JP2000214060A - 円筒体の引張り試験装置 - Google Patents

円筒体の引張り試験装置

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JP2000214060A
JP2000214060A JP11014379A JP1437999A JP2000214060A JP 2000214060 A JP2000214060 A JP 2000214060A JP 11014379 A JP11014379 A JP 11014379A JP 1437999 A JP1437999 A JP 1437999A JP 2000214060 A JP2000214060 A JP 2000214060A
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JP
Japan
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liquid
cylindrical body
pressure
tensile
tubular body
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JP11014379A
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English (en)
Inventor
Hidehiro Takemoto
秀博 竹本
Takumi Ishimori
巧 石森
Yoshiharu Numata
喜春 沼田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】円筒体に対して内側から全周にわたって均等な
圧力を加えることができ、しかも、円筒体が高強度のも
のであっても、十分に高い圧力を付与することができる
円筒体の引張り試験装置を提供する。 【解決手段】リング引張り試験装置(1) では円筒体(2)
の両端が上下プレート(3,4) により密閉され、同プレー
ト(3,4) はインナーコア(5) 及びアウタースペーサ(6)
により支持されている。前記円筒体(2) と前記インナー
コア(5) との間には液体導入部(11)が設けられ、前記円
筒体(2) の内周側には環状弾性体(10)が配されている。
前記プレート(3,4) の前記弾性体(10)の摺接面にはシー
ルリング(8) が配され液体をシールする。前記弾性体(1
0)は前記液体導入部(11)内の液体圧力を受け放射方向に
伸張し、前記円筒体(2) の内周面を均等に押圧すると共
に液体のシール機能を補完する。圧力センサー(13)と前
記円筒体(2) の外周面の歪みゲージ(14)とからの測定値
を計測器(15)にて演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒体の内圧に対
する引張り特性を測定するための引張り試験装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】平板形状体の引張り特性を測定する方法
としては、従来から、例えば、ASTM D3039に
記載されているような、平板形状体をクーポン状の試験
体に加工して測定する方法が採用されている。
【0003】しかしながら、フィラメントワインディン
グ法などにより成形された繊維強化プラスチックからな
る構造体は一般的に円筒形状であり、同構造体を平板形
状へ加工することが困難なため、引張り特性等の物性を
測定するにあたっては、様々な問題が生じている。
【0004】例えば、前記構造体が円筒体である場合に
は、ASTM D2290に記載されているように、2
分割ディスクにより前記円筒体の円周方向に引張り力を
与えて、引張り特性を測定する方法が提案されている。
しかしながら、かかる方法では、2分割したディスクの
部位において、前記円筒体に対して引っ張り力だけでは
なく曲げの力も作用するため、その測定結果は引張り特
性としながらも曲げのモードも若干含まれた値となって
しまう。
【0005】そこで、何らかの手段により円筒体に対し
て内周面から均等な圧力を加え、同円筒体に対して周方
向に引っ張り荷重を付与することにより、前記円筒体の
引張り特性として、平板形状の構造体に対する引張り試
験による測定値と同様な結果を得ることができるものと
考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記円筒体の内周面に
対して圧力を加える手段としては、例えば、同円筒体の
内側にゴムリングを、更にその内側にアルミリングを配
して、同アルミリングの内周面を10以上に分割された
セグメントからなる環状の治具により、各セグメントを
押し開いて押圧するメカニカル的な手段が考えられる。
前記セグメントを押し開くことにより、前記円筒体には
前記アルミリングを介して間接的に圧力が付与される。
しかしながら、このようなメカニカル的な手段では、円
筒体の全周に対して均一な圧力を負荷できないといった
問題がある。
【0007】また、前記円筒体の内周面に対して圧力を
加える手段として、円筒体にシールを施して同円筒体の
内部に液体を導入し、この液体により圧力を付与する方
法も考えられる。しかしながら、このような液体による
圧力付与では、例えば円筒体が繊維強化プラスチック等
の高強度の材料から形成されていたり、また、同円筒体
の肉厚が大きく、或いは同円筒体が小径である場合に
は、かなり高圧の圧力を付与しなければならないが、そ
のように高圧の液体をシールするための構造を測定装置
に付与することは極めて困難である。
【0008】本発明は、かかる従来の問題点を解決すべ
くなされたものであり、円筒体に対して内側から全周に
わたって均等な圧力を加えることができ、しかも、円筒
体が高強度のものであっても、十分に高い圧力を付与す
ることができる円筒体の引張り試験装置を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らが、高圧液体を円筒体の内周面に作用さ
せる際の前記液体のシール構造について様々な検討を行
った結果、高圧液体をシールすると共に、前記液体圧を
円筒体に効果的に作用させるためには、前記液体圧によ
り円筒体の内周面を押圧する弾性部材を、前記円筒体の
内側に配するシール構造が有効であることがわかり、本
発明に至った。
【0010】すなわち、本発明は、円筒体の両端を密閉
する一対のプレートと、前記プレートを前記円筒体の内
部で支持するインナーコア及び同プレートを前記円筒体
の外部で支持するアウタースペーサと、前記円筒体と前
記インナーコアとの間に液体を導入する液体導入部と、
同液体導入部に導入された液体の圧力を受けて前記円筒
体の内周面を押圧すると共に前記液体をシールする弾性
部材と、前記液体の圧力を測定する圧力センサーと、前
記円筒体に取り付けられる歪みゲージと、を備えてなる
ことを特徴とする円筒体の引張り試験装置を主要な構成
としている。
【0011】本発明に係る前記円筒体の引張り試験装置
は、円筒体とインナーコアとの間の液体導入部に導入さ
れた液体は弾性部材を放射方向に均等に押圧変形させ
て、前記円筒体の内周面を前記弾性部材を介して押圧す
ることにより同じく放射方向に変形させるようにしてい
るため、前記液体の圧力を有効に、且つ前記円筒体の全
内周面にわたって均一に作用させることができる。ま
た、前記弾性部材を採用することにより、同弾性部材の
シール機能を利用することができ、通常の簡単な構造の
シール材を用いても前記液体を確実にシールすることが
可能となる。
【0012】前記歪みゲージを複数有し、前記円筒体の
外周面に沿って所要の間隔をおいて配することが好まし
い。この場合には、前記円筒体の全周にわたって精密に
歪みゲージを測定することが可能となる。
【0013】また、前記円筒体と前記弾性部材との間に
プロテクターを配することが好ましい。この場合には、
例えば前記円筒体が繊維強化プラスチックスのように破
壊時に破裂片が急激に飛び散るような材質であるとき
に、前記円筒体の破裂片により前記弾性部材が損傷する
のを防止することができる。なお、前記プロテクターに
は、材質として前記弾性部材の放射方向への変形に追随
して変形可能なものを採用し、例えば樹脂フィルムや樹
脂シート等が挙げられるが、特に厚みが1mmのポリプ
ロピレンシートを採用することが好ましい。
【0014】前記弾性部材は、前記円筒体の内径と略同
一の外径を有し、同円筒体の軸線方向の長さと略同一の
長さ寸法をもつ環状弾性体からなることが好ましい。こ
の環状弾性体は、前記円筒体とインナーコアとの間に配
され、同インナーコアと前記環状弾性体との間が、上記
液体導入部を形成する。同環状弾性体は、前記液体導入
部に導入された液体により伸張し、前記円筒体の内周面
の全面を均一に押圧する。更に、この環状弾性体は引張
り弾性率が20GPa 以下、伸び率が5%以上であると、
同環状弾性体の伸張が円滑になされ、好ましい。また、
前記環状弾性体の軸線方向の長さを円筒体の両端を密閉
する一対のプレート間隔よりも僅かに大きく設定する場
合には、同弾性体がシール部材としての機能を有するた
め、格別のシール部材を用いることなくシール性を確保
できるが、前記プレートの前記環状弾性体が摺接する面
にシールリング溝を形成して、同溝内にシールリングを
配することが好ましく、その場合には更に液体のシール
性が向上する。
【0015】或いは、前記弾性部材が、内部に液体の導
入を可能としたブラダー状の環状チューブ体であっても
よい。この場合には、前記環状チューブ体の内部が前記
液体導入部を構成し、同導入部に導入された液体により
前記環状チューブ体が膨張し、前記円筒体の内周面を押
圧する。この場合には、他に格別のシール手段を用いる
必要がないため好ましい。
【0016】前記環状チューブ体は、引張り弾性率が2
0GPa 以下、伸び率が30%以上であることが好まし
く、その場合には、前記環状チューブ体が円滑に膨張し
て、前記円筒体に前記液体の圧力を速やかに伝達するこ
とができる。
【0017】なお、前記環状弾性体や前記環状チューブ
体としては、それぞれ、上述したような引張り弾性率及
び伸び率を示すことが好ましいが、その材質としては前
記引張り弾性率及び伸び率を満たすものであれば特に限
定はなく、例えば、塩化ビニル樹脂やナイロン樹脂、シ
リコンゴム等を採用することができる。
【0018】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明
の第1の実施形態である円筒体の引張り試験装置の一部
を破断して示す斜視図であり、図2は同試験装置におけ
る要部の断面図である。
【0019】前記引張り試験装置1は、円筒体2の両端
を密閉する上下一対のプレート3,4を備えている。同
上下プレート3,4は、前記円筒体2の内部で円柱状の
インナーコア5により支持されると共に、前記円筒体2
の外部で環状のアウタースペーサ6により支持されてお
り、更に、前記上下プレートは、前記インナーコア5及
びアウタースペーサ6に対して複数のボルト7により固
着されている。また、前記上下プレート3,4の前記イ
ンナーコア5への当接面には第1シールリング溝3a,
4aが形成されており、同溝3a,4a内にシールリン
グ8が配されている。
【0020】前記円筒体2の内側には、プロテクター9
が前記円筒体2の内周面に当接して配されており、更に
同プロテクター9の内側には、本発明の弾性部材である
環状弾性体10が、前記プロテクター9を介して前記円
筒体2に当接した状態で配されている。前記プロテクタ
ー9は、前記円筒体2が破断した際に、その破断片によ
る前記環状弾性体10の損傷を防止するものである。ま
た、前記環状弾性体10は前記円筒体2の内径と略同一
の外径を有すると共に、同円筒体2の長さと略同一の長
さ寸法を有している。更に、前記上下プレート3,4の
前記環状弾性体10が摺接する面には第2シールリング
溝3b,4bが形成されており、同溝内3b,4bにも
シールリング8が配されている。
【0021】この環状弾性体10と前記インナーコア5
との間は液体を導入する液体導入部11を構成してお
り、前記下プレート4の前記液体導入部11に対応する
位置に形成された液体導入口4cから、高圧ポンプ12
により前記液体導入部11へ液体が導入される。また、
前記上プレート3の前記液体導入部11に対応する位置
には、開閉可能なエアトラップ3cが形成されており、
前記液体導入部11に液体を導入する際、同エアトラッ
プ3cを開放し、同導入部11が液体により充満される
まで、同導入部11内の空気を外部へ逃がす。
【0022】前記環状弾性体10はこの液体導入部11
に導入された液体の圧力を受けて放射方向に伸張し、前
記プロテクター9を介して前記円筒体2の内周面を押圧
すると共に、前記液体をシールする。そのため、前記環
状弾性体10には伸張可能な材質を採用している。特に
記環状弾性体10は引張り弾性率が20GPa 以下、伸び
率が5%以上であることが好ましく、その材質として
は、例えば、塩化ビニル樹脂やナイロン樹脂、シリコン
ゴム等を採用することができる。また、前記プロテクタ
ー9は上述したように、前記環状弾性体10により押圧
された際にその押圧力を低減することなく前記円筒体2
の内周面に伝達するよう、樹脂フィルムや樹脂シートな
どを使用でき、特に厚さが1mmのポリプロピレンシー
トが好適に用いられ、前記環状弾性体10に追随して伸
縮可能としている。
【0023】更に、前記液体導入部11に導入された液
体の圧力を測定するためにディジタル式の圧力センサー
13が配されており、また、前記円筒体2の外周面に沿
って、同円筒体2の歪みを測定するための複数の歪みゲ
ージ14が、所要の間隔をおいて取り付けられている。
前記圧力センサー13及び歪みゲージ14は計測器15
に連結されており、同計測器15では前記圧力センサー
13及び歪みゲージ14から送られた測定値を演算処理
する。
【0024】前記引張り試験装置1を用いて円筒体2の
引張り特性を測定するためには、先ず、前記上プレート
3のボルト7を外して開放し、外周面に歪みゲージ14
が取り付けられた円筒体2を前記プロテクター9の外側
にセットして、再び前記上プレート3をボルト7により
固着する。
【0025】その後、前記下プレート4の液体導入口4
cから前記高圧ポンプ12により前記液体導入部11内
へと液体を導入する。このとき、前記液体導入部11内
が液体により完全に充満されるまでは、前記上プレート
3に形成されたエアトラップ3cを開放し、同導入部1
1内の空気を外部へ逃がしながら同導入部11に液体を
導入する。そして、前記液体導入部11内の空気が無く
なった時点で、前記エアトラップ3cを完全に閉塞し、
前記液体導入部11を密閉空間とする。
【0026】続いて前記高圧ポンプ12から加圧した液
体を前記液体導入部11へ導入し、同導入部11内の圧
力を高める。この時、同導入部11内の圧力を前記圧力
センサー13により、また、前記円筒体2の歪みを前記
歪みゲージ14により測定し、その測定値を前記計測器
15にて演算処理する。
【0027】この前記液体導入部11内の液体の圧力を
受けて、前記環状弾性体10が放射方向に伸張し、前記
円筒体2を押圧する。このとき、上述したように、前記
液体の圧力は前記環状弾性体10を介して何ら低減され
ることなく、前記円筒体2の全内周面に均等に作用す
る。従って、前記液体の圧力は前記環状弾性体10を介
して前記円筒体2に引張り力として作用する。また、本
試験装置1は前記シールリング8によるシールに加え
て、前記環状弾性体10もシール機能を呈するため、液
体のシール性が極めて高いものとなる。そして、前記引
張り力がある圧力に到達した時、前記円筒体2は破壊さ
れ、測定が終了する。
【0028】なお、本実施形態では、前記環状弾性体1
0を単一の材質からなる一層構造のものを採用している
が、複数の材質からなる複数層のものを使用することも
できる。更には、複数の前記環状弾性体10を積層状態
で配することもできる。また、その場合に、複数の環状
弾性体10を単一の材質としてもよく、或いは異なる材
質としてもよい。
【0029】次に、本発明の第2の実施形態である引張
り試験装置について、図3及び図4を参照して説明す
る。図3は前記引張り試験装置の一部を破断して示す斜
視図であり、図4は同試験装置における要部の断面図で
ある。
【0030】第2の実施形態による引張り試験装置1′
は、本発明の弾性部材として、内部に液体が導入される
ブラダー状の環状チューブ体10′を採用している点
で、上述した第1の実施形態とは異なる。しかしなが
ら、その他の構成は上述した第1実施例と概ね同一であ
るため、同一の構成には同一の符号を付し、その詳細な
説明は省略する。
【0031】前記引張り試験装置1′は、上下プレート
3′,4′を円筒体2の内部で支持するインナーコア5
と、前記円筒体1の内周面に当接して配されたプロテク
ター9との間に、本発明の弾性部材であるブラダー状の
環状チューブ体10′が配されている。
【0032】前記環状チューブ体10′は、外周の一部
に、前記下プレート4′に形成された液体導入口4cに
連通する液体導入孔10a′が形成されており、同環状
チューブ体10′の内部が液体導入部11′を構成して
いる。
【0033】同液体導入部11′へは、前記環状チュー
ブ体10′の液体導入孔10a′及び下プレート4′の
液体導入口4cから、高圧ポンプ12により液体が導入
される。なお、本実施形態においては、前記高圧ポンプ
12からの液体の導入管12′にディジタル式の圧力セ
ンサー13を配して、前記液体導入部11′内の液体の
圧力を測定している。
【0034】前記環状チューブ体10′はその内部の液
体導入部11′に導入された液体の圧力を受けて膨張
し、前記プロテクター9を介して前記円筒体2の内周面
を押圧すると共に、前記液体をシールする。そのため、
前記環状チューブ体10′には伸張可能な材質を採用し
ている。特に記環状チューブ体10′は引張り弾性率が
20GPa 以下、伸び率が30%以上であることが好まし
く、その材質としては、例えば、塩化ビニル樹脂やナイ
ロン樹脂、シリコンゴム等を採用することができる。
【0035】なお、本実施例の試験装置1′は、前記環
状チューブ体10′がシール材として有効に機能するた
め、前記上下プレート3′,4′には、上述した第1の
実施形態における環状弾性体10の摺接面に形成されて
いる第2シールリング溝3b,4b及びシールリング8
を排除することができる。また、本実施形態では、液体
導入部11′が前記環状チューブ体10′の内部である
ため、前記上プレート3′には第1の実施形態のように
エアトラップ3cを形成する必要もない。
【0036】前記引張り試験装置1′を用いて円筒体2
の引張り特性を測定するためには、先ず、前記上プレー
ト3′のボルト7を外して開放し、前記プロテクター9
の外側に円筒体2をセットして、再び前記上プレート
3′をボルト7により固着する。
【0037】その後、前記下プレート4′の液体導入口
4c及び前記環状チューブ体10′の液体導入孔10
a′から前記高圧ポンプ12により前記液体導入部1
1′内へと液体を導入する。密閉空間である前記液体導
入部11′内が液体により完全に充満された後は、引き
続き、前記高圧ポンプ12から加圧した液体を前記液体
導入部11′へ導入し、同導入部11′内の圧力を高め
る。この時、同導入部11′内の圧力を前記圧力センサ
ー13により、また、前記円筒体2の歪みを、同円筒体
2の外周面に沿って所要の間隔をおいて取り付けられた
複数の歪みゲージ14により測定し、それぞれの測定値
を前記計測器15にて演算処理する。
【0038】この前記液体導入部11′内の液体の圧力
を受けて、前記環状チューブ体10′が前記円筒体2を
押圧する。このとき、上述したように、前記環状チュー
ブ体10′により前記液体の圧力が何ら低減されること
なく、前記円筒体2の全内周面に均一に作用する。従っ
て、前記液体の圧力は前記環状チューブ体10′を介し
て前記円筒体2に引張り力として作用する。そして、前
記引張り力がある圧力に到達した時、前記円筒体2は破
壊し、測定が終了する。
【0039】なお、本実施形態では、弾性部材としてブ
ラダー状の環状チューブ体10′を採用しており、同環
状チューブ体10′の内部を液体導入部11′とするこ
とにより、液体のシール性を更に高めることが可能とな
る。
【0040】次に本発明の実施例について説明する。 「実施例1」炭素繊維(三菱レイヨン株式会社製:TR
50S)にエポキシ樹脂(三菱レイヨン株式会社製:#
700)を塗工したものを、フィラメントワインディン
グ機を用いて直径φ500mmのマンドレルに3.5m
mのピッチで周方向のみで30プライ巻き付けた。この
炭素繊維が巻き付けられたマンドレルを硬化炉に入れ1
50℃で3時間キュアしたのち、炭素繊維強化プラスチ
ックス(以下「CFRP」と称す)を前記マンドレルか
ら脱型した。得られたCFRPは、内径φ500mm、
外径φ510mm、長さ500mmの円筒体であった。
これを旋盤で加工し、長さ25mm、寸法公差±0.1
mmの円筒試験体を得た。
【0041】この円筒試験体の外周面に沿って、所要の
間隔で3個の歪みゲージを接着剤にて取り付けて、図1
及び図2に示す第1の実施形態による円筒体の引張り試
験装置1に同円筒試験体をセットした。前記引張り試験
装置1の環状弾性体10として、引張り弾性率が5GP
a、引張り伸度が100%以上のシリコンゴム製のもの
を用いた。また、シールリング8としてゴム硬度が70
のものを併用した。前記引張り試験装置1の液体導入部
11に液体を導入し、歪みゲージの値が0.8〜1%/
min となるように圧力を負荷し、円筒試験体を破壊し
た。破壊までの過程での最大圧力は59MPaであった
が、液体導入部11の外部への加圧液体の漏洩は起こら
なかった。このときの歪みゲージの値、及び液体圧力の
データを用いて演算した結果、前記円筒試験体は繊維換
算の引張り強度が4410MPa、繊維換算の引張り弾
性率が240GPaという値を得た。
【0042】「実施例2」実施例1と同一の円筒試験体
に、実施例1と同様に外周面に沿って、所要の間隔で3
個の歪みゲージを接着剤にて取り付けて、図3及び図4
に示す第2の実施形態による円筒体の引張り試験装置
1′に同円筒試験体をセットした。前記引張り試験装置
1の環状チューブ体10′として、引張り弾性率が5G
Pa、引張り伸度が100%以上のシリコンゴム製のも
のを用いた。
【0043】前記引張り試験装置1′の液体導入部1
1′、即ち前記環状チューブ体10′の内部に液体を導
入し、歪みゲージの値が0.8〜1%/min となるよう
に圧力を負荷し、円筒試験体を破壊した。破壊までの過
程での最大圧力は57MPaであったが、液体導入部1
1′の外部への加圧液体の漏洩は起こらなかった。この
ときの歪みゲージの値、及び液体圧力のデータを用いて
演算した結果、前記円筒試験体は繊維換算の引張り強度
が4350MPa、繊維換算の引張り弾性率が230G
Paという値を得た。
【0044】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の引張
り試験装置は、液体導入部に導入された液体の圧力を受
けて円筒体の内周面を押圧すると共に前記液体をシール
する弾性部材を備えており、円筒体の内周面を均一に且
つ高圧力で押圧することができるため、従来困難とされ
ていた円筒体の引張り強度試験が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である円筒体の引張り
試験装置の一部を破断して示す斜視図である。
【図2】上記試験装置における要部の断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態である円筒体の引張り
試験装置の一部を破断して示す斜視図である。
【図4】上記試験装置における要部の断面図である。
【符号の説明】
1,1′ 引張り試験装置 2 円筒体 3,3′ 上プレート 3a 第1シール溝 3b 第2シール溝 3c エアトラップ 4,4′ 下プレート 4a 第1シール溝 4b 第2シール溝 4c 液体導入口 5 インナーコア 6 アウタースペーサ 7 ボルト 8 シールリング 9 プロテクター 10 環状弾性体 10′ 環状チューブ体 10a′ 液体導入孔 11,11′ 液体導入部 12 高圧ポンプ 13 圧力センサー 14 歪みゲージ 15 計測器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沼田 喜春 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 2F051 AA00 AB02 AB09 AC01 CA00 2G061 AA01 AB01 CA15 CB04 DA01 EA04 EA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒体の両端を密閉する一対のプレート
    と、 前記プレートを前記円筒体の内部で支持するインナーコ
    ア及び同プレートを前記円筒体の外部で支持するアウタ
    ースペーサと、 前記円筒体と前記インナーコアとの間に液体を導入する
    液体導入部と、 同液体導入部に導入された液体の圧力を受けて前記円筒
    体の内周面を押圧すると共に前記液体をシールする弾性
    部材と、 前記液体の圧力を測定する圧力センサーと、 前記円筒体に取り付けられる歪みゲージと、を備えてな
    ることを特徴とする円筒体の引張り試験装置。
  2. 【請求項2】 前記歪みゲージを複数有し、前記円筒体
    の外周面に沿って所要の間隔をおいて配されてなる請求
    項1記載の引張り試験装置。
  3. 【請求項3】 前記円筒体と前記弾性部材との間にプロ
    テクターが配されてなる請求項1又は2記載の引張り試
    験装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材は、前記円筒体の内径と略
    同一の外径を有し、同円筒体の長さと略同一の長さ寸法
    をもつ少なくとも一の環状弾性体からなる請求項1〜3
    のいずれかに記載の引張り試験装置。
  5. 【請求項5】 前記環状弾性体は引張り弾性率が20GP
    a 以下、伸び率が5%以上である請求項4記載の引張り
    試験装置。
  6. 【請求項6】 前記プレートの前記環状弾性体が摺接す
    る面にはシールリング溝が形成されており、同溝内にシ
    ールリングが配されてなる請求項4又は5記載の引張り
    試験装置。
  7. 【請求項7】 前記弾性部材は、内部に液体が導入され
    るブラダー状の環状チューブ体である請求項1〜3のい
    ずれかに記載の引張り試験装置。
  8. 【請求項8】 前記環状チューブ体は、引張り弾性率が
    20GPa 以下、伸び率が30%以上である請求項7記載
    の引張り試験装置。
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