉内の上昇ガス流
に混じって上昇し、炉頂から排出される高炉ガス11の
中に混入する。高炉ガス11の温度低下に伴い、Pb、
Znは固体微粉に、Hgは微粒液粒に変態し、除塵装置
ないし集塵装置(いずれも図示せず)で高炉ガス11中
のダストと共に捕捉される。当該ダスト中に占める上記
重金属粒子の含有率は、実施例の項で後述するように著
しく小さく(表3参照)、実際上、無害化される。
【0028】(ハ)上記有害な重金属の内、上記高沸点
成分を除くCd、Cr、Asは、炉内で溶融し、それぞ
れその一部分は1480〜1520℃程度の温度を有す
る溶銑中にメタル成分として溶解し、また、それぞれの
残部は酸化物となり、1480〜1520℃程度の温度
を有する溶融スラグ中に移行して酸化物の形態で溶融ス
ラグ化される。当該溶銑ないし溶融スラグ中に占めるこ
れら各重金属成分の含有率は、実施例の項で後述するよ
うに著しく小さく(表3参照)、実際上、無害化され
る。
【0029】このようにして、汚染土壌1の無害化がな
され、これを高炉10に装入した第一の目的は完全に達
成される。
【0030】上記目的の第二である汚染土壌の有効資源
化の作用及び効果は次の通りである。 高炉10に装入
された土壌5本体が、炉内で受ける熱的雰囲気条件も、
上記有害物質が炉内におかれた条件に準じる。従って、
土壌5本体の主成分中のSiO2 、CaO及びMgO
は、高温に加熱され、溶銑製造における造滓材として利
用され、当該三成分を含む多元系溶融酸化物を形成しつ
つ、炉内の溶融スラグ14中に移行して溶融スラグ化す
る。このようにして、高炉10に装入された土壌5本体
は、高炉の溶融スラグ14のボリューム増加に寄与す
る。こうして形成される溶融スラグ14の成分組成を、
通常の高炉操業における溶融スラグの成分組成と実用上
同じに調整すれば、汚染土壌5が装入された高炉操業時
の溶融スラグ14も、通常操業時の溶融スラグと同様、
水滓16にしてセメント材料18として使用することが
でき、また、徐冷滓17にして路盤材19として使用す
ることができる。ここで、汚染土壌5を装入した操業時
の溶融スラグ14中の有害重金属の含有率は、前述の通
り低く、実用上無害化さているので、問題がない。
【0031】このように、汚染土壌5を高炉10に装入
し、当該操業時の溶融スラグ16をセメント材料18あ
るいは路盤材19に調製して資源化活用するためには、
高炉への装入副原料中、SiO2 源である珪石、SiO
2 源と同時にMgO源でもある蛇紋岩、並びに、CaO
源である石灰石の装入量を減らし、その当量を汚染土壌
5で代替することが必要である。また、土壌中の有害物
質が分解して生成するCO2 、H2 O、N2 は高炉ガス
中に入るので、高炉ガス構成成分として利用し得る。ま
た、ダスト中に入ったPb、Cr及びZn等の有価金属
は、これを回収することも可能であり、資源化を図るこ
ともできる。
【0032】このようにして、汚染土壌1の有効資源化
がなされ、これを高炉10に装入した第二の目的は完全
に達成される。
【0033】〔2〕ケース2:汚染土壌を焼結鉱に含有
させて高炉に直接装入する場合ケース2は、図1に示す
ように、異物を分離・除去した後の汚染土壌1を篩分け
装置3で分級し、篩下土壌6を焼結原料に調製する。即
ち、焼結原料ヤードにおける他の焼結原料である鉄鉱石
粉、副原料である石灰石、珪石及び紋岩等、炭材、並び
に、返鉱等と共に汚染土壌(粉)7をブレンディングし
て成分調整8をする。こうして成分調整された焼結原料
8’を焼結機9で焼成して焼結鉱20を製造する。そし
て、当該焼結鉱20を高炉10への装入原料として使用
する。
【0034】ケース2においても、有害物質で汚染され
た土壌(粉)7を含んだ焼結鉱20を高炉10に装入す
る目的は、ケース1の場合と同じであり、第一は、当該
汚染物質である重金属及び有機系物質を間接的に高炉1
0に装入し、炉内の高温条件下において、無害化するこ
とにあり、第二は、土壌(粉)7の構成主成分中のSi
2 、CaO及びMgOに注目して、高炉への装入副原
料をその内の若干なりともに代替させて、有効資源とし
て利用することにある。高炉10へ装入された焼結鉱2
0に含まれている汚染土壌(粉)7がおかれる熱的その
他の条件、及びその反応等の挙動は、ケース1の場合の
それらに準じる。従って、汚染土壌(粉)7中汚染物質
の無害化状況、及び有効資源化状況もケース1の場合に
準じてなされる。
【0035】この発明において、汚染土壌1の無害化処
理及び有効資源化を、ケース1とケース2とに分けて行
なうのが望ましい理由は、所定粒径、例えば、5mm以
上、望ましくは15mm以上の塊状土壌5は、これを直
接高炉に装入しても炉内通気性を損なうことがなく、ま
た装入時の飛散も抑制される。粒径が15mm以下、望
ましくは5mm以下のものは、直接高炉に装入すると炉
内通気性を害するので、高炉への装入形態としては行な
うべきでない。一方、このような粒径の土壌(粉)7
は、焼結原料として適しているからである。従って、受
け入れられた汚染土壌の粒度状態に応じて、適切に使い
分けることが重要である。
【0036】
【実施例】次に、この発明を、実施例によって更に詳細
に説明する。
【0037】図1に示したこの発明の方法を実施するフ
ロー図に従って、本発明の範囲内の試験(実施例)及び
本発明の範囲外の試験(比較例)を行なった。表1に、
実施例及び比較例で使用した汚染土壌1の主要成分及び
汚染物質成分の組成を示し、表2に、高炉10の操業条
件及び当該高炉10への汚染土壌1の装入量を示す。汚
染土壌1を篩分け装置3及び破砕装置4で分級した。粒
径5mmアンダーの土壌(粉)6を焼結原料8’用に使
用し、粒径5mm超えの土壌(塊)5を、他の装入原料
と共に、直接高炉に装入した。なお、焼結機の操業条件
は、通常の範囲内で行なった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】上記高炉操業において、汚染土壌の無害化
効果を調べるために、実施例及び比較例のそれぞれの試
験期間中、高炉ガス11の成分組成分析、並びに、高炉
排ガス中ダスト、溶銑、及び溶融スラグ中の有害重金属
成分組成の分析を行なった。これらの結果を、表3に示
す。
【0041】表3よりわかるように、高炉排ガスの成分
組成、並びに、高炉排ガス中ダスト、溶銑、及び溶融ス
ラグの各物質に含有される有害重金属成分の量は、いず
れも、実施例と比較例との間で差は認められず、しか
も、それらの含有量は実施例及び比較例共に環境基準値
を満たすものである。
【0042】
【表3】
【0043】また、汚染土壌使用による高炉副原料及び
焼結原料の一部代替効果を調べるために、実施例におけ
る高炉及び焼結機における石灰石、蛇紋岩及び珪石の使
用原単位の低減量を、表4に示す。
【0044】表4からわかるように、汚染土壌の高炉へ
の直接装入、及び焼結鉱を媒体としての高炉への装入に
より、高炉及び焼結機操業のいずれにおいても、副原料
原単位の低減が認められる。
【0045】
【表4】
【0046】更に、高炉操業で副生した溶融スラグの
内、一部をセメント材料18用途に水滓16とし、残部
を路盤材19用途に徐冷滓17とした。これら水滓及び
徐冷滓について、物理性状試験を行なった。その結果
を、表5に示す。
【0047】表5からわかるように、絶乾比重、吸水
率、及びすり減り減量について、実施例と比較例との間
に差は認められない。そして、これらの特性値水準は、
水滓16についてはコンクリート用スラグ骨材(JIS
A5011)を、徐冷滓17については道路用鉄鋼ス
ラグ(JIS A5015)をそれぞれ満たすものであ
った。
【0048】
【表5】
【0049】以上の試験により、月間2000トンとい
うかなり大量の汚染土壌を完全に無害化処理することが
可能であることが明らかとなった。そして、この発明の
方法によれば、汚染土壌中の有害重金属及び有機系物質
は、完全に無害性ガスに変化した後に、高炉プロセス系
外へ排出されるか、又は、高炉プロセス系内の生成物中
に完全に封じ込まれた状態となる。従って、汚染土壌
と、高炉ダスト、溶銑及び溶融スラグとの間における、
汚染土壌からインプットされる有害物質のマスバランス
に基づき、当該高炉における汚染土壌の完全無害化処理
量を算定することもできるとの知見も得られた。また、
汚染物質の当該封じ込めによる自害作用は実用上、皆無
である。また、副生物の高炉スラグは、従来通りの用途
に問題無く供給することができる。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
下記効果が得られる。
【0051】1.重金属及び/又は有機系物質で汚染さ
れた土壌に対して、完全な無害化処理をすることができ
る。そして、周辺等他への環境を害することはない。
【0052】2.当該無害化処理は、既存の生産設備で
ある高炉において、その通常通りの操業条件下において
行なうことができるので、新たな設備としては、ごくわ
ずかな補助装置があれば足りる。しかも、その補助装置
も、高炉プロセス地区で常用されるものである。従っ
て、新たな設備費は殆どかからない。また、運転費も新
たには殆どかからない。
【0053】3.従来技術に比べて著しく大量の汚染土
壌に対して無害化処理が可能となる。
【0054】4.高炉及び焼結機への装入原料中、Si
O2源、CaO源及びMgO源物質の使用原単位を低下
させることができる。
【0055】5.汚染土壌が装入された高炉の副生物で
あるスラグは、セメント材料及び路盤材として従来通り
使用可能である。
【0056】上記効果が得られる汚染土壌の無害化処理
方法並びに無害化処理及び利用方法を提供することがで
き、工業上極めて有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の望ましい実施態様例を説明するフロ
ー図である。
【符号の説明】
1 汚染土壌 2 仮置場 3 篩分け装置 4 破砕装置 5 汚染土壌(塊) 6 篩下土壌 7 汚染土壌(粉) 8 成分調整 8’ 焼結原料 9 焼結機 10 高炉 11 高炉ガス 12 高炉ダスト 13 溶銑 14 溶融スラグ 15 製鋼工程 16 水滓 17 徐冷滓 18 セメント材料 19 路盤材 20 焼結鉱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下御領 伸一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA41 AB03 AB05 AC04 AC08 BA02 BA05 CA04 CA08 CA27 CA28 CA29 CB01 CB50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重金属及び有機系物質の内のいずれか一
    方又は両方からなる有害物質で汚染された土壌を、操業
    中の高炉に装入し、前記土壌に含まれた前記有害物質を
    前記高炉内において、分解、ガス化、燃焼、溶融、溶解
    及び溶融スラグ化の各処理の内の、いずれか一種又は二
    種以上の組合わせにより、無害化されたガスにするか、
    当該高炉内の溶銑もしくは溶融スラグの中に移行させて
    実質的に無害化された状態にするか、又は、高炉排ガス
    中ダストの中に移行させて実質的に無害化された状態に
    することを特徴とする、汚染土壌の無害化処理方法。
  2. 【請求項2】 重金属及び有機系物質の内のいずれか一
    方又は両方からなる有害物質で汚染された土壌を、操業
    中の高炉に溶銑製造用副原料の一部として装入し、前記
    土壌に含まれた前記有害物質を前記高炉内において、分
    解、ガス化、燃焼、溶融、溶解及び溶融スラグ化の各処
    理の内の、いずれか一種又は二種以上の組合わせによ
    り、無害化されたガスにするか、当該高炉内の溶銑もし
    くは溶融スラグの中に移行させて実質的に無害化された
    状態にするか、又は、高炉排ガス中ダストの中に移行さ
    せて実質的に無害化された状態にすると共に、前記無害
    化されたガスを高炉ガスの一部としての利用、前記実質
    的に無害化された溶融スラグをセメント材料又は路盤材
    としての利用、及び、前記実質的に無害化されたダスト
    を酸化鉄源物質若しくは鉄源物質としての利用又は当該
    ダストに含有される有価金属の回収利用の内の少なくと
    も一つの用途に供することを特徴とする、汚染土壌の無
    害化処理及び利用方法。
  3. 【請求項3】 重金属及び有機系物質の内のいずれか一
    方又は両方からなる有害物質で汚染された土壌を、操業
    中の高炉へ装入することにより無害化する方法であっ
    て、前記汚染された土壌を高炉用焼結鉱製造の副原料の
    一部として用い、こうして得られた前記焼結鉱を前記高
    炉に装入し、そして請求項1記載の方法により無害化す
    ることを特徴とする、汚染土壌の無害化処理方法。
  4. 【請求項4】 重金属及び有機系物質の内のいずれか一
    方又は両方からなる有害物質で汚染された土壌を、操業
    中の高炉へ装入することにより無害化する方法であっ
    て、前記汚染された土壌を高炉用焼結鉱製造の副原料の
    一部として用い、こうして得られた前記焼結鉱を前記高
    炉に装入し、そして請求項2記載の方法により無害化す
    ると共に、同請求項記載の用途に供することを特徴とす
    る、汚染土壌の無害化処理及び利用方法。
  5. 【請求項5】 前記有害物質で汚染された前記土壌とし
    て、予め当該土壌から金属片類の異物を除去し、次いで
    当該異物を除去された当該土壌を分級し、こうして分級
    された土壌を用いる、請求項1又は請求項3に記載の汚
    染土壌の無害化処理方法。
  6. 【請求項6】 前記有害物質で汚染された前記土壌とし
    て、予め当該土壌から金属片類の異物を除去し、次いで
    当該異物を除去された当該土壌を分級し、こうして分級
    された土壌を用いる、請求項2又は請求項4に記載の汚
    染土壌の無害化処理及び利用方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009091643A (ja) * 2007-10-12 2009-04-30 Jfe Steel Kk 製鉄ダストの処理方法
KR101136556B1 (ko) 2010-02-08 2012-04-17 경기도 오염된 토양의 석유류 및 중금속을 동시에 제거하는 방법

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