JP2000240493A - ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置

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JP2000240493A
JP2000240493A JP11037781A JP3778199A JP2000240493A JP 2000240493 A JP2000240493 A JP 2000240493A JP 11037781 A JP11037781 A JP 11037781A JP 3778199 A JP3778199 A JP 3778199A JP 2000240493 A JP2000240493 A JP 2000240493A
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Japan
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fuel
injection
fuel injection
nozzle
engine
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JP11037781A
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Kotaro Wakamoto
晃太郎 若本
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Publication date
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジンがいかなる運転条件であっても、きめ
細かく噴射期間の噴射率を制御することで、NOxの低
減、スモークの低減、燃費の低減、騒音の低減を確実に
実現する。 【解決手段】燃料噴射ノズル7の内側に、駆動位置に応
じて噴孔17の流入口に流入する流量を変化させる駆動
部材15が設けられる。そして噴射期間T中の時間経過
に応じて燃料の噴射率が大きくなるように、ディーゼル
エンジン1の運転条件に応じた変化パターンP1…Pm
…Pnで、駆動部材15の駆動位置を連続的に変化させ
ることによって燃料の噴射率が連続的に変化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンの燃料噴射ノズルから噴射される燃料の噴射率を制御
する燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ディ
ーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比較して熱効率
に優れていて過酷な条件(高負荷連続運転)に耐えるな
どの利点を有している。しかし一方で窒素酸化物NOx
がガソリンエンジンの2〜3倍程度排出されたり、スモ
ーク(粒子状排出物)が排出されたりするなど排気が清
浄ではなく、環境的に好ましくないなどの不利な点もあ
る。したがってNOxの低減、スモークの低減がディー
ゼルエンジンには要求されている。またディーゼルエン
ジンの燃費を更に向上させ、騒音を低減させることが望
まれている。
【0003】ディーゼルエンジンでは、ピストンによっ
て圧縮した圧縮室(燃焼室)内に燃料噴射ノズルの噴孔
から燃料を噴射させることで燃料を燃焼させる。
【0004】ここでエンジンの運転条件に応じて燃料の
噴射率を変化させ燃焼状態を変えることで、NOxの低
減、スモークの低減、燃費の向上、騒音の低減を図る試
みがなされている。
【0005】エンジンの運転条件に応じて燃料の噴射率
を制御することに関する発明として、特開昭61−22
3263号公報に記載されたものがある。
【0006】一般的に燃料の噴射率qは、燃料噴射ノズ
ルの噴孔の面積をAとし、流速をvとすると下記(1)
式で表される。
【0007】q=A・v …(1) また流速vは、cを流量係数、ΔPを噴孔の前後差圧、
ρを燃料の密度として、下記(2)式で表される。
【0008】v=c・√(2・ΔP/ρ) …(2) 上記公報に記載された発明は、燃料噴射率qを変化させ
るために噴孔の前後差圧ΔPを変化させるというもので
ある。したがって燃料噴射率qを小さくするためには噴
孔の前後差圧ΔPを小さくする必要がある。
【0009】しかし噴孔の前後差圧ΔPを小さくする
と、上記(2)式から明らかなように噴孔からの燃料の
噴霧流速vについても小さくなってしまう。このため燃
焼室に噴射される燃料の微粒化が妨げられる。
【0010】燃料の微粒化がなされないと、スモーク
(黒煙)の増加や予混合期間(燃料が噴射されてから着
火されるまでの遅れ時間)の増加によって初期燃焼が激
化してNOxの増加や騒音の増大を招く。
【0011】したがって燃料噴射ノズルの噴孔の前後差
圧ΔPを変化させる制御は、これを採用することができ
ない。
【0012】また特開平8−4625号公報には、燃料
噴射ノズルに、面積の異なる2種類の噴孔を設け、ノズ
ル先端に設けたバルブにより、運転条件に応じて噴孔を
切り換えるという発明が記載されている。
【0013】しかし異なる2つの面積の噴孔に切り換え
るだけであるので、2値的にしか燃料噴射率を変化させ
ることができない。このためエンジンの運転条件に応じ
てきめの細かい噴射率の制御を行うことができない。
【0014】またこの発明は燃料の噴射期間毎に噴孔を
切り換えることを前提とする発明である。仮に噴射期間
の途中で噴孔の切換えがなされると、急激な噴孔面積の
変化により燃料噴射ノズル内での燃圧が急激に変化して
しまう。このため安定した噴射が行われなくなる。また
キャビテーションエロージョンが発生して燃料噴射ノズ
ルの破損を招くおそれがある。
【0015】したがって燃料噴射ノズルの噴孔の面積を
2値的に急激に変化させる制御は、これを採用すること
ができない。
【0016】また特開平9−280134号公報には、
燃料噴射ノズルの針弁の先端にロータリバルブを設け、
このロータリバルブの回転角に応じて噴孔面積を変化さ
せるという発明が記載されている。ただし噴射期間毎に
噴孔面積を変化させるという制御を行っており、噴射期
間中は一定の面積に保たれる。
【0017】ここで図6はディーゼルエンジンの燃焼モ
デルを示している。横軸はクランクシャフトの角度(時
間)を示し、縦軸はエンジンの圧縮室内の圧力(筒内
圧)を示している。燃料噴射ノズルの噴孔からは上死点
(T.D.C)付近の所定の噴射期間中に燃料が圧縮室
内(筒内)に噴射される。図7は燃料噴射ノズルの噴孔
からの単位時間当たりの噴射量つまり噴射率の時間変化
を示している。横軸は図6と同様にクランク角度(時
間)を示し、縦軸は噴射率を示している。
【0018】図6、図7においてL2は噴孔の面積が大
きい燃料噴射ノズルを使用した場合を示し、L3は噴孔
の面積が小さい燃料噴射ノズルを使用した場合を示して
いる。図7において燃料噴射ノズルから噴射期間中に噴
射される燃料の合計量(燃料噴射量)は、L2、L3とも
に同じである。
【0019】ディーゼルエンジンにおいて騒音を低減
し、NOxを低減するためには、図6のAに示すように
燃焼に伴う筒内圧の立ち上がりを緩やかにすることが必
要である。また燃費を低減し、スモークの発生を少なく
するためには、Bに示すように燃焼の終期を早めること
が必要である。
【0020】しかし噴孔面積の大きい燃料噴射ノズルを
使用した場合(L2の場合)には、燃焼に伴う筒内圧の
立ち上がりが急となり、燃焼の終期が早められる。
【0021】このため燃費が低減し、スモークの発生が
少なくはなるものの、騒音の低減、NOxの低減は図れ
ない。これは噴射期間の初期に過剰の燃料が供給され、
この過剰の燃料の蒸気が予混合燃焼により燃焼して圧力
と温度が急上昇して音を発生するからである。また温度
が高くなることに伴ってNOxが増大するからである。
一方噴射期間が短いため、予混合燃焼が火種となって後
から噴射されてくる燃料を燃やす拡散燃焼の期間が短
い。このため拡散燃焼の期間中に噴射された燃料が局所
的に濃くなり酸素が欠乏するという現象が回避される。
これにより燃料の炭化水素のうち水素だけが燃えて炭素
成分だけが残りすすとなって排気されることが少なくな
る。また拡散燃焼の期間が短くなり熱効率が向上しパワ
ー、燃費は良くなる。
【0022】これに対して噴孔面積の小さい燃料噴射ノ
ズルを使用した場合(L3の場合)には、燃焼に伴う筒
内圧の立ち上がりが緩やかとなり、燃焼の終期が遅くな
る。
【0023】このため騒音が低減し、NOxが低減する
ものの、燃費の低減、スモークの発生抑止が図れなくな
る。
【0024】以上のように噴射期間中に燃料噴射ノズル
の噴孔の面積を一定の面積に固定する従来技術を適用し
た場合には、騒音の低減およびNOxの低減の効果が得
れなかったり、燃費の低減およびスモークの発生抑止の
効果が得られないことになっていた。
【0025】また特開平10−259773号公報に
は、同様にロータリバルブの回転角に応じて噴孔面積を
変化させる発明が記載されており、この公報記載のもの
では噴射期間内に噴孔面積が変化する。
【0026】しかし噴射期間内に噴孔面積を変化させる
ことはできても、その変化のパターンは、ロータリバル
ブの機械的構造により定める一義的なものである。エン
ジンの運転条件に応じて噴孔面積の変化パターンを変化
させることはできない。エンジンの運転条件に応じて噴
孔面積の変化パターンを変化させることができないと、
エンジン運転条件によってはNOxの低減、スモークの
低減、燃費の向上、騒音の低減に対処することはできな
い。したがって噴孔面積を一義的な変化パターンで変化
させる制御は、これを採用することができない。
【0027】また特開平10−266930号公報に
は、ノズルの外側に弁体を設け、この弁体を駆動するこ
とで噴孔の面積を変化させるという発明が記載されてい
る。
【0028】しかし弁体をノズルの外側に設けた場合に
は、 (a)エンジンの圧縮室内の高温雰囲気に曝される弁体
の冷却が困難となる。
【0029】(b)弁体とノズルとの間の空間にカーボ
ンが蓄積され、弁体の移動が困難になる。
【0030】(c)ノズルと弁体との隙間を確実にシー
ルする必要があるが、シールを確実に行うことは困難で
ある。
【0031】という問題が招来する。
【0032】したがって弁体をノズルの外側に設けると
いう構成は、これを採用することができない。
【0033】本発明はこうした実状に鑑みてなされたも
のであり、エンジンがいかなる運転条件であっても、き
め細かく噴射期間の噴射率を制御することで、NOxの
低減、スモークの低減、燃費の低減、騒音の低減を確実
に実現することを解決課題とするものである。
【0034】
【課題を解決するための手段および作用、効果】そこで
本発明の第1発明は上記解決課題を達成するために、デ
ィーゼルエンジンの圧縮室内に、燃料を噴孔の流出口を
介して噴射期間中に噴射する燃料噴射ノズルを備え、前
記燃料噴射ノズルから噴射される燃料の噴射率を制御す
るようにしたディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置に
おいて、前記燃料噴射ノズルの内側に設けられ、駆動位
置に応じて前記噴孔の流入口に流入する流量を変化させ
る駆動部材と、前記噴射期間中の時間経過に応じて前記
燃料の噴射率が大きくなるように、前記ディーゼルエン
ジンの運転条件に応じた変化パターンで、前記駆動部材
の駆動位置を連続的に変化させることによって前記燃料
の噴射率を連続的に変化させる制御手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0035】第1発明を図3、図5、図6、図7を参照
して説明する。
【0036】第1発明によれば、図3に示すように、噴
射期間T中の時間経過に応じて燃料の噴射率が大きくな
るように、ディーゼルエンジン1の運転条件に応じた変
化パターンP1…Pm…Pnで、燃料の噴射率が連続的
に変化される。
【0037】このため図7のL1に示すように噴射期間
の初期に供給される燃料噴射量が小さくなるため、図6
のL1に示すように燃焼に伴う筒内圧の立ち上がりが緩
やかになる。この結果噴射期間の初期に過剰の燃料が供
給されることがないので、過剰の燃料の蒸気が予混合燃
焼により燃焼して圧力と温度が急上昇して騒音が発生す
ることが回避される。また温度が高くなることがないの
でNOxが低減する。
【0038】また図7のL1に示すように噴射期間の後
期にいくほど燃料噴射率が増大するため、図6のL1に
示すように燃焼の終期が早められる。この結果噴射期間
が短くなり、拡散燃焼の期間も短くなる。これにより拡
散燃焼の期間中に噴射された燃料が局所的に濃くなり酸
素が欠乏するという現象が回避される。よって燃料の炭
化水素のうち水素だけが燃えて炭素成分だけが残りすす
となって排気されることが少なくなる。また燃焼初期の
熱発生率が小さくなり、中期〜後期の熱発生率が大きく
なるので熱効率が向上し、パワー、燃費が良くなる。
【0039】以上のように本第1発明によれば噴射期間
T中の時間経過に応じて燃料の噴射率が大きくなるよう
に制御しているため、騒音の低減、NOxの低減、燃費
の低減、スモークの発生抑止が同時に達成される。
【0040】また第1発明によれば、ディーゼルエンジ
ン1の運転条件に応じた変化パターンP1…Pm…Pn
で燃料の噴射率が制御される。このためエンジン1の運
転条件いかんにかかわらずNOxの低減、スモークの低
減、燃費の向上、騒音の低減に対処することができる。
【0041】また第1発明によれば、燃料の噴射率が連
続的に変化されるように制御される。このためエンジン
の運転条件に応じてきめの細かい噴射量の制御を行うこ
とができる。また噴射期間の途中で噴射率が急激に変化
することがないので、急激な噴射率の変化により燃料噴
射ノズル内での燃圧が急激に変化してしまうことがなく
なる。このため安定した噴射が行われるとともに、燃料
噴射ノズルに破損を来すこともない。
【0042】また第1発明によれば、図5の矢印に示す
ように、燃料噴射ノズル7の噴孔17の面積Aを連続的
に変化させることによって、燃料の噴射率が連続的に変
化される。
【0043】このように噴孔17の面積Aを変化させる
ことによって燃料の噴射率を変化させるようにしている
ので、上述した(1)式(q=A・v)、(2)式(v
=c・√(2・ΔP/ρ)から明らかなように、噴孔1
7からの燃料の噴霧流速vを高い値に維持したまま噴射
率qを低くすることができる。このため圧縮室2に噴射
される燃料の微粒化を促進することができる。燃料の微
粒化が促進されることで、スモーク(黒煙)の抑止、予
混合期間の増加による予混合燃焼の激化に伴うNOxの
増加、騒音の増大を防ぐことができる。
【0044】また第1発明によれば、図5に示すように
燃料噴射ノズル7の内側に、駆動位置に応じて噴孔17
の流入口に流入する流量を変化させる駆動部材15が設
けられ、この駆動部材15の駆動位置が変化されること
によって燃料の噴射率が変化される。
【0045】このように駆動部材15を燃料噴射ノズル
7の内側に設ける構成としているので、弁体をノズルの
外側に設けるという従来技術と比較して、 (a)′圧縮室2内の高温雰囲気に曝されることなく駆
動部材15の冷却が容易となる。 (b)′ノズル7(ノズルボディ13)との間にカーボ
ンが蓄積されることがなく駆動部材15の駆動が蓄積さ
れたカーボンにより阻害されることがない。
【0046】(c)′ノズル7(ノズルボディ13)と
駆動部材15との間のシールが不要となる。
【0047】という効果が得られる。
【0048】また第2発明では、上記第1発明におい
て、前記燃料噴射ノズルは、当該燃料噴射ノズルの内側
に設けられた噴孔開閉部材を、燃圧に応じて開側へ移動
させる燃料噴射ノズルであり、前記噴孔開閉部材の前記
開側への移動を検出する検出手段を備え、前記検出手段
で前記噴孔開閉部材の前記開側への移動が検出された際
に、前記制御手段による制御を開始するようにしたこと
を特徴とする。
【0049】第2発明を図3、図4を参照して説明す
る。
【0050】図4に示すように、燃料噴射ノズル7で
は、燃圧に応じて噴孔開閉部材14が開側へ移動され
る。そして検出手段8によって噴孔開閉部材14の開側
への移動が検出される。
【0051】そして図3に示すように検出手段8で噴孔
開閉部材14の開側への移動が検出された際に、変化パ
ターンP1…によって燃料噴射率を連続的に変化させる
制御が開始される。具体的には検出手段8で噴孔開閉部
材14の開側への移動が検出された時点を実噴射開始時
期t0としてこの時点t0から駆動部材15の駆動位置を
変化させることで噴射率を変化パターンに従い連続的に
変化させていく。
【0052】本第2発明によれば、従来検出することが
できなかった実噴射開始時期t0を確実に検出すること
ができ、燃料噴射率を連続的に変化させる制御を正確に
行うことができる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明に係る
ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置の実施形態につ
いて説明する。
【0054】図1はディーゼルエンジンの燃料噴射制御
装置の第1の実施形態の構成を示す。
【0055】すなわちディーゼルエンジン1は、シリン
ダと、シリンダ内に摺動自在に配設され、シリンダ内を
上下に往復移動するピストンとから構成されている。ピ
ストンの上部のシリンダ室が圧縮室2を構成する。圧縮
室2はピストンによって混合気が圧縮される室でもあ
り、混合気中の燃料が燃焼する燃焼室でもある。シリン
ダ内で燃焼された後の排気ガスは排気マニホールド4を
介して外気に排出される。なお本実施形態ではレシプロ
エンジンを想定しているがロータリエンジンにも適用可
能である。
【0056】エンジン1には空気を供給する吸気マニホ
ールド3が設けられている。この吸気マニホールド3を
介して圧縮室2内に空気が供給される。
【0057】一方燃料タンク10にはエンジン1の燃料
が貯留されている。燃料タンク10内の燃料は燃料噴射
ポンプ11によって吸い込まれ燃料噴射管12を介して
燃料噴射ノズル7に吐出される。燃料噴射ポンプ11は
エンジン1の回転に応じて駆動されるポンプであり一回
転当たり一定容積の燃料を吐出する。燃料噴射ポンプ1
1はジャーク式列型ポンプを想定している。なおコモン
レイル式システムやユニットインジェクタシステムを用
いてもよい。
【0058】燃料噴射ノズル7からは、図4に示すよう
に先端に設けられた複数(たとえば4つ)の噴孔17を
介してエンジン1のシリンダ内(気筒内)に燃料が噴射
される。
【0059】燃料噴射ノズル7の構造を図4を参照して
説明する。
【0060】図4は燃料噴射ノズル7の縦断面図を示し
ている。同図4においてノズルボディ13内には針弁1
4が図中上下に移動自在に内装されている。さらに針弁
14内にはスリーブ15が図中上下に移動自在に内装さ
れている。スリーブ15の上端部は針弁14の上方へ突
出され、スリーブ15の下端部は針弁14の下方へ突出
されている。スリーブ15の上端は噴孔制御アクチュエ
ータとしての圧電アクチュエータ8に接続されている。
また圧電アクチュエータ8と針弁14の上端との間には
スプリング16が介在されている。したがって圧電アク
チュエータ8が駆動されてスプリング16によるバネ力
に打ち勝つ力が発生すると針弁14に対してスリーブ1
5が相対的に変位する。
【0061】ノズルボディ13には燃料通路19が形成
されている。燃料通路19の上流は燃料噴射管12に連
通している。そして燃料通路19の下流はノズルボディ
13に形成された油だまり22に連通している。ノズル
ボディ13の先端にはノズル噴孔17が形成されてい
る。油だまり22は針弁14のテーパ面に臨む位置に設
けられている。
【0062】スリーブ15の下端部内には、油だまり2
2に連通可能な燃料通路20と、ノズル噴孔17に連通
可能なスリーブ噴孔18が形成されている。燃料通路2
0とスリーブ噴孔18はスリーブ15内において連通し
ている。なおスリーブ15の先端はノズルサック21に
面している。
【0063】ここで燃料通路19に燃料が供給され、油
だまり22に燃料が満たされ、燃圧が高まると、針弁1
4の上記テーパ面に上向きの力が作用して針弁14が上
昇する。すると燃料は油だまり22から燃料通路20、
スリーブ噴孔18を介してノズル噴孔17より圧縮室2
内に噴射される。燃料通路19に燃料が供給されなくな
り、油だまり22の燃料がなくなり、燃圧が低くなる
と、針弁14のテーパ面に上向きの力が作用しなくなり
針弁14が下降する。針弁14が上昇している間燃料が
圧縮室2内に供給される。この燃料の噴射開始から噴射
終了までの期間のことを「噴射期間」という。エンジン
1のピストンが上死点(T.D・C)付近にある所定の
期間内に燃料が噴射される。燃料は、圧縮室2内に吸気
マニホールド3を介して供給される空気に対して所定の
比率をもって圧縮室2内に噴射される。
【0064】燃料噴射ノズル7から噴射された燃料は、
圧縮室2内の熱い空気の中を蒸発しながら飛んでいく。
そして燃料の蒸気が空気によって熱せられる。つまり予
混合気が形成される。そして着火温度になると蒸発した
燃料は燃焼する。つまり予混合気が急激に燃焼する。こ
こで圧力と温度が急上昇することで騒音が発生する。ま
たこのときの温度の上昇によって窒素と酸素が結合して
NOxが発生する。予混合気の燃焼の過程を予混合燃焼
という。また燃料を噴射してから予混合気に着火するま
での予混合期間つまり燃料の噴射開始から予混合燃焼が
開始されるまでの期間のことを着火遅れ期間という。
【0065】ディーゼルエンジン1の場合にはガソリン
エンジンと異なり、予混合燃焼に引き続き拡散燃焼がな
される。拡散燃焼とは、予混合燃焼が火種となって後か
ら噴射されてくる燃料を燃やし続ける燃焼のことをい
う。拡散燃焼の過程では噴射された燃料は局所的に濃く
なり酸素欠乏状態となる。このため燃料の炭化水素のう
ちで水素ばかりが燃えて炭素の鎖が形成されている。こ
の炭素の鎖が結合することですすが形成される。すすは
燃焼を終えた排気ガスとともに排気マニホールド4を介
して外気に排出される。
【0066】さて図1に示すようにエンジン1にはエン
ジン1のクランクシャフトの回転位置(クランク角度)
を検出するクランク位置検出センサ5が設けられてい
る。このクランク回転位置検出センサ5で検出されたク
ランク角度を示す信号はエンジンコントローラ6に出力
される。エンジンコントローラ6には、エンジン回転速
度設定ダイヤル等の外部操作信号に基づいてエンジン目
標回転速度(r.p.m)およびエンジン目標トルクを
示す信号が入力される。
【0067】エンジンコントローラ6では、クランク回
転位置検出センサ5の逐次の検出値に基づいてエンジン
1の実際の回転速度(r.p.m)が演算される。
【0068】エンジンコントローラ6ではエンジン1の
実際の回転速度をエンジン目標回転速度にもっていきエ
ンジン1のトルクをエンジン目標トルクにするために必
要な燃料噴射量および燃料噴射率が決定される。そして
決定された燃料噴射量を得るための燃料噴射量指令値が
燃料噴射ポンプ11に出力される。このため燃料噴射ポ
ンプ11では、エンジンコントローラ6で決定された噴
射量の燃料が燃料噴射管12に吐出される。また後述す
るようにエンジンコントローラ6からは、決定された燃
料噴射率に対応する噴孔開度パターンPを示す信号が噴
孔制御コントローラ9に対して出力される。
【0069】噴孔制御コントローラ9では、入力された
噴孔開度パターンPにしたがい燃料噴射ノズル7から噴
射される燃料の噴射率が連続的に変化するように燃料噴
射ノズル7の圧電アクチュエータ8に対してアクチュエ
ータ駆動信号を出力する。
【0070】以下図2、図3、図4、図5を併せ参照し
て上記エンジンコントローラ6および噴孔制御コントロ
ーラ9で行われる燃料噴射の制御の処理内容について説
明する。図5は図4におけるノズル先端要部を拡大して
示している。
【0071】エンジンコントローラ6では、クランク位
置検出センサ5から出力される検出クランク角度信号に
基づいて現在のエンジン回転速度Nが算出される。また
エンジンコントローラ6からは燃料噴射ポンプ11に対
して燃料噴射量を指示する燃料噴射量指令値を出力して
いる。よって現在の燃料噴射量F(トルク)を取得する
ことができる。
【0072】つぎにこうして取得されたエンジン1の現
在の運転条件(エンジン回転速度N、燃料噴射量F)に
対応する噴孔開度パターンPが求められる。具体的には
図2に示すように運転条件に対応する噴孔開度パターン
Pを求めるマップが予め用意されており、このマップか
ら噴孔開度パターンPが読み取られる。
【0073】図2において横軸はエンジン回転速度Nで
あり縦軸は燃料噴射量F(トルク)を示している。エン
ジン回転速度Nおよび燃料噴射量Fはそれぞれ所定のし
きい幅に分割されている。したがってエンジン回転速度
Nおよび燃料噴射量Fの2次元平面は2次元の分割要素
に分割されている。各分割要素には、それぞれ異なる噴
孔開度パターンP1…Pm…Pn…が対応づけられてい
る。噴孔開度パターンP1、Pm、Pnを図3(a)、
(b)、(c)にそれぞれ示す。
【0074】よってエンジン回転速度Nと燃料噴射量F
が定まれば噴孔開度パターンPが一義的に定まる。こう
してエンジン回転速度N、燃料噴射量Fに対応する噴孔
開度パターンPがマップから読み取られる。
【0075】つぎに噴孔制御コントローラ9では、上記
読みとられた噴孔開度パターンPに従いアクチュエータ
駆動信号を出力する。
【0076】図3に示す各噴孔開度パターンP1、P
m、Pnのうち開度パターンP1を代表させて説明す
る。
【0077】図3(a)において実線は、クランク角度
つまり時間の経過に伴い噴孔17の開度が連続的に変化
する様子を示す。この噴孔17の開度の変化パターン
は、燃料噴射率の変化パターンに対応している。ここで
「噴孔17の開度」とは、図5に示すように、ノズル噴
孔17とスリーブ噴孔18とが重なり合った部分の面積
Aのことである。また図3(a)において破線は、クラ
ンク角度(時間)の変化に伴いアクチュエータ駆動出力
の値が連続的に変化する様子を示している。
【0078】噴孔17の開度が0よりも大きい値で変化
している期間(アクチュエータ駆動出力値が0よりも大
きい値で変化している期間)が燃料噴射期間Tに対応し
ている。噴噴17の開度の変化パターンP1は噴射期間
T中の時間経過に応じて燃料噴射率が大きくなるように
設定されている。変化パターンP1を時間で積分した値
が燃料噴射量Fに対応している。
【0079】図3(a)の破線に示すように連続的にア
クチュエータを駆動させる信号が燃料噴射ノズル7の圧
電アクチュエータ8に対して出力されると、図5の矢印
に示すようにノズルボディ13に対してスリーブ15の
先端部が相対的に連続的に変位する。このためノズル噴
孔17とスリーブ噴孔18との重なり部分の面積Aが連
続的に変化し、図5の実線に示すように噴孔17の開度
が連続的に変化する。これによりノズル噴孔17の流入
口に流入する流量が連続的に変化し、ノズル噴孔17の
流出口からエンジン1の圧縮室2内に噴射される燃料の
流量が連続的に変化する。
【0080】このようにしてエンジン1の現在の運転条
件に最適な燃料噴射率の変化パターンをもって、噴射期
間T中の時間経過に伴い噴射率が大きくなるように、噴
射率が連続的に変化することになる。
【0081】エンジン1の運転条件に応じて図3
(b)、(c)に示す他の噴孔開度パターンPm、Pn
が選択された場合も同様である。
【0082】以上のように本実施形態によれば、噴射期
間T中の時間経過に応じて燃料の噴射率が大きくなるよ
うに、ディーゼルエンジン1の運転条件に応じた変化パ
ターンP1…Pm…Pnで、燃料の噴射率が連続的に変
化される。
【0083】このため図7のL1に示すように噴射期間
Tの初期に供給される燃料噴射量が小さくなるため、図
6のL1に示すように燃焼に伴う筒内圧の立ち上がりが
緩やかになる。この結果噴射期間Tの初期に過剰の燃料
が供給されることがないので、過剰の燃料の蒸気が予混
合燃焼により燃焼して圧力と温度が急上昇して騒音が発
生することが回避される。また温度が高くなることがな
いのでNOxが低減する。
【0084】また図7のL1に示すように噴射期間Tの
後期にいくほど燃料噴射率が増大するため、図6のL1
に示すように燃焼の終期が早められる。この結果噴射期
間Tを短くでき、拡散燃焼の期間も短くなる。これによ
り拡散燃焼の期間中に噴射された燃料が局所的に濃くな
り酸素が欠乏するという現象が回避される。よって燃料
の炭化水素のうち水素だけが燃えて炭素成分だけが残り
すすとなって排気されることが少なくなる。また燃焼初
期の熱発生率が小さくなり、中期〜後期の熱発生率が大
きくなるので熱効率が向上し、パワー、燃費が良くな
る。
【0085】以上のように本実施形態によれば噴射期間
T中の時間経過に応じて燃料の噴射率が大きくなるよう
に制御しているため、騒音の低減、NOxの低減、燃費
の低減、スモークの発生抑止が同時に達成される。
【0086】また本実施形態によれば、ディーゼルエン
ジン1の運転条件に応じた変化パターンP1…Pm…P
nで燃料の噴射率が制御される。このためエンジン1の
運転条件いかんにかかわらずNOxの低減、スモークの
低減、燃費の向上、騒音の低減に対処することができ
る。
【0087】また本実施形態によれば、燃料の噴射率が
連続的に変化するように制御される。このためエンジン
1の運転条件に応じてきめの細かい噴射量の制御を行う
ことができる。また噴射期間Tの途中で噴射率が急激に
変化することがないので、急激な噴射率の変化により燃
料噴射ノズル7内での燃圧が急激に変化してしまうこと
がなくなる。このため安定した噴射が行われるととも
に、燃料噴射ノズル7に破損を来すこともない。
【0088】さらに本実施形態によれば、噴孔17の開
度Aを変化させることによって燃料の噴射率を変化させ
るようにしているので、上述した(1)式(q=A・
v)、(2)式(v=c・√(2・ΔP/ρ)から明ら
かなように、噴孔17からの燃料の噴霧流速vを高い値
に維持したまま噴射率qを低くすることができる。この
ため圧縮室2に噴射される燃料の微粒化を促進すること
ができる。燃料の微粒化が促進されると、着火遅れ期間
が短縮され予混合気の生成量を抑えることができる。よ
って燃焼初期の予混合燃焼による急激な熱発生量を抑制
でき、騒音の低減、NOxの低減、さらにはスモーク
(黒煙)の抑止が図られる。
【0089】なお燃料噴射率の制御を高精度に行うため
には、図5においてノズル噴孔17に対するスリーブ噴
孔18の位置決めの精度が高精度に要求される。このた
め燃料噴射ノズル7を製作する際には、スリーブ15と
ノズルボディ13をアッセンブリにした状態で2つの噴
孔17、18を同時に孔あけ加工することが望ましい。
【0090】また本実施形態によれば、上述した(1)
式(q=A・v)と(2)式(v=c・√(2・ΔP/
ρ))に示すように、噴孔17の流量係数cを変えるこ
とで燃料噴射率qを変えることができるという効果が得
られる。
【0091】噴孔17の流量係数cは噴孔17の入口部
の微小な形状の変化で大きく変わる。本実施形態の場合
には流量係数cは、スリーブ噴孔18とノズル噴孔17
を組み合わせた噴孔全体の入口部の形状で変化する。噴
孔全体の入口部の形状は、ノズル噴孔17に対するスリ
ーブ噴孔18の相対的な変位に応じて変化する。この場
合噴孔全体としての流量係数cを実用的な範囲で変更す
るために要するスリーブ15の変位量は噴孔径(0.1
mm〜0.2mm程度)に比べて遙かに小さい。このた
め既存の積層型圧電アクチュエータ8を使用したとして
も流量係数cを実用的な範囲で変更することができる。
ただし、より微小なスリーブ15の変位量で流量係数c
の可変効果を上げるためには、噴孔の径は小さい方が望
ましい。
【0092】さて図4に示す燃料噴射ノズル7では、ス
リーブ15上端に設けられた圧電アクチュエータ8と針
弁14の上端との間にスプリング16を介在させて、圧
電アクチュエータ8に、スプリング16によるバネ力に
打ち勝つ力を発生させてスリーブ15を変位させてい
る。この図4に示す構造の燃料噴射ノズル7の代わり
に、図8に示す構造の燃料噴射ノズル7を採用してもよ
い。
【0093】この図8に示す燃料噴射ノズル7では、ノ
ズルボディ13内壁と針弁14の上端との間にスプリン
グ16が介在され、圧電アクチュエータ8によるスリー
ブ15の動きと、針弁14の動きとが独立するように構
成している。圧電アクチュエータ8に力が発生すると、
針弁14を変位させることなくスリーブ15を変位させ
ることができる。よって圧電アクチュエータ8の作動に
伴う針弁14の不要な変位を防止することができる。
【0094】なお上述した燃料噴射ノズル7では、図5
に示すようにノズル噴孔17とノズル内側のスリーブ噴
孔18とが重なり合った部分の面積Aを変化させること
によって燃料噴射率を変化させているが、図9に示すよ
うにノズル噴孔17とノズル内側のスリーブ34とが重
なり合った部分の面積を変化させることによって燃料噴
射率を変化させてもよい。
【0095】図9は燃料噴射ノズル7の縦断面図を示し
ている。同図9においてノズルボディ13内には針弁3
3が図中上下に移動自在に内装されている。さらに針弁
33の下端にはスリーブ34が設けられている。針弁3
3の上端は図示せぬ圧電アクチュエータ8に接続されて
いる(図11参照)。
【0096】スリーブ34内には燃料通路20が形成さ
れている。スリーブ34の外壁上方には燃料通路20の
一方の開口が形成されており、この開口はシート面35
を介して油だまり22に連通可能となっている。スリー
ブ34の下端面には燃料通路20の他方の開口が形成さ
れており、この開口はノズルサック21を介してノズル
噴孔17の流入口に連通している。
【0097】針弁33がリフトしていない状態では針弁
33はノズルボディ13のシート面35に接している。
また針弁33がリフトしていない状態ではノズル噴孔1
7の流入口がスリーブ34の側壁によって大部分が閉塞
された状態になっている。
【0098】針弁33がリフトしこれに伴いスリーブ3
4が上昇すると、噴孔17の流入口の閉塞部分が小さく
なり、噴孔17の流入口面積Aが大きくなる。噴孔17
の流入口面積Aが大きくなるにつれて燃料噴射率が大き
くなる。
【0099】図10(a)の実線は図9に示す燃料噴射
ノズル7の針弁33のリフト量の変化に伴う噴孔17の
流入口面積Aの変化の特性を示している。また図10
(b)は図9に示す燃料噴射ノズル7の針弁33のリフ
ト量の変化に伴う燃料噴射率の変化の特性を示してい
る。破線は従来の燃料噴射ノズルの特性を示している。
【0100】同図10に示すように針弁33がリフトさ
れるに伴い噴孔17の流入口の面積Aが従来のノズルと
比較して緩やかに徐々に上昇していく。したがって針弁
33がリフトされるに伴い燃料噴射率が従来のノズルと
比較して緩やかに徐々に上昇していくことになる。図1
0には変化パターンを一種類しか示していないが、エン
ジン1の運転条件に応じて圧電アクチュエータ8を駆動
制御することにより、様々なパターンに変化させること
ができる。
【0101】また上述した燃料噴射ノズル7では、ノズ
ル噴孔17の流入口の面積Aを変化させることによって
燃料噴射率を変化させているが、図11に示すようにノ
ズル7内に設けた絞りの絞り量を変化させることによっ
て燃料噴射率を変化させてもよい。
【0102】図11は燃料噴射ノズル7の縦断面図を示
している。同図11においてノズルボディ13内には針
弁36が図中上下に移動自在に内装されている。さらに
針弁36の下端にはスロットル37が設けられている。
針弁36の上端は圧電素子38に接続されている。圧電
素子38以外にも高速、高応答性の力発生アクチュエー
タであれば、代わりにこれを使用することができる。
【0103】スロットル37は、ノズルサック21にお
けるノズルボディ13の内壁とスロットル37の外壁と
の間で絞りが形成されるように、針弁36に設けられて
いる。
【0104】針弁36がリフトしていない状態では針弁
36はノズルボディ13のシート面35に接している。
このときノズルサック21の壁面とスロットル37の壁
面とで形成される絞りの絞り面積(開口面積)が最小と
なる。
【0105】針弁36がリフトしこれに伴いスロットル
37が上昇すると、上記絞りの絞り面積が大きくなる。
上記絞りの絞り面積が大きくなり流量が大きくなるにつ
れて燃料噴射率が大きくなる。
【0106】図12の実線は図11に示す燃料噴射ノズ
ル7の針弁36のリフト量の変化に伴う燃料噴射率の変
化の特性を示している。破線は従来の燃料噴射ノズルの
特性を示している。
【0107】同図12に示すように針弁36がリフトさ
れるに伴い燃料噴射率が従来のノズルと比較して緩やか
に徐々に上昇していくことになる。図12では変化パタ
ーンを一種類しか示していないが、エンジン1の運転条
件に応じて圧電素子38を駆動制御し針弁36のリフト
を制御することにより様々なパターンに変化させること
ができる。
【0108】図1に示す第1の実施形態に対しては種々
の変形が可能である。針弁14がリフトしたことを検出
し、この検出信号をトリガとして噴孔開度パターンPを
出力させるようにしてもよい。すなわち、針弁14がリ
フトを開始すると、針弁14に上向きの力が作用し加速
度が生じるため、圧電アクチュエータ8に起電力が発生
する。この圧電アクチュエータ8で発生した起電力を検
出することによって針弁14がリフトし始めたことを検
出することができ、実噴射開始時期t0を検出すること
ができる。この圧電アクチュエータ8で検出された針弁
14のリフト開始を示す針弁リフト信号は噴孔制御コン
トローラ9に出力される。
【0109】コントローラ9は、この入力された針弁リ
フト信号に応じて圧電アクチュエータ8に対して駆動電
圧を出力する。なお針弁リフト信号を他のエンジン制御
のためのトリガとして用いてもよい。
【0110】本実施形態の場合には、コントローラ9に
実噴射開始時期t0を示す針弁リフト信号が入力された
時点で、図3(a)の破線に示すアクチュエータ駆動指
令が燃料噴射ノズル7の圧電アクチュエータ8に出力さ
れ始める。なお針弁リフト信号が入力された時点より所
定時間経過した時点でアクチュエータ駆動指令を出力し
始めてもよい。
【0111】本実施形態では、燃料噴射ノズル7で、針
弁14が開側(図面中上方)へ移動したこと、つまり針
弁14がリフトし始めたことを検出して、この検出信号
に応じて噴射率に対応する開度パターンPを出力するよ
うにしている。このため従来検出することができなかっ
た実噴射開始時期t0を確実に検出できるようになり、
燃料噴射率を連続的に変化させる制御を正確に行うこと
ができる。
【0112】なお本実施形態では圧電アクチュエータ8
で発生した起電力によって針弁14のリフトを検出する
ようにしているが、これ以外に、変位、加速度などを検
出するセンサを用いて針弁14のリフトを検出してもよ
い。
【0113】なお以上説明した実施形態では、図2に示
すようにエンジン1の燃料噴射率の変化パターンを、エ
ンジンの回転数、燃料噴射量に応じて変えるようにして
いるが、冷却水温度、吸入空気温度、吸入空気圧力など
各種エンジン運転状態を示すパラメータをさらに考慮し
て、燃料噴射率の変化パターンを変えるようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は燃料噴射制御装置の第1の実施形態を示
す図である。
【図2】図2はエンジン運転条件に応じた変化パターン
のマップを示す図である。
【図3】図3(a)、(b)、(c)は噴孔開度とアク
チュエータ駆動出力の変化パターンをそれぞれ示す図で
ある。
【図4】図4は燃料噴射ノズルの構造を示す縦断面図で
ある。
【図5】図5は図4に示す燃料噴射ノズルの先端部分の
要部を拡大して示す図である。
【図6】図6はディーゼルエンジンの筒内圧がクランク
角度に応じて変化する様子を示す図である。
【図7】図7は噴射率の変化を示す図である。
【図8】図8は燃料噴射ノズルの構造を示す縦断面図で
ある。
【図9】図9は燃料噴射ノズルの構造を示す縦断面図で
ある。
【図10】図10(a)は、図9に示す燃料噴射ノズル
の針弁のリフト量の変化に伴う噴孔の流入口面積の変化
の特性を示す図で、図10(b)は、図9に示す燃料噴
射ノズルの針弁のリフト量の変化に伴う燃料噴射率の変
化の特性を示す図である。
【図11】図11は燃料噴射ノズルの構造を示す縦断面
図である。
【図12】図12は、図11に示す燃料噴射ノズルの針
弁のリフト量の変化に伴う燃料噴射率の変化の特性を示
す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 圧縮室 7 燃料噴射ノズル 8 噴孔制御アクチュエータ 9 噴孔制御コントローラ 14 針弁 15 スリーブ 17 噴孔 18 スリーブ噴孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 47/00 F02M 47/00 E 61/10 61/10 F 61/18 330 61/18 330C Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC06 AC07 AC09 AD12 BA16 BA17 BA22 BA24 BA25 CC06T CC08U CC14 CC18 CC23 CC26 CC70 CD25 CD26 CD30 CE27 DA11 DA12 DC05 DC06 DC09 DC11 DC13 DC14 DC19 3G301 HA02 JA02 JA24 JA25 JA37 LB11 LC05 MA27 NC02 PB05Z PE01Z PE03Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンの圧縮室内に、
    燃料を噴孔の流出口を介して噴射期間中に噴射する燃料
    噴射ノズルを備え、前記燃料噴射ノズルから噴射される
    燃料の噴射率を制御するようにしたディーゼルエンジン
    の燃料噴射制御装置において、 前記燃料噴射ノズルの内側に設けられ、駆動位置に応じ
    て前記噴孔の流入口に流入する流量を変化させる駆動部
    材と、 前記噴射期間中の時間経過に応じて前記燃料の噴射率が
    大きくなるように、前記ディーゼルエンジンの運転条件
    に応じた変化パターンで、前記駆動部材の駆動位置を連
    続的に変化させることによって前記燃料の噴射率を連続
    的に変化させる制御手段とを備えたことを特徴とするデ
    ィーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 前記燃料噴射ノズルは、当該燃料噴射
    ノズルの内側に設けられた噴孔開閉部材を、燃圧に応じ
    て開側へ移動させる燃料噴射ノズルであり、 前記噴孔開閉部材の前記開側への移動を検出する検出手
    段を備え、 前記検出手段で前記噴孔開閉部材の前記開側への移動が
    検出された際に、前記制御手段による制御を開始するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1記載のディーゼルエ
    ンジンの燃料噴射制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100598810B1 (ko) * 2004-06-29 2006-07-10 현대자동차주식회사 인젝터의 노즐 형상 조절장치
JP2009030605A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Waertsilae Schweiz Ag 燃料用噴射ノズル
JP2013083227A (ja) * 2011-10-12 2013-05-09 Isuzu Motors Ltd 燃料噴射装置
CN107795420A (zh) * 2017-11-29 2018-03-13 南昌大学 一种喷孔喷油面积可变喷油器

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