JP2000223436A - 粒子ビ―ムの発生並びに粒子ビ―ムの特性の測定及び調節 - Google Patents

粒子ビ―ムの発生並びに粒子ビ―ムの特性の測定及び調節

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JP2000223436A
JP2000223436A JP11308601A JP30860199A JP2000223436A JP 2000223436 A JP2000223436 A JP 2000223436A JP 11308601 A JP11308601 A JP 11308601A JP 30860199 A JP30860199 A JP 30860199A JP 2000223436 A JP2000223436 A JP 2000223436A
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faraday cup
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ion
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Nasa Goggi Meran
ナサー−ゴッヂ メーラン
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アパーチャの寸法を変化させて粒子ビームの
特性を制御することのできるイオン打ち込み装置及び方
法を提供する。 【解決手段】 粒子源を含む機器によって粒子ビーム4
0を発生し、この粒子ビーム40を被加工物の表面に指
向させることによって、被加工物を粒子で処理する。フ
ァラデーカップ・アセンブリ60が、粒子ビームを遮断
するように配置されていて、粒子ビームの特性を測定す
る。ファラデーカップ・アセンブリ60は、電荷を収集
するファラデーカップ62と、帯電粒子をファラデーカ
ップ62まで通過させるアパーチャ72を有するアパー
チャ・アセンブリ70とを備えている。ファラデーカッ
プ60は、帯電粒子を遮断するようにアパーチャ・アセ
ンブリ60に対して配置されている。アパーチャ・アセ
ンブリ60は、アパーチャ72のサイズを変化させるよ
うに構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子ビームを発生
させ、特に一つのファラデーカップ又は複数のファラデ
ーカップを用いて、粒子ビームの特性を測定し調節する
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、粒子ビームは、種々の用
途に使用することができる。そのような用途の一つは、
イオン注入であって、イオン注入においては、イオンビ
ームを発生させて被加工物に指向させ、被加工物にイオ
ンを打ち込む。被加工物は、ウエーハ、その他の目標基
板とすることができる。イオンビームは、大きな断面
積、すなわち、約1cm以上の断面積、好ましくは、
約7cm以上の断面積を有することができる。そのよ
うなイオンビームは、走査機構と組み合わせて用いて、
広い面積にわたってイオンを堆積させることができる。
上記走査機構は、一つの方向におけるビームの磁気的な
走査と、別の方向における被加工物の機械的な走査を行
うように構成することができる。
【0003】イオン注入プロセスの間には一般的に、被
加工物全体にわたって均一にイオンを打ち込むことが望
ましい。イオン注入プロセスにおけるこの均一性は、イ
オンビームが、その全走査領域において同一の特性を有
し、かつ全イオン注入プロセスの間において同一の特性
を有するということに依存する。しかしながら、イオン
ビームは、異なる走査点において異なった特性を有し、
かつイオン注入プロセスの間の異なる時間において異な
った特性を有する。従って、均一な注入を確保するため
には、イオンビームの特性を監視する必要があり、かつ
その特性に影響を与えるパラメータを調節する必要があ
る。加えて、幾つかの用途においては、新たな必要条件
及び特性に従って、イオンを打ち込むためのイオンビー
ムの特性を変更することが望ましい。例えば、新たな被
加工物に対して、イオンビーム電流を増大又は減少させ
ることが望ましい場合がある。この場合には、「飛行
中」に、すなわち、例えば新しいイオンビームのための
測定器具を再構成するために、注入プロセスを停止させ
ることなく、イオンビームの特性を変更することは、よ
り効率的でありより廉価であることがある。
【0004】イオン注入プロセスの均一性は、被加工物
全体に供給された注入線量の値と、ウエーハ全体にわた
る線量の均一性とによって、特徴づけることができる。
注入線量(D)は、被加工物の単位面積当たりに供給さ
れたイオンの数として定義することができる。供給され
た線量の値は、イオンビーム電流の値に依存するので、
線量を監視して調節する一つの方法は、ファラデーカッ
プを用いてイオンビーム電流を監視することである。線
量が一旦決定されると、注入プロセスを支配するパラメ
ータを調節して、ビームの均一性における変動を補償す
ることができる。そのようなパラメータは、被加工物の
機械的な走査の速度と、イオンビーム電流を支配するパ
ラメータとを含むことができる。
【0005】
【発明の概要】本発明は、その一つの一般的な態様にお
いて、粒子ビームを発生させ、該粒子ビームを被加工物
の表面に指向させるための粒子源を含む機器よって、被
加工物を粒子で処理することを特徴としている。ファラ
デーカップ・アセンブリ(ファラデーカップ装置)は、
上記粒子ビームを遮断してその粒子ビームの特性を測定
するように、配置されている。上記ファラデーカップ・
アセンブリは、電荷を収集するためのファラデーカップ
と、アパーチャ(開口)を有するアパーチャ・アセンブ
リ(開口装置)とを備えており、上記アパーチャを通っ
て帯電粒子がファラデーカップまで移動するようになっ
ている。ファラデーカップは、帯電粒子を遮断するよう
にアパーチャ・アセンブリに対して相対的に配置されて
おり、アパーチャ・アセンブリは、上記アパーチャのサ
イズを変化させるように構成されている。本発明は、別
の態様において、ファラデーカップ・アセンブリを特徴
としている。
【0006】本発明の実施の形態は、1又は2以上の以
下の特徴を備えることができる。可変アパーチャ・アセ
ンブリは、第2のアパーチャを有する第1のプレート
と、第3のアパーチャを有する第2のプレートとを備え
ている。第1のプレートは、第2のプレートに隣接して
配置されており、また、第2のアパーチャは、最初に述
べたアパーチャすなわち第1のアパーチャを形成するよ
うに第3のアパーチャに対して配置されており、更に、
第1及び第2のプレートは、互いに相対的に摺動可能で
あり、一方のプレートが他方のプレートに対して相対的
に摺動すると、第3のアパーチャに対する第2のアパー
チャの相対的な位置が変化し、これにより、第1のアパ
ーチャのサイズが変化するようになっている。
【0007】本機器の少なくとも幾つかは、上記一方の
プレートに接続された駆動装置を備えており、この駆動
装置は、上記一方のプレートを上記他方のプレートに対
して相対的に摺動させる。上記駆動装置は、さらに、上
記他方のプレートに接続されていて、この他方のプレー
トを上記一方のプレートに対して相対的に摺動させる。
駆動装置は上記一方のプレート及び上記他方のプレート
を実質的に同じ距離だけ摺動させる。上記ファラデーカ
ップは、細長く、細長い第1の軸線によって特徴づけら
れ、そして、上記アパーチャは、細長く、細長い第2の
軸線によって特徴づけられる。これらカップ及び開口す
なわちアパーチャは、上記細長い第1及び第2の軸線が
互いに実質的に平行になるように配置されている。
【0008】幾つかの実施の形態においては、粒子ビー
ムは、イオンビームであり、装置はさらに、イオンビー
ムを被加工物の表面に指向させると共にイオンビームを
走査する複数の磁石を備えている。イオンビームは、大
きな断面積、例えば、約1cm以上の断面積、好まし
くは、約7cm以上の断面積を有している。ビーム
は、0.02(mA)(AMU)1/2(KeV)
−3/2程度のあるいはこれよりも大きなパービアンス
を有している。ビーム中のイオンは、アルゴン、窒素、
ホウ素、アルシン(arcin:水素化ヒ素)、ホスフ
ィン(リン化ヒ素)、リン、ヒ素及びアンチモンとする
ことができる。ビームは、リボン状のビームとすること
ができる。
【0009】ファラデーカップ・アセンブリ、並びに、
粒子ビームを発生して導くための装置は、ファラデーカ
ップ・アセンブリによって収集された電荷を表す入力信
号を受信すると共に、装置の動作を制御する装置制御信
号を出力するように接続されている演算処理装置を更に
含む装置の一部を構成している。コンピュータが読取可
能な記憶装置は、ソフトウエアプログラムを記憶してお
り、このソフトウエアプログラムは、上記入力信号を処
理して出力装置制御信号を供給し、上記装置の動作を制
御するための命令を含んでいる。プロセッサは、上記ソ
フトウエアの命令にしたがって、ファラデーカップ・ア
センブリによって収集された電荷を表す信号を受信し、
この信号を処理して上記装置の動作を制御する信号を調
節するか否かを決定し、装置制御信号を調節することを
決定した場合には、イオン注入装置の制御信号を調節す
る。上記装置制御信号は、粒子ビームの電流及び均一性
の如き粒子ビームの特性を制御する装置への信号を含ん
でいる。
【0010】上記演算処理装置は、さらに上記アパーチ
ャのサイズを変更するアパーチャ制御信号を出力するよ
うに接続することができ、上記ソフトウエアは、さらに
入力信号を処理して上記アパーチャのサイズを決定する
アパーチャ制御信号を出力するための命令も含んでい
る。演算処理装置は、上記ソフトウエアの命令にしたが
って、入力信号を処理して、アパーチャ制御信号の大き
さを変更するか否かを決定し、アパーチャのサイズを変
更することを決定した場合には、アパーチャ制御信号を
調節してアパーチャのサイズを変更する。
【0011】電源に接続するための抑制電極が、ファラ
デーカップと可変開口アパーチャ・アセンブリとの間に
設けられており、上記電極は、帯電粒子をファラデーカ
ップへ移動させるためのアパーチャを有している。第1
のプレート又は第2のプレートに隣接し且つ該プレート
に接触した状態で、冷却プレートが設けられており、こ
の冷却プレートは接地されている。ファラデーカップ
は、グラファイトで構成されている。ファラデーカップ
列は、粒子ビームを遮断してその粒子ビームの特性を測
定するように配置されている。ファラデーカップ列は、
電荷を収集するための複数のファラデーカップと、複数
のアパーチャを有する可変アパーチャ・アセンブリとを
備えており、粒子ビームからの帯電粒子は上記複数のア
パーチャを通って複数のファラデーカップまで移動する
ようになっている。複数のファラデーカップの各々は、
上記複数のアパーチャの中の少なくとも一つのアパーチ
ャを通って移動する帯電粒子を遮断するように、可変ア
パーチャ・アセンブリに対して配置されている。アパー
チャ・アセンブリは、上記アパーチャの中の少なくとも
1つのアパーチャのサイズを変化させるように構成され
ている。最初に述べたファラデーカップ・アセンブリ
は、上記ファラデーカップ列の一部である。本発明は、
別の態様において、ファラデーカップ・アセンブリを特
徴としている。
【0012】本発明の実施の形態は、以下の特徴の中の
1又は2以上の特徴を備えることができる。可変アパー
チャ・アセンブリは、複数の第2のアパーチャを有する
第1のプレートと、複数の第3のアパーチャを有する第
2のプレートとを備えており、上記第1のプレートは、
上記複数の第2のアパーチャが最初に述べた複数のアパ
ーチャすなわち複数の第1のアパーチャを形成するよう
に上記複数の第3のアパーチャに対して位置決めされる
ように、上記第2のプレートに隣接して配置されてい
る。上記第1及び第2のプレートは、相対的に摺動する
ことができ、一方のプレートが他方のプレートに対して
摺動すると、上記複数の第3のアパーチャに対する上記
複数の第2のアパーチャの位置が変動し、これにより、
上記第1の複数のアパーチャのサイズが変化するように
なっている。
【0013】上記一方のプレートを上記他方のプレート
に対して相対的に摺動させる駆動装置が設けられてい
る。この駆動装置は、上記一方のプレートに接続された
第1のアームと、上記他方のプレートに接続された第2
のアームと、回転軸線を有する回転ホイールとを備えて
おり、駆動装置は、上記第1のアームを動かして上記摺
動を生じさせ、また、上記第2のアームを動かして上記
摺動を生じさせるようになっており、上記第1及び第2
のアームの一端部は、上記回転軸線からある距離に位置
する第1及び第2の接続点において、上記ホイールに枢
動可能に接続されており、また、上記第1及び第2のア
ームの他端部は、上記プレートの一方に枢動可能に接続
されている。
【0014】少なくとも一列のファラデーカップ列を形
成する配列で上記複数のファラデーカップを収容するよ
うに、ハウジングが設けられている。ファラデーカップ
は細長く、細長い軸線によって特徴づけられており、上
記アパーチャは細長く、細長い軸線によって特徴づけら
れている。ファラデーカップ及びアパーチャは、ファラ
デーカップの細長い軸線がアパーチャの細長い軸線の少
なくとも1つに対して実質的に平行になるように、互い
に配置されている。本発明は、別の態様において、帯電
粒子の流れの電荷を収集してこれを測定するためのファ
ラデーカップに係り、ファラデーカップへの帯電粒子の
流れを制御するアパーチャのサイズを変化させることを
特徴としている。
【0015】本発明の実施の形態は、以下の1又は2以
上の特徴を備えている。粒子ビームが発生され、選択さ
れた特徴に従って被加工物に指向される。ファラデーカ
ップは、粒子ビームの経路中に位置しており、粒子ビー
ムの少なくとも一部は、上記アパーチャを通って移動し
て、粒子の流れを供給する。次に、ファラデーカップに
よって収集された電荷が測定される。上記アパーチャの
サイズが変えられて、ファラデーカップに到達する上記
粒子ビームの一部の断面積のサイズが変化する。
【0016】上記アパーチャのサイズは、測定された電
荷の値に応じて変えられる。上記アパーチャのサイズが
変化すると、測定された電荷の値すなわち電荷測定値
は、所定の信号対雑音比を表す予め選択された値に向か
う傾向を有している。電荷の測定は、更にファラデーカ
ップにより収集された電荷の値を積算することを含んで
いる。
【0017】幾つかの実施の形態において、電荷を測定
する工程及びアパーチャのサイズを変化させる工程は、
コンピュータからの命令に応答して実行される。電荷測
定値が積算され、その積算値は粒子ビームの電流を表
す。上記積算値を予め選択された値と比較して、これら
値の間の差を決定する。次に、選択された特性を上記決
定された差に基づいて変動させる。
【0018】幾つかの実施の形態において、電荷測定値
を積算する工程、電荷を測定する工程及び電荷測定値を
予め選択された値と比較する工程は、コンピュータによ
って実行される。アパーチャのサイズを変化させる工程
及び選択された特性を変化させる工程は、コンピュータ
からの命令に応答して実行される。電荷測定値を予め選
択された値と比較して、これら値の間の差を決定する。
上記電荷測定値は、ビームのプロファイル(輪郭)を表
している。選択された特性は、上記決定された差に基づ
いて変化される。
【0019】幾つかの実施の形態において、電荷を測定
する工程及び電荷測定値を予め選択された値と比較する
工程は、コンピュータによって実行される。アパーチャ
の寸法を変化させる工程及び選択された特性を変化させ
る工程は、コンピュータからの命令に応答して実行され
る。本発明の他の特徴及び利点は、好ましい実施の形態
に関する以下の記載(図面を含む)、並びに、請求の範
囲から明らかとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、イオン注入装置10の例
を示しており、このイオン注入装置は、半導体ウエーハ
24の如き被加工物の表面全体にわたってイオンを極め
て均一に堆積させるために使用される。そのようなイオ
ン注入装置のビーム線の一般的な特徴は、例えば、米国
特許第5,393,984号(以下において、「’98
4特許」と称する)、並びに、同一人に譲渡された米国
特許出願である出願番号09/083,814(発明の
名称:イオン源、出願日:1998年5月22日)、出
願番号09/083,707(発明の名称:電荷の中性
化によるイオン注入、出願日:1998年5月22
日)、出願番号08/982,210(発明の名称:デ
ューティサイクル調整を使用した信号の伝送、出願日:
1997年12月1日)、及び、出願番号09/08
3,706(発明の名称:イオンビームの空間電荷中性
化、出願日:1998年5月22日)に開示されてい
る。上記’984特許並びに上述の各米国特許出願は、
ここで参照することによりその全体が本明細書に組み込
まれるものとする。
【0021】イオン注入装置10は、イオン源12と、
引出し電極14と、分析磁石16と、走査磁石18と、
コリメータ磁石20と、プラズマ電荷中和器22と、ウ
エーハ24とを備えている。図1のイオン注入装置10
は、リボン状のビームを発生し、このビームは、幾つか
の実施の形態においては、1keVから100keVま
でのエネルギ範囲を有している。ビームは、’984特
許に説明されているように、高電流かつ高パービアンス
のビームである(幾つかの実施の形態においては、ビー
ムは、0.02(mA)(amu)1/2(keV)
−3/2程度あるいはそれよりも大きなパービアンスを
有している)。ある種の実施の形態におけるビーム電流
は、約10マイクロアンペアから約40ミリアンペアま
での範囲を有している。イオン注入装置10は、イオン
ビーム40をウエーハ24上を磁気的に走査する。他の
実施の形態においては、ビームを静電的に走査すること
ができる。
【0022】イオン注入装置のイオン源12は、バーナ
ス型(Bernas type)のイオン源、フリーマ
ン(Freeman)のイオン源、又は、マイクロ波E
CRイオン源を含む、任意のタイプのイオン発生源とす
ることができる。イオン源12は、アルゴン、窒素、解
離型ホウ素(BFの形としての)、アルシン(水素化
ヒ素)、及び、ホスフィン(リン化水素)の如きガスを
含む、正に帯電した注入用のイオンを発生する。固形物
のイオンは蒸着の後に注入されることもある。そのよう
な固体は、リン、ヒ素及びアンチモンを含む。他の物質
を注入することもできる。イオンは、オリフィスから出
て、引出し電極14によって抽出される。抽出電極は、
イオン源に比較して負の電位を有している。引出し電極
14の形状及び位置は、良好に形成されたイオンビーム
が電極から出るようなものである。
【0023】次に、分析磁石16が、イオン運動量対電
荷の比(Mv/Q:vはイオンの速度、Qはイオンの電
荷、Mはイオンの質量)に従って望ましくない不純物を
除去することにより、イオンビームを分析する。そし
て、走査磁石18は、イオンビームをビームの経路に対
して直交する方向に走査する。その走査範囲は、約40
0mmである。このイオンビームの走査の後に、コリメ
ータ磁石20は、ビームの中のイオンの経路が全走査範
囲にわたって概ね平行になるように、イオンビームの方
向を再調整する。
【0024】図示の実施の形態においては、イオンビー
ムは、リボン状の幅の広いビームであって、イオン源に
おいて90mm、またウエーハにおいて60mmのビー
ム高さ(すなわち、ビームの断面積の長軸に沿うビーム
の長さ)を有しており、一方、直交する短軸に沿う寸法
は、イオン源において2.5mm、またウエーハにおい
て10mmである。しかしながら、他のビームは、ウエ
ーハにおいて大きなビーム断面積、例えば、約1cm
以上の断面積、好ましくは、約7cm以上の断面積を
与えることになる、種々の寸法を有することができる。
そのようなビームは、リボン状とすることができる。そ
のようなビームは、円形、楕円形又は他の形状の断面を
有することができる。
【0025】イオン注入装置10は、最大で300mm
の直径を有するウエーハにイオン注入を行うことができ
るように、そのサイズが決定されている。エンドステー
ション26は、ウエーハに対するビームの入射角度の範
囲内の予め選択された角度、好ましくは、イオンビーム
に対して直角な入射角度から10°未満の角度までの角
度にウエーハ24を保持する。エンドステーション26
は、またウエーハを機械的に動かしてウエーハを第2の
方向に走査する。この第2の方向は、ウエーハが着座し
ている平面にあって磁気的な走査方向に対して直角であ
る。ウエーハの機械的な走査方向及びイオンビームの磁
気的な走査方向は、互いに実質的に直交するようにでき
る。
【0026】エンドステーション26は、また以下に説
明するファラデーカップ列50を備えている。図2A及
び図2Bに概略的に示すように、ファラデーカップ50
は、ウエーハ24の下流側に位置している。図2Aは、
イオンビーム40によってイオン注入を受けるように配
置されているウエーハ24を示している。図2Bは、イ
オン注入を受けた後にイオンビーム40の経路から取り
除かれた後のウエーハ24を示している。ウエーハ24
(傾斜した状態にある)の輪郭24’が、イオンビーム
電流の測定の間のファラデーカップ列50の位置に対す
るイオン注入の間のウエーハ24の可能な位置を示して
いる。ウエーハ24を取り除くと、ファラデーカップ列
50はイオンビーム40の経路の中に位置し、測定値の
読み取りを行うために、粒子を遮断して電荷を収集す
る。ファラデーカップ列50が後退可能であること、す
なわち、ファラデーカップ列は、ビーム電流の測定を行
う位置へ動き、測定の後に、その測定位置から後退する
ことができることに注意する必要がある。ファラデーカ
ップ列50は、その後退位置においては、ビームの経路
から離れた位置に位置することになる。
【0027】図2C及び図2Dは、別の実施の形態のエ
ンドステーション26におけるウエーハ24に対するフ
ァラデーカップ列50の位置を示している。この実施の
形態においては、ファラデーカップ列50は、ウエーハ
24と概ね同じ平面に位置している。幾つかの実施の形
態においては、ファラデーカップ列50は、ウエーハ2
4と同じ態様でイオンビームを遮断するように傾斜し、
ウエーハ24と同様に機械的な走査を受けることができ
る。この実施の形態におけるファラデーカップ列50は
後退可能であり、ウエーハ24が取り除かれたときに、
測定を行う位置に置かれる。ファラデーカップ列50
は、運転中にはウエーハ24と同じ平面にあるので、フ
ァラデーカップ列50による測定値は、ウエーハ24に
与えられるイオン注入線量を正確に反映する。
【0028】図3、図4、図5A及び図5Bを参照する
と、ファラデーカップ列50は、列をなして配置された
一列のファラデーカップ・アセンブリ60を有してい
る。各々のファラデーカップ・アセンブリは、ハウジン
グ64の中に設けられたファラデーカップ62と、他の
ファラデーカップ・アセンブリ60と共有する多数の部
品とを備えている。これらの共有される部品は、抑制電
極66、冷却プレート68、及び、複数の可変アパーチ
ャ72を形成する可変アパーチャ・アセンブリ70であ
る。可変アパーチャ・アセンブリ70は、さらに上方プ
レート74Aと、下方プレート74Bと、駆動装置すな
わち駆動機構75とを備えている。駆動装置75は、上
方プレート74A及び下方プレート74Bを互いに相対
的に摺動させ、これにより、後に詳細に説明するよう
に、アパーチャ72のサイズ(寸法)を変化させる。駆
動装置75は、アーム76A,76Bと、回転表面78
と、モータ82とを備えている。上方プレート74A
は、二次的な電子放出/汚染を減少させる、グラファイ
ト(黒鈴)又はガラス質グラファイトから構成すること
ができる。
【0029】上述のように、各々のファラデーカップ・
アセンブリ60は、ファラデーカップ62と、対応する
アパーチャ72とを備えている。各々のファラデーカッ
プ62は、電荷を収集するための実質的な電極であり、
典型的には、電流測定装置と直列に接地電位に接続され
ている。ファラデーカップ62の形態、幾何学的形状及
び寸法は、本明細書に開示する形態等には限定されるも
のではなく、用途に応じて変更することができる。この
実施の形態においては、ファラデーカップ62は、グラ
ファイトから形成されていて、アパーチャ72の列の正
面に配置されている。各々のファラデーカップ62は、
アパーチャを通って移動する電荷がそのカップによって
遮断されるように、アパーチャ72の中の一つのアパー
チャに対して相対的に位置決めされている。可変アパー
チャ・アセンブリ70は、イオンビーム40の帯電粒子
を通過させてファラデーカップ62に到達させるように
する、複数のアパーチャ72を形成している。後に詳細
に説明するように、アパーチャ72の幅、従ってアパー
チャ72のサイズは可変であって、注入プロセスの間に
要求に応じて変えることができる。
【0030】特に図3に示すように、ファラデーカップ
列50は、直線的な列として配列された多数のファラデ
ーカップ・アセンブリ60を有している。一般的に、フ
ァラデーカップ列50は、イオンビーム40の走査経路
全体にわたって伸長するように、配置されていて、イオ
ンビーム40の経路全体に沿ってイオンビームから読取
り値を得ることができる。アパーチャ72及びファラデ
ーカップ62は一般的に、アパーチャ72に対して平行
な軸線に沿うビームの予想最大寸法よりも大きい。これ
により、ビーム全体からの帯電粒子がファラデーカップ
62に確実に入ることになる。
【0031】ファラデーカップ62及びアパーチャ72
は、一般的に、両端の対のファラデーカップ62A,6
2B及び対応する対のアパーチャ73A,73Bを除い
て、均一に間隔をおいて配置されている。ファラデーカ
ップの対62A,62B、並びに対応するアパーチャの
対73A,73Bは、他のファラデーカップ62及びア
パーチャ72の場合よりも、互いにより近接して配置さ
れている。この配置は、イオンビーム40がイオンビー
ム40の走査経路の端部に位置するアパーチャ72を通
過しない場合に、誤った読取り値を得る結果を減少させ
る助けをする。上述の場合には、イオンビーム40は、
両方の走査方向において対応するファラデーカップ62
に連続的に衝突して、そのカップから出ることはない。
換言すれば、イオンビーム40は、他のファラデーカッ
プ62の場合の二倍の長さの時間にわたって、そのファ
ラデーカップに衝突することになる。後に説明するよう
に、幾つかの場合には、電荷測定値は、収集した電荷の
積算値であるので、走査の終端においてファラデーカッ
プ62から得られる読取り値は、ファラデーカップ列5
0の他のファラデーカップ62の読取り値の二倍程度大
きくなる。従って、そのような読取り値は無視しなけれ
ばならない。そのような場合には、走査の終端にある各
対のファラデーカップにおいて、アパーチャ72及びフ
ァラデーカップ62は、互いに近接して配置されている
ので、その対の中の他方のファラデーカップ62からの
読取り値は、その走査経路の終端におけるビーム特性の
正確な評価として用いることができる。
【0032】一般的に、各々のアパーチャ72は、イオ
ンビームの粒子を通過させて対応するファラデーカップ
62に到達させることのできる、開口である。可変アパ
ーチャ・アセンブリ70は、アパーチャ72の開口領域
の幅を変えることによってアパーチャ72のサイズを変
化させることができるように、設計され且つ構成されて
いる。各々のアパーチャ72は、上方プレート74Aの
アパーチャ72Aの中の一つのアパーチャ、並びに、下
方プレート74Bのアパーチャ72Bの中の対応する一
つのアパーチャによって形成されている。上述のよう
に、プレート74A,74Bは、互いに関して摺動可能
なように構成され且つ配置されている。アパーチャ72
のサイズがどのようにして変化するかを理解するため
に、上方プレート74Aのアパーチャ72Aの中の一つ
のアパーチャ、及び、下方プレート74Bのアパーチャ
74Aの中の対応する一つのアパーチャを考えてみる。
これらのアパーチャ72A,72Bの整合の度合いが大
きくなるか又は小さくなると、幅、従って、イオンビー
ム40が通過する開口領域のサイズは、それぞれ大きく
あるいは小さくなる。また、アパーチャ72A,72B
の整合の度合いが大きくなるかあるいは小さくなると、
アパーチャ72の中心軸線は、ファラデーカップ62の
比較的中心に維持される。
【0033】例えば、図5Aは、プレート74A,74
Bが移動して、幅w1がアパーチャ72の有効開口領域
の幅になっている状態を示している。一方、図5Bは、
プレート74A,74Bがある距離だけ摺動して、アパ
ーチャ72A,72Bが実質的に整合され、アパーチャ
72の有効幅がw2になっている状態を示している。従
って、図5Aのファラデーカップ62によって任意の時
間に測定されるビーム電流測定値は、図5Bのファラデ
ーカップ62によって測定されるビーム電流測定値より
も、イオンビーム40の狭い部分だけの値に相当する分
だけ小さい。
【0034】ファラデーカップ列50は、イオンビーム
40が走査の時点の軸線84に実質的に沿って移動する
ように、イオンビーム40に対して位置決めされている
が、イオンビーム40の経路は、上記軸線から発散する
ことができることを理解する必要がある。従って、アパ
ーチャ72は、イオンビーム40に対して大きく又は小
さく見えることがある。しかしながら、上記発散は一般
的に重要ではない。また、他の実施の形態においては、
アパーチャ72を形成する構造は、そのアパーチャのサ
イズがビームの入射角が変化しても全く変化しないよう
に構成することができることにも注意する必要がある。
【0035】プレート74A,74Bを相対的に摺動さ
せて、幅、従ってアパーチャ72の寸法を変化させるた
めの機構を以下に説明する。プレート74A,74Bは
各々、アーム76A,76Bの一端部に取り付けられて
いる。アーム76A,76Bの他端部は、回転表面78
(この場合にはディスク)の回転中心80から離れた位
置で上記回転表面78に枢動可能に接続されている。モ
ータ82が、回転表面78を回転させて、アーム76
A,76Bを反対方向に動かすことができる。一方、こ
れらアームの運動は、プレート76A,76Bを互いに
関して反対方向に摺動させる。プレート76A,76B
が互いに関して相対的に摺動すると、アパーチャ72A
及びこれらに対応するアパーチャ72Bがより大きく又
はより小さく整合され、アパーチャ72の幅及びサイズ
はそれに応じて変化する。プレート74A,74Bは、
共に、互いに関して実質的に同じ距離だけ摺動するの
で、アパーチャ72は、それぞれの寸法が変化する際
に、実質的に中心に位置する(すなわち、図5A及び図
5Bに示す軸線84上にセンタリングされる)状態を維
持することに注意する必要がある。
【0036】プレート74A,74Bを相対的に摺動さ
せる駆動機構の別の実施の形態においては、アーム76
A,76Bは、これらアームをプレート74A,74B
と同じ平面において直線的に動かすための通常の駆動機
構に接続することができる。そのような通常の機構は、
空圧駆動式、油圧駆動式、歯車駆動式、又は、ベルト駆
動式の通常の機構を含むことができる。
【0037】上述のように、ファラデーカップ・アセン
ブリ60は、冷却プレート68及び抑制電極66を共有
している。冷却プレート68は、列をなす開口を有して
おり、これら開口は、アパーチャ72と整合されてい
て、アパーチャ72を通過する粒子が阻害されることな
く冷却プレート68を通過することができるようになっ
ている。冷却プレート68の各々の開口は、アパーチャ
72の最大開口領域の寸法よりも大きな寸法を有するの
が好ましい。
【0038】冷却プレート68は、下方プレート74B
に隣接し且つ該下方プレートに接触した状態で配置され
ている。上方及び下方のプレート74A、74Bは、各
々、グラファイトの如き導電材料から形成されている。
作動の間に、上方プレート74Aは、イオンビームのイ
オンに衝突される。この衝突は2つの効果を有してい
る。第一に、正の電荷が常時プレート74に与えられ
る。第二に、プレート74Aによって止められたイオン
は、エネルギをプレート74Aに放出し、プレート74
Aを加熱する。冷却プレート68は、上記2つの効果を
相殺する助けをする。作動の間に、冷却プレート68は
接地(アース)されており、これにより、プレート74
A,74Bも接地されることになる。従って、冷却プレ
ート68は、プレート74Aに供給された電荷を接地へ
流すことを可能とする。また、冷却プレート68は、ヒ
ートシンクとして作用し、プレート74A,74Bの冷
却を助ける。
【0039】抑制電極66は、ファラデーカップ62と
可変アパーチャ・アセンブリ70との間に配置されてい
る。抑制電極66は、一列の開口を有しており、これら
開口は、アパーチャ72を通過するビームがファラデー
カップ62に到達できるようにしている。作動の間に、
抑制電極66は、負の電位に維持される。抑制電極66
は、その電荷によって、二次電子がファラデーカップ6
2から出ることを阻止する。この実施の形態においては
静電的な抑制電極が使用されているが、他の実施の形態
は、二次電子の抑制を行うために磁界又は電磁界を用い
ることができることに注意する必要がある。
【0040】図4を参照すると、ファラデーカップ62
は、種々の回路構成で種々のタイプの測定を行うように
接続することができる。この場合には、ファラデーカッ
プ62は、それぞれ2つの回路構成で2つのタイプの測
定(ビーム電流及びビームプロファイル)を行うように
接続されている。第1の回路構成において、各ファラデ
ーカップ62からの信号は、通常の回路を用いるように
構成された積分器82に接続されている。積分器からの
信号は、接地(アース)に直列に接続されたオシロスコ
ープ又は電流計などの測定/表示装置84に供給され
る。測定/表示装置84は、コンピュータとするか、あ
るいは、コンピュータの構成要素とすることができる。
この回路構成は、後に詳細に説明するように、各ファラ
デーカップ62からイオンビームの電流測定値を得るこ
とを可能にする。第2の回路構成においては、各ファラ
デーカップ62からの信号は、積分されることなくすな
わち集積されることなく、測定/表示装置84へ直接供
給される。この回路構成は、後に詳細に説明するよう
に、イオンビームのプロファイル(輪郭)を測定するこ
とを可能にする。
【0041】可変アパーチャを有するファラデーカップ
列の実施の形態の構造を説明したので、イオン注入の間
にファラデーカップ列50を用いてイオンビームの特性
を測定して調節する方法を以下に説明する。より詳細に
は、ファラデーカップ列50を用いるこれらの方法によ
れば、ファラデーカップ列50を用いてイオンビームの
特性を測定し、被加工物に供給される全線量の値及びそ
の線量の均一性を共に決定することができる。次に、こ
れらの値を用いて、イオンビームの特性を調節し、選択
された線量が被加工物に確実に供給され、その供給され
た線量が確実に被加工物全体にわたって均一に与えられ
るようにする。また、これらの方法は、イオンビームの
特性を測定して調節するという意味において説明され
る。その理由は、そのような特性は、イオン注入プロセ
スの間にこの注入プロセスを停止させることなく、異な
る注入条件に応じて異なるバッチの被加工物に注入を行
うように変更される。
【0042】上述のように、ファラデーカップ列50を
用いて、被加工物に供給される全線量の値及びその線量
の均一性を共に決定することができる。全線量の値を決
定することにより、所望の線量の値を得るためにイオン
ビーム電流を調節することができる。後に詳細に説明す
るように、全線量の値はビーム電流を測定することによ
って決定される。次に、この測定値を用いて、被加工物
に供給される線量を決定することができる。
【0043】線量の均一性を決定することにより、被加
工物全体にわたる線量の均一性を増大させるようにビー
ム特性を変更することができる。被加工物に供給される
線量の均一性は、ビームの走査経路にわたるイオンビー
ム電流の均一性並びにビームの断面および走査経路全体
にわたるビームプロファイルの均一性を含む種々の要素
に依存している。従って、これらの値を測定して、線量
の均一性を決定すると共に、所望の均一性を得るために
イオン注入装置10の動作を支配するパラメータを調節
する方法を決定することが望ましい。しかしながら、上
記2つのタイプの測定値の各々は、電荷を測定するため
に使用されるファラデーカップに異なる特性を要求す
る。
【0044】一方、上記測定値の各々について以下に説
明する。最初に、イオンビーム電流の測定作業を考えて
みる。図6A及び図6Bを参照すると、ファラデーカッ
プ及びイオンビームは、ビーム全体が開口を通り、かつ
ファラデーカップが、全ビーム電流を測定することがで
きるように寸法が設定される。しかしながら、図7A及
び図7Bを参照すると、ファラデーカップ及びイオンビ
ームは、またファラデーカップとの入射平面におけるビ
ームの断面積がファラデーカップに対する開口よりも大
きくなるように、寸法(サイズ)を設定することができ
る。従って、カップは、図6A及び図6Bにおけるよう
にビーム全体からの電荷ではなく、イオンビームの特定
の部分、すなわち一部分からの電荷を測定する。よっ
て、図7A及び図7Bの場合においてビームの電流を得
るために、上述の測定された電荷の値、すなわち電荷測
定値を積算する。
【0045】電荷測定値は、雑音成分と信号成分とを有
している。図8A及び図8Bは、ファラデーカップ・ア
センブリ60から積算された信号を表すグラフであり、
図8Aのグラフに関する信号対雑音比SNR1は、図8
Bのグラフに関する信号対雑音比SNR2よりも小さ
い。図8A及び図8Bから明らかなように、ファラデー
カップ62からの信号が積算された場合には、最終的な
積算値は、2つの成分、すなわち、図8A及び図8Bの
グラフの領域82A,82Bによって示される積算され
た信号成分と、領域84A,84Bによって示される積
算された雑音成分とから構成されている。信号対雑音比
が増大すると、それぞれの積算値の比も増大する。従っ
て、信号対雑音比が大きくなればなるほど、積算された
最終的な測定値は、信号成分及びイオンビーム電流をよ
り正確に表すことになる。よって、イオンビーム電流を
測定する場合には、信号対雑音比を最適に増大させるの
が望ましく、その際には、信号対雑音比が、正確なイオ
ンビーム電流の測定値を与えるように先に決定された閾
値よりも小さくならないようにするのが好ましい。
【0046】第二に、ビームプロファイルの測定作業を
考えてみる。ビーム電流の測定値の精度とは対照的に、
ビームプロファイルの測定値の精度は、高い信号対雑音
比をもつことに対する依存度が低い。その理由は、プロ
ファイルを測定するファラデーカップからの信号が積算
されないからである。
【0047】ビームプロファイルを測定する際には、フ
ァラデーカップのアパーチャの幅が、測定値の分解能を
決定する。図9A及び図9Bは、このことを示してい
る。図9A及び図9Bは、単一のファラデーカップから
のビームプロファイルの読取り値を表すグラフであり、
図9Aのアパーチャの幅W1は、図9Bのアパーチャの
幅W2よりも大きい。図9Aのビームプロファイルの読
取り値は、幅W1が大きいので、図9Bのビームプロフ
ァイルの読取り値ほどには精細な分解能をもっていな
い。というのは、より大きなビームの断面が各時点にお
いて測定されるからである。従って、ビームプロファイ
ルを測定する場合には、小さなアパーチャ開度がより望
ましい。
【0048】従って、上記2つのタイプの測定を同じイ
オンビームに関して行うことは、上述の測定値の一つを
採取するように各々設計された、2組の機器を必要とす
ることになる。また、注入プロセスの間にイオン注入装
置の運転を停止することなくイオンビームの特性を変更
することが望ましい場合には、特定の特性を有するイオ
ンビームに関して上述の測定値を正確に採取するように
設計された機器が、別の組の特性を有するイオンビーム
から測定値を採取するのに必ずしも適していないとい
う、別の問題が生ずる。
【0049】ファラデーカップ50を用いて、異なる特
性を有するイオンビームに関して両方のタイプの測定値
を正確に採取することができる。ファラデーカップ列5
0を用いて、高い信号対雑音比でビームの電流を測定す
ることができ、かつ、狭いアパーチャ開度を用いてその
ビームのビームプロファイルを測定することができる。
更に、ファラデーカップ列50を用いて、イオンビーム
の特性が「飛行中」に、すなわち、ビームの発生及び指
向を停止することなく、変更されるので、イオンビーム
の正確な電流及びプロファイルの測定を行うことができ
る。ファラデーカップ列50を用いて上述のような測定
を行ってイオンビームを変更し、均一なビーム電流及び
ビームプロファイルを得るための方法を以下に説明す
る。
【0050】上述のように、イオンビーム電流の正確な
測定値を得るためには、信号対雑音比が、正確な測定値
を得るための所定の閾値を下回ってはならない。しかし
ながら、信号対雑音比は、一般的に、イオンビーム電流
が減少するにつれて減少する。小さな電流を有するビー
ム(例えば、約10マイクロアンペアよりも小さく、場
合によっては約10ナノアンペアよりも大きな電流を有
するビーム)に関しては、信号対雑音比は、望ましいレ
ベルを下回ることができ、実際に、信号を識別すること
ができなくなる程度まで小さくなることがある。
【0051】信号対雑音比を増大させるためには、以下
に説明する方法にしたがって、ファラデーカップ列50
のアパーチャ72のサイズ(寸法)を変更する。一般的
に、イオンビーム電流の減少は、信号対雑音比を減少さ
せる。というのは、ファラデーカップ62及びファラデ
ーカップ列50によって収集された電荷Qが、電流の減
少に伴って減少するからである。代表的なファラデーカ
ップ62における電荷Qは、下式(この式は、簡略化さ
れた式であって、Qの値を決定する際には、エッジ効果
等の如き他の要素も考慮することがあることに注意する
必要がある)によって概ね評価することができる。 Q=(I×w)/V (式1) 上式において、Vは、各走査サイクルの間にイオンビー
ム40が移動した距離を走査サイクルの期間で除した値
に等しい走査速度であり、Qはファラデーカップによっ
て収集された電荷の積算値であり、wはビームが直角入
射すると仮定した場合のアパーチャ72の開口領域の開
度の幅である。
【0052】従って、上述の収集された電荷値は、アパ
ーチャ72の幅を増大させることにより、すなわち、w
を増大させることにより、増大させることができる。収
集された電荷値Qとアパーチャの幅との間の関係は、感
度式によって表すことができる。 SQ−アパーチャ幅=(dQ/dt)/(dアパーチャ幅/dt) (式 2) 上式は、アパーチャ72の幅の変化値に対する収集され
た電荷値の相対感度を示している。これら2つの変数の
間の関係は、通常、非直線的であることに注意する必要
がある。
【0053】しかしながら、アパーチャ72の幅が変化
すると、測定値に現れる雑音の値も変化する。雑音の値
は、少なくとも2つの成分、すなわち、固定雑音値及び
変動雑音値を含んでいる。固定雑音値は、アパーチャ7
2の幅が変化しても大きく変化することはない。固定雑
音値の発生源は、機器の雑音を含んでいる。従って、固
定雑音に対する信号の比(信号対固定雑音比)を増大さ
せるためには、アパーチャ幅を増大させて収集された電
荷値Qを増大させることであり、これによって信号対固
定雑音比を増大させることができる。
【0054】しかしながら、種々の要素によって、アパ
ーチャ72の幅が変化することにともなって、変動雑音
値は変化する。そのような要素の一つは、アパーチャ7
2の幅である。変動雑音値の発生源は、イオン注入装置
における二次粒子放出の如き、ファラデーカップの外部
の発生源である。上記二次粒子放出は、アパーチャ72
の幅が増大すると増大する。従って、アパーチャ72の
幅を増大させると、上記雑音成分の値を増大させること
ができる。この増大が、収集された電荷値Qの増大より
も比例的にすなわち相対的に大きい場合には、変動雑音
値に対する信号の比(信号対変動雑音比)、並びに、全
体的な信号対雑音比が低下する。
【0055】図10は、信号対雑音比とアパーチャ72
の幅との間の関係を表すグラフである。容易に理解でき
るように、グラフ90は、信号対雑音比とアパーチャ7
2の幅との間の関係が非直線的な関係であることを示し
ている。(グラフ90の形状は、測定されているイオン
ビーム及びイオン注入装置の特定の形態を含む、種々の
要素に依存することを理解する必要がある。グラフ90
に基づくと、アパーチャの幅が増大すると、アパーチャ
72の幅に依存して、信号対雑音比が増大又は減少す
る。
【0056】イオンビーム電流の正確な読み取りを行う
ためにアパーチャの幅をどの程度増大させるかを決定す
る一つの技法は、測定された電荷閾値、あるいは、適正
な信号対雑音比をもたらすことが経験又は計算に基づい
て分かっているそのような値の範囲を決定することであ
る。次に、注入の操作の間に、測定された電荷値が測定
された電荷閾値を下回るかあるいは上記範囲から逸脱す
ると、アパーチャ72の幅を増大させてこれを補償す
る。このようにして、アパーチャ72の幅は、必要なだ
け広げられる。これにより、アパーチャ72を広げるこ
とによって、信号対雑音比が減少する可能性が低下す
る。
【0057】イオンビーム電流の測定値を得た後に、ビ
ーム電流の値を用いて、イオンビームによって被加工物
に供給された全体的な線量並びに走査経路における分布
線量及びその均一性を決定することができる。イオンビ
ーム電流は、最初に、下式(式1に基づく)によって評
価される。 I算定値=(Q測定値×V)/W (式3) 次に、上記算定値を用いて、下式に基づき算定線量を決
定することができる。 D算定値=(I算定値×T×n)/(e×A) (式4) 上式において、D算定値は算定された線量(算定線量)
であり、I算定値は算定された電流(算定電流)であ
り、Tは走査時間であり、nは走査回数であり、eは注
入されたイオン当たりの平均電荷であり、Aはウエーハ
の面積である。次に、算定線量の値を用いて、ウエーハ
に供給された全線量を決定することができる。また、算
定線量の値を用いて、走査の各点における線量、従っ
て、走査経路にわたる線量の均一性を決定することもで
きる。
【0058】次に、ファラデーカップ列50を用いて、
全走査経路に関するおよび走査の特定の時点に関するビ
ーム電流の正確なプロファイルを測定する方法を説明す
る。最初に、アパーチャ72の幅を狭めて、許容できる
所定の信号対雑音比が与えられる最も狭い幅を得る。ど
の程度狭いアパーチャ72を形成することができるかを
決定するために、許容できる信号対雑音比に関する電流
値を決定し、アパーチャの幅をその電流値に到達するま
で変化させる。上述のように、信号はビームプロファイ
ルの測定を行うために積算されないので、この場合にお
ける信号対雑音比は、イオンビーム電流の読み取りを行
うために必要とされる程には高くする必要がない。
【0059】狭い幅によって、高分解能でのビームプロ
ファイルの測定ができる。次いで、測定されたビームプ
ロファイルを用いて、イオンビームにおけるビーム電流
の変動、従って、被加工物へのイオンの密度の変動を決
定することができる。
【0060】ファラデーカップ列50を用いてビームの
特性を測定する方法を上に説明したが、次に、ファラデ
ーカップ列50を用いてイオンビームの電流及びプロフ
ァイルを測定し、注入プロセスの間にビーム特性が変化
する場合にイオンビームの均一性及び注入線量を決定す
る方法を説明する。この方法によれば、新たな注入基準
に関してイオンビームの特性が変化すると、アパーチャ
72を調節して、高い信号対雑音比で電流測定値を得
る。この測定値を用いて、被加工物に供給される全線
量、並びに、走査経路にわたる線量の均一性を計算す
る。次に、アパーチャ72を狭めて、最小限許容できる
信号対雑音比でビームプロファイルを測定する。次い
で、これら測定値を用いて、ビームプロファイル及び走
査経路にわたる線量の均一性を計算する。これらの測定
値の結果に基づき、イオン注入装置の操作を支配してビ
ームの均一性に影響を与える種々のパラメータを調節
し、均一性を増大させると同時に、被加工物に供給され
る線量についての所望値を得る。調節することのできる
パラメータは、種々の磁石を制御する電流、イオン源電
極の電位、加速電位及び減速電位を含んでいる。従っ
て、イオン注入装置10をこの方法にしたがって作動さ
せる場合には、イオン注入装置10を用い、イオン注入
装置10又はその測定装置を再構成するためにイオン注
入装置10を停止させることなく、一つのビームから別
のビームまで変化する2つの異なるビーム特性を用いる
ことにより、被加工物への注入を行うことができる。
【0061】他の実施の形態は、請求の範囲に記載の範
囲内に入る。例えば、イオン注入装置10を作動させる
上述の方法、特に、ビームを監視して制御するためにフ
ァラデーカップ列50を作動させる方法は、コンピュー
タを用いて自動化することができる。図11を参照する
と、ファラデーカップ62からの電荷測定信号102
が、入出力(I/O)インターフェース、及び、信号変
換器104に供給され、この信号変換器は、上記信号を
前処理して、変換された信号すなわち変換信号102’
を演算処理装置106に与える。記憶装置108に記憶
されたソフトウエアプログラム112を実行する演算処
理装置106が、ファラデーカップ列50からの変換信
号102’を処理する。その処理の結果にしたがって、
演算処理装置106は、適正な制御信号110’をI/
Oインターフェース及び信号変換器104に与える。I
/Oインターフェース及び信号変換器104は、上記信
号をファラデーカップ列50のアパーチャ72を調節す
るための制御信号110に変換する。また、信号10
2’の処理作業の結果にしたがって、演算処理装置10
6はI/Oインターフェース及び信号変換器104に制
御信号112’を与える。I/Oインターフェース及び
信号変換器104は、上記信号を制御信号112に変換
し、これら制御信号は、イオン注入装置10の種々の構
成要素に送信されて、イオンビームの特性を調節する。
【0062】図12は、プログラム112を実行する際
に演算処理装置106が採用するステップのフローチャ
ートである。ユーザは最初に、被加工物に供給すべき所
望の線量すなわち所望線量を選択する。演算処理装置1
06は、信号102を受信した後に、イオンビーム電流
を決定する(ステップ202)。イオンビーム電流が、
イオンビーム電流の測定値に関して許容できる信号対雑
音比を与える電流値の範囲内にない場合(ステップ20
2)には、演算処理装置106は、イオンビーム電流が
その範囲よりも上にあるか否かを決定する(ステップ2
04)。イオンビーム電流が上記範囲よりも上にある場
合(ステップ206)には、演算処理装置106は、制
御信号110をファラデーカップ列50に供給して、ア
パーチャ72のサイズ(寸法)を減少させる(ステップ
210)。イオンビーム電流が上記範囲よりも上にない
場合、すなわち、イオンビーム電流が上記範囲よりも下
にある場合(ステップ206)には、演算処理装置10
6は、制御信号110をファラデーカップ列50に供給
して、アパーチャ72のサイズを増大させる(ステップ
208)。ステップ202から210は、電流測定値が
許容できる信号対雑音比を生じさせる値の範囲内に入る
まで繰り返される(ステップ204)。
【0063】測定電流の測定値が上記範囲内に入ってい
る場合には、演算処理装置106は、イオンビーム電流
の測定値を用いて、被加工物に供給される全線量の算定
値、並びに、走査経路を横断する線量の均一性を示す各
ファラデーカップにおける線量を計算する(ステップ2
12)。演算処理装置106は、供給される全線量の値
をオペレータの入力値と比較する。これら全線量と入力
値が実質的に同じでなければ(ステップ214)、演算
処理装置106は、供給される全線量の値とオペレータ
の入力値との間の差に基づいて、制御信号112をイオ
ン注入装置10に供給し、全線量の値がオペレータの入
力値に向かうようにする(ステップ216)。演算処理
装置106は、次に、ステップ202に進む。
【0064】しかしながら、演算処理装置106が、供
給される全線量の値がオペレータによって入力された値
と実質的に同じであると決定した場合(ステップ21
4)には、演算処理装置106は、次に、ビームプロフ
ァイルの測定及び分析を行う。この測定及び分析を行う
ことにより、演算処理装置106は、制御信号110を
ファラデーカップ列50に送信して、ビームプロファイ
ルの読取り値を得るために許容される最も低い信号対雑
音比になるようにアパーチャ72のサイズ(寸法)を減
少させる(ステップ218)。演算処理装置106は、
次に、各々のファラデーカップの位置において走査経路
にわたるビームプロファイルの測定及び分析を行う(ス
テップ220)。ビームプロファイルが、各々のファラ
デーカップの位置において走査経路にわたる方向におい
て十分に均一でなく、従って許容できない場合、あるい
は、走査経路にわたる線量の均一性が許容できない場合
(ステップ222)には、演算処理装置106は、測定
値、並びに、これら測定値と許容できる結果を与えるよ
うに予め決定された値との間の差に基づいて、制御信号
112をイオン注入装置に供給する(ステップ21
6)。しかしながら、ビームプロファイル及び線量の均
一性が、十分に均一であり、従って、許容できる場合
(ステップ222)には、演算処理装置106は、新し
い線量レベルでの被加工物へのイオンの注入を続行す
る。
【0065】また、本明細書に開示されるファラデーカ
ップ・アセンブリ及びファラデーカップ列の実施の形態
は、幅の広い電子ビーム機械及び中性ビーム機械の如
き、イオン注入装置以外の機械に使用することができ
る。上記実施の形態は、また、イオンビームの経路に沿
う他の工程、あるいは、他の構成要素で使用することも
できる。例えば、ファラデーカップ・アセンブリ及びフ
ァラデーカップ列は、分析磁石又はコリメータ磁石の後
で使用することができる。ファラデーカップ・アセンブ
リ及びファラデーカップ列は、また、多数のウエーハを
回転ディスクの外周部に置くことによって機械的な走査
作業が行われる。「バッチシステム」として一般的に知
られている、エンドステーションで使用することもでき
る。
【0066】本発明の詳細な説明に関連して本発明を説
明したが、上の記載は、例示的なものであって、請求の
範囲に規定される本発明の範囲を限定する意図はもたな
いことを理解する必要がある。他の態様、利点及び実施
の形態が、請求の範囲に含まれている。
【0067】アパーチャ72のサイズ及び形状が上に開
示したものに限定されるものではないことを理解する必
要がある。サイズに関しては、図6A及び図6B並びに
図7A及び図7Bが、アパーチャ72の2つの例示的な
サイズを示している。図6A及び図6Bにおいては、ア
パーチャ72のサイズは、ビーム断面のサイズよりも大
きい。これとは対照的に、図7A及び図7Bにおいて
は、アパーチャ72のサイズは、ビームの断面よりも小
さい。形状に関しては、アパーチャ72は、例えば、円
形又は楕円形にすることができる。また、種々の異なる
機構及び設計を用いて、アパーチャを構成し、アパーチ
ャのサイズを変化させることができる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
粒子ビームを発生させ、ファラデーカップを用いて粒子
ビームの特性を測定し、粒子ビームの特性を所望のもの
に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン注入装置及びそのビーム経路の概略平面
図である。
【図2】図2A乃至図2Dは、図1のイオン注入装置の
エンドステーションの2つの実施の形態におけるファラ
デーカップ列の半導体ウエーハに対する位置を示す側面
図である。
【図3】ファラデーカップ列の斜視図である。
【図4】図2A及び図2Bのファラデーカップ列の一部
の断面図である。
【図5】図5A及び図5Bは、図2A及び図2Bのファ
ラデーカップ列における単一のファラデーカップの断面
図である。
【図6】図6A及び図6Bは、異なるサイズを有するイ
オンビームと幾つかの実施の形態のファラデーカップ・
アセンブリのアパーチャのサイズとの間の関係を示して
いる。
【図7】図7A及び図7Bは、異なるサイズを有するイ
オンビームと幾つかの実施の形態のファラデーカップ・
アセンブリのアパーチャのサイズとの間の関係を示して
いる。
【図8】図8A及び図8Bは、ファラデーカップ・アセ
ンブリから積算された信号を2つの異なるアパーチャ幅
に関して示すグラフである。
【図9】図9A及び図9Bは、ファラデーカップ・アセ
ンブリからのビームのプロファイルの読取り値を2つの
異なるアパーチャ幅に関して示すグラフである。
【図10】信号対雑音比とアパーチャ72の幅との関係
を示すグラフである。
【図11】イオン注入装置制御システムの概略図であ
る。
【図12】図11に示すイオン注入装置の制御システム
の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 イオン注入装置 24 被加工物(ウエーハ) 26 エンドステーション 40 イオンビーム 50 ファラデーカップ列 60 ファラデーカップ・アセンブリ 62 ファラデーカップ 62A,62B ファラデーカップ 64 ハウジング 68 冷却プレート 70 可変アパーチャ・アセンブリ 72 可変アパーチャ 73A,73B アパーチャ 74 加熱プレート 74A,74B プレート 75 駆動装置 76A,76B アーム 78 回転表面 82 積分器 84 測定/表示装置 104 信号変換器 106 演算処理装置 112 ソフトウエアプログラム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物を粒子で処理する処理装置であ
    って、 粒子ビームを発生させて該粒子ビームを被加工物の表面
    に指向させる粒子源をを含む装置と、 前記粒子ビームを遮断して該粒子ビームの特性を測定す
    るように配置された第1のファラデーカップ・アセンブ
    リとを備え、 該第1のファラデーカップ・アセンブリは、 電荷を収集するためのファラデーカップと、 帯電粒子を通過させて該帯電粒子が前記ファラデーカッ
    プまで移動するようにする第1のアパーチャを有する可
    変アパーチャ・アセンブリとを含んでおり、 前記ファラデーカップは、前記帯電粒子を遮断するよう
    に前記アパーチャ・アセンブリに対して配置されてお
    り、 前記アパーチャ・アセンブリは、前記第1のアパーチャ
    のサイズを変化させるように構成されていることを特徴
    とする処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の処理装置において、 前記可変アパーチャ・アセンブリは、 第2のアパーチャを有する第1のプレートと、 第3のアパーチャを有する第2のプレートとを備えてお
    り、 前記第1のプレートは、前記第2のアパーチャが前記第
    3のアパーチャに対して相対的に位置決めされて前記第
    1のアパーチャを形成するように、前記第2のプレート
    に隣接して配置されており、 前記第1及び第2のプレートは、互いに相対的に摺動す
    ることができ、一方のプレートを他方のプレートに対し
    て摺動させると、前記第3のアパーチャに対する前記第
    2のアパーチャの相対的な位置が変化し、これにより、
    前記第1のアパーチャのサイズが変化するように構成さ
    れていることを特徴とする処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の処理装置において、 前記ファラデーカップ・アセンブリによって収集された
    電荷を表す入力信号を受信すると共に、装置制御信号を
    出力して当該処理装置の動作を制御するように接続され
    たプロセッサと、 前記入力信号を処理して当該処理装置の動作を制御する
    ための命令を含むソフトウエアプログラムを記憶する、
    コンピュータが読取可能な記憶装置とを備えており、 前記プロセッサは、前記ソフトウエアの前記命令にした
    がって、前記ファラデーカップ・アセンブリによって収
    集された電荷を表す信号を受信し、該信号を処理して当
    該処理装置の動作を制御する前記信号を調節するか否か
    を決定し、前記装置制御信号を調節することを決定した
    場合には、前記装置制御信号を調節するように構成され
    ていることを特徴とする処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の処理装置において、 電源に接続される抑制電極を備えており、該抑制電極
    は、前記ファラデーカップと前記可変開口アパーチャ・
    アセンブリとの間に配置されていると共に、前記帯電粒
    子を前記ファラデーカップまで通過させるためのアパー
    チャを有することを特徴とする処理装置。
  5. 【請求項5】 帯電粒子の流れの電荷を収集して該電荷
    を測定するためのファラデーカップを準備する工程と、 前記ファラデーカップに対する前記帯電粒子の流れを制
    御するアパーチャのサイズを変化させる工程とを備える
    ことを特徴とする方法。
JP11308601A 1998-10-30 1999-10-29 粒子ビ―ムの発生並びに粒子ビ―ムの特性の測定及び調節 Pending JP2000223436A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111128658A (zh) * 2018-10-31 2020-05-08 北京中科信电子装备有限公司 一种离子束水平与垂直角度测量装置
CN114388321A (zh) * 2022-03-24 2022-04-22 广州粤芯半导体技术有限公司 参数获取装置、方法、离子注入方法和半导体工艺设备

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