JP2000239987A - ドレッグスのろ過方法 - Google Patents

ドレッグスのろ過方法

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JP2000239987A
JP2000239987A JP11039864A JP3986499A JP2000239987A JP 2000239987 A JP2000239987 A JP 2000239987A JP 11039864 A JP11039864 A JP 11039864A JP 3986499 A JP3986499 A JP 3986499A JP 2000239987 A JP2000239987 A JP 2000239987A
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filtration
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JP11039864A
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Koichiro Sekine
興一郎 関根
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Tsukishima Kikai Co Ltd
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Tsukishima Kikai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラフトパルプ製造過程で生ずるドレッグス
のろ過方法を提供する。 【解決手段】 クラフトパルプ製造過程において生ずる
ドレッグスを脱水洗浄するに際し、ドラム式プリコート
フイルターを使用し、薬品回収工程において生成する苛
性化マッド(炭酸カルシウム)をろ過して必要な厚さに
形成したプリコート層によりドレッグスをろ過する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラフトパルプの
製造過程における薬品回収工程で発生するドレッグスの
ろ過方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】針葉樹、広葉樹いずれにも適しているク
ラフト法は、木材チップを蒸解して脱リグニンを行い、
セルロース(パルプ)を取り出すパルプ工程と、パルプ
工程で使用された蒸解薬品を回収する薬品回収工程とに
分けられる。即ち、木材チップは、蒸解釜において苛性
ソーダと硫化ソーダを主成分とする蒸解薬液(白液)に
より高温で蒸解され、リグニンが取り除かれ、蒸解され
たパルプはブロータンクにブローされる。そして、パル
プ工程で使用された蒸解薬液と木材チップから除去され
たリグニンの混合液である黒液は、回収ボイラーにおい
て燃焼し、エネルギーとして回収するとともに蒸解薬品
は還元されて溶融状態のスメルトとなる。
【0003】このスメルトを水に溶解させて得た上澄液
を緑液として取り出し、この緑液に含まれる炭酸ナトリ
ウムを苛性化して得られるNaOHを木材パルプの蒸解
薬液(白液)として再使用している。スメルト溶解液か
ら固形不純物を沈降分離し緑液を製造する装置は緑液ク
ラリファイヤーと称されているが、クラリファイヤーの
底部にはドレッグスという粘性の高い物質が沈降堆積
し、このドレッグスはろ過(脱水)してアルカリを回収
し、脱水後の固形物は廃棄していた。
【0004】従来、ドレッグスのろ過方法(脱水方法)
としてはベルトフイルターが広く使用されている。ベル
トフイルターは、貯液槽内に回転可能に支持したサクシ
ョンドラムと複数個のロール間にベルト状のろ布を張設
したものであり、貯液槽内にドレッグスを供給し、ろ布
を循環させてドレッグスをろ過するものであり、ろ過さ
れたドレッグスケーキは適宜手段によってろ布から剥離
される。
【0005】しかし、ドレッグスは、炭酸カルシウム、
マグネシウム、鉄、シリカ等を主成分とする高い粘性を
有する物質のため、難ろ過材のろ過処理に適したベルト
フイルターでもドレッグスをろ過するのは非常に困難な
ものであった。そこで、ろ過性を改善するために、薬品
回収工程中の苛性化処理で得られる苛性化マッド(炭酸
カルシウム)をろ過助剤としてドレッグスに対し等量あ
るいは2倍量を添加混合してろ過作業を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記するベルトフイル
ターによるドレッグスのろ過方法では、ドレッグスに対
してマッドを等量〜2倍量添加するために、ろ滓量が2
〜3倍となり、産業廃棄物としての処理量が増大してい
た。マッドの添加を嫌う場合にはろ布をろ布洗浄水で洗
い流し、洗浄排水を総合排水で他のスラッジと混合して
処理していたが、この処理方法では、総合排水処理設備
に余裕がないと採用できないものであった。
【0007】ベルトフイルターによるろ過法以外にはフ
ィルタープレス、および高分子凝集剤を使って大きな凝
集体を造りプレスロールフイルター、スクリュープレス
等で脱水する方法がまれに採用されているが、フイルタ
ープレスによる場合には、真空ろ過法に比べて運転管理
に人手を要し、メンテ費用が高い、設備費が他の機種に
比べて1.5〜2倍かかるという問題を有していた。
【0008】また、プレスロールフイルター、スクリュ
ープレス等による場合は、高分子凝集剤を多量に使用す
るためにランニングコストが掛かり、ケーキ洗浄ができ
ないためにろ滓中に残存するアルカリが多く、薬品ロス
が多いという問題を有していた。
【0009】本発明は、ドレッグスのろ過に関する従来
技術の種々の問題点に鑑み、化学工業や医薬品工業等で
使用される連続式ろ過機(ドラム式プリコードフイルタ
ー)によるプリコートカッティングフイルターに着目し
たが、プリコート剤として使用される珪藻土が炭酸ソー
ダ溶液で僅かながら溶解され、時間が経つにつれてろ過
速度を落とすこと、および代替品としてセルロース系プ
リコート剤を使用したが、高価で経済的でないことが判
明した。
【0010】そこで、本発明は、プリコート剤として薬
品回収工程で生ずる苛性化マッド(炭酸カルシウム)を
使用することにより、含液率の低いろ滓を得ること、ろ
液の清澄度が高いこと、構造簡単で、保守点検がし易い
こと、および設備費が低価であること等の有効なドレッ
グスのろ過方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記する目的を達成する
ために本発明は、クラフトパルプ製造における薬品回収
工程において回収ボイラーからのスメルトを溶解して得
られる緑液の中に含まれる固形物ドレッグスを脱水洗浄
するに際し、ドラム式プリコートフイルターを使用し、
薬品回収工程において生成する苛性化マッド(炭酸カル
シウム)をろ過して必要な厚さに形成したプリコート層
によりドレッグスをろ過する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。クラフトパルプ法による薬品回収工程にお
ける苛性化装置において苛性化マッドは、Na2 CO3
と消石灰の反応によりNaOHとCaCO3 が生成し、
苛性溶液よりろ過分離され、洗浄脱水後キルンにより焼
成され、再び苛性反応に使用される。このマッドの粒度
分布を調査した結果、表1に示すように、珪藻土の粒度
に近く、ケーキ形成ろ過速度も珪藻土とほ同じであり、
固形物濃度8%のドレッグススラリーをリーフテストに
より苛性化マッドのプリコート層で真空度−600mm
Hgでろ過性を調べたところ、ドレッグスのろ過に利用
できることが判明した。
【0013】
【表1】
【0014】ドラム式プリコートフイルターに苛性化マ
ッドのスラリーを供給し、ろ過してドラム表面に必要な
厚さ、例えば、約50〜100mmの厚さのプリコート
層(助剤層)を形成する。次に、フイルターにドレッグ
スを供給し、プリコート層でろ過、洗浄する。プリコー
ト層上に形成されたろ滓はスクレーパーで掻き取られ、
排出される。スクレーパーは、ドラム中心に向けて連続
的に微速で前進し、目詰まりしたプリコート層をケーキ
ごと削る。ろ過によって得られたろ液は蒸解薬品(白
液)として再使用される。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面に従って
詳細に説明する。図1は本発明ろ過処理装置の全体を示
し、図2はプリコートフイルターを示すものであり、こ
れらは従来公知のものである。図1において符号1はド
レッグス貯留タンク、2は苛性化マッドの貯留タンク、
3はドレッグス供給ポンプ、4はマッド供給ポンプ、5
はプリコートフイルター、6はろ液槽、7はろ液抜き出
しポンプ、8は真空ポンプである。
【0016】図2に基づいてプリコートフイルター5に
ついて説明する。ろ布または金網を表面に張ったドラム
9は、ほぼ下半分が液槽10内に位置しており、トラニ
オンベアリング11によって回転可能に支持されるとと
もに可変速減速電動機12によって図示において左回転
可能となっている。尚、図中13はスクレッパー(ケー
キ掻き取りナイフ)であって、送り機構14によってド
ラム9に対して往復動可能であるとともにドラム9方向
へ連続的に微速前進(2〜3mm/HR)するようにな
っている。また、符号15は攪拌機であり、固形物が液
槽10の下部に沈降、堆積しないよう図面において左右
に揺動可能となっている。
【0017】次にろ過処理作業について説明する。液槽
10内にマッド貯留タンク2内の苛性化マッドをマッド
供給ポンプ4を使用して供給し、ろ過を開始する。ドラ
ム9の表面に必要な厚さのプリコート層、例えば、マッ
ドのプリコート層が50〜100mmの厚さに形成され
た後、マッドの供給を止め、ドレッグス貯留タンク1内
のドレッグスを液槽10に供給する。ドレッグスはプリ
コート層によってろ過され、プリコート層の表面にろ滓
が形成される。
【0018】ろ過された液体はろ液槽6内に送られ、こ
こに貯められた液体はポンプ7により薬品回収工程へと
送られる。尚、図示していないが、ドラム9の中心には
ドラム9の回転軸心にそってろ液集合配管があり、この
配管とろ液槽6とが連絡してある。また、ろ滓は、複数
のケーキ洗浄ノズル16から噴射された洗浄水によりろ
滓中に残存するアルカリ分を置換洗浄した後、スクレッ
パー(ナイフ)13で掻き取り、そして、目詰まりした
プリコート層表面をろ滓とともに掻き取る。
【0019】ドレッグスのろ過開始後、22〜46時間
経過するとプリコート層は約10mm位の厚さとなる。
この時点でドレッグスのろ過作業を中止し、残ったプリ
コート層を残プリコートベース洗浄ノズル17によって
洗い流し、薬品回収工程にあるドレッグスタンクへブロ
ーする。
【0020】ドラム9の表面からプリコート層を除去し
た後、前記と同じろ過作業を再開する。ろ過作業を停止
してから再開に要する時間は20〜30分位である。そ
して、これらの切り替え操作はタイマーと自動弁により
自動運転可能である。
【0021】ドラム式プリコートフイルターを使用し、
プリコート層として苛性化マッドを使用してドレッグス
をろ過した時のろ過データーと従来のベルトフイルター
を使用した場合のろ過データーとを以下に示す。尚、本
データーは、0.5m2 のパイロットテスト機で得たも
のである。 処理液 : ドレッグススラリー スラリー濃度: 8wt% 固形物粒度 : 平均15μ 処理温度 : 55°C マッド濃度 : 35wt% 本発明プリコート処理 従来のベルトフイルター ろ過速度 : 9.9Kgds/m2 Hr 4.1Kgds/m2 Hr ドラム回転 : 1.0rpm 0.15rpm ろ滓厚さ : 1mm 3mm 操作真空度 : −600mmHg −500mmHg ろ滓水分 : 60% 69% ろ液清澄度 : 10ppm 400ppm マッド添加量: 0 ドレッグス1kg/マッド1kg マッド掻取量: 2mm/hr 以上の結果、マッド消費量は、本発明の場合0.2kg
マッド/ドレッグスkgであるのに対し従来のベルトフ
イルターでは1kgマッド/ドレッグスkgであった。
【0022】本発明によるろ過法では従来のベルトフイ
ルターに比較すると処理能力で約2倍、ろ滓水分で9%
優れている。また,マッド消費量はベルトフイルターの
1/5となり、この量は、通常、マッド更新量以内であ
る。
【0023】前記のデーターを基にしてドレッグス処理
量160kgds/hr(クラフトパルプ生産量1000
t/d)の場合についてろ過装置を計画すると、本ろ過
法によれば18m2 のプリコートフイルターに対して4
0m2 のベルトフイルターになる。また、フイルター、
ろ液ポンプ、真空ポンプの消費電力を比較すると、本ろ
過法では26kw、ベルトフイルターでは61kwにな
る。更に、産業廃棄物となる脱水ケーキは、本ろ過法で
は480kg/hr、ベルトフイルターでは1032k
g/hrとなり、産廃費用も1/2以下となる。
【0024】
【発明の効果】以上、述べた苛性化マッドプリコートフ
イルターは、従来のプリコートフイルターと同じように
使用でき、次のような有用な効果を得ることができる。 1)厚いプリコート層でろ過するために、ドレッグスに
より形成された固形物が完全にカットされ、ろ液の清澄
度が高い。 2)ケーキ剥離はスクレッパー12で掻き取るために薄
いケーキ厚でも完全に掻き取ることができる。従って、
ろ過サイクルを早め、ケーキの厚さを薄くしてケーキ抵
抗の小さいところでろ過操作が続けられるため、大きな
ろ過速度が得られる。 3)ろ布は、ろ過性のよい助剤をろ過するため、目の粗
いろ布が使用でき、被処理液の固形物に常時、直接に接
触しないため、目詰まりが少なく、ろ布の寿命が長い。 4)ケーキは真空下で掻き取られるため、プリコート層
や内部配管に溜まった液を毛細管現象で再吸引すること
が無く、含水率の低いろ滓が得られる。 5)ろ布はドラム9に固定されており、ベルトフイルタ
ーのようにろ布が蛇行する心配が無く、運転が容易であ
る。 6)しかも、使用する助剤(苛性化マッド)が安価でラ
ンニングコストが掛からない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用するろ過装置全体のフロー図
である。
【図2】本発明方法に使用するドラム式プリコートフイ
ルターの概略正面図である。
【符号の説明】
1 ドレッグス貯留タンク 2 マッド貯留タンク 3 ドレッグス供給ポンプ 4 マッド供給ポンプ 5 プリコートフイルター 6 ろ液槽 7 ろ液抜き出しポンプ 8 真空ポンプ 9 ドラム 10 液槽 11 トラニオンベアリング 12 可変速減速電動機 13 スクレッパー 14 送り機構 15 攪拌機 16 洗浄ノズル 17 洗浄ノズル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラフトパルプ製造における薬品回収工
    程において回収ボイラーからのスメルトを溶解して得ら
    れる緑液の中に含まれる固形物ドレッグスを脱水洗浄す
    るに際し、ドラム式プリコートフイルターを使用し、薬
    品回収工程において生成する苛性化マッド(炭酸カルシ
    ウム)をろ過して必要な厚さに形成したプリコート層に
    よりドレッグスをろ過するドレッグスのろ過方法。
JP11039864A 1999-02-18 1999-02-18 ドレッグスのろ過方法 Pending JP2000239987A (ja)

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