JP2000218708A - 立体造形装置および方法 - Google Patents

立体造形装置および方法

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JP2000218708A JP11269509A JP26950999A JP2000218708A JP 2000218708 A JP2000218708 A JP 2000218708A JP 11269509 A JP11269509 A JP 11269509A JP 26950999 A JP26950999 A JP 26950999A JP 2000218708 A JP2000218708 A JP 2000218708A
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    • B29C64/00Additive manufacturing, i.e. manufacturing of three-dimensional [3D] objects by additive deposition, additive agglomeration or additive layering, e.g. by 3D printing, stereolithography or selective laser sintering
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 三次元物体を形成する立体造形法において、
物体を支持する構造と物体を台に固着させる構造を自動
的に形成する。 【解決手段】 形成すべき三次元物体に関する特に作成
された、物体支持構造を規定する第一の手段と、特に作
成されたデータに応答して、前記三次元物体を自動的に
形成する第二の手段を備える。特に作成されたデータ
は、物体が形成された後に物体からの取り外しを容易に
するのに十分に薄いウェブ、あるいは物体の断面に及ぶ
のに十分に長いウェブ、あるいはクロスハッチベクトル
が描かれるまで層の縁を適所に固定する支持体、あるい
は片持ち梁の変形を防ぐ支持体、あるいはそうしなけれ
ば漂ってしまう層の部分を取り付ける支持体を規定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体媒質から三次
元物体を形成する方法および装置の改良に関し、詳細に
は三次元物体の生産のための改良されたデータ操作およ
び造形技術の利用を含む、新規な改良された立体造形シ
ステムに関するものである。これにより、物体は、より
迅速に、高信頼性をもって、正確にかつ経済的に作成す
ることができる。特に、本発明は物体の立体造形技術に
おける支持体の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック部品などの生産では、通
常、まずそれらの部品を設計し、苦労してこの部品の試
作品を作る。これには、相当の時間、労力および費用を
要する。その後、この設計を検討し、設計が最適になる
まで、この手間のかかる過程を何回も繰り返す。設計が
最適と判断されると、次の工程は製造である。ほとんど
の量産プラスチック部品は射出成形される。この製法
は、設計時間が長く、金型費が非常に高いので、通常、
大量生産の場合にしか実用的ではない。プラスチック部
品の生産には、直接的な機械加工、真空成形および直接
成形といった他の加工法が利用できるが、これらの方法
は主として寿命の短い製品の生産の場合しか費用の面で
効果的でなく、製造された部品は通常、射出成形部品よ
りも品質が劣る。
【0003】これまでに、流体媒質の中で三次元物体を
作成する技術が開発されている。流体媒質の三次元の容
積内の所定の交点で選択的に焦点を結ぶ放射ビームによ
って、流体媒質が選択的に硬化する。このような三次元
造形システムの例は、米国特許第4,041,476
号、同第4,078,229号、同第4,238,84
0号および同第4,288,861号に記載されてい
る。これらのシステムはいずれも、流体容積内の他のす
べての点を除外して、流体容積内の選択された深さの点
に相乗的なエネルギーを付与することに頼っている。し
かし、残念ながら、この三次元造形システムは、分解能
および露光の制御に関して多くの問題を有している。交
点が流体媒質の深部に移行するにつれて焦点の輻射強度
および造形分解能の低下により、かなり明白で複雑な制
御状況を生じる。吸収、拡散、分散および回析といった
すべての現象が、流体媒質内の深部での経済性および信
頼性に基づく加工の困難さに影響する。
【0004】近年、「立体造形法による三次元物体の製
造装置」と題する米国特許第4,575,330号に記
載された「立体造形法」が実施されている。立体造形法
は、基本的に、物体の断層を構成する感光性重合体(液
状プラスチックなど)の薄層を、全ての薄層が接合され
物体全体を形成するまで各層を連続的に「積層する」こ
とによって複雑なプラスチック部品を自動的に作成する
方法である。この技術では、物体は液状プラスチックの
タンクの中で形成される。この加工法は、迅速に試作品
を作成するための極めて強力な方法である。
【0005】光硬化性重合体は、光が存在すると液体か
ら固体に変化するもので、紫外線によるその感光速度
は、この重合体を実用的な模型製作材料とするに十分で
ある。一つの部品が作成される時に重合化しない材料は
そのまま次に使用することができ、引き続き部品が作成
される間タンク内に残されている。紫外線レーザが小さ
な強い紫外線スポットを発生し、このスポットは検流鏡
X−Yスキャナにより液体表面を移動する。スキャナ
が、コンピュータが生成するベクトルなどによって操作
される。こうした技術によって、精密で複雑なパターン
を迅速に作ることができる。
【0006】レーザ走査装置、感光性重合体タンクおよ
び昇降器は、制御用コンピュータと一体をなし、「SL
A」(Stereo-lithographic Apparatus)と称する立体
造形装置を形成する。SLAは一度に1個の断層を描
き、それを重ねることによって、一つのプラスチック部
品を自動的に製造するようにプログラムされる。
【0007】立体造形は、部品の複雑単純を問わず、金
型を用いずに容易に部品を製作するまったく新しい方法
である。この技術は、断面のパターンを作成するために
コンピュータを使用しているので、CAD/CAMへの
自然なデータ・リンクが存在する。しかし、こうしたシ
ステムは、分解能、精度および一定の物体形状を作る際
の困難さと同様、収縮、応力およびカールその他の変形
に関する困難に遭遇している。
【0008】支持体は、米国特許第4,575,330
号の図面に示されており、これらの支持体は物体を昇降
器に付着させるものである。
【0009】使用される最初の形式の支柱/支持体は、
実際に、単一の各点を硬化させることによって形成され
る。これらの点は、対応する硬化幅で、適切な硬化深さ
を与えるように特定の時間長で硬化される。この形式の
支柱は、その強度および、この強度水準を得るために比
較的長い硬化時間が必要とされる。
【0010】別の形式の支柱/支持体構造は、層間の付
着強さを増すためのものである。この付着強さは層間の
接触面積に比例する。点を硬化させる時、硬化幅は、追
加の硬化幅が非実用的である限界にすぐに達してしま
う。従って、接触面積を増す別の方法が実施された。次
の段階は、断面における点のベクトルである支持体を硬
化させる代わりに、断面が多角形である支持体を使用し
ている。これらの多角形は、三角形、四角形、八角形な
どである。これらの構造は、水平方向に対する構造強度
を大きく高めるとともに、層間の接触面積をいっそう増
す(付着強さをいっそう高める)。これらの支持体は合
理的に良好に作用したが、依然以下のような難点があっ
た。1)物体から除去することが困難であった、2)限
定された数の物体ベクトルしか支持しない、3)この形
式の支持体構造は多孔台への付着を確実にするために多
角形を支持するための基盤の使用を必要とした。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、設計
段階から試作段階へ、さらに最終生産へ、迅速かつ高信
頼性をもって移行できる、特に、プラスチック部品のコ
ンピュータ設計から事実上ただちに試作に直接移行でき
る技術、ならびに経済性および自動化にもとづく大量生
産技術に対する必要性が長期にわたり存在し続けてい
る。
【0012】また、三次元プラスチック物体などの開発
生産関係者は、従来の三次元生産システムの支持体の問
題を回避しながら、設計段階から試作段階さらに生産へ
と迅速に移行できる、より迅速で高信頼性を持つ、経済
的かつ自動化された手段を長い間求めてきている。本発
明は、こうした問題のすべてを明らかに満足させるもの
である。
【0013】簡単かつ広く言えば、本発明は、いくつか
の問題を解決する物体支持構造システムを提供し、さら
に物体を台に固着させる方法を提供することを目的とす
るものである。具体的には、台から硬化した部品を容易
に取り外すことを可能にし、物体の第1の層の厚さの管
理の改善を可能にし、物体の内側および周囲への流体の
流れを改善し、必要な浸漬時間を低減させ、また物体に
よる液体の消費をより迅速かつ良好とし、さらに固定し
ていない浮遊輪郭線を固定し(クロスハッチが描かれる
まで輪郭線を正しい位置に保持されるようにする)。カ
ール、浸漬に関係する力および、物体の自重による変形
を予防し、(以後の層が描かれるまで)付着する部分が
ないような物体の部分を固定する立体造形装置及び立体
造形方法を提供することを目的とするものである。
【0014】また本発明は、基本的に、適切なエネルギ
ーに応答してその物理的状態を変えることができる流体
媒質の表面にその物体の連続し隣接する断面層を成形す
ることによって三次元物体を作成するための新規で改良
された立体造形システムを提供するものであって、物体
を規定する情報は、必要な物体支持構造を形成するため
に特に処理されており、連続する断面層は所望の三次元
物体を形成するために作成されると同時に自動的に一体
化される立体造形装置及び立体造形方法を提供すること
を目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の立体造形装置
は、形成すべき三次元物体に関する特に作成された物体
定義データを提供する第一の手段であって、該特に作成
されたデータが該物体の支持構造を規定する第一の手
段、および該特に作成されたデータに応答して、前記三
次元物体を自動的に形成する第二の手段を備えているこ
とを特徴とするものである。
【0016】前記特に作成されたデータは、前記物体が
形成された後に該物体からの取り外しを容易にするのに
十分に薄いウェブを規定するもの、あるいは前記物体の
断面に及ぶのに十分に長いウェブを規定するもの、ある
いはクロスハッチベクトルが描かれるまで層の縁を適所
に固定する支持体を規定するもの、あるいは片持ち梁の
変形を防ぐ支持体を規定するもの、あるいはそうしなけ
れば漂ってしまう層の部分を取り付ける支持体を規定す
るものであることが望ましい。
【0017】本発明の立体造形方法は、形成すべき三次
元物体に関する特に作成された物体定義データを提供
し、ここで、該特に作成されたデータが該物体の支持構
造を規定し、該特に作成されたデータを使用して、前記
三次元物体を立体造形する、各工程を含むことを特徴と
するものである。
【0018】前記特に作成されたデータを提供する工程
が、前記物体が形成された後に該物体からの取り外しを
容易にするのに十分に薄いウェブを規定するデータを含
むこと、あるいは前記物体の断面に及ぶのに十分に長い
ウェブを規定するデータを含むこと、あるいは前記特に
作成されたデータを提供する工程が、クロスハッチベク
トルが描かれるまで、層の縁を適所に固定する支持体を
規定するデータを含むこと、あるいは前記特に作成され
たデータを提供する工程が、片持ち梁の変形を防ぐ支持
体を規定するデータを含むこと、あるいは前記特に作成
されたデータを提供する工程が、そうしなければ漂って
しまう層の部分を取り付ける支持体を規定するデータを
含むことが望ましい。
【0019】本発明の三次元物体を形成する立体造形方
法は、形成すべき三次元物体の断面を表すデータを提供
し、該三次元物体を形成するのに使用する支持構造の断
面を表すデータを提供し、該断面物体データおよび該断
面支持構造データを合成して、構築データを作成し、該
構築データを使用して、複数の合成断面から前記三次元
物体および支持構造を形成する、各工程を含むことを特
徴とするものである。また本発明の三次元物体を形成す
る立体造形方法は、形成すべき三次元物体を表すデータ
を提供し、該三次元物体を形成するのに使用する支持構
造を表すデータを提供し、該支持構造を表すデータをス
ライスして、該支持構造を示す断面支持構造データを得
て、前記物体データおよび断面支持構造データを使用し
て、複数の合成断面から前記三次元物体および支持構造
を形成する、各工程を含むことを特徴とするものであ
る。
【0020】また、本発明の三次元物体を形成する立体
造形方法は、形成すべき三次元物体の断面を表すデータ
を提供し、ここで、各々の断面が境界領域および内部領
域を含み、いくつかの断面のいくつかの境界領域および
内部領域の少なくとも一部が、物体の形成中に下向きで
あり、前記三次元物体が形成されているときに該三次元
物体の少なくともいくつかの断面の前記下向き内部領域
の少なくとも一部を支持するのに使用する細長い支持構
造を表すデータを提供し、前記物体データおよび支持構
造データを使用して、複数の合成断面から前記三次元物
体および支持構造を形成し、ここで、連続して形成され
た断面が、既に形成された断面の上に形成されることを
特徴とするものである。
【0021】また、本発明の三次元物体を形成する立体
造形方法は、形成すべき三次元物体を表すデータを提供
し、一つ以上の支持構造を位置させるべき、前記三次元
物体の下向き面の下にある領域を定義し、該定義された
領域およびハッチングパターンを使用して、該一つ以上
の支持構造を表すデータを得て、前記物体データおよび
断面支持構造データを使用して、複数の合成断面から前
記三次元物体および支持構造を形成する、各工程を含む
ことを特徴とするものである。
【0022】また、本発明の三次元物体を形成する立体
造形方法は、形成すべき三次元物体を表すデータを提供
し、形成中に該物体を支持する一つ以上の支持構造を表
すデータを自動的に得て、前記物体データおよび断面支
持構造データを使用して、複数の合成断面から前記三次
元物体および支持構造を形成する、各工程を含むことを
特徴とするものである。
【0023】前記三次元物体を形成する立体造形方法に
おいて、さらに前記物体が所定の刺激への露出により硬
化可能な媒体から形成され、前記使用工程が、前記物体
および支持構造の連続断面を形成するために、準備中の
流動性媒体の層を形成し、該層を所定の刺激に露出し
て、前記物体および支持構造の連続断面を形成し、付着
させる各工程を含むことが望ましい。
【0024】また、前記媒体が光重合性高分子であり、
前記所定の刺激は、可視光、不可視光および紫外線から
なる群より選択されることが望ましい。
【0025】本発明の三次元物体を形成する立体造形装
置は、形成すべき三次元物体を表す断面データを提供す
る手段、該三次元物体を形成するのに使用する構造体を
表す断面データを提供する手段、前記断面物体データお
よび断面支持構造データを合成して、構築データを提供
する手段、および該構築データを用いて、複数の合成断
面から前記三次元物体および支持構造を形成する手段を
備えていることを特徴とするものである。
【0026】本発明の三次元物体を形成する立体造形装
置は、形成すべき三次元物体を表すデータを提供する手
段、該三次元物体を形成するのに使用する支持構造を表
すデータを提供する手段、該支持構造を表すデータをス
ライスして、一つ以上の細長い支持構造を表す断面支持
構造データを得る手段、および前記物体データおよび断
面支持構造データを用いて、複数の合成断面から前記三
次元物体および支持構造を形成する手段を備えているこ
とを特徴とするものである。
【0027】本発明の三次元物体を形成する立体造形装
置は、形成すべき三次元物体を表すデータを提供する手
段であって、各々の断面が境界領域および内部領域を含
み、いくつかの断面のいくつかの境界領域および内部領
域の少なくとも一部が形成中に下向きである手段、前記
三次元物体を形成されているときに、該三次元物体の少
なくともいくつかの断面の下向き内部領域の少なくとも
一部を支持するのに使用する支持構造を表すデータを提
供する手段、および前記物体データおよび断面支持構造
データを使用して、複数の合成断面から前記三次元物体
および支持構造を形成する手段であって、連続して形成
された断面が、既に形成された断面の上に形成されてい
る手段を備えていることを特徴とするものである。
【0028】本発明の三次元物体を形成する立体造形装
置は、形成すべき三次元物体を表すデータを提供する手
段、一つ以上の支持構造を位置させるべき、前記三次元
物体の下向き面の下の領域を定義する手段、前記定義し
た領域およびハッチングパターンを使用して、前記一つ
以上の支持構造を表すデータを得る手段、および前記物
体データおよび断面支持構造データを使用して、複数の
合成断面から前記三次元物体および支持構造を形成する
手段を備えていることを特徴とするものである。
【0029】本発明の三次元物体を形成する立体造形装
置は、形成すべき三次元物体を表すデータを提供する手
段、形成中に前記物体を支持する一つ以上の支持構造を
表すデータを得る手段、および前記物体データおよび断
面支持構造データを使用して、複数の合成断面から前記
三次元物体および支持構造を形成する手段を備えている
ことを特徴とするものである。
【0030】さらに、本発明におけるウェブ状支持体
は、支持されるべき表面に対して垂直な方向に延びるも
のに限らず、支持されるべき表面まで斜めに延びた支持
体であってもよい。
【0031】「立体造形」は、紫外線硬化材料などの硬
化性材料の薄層の上に新たな薄層を連続的に「積層す
る」ことによって固形物を製作するための方法および装
置である。液面に物体の中実な断面を形成するために、
紫外線硬化性液体の表面または層を照射するプログラム
された可動紫外線スポットビームが用いられる。その後
物体は、プログラムに従って1層の厚さだけ液面から遠
ざけられ、次の断面が形成され、その断面はその物体を
形成している直前の層に付着する。このようにして、完
全な物体が形成されるまでこの過程が継続される。
【0032】粒子による衝撃(電子ビームなど)、マス
クを介してまたはインクジェットによる材料の吹付けま
たは、紫外線以外の衝撃性輻射線による化学反応など
の、硬化性流体媒質への他の適当な形式の相乗的なエネ
ルギーも、本発明の精神および範囲を逸脱することな
く、本発明の実施に利用できることは当然である。
【0033】本発明の実施には、例えば、所定の刺激に
応答して固化可能な一体の流体媒質が、連続する断面層
が生成される流体媒質の所定の作業面を規定するために
適切な容器に入れられている。その後、紫外線スポット
などの適切な形式の相乗的な刺激が流体媒質の所定の作
業面に図形パターンとして付与され、表面に個別の中実
な薄層が形成され、各層は製造される三次元物体の隣接
断面を表す。本発明の物体を規定する情報は、例えばカ
ールおよび変形を低減し、分解能、強度、精度、再生産
の速度および経済性を高めるために特に処理される。
【0034】各層への連続隣接層の重ね合わせは、それ
らが形成されると同時に自動的に行われ、各層は一体と
なって所望の三次元物体を形成する。流体媒質が硬化し
て作業面に薄層として形成されるにつれ、第1の単層が
確保されていた適切な昇降台は、通常すべてマイクロコ
ンピュータなどの制御のもとにある適切な作動器によっ
てプログラムに従って作業面から遠ざけられる。このよ
うにして、作業面で最初に形成された層はその表面から
遠ざけられ、新しい液体が作業面の位置に流入する。こ
の新しい液体部分が今度は、新しい層を描くためにプロ
グラムされたスポットビームによって固体に転化され、
この新しい層はそれに隣接する部分、すなわち直前の層
に付着して接合される。この過程が三次元物体全体が形
成されるまで継続する。形成された物体は容器から取り
出され、装置は、モデルの物体と同一か、あるいはコン
ピュータなどによって生成された全く新しい物体を製造
する。
【0035】CADシステムのデータベースはいくつか
の形式を採ることができる。一つは物体の表面の多角
形、通常は三角形の網目として表すものである。これら
の三角形は、物体の内面および外面を完全に形成する。
このCAD表現は、各三角形の単位長さの法線ベクトル
も含む。この法線はその三角形が囲む固体から向か
きを指示する。“PHIGS”といった形式が可能なこ
うしたCADデータを、立体造形によって物体を形成す
るために使用できる層ごとのベクトル・データに処理す
る手段が付与される。こうした情報は、最終的にラスタ
走査出力データなどに変換できる。
【0036】前述のように、立体造形は、液状プラスチ
ックの連続的な層を固化させることにより物体を作るた
めに可動レーザビームを使用する三次元積層法である。
この方法によって、設計者は、CADシステムで設計を
行うことができ、応力およびカールを低減し、適切な支
持体を付与し、数時間で正確なプラスチック模型を作る
ために本発明の概念を応用できる。立体造形法は、例え
ば、以下の手順から成る。
【0037】初めに、立体造形法に特に関係することな
く、CADシステムで通常の方法により固体模型を設計
する。
【0038】立体造形のための模型作成は、物体の最適
な作成時の向きを選択して、それに支持体構造を加え、
適切な応力除去処理を組み込み、立体造形システムの作
業パラメータを選択することから成る。最適な向きは、
(1)物体が液体をあとで排出することを可能にし、
(2)支持されない表面の数を最低にし、(3)重要な
表面を最適化し、(4)物体を樹脂タンク内にうまく収
容できるようにするものである。支持体は、非接合部分
を確保するなどの目的で付け加えられ、支持体のCAD
ライブラリは、この目的で用意できる。立体造形作業パ
ラメータは、模型の寸法および層(“SLICE”)厚
さの選択を含む。
【0039】固体模型の表面はその後、通常“PHIG
S”〔プログラマー階層会話形図形処理システム〕によ
り三角形に分割される。三角形はベクトル計算のための
最も単純な多角形である。より多くの三角形が形成され
ればされるほど、表面の分解能は良好になり、従ってC
AD設計に関して成形物体は高精度になる。
【0040】三角形の座標およびその法線を表すデータ
点はその後、イーサネット(ETHERNET)などの
適切なネットワーク通信を介して立体造形システムに伝
送される。立体造形システムのソフトウエアは、選択し
た層の厚さで三角形の断面を水平(XY平面方向)にス
ライスする。
【0041】次に、立体造形装置(SLA)は、断面の
輪郭線ベクトル、クロスハッチ・ベクトルおよび平面
(外皮)ベクトルを計算する。クロスハッチ・ベクトル
は、輪郭線ベクトルの間のクロスハッチから構成され
る。いくつかの「様式」、つまりスライス・フォーマッ
トが使用できる。外皮ベクトルは、高速度で大きな重ね
合わせで描かれ、物体の外側の平面を形成する。上部お
よび下部外皮の、内部の平面領域は、クロスハッチ・ベ
クトル以外では充填されない。ベクトルの詳細は、米国
特許出願番号第182,830号、第269,801号
および第331,644号に説明されている。
【0042】SLAはその後、光硬化性樹脂の表面をヘ
リウム−カドミウム・レーザなどの紫外線ビームを動か
し、露光された部分の液体を固化させることにより、一
度に物体の1平面層を形成する。樹脂の吸収はレーザ光
が深く透過するのを妨げ、薄層を形成させる。各層は、
輪郭線ベクトル、クロスハッチ・ベクトル、外皮ベクト
ルの順序で描かれる各ベクトルによって構成される。
【0043】SLAによって描かれた第1の層は、液面
直下に位置する水平の台に付着する。この台は、コンピ
ュータ制御のもとで垂直に下降する昇降器に取り付けら
れている。1層が描かれた後、台は、数ミリメートル液
中に浸漬し、前に硬化した層が新しい液体に覆われる
と、わずかに上昇して、第2の層が形成される分の液体
の薄層を残す。液面が十分に平滑になるように間を置い
た後、次の層が描かれる。樹脂は接着性なので、第2の
層は第1の層にしっかり付着する。すべての層が描か
れ、全体の三次元物体が形成されるまで、この過程が繰
り返される。通常、物体の底部6.35mm(0.25
インチ)ほどが、希望の物体が作られるための支持構造
である。レーザ光に暴露されていない樹脂は、タンク内
に残り、次の部品に使用される。材料のむだはほとんど
ない。
【0044】後処理には、過剰樹脂を除去するために形
成物体を加熱する、あるいは重合を完了させるために紫
外線または加熱により硬化させる、あるいは支持体を除
去することなどが含まれる。サンダー仕上げおよび作業
模型への組立てを含む付加的な処理が行われることもあ
る。
【0045】本発明によれば、支持体は「ウェブ」の形
式で与えられる。ウェブの断面は、細長い長方形であ
る。その厚みは、後硬化の後に物体が容易に取り外せる
程度に十分薄く設計される。その幅(長方形の断面の長
辺)は、以下の2つの要件をみたすように設計される。
1)(基礎を必要とせずに)昇降台に対して良好に付着
する程度の十分な長さであること、2)(クロスハッチ
およびそれを囲む輪郭線を支持するために)物体の断面
に及ぶ程度の十分な長さであること。
【0046】こうした支持体形式のすべては、物体を
(昇降)台に取り付けるために使用できるが、また物体
の重要部分に付加的な支持を与えるためにも使用でき
る。このような重要な部分には、枠、片持ばりなどが含
まれる。ウェブは、昇降台から支持を必要とする部分ま
で延びるか、または、実際に部品の一部から支持を必要
とする部分まで延びるようにすることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明の技術によって、ほとんどすべて
の形式の物体形状が作成することができる。複雑な形
は、プログラムの作成を助けプログラム信号を立体造形
成形下位システムに送信するコンピュータの機能を用い
ることにより、容易に作成することができる。
【0048】本発明の新規で改良された立体造形装置及
び方法は、プラスチックの物体を製造するために現在使
用されている装置に優る多くの効果がある。本発明の装
置および方法は設計のための配置図および図面を作成す
ること、さらに、金型の図面および金型を製作する必要
がない。設計者は、コンピュータおよび立体造形装置を
用いて直接作業することができ、コンピュータの出力画
面に表示された設計に満足すれば、部品を製作して吟味
することができる。設計を修正しなければならない場合
も、コンピュータを通じて容易に行うことができ、その
後、新たな物体を作って変更が正しいことを確認するこ
とができる。相互に関連する設計パラメータを持つ複数
の部品を要求する設計の場合、本発明の方法はいっそう
有効である。その部品の設計のすべてについて容易に変
更でき、必要な場合何度でも繰り返して作成し、全体の
組立品を製作し、吟味することができるからである。さ
らに、本発明のデータ操作技術は、難しい複雑な物体形
状の場合も、応力、カールおよび変形が低減され、分解
能、強度、精度、生産速度および経済性が改善された物
体の生産を可能にする。
【0049】設計が完了すれば、部品の生産は直ちに開
始でき、設計から生産の間の数週間、数ヶ月が節約でき
る。立体造形は、金型の必要がなくなり、生産のための
設備時間が最小であるため、短期間の生産に有効であ
る。同様に、この技術を用いることにより、設計の変更
および特注部品の供給が容易に行える。部品製作の容易
さにより、立体造形は現在金属その他の材料の部品が使
用されている多くの分野でのプラスチック部品の使用を
可能にする。さらに、費用のかかる金属その他の材料の
部品の製造を決定する前に、迅速かつ経済的にその部品
のプラスチック模型を製造することができる。(以下
「部品」は「物体」とも称する) このように、本発明の新規で改良された立体造形装置お
よび方法は、応力およびカールが低減された適切な支持
体を有する三次元プラスチック部品などを、迅速に、高
信頼性をもって、正確に、かつ経済的に設計製作するこ
とができる。
【0050】また、本発明の好ましい実施例では、これ
に限らないが、例えば、コンピュータ図形処理の原理を
立体造形と組み合わせて利用することができる。すなわ
ち、コンピュータの命令によって直接三次元物体を製造
する際にコンピュータ支援設計(CAD)およびコンピ
ュータ支援製造(CAM)を同時に行うために、立体造
形技術を三次元物体の生産に応用する。本発明は、製品
開発の設計段階での模型および試作品を製作する目的
で、または製造システムを構成する目的で、または純粋
な芸術形式を目的としても、応用できる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しなが
ら詳細に説明する。立体造形物体は、好ましくは、昇降
台に直接ではなく、支持体構造の上に作られる。支持体
を使用する一つの理由は、昇降台から物体を取り外すこ
とを容易にするためである。昇降台に直接硬化した物体
は、特に付着面が大きい場合、取り外しが困難である。
さらに、昇降台に形成された第1の層の厚さは、昇降台
が反っていたり昇降台に不正確に取付けられている場
合、正確に管理できず、設計値よりずれる場合も起こり
得る。これは、昇降台に付着するのに十分な深さまで硬
化していない線を発生し、カールを促進する可能性があ
る。このような潜在的な問題を除いても、昇降台の孔に
よって、昇降台に直接作られた物体の底面にその孔に対
応したこぶを生じることになる。昇降台が浸漬されるこ
とによる液体の変位は、最初の数層の厚さを変化させる
ことになり、このような硬化は物体自体において望まし
くない。
【0052】支持体を使用する別の理由は、物体の周囲
の液体の流れを改善することである。支持体により、液
面が改善された流れによってすばやく安定するので、使
用する浸漬時間を短縮することができる。さらに、余分
な樹脂が完成物体からすばやく排出され、後処理時間を
短縮できる。
【0053】支持体はまた、支持を行わない場合に動く
傾向がある物体の部分を固定し、また、浸漬中にカール
や損傷を受けやすい領域を補強するために使用される。
【0054】ここで図面、特に第1図を説明する。この
図は、本発明の実施に適した立体造形システム全体のブ
ロック図を示している。CADジェネレータ2および適
切なインターフェース3は、形成される物体のデータ記
述を、通常PHIGS書式で行う。これは、インターフ
ェース・コンピュータ4へのイーサネット(ITHER
NET)などのネットワーク通信を介して行われる。こ
のコンピュータにおいて、物体のデータは最適化され、
かなり難しい複雑な物体形状についても、応力、カール
および変形を低減し、分解能、強度、精度、再生産の速
度および経済性を高める、出力ベクトルを与えるために
操作される。インターフェース・コンピュータ4は、連
続的にスライシングを行い、層の厚さを変化させ、多角
形の頂点を巡り、充填し、平坦な外皮、平坦に近い外
皮、上向き外皮および下向き外皮を生成し、スケーリン
グ、クロスハッチング、ベクトルのオフセットおよびベ
クトルの順序づけを行うことによって層のベクトルのデ
ータを生成する。これは、米国特許出願番号第182,
830号、第269,801号および第331,644
号に詳述されている。要約すれば、輪郭線ベクトルは物
体の各断面の輪郭を描くために使用され、クロスハッチ
ベクトルは各断面の内側部分を描くために使用され、外
皮ベクトルは物体の外面を描くために使用される。これ
らのベクトルは、輪郭線、クロスハッチ、外皮の順で描
かれる。
【0055】コンピュータ4からのベクトルのデータお
よびパラメータは、立体造形システムのレーザ、ミラ
ー、昇降器などを作動するための制御サブシステム5に
送られる。
【0056】第2図および第3図は、立体造形によって
三次元物体を作成するための本発明の基本システムを示
すフローチャートである。
【0057】紫外線の露光または、可視不可視光を問わ
ず、電子ビームなどの他の形式の相乗的なエネルギーの
露光または、インクジェットもしくは適切なマスクを介
して適用される反応性化学薬品によって、固体重合体プ
ラスチックに変化させることが可能な多くの液状化学薬
品が知られている。紫外線硬化化学薬品は、現在、高速
印刷用インクとして、紙その他の材料の被覆過程におい
て、接着剤として、また他の特殊分野において使用され
ている。
【0058】「リソグラフィー(造形法)」は、各種技
術を用いて図形対象を再現する技術である。現代の例と
しては、写真の複製、乾式複写および、マイクロエレク
トロニクス回路板の製造において使用されているような
「マイクロリソグラフィー」がある。プロッタまたはC
RT表示装置に表示されるコンピュータ生成図形もリソ
グラフィーの形式であり、ここでは像がコンピュータ符
号化対象である。
【0059】コンピュータ支援設計(CAD)およびコ
ンピュータ支援製造(CAM)は、コンピュータの能力
を設計および製造の過程に応用する技術である。CAD
の典型的な例は、電子部品のプリント回路の設計の分野
であり、この場合、コンピュータおよびプロッタがプリ
ント回路板の設計を描き、設計パラメータはコンピュー
タのデータ入力として与えられる。CAMの典型的な例
は数値制御フライス盤であり、この場合、コンピュータ
およびフライス盤が金属部品を製造し、適切なプログラ
ム命令が与えられる。CADおよびCAMとも、重要か
つ急速に発展している技術である。
【0060】本発明の最も重要な目的は、CADおよび
CAMを同時に実行し、コンピュータの命令によって三
次元物体を直接製造するために、紫外線硬化性プラスチ
ックなどの使用と組み合わせて、コンピュータ図形処理
の原理を活用することである。本発明は、立体造形と称
し、製品開発の設計段階での模型および原型を製作する
ためにまたは、製造装置としてまたは、純粋な芸術形式
としても、使用できる。本発明は、発明者の一人である
チャールズ・W.ハルに対して1986年3月11日に
交付された米国特許第4,575,330号に記載され
た立体造形の技術をさらに発展させたものである。
【0061】ここで、図面の特に第2図を参照して、立
体造形の方法を概説する。段階8は、このシステムによ
り形成される三次元物体を表し、主としてデジタル形式
によるCADその他のデータの生成を要求する。このC
ADデータは、通常、現在好ましいとされる勾配の指示
などについて、多角形形式、三角形およびこれらの三角
形の平面に垂直な法線により表面を規定し、本発明の現
在好ましい実施例において、現在ANSI規格に適合す
るプログラマー階層会話形図形処理システム(PHIG
S 〔Programmer's Hierarchial Interactive Graphic
s System〕)に適合する。この規格は、例えば、テンプ
レート社(Template, Megatek Corp., San Diego, Cali
fornia )から出版された、「PHIGSの理解」“Und
erstanding PHIGS”に説明されている。
【0062】本発明によれば、段階9で、PHIGSデ
ータまたはその等価物は、三次元物体を形成する際の立
体造形出力システムを作動させるための修正データベー
スに独自の変換システムによって変換される。物体を定
義する情報は、応力、カールおよび変形を低減し、分解
能、強度および再現精度を高めるために、特に処理され
る。
【0063】第2図の段階10は、形成される三次元物
体の断面を表す個々の断面層の作成を要求する。段階1
1は、選択的な硬化のためにシステムにプログラムされ
た所望の三次元物体を形成するために、連続的に形成さ
れる隣接する多数の層を結合する。
【0064】このように、本発明の立体造形システム
は、流体媒質の選択された表面で形成される物体の断面
パターンを作成することによって三次元物体を形成す
る。流体媒質は例えば、紫外線硬化性液体などであっ
て、衝撃性輻射線、電子ビームその他の粒子による衝
撃、または、(流体表面に隣接するマスクの上にインク
ジェットまたは吹付けにより)塗布された化学薬品など
の適切な相乗的なエネルギーに応答してその物理状態を
変化できるものであって、物体の対応する連続する隣接
断面を表す連続する隣接層は、物体の段階的な堆積すな
わち薄層の堆積を作成するために自動的に形成され統合
され、これによって、三次元物体は、形成過程において
流体媒質の実質的に平面状すなわちシート状表面から形
成され、流体媒質中から引き上げられる。
【0065】第2図に示した前記の技術は、第3図のフ
ローチャートにおいてさらに詳しく概説されており、こ
の図においても、段階8は、このシステムにより形成さ
れる三次元物体を表す、主としてデジタル形跡によるC
ADその他のデータの生成を要求する。また、段階9
で、PHIGSデータは、三次元物体を形成する際に立
体造形出力システムを作動させるための修正データベー
スに独自の変換システムによって変換される。段階12
は、既定の反応性エネルギーに応答して固化可能な流体
媒質を含むことを要求する。段階13は、第1図のコン
ピュータ4から出力されたデータに応答して、その表面
で、製造する三次元物体の隣接断面を表す各層である、
薄い固体の個別層を形成するために、所定の流体表面
に、そのエネルギーを図形パターンとして加えることを
要求する。本発明の実際の用途では、各層は薄い層であ
るが、断面を形成し、形成される物体の他の断面を規定
する隣接する層に付着するために必要な凝集性を有する
のに十分な厚さを有している。
【0066】第3図の段階14は、所望の三次元物体を
形成する各層に対して、それらが形成されるにつれてそ
れぞれの層の上に連続的な隣接する層または単層を重ね
合わせることを要求する。本発明の通常の実施では、流
体媒質が硬化して固体が1単層を描くと、その単層は流
体媒質の作業面から遠ざけられ、前に形成された単層に
取って代わった新しい液体において次の単層が形成さ
れ、それぞれの連続する単層が他の断面の単層のすべて
に(硬化した流体媒質の自然の接着性によって)重ね合
わされ統合される。
【0067】こうした断面層を作成する過程が、三次元
物体の全体が形成されるまで繰り返される。物体はその
後取り出され、システムは、以前の物体と同一である、
または、立体造形システムを制御するプログラムを変更
することによってまったく新しい物体として形成される
別の物体を製造する。
【0068】図面の第4図および第5図は、システムお
よび第1図から第3図のフローチャートによって説明さ
れた立体造形を実施するために適切な各種装置を示す。
【0069】前に指摘したように、「立体造形」は、紫
外線硬化性材料などの硬化性材料の薄層を他の層の上に
連続的に「積層する」ことによって物体を作成するため
の方法および装置である。紫外線硬化性液体の表面また
は層を照らすプログラム可能な可動紫外線スポットビー
ムが、液面で物体の固体断面を形成するために使用され
る。その後、この物体は、プログラムされた方法で1層
の厚さの分だけ液面から移動して遠ざけられ、次の断面
が作成され、物体を形成する直前の層に付着する。この
過程は、全体の物体が形成されるまで継続される。
【0070】本発明の技術によって、ほとんどすべての
種類の物体の形が作成できる。複雑な形は、プログラム
されたコマンドの作成を助け、プログラム信号を立体造
形成形下位システムに送信する、コンピュータの機能を
用いて、より容易に作成できる。
【0071】CADシステムのデータベースはいくつか
の形式を採ることができる。一つは、以前に指摘したよ
うに、物体の表面を三角形の網目として表すものである
(PHIGS)。これらの三角形は、物体の内面および
外面を完全に形成する。このCAD表現は、各三角形の
単位長さの法線ベクトルも含む。この法線はその三角形
が囲む部分から外へ向かうものである。本発明は、こう
したCADデータを、立体造形によって物体を形成する
ために必要な層ごとのベクトルのデータに処理する手段
を提供する。各種ベクトル形式の詳細については、米国
特許出願番号第182,830号、その一部継続出願番
号第269,801号およびその継続出願Lyon & Lyon
事件番号第186/195号に説明されている。
【0072】立体造形が有効に働くためには、1層とそ
の次の層に良好な付着がなければならない。従って、次
の層の樹脂は、前の層が形成された時にその形成された
樹脂を覆わなければならない。垂直線分でできた模型を
製作する際に、1層の上に形成されたプラスチックは、
直前の層から以前に形成された樹脂に正確に当たるの
で、良好な付着を与える。垂直部分から水平部分に移行
し始めるにつれ、層の厚さによるジャンプが生ずるため
(層が厚くなると、斜めの側面には段階状の不連続面が
顕著になってくる)、点は事実上、1層の上に形成され
た樹脂が前の層の上に形成された樹脂に接触しないとこ
ろに達するので、これは重大な付着の問題を生じる。水
平面自体は付着の問題を生じない。なぜなら、水平であ
ることによって、断面全体が、構造統合性を維持する側
面対側面の付着によって1層上に作られるからである。
従って本発明は、垂直断面から水平断面に、または、水
平断面から垂直断面に移行する際に、層間の付着を保証
する一般的な手段を提供すると同時に、表面の輪郭を正
確に作成する方法および成形部品の応力および歪を除去
または低減する方法を提供する。
【0073】新規で改良された立体造形システムの現在
好ましい実施例を、第4図の立面断面図に示す。容器2
1は、紫外線硬化性液体22などで充填され、既定の作
業表面23が与えられている。プログラム可能な紫外線
源26などは、表面23の平面に紫外線27のスポット
を生じる。スポット27は、光源26とともに使用され
るミラーその他の光学または機械要素(第4図には図示
しない)の動きによって表面23を動くことができる。
表面23でのスポット27の位置は、コンピュータ制御
システム28によって制御される。以前に指摘したよう
に、システム28は、CAD設計システムなどのジェネ
レータ20によって形成され、PHIGS形式または等
価形式で、物体を定義する情報が、応力、カールおよび
変形を低減し、分解能、強度および再現精度を高めるた
めに特に処理されるコンピュータ変換システム25に向
けられるCADデータの制御のもとにある。
【0074】容器21の内側の可動昇降台29は、選択
的に上下に可動でき、台の位置はシステム28によって
制御されている。この台が動きながら、30a、30
b、30cなどの統合された単層の段階的な堆積によっ
て三次元物体30を製造する。
【0075】紫外線硬化性液体22の表面は、容器21
で一定の液面が維持され、紫外線27のスポットまた
は、液体を硬化させ固体に転化させるのに十分な強度の
他の適切な形式の反応性エネルギーが、プログラムされ
た方法で作業表面23の上を動く。液体22が硬化し、
固体が形成されると、初め表面23の直下にあった昇降
台29は、いずれかの適切な作動器によって、プログラ
ムされた方法で表面から下方へ動く。こうして、初めに
形成された固体は、表面23の下に移動し、新しい液体
22が流れて表面23を覆う。この新しい液体の部分
が、次に、プログラムされた紫外線スポット27によっ
て固体に転化され、新しい固体部分はその下の部分に付
着して結合される。この過程が、三次元物体30全体が
形成されるまで継続される。物体30はその後容器21
から取り出され、システムは別の物体を製造する準備が
整えられる。その後、別の物体が製造でき、または、コ
ンピュータ28のプログラムを変更することによってい
ずれかの新しい物体が作成できる。
【0076】紫外線硬化性液体などの硬化性液体22
は、いくつかの重要な特性を持っていなければならな
い。(A)使用可能な紫外線源について、実際的な物体
形成時間ができる限り十分に速くなければならない。
(B)連続する層が互いに付着できるように接着性がな
ければならない。(C)昇降器が物体を動かした時に、
新しい液体材料がすばやく表面を覆うことができる程度
にその粘度が十分に低くなければならない。(D)形成
された薄膜が合理的に薄くなるように紫外線を吸収しな
ければならない。(E)物体が形成された後に紫外線硬
化性液体および部分硬化液体を除去するために洗浄でき
る程度、固定状態で同様の溶剤に合理的に不溶性でなけ
ればならない。(F)可能な限り無毒性かつ非刺激性で
なければならない。
【0077】また、硬化した固形物は、固体状態となっ
た後に希望の特性を持っていなければならない。これら
の特性は、他のプラスチック材料の従来の用途と同様、
関係する用途によって異なる。色、質感、強度、電気的
性質、易燃性および柔軟性といった項目が検討すべき特
性に含まれる。さらに、材料のコストも多くの場合重要
である。
【0078】実際的な立体造形システムの現在好ましい
実施例(第3図など)で使用される紫外線硬化性材料
は、デソト・インコーポレーデッド(DeSoto, Inc., 17
00 South Mt. Prospect Road, Des Plaines, Illinois
60018)が製造するDeSoto SLR800立体造形用樹脂であ
る。
【0079】光源26は、希望する物体の細部が形成で
きるほど十分に小さく、使用される紫外線硬化性液体を
十分に実用的な程度に急速に硬化させるだけの十分な強
度を持つ紫外線スポット27を生じる。光源26は、電
源の入切および、焦点の合ったスポット27が液体22
の表面23上を動作できるように、プログラムされてい
る。従って、スポット27が動くにつれて、液体22を
固体に硬化させ、図表記録器またはプロッタがペンを用
いて紙の上に描くのとほぼ同じ方法で表面に固体のパタ
ーンを「描く」。
【0080】立体造形システムの現在好ましい光源26
の実施例は、主に、カリフォルニア州サニーベールのリ
ンコニスク社(Linconix)が製造する4240−N型H
eCdマルチモード・レーザ(Model 4240-N HeCd Mult
imode Laser )などのヘリウム−カドミウム紫外線レー
ザである。
【0081】第4図のシステムにおいて、表面23を一
定の水準に保ち、物体が取り出された後にこの材料を補
充するための手段を備えることもでき、それによって、
焦点スポット27は、一定の焦点面で焦点を正確に保
ち、作業表面23に沿った層を形成する際に最大の分解
能を保証する。これに関して、作業表面23で正確に高
強度の領域が得られ、ただちに低強度に発散することに
より、硬化過程の深さを限定し、形成される物体に適切
な最も薄い断面層を付与するように焦点を形成すること
が望ましい。
【0082】昇降台29は、形成される物体30を支持
し、必要に応じてそれを上下させるために使用される。
通常、層が形成された後、形成される物体30は、次の
層の水準以上に動かされ、それにより液体22は固体が
形成された部分と表面23との間のわずかな隙間に流れ
込むことができ、その後物体は次の層の正しい水準に戻
される。昇降台29の要求事項は、プログラムされた方
法によって適切な速度と精度をもって動くことができ、
さらに、形成される物体30の重量を扱えるだけ十分な
強度を持っていることである。さらに、設定段階および
物体を取り外す際に昇降台の位置を手動で微調整できれ
ばより有効である。
【0083】昇降台29は、機械式、空圧式、液圧式ま
たは電子式が可能であって、位置を精密に制御するため
に光学または電子式フィードバックを行うこともでき
る。昇降台29は、通常、ガラスまたはアルミニウムの
いずれかにより製作されるが、硬化プラスチック材料が
付着するようないずれかの材料が適する。
【0084】コンピュータ制御ポンプ(図示せず)は、
作業表面23で液体22の水準を一定に維持するために
使用できる。適切な水準検知システムおよびフィードバ
ック網は、公知の技術であり、流体容積の変化を補い、
表面23において一定の流体水準を維持するために、流
体ポンプを駆動させたりまたは、昇降台が流体媒質の中
に入るにつれて流体媒質から出てくる中実棒(図示せ
ず)などの液体変位装置を使用できる。他に、光源26
は、検知された表面23に関連して動くことができ、作
業表面23で正確な焦点を自動的に維持することができ
る。こうした選択方法はいずれも、コンピュータ制御シ
ステム28と関係した適切なデータオペレーティングに
よって容易に得られる。
【0085】図面第6図は、本発明が実施される立体造
形システムの全ソフトウエア・アーキテクチャを示す。
【0086】外観として、発明人らが“SLICE”と
呼ぶ処理の部分は、それをより製作しやすくするために
必要な足場または支持体とともに、製作したい物体を取
り入れる部分である。これらの支持体は、通常、使用者
のCADによって作成される。SLICEが最初に行う
ことは、物体および支持体の輪郭を見つけることであ
る。
【0087】SLICEは、一定の指定された制御様式
にもとづいて一度に1の各小部分または層を規定する。
SLICEは、物体の固体部分に輪郭を与える。例え
ば、物体が空洞であれば、外側と内側の輪郭がある。そ
の後、この輪郭が一次情報になる。SLICEプログラ
ムはその後、その輪郭すなわち一連の輪郭を作成する
が、相互に結合しない外側外皮および内側外皮を製作し
たい場合、それらの間に液体を持つように指定する。そ
の液体はいずれ消失する。これを実際の製品に言い換え
れば、中実の部分は、2つの表面の間にクロスハッチを
加えるか、あるいはその間を全部固化させる。また、1
層が次の層の上に結合しないほど傾斜が穏やかである場
合には、過去の経歴(それまでの層の形状の変化)ある
いは三角形(PHIGS)の傾斜を記憶しておいて外皮
を加える。SLICEはこれらすべてのことを行い、感
光性重合体の化学特性、レーザの強度、システムを作動
するために用いられる各出力ベクトルを露光するための
時間を示す関連パラメータに関する。いくつかの参照用
テーブルを使用する。その出力は識別可能なグループか
ら成る。第1のグループは輪郭線すなわち輪郭から成
る。別のグループはクロスハッチから成る。第3のグル
ープは外皮から成り、これには、わずかに異なって処理
されなければならない上向き外皮および下向き外皮など
の下位グループがある。これらの下位グループはすべ
て、わずかに異なる処理を受けるので異なってトラック
され、その過程で出力データは希望の物体および支持体
を形成するために適切に管理される。これらのベクトル
形式および形成については、米国特許出願番号第18
2,830号、第269,801号および第331,6
44号に詳述されている。
【0088】三次元物体30が形成された後、昇降台2
9は上げられ、物体は後処理のために台から取り外され
る。
【0089】さらに、本発明の実施において使用可能な
いくつかの容器21があり、各容器は、立体造形システ
ムによって自動的に選択できる異なる形式の硬化性材料
を有する。これに関して、各種材料は、異なる色のプラ
スチックにしたり、または、電子製品の各種層に使用で
きる絶縁性および伝導性材料も可能である。
【0090】図面第5図から明らかなように、立体造形
システムの別な機器構成を示すことができる。この構成
では、硬化性液体22または類似物は、硬化性液体22
に対して非混和性かつ非湿潤性である重い紫外線透過性
液体32の上に浮いている。例えば、エチレングリコー
ルまたは重水はこの中間液層32に適する。第4図のシ
ステムでは、三次元物体30は、第3図のシステムのよ
うに液体媒質中に下方に向かうよりもむしろ液体22か
ら引き上げられる。
【0091】第5図において、紫外線源26は、液体2
2と非混和性中間液層32との間の界面で焦点27を結
び、紫外線は、容器21の底部で支持された水晶などの
適切な紫外線透過窓33を経て通過する。硬化性液体2
2は、非混和性中間液層32の上にごく薄い層で与えら
れ、それによって、理想的には極薄単層が形成されるの
で、硬化深さを限定するためにもっぱら吸収などに頼る
のではなく直接に層の厚さを限定できるという利点があ
る。従って、形成の領域がより明確に限定されるので、
一部の表面は、第4図の装置よりも第5図の装置によっ
ていっそう平滑に形成される。さらに、紫外線硬化性液
体22はより少ない量でよく、一つの硬化性材料を他の
材料に置換することが容易である。
【0092】商用立体造形システムは、第1図〜第5図
で図式的に示したもの以外の付加的な構成要素およびシ
ステムを有する。例えば、商用システムは、フレーム、
ハウジングおよび制御盤も持つであろう。過剰な可視光
から操作者を保護するための手段を持たなければなら
ず、また、物体の形成中に物体30を見ることができる
手段を持たせることもできる。商用装置は、オゾンおよ
び有害煙霧を管理するための安全手段のほか、従来の高
圧防護、連動装置を備えるであろう。このような商用装
置は、電子雑音源から過敏な電子部品を効果的に保護す
るための手段も有するはずである。
【0093】本発明によれば、物体の支持体は使用者に
よってCAD設計において付与される。まず、この用途
で初期に付与される支持体の必要性の概要を説明する。
【0094】物体支持体の必要性は第一に、台から物体
を分離することである。すなわち、硬化物体を容易に取
り外し、第1の層の厚さの管理を改善し、台の孔を物体
のパターンに適合させることを可能とする。
【0095】第二に、物体支持体は、物体内部および周
囲の液体の流れを改善する。すなわち、液体を早く安定
させ、浸漬時間を最短にし、物体が早く良好に液体を排
出することを可能にする。
【0096】第三に物体支持体は、浮遊する層輪郭線を
固定させるために必要とされる。すなわち球の場合、均
分円の下側で、層輪郭線の直径は急速に増加するが、層
輪郭線は、クロスハッチ・ベクトルが描かれるまで空気
の流れや液体の対流に影響されて浮遊することとなるか
らである。外部支持体は均分円の上側では必要ないであ
ろうが、内部支持体は必要かもしれない。第7a図およ
び第7b図は、クロスハッチ・ベクトルが描かれるま
で、支持体は層輪郭線をどのようにして正しい位置に固
定するかを示す。
【0097】第四に物体支持体は、支持を行わないと無
支持となる層部分を補強するために必要とされる。すな
わち浸漬中や、物体重量の増加による変形を防止し、ま
た応力に耐えられない層部分やスモーリーによるカール
を防止するために支持体を使用できる。第8a図および
第8b図は、支持体がどのように片持ばりまたは類似構
造の変形またはカールを防止するかを示す。
【0098】第五に物体支持体は、非接合層部分を固定
するために必要とする。すなわち、こうした層の部分が
浸漬中に移動するのを防止する。支持体は、物体が製作
される基礎とするために第1の非接合部分の下の層にな
ければならない。第9a図および第9b図は、支持がな
ければ浸漬中に移動するような層部分を支持体がどのよ
うに接合するかを示す。
【0099】次に、この用途で後に付与されるウェブ状
支持体の概要を説明する。
【0100】本発明では、「ウェブ」状支持体が使用さ
れる。ウェブ状支持体は、第一にほとんどすべてに適用
可能な実用的形状である。すなわち、取り外しやすく、
台から抜け落ちることがなく、2つの連続する層の輪郭
線であり、クロスハッチや外皮が不要なので描くのに時
間がかからないという特徴をもつ。
【0101】第二にウェブ状支持体は、共通に使用され
る支持体様式のCADライブラリを作ることができると
いう特徴をもつ。これは、多数の異なる部品について類
似の支持体を使用することが可能で、新しい支持体を作
るよりも現行の支持体を修正するほうが早いからであ
る。例をとって説明する。
【0102】例A 第7a図および第7b図に示す固体球の底付近に層境界
線ベクトルは、その直径が各連続層で急速に増加する円
から成る。クロスハッチ・ベクトルが描かれるまで、層
境界線の多くは液面上で自由に浮遊する。空気流または
液体の対流は層境界線を正しい位置からずらす原因とな
る。第7b図に示すように、球の均分円にまで伸長した
支持体を付加することがこの問題を解決する。均分円の
上側では、層境界線は以前の層のクロスハッチ・ベクト
ルの上に直接形成され、そのままそれ以上の支持体を必
要とせずにしっかりと固定されることに注意しなければ
ならない。
【0103】例B 第8a図および第8b図に示す片持ばりの第1層(また
は、いずれかの無支持層輪郭線)は、物体が浸漬される
時に液体の静的抵抗によって永久変形を受ける場合があ
る。さらにこの層は、次の層が形成される時にカールす
るかもしれない。これらの問題は両方とも、支持体を付
加することによって解決される。
【0104】例C 第9a図および第9b図に示す紅茶茶わんの把手の第1
層は、形成される時完全に非接合状態であり、物体が浸
漬される時に漂流するかもしれない。支持体は、昇降台
または茶わん本体に固定された表面を付与し、これに把
手を構築することができる。
【0105】支持体の最も一般的な形式は、前記の例図
に示す薄肉の垂直ウェブである。ウェブ状支持体(以
下、ウェブ支持体ともいう)は、後処理において取り外
しが容易であり、適切に設計されていれば、昇降台の孔
から抜け落ちることはない。他の形状も必要な支持体を
付与することができるが、描くのに時間がかかるだろ
う。
【0106】一般に、支持体は、部品ファイルとは別の
単一CADファイルとして一緒に設計される。支持体
は、部品が設計され立体造形に適するように配向された
後、固体模型に関して位置決定される。物体および支持
体ファイルは、立体造形過程の後期に単一ファイルとし
て併用され描かれる。各用途のために独自の支持体を設
計するよりも、CADに常駐する支持体のライブラリが
勧められる。いずれの場合でも、支持体は、以下の指針
に従って設計され、部品に接合すべきである。
【0107】配置:支持体の配置は、物体が構築できる
確固とした基礎を付与するために必要なように位置決定
されなければならない。また、前記の例で検討したよう
に、他の表面を固定または補強するために付加しなけれ
ばならない。物体が後処理としての再硬化の後、支持体
が取り外された後、通常、物体表面にうねが残る。(こ
のうねは、切除およびサンダー仕上げまたは研削でき
る。) 従って、可能な場合、美観または機能上の理由から平滑
である必要がある表面に支持体を配置することは避ける
べきである。支持体は、昇降台に接合する必要はない
が、物体の強度の高い部分に固定することができる。
【0108】間隔:一般に、支持体の間隔は、は、容易
に認められる垂れ下がりまたはカールが決して生じない
ように十分に密接な間隔で配置されなければならない
が、過度に多くの支持体を描くと、物体の構築過程を遅
くすることになる。ウェブ支持体は、通常、0.1〜
0.8インチ(2.54〜20.32ミリ)離した間隔
を置くべきである。
【0109】配向:物体の全部のウェブ支持体が第10
a図および第10b図に示すように相互に平行に配列さ
れている場合、物体の重さによって、物体作成中にウェ
ブが横方向に傾く可能性がある。以後の層は以前の層に
関してわずかにずれる(斜めに傾く)ことになる。平行
ウェブに対して垂直であるウェブ支持体の付加は、層の
ゆがみを予防する。
【0110】高さ:曲がりまたは垂れ下がりを防止し、
描画時間を最小限にするために、ウェブ支持体の高さ
は、必要以上に高くするべきではないが、部品は、最適
な液体の排出および安定(緩和)を保証するために昇降
台上0.25インチ(6.35ミリ)以上に吊り下げら
れなければならない。高さのあるウェブが必要な場合、
第1のウェブに垂直な第1のウェブを付加的な支持のた
めに付加すべきである。この組合せ支持体は、断面では
第10図に示すように十字(+)状に見える。
【0111】長さ:描画時間を最小限にするために、支
持体の長さは必要なだけの長さにすべきである。しか
し、昇降台に構築されたウェブの支持体は、その接触す
る部分が0.65インチ(16.51ミリ)以上の長さ
がなければならず、そうでない場合、孔から垂れ下がっ
たり抜け落ちたりすることもある。物体を両端とする斜
め支持体は、第11図に示すように、控え壁状に設計し
なければならず、除去が困難になるほど部品の隅にまで
及ぶようにすべきではない。
【0112】幅:ウェブ支持体の幅は、1〜2ミル
(0.025〜0.051ミリ)のCAD厚さの幅広厚
板として設計されなければならない。レーザで描かれる
幅は通常10〜20ミル(0.25〜0.51ミリ)な
ので、実際の支持体はCAD設計よりも相当厚くなる、
CADボリュームをまったく用いずに単一表面として設
計される支持体は、クロスハッチを作成するソフトウエ
アを混乱させるので、避けたほうがよい。
【0113】厚さ:ウェブ支持体の厚さは、硬化用ビー
ムのループ状往復走査によって形成されるその往復時ビ
ームが隣接するとき最小厚さになるが、その厚さは硬化
幅(1本のビームが硬化する幅)の2本分より小さくな
る(詳しくは後述の例参照)。
【0114】ビーム幅の補償を用いる場合、支持体は、
ビーム幅補償アルゴリズムがレーザによって描かれる線
の幅を補償することになるので、希望する実際の幅、す
なわち10〜20ミル(0.25〜0.51ミリ)とし
て設計すべきである。ビーム幅の補償については、米国
特許出願番号第182,830号、第269,801号
および第331,644号に詳述されている。
【0115】物体が支持体と確実に結合することを保証
するために、ウェブ支持体は、2または3層の厚さだけ
(通常40〜60ミル(1.02〜1.52ミリ))物
体に垂直に重なり合うように設計しなければならない。
【0116】支持体の一般的な形式としては、上記以外
に以下のようなものがある。
【0117】「ストレートウェブ」は一般に厚さが0.
002インチ(0.051ミリ)未満の極薄の断面長方
形のものである。単一表面ではなく、厚みのあるものと
して規定しなければならない。「十字形ウェブ」は直角
に交差する2のストレートウェブから成るウェブであ
る。ストレートウェブよりも強力である。「円形ウェ
ブ」は物体に強固に結合された空洞管である。ストレー
トウェブおよび十字形ウェブよりも大重量を支持でき
る。しかし、より多くの三角形を必要とするので、より
多くの記憶装置を使用する。「三角形ウェブ」は3のス
トレートウェブから成り三角形を形成する。各頂点を交
差するストレートウェブと関係して使用できる。他のす
べての形式のウェブ支持体よりも強力である。
【0118】前述のように、支持体の作成は、部品ファ
イルとは別の単一のCADファイルで一緒に設計され
る。これらの立体造形(.STL)ファイルは、1ファ
イルに併合される前は、スライス・ファイルまたは断面
ファイルである。支持体に適用できるスライス・ソフト
ウエア(SLICE)および併合ソフトウエア(MAR
GE)の特徴を以下に説明する。SLICEおよびME
RGEソフトウエアの商用実施例に関する詳細は、米国
特許出願番号第182,830号、第269,801号
および第331,644号に説明されている。
【0119】SLICEはスライス支持体ファイル作成
時に通常0に設定されているいくつかの選択機能を有し
ている。ウェブ支持体は薄肉なので、クロスハッチは不
要であり、従ってX、Yおよび60/120クロスハッ
チ間隔値は0に設定すべきである。同様に、支持体は外
皮も必要としないので、XおよびY外皮充填値も0に設
定できる。走査小面の最小表面角(MSA)および最小
クロスハッチ交差角(MIA)は、ウェブ支持体が平坦
に近い外皮を必要とせず、クロスハッチをまったく持た
ないので、0に設定されなければならない。
【0120】この支持体ファイルに選択されたSLIC
EスケールおよびZ間隔の値は、物体ファイルに選択さ
れた値と一致しなければならない。すなわち、支持体S
LICE厚さは、(重なり合い領域で)物体ファイルの
SLICE厚さによって等しく割れるか、または、それ
に等しくなければならない。そうでない場合、同一層で
支持体および部位の線を描くことができなくなる。
【0121】ウェブ支持体の壁(1ミル(0.0254
ミリ)離れた)を形成する際に、第1の描いている間に
露光された層輪郭線は、比較的広いレーザ線幅のため
に、第2の壁が描かれている間に再び露光を受けること
になる。これは事実上、ステップ期間を倍増する。この
ため、作業曲線から得られたステップ期間は、入力する
前に2で割らなければならない。
【0122】支持体を作成するために最後に必要な操作
者の行動は、PREPAREメニュー選択機能を用い
て、支持体の第1の層を形成する層輪郭線ベクトルの省
略時ステップ期間値を増加させることである。そうする
ことにより、層の厚さ(硬化深さ)が増す。通常、省略
時の支持体ステップ期間を3倍にすると、支持体の第1
層の昇降台への適切な付着が保証される。
【0123】ウェブ支持体を作成する別な方法は、硬化
中の物体の下に内部クロスハッチを持つ箱を作成するも
のである。この方法では、クロスハッチ・ベクトルを作
成するためにすでに実施されたSLICEアルゴリズム
がウェブ支持体を作成するために使用できる。この方法
においては、前述のように、CAD/CAMシステムで
ウェブ支持体を設計する必要がなくなる。この箱は、そ
れ自身の.SLIファイルにおかれた別個の.SLIフ
ァイルに作成でき、その後、スライスが終ってから物体
の.SLIファイルと併合することができる。特に、ス
トレートウェブは、XまたはY方向に(両方向ではな
い)クロスハッチを描くことによって作成できる。十字
形ウェブ支持体は、XおよびY方向にクロスハッチを描
くことによって作成できる。三角形ウェブ支持体は、6
0または120°およびXまたはY方向のいずれかにク
ロスハッチを描くことによって実施される。さらに、ク
ロスハッチの間隔は、必要な支持体に応じて異なるが、
1/4インチから1インチ(6.35〜25.4ミリ)
と選択すべきである。
【0124】本発明を実施しているカリフォルニア州シ
ルマーのスリー・デー・システムズ社(3D Systems, In
c., California)によって提供された商用システムの一
つの例(SLA−1)を、後に実施の形態として詳述す
る。
【0125】この新規で改良された立体造形の方法およ
び装置は、プラスチック物体を製造するために現在使用
されている方法に優る多くの利点がある。この方法は、
金型の図面および金型を製作する必要をなくす。設計者
は、コンピュータおよび立体造形装置を用いて直接作業
することができ、コンピュータの出力画面に表示された
設計に満足すれば、直接に物体を製造して調査すること
ができ、得られた情報により、カールおよび変形を低減
し、分解能、強度および再現精度を高めるために特別に
加工される物体を定義できる。設計を修正しなければな
らない場合もコンピュータを通じて容易に行うことがで
き、その後、新たに別の部品を作って変更が正しいこと
を確認することができる。相互に関連する設計パラメー
タを持つ複数の部分を要求する設計の場合、本発明の方
法は、その部品の設計のすべてが容易に変更でき、全体
の組立品を、必要な場合何度でも繰り返して製造し調査
できるので、いっそう有効である。
【0126】設計が完了した後、部品の生産はただちに
開始でき、設計から生産の間の数週間、数ヵ月が節約で
きる。最終生産速度および部品コストは、短時間運転生
産の現在の射出成形のコストと同様で、労務費は射出成
形に関するよりもずっと低くなるはずである。射出成形
は、多数の同一部品が求められる場合にのみ経済的であ
る。立体造形は、金型の必要がなくなり、生産のための
設備時間が最小であるため、短時間運転生産に有効であ
る。同様に、この技術を用いることにより、設計の変更
や特注部品の供給が容易に行える。部品製造の容易さに
よって、立体造形は、現在は金属その他の材料の部品が
使用されている多くの分野でのプラスチック部品の使用
を可能にする。さらに、費用のかかる金属その他の材料
の部品の製造を決定するのに先立って、迅速かつ経済的
に物体のプラスチック模型を製造することを可能にす
る。
【0127】本発明は、三次元のプラスチック物体など
を、迅速に、信頼性をもって、正確に、経済的に設計加
工できるCAD/CAMシステムのための技術に対して
長期に存在する必要性を満足させる。
【0128】本発明の上述および他の目的および効果
は、以下の実施例の詳細な説明によって、更に明らかと
なろう。
【0129】(実施例)SLA−1立体造形装置は、C
ADシステムから直接、三次元の物体を作成する。長
さ、幅、高さがそれぞれ9インチ(22.86センチ)
までの作成された物体は、光硬化性プラスチックで作成
されている。それらは、種々の用途に広く利用すること
ができ、例えば、工業でのエンジニアリング,設計エン
ジニアリング,建築設計,医学,科学のような分野で使
用されている。以下に、SLA−1立体造形装置の第一
の実施例について詳しく説明する。
【0130】(第一の実施例) 1.立体造形プロセス 立体造形は、レーザー・ビームを動かして、液状プラス
チックの連続層を固化することによって部品を作成する
三次元印刷プロセスである。本方法によれば、設計者
は、CADシステムでの設計ができ、精確なプラスチッ
ク・モデルを2、3時間で作成することができる。立体
造形プロセスは、第12図に示すように、固体モデル設
計,立体造形用モデルの準備,モデルの三角形への分割
と転送用にデータの変形,データ・ファイルのSLA−
1スライス・コンピュータへの転送,三角形ファイルの
水平スライス,ベクトルの計算、ハッチングおよびぬり
つぶし,物体の作成,後処理の8段階から構成されてい
る。
【0131】固体モデル設計は、立体造形プロセスとは
特に関係なく、CADシステムで、通常の方法で設計さ
れる。モデルのコピーが、立体造形処理用に作成され
る。
【0132】立体造形のモデル準備には、最適方向の選
択、サポートの追加、SLA−1操作パラメータの選択
がある。最適の方向をとることによって、(1)物体の
液排水を可能にし、(2)支持のない表面の数が最少に
なり、(3)重要な表面を最適状態にし、(4)物体を
樹脂容器に適合させることができる。支持は、離れた断
面を固定するためとその他の目的のために追加しなけれ
ばならない。支持のCADライブラリを本目的のため準
備することができる。SLA−1操作パラメータには、
モデル寸法と層厚さ(スライス)の選択が含まれてい
る。
【0133】固体モデルの表面は、次いで三角形に分割
される。三角形は、ベクトル計算には、複雑さの最も少
ない多角形である。BetaSLA−1の能力は、200,
000個の三角形に近付いており、SLA−1の生産に
関して計画されたさらに改良された点がある。三角形の
数が多い程、表面の分解はより十分になり、したがっ
て、CAD設計で形成される物体はより正確になる。
【0134】三角形の座標を表わすデータ点は、イーサ
ネット通信でSLA−1に伝達される。SLA−1のソ
フトウエアは、選択した層の厚さで、三角形断面を水平
に(X−Y面)スライスする。
【0135】SLA−1は次に、断面の輪郭、ハッチン
グ、および水平面(表面)ベクトルを計算する。ハッチ
ベクトルは、輪郭ベクトルの間の、クロスハッチングか
らなる。数種のタイプがある。高速で画かれ、大きな重
なりのある表面ベクトルは、物体の水平表面の外側を形
成する。上下の表面内の内部水平部分は、クロスハッチ
・ベクトルによる以外はぬりつぶされない。
【0136】SLA−1は、光硬化性樹脂の表面を、ヘ
リウム、カドミウム・レーザーの紫外線を動かし、それ
があたった部分の液を固化させることによって一度に1
つの水平層の物体を形成する。樹脂に吸収されるので、
レーザー光線は深く浸透せず、薄い層をつくることがで
きる。各層は輪郭線、ハッチ、表面の順に描かれたベク
トルから成る。
【0137】最初に画かれた層は、液面のすぐ下にある
水平な台に付着する。この台はコンピュータ制御で台を
降ろす昇降台に取り付けられている。1つの層を画いて
から、台は数ミリメータ液の中に浸って、先に硬化した
層を新しい液で覆う。ついで、薄い液の層を残して少し
だけ上昇しこの薄い液の層から第2の層が作られる。液
面が平らになるように、しばらく休止した後、次の層が
描かれる。樹脂は付着性をもっているので、第2の層
は、第1の層へ強固に付着する。このプロセスが、すべ
ての層が描かれ、三次元物体の全体が形成されるまで繰
り返される。通常、物体の下部の0.25インチ(6.
35ミリ)程度は、望みの物体がその上につくられる支
持構造である。光にあたらなかった樹脂は、容器の中に
残って次の物体用に使用される。材料の浪費は非常に少
い。
【0138】後処理では、余分の樹脂を除くために、作
成された物体を熱し、紫外線または加熱硬化をして重合
を完全にし、支持を取り除く。さらにやすりでみがき、
実用モデルに組立てるなどの処理も追加して行われる。
【0139】2.立体造形装置 SLA−1はユーザーのCADシステムと直接接合する
完備した装置である。SLA−1は、第13a図〜第1
3c図に示すように、スライス・コンピュータ端末装
置、電子キャビネット組立品、光学系組立品、およびチ
ャンバ組立品の4主要要素グループから構成されてい
る。SLA−1のブロック図を第14図に示す。
【0140】2.1 電子キャビネット組立品 電子キャビネット(第22a図,第22b図)には、プ
ロセス・コンピュータ(ディスク駆動)、キーボード、
モニター、電源、AC電力配電盤、および制御盤があ
る。コンピュータ組立品には、端末装置の制御用プラグ
イン回路盤、高速走査鏡および垂直(Z形の台)昇降機
がある。レーザー用電源、ダイナミックミラー、昇降機
モータは、キャビネットの下部に取り付けられている。
制御盤(第16a図,第16b図)には、電源投入スイ
ッチ/表示器、チャンバー灯スイッチ/表示器、レーザ
ー投入表示器およびシャッター開表示器がある。故障診
断およびレーザー性能情報を含む操作と保守パラメータ
はモニターに表示される。操作はキーボード、エントリ
で制御される。キーボードおよびディスク・ドライブの
まわりの作業面は、掃除しやすく、且つ長期使用に耐え
るようフォーマイ力でおおってある。
【0141】2.2 光学系組立品 ヘリウム、カドミウム(HeCd)レーザーと光学系構
成要素(第23a図〜第23c図)は、電子キャビネッ
トとチャンバー組立品の上に取り付けられている。レー
ザーと光学系板は、それぞれのカバーをはずせば使いや
すいようになっている。安全のために、カバーとめ具を
はずすのに専用工具が必要で、カバーがはずされている
時は、インターロック・スイッチが生きている。インタ
ーロックは、どちらかのカバーがはずれている時、レー
ザー光線を遮るためにソレノイド制御のシャッターを作
動させる。光学系組立品の洗浄用具一式とインターロッ
ク短絡用具が光学系カバーの下にある(第19a図〜第
19e図)。洗浄用具は綿棒、専用の洗浄ガーゼ、光線
回転鏡と光線拡大レンズ洗浄用材料である。インターロ
ック・短絡用具は、使用中にインターロックをころすた
めに使用される。これは、光学系およびレーザーのカバ
ーがはずれた状態で、レーザーの照射を必要とする、光
学系の配列調整および実施操作を可能にする。シャッタ
ー組立品、2個の90°の光線回転鏡、光線拡大器、走
査鏡組立品および光学窓は光学板の上に取り付けられて
いる。回転ソレノイド作動シャッターはレーザーの出口
に取り付けられ、安全インターロックが開いている時、
光線を遮るために回転する。90°光線回転鏡はレーザ
ー光線を次の光学系構成要素へ反射する。光線拡大器は
レーザー光線を拡大して液面に集中する。高速走査鏡は
レーザー光線が樹脂表面にベクトルを画くようにする。
光学系の封入されたものと反応室の間の水晶窓は、レー
ザー光線を反応室へ通すが、それ以外は、2つの部分は
隔離されている。
【0142】2.3 チャンバー組立品 チャンバー組立品(第24図,第27図)には、環境制
御されたチャンバーがあり、台、反応容器、昇降機およ
び光線プロファイラを収納している。物体がつくられた
室は、操作者の安全を考え、一様な操作条件を確保する
ように設計されている。室は約45℃(華氏140度)
に熱してもよい。そして空気は循環され、ろ過される。
上方からランプが反応容器と作業面を照らす。ガラスの
アクセスドア上のインターロックは開いているときにレ
ーザー光線を遮るようにシャッターを作動させる。反応
容器はチャンバーの中、昇降機および台が配列されてい
る誘導装置上に設置されている。部品は垂直軸昇降機あ
るいはz形の台に取り付けられた台の上に形成される。
台は樹脂容器の中に浸され、物体が形成されていく間
に、下の方へ調節して動かされる。形成された物体を取
り外はずすために、台は容器の上の位置まで上げられ
る。ついで、台は昇降機から取りはずされ、後処理のた
めにチャンバーから取り外される。したたり落ちる樹脂
を受けるために受け皿が準備されている。光線プロファ
イラは、反応容器の一方の側でレーザーの焦点距離のと
ころに取り付けられている。走査鏡は、周期的に光線プ
ロファイラ上へのレーザー光線に向くように指令され、
プロファイラは光線の強度プロファイルを測定する。そ
のデータは、強度の輪郭線のあるプロファイルまたは全
体的な(積分された)光線強度を表わす簡単な数として
端末に表示される。この情報は、鏡を洗浄および心合わ
せすべきか、レーザーを使用すべきか、望みの厚さと幅
のベクトルを出すパラメータ値などを決定するのに使用
される。
【0143】3.ソフトウエア SLA−1のソフトウエア図を第15図に示す。立体造
形装置を制御するのに必要なコンピュータは3つあり、
それはCADシステム、スライスコンピュータおよびプ
ロセスコンピュータである。どのCADシステムも三次
元物体を設計するのに使用することができる。これは対
称物のファイルと認められる。物体をつくるためには、
ゆがみを防ぐために支持を設けなければならない。これ
は、CADによる物体設計に必要な支持を加え、CAD
支持ファイルをつくることによって実行される。結果と
してCADでつくられた2個以上のファイルは、イーサ
ネットを通してスライスコンピュータに物理的に挿入さ
れる。立体造形装置は、一番下の層から始めて一度に1
層の部品をつくる。スライスコンピュータは、CAD上
の物体を個々の水平なスライス(薄層)に分割する。ス
ライスコンピュータは、また、どこにハッチベクトルが
できるかを計算する。これは各層がつくられるとき最大
強度になるように行われる。Beta Sitesのスライスコン
ピュータは、それ自身のキーボードとモニターをもった
別個のコンピュータである。生産モデルでは、スライス
コンピュータは、SLA−1の電子キャビネットの中に
あり、プロセスコンピュータとキーボードとモニターを
共有することが予想される。操作者は各スライスの厚さ
を変更することができ、ユーザー・インターフェイス・
プログラムと各スライスの他のパラメータを変えること
ができる。スライスコンピュータは、ゼニックス機械語
を使用しており、イーサネット・データ・バスによって
SLA−1プロセス・コンピュータに接続されている。
スライスされたファイルは、ついで、イーサネットを通
してプロセス・コンピュータに転送される。プロセス・
コンピュータは、スライスされた物体と支持ファイルを
層制御ファイルとベクトル・ファイルに併合する。操作
者は、次に、層およびパラメータ・ファイルにおいて立
体造形装置を運転するのに必要な制御を挿入する。(ベ
クトル・ファイルは、いつもは編集されていない)。操
作者は、リベットを挿入することによって、物体の特定
の容積を強くすることができる。このことは、スライス
されたファイルを組合せる前に、必要なパラメータをク
リティカル・ボリューム・ファイルに挿入することによ
って行われる。併合プログラムは、物体、支持、クリテ
ィカル・ボリューム・ファイルを総合して、その結果の
データを層制御ファイルに挿入する。操作者は、層制御
ファイルを編集することができ、省略パラメータ・ファ
イルを変更することができる。省略パラメータ・ファイ
ルは、部品を作る立体造形装置を操作するのに必要な制
御を含んでいる。プロセス・コンピュータは、MSDO
S機械語を使用しており、立体造形装置に直接接続され
ている。
【0144】4.性能仕様 ベータSLA−1の性能仕様を、表1−1に示した。
【0145】
【表1】
【0146】
【表2】
【0147】5.材料および装置 SLA−1装置の操作をよくする材料および装置を表3
−1に示した。同等のものを使用してもよい。
【0148】
【表3】
【0149】6.SLA−1物体用CAD設計 6.1 SLA−1物体用CAD設計法 SLA−1装置で物体を作製する前にCADシステムで
まず設計しなければならない。操作者はCADシステム
を使用して部品を設計する方法を知っているものとす
る。CAD設計をSLA−1装置に適合するようにする
には、操作者は、物体ファイルと支援ファイルなどの2
つ以上のファイルをCADシステムに準備するのが普通
である。物体ファイルは、単にCAD物体である。支援
ファイルは、SLA−1装置で物体を作っている間、そ
の形を保つことができるように支持構造を加えるのに必
要である。
【0150】6.2 部品設計のルール SLA−1装置用CAD設計を準備するには、操作者
は、次のようにCAD物体ファイルを変更しなければな
らない。すなわち、第一に壁厚さは、0.020〜0.
150inchとするのが理想的である。第二に、CAD物
体を次の条件になるような方向に回転する。条件とは、
物体ができる時の気泡部分を最小となるように、また上
向きのよい表面を利用できかつ下向きの表面をできるだ
け見えないように、また支持の設計が容易かつ最適とな
るように、さらにまた部品が作られるとき安定および強
くなるようにすることである。第三に水平ギャップと穴
がレーザ・line widihにより望まれるより大きくなるよ
うに部品を設計する。第四にすべての中実物体は完全に
一つの容積を構成しなければならない。単一平面ではク
ロスハッチのアルゴリズムを混乱させる。
【0151】6.3 SLA−1用支援ファイル設計法 支持構造は、土台と柱とウェブで構成され、それらは物
体を適切に支持し、物体がSLA−1装置で作られてい
る間に曲がるのを防ぐ。支持は別の支援ファイルにおい
てCADシステムで設計されなければならない。
【0152】6.4 支持設計のルール 操作者は次のようにCAD支援ファイルを作らなければ
ならない。すなわち、第一に昇降機パネルにのるCAD
で作られる物体の底部に構造を設計する。この台には、
少くとも0.65inch(16.51mm)の長さ(台の
1/4inch(6.35mm)孔の直径の2倍以上)数本
の水平な脚がなければならない。第二に部品の外側に各
角と交差するように支持を設計する。そこは大きな応力
が生ずる場所であるからである。第三に支持されていな
い下向きの境界が、先に作られた支持の上になるように
支持を配列する。第四に最良の応力抵抗のため、最小距
離を隔てて支持を配置する。第五に強力な結合のため、
少くとも二つの垂直な二層が物体の中に重なりをもつよ
う設計する。
【0153】7.スライス操作 7.1 ファイルのスライスの方法 スライスコンピュータ(Wyse PC 386 )(第21a図,
第21b図)は、ユーザーの制御の下で、物体と支援フ
ァイルを個々のスライスに、自動的に分割する。ユーザ
ーは各スライスの厚さを選択し、クロスハッチングの形
と方法を決定しなければならない。
【0154】7.2 スライスのルール 操作者は、CAD物体と支援ファイルを次のようにスラ
イスしなければならない。すなわち第一に上向きの表面
は1次元(XまたはY)だけのもので、0.002inch
のオフセットでなければならない。露出面は低くなけれ
ばならない。第二にクロスハッチは通常、物体の端にで
きるだけ垂直に近い状態でなければならない。部品の端
に平行なクロスハッチは生産時間を増加し応力を増加す
る。第三に表面をつくらないで支援ファイルをスライス
する。
【0155】7.3 ユーザー・インターフェースの動
かし方 この手順はユーザー・インターフェース・プログラムを
使用してスライス・パラメータを挿入し、スライス・プ
ログラムを動かすためにスライス・コンピュータを操作
する方法を示す。この手順は、CADファイルがスライ
ス・コンピュータの中に設置されているものと仮定して
いる。ステップの前の星印(*)は、これが、共通のキ
ーボードを使用してスライス・コンピュータとプロセス
・コンピュータとを操作している場合に行われるために
だけ必要な任意のステップであることを示している。 a.ENTERを押す。−MAIN MENUが表示さ
れる。* b.データ転送(スライス)を選択して、ENTER
を押す。−データ転送メニューが表示される。* c.TELNET、端末ユーティリティを選択し、E
NTERを押す。 d.S promptが表示されたら、UI(user interface)
とタイプして、ENTERを押す。−SLICE US
ER INTERFACEメニューが表示される。 e.オプション1(DATABASEファイル名)を選
択する。 f.Enter Data File Name; promptが表示されたら、デ
ータ・ファイル名、つづいて、Stl (例えば−test.st
l)をタイプして、ENTERを押す。 g.Type File BinaryまたはASCII(B,A); Promptが表示
されたら、b(binary)または(ASCII )を適用として
タイプし、ENTERを押す。 h.オプション2(scale )を選択する。 i.Enter Scale Value: prompt が表示されたら、scal
e value per CAD dimension unit)をタイプしてENT
ERを押す。(1000を選択した場合、1000.0
00が値の列に挿入される。これは1つのCAD dimensio
n unitの1/1000である。)(例えばインチで設計
された部品のCADの場合は、1000のScale は各ス
ライス、単位を1mil (1ミル=0.0254ミリ)と
する) j.オプション3(Z spacing)を選択する。 k.Enter FixedまたはVarible spacing(F、Vまたは
Q)Value: prompt が表示されたら、F(fixed )をタ
イプし、ENTERを押す。次にスライス・スケール単
位(オプション2より)(例えば−20)で厚さをタイ
プし、ENTERを押す。(可変の厚さを選択する場合
は、ソフトウエア・マニュアルを参照)。 l.オプション4(X hatch spacing)を選択する。 m.Enter Hatch Spacing (hx) value: promptが表示さ
れたら、スライス・スケール単位(例えば、200(5
ハッチ/inch))でX hatch spacingをタイプし、ENT
ERを押す。オプション6(60/120度hatch spac
ing )を使用する場合は、オプション5(Y hatch spa
cing)は使用しないことに注意する。 n.オプション5(Y hatch spacing)を選択する。 o.Enter Hatch Spacing (hy) value: promptが表示さ
れたら、スライス・スケール単位(例えば、200)で
Y hatch spacingをタイプし、ENTERを押す。 p.オプション6(60/120度hatch spacing )を
選択する。 q.Enter Hatch Spacing (60/120)value: pro
mpt が表示されたら、スライス・スケール単位(例え
ば、20)で60/120hatch spacing をタイプし、
ENTERを押す。 r.オプション7(X skin fill for near flat surfa
ce)を選択する。 s.Enter skin fill for near flat surface (hfx) Va
lue: prompt が表示されたら、X skin fill offset を
スライス・スケール単位(例えば、2)でタイプし、E
NTERを押す。 t.オプション8(Y skin fill for near flat surfa
ce)を選択する。X skin fillが使用される時は、Yは
使用してはならない。逆もまた同じである。 u.Enter skin fill for near flat surface (hfy) Va
lue ; prompt が表示されたら、Y skin fillをmil で
タイプし、ENTERを押す。 v.オプション9(minimum Surface Angle for scanne
d facets)を選択する。 w.Enter a Minimum Surface Angle promptが表示され
たら、垂直からの望みの角(例えば、60)を度でタイ
プし、ENTERを押す。 x.オプション10(Minimum Hatch Intersect Angle
)を選択する。 y.Enter a Minimum Intersect Angle Value: Prompt
が表示されたら、Intersect Angleを度で(例えば、2
0)タイプし、ENTERを押す。 z.オプション11(Segment Output file Name)を選
択する。 aa.Enter Segment File Name: prompt が表示された
ら、望みのoutput file name、次いで、sli(slice)(例
えば、test.sli)をタイプし、ENTERを押す。 ab.すべてのスライス・パラメータが選択されてしま
ってから、S(Save)を選択し、ENTERを押す。
(これはパラメータを将来の使用と参考のためにセーブ
する) ac.“Press(Enter) to Continue”promptが表示され
たら、ENTERを押す。次に、d(DoSlice )を選択
しENTERを押す。 ad.Slice Version to use(Default XY);promptが
表示されたら、ENTERを押す。(プログラムは挿入
されたスライス・パラメータを使用して、ファイルをス
ライスする。) ae.スライスが完了したら、DATA TRANSFER NEMUが表
示される。 af.Q(Quit)とENTERを押す(スライスされた
ファイルは、プロセス・コンピュータに転送される状態
になっている。)。
【0156】8.SLA−1の操作 8.1 始動手順 a.POWER ONスイッチをONにする。(上)POWER ON表示
灯の点灯を確認する。 b.OVEN LIGHTスイッチをONにする。(上)OVEN LIGHT
表示灯の点灯と反応室のオーバーヘッド灯の点灯を確認
する。SHUTTER OPENおよびLASER ON表示灯は操作中点灯
する。SHUTTER OPEN表示灯は、レーザーシャッターが開
いている時、点灯し、LASER ON表示灯は、レーザーが作
動している時、点灯する。 c.プロセス・コンピュータが始動した時、MAIN MENU
がモニタに表示される。“Power on sequence”を選択
し、ENTERを押す。 d.POWER SEQUENCEメニューが表示される。続いて、レ
ーザー、鏡および昇降機駆動機の電力を上げるためとレ
ーザー・シャッターを開けるために、ファンクション・
キー1、2および3を押す。 e.レーザーの出力が安定して物体を作り始めるまで少
なくとも15分は持つ。他の機能(ファイル準備、デー
タ転送など)はレーザーの起動中に行える。
【0157】8.2 スライス・コンピュータからプロ
セスコンピュータへのファイルの移し方 この手順は、スライスされた物体および支持ファイル
を、SLA−1内でスライス・コンピュータからプロセ
スコンピュータ(Wyse PC 286 )へ移す方法を説明す
る。 a.ENTERを押す。MAIN MANU が表示される。 b.オプション1(Data Transfer )を選択する。 c.(data transfer )promptが表示されたら、2(F
TP)(file transfer program )をタイプし、ENT
ERを押す。 d.(ftp )promptが表示されたら、OPENをタイプ
し、ENTERを押す。 e.(to)promptが表示され
たら、スライス・コンピュータのアドレスをタイプし、
ENTERを押す。 f.Remote user promptが表示されたら、貴方の登録簿
の名前をタイプして、ENTERを押す。 g.Password prompt が表示されたらあなたのpassword
をタイプして、ENTERを押す。 h.(ftp )promptが表示されたら、GETをタイプ
し、ENTERを押す。 i.(remote-file )promptが表示されたら、name of
disired fileと通常それに次いで、sli (例えば、tes
t.sli)をタイプして、ENTERを押す。 j.(local-fill test.sli in defanet)promptと表示
されたら、ENTERを押す。(名前を変えたいとする
のでなければ)、(FTPルーチンがファイルをプロセ
ス・コンピュータに転送する。それは転送が完了する時
にpromptする。 k.FTPから出るには、(ftp )promptが表示された
ら、BYEをタイプし、ENTERを押す。(スライス
されたファイルは、SLA−1プロセス・コンピュータ
に転送されている。) l.MAIN MENU は、転送が完了した後に表示される。
【0158】8.3 クリティカル・ボリュームの挿入
法 この手順は、クリティカル・ボリュームのセットアップ
の方法を示す。これらのクリティカル・ボリュームは、
強度を増加するために、クロスハッチベクトルの上のレ
ーザー光線の多重パスであるリベットを挿入するため、
あるいは、他の特別な処理のために使用することができ
る。(この手順は、CAD物体にクリティカル・ボリュ
ームがない場合は省略することができる。) a.CADコンピュータ上で、物体のCAD表示を呼び
出す。 b.長方形の固体の4つの底の角について、CAD空間
でのX、Y、Z座標を確認する。(クリティカル・ボリ
ューム) c.プロセス・コンピュータで、オプション5(編集装
置ファイル)を選択し、ENTERを押す。 d.新しいファイルをつくるオプションを選択する。−
Turbo Basic が表示される。 e.矢印キーを使用してWrite を選択し、ENTERを
押す。 f.New Name prompt が表示されたら、クリティカル・
ボリュームの名についで.box(例えば、tast .box )を
入力し、ENTERを押す。 g.矢印キーを使用してEditを選択し、ENTERを押
す。 h.C: Test Box enter:promptが表示されたら、下記を
挿入する。 <type>,<base>,<height>,<x1>,<y1
>,<x2>,<y2>,<x3>,<y3>,<x4
>,<y4>(必ず各項の間にコンマを入れること。適
切な構文が重要である。) ここで<type>は、囲まれた範囲内でのクロス・ハッチ
を固定するための“XV”、またはクロス・ハッチを無
視するための“XI”である。<base>はスライス・ス
ケールに相対するbox のbaseであり、<height>はbox
高さである。<x1、y1>はbox の第1座標である。
<x2、y2>は第2座標、<x3、y3>は第3座
標、<x4、y4>は第4座標である。 i.ESC(escape )キーを押す。 j.矢印キーを使用してFileを選択し、ENTERを押
す。 k.矢印キーを使用してSareを選択し、ENTERを押
す。 l.矢印キーを使用してQuitを選択し、ENTERを押
す(新しい<patr>.boxファイルがクリティカル・ボリ
ュームを確認するためにつくられている。)。
【0159】8.4 スライス・ファイルの組合せ方 この手順は、物体と支援のファイルをベクトルと層制御
ファイルに組合せる方法を示す。 a.ENTERを押す。−MAIN MENUが表示さ
れる。 b.オプション2(MERGE )を選択し、ENTERを押
す。 c.Slice File Name promptが表示されたら、組合され
るファイルの名前(名前の部分として、SLIが含まれ
る)をタイプし、ENTERを押す。(適合するなら
ば、必ずクリティカル・ボリュームを含めること) d.Output File Name prompt が表示されたら、出力フ
ァイルの望み名前をタイプして、ENTERを押す。
(“xxx ”endingは不用である) e.ENTERを押し、プロセス・コンピュータがファ
イル(一度に1スライス)を組み合わせるのを待つ(プ
ログラムは、組合せが完了するとプロンプトする。)。
【0160】8.5 物体を作るためのSLA−1の操
作方法 これらの手順は、反応容器の中で実際に物体をつくるた
めのプロセス・コンピュータの使用方法を示す。反応容
器の準備、組合せベクトルおよび制御ファイルの変更、
省略パラメータの準備、部品製作(スーパバイザ)プロ
グラムの活用が含まれている。
【0161】8.5.1 SLA−1物体の組立ルール SLA−1を物体をつくるように準備するために、操作
者は操作者のチェックリストを実行し、層制御(.L)
ファイル(SUPER .PRM)を編集し、省略パラ
メータを準備し、スーパバイザ・プログラムを次のよう
に作動させなければならない。すなわち第一に、第1支
持層の速度を通常の層を画く速度の3倍遅い速度に設定
する。このことは第1層を昇降機の台にしっかり付着さ
せることができるように充分硬化する。第二に、進行中
の部品に不必要な応力を与えないように浸す速度を遅く
する。第三に、こわれやすい層,台に近い支持の最低の
層,大面積の層の後,樹脂の大きな気泡部分のある範
囲,浅い浸漬深さの場合(薄い層厚さ)の場合は、さら
に長く浸す。第四に単一パスを使用し、先に作られた層
に0.006〜0.008インチ(0.15〜0.20
ミリ)の過硬化を与える作業曲線からの露出速度を選
ぶ。第五にパートログ(第17図の例)の中の重要なパ
ラメータとコメントを記録する。(ユーザーは特別の要
求に対して、顧客のパート・ログをつくることをすすめ
る。)プリンタがあれば、重要パラメータは永久記録用
にプリントする。
【0162】8.5.2 省略パラメータにファイルの
準備方法 この手順は、物体作成アクセスを制御するための省略パ
ラメータ(.PRM)を準備する方法を示す。 a.ENTERを押す。−MAIN MENUが表示さ
れる。 b.オプション5(編集システムファイル)を選択し、
ENTERを押す。 c.Load File Name Prompt が表示されたら、ファイル
名(SUPER.PEMのみ挿入)を入力し、ENTE
Rを押す。 d.矢印をEdit blockまで移動し、ENTERを押す。
値を省略パラメータ(SUPER.PRM)ファイルに
挿入することができる。(コードの定義は、ソフトウエ
ア・マニュアルを参照) e.編集ファイルをやめるには、 1.Esc キーを押す。 2.矢印キーを使用して、Fileを選択しENTERを押
す。 3.矢印キーを使用してSaveを選択し、ENTERを押
す。 4.Qキーを押す。−MAIN MENUが表示され
る。
【0163】8.5.5 物体をつくるスーパバイザの
動かし方 ここで準備作業は全部完了した。この手順は実際に部品
を作る方法を説明する。 a.プロセスコンピュータ
で、ENTERを押す。−MAIN MENUが表示さ
れる。 b.オプション4(スーパバイザ)を選択し、ENTE
Rを押す。 c.Part Prefix promptが表示されたら、部品ファイル
の名前をタイプして、ENTERを押す。これがレーザ
ーに第1層のトレースを開始させる。操作者用制御盤の
SHUTTER OPENおよびLASER ON表示
灯が点灯するのを確認する。 d.第1層の形を監視する。 1.物体が昇降機の台の中心にあるか? 2.第1層が台に固着するか? 3.そうでない場合は、運転を中止して、問題点を修正
する。
【0164】8.5.6 SLA−1物体の後処理 この手順は、容器から仕上った物体を取り出し、液をき
り、硬化および乾燥させて、支持を取り除く方法を示
す。 a.容器から上げて予備的に液をきる。 1.プロセス・コンピュータで、ENTERを押す。−
MAIN MENUが表示される。 2.ユーティリティ・メニューを選択し、ENTERを
押す。 3.Z−stage Mover を選択し、ENTERを押す。 4.非常にゆっくりと、矢印キー↑を利用して昇降機が
反応容器の上端から51inchのところまで上昇させる。
物体を急激に上げてはならない。さもないと、ゆがみが
生じる可能性がある。 5.余分の樹脂が部品からしたたり落ちるように約15
分待つ。 b.物体と台の取りはずし 1.吸収性の敷き物を専用の液ぬき皿に敷く。 2.液ぬき皿を昇降機の台の下にすべり込ませ、容器の
一方の側の棚上に置く。 3.キーボードの矢印キー↓を入れたり切ったりして、
昇降機の台を吸収性敷き物の上約1/4inchのところま
でおろす。 4.昇降機軸のノブの1個をCCW1回ひねる。これは
昇降機軸の内側のねじのついた棒を昇降機台の一方の側
のねじ穴からゆるめ、部分的に台をゆるめる。 5.
ステップ(d)を反対側の昇降機軸のノブについても行
う。 6.ステップ(d)および(e)を交互に行って、台が
軸からはなれて、1inch何分の1か落ちて吸収性敷き物
の上にのるようにする。 7.必要ならば、キーボードの矢印キー↑で昇降機軸を
上昇させる。 8.液ぬき皿、台および取り付けられている物体を容器
室から取り除く。できれば、硬化していない物体に横応
力を与えないように台は水平に保っておく。 c.オーブン液抜き 1.昇降機の台と物体をオーブンの中に入れる。 2.温度を80℃〜90℃に設定して、1時間待つ。 3.上向きおよび下向きの表面に付着している余分の液
状樹脂を綿棒で注意してふき取る。 d.後硬化 1.昇降機の台と部品を紫外線投光オーブンに入れる。 2.物体に紫外線を乾燥し粘りがなくなるまであてる。 3.目の細い鋸を使用し、物体を台に取り付けている底
部の支持を鋸で切ることによって、物体を昇降機の台か
らはずす。この手順の間、物体が応力や初期衝撃をうけ
ないように保護する。 4.次に進む前に「鋸くず」や支持のかけらをすべて掃
除する。 5.物体をさかさまにして、(またはこれができなけれ
ば、物体を横にして)ステップ1および2を繰り返す。 e.台の交換 1.物体をはずした後にまだ昇降機の台に付着している
乾燥した樹脂をかき落す。台のねじ穴に#10−32の
タップでねじを切る必要があるかもしれない。 2.
空の台を液抜き皿にのせる。 3.液抜き皿を棚上のSLA−1容器室に入れ、容器の
上にできるだけ中心におく。 4.キーボードの矢印キー↓を非常にゆっくりと入り切
りして昇降機軸のねじを切った棒が台に非常に接近する
まで下げる。軸のねじを破壊するので、軸が台または皿
の方へ行かないようにする。 5.皿と台を、台のねじ穴が、正確にねじ棒の下になる
よう調節する。 6.キーボードの矢印キー↓をゆっくりと入り切りし
て、ねじ棒が静かにねじ穴に接触するようにする。 7.昇降機軸のノブの1個をCEW?(前出)1回ねじ
る。これにより昇降機軸内のねじ棒は回転し、盤のねじ
穴とかみあう。 8.反対側の昇降機軸のノブについても、ステップ7を
繰返す。 9.台が液抜き皿からはなれ、昇降機軸の底にしっかり
と接触するまで、ステップ7と8を繰返す。 10.盤を軸に固定するために、昇降機軸のノブを備え
る。内部のねじ棒を折ってしまうので締め過ぎないこ
と。 11.キーボードの矢印キー↑を入り切りして昇降機を上
昇させる。 12.液抜き皿を取り除く。 f.支持の取りはずしと仕上げ 1.横切りペンチで支持を注意しながら切りはなす。 2.適当なやすりで荒い表面を注意しながら滑らかにす
る。 3.要求通りに表面を仕上げる。
【0165】8.5.7 停止手順 a.OVEN LIGHTスイッチをOFF(下)にす
る。OVEN LIGHT表示灯が消灯するのを確認す
る。 b.POWER ONスイッチをOFF(下)にする。
POWER ONおよびその他の表示灯が消灯するのを
確認する。 8.5.8 作業曲線の作り方と使い方 液状プラスチックが固化されうる程度は、次の3要因で
決定される。すなわち、(1)使用される樹脂の種類、
(2)レーザーの出力、(3)レーザーの焦点整合の程
度。操作者は、作業曲線を作ることによって、これら3
要因の変化を相殺するようにレーザーの作画速度を調節
することができる。したがって、新しい樹脂材料を使用
する毎に新しい作業曲線を準備しなければならない。そ
うしないと、パートログに示されているようにレーザー
出力にかなりの損失を生ずる。作業曲線は、ステップの
時間(レーザー作画速度)や省略パラメータと層制御フ
ァイルの中のステップの大きさを変更するのに使用され
る。 a.キーボードの矢印キー↓を入り切りして、昇降機の
台を樹脂面の1inch下まで下降させる。作業曲線を作る
のに使用されるバンジョー・パートは樹脂表面に自由に
浮んで準備される。 b.プロセス・コンピュータで、ENTERを押す。−
MAIN MENUが表示される。 c.ユーティリティー・メニューを選択して、ENTE
Rを押す。 d.Banjo を選択し、ENTERを押す。メニューにし
たがって使用される最大ステップ時間(SP)を入力す
る。SLA−1はbanjo を容器中に準備する。 e.banjo 部品が完成した後、乾燥し硬化させる。
(8.5.6項) f.顕微鏡を使用して各ストリングの水平幅を測定す
る。 g.banjo 部品を横に切って顕微鏡を使用して各ストリ
ングの厚さ(深さ)を測定する。 h.作業曲線上に(第18図の例)選ばれたステップ時
間(例えば、40、80、160、320および64
0)で高さと幅をプロットする。最低のステップ時間は
最も薄いbanjo stringをつくり、最高のステップ時間は
厚いbanjo stringをつくる。 i.他のbanjo は、作業曲線の範囲を拡げるために、異
なったステップ時間でつくることができる。 j.両方の作業曲線を形成するために5個以上の点を結
ぶ。 k.作業曲線は、各スライスに対して、ステップ時間と
ステップの大きさを選択するのに使用することができ
る。 l.選択したステップ時間とステップの大きさを省略パ
ラメータ・ファイルに挿入する。(8.5.2項) 以下に、ここで使用した用語について簡単に説明する。 「60/120アングル・ハッチ」標準のXおよびYハ
ッチングを捕捉するクロスハッチ型の1種。
【0166】「バンジョ(banjo)」部品の作成と測定
の時、作業曲線用にライン高さおよびライン幅のデータ
を与える部品 「BASES(支持)」実際の物体が作成されている時
に、構造支持を提供するCADによってできた構造。
(Websを参照) 「ビーム・プロファイル」レーザー光線エネルギの空間
的分布 「輪郭」部品のスライスされた層の壁を定義するベクト
ルのブロック。
【0167】「CAD(Computer aided desing.)」コ
ンピュータ援用設計 「DENTERING」自動的に部品を空間の中心に位
置させるスライス・ルーチン。これは、ただ1つのスラ
イス・ファイルで物体が定義される場合にだけ行われ
る。ソフトウエア・マニュアル参照。
【0168】「CLIFF」BASICプログラムで主
に使用されるソフトウエア・プログラム。データをST
EREOに転送することによりDOSシェルからの直接
の指令を使用して鏡を動かすのにも使用できる。
【0169】「クリティカル・エリア」組合せの前にテ
キスト・ファイル中で定義された座標をもつ物体内のエ
リア。このエリアはリベッティングなどの特別の属性を
もつことができる。ソフトウエア・マニュアル参照。
【0170】「クロスハッチ」壁に対する構造的完全さ
を与える一般的内部ベクトル・タイプ。使用されるパタ
ーンはスライスの間に決められる。ソフトウエア・マニ
ュアル参照。
【0171】「CURL」物体の不正確の原因になる物
体作成中に時々遭遇する影響。
【0172】「浸漬加速」昇降機の浸漬速度を決める物
体作成変数。必要であれば層毎に変更することができ
る。
【0173】「浸漬遅延」浸漬ルーチンの開始と次の層
計算(およびレーザーの動き)の間の遅延を決める部品
作成変数。層毎に変更することができる。
【0174】「浸漬深さ」浸漬中に昇降機が下方に移動
する距離を決める物体作成変数。
【0175】「浸漬速度」昇降機の最大速度を決める部
品作成変数。
【0176】「作画速度」レーザーの作画速度は、スー
パバイザの変数ステップ時間とステップの大きさによっ
て決められる。これは、レーザーの厚さ、樹脂の種類、
レーザーの出力によって変化する。使用される作画速度
は、作業曲線の使用によってきまるのが典型的である。
【0177】「動的鏡」検流計ベクトル走査鏡で、SL
A−1のソフトウエアで制御されている。レーザー光線
の動きはこれらの鏡の回転によってきまる。
【0178】「昇降機」垂直に動く装置で、昇降機の台
や部品がこれに取り付けられる。
【0179】「イーサネット」ファイル転送ソフトウエ
ア・システム。大容量ファイルの移動を容易にする。
【0180】「フットプリント(足跡)」昇降機の台に
直接付着している支持の底部。
【0181】「素地部品(グリーン部品)」最終的に後
硬化されていないレーザー硬化部品。
【0182】「ハッチ・スペース」スライス中に決まる
クロスハッチングの間隔 「HeCd」ヘリウム・カドミウム 「Lファイル」merge generated 制御ファイルで、すべ
ての層毎のベクトル・ブロック識別情報を含んでいる。
個々の層パラメータはLファイルの中で変更できる。
【0183】「LASER」レーザー制御装置のソフト
ウエア。液状の光重合体を重合させるのに必要な光エネ
ルギを与える装置でもある。
【0184】「層厚さ」layer to layerの浸漬距離であ
る。物体全体に対して1つの値であるか、または、物体
を通して何回も変更される。(可変の層厚さ参照) 「平坦化」樹脂が浸漬によって分布された後、平坦な表
面に落ちつく時間と温度によって決まるプロセス、平坦
化する時間は、浸漬遅延変数によって決まる。
【0185】「ライン高さ」レーザーで硬化したプラス
チック・ラインの垂直厚さ。作画速度とレーザー出力/
焦点距離によって変化する。
【0186】「ライン幅」レーザーで硬化したプラスチ
ック・ラインの幅。作画速度とレーザー出力/焦点距離
によって変化する。
【0187】「組合せ」物体用の個々のスライスされた
ファイルをとり、それらを組合せるソフトウエア・プロ
グラム。スーパバイザが物体を作るのに使用するLおよ
びVファイルをつくる。
【0188】「MIA」最小交差角で、スライス中に層
の境界に平行なハッチ・ベクトルを削除するのに使用さ
れる。ソフトウエア・マニュアル参照。
【0189】「モジュラス」全体のじん性を決める、材
料の物理的特性。
【0190】「モノマー」化学上の種類で、一般に小さ
い分子量をもち、重合体をつくるための成形ブロックと
して使用される。
【0191】「MSA」最小表面角でスライス中に使用
される。ソフトウエア・マニュアル参照。
【0192】「MSHA」鉱山安全および健康局 「NIOSH」国家職業安全および健康協会 「PHIGSフォーマット」三角形を使ってCAD表面
を定義するソフトウエア・プログラム。
【0193】「光重合開始剤」レーザー・エネルギを化
学エネルギに変換して、重合プロセスを開始させる薬
剤。
【0194】「光重合体」エネルギ源として光を使って
作られる重合体。
【0195】「後硬化」物体を硬化するのに使用される
プロセス。後硬化は、紫外線または熱によって行うこと
ができる。
【0196】「ポット寿命」1ポットの化学薬品の予想
有効寿命で、薬品の安全性その他の要因によって決ま
る。
【0197】「1次基」レーザー光線が重合開始剤に吸
収された時に形成される初期の基の種類。1次基が重合
プロセスを開始させる。
【0198】「ラジアル・クロスハッチ」クロスハッチ
の特殊なタイプで、一般に最上の全体強度と支持を与え
る。(クロスハッチ参照) 「ラジオメーター」レーザー出力の測定をする装置 「樹脂」液状光重合体 「RIVET」物体作成プロセスであって、ひずみに関
係した誤りが起こりがちの重要な場所に使用することが
できる。
【0199】「目盛係数」XY空間を大きくしたり、小
さくしたりするのに使用できるスーパバイザの変数。垂
直方向の寸法には影響しない。
【0200】「敏感性」ある個人が一定の薬品に繰返し
皮膚を接触させると生ずるエネルギー反応。
【0201】「皮膜(表面ぬり)」物体の水平(平坦)
または水平(平坦)に近い部分のコーティング。
【0202】「SLA」stereolichography Apparatus
立体造形装置 「スライス(SLICE)」CADで設計した三次元の
物体を、一連の二次元の層(薄片slices)に変換するソ
フトウエア。
【0203】「SMALLEY」CADで設計された応
力除去(緩和)された構造。
【0204】「ステップ時間」レーザー作画速度を決め
るのに役立つスーパバイザの変数。ステップ時間を増加
すれば、速度は遅くなる。(プラスチック・ラインの高
さと幅が大きくなる。) 「ステレオ(STEREO)」レーザー制御装置ソフト
ウエアのメモリ常駐部分。
【0205】「STLファイル(STL FILE)」
スライス用入力として使用されるPHIGSフォーマッ
トCADファイル。
【0206】「スーパバイザ(SUPERVISO
R)」物体作成中に鏡を動かしたり、Z−ステージを上
下に動かしたりするための変数やデータの経過を管理す
るソフトウエア。
【0207】「引張強さ」材料を引き伸ばすのに必要な
エネルギを規定する材料の特性 「TRAPPED VOLUME(気泡部分)」浸漬中
に樹脂が流れ落ちない物体の部分。
【0208】「ユーザー・インターフェース」スライス
・プログラムを制御し、実行するのに使用されるメニュ
ー・駆動ソフトウエア。
【0209】「.Vファイル」すべての層毎にベクトル
情報を含んでいるmerge genereted file. ソフトウエア
・マニュアル参照。
【0210】「可変層厚さ」強さまたは精度を改善する
ために、異なった浸漬深さや層厚さを使うことを可能に
するプロセス・トゥール(手段)。スライス内で制御さ
れる。
【0211】「ウエブ」CAD設計者によって設計され
た一種の支持構造で、必要に応じて強度を増したり、支
持を追加したりすることができる。
【0212】「作業曲線」バンジョートップで与えられ
たライン高さおよびライン幅のデータを線状に画いたも
の。レーザー出力とともに、作画速度情報を得るのに使
用される。
【0213】立体造形装置(SLA)について第二の実
施例を示す。
【0214】(第二の実施例)3Dシステムズ社の立体
造形装置(SLA)は、CAD/CAM/CAEシステ
ムで設計・記憶された三次元モデルを設計エンジニアが
容易に製作することができる新しいCAP(コンピュー
タ援用プロトタイピング)製品である。SLAは、設計
者のワークステーションと連係して、便利な、容易に設
置できる、真に統合されたCAD/CAM/CAE環境
を実現する。
【0215】第64図に、SLAを用いて製品を製造す
るために必要な手順の概要を示す。
【0216】SLAを用いて物体を製造するには、設計
者はまず本システムを利用してその部品のモデルを入力
する。
【0217】通常、この物体は、約 0.1インチ(約2.54
ミリ)の肉厚と、プラスチック製作材料へのCADモデ
ルの正確な転移を保証するための支持構造を必要とす
る。この支持構造は、CAD設計者または、近い将来に
はSLAユーザー自身によって付加することができる。
【0218】さらに、CADシステムに入力されるモデ
ルは、製作中に特に注意を要する表面や構造上の特徴を
有する場合がある。初めに、設計者は、手作業によりこ
れらの領域にフラグを立てるか、物体設計を修正するこ
とが求められる。ソフトウエアが進化するにつれて、こ
うした特殊なケースもその多くがしだいにSLAコント
ローラに組み込まれると思われる。潜在的な構造上の問
題は、モデルの表面の領域も強調される点であろう。現
在、これらの領域は、その後の処理用のSLAソフトウ
エアにそのまま渡される属性に割り当てられている。
【0219】モデルは、現在、CADシステムによって
使用される内部フォーマットから、小平面化された表現
に翻訳されなければならない。近い将来は、IGESワ
イヤフレーム表現に翻訳されるようになるだろう。しか
し、現在、3Dシステムズ社によってサポートされてい
るフォーマットは、小面化表現だけである。このデータ
構造は、PHIGS(Programmers Hierarchical Inter
-active Graphics Standard プログラマー階層会話形図
形処理規格)という図形処理規格にほぼ従っている。第
65a図〜第65b図は、この比較的冗長な規格のフォ
ーマットを示している。以下の項目は、現在の小面表現
の詳細を概略したものである。それ以上の詳細は間もな
く発表されよう。
【0220】各小面の法線には、固体の表面から出発し
なければならない単位法線が含まれる。例えば、 0.1イ
ンチ(2.54ミリ)の肉厚を持つ球の場合、(通常、製作
される)内面または壁を表す小面には、内側に向かう、
それに対応して、外面には外側に向かう法線がある。
【0221】さらに、三角形の頂点は、右回転の原則に
従って三角形の法線の方向を与えるように順序づけられ
る。法線がまず規定され、次に3頂点が、その後に小面
の属性が規定されることに注意すべきである。
【0222】内部的には、法線の i,j,k成分およびその
9つの頂点の座標は、それぞれ、8ビットの指数および
24ビットの仮数から成る、32ビット単精度浮動小数点数
によって表示される。これは、8有効数字以下の仮数を
持つ浮動小数点値となり、それにより、PHIGS規格
の使用可能な精度に上限を与える。
【0223】より厳密な表面仕上がりの要求のために、
小面の数が100,000 を超えることが考えられるので、小
面のデータの圧縮形式が行われる。この圧縮データファ
イルは、法線成分および頂点座標が、Intel 80287 数学
コープロセッサに互換可能な2進浮動小数点フォーマッ
トであることを要求する(第66図参照)。
【0224】このフォーマットは、法線を規定するため
に3つの32ビット値を、三角形の頂点を規定するために
合計9つの32ビット値を使用し、属性には、三角形小面
当たり合計50バイトで、16ビットの符号のない整数を使
用する。
【0225】属性に関する前記3について再び言えば、
設計者によって識別されたモデルの属性は、小面レベル
でSLAシステムにそのまま渡される点に注意しなけれ
ばならない。大形のモデルの場合、SLAソフトウエア
に対して数百の属性が完全に定義されることになる。
【0226】CADシステムからSLAへの小面データ
および関連属性の物理転送は、高速データリンクによっ
て行われる。構内転送は、エクセラン(Excellan)イー
サネットデータリンクによって行われる。このデータ
は、19.2K ボーのRS-232データリンクまたは、フロッピ
ディスクでも転送できるが、転送データ量が大量なの
で、高速データリンクのほうが望ましい。
【0227】この小面化データファイルは、この時SL
Aに常駐し、スライシングプログラムへの入力として使
用される。モデルのスライスすなわち層は、通常、モデ
ルの壁を強化するためのクロスハッチ、モデルの表面を
つける外皮、小面属性によって識別された問題領域を与
える特殊な種類の製作ベクトルを含む。
【0228】スライスされたモデルは、ここで、SLA
スーパバイザに転送される。このプログラムは、実際上
モデルの製作に責任を持つ。スライスデータをSLAの
レーザーに命令するミラーに送り、SLAエレベータを
制御することによって、スーパバイザはCADモデルを
1度に1層製作することができる。スーパバイザのその
他の機能としては、SLAレーザの特性を与え、レーザ
速度をプラスチックの感光性に適合させ、困難な属性の
フラグの立っている領域の製作を調整することがある。
【0229】CADプログラムは、以下に説明する特定
のフォーマットのファイルを生成できなければならな
い。通常、このファイルは、極めて大きな規模(数十万
バイト)のファイルであり、イーサネットなどの高速デ
ータリンクによってNEC 386 ベースの立体造形コンピュ
ータに転送される。RS-232およびフロッピディスクによ
る小規模ファイルの転送も可能ではあるが、勧められな
い。
【0230】SLICE入力フォーマットは、PHIG
S(プログラマー階層会話形図形処理規格)という図形
処理規格にほぼ従っており、いくつかの点で改善してあ
る。第1に、すべての数値データは2進形式に圧縮で
き、それにより記憶ファイルの大きさを大幅に低減し、
立体造形コンピュータへのデータ転送時間を短縮する。
第2に、特殊な部品製作属性のサポートによって、一定
の特徴を小面に“付属する”ことができ、そのパートメ
ーキングスーパバイザにそのまま高速で渡される。SL
ICEフォーマットは、頂点の情報の負または0の値は
サポートしない。
【0231】SLICEフォーマットに従うファイル
は、拡張子“.STL”を持つ、すなわち、ファイル名の後
に“.STL”を付けなければならない。
【0232】ファイルは、ASCIIまたは2進形式い
ずれかで記憶できる。ASCII形式の使用が勧められ
るが、現在、STLファイル作成ソフトウエアを開発し
ており、その後、2進形式のリリースに向けて転換する
予定である。
【0233】ASCII形式STLファイルの例は以下
の通りである。これは単純な四面体を定義するものであ
る。
【0234】 2進構造と異なるASCII形式STLファイルの重要
な構造は、数値データの型を識別するためのワードの使
用である。小面の法線および頂点の情報は、浮動少数点
とすることができ、43.332382912および1.304E+3のよう
な数が受入れ可能である。負の数および0は頂点の情報
については受け付けられない。数が科学技術的回転に関
するものである場合、指数にはEまたはeしかサポート
していない(指数にDは使用できない)。小面の法線は
単位ベクトルでなければならない。2つのデータフィー
ルドの間には1以上のスペースを置かなければならな
い。
【0235】1ワードは16ビット、2バイトであると仮
定している。2進形式STLファイルの精確なフォーマ
ットは以下の通りである。
【0236】 (ファイル上部) 80バイト−部品名、注釈などを含む一般情報 4バイト 2ワード−小面のレコード数、各小面レコードは1三角形を定義する。 第1の小面のレコード: 6ワード−法線ベクトル 2ワード−i座標 2ワード−j座標 2ワード−k座標 18ワード−三角形の頂点 2ワード−x1 2ワード−y1 }第1の頂点 2ワード−z1 2ワード−x2 2ワード−y2 }第2の頂点 2ワード−z2 2ワード−x3 2ワード−y3 }第3の頂点 2ワード−z3 1ワード−属性数 <特殊属性> このワードは0に設定しなければならない。 : : : STL二進フォーマットは、構造の点でASCII形式
に同様である。1つの小面のレコードの次に別のレコー
ドが続き、各小面レコードは単位法線、三角形の3頂点
そして選択的にいくつかの属性から成る。現在、まだ属
性をサポートしていないので、属性カウントワードはゼ
ロに設定しなければならない。
【0237】小面のレコード数および属性の各数につい
ての2進フォーマットは、単に符号のない整数である。
法線および三角形の頂点は、3バイトの仮数および1バ
イトの指数から成る、4バイトの8087実数フォーマット
である。
【0238】以下のファイルTEST 0017.STL のリストお
よび第67図を参照されたい。
【0239】立体造形装置について第三の実施例を示
す。
【0240】(第三の実施例) 1.立体造形プロセス この立体造形システムは第33図に示す如く、3基のハ
ードウエアーシステムについて、主要は9段階から成っ
ている。 CADシステム → SLA−1 → 後硬化装置 1.CAD設計 4.スライス 9.後工程 2.配向および支持 5.ネットワーク 3.CADインターフェース 6.マージ 7.準備 8.製作 CADシステム CAD設計(ステップ1)においては、部品は立体造形
に特定の指令なしで、CADシステム上に、固体もしく
は表面モデルとして設計される。
【0241】配向および支持(ステップ2)において
は、CADモデルは立体造形用に3Dスペース(CAD
システム内で)において配向される。ベースおよび支持
は部品の製造中、固定および支持されるよう設計され
る。
【0242】CADインターフェース(ステップ3)に
おいては、CADモデルは立体造形用にフォーマットさ
れているファイルを生成するためのインターフェースを
通して、加工される。これらの・STLファイルはこの
CAD設計におけるすべての表面の一般的表現である。 立体造形装置 スライス(ステップ4)においては、3次元物体を表現
する立体造形(・STL)ファイルがスライス・コンピ
ューター上で横に断面され、ユーザーが定めた厚さの層
を生成する。ネットワーク(ステップ5)においては、
スライスしたファイルはスライス・コンピューターか
ら、エターネットまたはフロッピーディスクを通して制
御コンピューターに送られる。マージ(ステップ6)に
おいては、SLA−1を運転するため、物体用にスライ
スしたファイル(即ち、支持体および物体自体用のすべ
てのファイル)を組み合わせ、再フォーマットする。
【0243】準備(ステップ7)においては、物体製造
上のパラメーターは、その物体の幾何図形的配置および
末端の使用方法に必要とするよう、ユーザーによって設
定される。
【0244】製作(ステップ8)においては、物体は、
焦点の合ったレーザー光線が光硬化性樹脂の表面を水平
に移動する時にひとつの層が形成され、その結果光があ
たっている箇所の液体が固化する。最初(最下位)の層
は、樹脂表面の丁度下にある水平の台に接着する。台は
エレベーターに取付けてあり、コンピューター制御で、
下降する。最初の層を描いた後、台は液体の中に少し浸
り、その結果、薄いフィルムは次に形成することになる
第二の層から離れる。液体表面を同じ高さにするための
一時停止の後、次の層を描く。樹脂には付着性があるの
で、第二の層は第一の層にしっかりと接着する。
【0245】このプロセスはすべての層が描かれて、三
次元物体を形成するまで繰返される。レーザー光線にさ
らされなかった樹脂が次の部品製作用にタンクの中に残
存する。原料のロスは僅かである。
【0246】後硬化装置 後プロセス(ステップ9)においては、物体は、過剰の
樹脂を分離するため液排出を行い、紫外線硬化によって
重合化プロセスを完了して、支持装置から分離する。サ
ンディング(磨き)、工作モデルへの組立て、および塗
装などのオプション仕上げも実施できる。
【0247】 2.立体造形システム(第34a図,第34b図参照) 立体造形装置 SLA−1の主たる構成要素は第35図に示す如く、制
御コンピューター,レーザーおよび光学システム,プロ
セス・チャンバー(製作室),制御パネル,スライス・
コンピューターから構成されている。
【0248】制御コンピューターは、MSDOS基準の
286コンピューター(単一のユーザーに対して単一の
タスク),モノクロームターミナル,40メガバイトハ
ードディスク,36〜38ネガバイト用に使用可能なデ
ィスクスペース,エサーネットインターフェースから構
成されている。ネットワークから製作まで、すべての立
体造形プロセスは制御コンピューターで作動する。プロ
グラムおよび運転のパラメーターは操作を容易にするた
め、メニューから選択される。
【0249】SLA−1のレーザーおよび光学システム
はプロセスチャンバー(製作室)の上に直接、設置され
ている。これらの構成要素がコンピューター制御のもと
に、液状樹脂の表面上にレーザー光線を発生、照射す
る。
【0250】ここで使用しているレーザーは、SLA−
1ヘリウム−カドミウム(HeCd)を使用する多様式
の紫外レーザーである。レーザー光パワーは可変で、名
目上、波長325ナノメーターにおいて15ミリワット
である。
【0251】第36図に示す如く、SLA−1の光学的
システムは、シャッター組立部品、90°角ビーム転換
鏡2個、ビームエキスパンダーから成り、更にX−Yダ
イナミックミラーが光学台の上に取付けられている。直
径2インチ(50.8ミリ)の精密な光学窓によって、レー
ザー光線が、製作室の環境から光学的要素を隔離してい
る間、その中に入る。
【0252】インターロック・スイッチが作動している
時、ソレノイド始動のシャッターが稼働してレーザー光
を閉鎖する。インターロック・スイッチはレーザー光お
よび光源系カバーの除去と製作室ドアーの開きを監視す
る。
【0253】90°角ビーム転換鏡は他の大部分の波長
を吸収すると同時に、特に波長325ナノメーターにお
いて高い反射能をもつよう塗装されている、第一ビーム
転換鏡はレーザー装置からのビームをビームエキスパン
ダーの導入開口部へ反射する。第二転換鏡は放出側ビー
ムエキスパンダー開口部からダイナミックミラーに、レ
ーザー光を反射する。
【0254】部分的に修正されないレーザー光は遠く
へ、僅かに発散する。立体造形においては、硬度に焦点
の合ったビームが要求される。この場合、ビームは高い
パワー密度を持ち、それによって、より大きい深さで、
またはより速い速度で樹脂を硬化するからである。ビー
ムエキスパンダーは発散レーザー・ビームを入射の直径
の4倍にまで拡大し、更に樹脂の表面上の小点にビーム
を集中させるよう、焦点を合わせる。
【0255】高速度ダイナミックミラーは、コンピュー
ター制御によってレーザー・ビームを屈折させ、樹脂表
面上にベクトルをトレースする。ダイナミックミラーは
ビーム転換鏡と同様、325ナノメーターのビームを高
度に反射すると共に他の大部分の波長のものを吸収す
る。
【0256】環境的にコントロールされた製作室はエレ
ベーター、台、樹脂タンクおよびビーム走行装置を保有
していて、ここで、立体造形の部品を製作する。
【0257】部屋は運転者の安全と運転のために統一さ
れた条件を確保するよう設計されている。空気は活性炭
で濾過され、循環している。天井の光は樹脂タンクおよ
び作業表面を照明する。入口ドアーのインターロックは
シャッターを始動させて、ドアーが開く時に、レーザー
を遮閉する。透明なアクリル樹脂製ドアーは運転者の安
全な観察のため、紫外線を遮断する。
【0258】エレベーターはコンピューターにより、部
品を上げ下げする。台は部品を製作している間、これを
支持している。
【0259】樹脂タンクは縦、横、高さとも9インチ
(228.6ミリ)で、部屋の中、エレベーターおよび
台と並べて誘導装置上に設置されている。オーバーフロ
ー・システムが、一定の液体樹脂のレベルを保持するよ
う、過剰の樹脂を分離用の容器に送る。
【0260】ビーム走行器2基が製作室に配置され、1
基が樹脂タンクのどちらか一方の側に取付けてある。ビ
ーム走行器は、コンピュータ制御により、レーザー・パ
ワーおよび強さを測定する。
【0261】SLA−1の制御パネルは動力用スイッ
チ,オーブンライトスイッチ,レーザー運転指示器,シ
ャッター指示器を保有している。
【0262】動力用スイッチは、レーザ装置の第一次動
力用、製作室および制御コンピューターの電源用スイッ
チである。
【0263】オーブンライトスイッチは、製作室の運転
および停止時の天井光用のスイッチである。
【0264】レーザ運転指示器は、レーザー照射を示
し、シャッター指示器は、レーザー照射時、シャッター
が開いていることを示す指示器である。
【0265】スライスコンピューターは、UNIX基準
の386コンピューター(マルチ・ユーザー、マルチ・
タスク),モノクローム・ターミナル,クロメガバイト
のハードディスク,___メガバイト用に使用可能なデ
ィスク・スペース,エサーネット・インターフェースか
ら構成されており・SLIファイル作成のため、横断面
・STLファイルに使用される。
【0266】ポストキュアー装置(PCA、第34b図
参照)はSLA−1を使用して物体を硬化、製作するの
に用いる、この装置は周囲が取り囲まれた、排気口付き
の部屋の中で物体を紫外線照射する。PCAは縦、横、
高さ何れも12インチ(304.8ミリ)まで測定する
ことができる。主な構成要素は第37図に示す如くであ
る。
【0267】リフレクター付の400ワットのメタルハ
ライド・ランプ3個は、最適な硬化条件に適するように
室内に設置されている。ランプは750時間の定格寿命
を保有している。回転盤は均一な硬化を行うため、物体
を毎分1回転させる。物体を積載したり、下ろしたりす
るために前部およびトップにあるドアが2個設置されて
おり、ドアがインターロックされるとUVラップが切
れ、開かれると回転する。また、安全に物体を監視でき
るようUV光を遮断する窓が設けられている。さらに2
40CFM(毎分の硬化フィート数)可能の冷却および
排気用ファンと、電源スイッチおよびタイマー付の制御
パネルが設置されている。
【0268】3.立体造形−開始より終了まで 3.1 CAD設計 表面:対象物は、取り囲まれた容積を明白に限定した境
界の表面として表現されなければならない。即ち、モデ
ルデータは対象物体の内部がいかなる固形材料であり、
且つあってはならないかを規定しなければならない。す
べての水平断面が物体の内部と外部を完全に分離する境
界カーブからなることが必要である。
【0269】CAD解像度:カーブした表面(例えば球
体、円筒)を持つ物体を形成している時、その曲面は多
数の多角形または切り子面に近付いていることすなわち
CAD解像度に留意しなければならない。表面がより多
く、よりきっちりとなれば仕上り部品はよりスムーズな
曲面になる。しかし、より多数の多角形または切り子面
はスライスする時間およびその結果として、ファイルの
量を増大させる。一般に許容し得る最低の解像度を使用
することが好ましい。
【0270】壁厚:ウェブの最小の推奨の壁厚は0.0
2インチ(0.51ミリ)である。壁厚を0.02イン
チ(0.51ミリ)より小さくするには特殊な環境下で
のみ達成できる。絶対的最小の壁厚はレーザー光線幅の
2倍である。
【0271】3.2 配向および支持 CAD物体は立体造形用として、正のX、Y、Zの3軸
空間内に完全に入らなければならない。また、物体とC
AD起点との距離および支持構造の高さを最小限度とな
るように配向するものとする。
【0272】物体は効果的なドレイニング(液の排出)
のため、台の上、少なくとも0.25インチ(6.35
ミリ)の位置に設置しなければならない。しかしなが
ら、支持体が高過ぎると、製作に長くかかり、また制作
中に物体の重量が増加するためゆがみが生ずる。従って
対象物の高さを最小限度にして、これによって製作すべ
き層の数を減らし、操作時間を減らす。また物体のドレ
イニングを最適にするよう、傾斜のある表面の数を最小
にする。
【0273】これらの表面は重なった層を形成するの
で、表面は各層の厚さが階段の高さである“段付きの階
段”の様相を呈する。なめらかさ、もしくは美感に重要
な表面は、垂直に配向するか、または上向きおよび水平
に配向することを確実にしなければならない。(垂直的
および上向きの水平的表面は下向きの表面よりなめらが
である)。
【0274】物体製作中の仕込み液量は最小限にする。
仕込み液が多すぎると、浸漬した後、液状樹脂を均一な
高さに設定、平等化するために、必要とする時間が長く
なり物体製作プロセスを遅らせる。
【0275】物体がレジン・タンク中で確実にフィット
するようにする。物体が大き過ぎる場合は、いくつかの
運転に分割して製作し、後処理中に再組立てを行う。
【0276】これらの各要因の重要性は部品の製作の目
的によって決定される。
【0277】立体造形の対象物体はエレベーターの台上
よりも、むしろ直接的に支持体の上で製作する。支持体
を使用する主な理由は次の通りである。すなわち、第一
に台から物体を分離しやすくするためである。これは物
体を後工程中で分離しやすくする。
【0278】台がたとえ、それたり、不適切に設置され
ても物体の第1層が均一の厚さになる。
【0279】第二に樹脂が台を通して早く排出すること
ができるようにするためである。このことは、物体が浸
漬した後、樹脂の表面がより早く平等化するため、物体
製作の必要な時間を短縮する。さらに、完成物体から過
剰な樹脂を早く排出させて、後工程の時間を短縮する。
【0280】支持体としては、以下が共通タイプとして
使用できる。
【0281】直線ウェブは、非常に薄い長方形、もしく
はひれ状で通常、0.002インチ(0.051ミリ)
より薄く、直線ウェブは単一の表面ではなく、容積によ
って限定されなければならない。
【0282】クロスウェブは、直角に交差する二つの直
線ウェブでつくる。十字ウェブ支持体は直線支持体より
も強い。
【0283】円形ウェブは、物体に張力に接着する中空
のチューブである。円形ウェブは直線および十字ウェブ
支持体より重い重量を支持する。しかし、この支持体は
より多くの三角形を必要とし、多くのメモリーを使用す
る。
【0284】三角形ウェブは、3本の直線ウェブで三角
形を形成している。これら支持体は頂点を交差する直線
ウェブと共同して使用できる。三角形ウェブは他のすべ
てのタイプの支持体よりも強力である。
【0285】以下に、CADモデルの配向と支持につい
て実施例を示す。
【0286】実施例1 第7b図および第7a図に示すように、中実の球体の底
部の近くでは層の輪郭ベクトルは後に続く各層毎に、直
径が急速に増加する円から成り、他のベクトルが描かれ
るまで、多くの層の境界線は液体表面上で自由に浮いて
いる。液体中の空気および対流の流れがそれらに漂流を
起こさせ、位置を変えさせる。球体の赤道部まで延びる
支持体を付加することによりこの問題を解消することが
できる。赤道より上の層の輪郭は、前に形成された層の
クロスハッチ上に直接形成され、これにより追加の支持
体を必要としないで、しっかりと固定される。
【0287】実施例2 第8a図〜第8b図に示すような、一端のみが固定され
たビームの第1層は、部品が浸漬している時に受ける液
体の静的抵抗のために、永久的に変形することがある。
更にその層は次の層が形成される時に上方にカールす
る。これら2つの問題は、支持体を追加することによっ
て解消する。
【0288】実施例3 ティーカップの取手の第1層(第9a図〜第9b図に示
す)は形成中、完全に本体から離れて付着しないため、
部品が浸漬している時は漂流してしまうであろう。そこ
で支持体はエレベータ台、もしくはティーカップ本体に
固定された面を提供し、その上に取手を製作することが
できるようにする。
【0289】製作用支持体で注意すべき点は、支持体は
完全に正のCADスペース中に包含されなければならな
いということである。また底部の支持体は約0.040
〜0.060インチ(1.02〜1.52ミリ)まで物
体の底部の層に重ね合せなければならない(典型的に2
〜3層)。さらに側面の支持体も、強力な支持構造を得
るため、物体に重ね合わせねばならない。
【0290】一般に支持体は単一のCADファイルの如
く、物体用ファイルと分離して、総合的に設計される。
支持体は立体造形用に設計され、配向された後、物体に
関連して位置決めされる。(物体および支持ファイルは
併合され、立体造形プロセスの中で後に単一のファイル
として描かれる。)CADシステム中に内在する支持体
のライブラリは、各物体に独特の支持体の設計の必要性
を減らすことができる。いかなるケースでも、次のガイ
ドラインに基づいて設計され、また物体に付属するもの
とする。
【0291】配置:支持体の配置は物体が製作できる強
固な基礎を提供するために必要とする位置に置くものと
する。支持体は上記実施例で説明したように他の表面を
固定し、強化するのに付加されなければならない。出来
得れば、美感または滑らかさを必要とする機能的理由の
ため、物体の表面上に支持体を置くことは避けるべきで
ある。物体を後硬化し、支持体を分離した後、物体の尾
根部は通常、物体の表面上に残る。(しかしながら、尾
根部はカットし、サンドリングもしくは研磨し、掃除す
ることができる)。支持体は、エレベータの台と同様
に、物体の強い断面に取り付けることができる。
【0292】配置間隔:典型的な支持体の配置間隔は
0.1〜0.8インチ(2.54〜20.32ミリ)離
れている。通常は、支持体を充分接近した間隔に配置す
れば、大きなたわみ、またはカールは発生しない。しか
し、より多くの支持体を描くことは物体の作成プロセス
を遅らせる。
【0293】配向:支持体の配向は第8b図に示す如
く、層のゆがみを防ぐために十字ウェブ支持体を使用す
る。もし、直線ウェブ支持体を物体用に互いに並列に配
置すると、第8a図の如く、物体の重みが、製作中、ウ
ェブを横に曲げてしまう。そして次の層が僅かに、前の
層に対してずれてしまう。
【0294】高さ:最適の液排出およびレベリングを確
実にするため、物体をエレベータ台の上方少なくとも
0.25インチ(6.35ミリ)の所に保持する。曲
げ、またはゆがみの防止と描く時間を最小限にするた
め、支持体は必要以上に高くしてはいけない。もし、高
い支持体が必要な場合は追加補強のため、十字、円形も
しくは三角形のウェブを使用するものとする。
【0295】幅:支持体は、エレベータ台に接触する部
分で、少なくともその幅が0.65インチ(16.51
ミリ)なければならない。さもないと、それらは台の排
出口を通して垂れ下がり、流出してしまう。しかし、走
査時間を最小にするため、支持体は必要最小限の幅に抑
えるようにしなければならない。斜め支持体の始めと終
りは第11図に示す如くバットレスのように設計され、
取外しが困難となるような物体のコーナにまで入る程に
は伸ばしてはならない。
【0296】厚さ:支持体は最小限度の厚さ(ウェブ支
持体は1ミル(0.0254ミリ)の厚さ)に設計する
ものとする。通常、レーザで描く線の太さは10〜20
ミル(0.25〜0.51ミリ)であるので、実際の支
持体はやや、CAD設計よりも厚くなる。支持体がCA
D容量なしで、単一の表面の如く設計されることは許さ
れない。
【0297】接着:物体が支持体にしっかりと接着する
ことを確実にするため、物体が垂直的に0.040〜
0.060インチ(1.02〜1.52ミリ)(典型的
に2〜3層)重ね合うよう支持体を設計する。
【0298】3.3 CADインターフェース 多くのCADおよび固体モデルシステムは三角形のセッ
トとして物体の表面を表現する。三角形は計算法にとっ
て最もシンプルな多角形である。十分に使えば、ほぼす
べての表面を近似することが可能である。
【0299】三角形を除いて、最も表現し易い幾何模様
は長方形である。最も難かしいのは曲線である。第40
図に示す如く、2個の三角形を後向きに合わせることに
よって長方形ができる。一方、カーブした表面は多数の
三角形を使うことによってのみ、近似することができ
る。SLA−1は非常に正確な円およびカーブした表面
を作るため、立体造形(立体リソグラフィ)ファイル
(・STL)当り、14,000個の三角形を作成する
ことができる。
【0300】第41図に示す如く、立体造形用に、CA
D三角形はフラット(水平)、近フラットおよび急勾配
(垂直的もしくは近垂直的)に分類される。単純化した
自動車の屋根はフラットな三角形で構成されている。前
部、側部および背部は急勾配の三角形である。
【0301】3.4 STLフォーマットファイル STLファイルはスライス入力用として、外方向に向い
た(固体から離れて)単位法線を持った三角形の切子面
から構成されることが必要である。このフォーマットは
各項点についてX、Y、Z座標を規定し、また各三角形
用の単位法線を規定する。SDTL生成用に使用される
インターフェースはCADベンダーによって供給され
る。STLファイルはASCII、または2進フォーマ
ットの何れかに入ることができる。バイナリーは配置お
よび実行上の検討に適している。ASCIIはインター
フェースのデバギングを容易にするので時々使用され
る。
【0302】3.5 SLICE 3次元立体リソグラフィ(.STL)ファイルをスライスし
て断面体にし、第43図に示すように、3次元物体を作
成するために、積み重ねられた層のX−Y平面上の断面
体からなるスライス(.SLI)ファイルを生成する。
【0303】スライス・コンピュータからUNIXに直
接ログオンするか、またはREMOTE USERを介
してコントロール・コンピュータからリモート・モード
でUNIXにログオンする。UNIXのプロンプト($)
のところで、SLICEを実行させる。
【0304】次のステップは、標準のオプションを変更
し、エキストラ・パラメータを必要に応じて入力する。
これらのオプションは、スライス動作を制御し、また後
の立体リソグラフィのプロセスにおける部品製作に強い
影響を及ぼす。これらのオプションは、同一のまたは類
似の部品のプログラム走行に使用されるように、ディス
ク上のオプション・ファイル(.UII)中にセーブするこ
とができる。
【0305】最後のステップは、Sliceオプション
に従って.STLファイルをスライスし、Slic
e(.SLI)ファイルを作成することである。
【0306】層境界線、クロスハッチおよび外皮(第4
3図を参照) 層境界線ベクトルは表面境界を定義する。クロスハッチ
・ベクトルは内部においてSLICEによって作成さ
れ、層境界線(壁)同士間において、液体領域を部分的
に固形化し強化する。クロスハッチの間隔および用いら
れるタイプは、SLICEの走行に先だって選択される
(第47図を参照)。水平線(頂部および底部)表面
は、外皮のタイプを形成する一連の緊密におかれた平行
なベクトルによってカバーされる。外皮間の層は一般的
には、更に強度を高めるためにクロスハッチされる。
(第47図を参照) Layer thickness は、SLICEのパラメータであり、
これによってユーザは層の厚さを選択したり変更するこ
とができ、これで部品の垂直方向の分解能を決める。Us
e thinner layersは、垂直方向(Z)軸の精度および分
解能を向上させるためのものである。垂直方向の寸法の
精度および分解能は、1つの層の厚さに制限される。傾
斜している(ほとんど平坦であるが)表面は、階段ステ
ップとして現れるより小さな水平表面および垂直表面に
近似される。選択された層の厚さによって、個々のステ
ップの高さが決まる。層輪郭線同士間の間隙が外皮充填
される。他の領域は、必要とあればクロスハッチしても
よい。平坦に近い領域において層の厚さを減少させる
と、個々のステップの高さが低くなるので、その結果、
表面がより滑らかになる。物体を強化し、また場合によ
っては部分を製作するに必要とされる時間を減少させる
ために、より厚い層を使用することが可能である。しか
し、レーザは、より厚い層を描くためには樹脂表面上を
より遅い速度でトレースしなければならないので、より
厚くより少ない層を描くことによって節約された時間
は、減少した走査速度(描く速度)によって部分的に相
殺される。
【0307】SLICEは、さまざまな2点ベクトルの
ためにベクトル・ブロックを作成する。ブロック識別子
は、以下に示すニーモニック規則に従う。
【0308】
【表4】
【0309】Slice resolutionは、CAD空間からの.S
TLファイルを、個々のCAD装置に含まれるスライス装
置の数を指定することによってSlice空間に変換す
る。
【0310】ここでSlice Resolutionとは1つのCAD
単位当りのスライス単位の数である。
【0311】スライス・メイン・メニュー(表は省略) 「Alter」は、標準のスライス・パラメータを変更す
る。
【0312】「Extra」は、Alter メニューにリストア
ップされていないエクストラ・パラメータを選択する。
これらのエクストラ・パラメータ部品製作のために、垂
直軸すなわち(デフォルト)Z軸に沿ったスライス部
分,−X X軸に沿ったスライス部分,−Y Y軸に沿
ったスライス部分を現行的に指定する。
【0313】「Save」は、スクリーン上に表示されたオ
プション、現行のオプション・ファイル中の、可変層肉
厚テーブルおよびエクストラ・パラメータをセーブす
る。
【0314】「DoSlice」は、現行のオプションを用い
てSLICEを走行させる。
【0315】「Quit」は、SLICEを止める。QUI
Tは、オプション・ファイルをセーブしない(SAVEを最
初に使用すること)。
【0316】Alter メニュー(表は省略) 「DATABASE File Name」は、スライスされる.STLファイ
ルを指定し、そのファイルがASCII構成であるか2
進法構成であるか指定する。ファイル名のみを入力す
る。.SLIの拡張が想定される。
【0317】「Resolution」は、CAD単位をより小さ
いスライス単位に分割し、実質的には3次元のグリッド
(格子)を作成する。従って、CADモデルがインチ単
位(1インチ=25.4ミリ)で設計されており、スラ
イス分解能が1000にセットされている場合には、部分の
1インチ(25.4ミリ)ずつが、1000のスライス単位
に分割され、その個々が0.001インチ(0.0254ミ
リ)の長さとなる。なお、以下の点に注意すべきであ
る。すなわち、第一に分解能の値を大きく取ると、三角
形の歪が少なくなり、クロスハッチがエラーする確率が
減少すること、第二に、単一の部分(全てが支持体ファ
イルまたは実体ファイル)から成る全てのファイルは、
同一の分解能でスライスしなければならないこと、第三
に、CADモデルの最大のX、YまたはZの座標によっ
て、スライス分解能の最大許容値は決定されること
((最大座標) * スライス分解能<65,535)、丸めた
数を使用すること(例:1000、2000、5000)である。
【0318】「Layer Thickness 」は、垂直方向のスラ
イス厚をCAD単位で定義する(層の肉厚は、後にCA
D単位とスライス単位の双方で表示されるが、CAD単
位で入力される。)。層の肉厚は、ファイル全体にわた
って(例えば、同一の層肉厚を割り当てられた全ての
層、または、異なった層肉厚を持ったさまざまな一群の
層)固定させてもよい。標準値は、0.002インチか
ら0.030インチ(0.051〜0.76ミリ)の範
囲にあり、Fineタイプで0.005インチ(0.13ミ
リ),Mediumタイプで0.010インチ(0.25ミ
リ),Coarseタイプで0.020インチ(0.51ミ
リ)である。例えば、0.01インチ(0.25ミリ)
の肉厚の層より成る、インチ単位(1インチ=25.4
ミリ)で設計された部品がほしい場合には、.01と入力
する。スライス単位での層の肉厚は、画面上SLICE
UNITSというヘッデイングの下に自動的に表示さ
れる。使用可能な層の最大数は16384(これは8.0
インチ(203.2ミリ)の部分上の0.0005インチ(0.013ミ
リ)の肉厚の層に対応する)である。
【0319】「Hatch Spacing 」は、オプション(4)、
オプション(5)、およびオプション(6)によって、X軸に
平行に又はY軸に平行にさらに又はX軸に対して60度お
よび120度にそれぞれ引かれた隣接するハッチ・ベクト
ル同士間の直角方向の間隔がCAD単位で指定される。
但し、以下の点に注意すべきである。すなわち、ハッチ
間隔の標準的な値は、0.05インチから0.10インチ(1.27
〜2.54ミリ)であること、ウエブ支持体に対してはゼロ
を用いること(ウエブ支持体は、背面形垂直表面として
設計されるので、クロスハッチは必要ない。ゼロを入力
すると、クロスハッチは生成されない。)、XとYのク
ロスハッチは通常は、矩形のグリッドを形成するために
一緒に使用されることである。なお、60/120のク
ロスハッチが最も頻繁に用いられるが、その理由はXと
Yのクロスハッチだけの場合より更に厳密な構造が製作
されるからである。
【0320】「Fill Spacing」は、オプション(7)およ
びオプション(8)によって、それぞれX軸またはY軸に
平行に引かれた外皮ベクトル同士間の垂直方向の間隔を
CAD単位で指定する。なお、以下の点に注意すべきで
ある。すなわち充填間隔の標準値は、0.001インチから
0.004インチ(0.025〜0.10ミリ)であること、XとYの
充填の双方を同時には決して用いないこと(さもないと
応力が生じ表面が変形する恐れがあること。)、支持体
に対しては、ゼロを用いることである。
【0321】「Output Filename」は、スライス出力フ
ァイルに割り当てられるファイル名(filename)であ
る。
【0322】「Quit」によって、Slice Main Menu に移
る。
【0323】手順(Lab 2 - Slice)スライスの開始前
に、まず.STLファイルをスライス・コンピュータに転送
し、UNIXにログオンする。 ステップ1)UNIXのプロンプトの所で、SLICE
を実行させ、次に実体ファイル名を入力する。 $slice ^ cam part ENTER <---- ステップ2)(表は省略) Slice Main Menu 上でAを押すと、標準オプションを変
更できる。 ステップ3)(表は省略) Alter Menu上では、次のオプションを更新または変更す
る。
【0324】
【表5】
【0325】Qを押して、Slice Main Menu に戻る。 ステップ4)Eを押して、エキストラ・パラメータをセ
ットし、-yを入力する。 ステップ5)Sを押して、オ
プション・ファイルをcam part.UIIとしてセーブする。 ステップ6)(表は省略) Slice Main Menu 上で、Dを押してcam partファイルを
スライスする。 ステップ7)(表は省略) SLICEが終了したら、ENTER<----を押してSli
ce Main Manuに戻る。 ステップ8)Alter Menu上で、次のオプションを更新す
る。
【0326】
【表6】
【0327】ハッチ、外皮充填およびMSA値(オプシ
ョン4からオプション9)をゼロにセットする。 ステップ10)Eを押して、エクストラ・パラメータを−
yにセットする。 ステップ11)Sを押して、オプション・ファイルをcam
base.UIIとしてセーブする。 ステップ12)Slice Main Menu 上で、Dを押してcam ba
seファイルをスライスする。 ステップ13)Slice Main Menu 上で、Qを押してSLI
CEを終了させる。これによって、UNIXプロンプト
に戻る。 Slice Main Menu(表は省略) 「Load」は、別のファイルをロードする。直前に画面上
にリストされていたオプションは自動的にはセーブされ
ない(SAVEコマンドを用いることが必要である)。
【0328】「Write」は、オプションを別の物体のオ
プション・ファイル中に書き込む。
【0329】「Copy」は、直前にセーブされた物体のオ
プション・ファイルを現行のオプション・ファイル中に
コピーする。COPYによって、以前の走行中に入力された
ものと類似の、再入力しなければならないオプションが
セーブされる。
【0330】Alter Menu Variable Layer Thickness
(可変層肉厚)(表は省略) Variable Layer Thicknessによって、ファイル中の層
(範囲)のセットを層の肉厚が個別に指定されるように
作成できる。より薄い層肉厚が傾斜表面の階段ステップ
の出現を最小にしたり、あるいは臨界垂直寸法および詳
細の精度を向上させる目的のために通常は用いられる。
より厚い層も、支持されていない領域を強化したりまた
はより強固で堅い層を制作するために、時たま用いられ
る。
【0331】Layer Thickness(表は省略) 「A」は、新しいZ Level を表に追加する。Z Level
は、指定された肉厚でスライス動作を開始する、垂直方
向の寸法を指定する。開始寸法および肉厚は双方ともC
AD単位で入力される。スライス動作はこの間隔で、別
のZ Level が定義されるまで継続する。最初の(最も低
い)Z Level は、スライスされる実体の底部でまたはそ
れより低いところから開始しなければならない。「D」
は、表からZ Level を削除する。「S」は、表をセーブ
し、Alter Menuに戻す。「Q」は、表をセーブすること
なく、Alter Menuに戻す。「H」は、このリストアップ
に類似したhelpメッセージをプリントアウトする。
【0332】MSA SLICEのパラメータMSA(走査されたファセット
の最小の表面の角度)は、三角形の分類が近似平坦から
急勾配に変化する角度を定義する。第44図に示すよう
に、近似平坦三角形の角度は、ゼロ度以上であるが、M
SA以下である。急勾配三角形の角度はMSAより大き
いが、90度以下である。但し、傾斜角度がMSA未満で
ある三角形は、近似平坦であると分類される。これらの
三角形の場合、SLICEは隣接する層上の層境界線同
士間の間隙を充填するために、近似平坦外皮を形成す
る。MSAがあまりに大きすぎると、SLICEが必要
以上の外皮ベクトルを生成し、走行時間およびファイル
容量を増大させる。MSAがあまりに小さいと、仕上げ
られた部分中に間隙が生じ、その結果、液体が物体の壁
から排水される。MSAの正確さは、用いられる層の肉
厚によって異なるが、次の値が好ましい。
【0333】
【表7】
【0334】なお、ウエブ支持体に対してはゼロを用い
る。
【0335】MIA MIAは、部分製作問題を引き起こしかねない特定のハ
ッチ・ベクトルを取り除くことができるオプションであ
る。
【0336】手順(Lab 3-Slice) 可変層肉厚 ステップ1)(表は省略) Alter Menu上で3を押して、LAYER THICKNESS を選択す
る。 ステップ2)Vを押して、可変肉厚を選択する。(表は
省略) ステップ3)必要に応じて、Z Level を追加したり削除
したりする。 Command? A ^ 1.00 ^.010 ENTER <----- Command? A ^ 2.60 ^.005 ENTER <----- 但し、最初のZ Level は、部分の底部または以下で開始
しなければならない。 ステップ4)Sを押して、Layer Thickness テーブルを
セーブする。(表は省略) ステップ5)Qを押して、Alter Menuに戻る。 ステップ6)他の標準オプションを、必要に応じてXハ
ッチ間隔を.050,MSAを55に変更する。 ステップ7)Eを押して、エキストラ・パラメータを−
yにセットする。 ステップ8)Sを押して、オプション・ファイルをspik
e p.UII としてセーブする。 ステップ9)Slice Main Menu 上でDを押して、spike
p ファイルをスライスする。 ステップ10)繰り返しパラメータをセットし、spike p
ファイルをスライスする。
【0337】3.6 コントロールコンピュータ 全ての立体リソグラフィプロセスのMERGEからBUILDに至
るステップは、コントロール・コンピュータ上で走行さ
れる。コントロール・コンピュータは、スライス・ファ
イルの送信およびマージから、部分を製作するためのエ
レベータおよびダイナミック・ミラーの制御に至る全て
の機能が包含している。
【0338】プログラムおよび動作パラメータは、個々
の動作ごとにメニューから選択される。トップダウン階
層はMain Menu から始まり、サブメニュー、データ入力
画面、更にステータス/情報画面にまで継続している。
キーボード上でオプション番号を押すことによってメニ
ューからオプションを選択するか、またはテン・キー上
でアップ・アローおよびダウン・アローを使用してポイ
ンタを位置決めするかして、次にENTER <---- を
押す。
【0339】SLA−1メニュー階層を、第45図およ
び次の図に図示する。メニューの1つ1つには、次に高
いメニューに戻るために、exitオプションまたはq
uitオプションが含まれている。Main Menu からのe
xitオプションによって、SLA−1のOSからMS
−DOSに移行する。
【0340】3.7 ユーティリティ ユーティリティのメニュー・オプションは、部品製作プ
ロセスの全般にわたって使用される。その機能にはSL
A−1ハードウエアのオン/オフ,レーザ・ビームの強
度および焦点の測定,部品製作の前後におけるエレベー
タ・プロットフォームの移動,バンジョートップから想
定された硬化深さおよび線幅のデータの入力,テキスト
・ファイルの編集,試験部品製作,ユーティリティ・メ
ニュー(表は省略)が含まれる。
【0341】電力シーケンサ(表は省略) コントロール・コンピュータのキーボードから直接に、
レーザ、ダイナミック・ミラーおよびエレベータ・ドラ
イバをオン/オフし、更にレーザ・シャッタを開閉す
る。ここのコンポーネントの現行のステータスは、画面
の底部にリストアップされる。
【0342】ビーム解析(表は省略) レーザ・ビームの強度および焦点を測定し、現場の技術
者がレーザを校正できるようにする。
【0343】Beam Powerは、レーザ・ビームを、プロセ
ス・チャンバ中に取り付けられている2つのビーム・プ
ロファイラに当て、次にレーザ・パワーの平均値を計算
する。現行のレーザ・パワーは、硬化深さを計算するた
めにPrepare MenuのオプションMATERIAL MANAGERを走行
させる時に必要とされる。
【0344】エレベータ移動(表は省略) Elevator Moverによって、コントロール・コンピュータ
のテン・キー上でアップ・アローおよびダウン・アロー
を使用して、エレベータ・プラットフォームを位置決め
することができる。エレベータの動作を停止させるに
は、スペース・バーを押す。
【0345】Dを選択すると、エレベータ・プラットフ
ォームが、指定されたインチ単位(1インチ=25.4
ミリ)の距離だけ移動される。正の値を指定すると、プ
ラットフォームは下方に移動し、負の値を指定すると上
方に移動する。
【0346】Tを指定すると、画面の底部に表示されて
いるパラメータ情報が、オン/オフにトグルされる。
【0347】手順(Lab 2 - Utilities) Power Sequencer ステップ1)(表は省略) Utility Menu上で、1を押して、POWER SEQUENCER を選
択する。 ステップ2)(表は省略) Power Sequencer Menu上で、適当な数字キーを押す。画
面の底部に表示されているステータスは、自動的に更新
される。 Beam Analysis ステップ1)(表は省略) Utility Menu上で2を押して、BEAM ANALYSIS を選択す
る。 ステップ2)Beam Analysis Menu上で1を押して、DISP
LAY PROFILE を選択し、または4を押して、BEAM POWER
を選択する。 Display Profile プロファイルを再度チェックして、次にENTER <---- を押して、Beam Analysis Menuに戻る。 Beam Power センサ#1は、平均読取り値8.08mW(フィルタリングな
し、7.99mW)、センサ#2は、平均読取り値7.73mW(フィ
ルタリングなし、7.65mW)で、1から3を押して、セン
サ# を選択し、終了するにはQを押す。電力の読取り値
が測定されたら、平均値を書き込み、次にQを押してBe
am Analysis Menuに戻る。 Elevator Mover ステップ1)(表は省略) ステップ2)(表は省略) テン・キー上でアップ・アローおよびダウン・アローを
押して、それぞれエレベータ・プラットフォームを上昇
させたり下降させたりし、更にスペース・バーを押して
エレベータの連動を停止させ、又はDを押して、エレベ
ータが移動する距離(インチ単位)を指定する(正の値
は、エレベータを下降させる)。「Edit a File」は、
テキスト・ファイルを編集する。「Make Test Parts」
は、バンジョートップを制作する。「Material Manage
r」(表は省略)「Load Material Data」は、材料(.MA
T)ファイルをリストアップし、ロードされるファイル
を促す。「View Material Data」は、材料データを画面
上に表示する。「Input New Material Data」は、バン
ジョートップから測定した材料データを入力する。これ
らのデータには、ステップの周期(SP)の値,個々のバ
ンジョートップ列の線高さ,個々のバンジョートップ列
からの最小および最大線幅測定値が含まれる。INPUT NE
W MATERIAL DATA は次のワーキング曲線を計算し、勾配
および曲線のY軸と交わる点を画面上に表示する(な
お、バンジョートップ、ワーキング曲線および関連の主
題の更なる説明については、5.3 を参照のこと。)。
【0348】手順(Lab 3 - Utilities) Material Manager ステップ1)(表は省略) Utility Menu上で4を押して、MATERIAL MANAGERを選択
する。 ステップ2)(表は省略) Material Manager Menu 上で、適切なオプション番号を
押す。 ステップ3)Load Material Data(表は省略) 材料(.MAT)のファイル名を入力する。 読み取られるデータ・ファイルの名前:test.mat ENTE
R <--- 材料を再度チェックし、次にENTER <---- を押す。 Input New Material Data(表は省略) Utility MenuオプションのMAKE TEST PARTS を走行させ
てバンジョートップを作成し、次にバンジョートップを
測定して、材料ファイル用のデータを生成する。 材料
データのファイル名を入力する。 .MATの接尾辞を含める。 材料データ・ファイルの名前:test.mat ENTER <---- BEAM POWERからの平均のレーザ・パワーの読取り値を入
力する。(表は省略) 材料試験レーザ・パワーの読取り値(mW)を入力する: ENTER <----(表は省略) バンジョートップから測定されたデータ対の番号を入力
する:How Many StepPeriod/Line Height Data Pairs?
3 Enter <---(表は省略) バンジョートップからの測定されたステップ周期(S
P)、線高さ(LH)ならびに最小および最大の線幅(WMI
N、WMAX)のデータを入力する。WMINおよびWMAXのデー
タが測定されなかった場合には、ゼロを入力する。
【0349】3.9 マージ MERGEは部品(支持体および物体ファイル)の全て
のSliceファイルを結合し、層(.L)、ベクト
ル(.V)および範囲(.R)のファイルを第48図に示す
ように生成する。「Layer (file.L) file」は、個々の
層中のベクトル・ブロックのタイプを定義する。「Vect
or (file.V)」は、個々の層を引くために、BUILD によ
って使用されたベクトル・データを含む。「Range (fil
e.R) File」は、BUILD のために範囲、ドロー・パラメ
ータおよびデイッピング・パラメータを指定する。これ
が、部品製作パラメータを追加するためにPrepare オプ
ションを用いて修正され得るファイルである。 Merge Information Screen(表は省略) MERGE情報画面は、ファイル情報を入力するのに使
用される。この画面は、MERGEが走行している時の
個々の層肉厚範囲の開始および終了のZ Level値,現在
マージされているZ Level,走行が完了したら、処理さ
れた範囲の総数および個々の範囲におけるマージされた
層の数の情報を表示する。
【0350】手順(Lab 2 - Merge) 開始する前にNetwork MenuオプションのFTP を走行させ
て、必要な全てのSliceファイルをコントロール・
コンピュータの作業ディレクトリに転送する。 ステップ1)(表は省略) Main Menu 上で、MERGE2を選択し、またはポイン
タを位置させて、ENTER <--- を押す。 ステップ2)マージされるファイルを入力する。 スライス・ファイル名:cam part=cam base ENTER <---- ステップ3)層、ベクトルおよび範囲のファイルのファ
イル名を入力するか、または ENTER <--- を押して、フ
ァイル名のデフォルトを選択する。 出力ファイル名の接頭辞 [CAM PART]:cam ENTER <---- ステップ4)プロンプトに対し、ENTER <---を押して、
肉厚のデフォルト値を選択する。 Layer thickness in mils [10]? ENTER <--- ステップ5)(表は省略) 画面を見て、MERGEがいつ完了するか判断する。
(レビジョン3.0 未満のスライス・ファイルは、Z方向
の間隔を促すことがある。) マージのオプション /Zは、1つのファイルの別のファイルに対する垂直位
置を調整する。このオプションは、物体を垂直方向に整
合させるのに用いる。調整されるファイルのあとに続い
てオフセット値をスライス単位で入力する。 Slice File Names: cam part ^cam base/Z100 /Xは、1つのファイルの別のファイルに対するX方向
の位置を調整する。/Yは、1つのファイルの別のファ
イルに対するY方向の位置を調整する。
【0351】3.11 PREPARE(準備) PREPAREメニューのオプションは、レーザ走査速
度、エレベータの浸漬時間などの物体製作パラメータを
指定するほか、レンジ(.R)ファイルを編集するために
使用する。
【0352】層の重なり、すなわち、層間の良好な結合
は、通常、各層に0.006 インチ(0.15ミリ)の過硬化を
与えることによって得られる(0.020 インチ(0.51ミ
リ)厚の層に用いる硬化深さは0.026 インチ(0.66ミ
リ)となる)。ディップディレイ、すなわち物体浸漬
後、樹脂液面が平静になるのに要する時間量は、物体の
形状その他の多くの要因に応じて異なる。
【0353】SS(ステップサイズ)−SLA−1は、
連続した動きでベクトルを描いているようにしか見えな
いが、実際には、ダイナミックミラーは、短い遅延を伴
う不連続のステップでビームを移動させている。ステッ
プサイズは、ミラービット単位での移動の大きさであ
る。
【0354】一般に、輪郭線およびクロスハッチベクト
ルのステップサイズは2(許容最小値)に設定される。
外皮充填ベクトルのステップサイズは、通常、16に設定
される。
【0355】SP(ステップピリオド)は、各レーザス
テップの後の遅延の長さである。SPが大きくなるにつ
れて、走査速度は遅くなり、従って硬化プラスチックの
深さが大きくなる。
【0356】ZW(ディップディレイ)は、浸漬後、樹
脂液面が平静になるためのレベリング時間を指定する。
一般に、ZWは、支持体の場合、30〜60秒に設定され
る。通常の部品製作については、45〜 120秒に設定す
る。
【0357】レンジ レンジは、CAD単位またはスライス単位で入力された
上方および下方寸法によって定義された1群の1以上の
水平スライス層である。1群の層について1つの物体製
作パラメータ値が指定される必要がある時は、レンジが
生成される。例えば、支持体層について30秒のディップ
ディレイが要求され、残りの全部の層について60秒が使
用される場合、2つのレンジが定義されなければならな
い。第1のレンジは30のZWを持つ物体の層を含み、第
2のレンジは60のZWによる全層を含む。レンジが多く
使用される別な例は、層の硬化深さが変化する場合であ
る。第1の少数の支持体層から成るレンジは、残りの層
について指定される硬化深さよりも大きな硬化深さによ
って作成される。PREPAREメニューのオプション
は、必要なレンジを生成するために使用する。
【0358】 PREPAREメニュー(画面の表示は省略) PARAMETERS MANAGERメニュー(画面の表示は省略) PARAMETERS MANAGERは、部品製作パラメータを追加また
は修正するために使用する。 1. Z-pitch(Zピッチ) このパラメータは、垂直寸法での物体の拡縮を制御す
る。 2. XY-Only Scale Factor(XY専用スケールファク
タ) XY専用スケールファクタは、スライス単位の距離を樹
脂液面上のレーザビームの移動量に変換する。
【0359】ダイナミックミラーの特徴は、レーザビー
ムが、ミラードライバに送信される3556ミラービットご
とについて(または1mmごとに 140ビット)、樹脂液面
上を1インチ(25.4ミリ)移動することである。35
56はスライス分解能に使用するには不便な数なので、換
算係数が使用される。
【0360】例えば、分解能1000でインチ単位(1イン
チ=25.4ミリ)で設計されたCADファイルをスラ
イスする場合、物体の各インチは、3556の代わりに、10
00スライス単位によって表現される。従って、V.ファイ
ルのすべてのベクトルは、ファクタ1000/3556=0.3556
では短すぎるので、これを修正せずに用いた場合、最終
部品は小さすぎてしまうことになる。BUILD は、V.ファ
イルのすべてのベクトル座標にXY専用スケールファク
タを掛ける。従って、このパラメータは、ベクトルをそ
れぞれの適切な長さにスケールし直すために3556/1000
=3.556 に設定しなければならない。一般に、以下の式
が適用される。
【0361】XY専用スケールファクタ=3556ミラービ
ット/インチ当たりスライス単位数 XY専用スケールファクタによって部品の大きさを作り
直すこともできることに留意する。例えば、上記の物体
の水平方向の寸法を10%大きくするには、以下のスケー
ルファクタを使用する。 3.556 * 1.10 = 3.912 水平方向の寸法を50%小さくするには、以下のスケール
ファクタを使用する。 3.556 * 0.50 = 1.778 3. Maximum Vector Count(最大ベクトルカウント) このパラメータは、部品製作のために転送開始前にダイ
ナミックミラーのバッファにロードされる最大ベクトル
数を指定する。 4/5. Minimum/Maximum Viewport Coordinates(最小/
最大ビューポート座標) BUILDビューポート座標は、BUILDステータス
画面に表示される樹脂タンクのウィンドウ表示の最小お
よび最大座標を(ミラービットで)指定する。座標限界
は、(0 , 0)から(65535 , 65535)である。
【0362】例えば、カムを製作中にそれを表示させて
見たい場合、以下のようにビューポート座標を使用す
る。(このカムは直径約1インチ(25.4ミリ)であ
る。) X−Yオフセットについて計算された値は物体の中心に
ついてのものなので、物体全体を表示させるにはオフセ
ットから十分なミラービットを引かなければならないこ
とに注意する。最大オフセットには物体幅の1/2以上
の同様の数を加算しなければならない。
【0363】9×9インチ(228.6×228.6ミリ)の作業
表面全体を表示させるには、以下を入力する。 6. Multiple Part Positioning (多物体位置決め) これらのパラメータは、エレベータプラットホームの物
体の位置決め、および、BUILDの同一の実行におい
て多数の部品を製作するために使用する。
【0364】物体を樹脂タンク中心に位置決めするのに
要する座標を計算するには、CAD空間での物体の中心
の座標,タンクの中心の座標(これはほぼ(32767, 327
67)である。必要に応じて、精確な座標が得られる。)
を知る必要がある。
【0365】例えば、部品のX、Y中心が(2.3インチ
(58.42ミリ)、4.1インチ(104.14ミリ))で、タンクの中
心が(32767、32767)の場合 Xオフセット =樹脂タンク中心−(CAD中心×3556) =32767−(2.3*3556) =24588 Yオフセット =樹脂タンク中心−(CAD中心×3556) =32767−(4.1*3556) =18187 多物体位置決め座標はまた、同一の実行において物体の
多数の複製を作る場合にも使用される。例えば、上述の
例で用いた部品の4個の複製を作りたい場合、その4の
物体それぞれの中心を表す4組の座標(X1/Y1、X2/Y
2、X3/Y3およびX4/Y4)を計算することになる。
【0366】この物体の4個の複製全部を、樹脂タンク
の中心付近に集めて、それぞれを、X、Y両寸法につい
て2インチ(50.8ミリ)ずつ分離させたい場合に
は、まず上述の例のようにタンクの中心座標を計算した
後、各物体間の希望の距離の1/2に等しいミラービッ
トを減算および加算する。 分離=2インチ/2=3556ビット X1=Xc+3556=24588+3556=28144 Y1=Yc+3556=18187+3556=21743 X2=Xc−3556=21032 Y2=Yc−3556=14631 X3=Xc+3556=28144 Y3=Yc−3556=14631 X4=Xc−3556=21032 Y4=Yc+3556=21743 7. Build Options Line(製作オプション行) これらのパラメータは、BUILDビューポートの配向
を定義する。
【0367】U. Update Build Parameters On Disk(デ
ィスク上製作パラメータ更新) このコマンドは、他のすべてのPARAMETERS MANAGER項目
を製作(.prm)ファイルのディスクにセーブする。
【0368】RANGE MANEGER メニュー(画面の表示は省
略) RANGE MANAGER は、レンジの追加または削除,ステップ
ピリオド(レーザ走査速度)の計算,ディップディレイ
を修正するためのファイル編集,レンジ(.R)ファイル
のセーブの目的に使用する。
【0369】RANGE MANAGER メニューには、レンジ(.
R)ファイル名,レンジが追加された場合に割り当てら
れるレンジ番号,CAD単位およびスライス単位での開
始および終了レンジ寸法(図示した画面では、スライス
分解能は5000、従ってCAD寸法は0.73インチ(18.54ミ
リ)(部品底部)および1.37インチ(34.8ミリ)(部品最
上部)で、スライス単位では3650および6850に相当す
る。),CAD単位およびスライス単位での層厚さ,各
レンジの層の総数,.Rファイルを修正およびセーブする
ためのコマンドが表示される。
【0370】RANGE MANAGER のコマンド 〔RANGE MANAGER メニューに表示されるコマンドは以下
の通りである。〕 A(add range) −レンジ追加 D(delete range) −レンジ削除 E(edit range) −レンジ編集 V(verify blocks) −ブロック確認 R(make a report) −レポート作成 C(calc SPs) −SP計算 X(exit) −出口 S(save changes on disk) −変更のディスクセー
ブ 「A」はレンジをテンポラリレンジファイルに追加す
る。ただし、R.ファイルは、Sコマンドを使用するまで
変更されない。開始レンジ層は、スライス単位またはC
AD単位いずれかで入力できる。ブレークポイントはそ
のレンジの第1層である。「D」は画面からレンジを削
除する。2レンジ以上残されている場合、そのレンジ
は、次の上位のレンジが存在すれば、それに結合される
(例えば、削除されたレンジ2のデータは、レンジ3に
結合され、レンジ3がなければレンジ1に結合され
る)。「E」は指定のレンジの各ベクトルブロックを
(編集するために)リストアップする。このコマンドは
主として、浸漬パラメータをレンジに追加するために使
用する。(画面の表示は省略) 「V」はテンポラリ.Rファイルで編集するために各レン
ジに含まれているベクトルブロックだけがリストアップ
されていることを、層(.L)ファイルによって確認する
ためのものである。ステップピリオド、ステップサイズ
その他の部品製作パラメータを制御するために編集され
るのは、これらのブロックである。このベクトルブロッ
クおよびレンジは、そのファイルがSコマンドによって
セーブされるまで、ディスクの.Rファイルには書き込ま
れない。「R」は各レンジのベクトルブロックを、画面
上に表示、または、オプションのプリンタポートを通じ
てハードコピーとして印刷させる。(画面の表示は省
略) 「X」はRANGE MANAGER を出て、PREPARE メインメニュ
ーに復帰する。.Rファイルはこのコマンドによってセー
ブされない。「S」はRANGE MANAGER によって入力され
た全情報を含め、.Rファイルをディスクに永久的にセー
ブする。「C」はステップピリオドを計算し、硬化深さ
/ステップピリオド情報をテンポラリレンジファイルに
入力する。CALC SP コマンドは以下の通りである。(画
面の表示は省略) R(read material data) −材料データ読取り S(save new range commands) −新レンジコマンドのセーブ P(change power rating) −パワー定格変更 E(edit cure depth/step) −硬化深さ/ステップピリオド編集 V(view material data) −材料データ表示 Q(quit program) −プログラム終了 X(exit) −出口 「R」は材料データ(.MAT)ファイルから線高さおよび
線幅データを読取る。作業ディレクトリの.MATファイル
が便利なように画面にリストアップされる。「P」は画
面に示されたレーザパワーの読みを、ユーティリティの
BEAM ANALYSIS によって測定された最新の読みに変更す
る。「E」は画面に示された硬化深さおよび見積りステ
ップピリオドを編集する。「V」は材料データ(.MAT)
ファイルから材料データを表示する。「Q」はCALC SP
機能を終了し、メインメニューに復帰する。PREPAREメ
ニューのオプションによって入力されたいずれの変更も
セーブはされない。「S」はレーザ走査パラメータSP
およびSSをテンポラリレンジファイルの適切なベクト
ルブロックに追加する。パラメータは、ファイルの全ブ
ロック、境界線ベクトルおよびクロスハッチベクトルブ
ロックだけ、または充填ベクトルブロックだけに追加す
ることができる。さらに、特定のマージセットだけを更
新するために選択できる(マージセットは、MERGE に入
力されたスライスファイルの一つだけからのベクトルブ
ロックから構成される。マージセットは、各ベクトルブ
ロックに付加された数( LB2など)によって識別され
る)。この更新コマンドは、.Rファイルを更新するもの
ではなく、テンポラリレンジファイルだけを更新する点
に注意する。.Rファイルをディスクにセーブするには、
RANGE MANAGER メニューのSコマンドを使用する。(画
面の表示は省略) X++CALC SP を出て、RANGE MANAGER メニューに復帰
する。
【0371】手順(実習 2−PREPARE) PARAMETERS MANAGER ステップ1)メインメニューで、4を押してPREPARE を
選択する。 ステップ2)プロンプトに対して、部品ファイル名プレ
フィクスを入力する。Part Prefix: cam ENTERキー
(画面の表示は省略) ステップ3)PREPARE メインメニューで、1を押してPA
RAMETERS MANAGERを選択する。 ステップ4)XY専用スケールファクタを0.7112(3556
/5000)に設定する。 ステップ5)Xオフセットを17000(32767−(4.5*355
6))に設定する。 ステップ6)Yオフセットを17000 に設定する。 ステップ7)(オプション)2個の部品を作成するため
に、(X1、Y1)を(15000、15000)に、(X2、Y2)を
(15000、25000)に設定する。 ステップ8)ビューポート座標を、Xmin、Ymin=5000、
5000に、Xmax、Ymax=35000、35000に設定する。 ステップ9)Uを押してファイルをディスクに更新す
る。 RANGE MANAGER 開始前に、ユーティリティのBEAM ANALYSIS を実行して
現在のレーザパワーを測定し、センサ1および2の読み
の平均を記録する。ステップ1)PREPARE メインメニュ
ーで、2を押してRANGE MANAGER を選択する。(画面の
表示は省略) レンジの追加 ステップ1)RANGE MANAGER メニューで、レンジを追加
するためにAを押す。(画面の表示は省略) ステップ2)スライス単位でレンジの寸法を追加するに
はZを、CAD単位で寸法を入力するにはCを押す。 レンジの追加 Z層を入力するためにZを押す。 ...Number: 2 ENTERキー ステップ3)スライス単位でレンジの開始を入力する。
Z層単位でブレークポイントを入力する。 :3750 ENTERキー ステップ4)レンジが正しく追加されたかを画面で確認
する。(画面の表示は省略) ステップ5)4950で始まる別のレンジを追加する。 ステップ6)6000で始まる第4のレンジを追加する。 レンジの削除 ステップ1)RANGE MANAGER メニューで、レンジを削除
するためにDを押す。(画面の表示は省略) ステップ2)削除するレンジ番号を入力する Delete what range: 3 ENTERキー ステップ3)そのレンジが削除されたかを画面で確認す
る(画面の表示は省略)。
【0372】レンジの確認 ステップ1)RANGE MANAGER メニューで、ブロックを確
認するためにVを押す。(画面の表示は省略) ステップ2)警告メッセージに対してyを入力する。 確認は....コマンド Continue? y ENTERキー 報告 ステップ1)RANGE MANAGER メニューで、報告のために
Rを押す。(画面の表示は省略) ステップ2)画面で報告を見るにはVを、プリンタで報
告を印刷するにはPキーを押す。プリンタオプションを
選択した場合、報告は画面に表示されない。 ステップ3)ENTER キーを押して継続する。(画面の表
示は省略) ステップピリオドの計算 ステップ1)RANGE MANAGER メニューで、ステップピリ
オドの計算のためにCを押す。(画面の表示は省略) ステップ2)CALC SP メニューで、レーザパワーの読み
を変更するためにPを押す。(画面の表示は省略) ステップ3)BEAM ANALYSIS にもとづいて平均レーザパ
ワーを入力する。 新しいレーザパワーの読み(mW):__ ENTERキー ステップ4)CALC SP メニューで、硬化深さ/ステップ
ピリオドデータを編集するためにEを押す。 ステップ5)レンジ番号および新しい硬化深さを続けて
cを入力して、プラットホームに(支持体の最初の2層
を含む)“加熱した”第1のレンジを付着させるのに必
要な硬化深さを入力する。 c1,35 ENTERキー ここで、注意すべき点は、選択する硬化深さは、層間の
適切な結合のために層厚さよりも6ミル(0.15ミ
リ)以上大きくなければならない。支持体の初めの数層
の硬化深さは、プラットホームへの強力な結合のために
さらに深くしなければならない。この場合、必要な硬化
深さは35ミル(0.89ミリ)である。 ステップ6)レンジ2および3の境界線およびクロスハ
ッチベクトル全部について16の硬化深さを入力する。 c2,16 ENTERキー c3,16 ENTERキー ステップ7)CALC SP メニューで、変更を確認する。
(画面の表示は省略) ステップ8)CALC SP メニューで、レンジをセーブする
ためにSキーを押す。 ステップ9)更新するベクトルブロック群を指定する
か、 ENTERキーを押して[ ]で示されたデフォールト群
を選択する。 Use which block group [1]? ENTERキー(画面の表
示は省略) ステップ10)更新するマージセットを指定するか、 ENT
ERキーを押して[ ] で示されたデフォールトを選択す
る。 Update which merge-sets [all]? ENTERキー ステップ11)Eキーを押してから26ミル(0.66ミリ)
(これは選択した20ミル(0.51ミリ)の層厚さよりも6ミ
ル(0.15ミリ)大きい)の硬化深さを入力して、外皮ベク
トルの硬化深さの編集を開始する。 c2,26 ENTERキー ステップ12)得られたステップピリオド(90)を2で割
り、Eキーを押してから、レンジ2および3の外皮充填
SPとしてその値を入力する。 S2, 45 ENTERキー S3, 45 ENTERキー ステップ13)ファイルをセーブするためにSを押す。 ステップ14)プロンプトに対して、外皮充填ブロック
(ブロック群2)の更新を指定する。 Use which block group [1]? 2 ENTERキー ステップ15)プロンプトに対して、全マージセットを更
新するために ENTERキーを押す。 Update which merge sets [all]? ENTERキー ステップ16)CALC SP メニューで、CALC SP 機能を出る
ためにXを押す。 ステップ17)RANGE MANAGER メニューで、ディップディ
レイを追加するようにレンジを編集するためにEを押
す。 ステップ18)プロンプトに対して、レンジ1を編集する
ために1を押す。 Edit what range? 1 ENTERキー ステップ19)プロンプトに対して、#BTMレコードに30秒
のディップディレイを追加する。 Enter commands for #BTM: ZW 30 ENTERキー ステップ20)30秒のディップディレイを追加するために
レンジ2を編集する。 ステップ21)120秒のディップディレイを追加するため
にレンジ3を編集する。 ステップ22)RANGE MANAGER
メニューで、この.Rファイルをディスクにセーブするた
めにSを押す(画面の表示は省略)。
【0373】LAYER MANAGER メニュー(画面の表示は省
略) LAYER MANAGER は、主として、.Lファイルの中で特定の
ベクトルファイルブロックを見つけるために使用する。
その他の編集および更新機能は将来の機能となる。 LA
YER MANAGER 画面には、ファイル名,.Rファイルの指定
レンジ数,スライス単位での開始および終了レンジ寸
法,スライス単位での層厚さ,レンジの層の総数,オペ
レーティングコマンドが表示される。 LAYER MANAGER のコマンド F−.Lファイルの特定のベクトルブロックを見つけ、そ
の層数をリストアップする。例えば、マージセット3が
Z空間で開始する位置を判定したい場合、ブロックを見
つけるためにFを押してから、プロンプトに対して、L
3およびALLと入力する。LAYER MANAGER は、ベクト
ルブロックL3を含む全部のスライス層を画面にリスト
アップする。これは、PREPARE メニューを出て、特定の
ベクトルブロックの位置を知るためにVIEWを実行する場
合に比べて、高速で便利な方法である。 STATISTICS(画面の表示は省略) STATISTICSは、層、レンジおよびベクトルファイルの情
報をリストアップする。情報にはバイトでのファイルサ
イズ,ファイルが作成された時間およびデータ,ディス
クの空きスペースが含まれる。
【0374】手順(実習 3−PREPARE) STATISTICS ステップ1)PREPARE メインメニューで、4を押してST
ATISTICSを選択する。 (画面の表示は省略) ステップ2)ENTER キーを押して継続する(画面の表示
は省略)。
【0375】3.12 BUILD(製作) BUILDは、ベクトル(.V)ファイルおよびレン
ジ(.R)ファイルを読取り、適切なコマンドおよびパラ
メータをダイナミックミラーおよびエレベータドライバ
に送信して、部品製作プロセスを監視する。BUILD
の機能には樹脂タンクの液面にベクトルをトレースする
ためにレーザビームを屈折させること,適切な硬化深さ
を保証するためにレーザパスの速度を制御すること,層
間の浸漬シーケンス(浸漬、引上げおよびレベリング)
を制御することが含まれる。 BUILDオプション画面(画面の表示は省略) この画面は、部品ファイル名の入力および部品製作情報
の表示のために使用する。画面に表示される各項目はOp
tions (PREPARE メニューオプションのPARAMETERS MAN
AGERを参照。),XY−Scale −XY専用スケールファ
クタ,#Part−製作する複製物体数,X、Y−多物体位
置決め座標,Part Directory Listing−作業ディレクト
リのファイル,Part Filename −製作する部品である。
【0376】BUILDステータス画面(第52図参
照) この画面は、物体製作中の現在のステータス情報を表示
する。画面の各項目は、製作中の物体の名前を示すPar
t,レンジコントロールを指定する(デフォールト)Con
trol,BUILDの現在の動作を示すAction,ディップディ
レイの残り秒数を表示するTime,BUILDの開始および終
了時間およびデータを表示するStart/EndTimes,物体
開始および終了層番号および、現在描かれている層を表
示するStart/On/End Layer,現在処理中のベクトルブ
ロックのニーモニックを示すBlock,樹脂タンクの平面
図および部品断面を示すViewport(樹脂液面上で描かれ
る通りにベクトルが画面上でトレースされる。)Action
に表示されるのは、Loading(レーザビームの位置決め
のためのデータがバッファにロード中である場合),Le
veling(BUILD が浸漬を行っているか、または、浸漬後
樹脂液面が安定するのを待機している場合),Drawing
(ベクトルが樹脂タンク液面上をトレース中である場
合),Analysing(BUILD がレーザミラーのずれを分析
補正中である場合)である。
【0377】手順(実習 2−BUILD) 開始前に、ELEVATOR MOVERを用いて、エレベータプラッ
トホームを樹脂液面のやや下に位置させ、プラットホー
ムサポートロッドによって排液された樹脂があふれ容器
に流入できるようにタンク前面にある樹脂放出弁を開
け、プラットホームの上面が樹脂液面のやや上に出るま
でエレベータを上げ、プロセスチャンバのドアを閉じ
る。LASER ONおよびSHETTER OPENインジケータがオンに
なっていることを確かめ、必要な場合、POWER SEQUENCE
R を用いてレーザをオンまたはシャッタを閉じる。 ステップ1)メインメニューで、BUILD を選択する。5
を押すか、または、ポインタをBUILDの位置に合わせENT
ERキーを押す。(画面表示は省略) ステップ2)表示されたファイルにもとづいて物体ファ
イル名を入力する。(画面表示は省略) Part Filename: cam ENTERキー ステップ3)(第53図参照) 定期的にステータス画面および物体をチェックして最初
の数層がエレベータプラットホームに接着しているこ
と,物体が樹脂タンクの中心にあること,異なる層厚さ
の値を持つ層が相互に接着していることを確認する。物
体製作上の何らかの問題があった場合は、スペースバー
を押してBUILDをアボートする。これによってメイ
ンメニューに復帰する。
【0378】キーボードコマンド BUILDは、レベリング動作中、以下の3つのキーボ
ードコマンドを受け付ける。「P」は他の任意のキーが
押されるまでBUILDを休止させる。レベリング時間
はゼロまでカウントダウンが続けられる。画面最下行の
コマンド行に休止メッセージが表示される。「C」は残
りのレベリング時間を無効にし、ただちに次の層を開始
して、物体製作プロセスを継続する。「S」は指定され
たZレベルまでスキップする。そのZレベル以上の第1
の層が描かれる。このコマンドは、下位から上位へのZ
レベル方向でのみ働く。
【0379】コマンド行のオプション 「/LOFF」はダイナミックミラードライバをオフにす
る。物体を製作せずにBUILDを実行するために/ZO
FFとともに使用する。「/ZOFF」はエレベータドライバ
をオフにする。物体を製作せずにBUILDを実行する
ために/LOFFとともに使用する。「/START 」は部品製
作の開始Zレベルを指定する。下位の全ての層はスキッ
プされる。物体製作プロセスの中間部で製作を開始する
ために使用する。例えば、Zレベル5000でサンプル物体
の製作を開始するには、以下のように入力する。 Part Filename: cam/start 5000 ENTERキー 「/STOP」は物体製作の終了Zレベルを指定する。上位
のすべての層はスキップされる。物体の断面を製作する
ために/START とともに使用する。例えば、Zレベル50
00〜5500のすべての層を製作するには、以下のように入
力する。 Part Filename: cam/start 5000/stop 5500 ENTERキ
ー 最後の層が描かれた後は、エレベータは浸漬されない。
/LOFFおよび/ZOFFコマンドは、通常、物体がビューポ
ート内に収まるかどうかを確認するために/START およ
び/STOPとともに使用される。例えば、以下のように入
力する。 Part Filename: cam/zoff/loff/start 5000/stop 5500
ENTERキー ミラーは層を描かず、エレベータも移動しない。物体が
ビューポートに適切に表示されれば、物体を製作するた
めにいずれのコマンド行オプションも付けずにBUIL
Dを再スタートする。適切に表示されない場合は、PARA
METERS MANAGERを用いてビューポート座標を編集する。
【0380】3.13 後処理 後処理には、未処理の立体造形物体の硬化および仕上げ
が含まれる。未処理物体は、使用樹脂および選択された
クロスハッチの形式を含む、いくつかのファクタに応じ
た精確な組成を持つ半硬質プラスチックと液体から構成
される。
【0381】主な後処理のステップは余剰樹脂の樹脂タ
ンクへの排液,コーナーその他の物体細部から樹脂を除
去するための吸い取り,物体の未硬化部分を固化させる
ための紫外線硬化,支持体の除去,選択的な仕上げ:サ
ンダー仕上げ、サンドブラスト仕上げ、塗装である。
【0382】物体から樹脂タンクに液状樹脂を排出して
戻す。排液時間は通常30分から24時間の範囲である。た
だし、空気への露出が長くなればなるほど物体構造を弱
くし、紫外線硬化の妨げになる可能性があることに注意
する必要がある。加熱炉はプロセスを促進させるが、物
体の寸法精度に悪影響を及ぼす場合もありる。
【0383】未処理物体を傾けたりその他の取扱いには
十分注意する。紫外線硬化の前は、層は容易に剥離や変
形を生じる可能性がある。コーナーや物体細部の周辺に
残された余剰樹脂を除去する。
【0384】硬質プラスチック物体を製作するために重
合プロセスを終了させる。完全な硬化を確保するために
表面粘着性を試験する。一般的な手順は、物体がプラッ
トホームに付着している間に、全露光表面を硬化させて
から、プラットホームから除去し、残りの全表面を硬化
させる。
【0385】空気中で行う硬化は最も一般的な硬化方法
である。構造健全性を維持するために、12時間以内の空
気暴露によって物体を硬化させる。空気硬化の短所は、
過熱によって物体が黄変または変形する可能性がある。
【0386】物体を水中に浸漬することによって硬化時
間を著しく短縮することができる。水は紫外線を吸収せ
ず、物体を冷却し、熱変形を最低限に抑えるための“放
熱器”として作用するからである。気泡は、ふくれを生
じる原因となるので、すべて除去する。短時間の急速な
硬化(5分程度)が良好に作用する。
【0387】剪断またはサンダー仕上げによって部品か
ら支持体を除去する。
【0388】手順(実習 2−後処理) 排液 ステップ1)メインメニューで、UTILITIES を選択す
る。6を押すか、または、ポインタをUTILITIESの位置
に合わせENTERキーを押す。(画面表示は省略) ステップ2)ユーティリティメニューで、3を押してEL
EVATOR MOVERを選択する。(画面表示は省略) ステップ3)数値キーボードの上向き矢印キーを用い
て、エレベータをゆっくり3インチ(76.2ミリ)上
昇させる。(部品の変形を防ぐためにゆっくり行う。) ステップ4)余剰樹脂が樹脂タンクに排出されるまで約
30分待つ。 チャンバからの物体およびプラットホームの取り出し ステップ1)ドレントレーにドレンパッドを敷く。 ステップ2)ドレントレーを樹脂タンクの上部(エレベ
ータプラットホームの下)に置く。プラットホームをエ
レベータロッドから取り外す際に、エレベータをドレン
トレーの中に動かさないようにする。エレベータを損傷
させる原因となるからである。 ステップ3)下向き矢印キーを操作して、エレベータプ
ラットホームがドレンパッドの上約1/4インチ(6.
35ミリ)に位置するまでエレベータを下げる。 ステ
ップ4)エレベータシャフトノブを交互に1回転ずつ左
回りにまわす。これによりシャフトのねじ端がプラット
ホームから外れる。プラットホームがシャフトから外れ
てドレンパッド上に落ちるまでこのステップを繰り返
す。 ステップ5)ドレントレーの乾燥したプラットホームの
取り外しのために必要に応じて、上向き矢印キーを操作
して、エレベータシャフトを上げる。 ステップ6)プロセスチャンバから、ドレントレーおよ
び部品の付いたエレベータプラットホームを取り出す。
部品の損傷を防ぐためにプラットホームの位置を保つ。
【0389】吸い取り ステップ1)ドレントレーおよび部品の付いたエレベー
タプラットホームを作業平面に置く。 ステップ2)綿棒を用いて、完全に排液されなかった
隅、細部その他の部分の余剰樹脂をていねいに除去す
る。必要に応じて、時間をかけ、繰り返す。
【0390】ポストキュア 以下のステップにおいては必ず手袋を着用する。 ステップ1)ドレントレーおよび物体の付いたエレベー
タプラットホームをPCA(ポストキュア装置)に入れ
る。このとき、ドレンパッドその他の易燃性材料をPC
A内に入れないようにする。 ステップ2)紫外線ランプに暴露される全表面が粘着性
を持たなくなるまで、部品をポストキュアする。硬化時
間は短くする(5〜10分)。 ステップ3)細目の歯ののこぎりで、プラットホームに
接続している付近の支持体を慎重に切る。 ステップ4)切断後、のこ屑や破片などを取り除くため
に物体を清掃する。残留物を正しく処分する。 ステップ5)必要な場合、未硬化表面をPCAの紫外線
ランプに暴露させるために物体を裏返す(または横に立
てる)。 ステップ6)全表面が粘着性を持たなくなるまで部品を
ポストキュアする。数回の個別の実行を要する場合もあ
る。
【0391】プラットホームの交換 ステップ1)プラットホームから樹脂残留物をこすり落
とす。プラットホームのねじ孔を#10-32タップでタップ
を立てる。 ステップ2)プラットホームのねじ孔がロッドのねじ端
と整列するように、プラットホームをエレベータロッド
の下に保持する。 ステップ3)シャフトノブを交互に1回転ずつ右回りに
まわす。プラットホームがエレベータシャフトに確実に
取り付けられるまでこのステップを繰り返す。
【0392】支持体の除去および仕上げ ステップ1)やすり、研削工具、耳取りカッタその他適
切な工具によって支持体を慎重に切り落とす。 ステップ2)やすりで表面を平滑にする。 ステップ3)必要に応じて、物体にサンダー仕上げ、サ
ンドブラスト仕上げ、塗装などを行う。
【0393】PCAの操作 ステップ1)プラットホームに結合されたままの部品
を、第54a図に示すように、炉の中央に置く。最大数
の表面の均一な(できる限り90°に近く)露光が得られ
るようにランプを向ける。 ステップ2)タイマを10〜20分に設定する。 ステップ3)タイマが終了した後、MAIN POWERスイッチ
をOFF にする。 ステップ4)炉から物体およびプラットホームを取り出
し、プラットホームから部品を外す。未硬化表面が変形
しないように注意する。 ステップ5)第54b図に示すように、残りの表面の大
部分が露光するようにターンテーブル上の物体の向きを
変える。 ステップ6)ステップ2および3を繰り返す。 ステップ7)第54c図に示すように、残りの全表面が
硬化する最良の位置に部品およびランプを向け直す。こ
れは数回の実行を要する場合もある。
【0394】3.14 部品製作チェックリスト 以下は、立体造形部品の製作のステップを踏んだチェッ
クリストである。開始は立体造形に関係なく行われるC
AD設計である。必要なすべてのハードウェアおよびソ
フトウェアが設置され運用可能であることを前提として
いる。 1. CAD設計 __物体が閉鎖体積を定義していることを確認する。 __必要なCAD分解能を選択する 2. 部品の配向 __部品は、できる限り原点に近く、完全に正のCAD
空間に位置決めする __以下の目的で配向を最適化する 部品が樹脂タンク内に適合する 無支持表面の数が最小になる 垂直面および上向き水平面が最大になる 傾斜表面が最小になる 排液が最適になる 閉じ込められる液体量が最小になる 3. 支持体の設計および配向 __支持体の設計 配置 間隔 配向 高さ 幅 厚さ __支持体の2〜3層を物体に重ねる 4. CADインタフェース __立体造形ファイルを作成する __.STLファイルをスライスコンピュータに転送する 5. スライス __標準オプションの変更 DATABASEファイル名 分解能 層厚さ クロスハッチベクトル間隔 外皮充填ベクトル間隔 走査小面の最小表面角度 クロスハッチ最小交差角 出力エクストラパラメータ __エクストラパラメータを指定する __オプションファイルをセーブする __ファイルをスライスするためにDoSlice を実行する __すべての物体および支持体ファイルをスライスする
ために繰り返す 6. スライスファイルの制御コンピュータへの転送 __メインメニューからNETWORK を選択する __FTPを実行する __GETまたはMGETファイル __転送を確認するために制御コンピュータの作業ディ
レクトリをチェックする 7. マージ __メインメニューからMERGE を選択する __入出力ファイル名を入力する __入力されたファイル名およびシーケンスを記録する __完全な実行を確認するためにMERGE 画面をチェック
する 8. レーザパワーの測定 __メインメニューからUTILITIES を選択する __BEAM ANALYSIS を実行する __両方のセンサの読みからの平均パワーを記録する 9. PARAMETERS MANAGER __XY専用スケールファクタを計算し入力する __最小/最大ビューポート座標を計算し入力する __多物体位置決め座標を計算し入力する 10. レンジファイルの作成 __レンジを追加する __ブロックを確認する __ステップピリオドを計算するために硬化深さを編集
する __浸漬パラメータを編集する __レンジファイルをセーブする 11. システムのチェック __樹脂タンクに樹脂を満たす __あふれ弁を開ける __レーザおよびシャッタの状態インジケータをチェッ
クする __ELEVATOR MOVERによりエレベータプラットホームを
位置決めする 12. 部品の製作 __メインメニューからBUILDを選択する __最初の数層のプラットホームへの付着およびタンク
内の適正位置をチェックする 13. 後処理 __物体を引き上げ、余剰樹脂をタンクに排出させる __残りの樹脂を吸い取りにより除去する __プラットホームで部品を紫外線硬化させる __硬化後、物体をプラットホームから外す __部品から支持体を取り除く __(オプション)再仕上げする __清掃およびプラットホームを再設置する 14. (オプション)立体造形およびスライスファイルの
表示 __.STLファイルを表示させる場合は、FTPによってフ
ァイルを転送する __メインメニューからVIEWを選択する __ファイル名を入力し、表示するパラメータを指定す
る。
【0395】4.物体製作上の問題とその対策 以下に、一般的な物体製作上の問題とその対策を要約し
て述べる。
【0396】
【表8】
【0397】
【表9】
【0398】
【表10】
【0399】5.立体造形の化学 立体造形は、液状樹脂モノマーが紫外線暴露によって固
体重合体に転化する光重合と呼ばれるプロセスによって
行われる。重合が生じる程度、すなわち材料の硬化度
は、吸収された全光エネルギーにもとづいて異なる。
【0400】液状樹脂の重合はまったく新しい技術では
なく、すでに20年以上にわたって紫外線インク、塗料、
ワニス、プリント回路などの用途で用いられている。し
かし、光エネルギー源としてのレーザの利用は、主とし
て基礎学術研究計画に端を発して使用されている近年の
革新技術である。
【0401】感光性重合体 立体造形で使用される感光性重合体は、2種の基礎材料
から構成されている。第1は、レーザエネルギーを吸収
し、重合プロセスを開始させる反応性ラジカル種を形成
する光重合開始剤である。光重合開始剤はまた、ラジカ
ル源への暴露によって重合するアクリル官能化モノマー
およびオリゴマーも含む。
【0402】重合体には熱に敏感な熱硬化性材料もあ
り、最終物体の熱硬化ができる。全体的に、紫外線硬化
性重合体は、レーザによる硬化後に加熱された場合、容
易に重合しないが、液状では、過熱された場合、管理で
きずに重合を生じる。
【0403】感光性重合体の前述の検討および、光重合
プロセスについての以下の検討は、立体造形をより十分
に理解するために必要な基本的な概要を与えているにす
ぎない。これらの両主題に関する詳細な情報は、以下の
参考文献に述べられている。(“UV Curing” , vols.
1 & 2, Editor, S. Peter Pappas, Science and Techno
logy Marketing Corp., Norwalk, Connecticut (198
0).) 光重合プロセス 光重合プロセスの一連の事象は以下の通りである。すな
わち、光重合開始剤の分子(PI)はレーザから紫外線を
吸収し、励起状態(一重項状態1P1*)に転化される。こ
の短期間・高エネルギー種は、第56図に示すように、
すぐに低エネルギー励起状態(三重項状態3P1*)に弛緩
する。
【0404】励起された3P1*分子は、使用する光重合開
始剤に応じた生成反応および数によって、一次ラジカル
(R・)と呼ばれる1以上(一般には1)の種の生成を触
媒する。
【0405】
【数1】
【0406】一次ラジカルはアクリル単量体(M)と反
応し、新しいラジカル種(RM・)を形成する。この反応
が何度も繰り返され重合体鎖を形成する連鎖生長反応
(重合)が開始される。
【0407】
【数2】
【0408】重合体は、固体として明白になるまで急速
に分子量を増加させる。光エネルギーが取り除かれた場
合は、反応はただちに停止する。反応は、利用できるモ
ノマーの濃度が減少するにつれて減速し、最終的に停止
する。紫外線レーザが感光性重合体の液面に当てられて
形成される固体重合体の全寸法は、レーザビームの強度
および露光期間によって制御される。露光を長くすれ
ば、または、レーザエネルギーを増大させれば、固体領
域の深さおよび幅は増大する。
【0409】液体および固体としてDesolite SLR 800の
物理的性質は、以下のように要約される。
【0410】液体での性質は、粘度(ブルックフィール
ド cps, 25℃時)は1350センチポアズ,固形分(反応性
物質)は99%超で揮発性は低い。
【0411】固体での性質は抽出物(MEK(メチルエチル
ケトン)溶剤による)は5%未満,引張り弾性率は140
kpsi,引張り強さは6.7 kpsi,破断点引張り伸びは〜7
%である。
【0412】SLR 800 樹脂を用いて作成したプラスチッ
ク物体は、紫外線ポストキュア後、やや脆い傾向があ
る。それでも、後硬化後の物体は、十分注意すれば、ペ
ーパー仕上げ、サンドブラスト仕上げおよびドリル加工
を行うことができる。
【0413】完成物体の表面は、ペーパー仕上げ後、希
釈樹脂(MEK(メチルエチルケトン)の1:1混合液)の
塗布および紫外線硬化を行うことにより、ガラス状の仕
上がりまで平滑にすることができる。物体の欠陥(割
れ、欠け、孔きずなど)は、通常、同様の樹脂/紫外線
硬化技術によって除去できる。完成物体は、アクリル樹
脂に代表される接着性を示しており、従って部品を結合
するためには標準のエポキシ系接着剤が使用できる。こ
れまでわかっている最善の接着剤の一つは、紫外線硬化
を行っての樹脂自体である。
【0414】第57図に示すように、比較的小さな温度
変化も、液状樹脂の粘度に大きな変化をもたらし、温度
が上昇するにつれて粘度は低下し、逆に温度が低下すれ
ば粘度は増大する。粘度が高くなり、従って粘度が低下
すれば、浸漬においてより早く安定し、後処理において
より早く排出され、薄い液体を生じる。
【0415】これは、高プロセス温度は製作中に物体の
構造保全性を低下させ、液状樹脂の管理不能な重合を生
じる可能性があることを除けば、好ましい選択項目と思
われる。
【0416】6.ビュレット、バンジョートップおよび
作業曲線ビュレット 感光性重合体の液面に当てられた紫外線レーザビーム
は、液体の小さな弾丸状体積を凝固硬化させる。この特
質は以下のように説明できる。大きな値が高強度を示す
第58図にみられるように、レーザビームの強度分布
は、ビームの中心を最大として、各点で異なる。液体
は、それぞれがレーザ光の一部(1/2など)を吸収
し、その残りを下位のシートに透過させ、極めて薄い平
面シートから構成されると考えられる。レーザビームが
垂直に1秒間液体を照射した場合、この間、X単位の光
が最上位のシートを照らし、X/2単位がそのシートに
よって吸収され、残りのX/2は2番目のシートの点に
まで透過され、X/4は3番目のシートの点にまで透過
される、というようになる。光が多く吸収されればそれ
だけ重合が生じるので、最上位のシートが最も堅くな
り、シートが周囲の液体と固さが変わらない程度までエ
ネルギーを吸収しなくなるまで、順次続いていく。固体
プラスチックが液体から引き出されると、この最後のシ
ートは、固体プラスチックに対するその接着力が下位の
液体に対する接着力を下回るようになるので、液面に残
される。
【0417】硬化プラスチックの深さは、Xの増減によ
って変化し、また、(強度分布によって示されたよう
に)ビーム最前部が均一ではないので、レーザビームの
幅によっても異なる。従って、ビームの中心は、最も高
強度の領域であるので最深部まで硬化し、周辺領域にな
るにつれて硬化する深さは小さくなる。(ポストキュア
後に)得られる最大の固体の深さは、硬化深さとして知
られる。ビュレット形状の発生には第2のファクタも役
割を果たす。固体プラスチックの屈折率は液体の屈折率
に比べてわずかに高いので、レーザ光は、液体が固体に
変化するにつれて変化しながら中心に向って屈折され
る。一定の角度で、光は界面からと同様に反射されるこ
ともある。この特性は、第59図に図示するように、ビ
ームの強度が唯一の検討事項である場合よりも、ビュレ
ットに狭い形状を与える傾向がある。
【0418】ビュレットは、立体造形の構成単位であ
り、連続するビュレットの重なりが線を形成し、線の重
なりが表面を形成する。前述のように、ビュレットの形
状は、大部分、ビームプロフィールおよび光学効果によ
って決定される。従って、その全寸法は、レーザエネル
ギーの液体への入射量(この量は露光量として知られ
る)によって決定される。露光量は、レーザ強度とステ
ップピリオド(線を形成する際にレーザの移動間の10マ
イクロ秒増分の数を指定する作業パラメータ)との積に
比例する。従って、ステップピリオドは、レーザが一定
の位置に焦点を合わせている時間および次の位置に移動
するために要する短い推移時間の尺度である。実際に
は、レーザ強度は調整されないので、露光量はステップ
ピリオド値の選択によって制御される。
【0419】SLA−1によって製造された実際のビュ
レットから得られた測定値は、ビュレットの寸法を変化
させることに加え、大きなステップピリオド値(5〜40
00の範囲が利用できる)もビュレットの形状に影響す
る。各種ステップピリオド値でのサンプルビュレットの
形状および相対寸法を第60図に示す。
【0420】第61図に示すように、ビュレットは重な
り合って線を形成する。ビュレットの形成間でレーザが
移動する距離が、ステップサイズとして知られるパラメ
ータである。ステップサイズがビュレットの最大直径
(ビュレットの最上部のさしわたしで測定)以下であれ
ば、ビュレットは重なり合い、連続線が形成される。選
択するステップサイズに応じて、描かれた線の経路に沿
った液体の多数の点が、1ステップピリオドよりも多く
の間露光を受ける。こうした点は、下図に示すように、
周囲の点よりも大きく硬化される。
【0421】線の厚さは、それを形成するビュレットの
累積硬化深さである。連続層での線が相互に接着結合す
るようにさせる場合、上位の線の厚さは、層間の分離
(スライス厚さ)よりも大きくしなければならず、それ
によって層は垂直に重なる。
【0422】最上部の層が形成されている間、その下の
層は液面に十分に近く、光を吸収し、より硬化するの
で、層間の結合が生じる。従って、下位の層と新しく形
成された最上部の層との間に化学結合が形成される。
【0423】強力な層間結合および、それに伴う十分な
重なりが、強力な部品を製作するために必要である。同
様に重要なことであるが、重なりが大きすぎると層がカ
ールする原因となる。通常、層厚さ5〜30ミル(0.13〜
0.76ミリ)の場合、6〜8ミル(0.15〜0.20ミリ)の重
なりで良好な結果が得られる。
【0424】適切な重なりを得るには、ステップピリオ
ドの値によってどのような硬化深さを生じるかを知る必
要がある。また、異なるステップピリオド値で作成され
る線の幅も知る必要がある。これは特に、薄肉の垂直壁
を製作する場合、または、傾斜(近平坦)表面が隙間を
避けるために外皮充填する必要が出てくる角度を判定し
ようとする場合に要する。作業曲線からこうした情報が
得られる。
【0425】定義された作業曲線 作業曲線は、線高さ(硬化深さ)および線幅をステップ
ピリオド値の関数として示すグラフである。第62図に
示すように、これらの関係は、線形関係ではなく、対数
関係となっている。すなわち、ステップピリオドに値X
を掛けると、得られる線高さまたは幅は、X倍の大きさ
にはならず、相当少なくなる。作業曲線は、ステップピ
リオドの対数を線高さまたは幅に対してプロットする
と、それらの点は直線に関して多少降下するようになる
ことを示している。従って、線は、線高さまたは幅をス
テップピリオド値に近似的に相関させる一次方程式を得
るために各点に一致させることができる。
【0426】いくつかの変項が作業曲線の傾きおよび交
点に影響する。レーザの紫外線に対する感度は、樹脂に
よって異なる。レーザのパワーもまた、SLA個々によ
って異なり、さらに同一のSLAでさえ日によって変化
する。最後に、レーザが液面に焦点を結ぶ度合い(すな
わち、光学装置が正しくアライメントが行われている
か、また、それらが清浄にされているかどうか)も作業
曲線に影響を与える。
【0427】作業曲線のデータの取得 使用する特定の樹脂およびレーザに関する、各種ステッ
プピリオド値での線高さおよび幅のデータは、バンジョ
ートップとして知られる小型単層部品を作成し測定する
ことによって得られる。バンジョートップは液面で作成
され、エレベータプラットホームには取り付けられな
い。第63図に示すように、バンジョートップは、異な
るステップピリオドおよび固定ステップサイズ2を用い
て形成された5本の糸(線)を持っている。
【0428】バンジョートップが排液され後硬化された
後、これらの糸の高さおよび幅を測定する。一般に、広
範なステップピリオドについて評価するために、一般的
な1ステップピリオドによって2つのバンジョートップ
を製作する。SLA−1は5〜4000のステップピリオド
が可能である。通常、1つのバンジョートップはステッ
プピリオド2560、1280、640、320および 160によって、
第2のバンジョートップはステップピリオド160、80、4
0、20 および10によって製作する。
【0429】バンジョートップの糸の測定 ユーティリティメニューのMAKE TEST PARTオプションを
用いてバンジョートップを形成する。バンジョートップ
の糸の高さおよび幅の測定は以下の通りである。
【0430】ステップ1)バンジョートップを上面を上
向きにして測定用顕微鏡または他の非接触測定装置のス
テージに置く。 ステップ2)測定する第1の糸をステージ移動軸に対し
て垂直に、また、糸の中心が視野の中心付近になるよう
に向ける。 ステップ3)糸の一端に沿ってクロスヘアが中心になる
ようにステージを動かす。位置決めねじのあそびの作用
を最小限に押さえるために測定値が1方向だけから得ら
れる位置にステージを常に動かすように注意する。 ステップ4)ステージ移動を測定するカウンタをゼロに
設定、またはステージ位置を記録する。 ステップ5)クロスヘアが糸の反対の端に中心を合わせ
るまでステージを移動させ、その値を記録する。 ステップ6)ステップ2〜5を繰り返して残りの糸の幅
を測定する。すべての線幅データをステップピリオド値
に対する表に編集する。 ステップ7)第1のバンジョートップの短端を固定し、
ステップ2〜5を繰り返して線高さを測定する。測定
後、次の糸を出すために各糸を切除する。 ステップ8)残りの各糸についてステップ7を繰り返
す。すべての線高さデータをステップピリオド値に対す
る表に編集する。バンジョートップから測定されたデー
タは、ユーティリティメニューのMATERIAL MANAGERを用
いて入力する。プログラムはその後、最小2乗法によっ
て直線をデータ点に合わせ、各直線の傾きおよびY切片
を計算する。作業曲線からの傾きおよびY切片によって
ステップピリオドに対する線高さおよび幅に関する式が
作成できる。これらの式は以下の通りである。 (1) 高さ=傾き log SP+Y切片、または、 SP=10(高さ−Y切片)/傾き (2) 幅=傾き log SP+Y切片、または、 SP=10(幅−Y切片)/傾き このような式がMATERIA MANAGER によってどのように使
用されるかの例として、20ミル(0.51ミリ)の層厚さに
ついての正しいステップピリオドを示す。層間の適切な
付着を保証するために、26ミル(0.66ミリ)の硬化深さ
が必要であることに留意する。高さの曲線の傾きを13.7
6、Y切片を−6.50とする。式(1)の第2形式を用いる
と、正しいステップピリオドは次のようになる。 SP=10[(26.00-6.50)/13.76] =102.36 =230 式(2)の第1形式を用いて、ステップピリオド230での線
幅を計算することもできる。幅の曲線の傾きを6.52、Y
切片を2.91とすれば、線幅は次のようになる。 幅=6.52 log 230+2.91 =6.52(2.36)+2.91 =18.3(ミル)(0.46ミリ) 線幅は、外皮が層境界線間の隙間を充填するのに要する
表面角度を知る必要があることから、平坦に近い表面を
設計する際に特に考慮を要する。
【0431】線幅が特に考慮を要する別の場合は、外皮
ベクトルについてステップピリオドを計算する場合であ
る。外皮ベクトルは、1〜4ミル(0.0254〜0.10ミリ)
の間隔で分離され、大幅に重なり合う。(例えば、2ミ
ル(0.051ミリ)の外皮充填間隔を用いた場合、幅8ミ
ル(0.20ミリ)の線の幅の範囲内で、4の重なり合う露
光が生じる。)従って、希望の外皮厚さを得るには、こ
の厚さの単一の線について使用するステップピリオド
は、ベクトル間隔を充填するために線幅の比によって低
減しなければならない。前記の例では、2ミル(0.051
ミリ)の間隔にういて8/2=4となる。
【0432】通常、作業曲線は、樹脂の種類によってレ
ーザおよび光学装置を特徴づけるために一度だけ作成す
ればよいものである。しかし、レーザパワーの変動のた
めに、部品を製作する前に現在のパワーを測定する必要
もある。レーザパワーを変更した場合、プリペアメニュ
ーのオプションであるRANGE MANAGER を使用して、 .R
レンジファイルのステップピリオド値を更新する。
【0433】以下に、ここで使用した用語について簡単
に説明する。
【0434】「60/120 Hatch vector(60/120°ハッチ
ベクトル)」X軸に対して60°および120°で描かれる
クロスハッチベクトル。
【0435】「BANJOTOP(バンジョートップ)」それぞ
れが異なるステップピリオド値で描かれる5列の線によ
る浮遊単層物体。作業曲線のための硬化深さおよび線幅
データを与える。
【0436】「BEAM ANALYSIS (ビーム分析)」レーザ
のパワーおよび強度を測定するためにプロセスチャンバ
に設置されたビームプロファイラにレーザビームの焦点
を合わせるユーティリティメニューのオプションの1
つ。
【0437】「BEAM EXPANDER(ビームエキスパン
ダ)」レーザビームを拡大し、ビームが樹脂液面上に小
さな高エネルギースポットに収束するように焦点を合わ
せる、光学プレートに取り付けられたレンズ集合体。
【0438】「BEAM PROFILE(ビームプロフィール)」
レーザビームエネルギーの空間分布を表すドットまたは
数のパターン。レーザを調整または交換すべきかどう
か、または、光学装置を清掃すべきかどうかを判定する
ために使用される。
【0439】「BEAM PROFILER(ビームプロファイ
ラ)」レーザのパワーおよび強度を測定する装置(放射
計)。2基のビームプロファイラがプロセスチャンバの
樹脂タンクの片側に設置されている。
【0440】「BEAM-TURNING MIRRORS(ビーム反射
鏡)」光学プレートに設置され、325nm 紫外光を反射
し、他の全波長を透過させるように特殊コートされた
鏡。レーザ出口からのレーザビームをビームエキスパン
ダの入口開口に反射させ、その後ビームエキスパンダの
出口開口からダイナミックミラーに反射させる。
【0441】「BUILD (製作)」立体造形物体の製作を
監視し、ダイナミックミラーおよびエレベータを制御す
るメインメニューのオプションの1つ。
【0442】「BULLET(ビュレット)」光硬化性樹脂の
液面での静止したレーザビームによって製作される固体
プラスチックの特徴的な形状 「CAD」コンピュータ援用設計[Computer-Aided Desi
gn]。
【0443】「CAD RESOLUTION(CAD 分解能)」CAD
システム内での表面の内部近似。
【0444】「CIRCULAR WEB SUPPORT(円筒ウェブ支持
体)」大型・重量物体を支持できる中空管構造。
【0445】「CONTROL COMPUTER(制御コンピュー
タ)」SLA−1キャビネット内に設置された、立体造
形物体の製作を制御するためのコンピュータ。
【0446】「CROSS WEB SUPPORT(直交ウェブ支持
体)」直角で交差する2のストレートウェブ支持体。
【0447】「CROSSHATCH(クロスハッチ)」スライシ
ングにおいて生成される、物体表面を強化するための層
境界線間に描かれるベクトル。
【0448】「CURE DEPTH(硬化深さ)」樹脂の硬化し
た線の厚さまたは深さ。いずれの線の硬化深さも、その
線の走査に使用されたステップピリオドおよびステップ
サイズの値によって決まる。
【0449】「CURL(カール)」特徴的な種類の変形
(層のカール)。
【0450】「DIP DELAY(ディップディレイ)」次の
層を描くために浸漬の開始と第1の層の移動との間の時
間を定義する物体製作パラメータ。樹脂液面が平らにな
るようにさせるための遅延。
【0451】「DRAWING SPEED(描く速度)」固体プラ
スチックの線および表面を形成するために樹脂液面上を
レーザがトレースする速度、すなわち走査速度。指定の
層厚さおよびレーザのパワーに応じて異なる。
【0452】「DYNAMIC MIRRORS(ダイナミックミラ
ー)」レーザビームを樹脂液面の任意の点に向けるため
の検流計制御走査鏡。
【0453】「EDIT A FILE (ファイル編集)」テキス
トファイルを修正するために用いるユーティリティメニ
ューのオプションの1つ。
【0454】「ELEVATOR(エレベータ)」プラットホー
ムおよび部品を垂直(Z)軸方向に上下させる構成機
器。
【0455】「ELEVATOR MOVER(エレベータ移動)」制
御コンピュータの数値キーパッドの上向き矢印キー
(↑)および下向き矢印キー(↓)によってエレベータ
プラットホームを位置決めするために用いるユーティリ
ティメニューのオプションの1つ。
【0456】「ELEVATOR PLATFORM(エレベータプラッ
トホーム)」SLA−1によって製作される物体をエレ
ベータに取り付け支持するための穴あきのアルミニウム
製の台。
【0457】「ENTRAPPED VOLUME(閉じこめられた樹脂
量)」浸漬中に液状樹脂が排出できない物体の容積。
【0458】「ETHERNET(イーサネット[Ethernet])」
ディジタル・イクイップメント社、インテル社およびゼ
ロックス社によって共同開発された高速コンピュータ間
通信システム。スライスコンピュータと制御コンピュー
タとの間のファイル転送に用いられる。
【0459】「EXPOSURE(露光量)」レーザの強度とス
テップピリオドとの積。
【0460】「FILL(充填)」立体造形部品の水平面
(外皮)を構成する平行ベクトルを重なり合わせるこ
と。
【0461】「FLAT TRIANGLE(平坦三角形)」水平な
立体造形(.STL)ファイルの三角形。
【0462】「FTP(ファイル転送プログラム[File Tran
sfer Program])」スライスコンピュータと制御コンピ
ュータ間でファイルを転送するためのネットワークメニ
ューのオプションの1つ。
【0463】「GREEN PART(未処理物体)」紫外線ポス
トキュア前の立体造形物体。
【0464】「HATCH SPACING(ハッチスペーシン
グ)」クロスハッチ間の垂直間隔をCAD単位で指定する
ためのSLICEパラメータ。
【0465】「LASER(レーザ)」光硬化性樹脂を重合
させるために必要な光エネルギーを発生する装置。SL
A−1のヘリウム−カドミウムレーザは、波長325nm
時、15mWの公称パワーを持つ。
【0466】「LAYER FILE(層(.L)ファイル)」部品
の各層のベクトルブロックの形式を定義するMERGEの出
力ファイルの1つ。
【0467】「LAYER BORDER (LB) VECTOR(層境界線
(LB)ベクトル)」層の周囲を定義するベクトル。必要
な場合、層境界線の間にクロスハッチベクトルおよび充
填ベクトルが描かれる。
【0468】「LAYER MANAGER (レーヤー管理)」特定
のレンジまたは層(.L)ファイル全体の中でベクトルブ
ロックを見つけるために用いるプリペアメニューのオプ
ションの1つ。
【0469】「LAYER THICKNESS(層厚さ)」プラスチ
ックの硬化した1層の厚さおよび、固定または可変層厚
さを指定するために用いるSLICE パラメータ。1層また
は1群の層について変化させたり、部品全体について1
つの値に設定することができる。
【0470】「LEVELING(レベリング)」部品浸漬後、
樹脂液面が安定し平らになる過程。レベリングを考慮し
た時間は、部品製作パラメータZW(ディップディレイ)
によって定義される。
【0471】「LINE(線)」ビュレットを重なり合わせ
ることにより生じる硬化プラスチックの直線。
【0472】「LINE HEIGHT(線高さ)」レーザによっ
て硬化した樹脂の線の深さ。露光量に応じて変えられ、
ステップピリオドの選択によって制御される。
【0473】「LINE WIDTH(線幅)」レーザによって硬
化した樹脂の線の横幅。露光量に応じて変えられる。
【0474】「MATERIAL (.MAT) FILE(材料(.MAT)フ
ァイル)」バンジョートップから測定された硬化深さお
よび線幅を内容とするファイル。
【0475】「MAKE TEST PARTS(試験部品製作)」バ
ンジョートップを作成するために用いるユーティリティ
メニューのオプションの1つ。
【0476】「MATERIAL MANAGER(材料管理)」バンジ
ョートップにもとづいて新しい材料のデータを入力する
ために用いるユーティリティメニューのオプションの1
つ。
【0477】「MERGE」層(.L)、レンジ(.R)および
ベクトル(.V)ファイルを作成するために物体および支
持体のすべてのスライス(.SLI)ファイルを統合する、
メインメニューのオプションの1つ。
【0478】「MIA (MINIMUM HATCH INTERSECT ANGL
E)MIA (最小ハッチ交差角[Minimum Hatch Intersect
Angle])」クロスハッチと層境界線ベクトルとの間で考
慮される最小角度を定義するSLICEパラメータ。
【0479】「MONOMER(モノマー)」重合体の構成単
位である低分子量化学種。
【0480】「MSA (MINIMUM SURFACE ANGLE)MSA
(最小表面角[Minimum Surface Angle])」三角形が急
傾斜よりも平坦に近いと分類される水平面からの角度を
定義するSLICEパラメータ。近平坦三角形は外皮充填で
きるが、急傾斜三角形はできない。
【0481】「MSDS」材料安全データシート[Material
Safety Data Sheet] 「MS-DOS [MicroSoft Disk Operating System] 」制御
コンピュータで用いられるオペレーティングシステム。
【0482】「MULTIPLE PART POSITIONING COORDINATE
S(多部品位置決め座標)」同じBUILD の実行で、プラ
ットホームの物体を位置決めし、および/または、多数
の物体を製作するために用いるBUILD パラメータ。
【0483】「NEAR-FLAT TRIANGLE(近平坦三角形)」
ゼロより大きく、MSA 以下の角度での立体造形(.STL)
ファイルの三角形。
【0484】「OPTICAL WINDOW(光学窓)」光学プレー
トをチャンバ環境から絶縁しながら、レーザ光がプロセ
スチャンバに入るようにするための、ダイナミックミラ
ー直下にある水晶窓。
【0485】「OPTICS PLATE(光学プレート)」精密な
アライメントでレーザおよび光学構成機器を支えるため
の、プロセスチャンバ上にあるアルミニウム製プレー
ト。
【0486】「PARAMETERS MANAGER(パラメータ管
理)」部品製作パラメータを追加するために.Rファイル
の編集に用いるプリペアメニューのオプションの1つ。
【0487】「PCA」 ポストキュア装置[Post Curing Apparatus]。
【0488】「PCA PHOTOINITIATOR(光重合開始剤)」
光エネルギーを化学エネルギーに変換し、光重合(固
化)プロセスを開始させる、感光性重合体中の化学物
質。
【0489】「PHOTOPOLYMER(感光性重合体)」光エネ
ルギーに暴露された時に重合する、光重合開始剤、モノ
マーおよびオリゴマーから成る化学物質。
【0490】「PHOTOPOLYMERIZATION(光重合)」光エ
ネルギーがモノマーまたはオリゴマー物質を重合体に転
換させるプロセス。
【0491】「POST CURING APPARATUS(ポストキュア
装置)」未処理の立体造形物体を硬化させるために使用
する紫外線装置。
【0492】「POST PROCESS(後処理)」立体造形部品
を硬化させ仕上げるためのプロセス。
【0493】「POWER SEQUENCER (電源シーケンス)」
SLA−1のハードウェアを制御コンピュータのキーボ
ードから直接電源の入切を行うために用いる、ユーティ
リティメニューのオプションの1つ。
【0494】「PREPARE(準備)」部品製作パラメータ
を指定し、レンジ(.R)ファイルを編集するために用い
る、メインメニューのオプションの1つ。
【0495】「PROCESS CHANBER(プロセスチャン
バ)」樹脂タンク、エレベータおよびビームプロファイ
ラが設置されている室。
【0496】「RANGE(レンジ)」CAD単位またはSLICE
単位いずれかで、上部および下部寸法によって定義され
た1以上の水平スライス層の集合。物体製作パラメータ
値が変更された場合は、新しいレンジを生成しなければ
ならない。
【0497】「RANGE (.R) FILE(レンジ(.R)ファイ
ル)」レンジによって部品製作パラメータを指定するた
めに用いるMERGE の出力ファイル。
【0498】「RANGE MANAGER(レンジ管理)」レンジ
の追加または削除、ステップピリオドの計算、ディップ
ディレイを修正するためにレンジの編集、レンジ(.R)
ファイルの更新に用いる、プリペアメニューのオプショ
ンの1つ。
【0499】「REMOTE USER(リモートユーザ)」制御
コンピュータのキーボードからスライスコンピュータを
リモートで操作するために用いる、ネットワークメニュ
ーのオプションの1つ。
【0500】「RESIN(樹脂)」立体造形で使用する感
光性重合体化学物質の別称。
【0501】「RESIN VAT(樹脂タンク)」その中で物
体が形成される樹脂の容器。
【0502】「SENSITIZATION(過敏)」一般に反復す
る皮膚接触によって生じる光硬化性樹脂に対するアレル
ギー反応。
【0503】「SHUTTERS(シャッタ)」連動スイッチが
作動した時にレーザビームをしゃ断する電磁式羽板。
【0504】「SKIN(SKIN FILL)(外皮(外皮充
填))」水平表面を充填または作成するために描かれる
薄い重なり合う線。
【0505】「SLA」 立体造形装置[Stereo Lithography Apparatus]。
【0506】「SLICE(スライス)」立体造形(.STL)
ファイルを断面に分け、ベクトルデータを生成するため
の、スライスコンピュータで走行するプログラム。
【0507】「SLICE FILE(スライス(.STL)ファイ
ル)」部品の製作に使用されるベクトルデータを内容と
するSLICE の出力ファイル。
【0508】「SLICE COMPUTER(スライスコンピュー
タ)」SLICE の実行に用いられるコンピュータ。UNIXの
もとで作動し、イーサネットを介して制御コンピュータ
と結合されている。
【0509】「SLICE RESULUTION(SLICE 分解能)」測
定の各CAD単位に割り当てられるSLICE単位数を指定する
SLICEパラメータ。
【0510】「STEEP TRIANGLE(急傾斜三角形)」垂直
または垂直に近い立体造形(.STL)ファイルの三角形。
【0511】「STEP PERIOD(ステップピリオド)」各
レーザステップの後の遅延の長さを定義する部品製作パ
ラメータ。
【0512】「STEP SIZE(ステップサイズ)」硬化プ
ラスチックのビュレットの形成間にレーザが作る、ステ
ップの大きさをミラービットで定義する物体製作パラメ
ータ。
【0513】「STEREOLITHOGRAPHY(立体造形)」光硬
化性樹脂の連続層を固化させることによりプラスチック
物体を形成する三次元の造形方法。
【0514】「STEREOLITHO GRAPHY (.STL) FILE(立体
造形(.STL)ファイル)」SLICEに入力される多面状のC
ADファイル。
【0515】「VIEW(ビュー)」制御コンピュータ画面
上で立体造形(.STL)およびスライス(.SLI)ファイル
を表示するために用いるメインメニューのオプションの
1つ。
【0516】「VIEWPORT COORDINATES(ビューポート座
標)」BUILD ステータス画面でビューポートの寸法をミ
ラービットで定義する最小および最大座標。
【0517】「WEB(ウェブ)」作成および除去の容易
さのために立体造形での使用が推奨される支持体形式。
【0518】「WORKING CURVE(作業曲線)」特定の樹
脂による物体製作パラメータを定義するためにSLA−
1および光学装置を特徴づける(特定のレーザパワーで
のステップピリオドに対する線高さおよび線幅の)プロ
ット。作業曲線を作るために用いられるデータは、バン
ジョートップから得られる。
【0519】「XY-ONLY SCALE FACTOR(XY専用スケール
ファクタ)」ベクトルデータをSLICE 単位からミラービ
ットに変換する部品製作パラメータ。X方向およびY方
向の寸法で大小部品をスライスするために使用できる。
垂直(Z方向)寸法には影響しない。
【0520】「STRAIGHT WEB SUPPORT(ストレートウェ
ブ支持体)」最低6層によって定義された薄肉の長方形
またはひれ状構造。
【0521】「SUPPORTS(支持体)」エレベータプラッ
トホーム上で物体を支持し、物体が製作される強固な基
礎を与え、層部分を接着支持するためにCADシステムで
設計された構造物。MERGEによって物体ファイルと結合
されるまで、個別のファイルで処理することができる。
【0522】「TEM」 TEM モード[Transverse Electromagnetic Mode]。
【0523】「TESSELLATE(多面分割)」三角形その他
の多角形によるCAD表面の表現。
【0524】「TRIANGULAR WEB SUPPORT(三角形ウェブ
支持体)」三角形の支持構造物。
【0525】「UNIX」スライスコンピュータで使用され
るマルチタスク・マルチーザオペレーティングシステ
ム。
【0526】「VECTOR(ベクトル)」始点および終点座
標によって表現される有向線分。
【0527】「VECTOR(.V)(ベクトル(.V)ファイ
ル)」全マージファイルについての層ごとのベクトルデ
ータを内容とするMERGE の出力ファイル 「VECTOR BLOCK(ベクトルブロック)」類似ブロック
(層境界線、クロスハッチまたは充填)の集合。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施のための立体造形システムの全体
ブロック図
【図2】本発明の立体造形を実施する際に用いられる基
本概念を示すフローチャート
【図3】本発明の立体造形を実施する際に用いられる別
の基本概念を示すフローチャート
【図4】本発明の実施に適切なシステムの略立面断面図
およびブロック図の組合せ
【図5】本発明の実施のためのシステムの別の実施例の
立面断面図
【図6】立体造形システムの全体のデータの流れ、デー
タ操作およびデータ管理をより詳細に示すソフトウエア
・アークテクャのフローチャート
【図7a】,
【図7b】支持体が、クロスハッチ・ベクトルで描かれ
るまで、層輪郭線をどのように正しい位置に固定するか
を示す図
【図8a】,
【図8b】支持体が片持ばりおよび類似の構造の変形お
よびカールをどのように防止するかを示す図
【図9a】,
【図9b】物体が製作されている間に一時的に無支持と
なる層部分をどのように付着するかを示す図
【図10a】、
【図10b】垂直ウェブ支持体が層の歪をどのように防
止するかを示す図
【図11】斜め支持体の使用を示す図
【図12】立体造形製法の重要な各段階を示す図
【図13a】〜
【図13c】立体造形システムの主要な構成要素を示す
【図14】立体造形システムのブロック図
【図15】立体造形システムのソフトウエア図
【図16a】,
【図16b】制御盤のスイッチおよび指示器を示す図
【図17】見本の部品記録を示す図
【図18】見本の作業曲線を示す図
【図19a】〜
【図19e】光学装置の推奨清浄技術を示す図
【図20】エアフィルタの交換を示す図
【図21a】,
【図21b】SLICEコンピュータの構成要素を示す
【図22a】,
【図22b】電子装置キャビネットの構成要素を示す図
【図23a】〜
【図23c】光学装置の構成要素を示す図
【図24】チャンバの構成要素を示す図
【図25a】,
【図25b】レーザ・レゾネータの配列を示す図
【図26a】,
【図26b】光学装置の配列を示す図
【図27】チャンバの配列を示す図
【図28】SLA−1立体造形システムを示す図
【図29a】,
【図29b】電子装置キャビネットの集成装置を示す図
【図30】光学装置の集成装置を示す図
【図31a】,
【図31b】チャンバの集成装置を示す図
【図32】SLA−1の配線図を示す図
【図33】立体造形製法を示す図
【図34a】,
【図34b】SLA−1レーザ・ポストキュア装置を示
す図
【図35】SLA−1の主要構成要素を示す図
【図36】SLA−1レーザ光学装置を示す図
【図37】ポストキュア装置を示す図
【図38a】,
【図38b】レーザ警告・安全情報ラベルの位置を示す
【図39】試験物体を示す図
【図40】曲面がその近似化のためにどのように多数の
三角形を要求するかを示す図
【図41】いずれかの(CAD)物体が、平坦な三角
形、平坦に近い三角形および鋭角三角形によってどのよ
うに完全に描けるかを示す図
【図42】SLICE断面三次元「ステレオリソグラフ
ィ」(.STL)が、どのようにして「スライス」(.
SLI)をファイル生成するかを示す図
【図43】層境界線間の領域がクロスハッチされるか充
填外皮されるかを、三角形の形式がどのようにして決定
するかを示す図
【図44】三角形の分類が平坦に近いから急傾斜まで変
化する角度が、SLICEパラメータMSAによってど
のようにして定義されるかを示す図
【図45】SLA−1メニュー・システムを示す図
【図46】NETWORKがイーサネットを介して制御
コンピュータとスライス・コンピュータとの間でどのよ
うにしてファイルを転送するかを示す図
【図47】TERMINAL UTILITYが使用者
に対して制御コンピュータからSLICEをどのように
して遠隔操作を可能にするかを示す図
【図48】MERGEがどのようにして部品(支持体お
よび物体のファイル)の全部を結合し、レイヤー・ファ
イル(.L)、ベクトル・ファイル(.V)およびレン
ジ・ファイル(.R)を生成するかを示す図
【図49】VIEWが、STLファイルおよび.SLI
ファイルをどのようにして制御コンピュータ画面に表示
するかを示す図
【図50】.STLファイルの図示を示す図
【図51】.SLIファイルの図示を示す図
【図52】BUILD状態画面を示す図
【図53】別の態様のBUILD状態画面を示す図
【図54a】〜
【図54c】オペレーションの各段階でのPCAを示す
【図55】SLA−1のヘリウム−カドミウム・レーザ
を示す図
【図56】光重合開始剤分子の励起および緩和を示す図
【図57】温度の小さな変化がどのようにして粘度の大
きな変化をもたらすかを示す図
【図58】ビームの中心付近の最大値を示す強度分布を
示す図
【図59】屈折率の変化がどのようにして銃弾形状を促
進するかを示す図
【図60】ステップ期間値がどのようにして銃弾の全体
寸法を決定するかを示す図
【図61】ステップの大きさが銃弾の最大径未満または
以下である場合に、ある点がどのようにしてより重度に
硬化されるかを示す図
【図62】作業曲線を示す図
【図63】バンジョーの頭部を示す図
【図64】SLAで物体を製造するために必要な手順の
外観を示す図
【図65a】,
【図65b】PHIGS図形処理標準に従った物体の切
り子面表現を示す図
【図66】インテル80287(Intel 80287 )数理双
対プロセッサとの互換性がある二進浮動小数点形式を示
す図
【図67】TEST 0017.STLファイルによっ
て表現される箱を示す図
【図68a】,
【図68b】試験物体の仕様を示す図
【図69a】,
【図69b】前記試験物体の空間配置を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルイス、チャールズ ウィリアム アメリカ合衆国カリフォルニア州、バン、 ニュイス、ライナンドット、ストリート、 14608

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 形成すべき三次元物体に関する特に作成
    された物体定義データを提供する第一の手段であって、
    該特に作成されたデータが該物体の支持構造を規定する
    第一の手段、および該特に作成されたデータに応答し
    て、前記三次元物体を自動的に形成する第二の手段を備
    えていることを特徴とする立体造形装置。
  2. 【請求項2】 前記特に作成されたデータが、前記物体
    が形成された後に該物体からの取り外しを容易にするの
    に十分に薄いウェブを規定することを特徴とする請求項
    1記載の立体造形装置。
  3. 【請求項3】 前記特に作成されたデータが、前記物体
    の断面に及ぶのに十分に長いウェブを規定することを特
    徴とする請求項1記載の立体造形装置。
  4. 【請求項4】 前記特に作成されたデータが、クロスハ
    ッチベクトルが描かれるまで層の縁を適所に固定する支
    持体を規定することを特徴とする請求項1記載の立体造
    形装置。
  5. 【請求項5】 前記特に作成されたデータが、片持ち梁
    の変形を防ぐ支持体を規定することを特徴とする請求項
    1記載の立体造形装置。
  6. 【請求項6】 前記特に作成されたデータが、そうしな
    ければ漂ってしまう層の部分を取り付ける支持体を規定
    することを特徴とする請求項1記載の立体造形装置。
  7. 【請求項7】 形成すべき三次元物体に関する特に作成
    された物体定義データを提供し、ここで、該特に作成さ
    れたデータが該物体の支持構造を規定し、 該特に作成されたデータを使用して、前記三次元物体を
    立体造形する、各工程を含むことを特徴とする立体造形
    方法。
  8. 【請求項8】 前記特に作成されたデータを提供する工
    程が、前記物体が形成された後に該物体からの取り外し
    を容易にするのに十分に薄いウェブを規定するデータを
    含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記特に作成されたデータを提供する工
    程が、前記物体の断面に及ぶのに十分に長いウェブを規
    定するデータを含むことを特徴とする請求項7記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 前記特に作成されたデータを提供する
    工程が、クロスハッチベクトルが描かれるまで、層の縁
    を適所に固定する支持体を規定するデータを含むことを
    特徴とする請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記特に作成されたデータを提供する
    工程が、片持ち梁の変形を防ぐ支持体を規定するデータ
    を含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記特に作成されたデータを提供する
    工程が、そうしなければ漂ってしまう層の部分を取り付
    ける支持体を規定するデータを含むことを特徴とする請
    求項7記載の方法。
  13. 【請求項13】 三次元物体を形成する立体造形方法で
    あって、 形成すべき三次元物体の断面を表すデータを提供し、 該三次元物体を形成するのに使用する支持構造の断面を
    表すデータを提供し、 該断面物体データおよび該断面支持構造データを合成し
    て、構築データを作成し、 該構築データを使用して、複数の合成断面から前記三次
    元物体および支持構造を形成する、各工程を含むことを
    特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 三次元物体を形成する立体造形方法で
    あって、 形成すべき三次元物体を表すデータを提供し、 該三次元物体を形成するのに使用する支持構造を表すデ
    ータを提供し、 該支持構造を表すデータをスライスして、該支持構造を
    示す断面支持構造データを得て、 前記物体データおよび断面支持構造データを使用して、
    複数の合成断面から前記三次元物体および支持構造を形
    成する、各工程を含むことを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 三次元物体を形成する立体造形方法で
    あって、 形成すべき三次元物体の断面を表すデータを提供し、こ
    こで、各々の断面が境界領域および内部領域を含み、い
    くつかの断面のいくつかの境界領域および内部領域の少
    なくとも一部が、物体の形成中に下向きであり、 前記三次元物体が形成されているときに該三次元物体の
    少なくともいくつかの断面の前記下向き内部領域の少な
    くとも一部を支持するのに使用する細長い支持構造を表
    すデータを提供し、 前記物体データおよび支持構造データを使用して、複数
    の合成断面から前記三次元物体および支持構造を形成
    し、ここで、連続して形成された断面が、既に形成され
    た断面の上に形成される、ことを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 三次元物体を形成する立体造形方法で
    あって、 形成すべき三次元物体を表すデータを提供し、 一つ以上の支持構造を位置させるべき、前記三次元物体
    の下向き面の下にある領域を定義し、 該定義された領域およびハッチングパターンを使用し
    て、該一つ以上の支持構造を表すデータを得て、 前記物体データおよび断面支持構造データを使用して、
    複数の合成断面から前記三次元物体および支持構造を形
    成する、各工程を含むことを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 三次元物体を形成する立体造形方法で
    あって、 形成すべき三次元物体を表すデータを提供し、 形成中に該物体を支持する一つ以上の支持構造を表すデ
    ータを自動的に得て、 前記物体データおよび断面支持構造データを使用して、
    複数の合成断面から前記三次元物体および支持構造を形
    成する、各工程を含むことを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 前記物体が、所定の刺激への露出によ
    り硬化可能な媒体から形成され、前記使用工程が、 前記物体および支持構造の連続断面を形成するために、
    準備中の流動性媒体の層を形成し、 該層を所定の刺激に露出して、前記物体および支持構造
    の連続断面を形成し、付着させる各工程を含むことを特
    徴とする請求項13から17いずれかに記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記媒体が光重合性高分子であり、前
    記所定の刺激が、可視光、不可視光および紫外線からな
    る群より選択されることを特徴とする請求項18記載の
    方法。
  20. 【請求項20】 三次元物体を形成する立体造形装置で
    あって、 形成すべき三次元物体を表す断面データを提供する手
    段、 該三次元物体を形成するのに使用する構造体を表す断面
    データを提供する手段、 前記断面物体データおよび断面支持構造データを合成し
    て、構築データを提供する手段、および該構築データを
    用いて、複数の合成断面から前記三次元物体および支持
    構造を形成する手段、を備えていることを特徴とする装
    置。
  21. 【請求項21】 三次元物体を形成する立体造形装置で
    あって、 形成すべき三次元物体を表すデータを提供する手段、 該三次元物体を形成するのに使用する支持構造を表すデ
    ータを提供する手段、 該支持構造を表すデータをスライスして、一つ以上の細
    長い支持構造を表す断面支持構造データを得る手段、お
    よび前記物体データおよび断面支持構造データを用い
    て、複数の合成断面から前記三次元物体および支持構造
    を形成する手段、を備えていることを特徴とする装置。
  22. 【請求項22】 三次元物体を形成する立体造形装置で
    あって、 形成すべき三次元物体を表すデータを提供する手段であ
    って、各々の断面が境界領域および内部領域を含み、い
    くつかの断面のいくつかの境界領域および内部領域の少
    なくとも一部が形成中に下向きである手段、 前記三次元物体を形成されているときに、該三次元物体
    の少なくともいくつかの断面の下向き内部領域の少なく
    とも一部を支持するのに使用する支持構造を表すデータ
    を提供する手段、および前記物体データおよび断面支持
    構造データを使用して、複数の合成断面から前記三次元
    物体および支持構造を形成する手段であって、連続して
    形成された断面が、既に形成された断面の上に形成され
    ている手段、を備えていることを特徴とする装置。
  23. 【請求項23】 三次元物体を形成する立体造形装置で
    あって、 形成すべき三次元物体を表すデータを提供する手段、 一つ以上の支持構造を位置させるべき、前記三次元物体
    の下向き面の下の領域を定義する手段、 前記定義した領域およびハッチングパターンを使用し
    て、前記一つ以上の支持構造を表すデータを得る手段、
    および前記物体データおよび断面支持構造データを使用
    して、複数の合成断面から前記三次元物体および支持構
    造を形成する手段、を備えていることを特徴とする装
    置。
  24. 【請求項24】 三次元物体を形成する立体造形装置で
    あって、 形成すべき三次元物体を表すデータを提供する手段、 形成中に前記物体を支持する一つ以上の支持構造を表す
    データを得る手段、および前記物体データおよび断面支
    持構造データを使用して、複数の合成断面から前記三次
    元物体および支持構造を形成する手段、を備えているこ
    とを特徴とする装置。
  25. 【請求項25】 前記物体が、所定の刺激への露出によ
    り硬化可能な媒体から形成され、前記使用する手段が、 前記物体および支持構造の連続断面を形成するために、
    準備中の流動性媒体の層を形成する手段、および前記層
    を所定の刺激に露出して、前記物体および支持構造の連
    続断面を形成し、付着させる手段、を備えていることを
    特徴とする請求項18から24いずれかに記載の装置。
  26. 【請求項26】 前記媒体が光重合性高分子であり、前
    記所定の刺激が、可視光、不可視光、および紫外線から
    なる群より選択されることを特徴とする請求項25記載
    の装置。
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