JP2000239772A - 複合高強度材及びその製造方法 - Google Patents

複合高強度材及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Al合金線材だけではなくバルク材料を含め
ても、これまでに例のない超高強度と延性・靱性とを兼
ね備えた高性能なAlを含む複合高強度材を提供する。 【解決手段】 Al粉末中にNb粉末が略均一に分散し
た混合粉末を作成し、その混合粉末を圧粉成形してビレ
ット2とする。このビレット2を純Cu製パイプ3に挿
入し、ビレット2両端に純Cu製の中実棒4を挿入して
シールした後、常温においてビレット2の直径が20m
m→2mm(線材)となるまでスエージング加工する。
その後、常温において線引加工し、複合高強度線材を得
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Al(アルミニウ
ム)を含む複合高強度材及びその製造方法に関するもの
である。なお、本明細書では記載の簡略化のために、結
晶構造が面心立方構造(face-centered cubic lattice,
略してFCC)をとる金属をFCC金属と記し、結晶
構造が体心立方構造(body-centered cubic lattice,
略してBCC)をとる金属をBCC金属と記すことにす
る。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼材料の分野では、ピアノ線、タイヤ
用スチールコードなど、引張強度:数GPa又はそれ以
上とある程度の延性とを兼ね備えた超高張力鋼線材があ
り、いずれもシンプルな組成のものが実用に供せられて
いる。これは、バルクの高強度材のさらに数倍といった
高い強度レベルに相当する。
【0003】一方、Al及びAl合金の分野では、ナノ
準結晶、ナノ結晶粒子、ナノ非晶質粒子などが微細分散
した合金で1.3GPa以上のリボン材などが得られて
いる(井上明久、増本健:軽金属,42巻(1992
年),299頁)。但し、これは、単ロール急冷凝固法
などによるものであり、厚さ10μm程度の薄膜で、化
学組成も通常の素材とは大きく異なる特殊で高価なもの
である。これらを除けば、現行のAl線材の強度は、高
々0.2〜0.3GPaに過ぎない。これは、バルクの
超々ジュラルミン系などの高強度材の強度の半分にも満
たない低いレベルである。すなわち、現行ではAl及び
Al合金の分野で、バルクの強度をしのぐような高強度
線材はないと言える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】機械構造、建築構造な
どの軽量化が進む昨今、軽量で高強度な構造用線材とし
て、また送電線などのある程度の機能性を備えた材料と
して、Al及びその合金の線材のニーズは極めて大き
い。しかしながら、Al送電線を例にとっても、鋼線を
芯線として追加することでようやく構造体を維持し、実
用に供しているのが現状である。その他のAl線材の実
用例は、自身で自重や外力を受ける構造体を構成するも
のとしては、皆無に等しい。
【0005】これを解決すべく、一部には、炭化珪素な
どのセラミックス連続繊維で強化した複合Al線材の開
発例も報告されている(沢田純、菊池武彦、岩井一智、
長谷祐児、安富義幸、黒田洋光、鷲見亨、木愽博、岸輝
雄:日本金属学会春期大会講演概要集(1998年)第
201頁)。しかしながら、この手法では容易に高強度
は達成できるものの、長尺材ではセラミックス特有のマ
ス効果の問題がでて、線材が長くなればなるほど強度が
極端に低下するという構造用材料として致命的な問題点
がある。また、中に入っているセラミックスに起因し
て、複合線材の延性、靱性、切り欠き感受性などが、A
l単体の場合と比較して大きく劣ることは容易に予測さ
れる。
【0006】本発明の目的は、前記課題を解決し、Al
合金線材だけではなくバルク材料を含めても、これまで
に例のない超高強度と延性・靱性を兼ね備えた高性能な
アルミを含む複合高強度材を提供することにある。
【0007】なおここで、次のような本発明の関連技術
を挙げておく。すなわち、従来から、Alと同じFCC
金属であるCu(銅)では、BCC金属を添加して強度
に塑性加工を施すことにより、高強度が発現することは
知られている。例えば、J.Bevkらは、電磁攪拌を行いな
がらCuとNb(ニオブ)を混合・溶融し、鋳造後スウ
ェージング加工を施して線材を作製し、Nb体積率1
0.5%で、降伏強度1.19GPaを達成している
(Applied Physics 誌、49巻(1978年)、603
1頁)。また、S.Pourrahimiらは、Cu粉末とNb粉末
とを混合した後、押出加工を施して線材を作製し、最大
で1.4GPa程度の引張強度を得ている(Metallurgi
cal Transaction A 誌、23A巻(1992年)、57
3頁)。
【0008】しかしながら、これらは全てFCC金属
(母相・基地)として、BCC金属と容易に相分離する
Cuを用いたものであり、Alを基地とするものではな
い。このように、これまでCuが用いられてAlが用い
られなかった理由は、Alは活性な金属であり、ほとん
ど全ての金属元素と反応して脆性な金属間化合物を生成
するため、相分離した状態でAl中にBCC金属を分散
させることが困難だからである。仮に、このように脆性
な金属間化合物を含むAl線材を作製したとしても、金
属間化合物相の早期の破断が起こるため、線材自体の強
度、延性などを基地であるAl又はその合金以上に向上
させることはできない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、この様な状
況に鑑みて、Alを含む(好ましくは中心とする)母相
中に、BCC金属を含む(好ましくは中心とする)第二
相を分散させ、これを(好ましくは強度の)塑性加工に
より伸長させることで、BCC金属のフィラメントが相
分離した状態でAl又はAl合金を強化した複合高強度
材を、単純な強度の塑性加工で製造するものである。こ
の様な手法により、Al合金線材だけではなくバルク材
料を含めても、これまでに例のない超高強度と延性・靱
性とを兼ね備えた高性能な複合高強度材を提供する事が
可能となる。すなわち、次のような手段をとった。
【0010】(1)塑性加工が施されたことによりAl
又はAlを含む合金よりなる母相中にBCC金属又はB
CC金属を含む合金よりなる第二相が相分離した状態で
微細に分散している複合高強度材。
【0011】(2)Al又はAlを含む合金の融点に達
しない温度で、前記Al又はAlを含む合金よりなる母
相用材料中に、BCC金属又はBCC金属を含む合金よ
りなる第二相用材料が分散した混成物を作成する混成物
作成工程と、前記混成物を塑性加工することにより、前
記Al又はAlを含む合金よりなる母相中に前記BCC
金属又はBCC金属を含む合金よりなる第二相を相分離
した状態で微細に分散させる塑性加工工程とを含む複合
高強度材の製造方法。
【0012】(3)前記混成物作成工程は、Al又はA
lを含む合金の点状体、線状体又は面状体よりなる母相
用材料と、BCC金属又はBCC金属を含む合金の点状
体、線状体又は面状体よりなる第二相用材料とを混合、
結束又は積層することにより行う前記(2)の複合高強
度材の製造方法。
【0013】(4)前記混成物作成工程は、溶射法(各
種溶射法が可)、スプレーデポジション法などによりA
l又はAlを含む合金の点状体よりなる母相用材料と、
BCC金属又はBCC金属を含む合金の点状体よりなる
第二相用材料とが混合して堆積した層状物又はバルクを
作成することにより行う前記(2)の複合高強度材の製
造方法。
【0014】(5)前記混成物作成工程は、Al用又は
Alを含む合金用のメッキ浴の中にBCC金属又はBC
C金属を含む合金の粉末よりなる第二相用材料を混入
し、前記メッキ浴に浸けた基材の表面に、前記第二相用
材料が分散したAl又はAlを含む合金よりなるメッキ
層を形成することにより行う前記(2)の複合高強度材
の製造方法。
【0015】前記各手段(1)〜(5)において、製造
される「複合高強度材」の形状は、特定の形状に限定さ
れず、線材、棒材、管材、板材、型材、各種三次元形状
材等を例示することができる。但し、本発明は一方向に
大きい加工歪を与えやすい線材に最も適している。
【0016】「Alを含む合金」とは、Alを実質的に
含んでいればその含有率を特に限定しない意味である
が、Alを少なくとも主成分の一つとして含むことが好
ましく、さらにAlの含有率が合金元素のうちで最大で
あることが好ましい。数値で示すと、Alの含有率は3
0質量%以上であることが好ましく、50質量%以上で
あることがさらに好ましく、70質量%以上であること
がさらに好ましい。「Alを含む合金」におけるAl以
外の金属又は非金属は、特に限定されないが、Cu、M
g、Mn、Si、Ni、Fe、Zr等を例示することが
できる。その合金は、二元系、三元系又はそれ以上の多
元系のいずれをも含み、合金組織は特に限定されない
(溶け合わないものでも、固溶体をつくるものでも、化
合物をつくるものでも、これらの組み合わせでもよ
い)。「Al又はAlを含む合金」の母相用材料は、一
種でもよいが、二種以上を混合したものでもよい。
【0017】「BCC金属」は、特定の金属に限定され
るものではなく、Nb、Fe(鉄)、Cr(クロム)、
Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)又はW(タング
ステン)が有効である。 Nb、Fe、Cr、Taは、極低温以上の広い温度
域で延性があり塑性加工可能であることから、特に好ま
しい。 また、Moは24℃、Wは341℃が、それぞれ延
性−脆性遷移温度であることから、これらの温度以上か
つAl又はAlを含む合金の融点温度以下で塑性加工を
行う場合には、これらの元素も使用可能となる。 また、極低温から常温付近までの間で塑性加工を行
う場合でも、Nb、Fe、Cr、Ta等に加えて、二次
的にMo、W等を混合してもよい。
【0018】「BCC金属を含む合金」とは、BCC金
属を実質的に含んでいればその含有率を特に限定しない
意味であるが、BCC金属を少なくとも主成分の一つと
して含むことが好ましく、さらにBCC金属の含有率が
合金元素のうちで最大であることが好ましい。数値で示
すと、BCCの含有率は30質量%以上であることが好
ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、
70質量%以上であることがさらに好ましい。「BCC
金属を含む合金」におけるBCC金属以外の金属又は非
金属は、特に限定されない。その合金は、二元系、三元
系又はそれ以上の多元系のいずれをも含み、合金組織は
特に限定されない(溶け合わないものでも、固溶体をつ
くるものでも、化合物をつくるものでも、これらの組み
合わせでもよい)。「BCC金属又はBCC金属を含む
合金」の第二相用材料は、一種でもよいが、二種以上を
混合したものでもよい。
【0019】「Al又はAlを含む合金」よりなる母相
用材料と、「BCC金属又はBCC金属を含む合金」よ
りなる第二相用材料との混合比は、特に限定されない
が、後者1に対して前者を範囲で示した体積比で、10
0〜0.5:1が好ましく、30〜1:1がさらに好ま
しく、15〜3:1が最も好ましい。
【0020】また、「Al又はAlを含む合金」よりな
る母相用材料と、「BCC金属又はBCC金属を含む合
金」よりなる第二相用材料とに加え、他の結晶構造(例
えばFCC、稠密六方格子(hexagonal close-packed l
attice, 略してHCP)等)の金属、金属間化合物、セ
ラミックス、ポリマーなどの有機物、又はアモルファス
状態の物質などよりなる第三成分材料(例えば点状体、
線状体又は面状体)を、二次的に混合し又は生成される
ことは許容される。
【0021】前記手段(2)の混成物作成工程におい
て、「Al又はAlを含む合金の融点に達しない温度」
とするのは、活性な金属であるAlが溶融し、他の金属
元素と反応して脆性な金属間化合物を生成するのを防ぐ
ためであり、その融点は合金により高低があるが、例え
ば660℃程度である。但し、この温度は、好ましくは
300℃以下であり、さらに好ましくは200℃以下で
ある。また、この温度の下限は特にないが、安価な液体
窒素により実現できる−196℃程度が現実的であり、
0℃以上が好ましい。
【0022】前記手段(3)において、「点状体、線状
体又は面状体」とは、混合、結束又は積層が可能な固体
形態である、粒子、粉末等の点状体、短繊維、長繊
維、連続繊維等の線状体、又は箔、薄板、前記各繊維
による織布若しくは不織布等の面状体(薄物)を意味
し、特定の形状・寸法に限定されない。また、母相用材
料の形態と第二相用材料の形態とは、例えば次のように
同一の形態の混成態様a〜cでもよいし、異なる形態の
混成態様d〜iでもよい。 a:点状体よりなる母相用材料と点状体よりなる第二相
用材料との混合。 b:線状体よりなる母相用材料と線状体よりなる第二相
用材料との混合又は結束。 c:面状体よりなる母相用材料と面状体よりなる第二相
用材料との積層。 d:点状体よりなる母相用材料と線状体よりなる第二相
用材料との混合。 e:点状体よりなる母相用材料と面状体よりなる第二相
用材料との積層。 f:線状体よりなる母相用材料と点状体よりなる第二相
用材料との混合。 g:線状体よりなる母相用材料と面状体よりなる第二相
用材料との積層。 h:面状体よりなる母相用材料と点状体よりなる第二相
用材料との積層。 i:面状体よりなる母相用材料と線状体よりなる第二相
用材料との積層。 さらに、母相用材料又は第二相用材料のそれぞれについ
て、前記各混成態様a〜iのように点状体、線状体又は
薄状体から選ばれる一つの形態でもよいが、例えば点状
体と線状体とを組み合わせたり、点状体と薄状体とを組
み合わせたり、線状体と薄状体とを組み合わせたり、点
状体と線状体と薄状体とを組み合わせたりするなど、二
つ以上の形態を組み合わせてもよい。
【0023】前記手段(1)(2)において、「塑性加
工」の手法は、特に限定されず、スエージング加工、線
引加工、押出加工、圧延加工、鍛造加工、引抜加工など
を例示することができ、いずれも同様な効果が得られ
る。また、これらの加工の一種でもよいが、二種以上を
適宜の順序で組み合わせてもよい。
【0024】「塑性加工」を行う温度としては、前述の
理由により「Al又はAlを含む合金の融点に達しない
温度」であればよく、下限は特にないが、安価な液体窒
素により実現できる−196℃程度が現実的である。但
し、この温度は、 好ましくは、用いる「BCC金属又はBCC金属を
含む合金」の延性脆性遷移温度以上で行うことがよい。
すなわち、例えばBCC金属として、純Nbを用いる場
合は−121℃以上、純Moでは24℃、純Wでは34
1℃以上で行うことがよい。この温度は、BCC金属の
純度や合金元素の添加によって大きく変化する。 また、「Al又はAlを含む合金」中にある程度の
塑性歪を蓄積した方が強度向上に有効であるため、好ま
しくは200℃程度以下で行うことがよい。200℃以
上で塑性加工を行った場合、回復に伴う転位の消滅・再
配列により「Al又はAlを含む合金」の強度・硬さが
低下して若干の加工材の強度低下をきたす。但し、純度
99.9%以下のAl合金を用いる場合、介在物などが
塑性歪みの解放を妨げるため、300℃程度以下で有効
に行うことができる。
【0025】「塑性加工」は強度の塑性加工が好まし
く、塑性加工により混成物に与える加工歪は2以上であ
ることが好ましい。これは、2以下では「BCC金属又
はBCC金属を含む合金」よりなる第二相の充分な微細
化が達成されないためである。また、同加工歪は10以
上であることがさらに好ましい。これは、10以上とす
ることで、歪の蓄積に伴って急激に線材の強度が上昇す
るからである。同加工歪を12以上とすれば、「BCC
金属又はBCC金属を含む合金」よりなる第二相の厚さ
・間隔とも極微小となり、従来のAl合金で得られない
超高強度が得られるためさらに好ましい。そして、同加
工歪は大きければ大きいほど良く、強度が上昇しすぎて
塑性加工(例えば伸線加工)がこれ以上不可能となる限
界以下で、所望する強度と延性のバランスやコストなど
を勘案して決定できる。
【0026】前記手段(1)(2)において、「相分離
した状態」とは、母相と第二相の大部分(好ましくは半
分以上)が相分離している状態を示し、その大部分につ
いて「金属間化合物を形成しない」、「相互に固溶しな
い」等の意味を含む。
【0027】「BCC金属又はBCC金属を含む合金」
よりなる第二相の塑性加工後の平均厚み及び平均間隔
は、それぞれ10μm以下であることが好ましい。これ
は、10μm以下で分散強化の機構が効き始めるため、
強度の上昇が期待できるからである。さらに好ましくは
1μm以下である。これは、1μm以下では、これらの
第二相が「Al又はAlを含む合金」の母相中の転位の
移動の障害となり、変形様式が通常のAl又はその合金
とは大きく異なってくるため、従来のAl合金にはない
高強度が発現されるためである。但し、第二相の塑性加
工後の平均厚み及び平均間隔は、可能な限り小さい方が
良く、その下限は実質的にはない。
【0028】本発明による材料の強度発現機構は、次の
ようなものと考えられる。すなわち、BCC金属は、塑
性加工を行う(例えば線材とする)と、平面歪変形して
結晶粒がリボン状に薄く伸びる性質がある。これは、引
張軸が[011]方向に平行に配向したBCC結晶では、
4つの<111>すべり方向の内、2つのみが例えば線
材の伸長に伴う歪を集積し、引張軸に垂直なすべり系は
活動しないことによる。一方、FCC金属であるAl又
はAlを含む合金では、塑性加工を行う(例えば線材と
する)と、結晶粒が軸対称変形して円筒状又は針状にな
る。そして、「Al又はAlを含む合金」よりなる母相
中に、「BCC金属又はBCC金属を含む合金」よりな
る第二相を分散させた場合、隣接する両相の結晶粒が整
合をとるため、第二相はカールして母相の回りを取り囲
み、逆に母相は扁平する。第二相で隔てられた薄い母相
では、引張負荷などに際して転位の移動がすぐに第二相
でブロックされて転位の堆積が生じ、長距離の転位の移
動が不可能となる。また、転位の拡張もまた第二相でピ
ン止めされるため、いわゆるフランク・リード源が機能
しなくなる。このため、転位の移動の様式は、界面に非
整合転位を残しながら、母相が配向する方向にのみ、個
々の転位が張り出しながら移動するものとなる。これら
の理由により、加工材(例えば線材)の強度が大きく向
上する。また、隣接する両相の非整合は、塑性加工中の
両相中の転位密度の急激な上昇をももたらし、強度の上
昇に貢献する。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施に当たっては、次の
ような実施態様を例示することができる。 (1)Al又はAlを含む合金の粉末よりなる母相用材
料とBCC金属又はBCC金属を含む合金の粉末よりな
る第二相用材料との混合粉末(混成物の一態様)を、必
要に応じて圧粉成形するなどしてビレットとし、このビ
レットを金属パイプに挿入して押出加工、圧延加工、ス
エージング加工、線引加工等で線材、棒材、管材、型材
等とする態様。 (2)前記(1)と同様のビレットを、直接押出加工、
圧延加工、スエージング加工、線引加工等で線材、棒
材、管材、型材等とする態様。 (3)前記(1)と同様の混合粉末を、金属パイプに投
入し、押出加工、圧延加工、スエージング加工、線引加
工等で線材、棒材、管材、型材等とする態様。 (4)前記(1)と同様のビレットを、金属板に挟み、
圧延加工で線材、棒材、板材、型材等とする態様。 (5)前記(1)と同様の混合粉末を、直接圧延加工で
線材、棒材、板材、型材等とする態様。 (6)前記(1)と同様のビレットを、直接鍛造加工で
線材、棒材、管材、板材、型材、各種三次元形状材等と
する様態。 (7)前記(1)と同様の混合粉末を、直接鍛造加工で
線材、棒材、管材、板材、型材、各種三次元形状材等と
する様態。 (8)前記(1)と同様のビレットを、ECAP法によ
り押し出ししてビレット径を減少させずに強加工する態
様。ECAP法は、金型中で交差する同じ径の二つの溝
孔(Channel)を通して材料を押し出し、曲がり角で材
料に大きな剪断変形を与える塑性加工手法である(R.Z.
Valiev, E.V.Kozlov, YU.F.Ivanov, J.Lian, A.A.Nazar
ov, and B.Baudelet: Acta Metall. Mater.誌,42巻
(1994年)、2467頁)。ECAP法では、混合粉
末を供給しながら連続的に棒材を形成することができ
る。 (9)前記(1)〜(8)における混合粉末を、前記
「課題を解決するための手段」の項で挙げた母相用材料
と第二相用材料との各混成態様b〜iのいずれかに置き
換えた態様。 (10)前記(4)(5)において、板材を製造する場
合、繰り返し重ね接合圧延(斉藤好弘、宇都宮裕、辻伸
泰、左海哲夫:日本金属学会春期大会講演概要、199
8年、295頁)により板材に強加工を施す様態。 (11)溶射法、スプレーデポジション法などによりAl
又はAlを含む合金の点状体よりなる母相用材料とBC
C金属又はBCC金属を含む合金の点状体よりなる第二
相用材料とが混合して堆積した層状物又はバルクを作成
し、その層状物又はバルクに前記(1)〜(10)で挙げ
たような各種塑性加工を施して形成する態様。 (12)Al用又はAlを含む合金用のメッキ浴の中にB
CC金属又はBCC金属を含む合金の粉末よりなる第二
相用材料を混入し、前記メッキ浴に浸けた基材の表面
に、前記第二相用材料が分散したAl又はAlを含む合
金よりなるメッキ層を形成し、そのメッキ層に前記
(1)〜(10)で挙げたような各種塑性加工を施して形
成する態様。
【0030】さらに本発明を具体化した実施例1〜4に
ついて、図面を参照して説明する。 [実施例1]純度99.9%、平均粒径27μmの東洋
アルミ社製純Al粉末と、100μm以下に分級した純
度99.96%のレアメタリック社製Nb粉末とを、体
積比でAl:Nb=4:1となるようV型混合機により
常温で30分間混合し、Al粉末中にNb粉末が略均一
に分散した混合粉末を作成した。この混合粉末1を、図
1(a)に示すように、アムスラー型万能試験機により
常温で加圧力118MPaで一軸圧粉成形し、図1
(b)に示すように、直径約20mm、高さ20mmの
ビレット2(混成物の一態様)とした。このビレット2
を、図2に示すように、純Cu製パイプ3に挿入し、ビ
レット2両端に純Cu製の中実棒4を挿入してシールし
た後、常温においてビレット2の直径が20mm→2m
m(線材)となるまでスエージング加工した。但し、シ
ールは20mm→18mmの最初のスエージングの後に
破れ、以後シール無しで行った。
【0031】その後、同じく常温において線引加工し
(図示略)、線材表面のCuを硝酸で除去して再結束
し、再びCuパイプに挿入して線引という作業を繰り返
すことで、混合粉末の固化と同時に、Nbよりなる第二
相(強化相)とAlよりなる母相の組織の微細化を図
り、母相中に第二相が相分離した状態で微細に分散する
ようにした。実施例1の条件では、中間焼鈍処理は施し
ていない。所定の段階まで線引後、線材表面のCuをエ
ッチングにより除去して、作成された複合高強度線材の
硬さ試験及び引張試験を行った。この場合、加工の度合
いは、次式の加工歪:ηで整理した。
【0032】
【数1】η=ln(A0/A)
【0033】ここで、A0は圧粉成形後のビレット2の
断面積、Aは作製した線材の断面積である。ミクロ組織
の観察を走査型電子顕微鏡を用いて行った。また、得ら
れた線材中の構成相を知るため、X線回折を行った。図
3(ア)、(イ)、(ウ)は、それぞれη=5.4、1
0.5、13.0の段階まで加工した線材の縦断面のミ
クロ組織を示し、白いところがNbであり、黒いところ
がAlである。加工が進行するとNb粒子が線材の長手
方向に伸長することがわかる。η=13.0の段階で、
既に(ウ)で観察されるNbフィラメントの厚みは、数
百nmまで減少している。また、図4には、η=13.
0の段階の線材の横断面ミクロ組織を示す。Nbは針状
に伸長するのではなく、本発明で期待するように直径方
向においてもフィラメント状に異方性をもって伸長し、
かつこの様なフィラメントがカールしていることがわか
る。図5には、η=5.4の段階の線材のX線回折結果
を示す。得られたピークはいずれもAl及びNb単体の
ピークに相当し、金属間化合物のピークは認められなか
った。本発明の通り、二つの金属相が相分離した状態で
存在することが確認できる。図6には、加工歪と引張強
度の関係を示した。加工歪の増加に伴い引張強度は徐々
に増加し、η=10程度を越えると、さらに急激に増加
した。η=13.0の段階では、引張強度で340MP
aが得られた。η=13.0の段階では、Nbフィラメ
ントの厚み、間隔とも、平均で300nm程度となって
いる。
【0034】[実施例2]純度99.99%、平均粒径
27μmの東洋アルミ社製純Al粉末と、100μm以
下に分級した純度99.96%のレアメタリック社製N
b粉末とを、体積比でAl:Nb=4:1となるようV
型混合機により常温で30分間混合し、Al粉末中にN
b粉末が略均一に分散した混合粉末を作成した。この混
合粉末1を、図1(a)に示すように、アムスラー型万
能試験機により常温で加圧力118MPaで一軸圧粉成
形し、図1(b)に示すように、直径約20mm、高さ
20mmのビレット2とした。このビレット2を、図2
に示すように、純Cu製パイプ3に挿入し、ビレット2
両端に純Cu製の中実棒4を挿入してシールした後、常
温においてビレット2の直径が20mm→2mm(線
材)となるまでスエージング加工した。但し、シールは
20mm→18mmの最初のスエージングの後に破れた
が、実施例1と異なり、その後もシールが破れる度に再
びビレット2両端に純Cu製の中実棒4を挿入してシー
ルをし、ビレット2に絶えず静水圧がかかるようにし
た。また、実施例1と異なり、塑性加工後、次のパスに
移る前に氷水を用いて水冷し、塑性加工による発熱の影
響を除去した。
【0035】その後、実施例1と同じく常温において線
引加工し(図示略)、線材表面のCuを硝酸で除去して
再結束し、再びCuパイプに挿入して線引という作業を
繰り返すことで、混合粉末の固化(粉末同志の接合)と
同時に、Nbよりなる第二相(強化相)とAlよりなる
母相の組織の微細化を図り、母相中に第二相が相分離し
た状態で微細に分散するようにした。実施例2の条件で
は、η=10.4の段階で線材の破断によりこれ以上の
塑性加工ができなくなり、250℃で5時間の焼鈍処理
を施した。このため、η=14.6の高加工歪の段階を
作製することができた。その他の方法は実施例1と同じ
である。
【0036】図7、図8は、η=14.6の段階まで加
工した線材のそれぞれ縦断面と横断面のミクロ組織であ
り、白いところがNbであり、黒いところがAlであ
る。実施例1の場合よりもNbフィラメントの厚み、間
隔とも減少しており、有効にNbよりなる第二相の微細
化が達成されていることがわかる。次の表1は、走査型
電子顕微鏡により断面を観察し、Nbフィラメントの厚
み、間隔を測定した結果である。η=5.4の段階で既
に厚み、間隔とも1μmを下回っており、η=14.6
の段階ではいずれも210nmとなっている。これらは
平均値であるが、最も微細化が進行した領域では、η=
14.6の段階でNbフィラメントの厚み22nm、間
隔39nmと、極微細な組織が実現できていることがわ
かる。
【0037】
【表1】
【0038】図9には、η=12.4及び14.6の段
階の線材のX線回折結果を示す。得られたピークは、い
ずれの加工歪でもAl及びNb単体のピークのみであ
り、金属間化合物のピークは認められなかった。本発明
の通り、二つの金属相が相分離した状態で存在すること
が確認できる。図10には、加工歪とビッカース硬さの
関係を、また図11には加工歪と引張強度の関係を示し
た。加工歪の増加に伴いビッカース硬さ及び引張強度は
徐々に増加し、η=10程度を越えると、さらに急激に
増加した。η=14.6の段階では、引張強度で106
3MPaが得られた。
【0039】[実施例3]純度99.99%、平均粒径
27μmの東洋アルミ社製純Al粉末と、38μm以下
に分級した純度99.9%の高純度化学研究所製純Fe
粉末とを、体積比でAl:Fe=4:1となるようV型
混合機により常温で30分間混合し、Al粉末中にFe
粉末が略均一に分散した混合粉末を作成した。この混合
粉末1を、図1(a)に示すように、アムスラー型万能
試験機により常温で加圧力118MPaで一軸圧粉成形
し、図1(b)に示すように、直径約20mm、高さ3
0mmのビレット2とした。このビレット2を、図2に
示すように、純Cu製パイプ3に挿入し、ビレット2両
端に純Cu製の中実棒4を挿入してシールした後、常温
においてビレット2の直径が20mm→2mm(線材)
となるまでスエージング加工した。但し、シールは20
mm→18mmの最初のスエージングの後に破れ、以後
シール無しで行った。
【0040】その後、実施例1と同じく常温において線
引加工し(図示略)、線材表面のCuを硝酸で除去して
再結束し、再びCuパイプに挿入して線引という作業を
繰り返すことで、混合粉末の固化と同時に、Feよりな
る第二相(強化相)とAlよりなる母相の組織の微細化
を図り、母相中に第二相が相分離した状態で微細に分散
するようにした。実施例3の条件では、中間焼鈍処理は
施していない。その他は、実施例1と同様である。
【0041】図12、図13は、η=14.8の段階ま
で加工した線材のそれぞれ縦断面と横断面のミクロ組織
であり、白いところがFeであり、黒いところがAlで
ある。る。加工が進行すると鉄粒子が線材の長手方向に
伸長することがわかる。但し、実施例1及び2のNbを
用いた場合と比較すると、伸長の度合いは顕著ではな
い。また、横断面からわかるように、本発明で期待する
ように、Fe粒子は直径方向においてもフィラメント状
に異方性をもって伸長し、かつこの様なフィラメントが
カールしていることがわかる。図14には、図中に示す
各加工歪段階のX線回折結果を示す。得られたピークは
いずれもAl及びFe単体のピークに相当し、金属間化
合物のピークは認められなかった。本発明の通り、二つ
の金属相が相分離した状態で存在することが確認でき
る。図15には、加工歪とビッカース硬さの関係を、ま
た図16には、加工歪と引張強度の関係を示した。加工
歪の増加に伴いビッカース硬さ及び引張強度は徐々に増
加している。η=12.3の段階では、引張強度で23
0MPaが得られた。これは、実施例1、2の値よりは
小さいものの、純Alの強度50MPaの5倍近い値で
あり、充分に本発明の効果が達成されているものと考え
る。これは、図12、図13、図14で本発明で期待す
るような組織形態が実現されていることからも裏付けら
れる。また、η=14.8の段階では、引張強度がη=
12.3の段階より低下している。これは、線材作製時
に表面の荒れなどの製造欠陥が発生した結果と考えられ
る。この様な製造欠陥が製造方法上の工夫により解決さ
れれば、より強度の向上が期待できる。
【0042】[実施例4]純度99.99%、平均粒径
27μmの東洋アルミ社製純Al粉末と、38μm以下
に分級した純度99.9%のレアメタリック製純Cr粉
末とを、体積比でAl:Cr=4:1となるようV型混
合機により常温で30分間混合し、Al粉末中にCr粉
末が略均一に分散した混合粉末を作成した。この混合粉
末1を、図1(a)に示すように、アムスラー型万能試
験機により常温で加圧力118MPaで一軸圧粉成形
し、図1(b)に示すように、直径約20mm、高さ3
0mmのビレット2とした。このビレット2を、図2に
示すように、純Cu製パイプ3に挿入し、ビレット2両
端に純Cu製の中実棒4を挿入してシールした後、常温
においてビレット2の直径が20mm→2mm(線材)
となるまでスエージング加工した。但し、シールは20
mm→18mmの最初のスエージングの後に破れ、以後
シール無しで行った。
【0043】その後、実施例1と同じく常温において線
引加工し(図示略)、線材表面のCuを硝酸で除去して
再結束し、再びCuパイプに挿入して線引という作業を
繰り返すことで、混合粉末の固化と同時に、Crよりな
る第二相(強化相)とAlよりなる母相の組織の微細化
を図り、母相中に第二相が相分離した状態で微細に分散
するようにした。実施例3の条件では、中間焼鈍処理は
施していない。その他は、実施例1と同様である。
【0044】η=10.0の段階で、Cr相はアスペク
ト比3程度まで伸長した組織が得られた。また、ビッカ
ース硬さで150Hv、最大引張強さ150MPaが得
られた。
【0045】なお、本発明は前記実施形態及び実施例に
限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の
趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化すること
もできる。 (1)本発明で得られた複合高強度材を別の材料中に分
散させて、さらなる複合材料とすること。例えば、実施
例で製造中にビレットを挿入したCu製パイプなどを除
去せずにそのまま線材とした場合、Cu基材中に複合高
強度材が配向した一種の複合材料となる。この場合で
も、かなりの高強度化が期待できる。また、線材の再結
束段階で、線材表面を金属メッキしたり金属などの箔で
巻くなどしてから、同じように強く塑性加工しても、同
様のものが得られる。
【0046】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明に係る複合高
強度材及びその製造方法によれば、Al合金線材だけで
はなくバルク材料を含めても、これまでに例のない超高
強度と延性・靱性とを兼ね備えた高性能なAlを含む複
合高強度材を提供することができるという優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の各実施例において混合粉末を
圧粉成形してビレットにする工程の概略断面図、(b)
は作成したビレットの斜視図である。
【図2】同ビレットをスエージング加工する工程の概略
断面図である。
【図3】実施例1の線材を示し、(ア)、(イ)、
(ウ)はそれぞれη=5.4、10.5、13.0の各
段階まで加工した線材の縦断面のミクロ組織を示す金属
組織写真である。
【図4】同じくη=13.0の段階の線材の横断面のミ
クロ組織を示す金属組織写真である。
【図5】同じくη=5.4の段階の線材のX線回折結果
を示すグラフである。
【図6】同じく実施例1における加工歪と引張強度の関
係を示すグラフである。
【図7】実施例2の線材においてη=14.6の段階の
線材の縦断面のミクロ組織を示す金属組織写真である。
【図8】同じくη=14.6の段階の線材の横断面のミ
クロ組織を示す金属組織写真である。
【図9】同じくη=12.4、14.6の各段階の線材
のX線回折結果を示すグラフである。
【図10】同じく実施例2における加工歪とビッカース
硬さの関係を示すグラフである。
【図11】同じく実施例2における加工歪と引張強度の
関係を示すグラフである。
【図12】実施例2の線材においてη=14.8の段階
の線材の縦断面のミクロ組織を示す金属組織写真であ
る。
【図13】同じくη=14.8の段階の線材の横断面の
ミクロ組織を示す金属組織写真である。
【図14】同じく図中に示す各加工歪段階のX線回折結
果を示すグラフである。
【図15】同じく実施例3における加工歪とビッカース
硬さの関係を示すグラフである。
【図16】同じく実施例3における加工歪と引張強度の
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 混合粉末 2 ビレット 3 パイプ 4 中実棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 1/10 B22F 3/10 X // C22C 47/16 C22C 1/09 E Fターム(参考) 4K018 AA14 BA07 BA11 BC12 BC23 CA11 CA31 CA36 JA23 KA70 4K020 AA10 AC01 BB12 BB28

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塑性加工が施されたことによりAl又は
    Alを含む合金よりなる母相中にBCC金属又はBCC
    金属を含む合金よりなる第二相が相分離した状態で微細
    に分散している複合高強度材。
  2. 【請求項2】 Al又はAlを含む合金の融点に達しな
    い温度で、前記Al又はAlを含む合金よりなる母相用
    材料中にBCC金属又はBCC金属を含む合金よりなる
    第二相用材料が分散した混成物を作成する混成物作成工
    程と、前記混成物を塑性加工することにより、前記Al
    又はAlを含む合金よりなる母相中に前記BCC金属又
    はBCC金属を含む合金よりなる第二相を相分離した状
    態で微細に分散させる塑性加工工程とを含む複合高強度
    材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記混成物作成工程は、Al又はAlを
    含む合金の点状体、線状体又は面状体よりなる母相用材
    料と、BCC金属又はBCC金属を含む合金の点状体、
    線状体又は面状体よりなる第二相用材料とを混合、結束
    又は積層することにより行う請求項2記載の複合高強度
    材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記混成物作成工程は、溶射法、スプレ
    ーデポジション法などによりAl又はAlを含む合金の
    点状体よりなる母相用材料と、BCC金属又はBCC金
    属を含む合金の点状体よりなる第二相用材料とが混合し
    て堆積した層状物又はバルクを作成することにより行う
    請求項2記載の複合高強度材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記混成物作成工程は、Al用又はAl
    を含む合金用のメッキ浴の中にBCC金属又はBCC金
    属を含む合金の粉末よりなる第二相用材料を混入し、前
    記メッキ浴に浸けた基材の表面に、前記第二相用材料が
    分散したAl又はAlを含む合金よりなるメッキ層を形
    成することにより行う請求項2記載の複合高強度材の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記複合高強度材が線材である請求項1
    記載の複合高強度材又は請求項2〜5のいずれか一項に
    記載の複合高強度材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記塑性加工により前記混成物に与える
    加工歪が2以上である請求項1記載の複合高強度材又は
    請求項2〜5のいずれか一項に記載の複合高強度材の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記第二相の塑性加工後の平均厚みが1
    0μm以下である請求項1記載の複合高強度材又は請求
    項2〜5のいずれか一項に記載の複合高強度材の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記第二相の塑性加工後の平均間隔が1
    0μm以下である請求項1記載の複合高強度材又は請求
    項2〜5のいずれか一項に記載の複合高強度材の製造方
    法。
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