JP2000211597A - 宇宙用展開構造物の保持解放機構及び保持ロッドの保持張力負荷方法 - Google Patents
宇宙用展開構造物の保持解放機構及び保持ロッドの保持張力負荷方法Info
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- JP2000211597A JP2000211597A JP11015863A JP1586399A JP2000211597A JP 2000211597 A JP2000211597 A JP 2000211597A JP 11015863 A JP11015863 A JP 11015863A JP 1586399 A JP1586399 A JP 1586399A JP 2000211597 A JP2000211597 A JP 2000211597A
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- holding rod
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 宇宙船に折り畳まれた収納状態で搭載されて
軌道上で展開する宇宙用展開構造物を、地上から打ち上
げ環境及び軌道上の展開前まで保持し、軌道上で解放す
る保持解放機構において、保持ロッドに張力をかけるた
めにナットを回す際、ナットと保持ロッドの摩擦によっ
て保持ロッド自身にねじり力がかかるため、保持ロッド
の強度保証が困難であった。 【解決手段】 保持ロッド3をねじらないで張力を与え
るように、保持ロッド3の先端のねじ部の先に設けた工
具固定部をナット5を締め上げる工具とは別に保持ロッ
ド3の回転を抑えるように固定しながらナット5を締め
上げる。
軌道上で展開する宇宙用展開構造物を、地上から打ち上
げ環境及び軌道上の展開前まで保持し、軌道上で解放す
る保持解放機構において、保持ロッドに張力をかけるた
めにナットを回す際、ナットと保持ロッドの摩擦によっ
て保持ロッド自身にねじり力がかかるため、保持ロッド
の強度保証が困難であった。 【解決手段】 保持ロッド3をねじらないで張力を与え
るように、保持ロッド3の先端のねじ部の先に設けた工
具固定部をナット5を締め上げる工具とは別に保持ロッ
ド3の回転を抑えるように固定しながらナット5を締め
上げる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば宇宙船に
搭載される機器で地上及び打ち上げ環境は収納状態にあ
り、軌道上で展開する太陽電池パドルや大型アンテナ等
の宇宙用展開構造物を、収納状態では固定し、軌道上で
解放する保持解放機構に関するものである。
搭載される機器で地上及び打ち上げ環境は収納状態にあ
り、軌道上で展開する太陽電池パドルや大型アンテナ等
の宇宙用展開構造物を、収納状態では固定し、軌道上で
解放する保持解放機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】宇宙空間で大きな面積、体積を占める構
造物は、過酷なロケット打ち上げ環境に耐えるために、
打ち上げ時には宇宙船側壁に折り畳んで固定し、宇宙船
が軌道上に到着した後、固定部を解放して展開する必要
性がある。そのため固定部には展開構造物を強固に固定
する機能と軌道上で確実に解放する機能を併せ持つ保持
解放機構を用いる。
造物は、過酷なロケット打ち上げ環境に耐えるために、
打ち上げ時には宇宙船側壁に折り畳んで固定し、宇宙船
が軌道上に到着した後、固定部を解放して展開する必要
性がある。そのため固定部には展開構造物を強固に固定
する機能と軌道上で確実に解放する機能を併せ持つ保持
解放機構を用いる。
【0003】従来の保持解放機構の収納状態を図7
(a)に示す。図において、1は宇宙船(または宇宙船
側壁に取り付けられたブラケット)、2は展開構造物、
3は展開構造物を宇宙船に押さえつけるための保持力
(張力)を受け持つ保持ロッド、4はロッドカッタ、5
は保持ロッド3に張力をかけるために締め上げるナッ
ト、6はワッシャ、7は解放時に切断された保持ロッド
3とともにナット5が外れるため、それを保持するため
宇宙船1に取り付けられたナットキャッチャー、8は解
放時に切断された保持ロッド3を受け止めるために展開
構造物2に取り付けられたロッドキャッチャー、9は切
断された保持ロッド3がロッドキャッチャー8に衝突す
る際の発生衝撃を緩和させるためのロッドキャッチャー
側緩衝材(例えばアルミハニカムコアやシリコンゴム
等)、10は切断された保持ロッド3を引き抜くための
ロッド引き抜きばね、11は保持ロッド3の張力による
押し付け力を受ける宇宙用展開構造物側及び宇宙船側の
分離面、12はロッドカッタ4の内部にある火薬13の
爆発力によって保持ロッド3を切断するカッター、13
はカッター12の切断力を発生する火薬、14は火薬1
3を爆発させるための電気信号線である。また図7
(b)に示すように保持ロッド3の先端部にはねじが加
工されており、ナット5を締め付けることで張力が発生
し、宇宙船1と展開構造物2を押し付けている。なお、
宇宙船1と展開構造物2が入れ替わっても同等の保持解
放機構であることは言うまでもない。
(a)に示す。図において、1は宇宙船(または宇宙船
側壁に取り付けられたブラケット)、2は展開構造物、
3は展開構造物を宇宙船に押さえつけるための保持力
(張力)を受け持つ保持ロッド、4はロッドカッタ、5
は保持ロッド3に張力をかけるために締め上げるナッ
ト、6はワッシャ、7は解放時に切断された保持ロッド
3とともにナット5が外れるため、それを保持するため
宇宙船1に取り付けられたナットキャッチャー、8は解
放時に切断された保持ロッド3を受け止めるために展開
構造物2に取り付けられたロッドキャッチャー、9は切
断された保持ロッド3がロッドキャッチャー8に衝突す
る際の発生衝撃を緩和させるためのロッドキャッチャー
側緩衝材(例えばアルミハニカムコアやシリコンゴム
等)、10は切断された保持ロッド3を引き抜くための
ロッド引き抜きばね、11は保持ロッド3の張力による
押し付け力を受ける宇宙用展開構造物側及び宇宙船側の
分離面、12はロッドカッタ4の内部にある火薬13の
爆発力によって保持ロッド3を切断するカッター、13
はカッター12の切断力を発生する火薬、14は火薬1
3を爆発させるための電気信号線である。また図7
(b)に示すように保持ロッド3の先端部にはねじが加
工されており、ナット5を締め付けることで張力が発生
し、宇宙船1と展開構造物2を押し付けている。なお、
宇宙船1と展開構造物2が入れ替わっても同等の保持解
放機構であることは言うまでもない。
【0004】また、図8にロッドカッタ4の宇宙船1へ
の取り付け状態を示す。1は宇宙船、4はロッドカッ
タ、15はボルト、16はワッシャである。
の取り付け状態を示す。1は宇宙船、4はロッドカッ
タ、15はボルト、16はワッシャである。
【0005】また、図9(a)に従来の保持解放機構の
動作を示す。電気信号によって火薬13が爆発し、カッ
ター12に推進力を与えて保持ロッド3を展開構造物側
ロッド3aと宇宙船側ロッド3bに切断する。保持ロッ
ド3aはロッド引き抜きばね10によってロッドキャッ
チャー8の内部につけられたロッドキャッチャー側緩衝
材9に衝突して止まる。また、保持ロッド3bはナット
キャッチャー7に衝突して止まる。図9(b)、(c)
に宇宙船1、展開構造物2、保持機構27、展開機構2
6の関係を示す。図9(b)では展開構造物2は保持解
放機構27によって宇宙船1に保持されている。図9
(c)では保持解放機構27が作動することにより展開
機構26の展開力によって展開構造物2が宇宙船1に対
して展開位置まで展開する。
動作を示す。電気信号によって火薬13が爆発し、カッ
ター12に推進力を与えて保持ロッド3を展開構造物側
ロッド3aと宇宙船側ロッド3bに切断する。保持ロッ
ド3aはロッド引き抜きばね10によってロッドキャッ
チャー8の内部につけられたロッドキャッチャー側緩衝
材9に衝突して止まる。また、保持ロッド3bはナット
キャッチャー7に衝突して止まる。図9(b)、(c)
に宇宙船1、展開構造物2、保持機構27、展開機構2
6の関係を示す。図9(b)では展開構造物2は保持解
放機構27によって宇宙船1に保持されている。図9
(c)では保持解放機構27が作動することにより展開
機構26の展開力によって展開構造物2が宇宙船1に対
して展開位置まで展開する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の保持解放
機構は地上において保持ロッド3に張力を与えようとし
てナット5を締める時に、ナット5と保持ロッド3の摩
擦によって保持ロッド3自身をねじってしまい、保持ロ
ッド3の強度保証が困難であるという問題があった。な
お、保持ロッド3はロッドカッタ4で切断される機能を
有するため、自由に太くできないという制約がある。
機構は地上において保持ロッド3に張力を与えようとし
てナット5を締める時に、ナット5と保持ロッド3の摩
擦によって保持ロッド3自身をねじってしまい、保持ロ
ッド3の強度保証が困難であるという問題があった。な
お、保持ロッド3はロッドカッタ4で切断される機能を
有するため、自由に太くできないという制約がある。
【0007】また、従来の保持解放機構はナットキャッ
チャー7と切断された保持ロッド3bとの衝突で衝撃力
が発生してしまい、宇宙船1に搭載されている耐衝撃性
の低い機器に悪影響を及ぼすという問題点があった。
チャー7と切断された保持ロッド3bとの衝突で衝撃力
が発生してしまい、宇宙船1に搭載されている耐衝撃性
の低い機器に悪影響を及ぼすという問題点があった。
【0008】また、従来の保持解放機構の分離面11は
宇宙船1側及び展開構造物2側ともに振動環境による焼
き付き防止のために潤滑等の表面処理を実施している
が、地上振動試験、ハンドリング等で展開状態において
本部位の潤滑剤が剥げ落ちる等の損傷を発見した場合、
展開構造物を宇宙船から取り外して再潤滑処理を実施す
るため、補修が大がかりとなる問題点があった。
宇宙船1側及び展開構造物2側ともに振動環境による焼
き付き防止のために潤滑等の表面処理を実施している
が、地上振動試験、ハンドリング等で展開状態において
本部位の潤滑剤が剥げ落ちる等の損傷を発見した場合、
展開構造物を宇宙船から取り外して再潤滑処理を実施す
るため、補修が大がかりとなる問題点があった。
【0009】また、従来の保持解放機構の保持ロッド3
は振動環境によって保持ロッド3が展開構造物に対して
大きくずれないようにする目的で展開構造物2に設ける
穴径と保持ロッド3のロッド径のすきまは小さい。ま
た、保持ロッド3のロッド引き抜きばね10が押す径が
一番大きい部位は、引き抜き動作の信頼性を高めるため
ロッドキャッチャー8とのすきまは小さい。結果として
引き抜き動作途中の保持ロッド3aは展開構造物2の穴
とロッドキャッチャー内壁でガイドされるため、引き抜
き途中で保持ロッド3aの先端近傍に保持ロッド半径方
向(ラジアル)に障害物等による変位拘束があるとこじ
りが生じ、動作信頼性が低下するという問題点があっ
た。
は振動環境によって保持ロッド3が展開構造物に対して
大きくずれないようにする目的で展開構造物2に設ける
穴径と保持ロッド3のロッド径のすきまは小さい。ま
た、保持ロッド3のロッド引き抜きばね10が押す径が
一番大きい部位は、引き抜き動作の信頼性を高めるため
ロッドキャッチャー8とのすきまは小さい。結果として
引き抜き動作途中の保持ロッド3aは展開構造物2の穴
とロッドキャッチャー内壁でガイドされるため、引き抜
き途中で保持ロッド3aの先端近傍に保持ロッド半径方
向(ラジアル)に障害物等による変位拘束があるとこじ
りが生じ、動作信頼性が低下するという問題点があっ
た。
【0010】また、従来の保持解放機構は、ロッドカッ
タ4の保持ロッド3を切断する際に発生する金属粉を宇
宙船1内部に拡散させる問題点があった。
タ4の保持ロッド3を切断する際に発生する金属粉を宇
宙船1内部に拡散させる問題点があった。
【0011】また、従来の保持解放機構のロッドカッタ
4は宇宙船1にボルトで直接締結されているために、ロ
ッドカッタ4が発生する衝撃力が宇宙船1に直接伝搬し
てしまい、宇宙船1に搭載されている耐衝撃性の低い機
器に悪影響を及ぼすという問題点があった。
4は宇宙船1にボルトで直接締結されているために、ロ
ッドカッタ4が発生する衝撃力が宇宙船1に直接伝搬し
てしまい、宇宙船1に搭載されている耐衝撃性の低い機
器に悪影響を及ぼすという問題点があった。
【0012】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、動作信頼性の高い宇宙用展開
構造物の保持解放機構を提供することを目的とするもの
である。
めになされたものであり、動作信頼性の高い宇宙用展開
構造物の保持解放機構を提供することを目的とするもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る保持解
放機構は、ナット5を締め上げる際に保持ロッド3をね
じらないで張力を与えるように、保持ロッド3の先端の
ねじ部の先にさらに工具固定部を設けたものである。
放機構は、ナット5を締め上げる際に保持ロッド3をね
じらないで張力を与えるように、保持ロッド3の先端の
ねじ部の先にさらに工具固定部を設けたものである。
【0014】第2の発明による保持解放機構は、保持ロ
ッド3bがナットキャッチャー7と衝突する際の衝撃を
緩和させるためにナットキャッチャー7内部に緩衝材を
備えたものである。
ッド3bがナットキャッチャー7と衝突する際の衝撃を
緩和させるためにナットキャッチャー7内部に緩衝材を
備えたものである。
【0015】第3の発明による保持解放機構は、宇宙船
1側及び展開構造物2側の分離面に交換可能な部品を備
えたものである。
1側及び展開構造物2側の分離面に交換可能な部品を備
えたものである。
【0016】第4の発明による保持解放機構は、引き抜
き途中の保持ロッド3aのラジアル方向に障害物等によ
る変位拘束に対する耐性を高めるために展開構造物2の
穴とかん合する保持ロッド3の部位に段差を設けて引き
抜き途中の可動角度を大きくしたものである。
き途中の保持ロッド3aのラジアル方向に障害物等によ
る変位拘束に対する耐性を高めるために展開構造物2の
穴とかん合する保持ロッド3の部位に段差を設けて引き
抜き途中の可動角度を大きくしたものである。
【0017】第5の発明に係る保持解放機構は、保持ロ
ッド3の切断時に発生する金属粉を宇宙船1内部に拡散
させないようにロッドカッタ4の保持ロッド3通過穴を
延長するようにスリーブを備えたものである。
ッド3の切断時に発生する金属粉を宇宙船1内部に拡散
させないようにロッドカッタ4の保持ロッド3通過穴を
延長するようにスリーブを備えたものである。
【0018】第6の発明に係る保持解放機構は、ロッド
カッタ4の動作時衝撃を緩和するために、宇宙船1とロ
ッドカッタ4の間に緩衝材を備えたものである。
カッタ4の動作時衝撃を緩和するために、宇宙船1とロ
ッドカッタ4の間に緩衝材を備えたものである。
【0019】第7の発明に係る保持ロッドの保持張力負
荷方法は、保持ロッド3をねじらないで張力を与えるよ
うに、保持ロッド3の先端のねじ部の先に設けた工具固
定部をナット5を締め上げる工具とは別に保持ロッド3
の回転を抑えるように固定しながらナット5を締め上げ
るものである。
荷方法は、保持ロッド3をねじらないで張力を与えるよ
うに、保持ロッド3の先端のねじ部の先に設けた工具固
定部をナット5を締め上げる工具とは別に保持ロッド3
の回転を抑えるように固定しながらナット5を締め上げ
るものである。
【0020】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図に基づいて説明する。図1(a)は保
持ロッド3の先端のねじ部の先に工具固定部を設けた保
持解放機構を示すもので図1(b)にその詳細を示す。
図において20は工具固定部として4角形の突起を設け
た例を示している。なお、保持ロッド3は通常チタン合
金等の高強度材料で製造され、ねじ部、工具固定部は保
持ロッド3として一体成形される。
実施の形態1を図に基づいて説明する。図1(a)は保
持ロッド3の先端のねじ部の先に工具固定部を設けた保
持解放機構を示すもので図1(b)にその詳細を示す。
図において20は工具固定部として4角形の突起を設け
た例を示している。なお、保持ロッド3は通常チタン合
金等の高強度材料で製造され、ねじ部、工具固定部は保
持ロッド3として一体成形される。
【0021】次に保持ロッド3に張力をかける手順を説
明する。あらかじめ展開構造物2は宇宙船1と接触させ
ておき、保持ロッド3及び引き抜きばね10を展開構造
物2側から挿入し、ロッドカッタ4の穴を通しておく。
その後、ワッシャ6とナット5を保持ロッド3の先端に
装着し、工具固定部20をスパナ等で保持ロッド3が回
転しないように固定しながら、別のスパナ等の工具でナ
ット5を回転させて締め上げ、保持ロッド3に張力をか
ける。適正な張力がかかったかどうかは保持ロッド3に
貼付した歪みゲージ等で測定し、その確認後に、ナット
キャッチャー7を宇宙船1に、ロッドキャッチャー8を
展開構造物2に取り付ける。
明する。あらかじめ展開構造物2は宇宙船1と接触させ
ておき、保持ロッド3及び引き抜きばね10を展開構造
物2側から挿入し、ロッドカッタ4の穴を通しておく。
その後、ワッシャ6とナット5を保持ロッド3の先端に
装着し、工具固定部20をスパナ等で保持ロッド3が回
転しないように固定しながら、別のスパナ等の工具でナ
ット5を回転させて締め上げ、保持ロッド3に張力をか
ける。適正な張力がかかったかどうかは保持ロッド3に
貼付した歪みゲージ等で測定し、その確認後に、ナット
キャッチャー7を宇宙船1に、ロッドキャッチャー8を
展開構造物2に取り付ける。
【0022】なお、上記実施の形態1において、工具固
定部20は4角の突起形状である必要性はなく、図1
(c)に示すように6角の穴を保持ロッド3のねじ部先
端に設け、六角レンチで回転を防止できる等のものであ
れば同様の効果を奏することは言うまでもない。
定部20は4角の突起形状である必要性はなく、図1
(c)に示すように6角の穴を保持ロッド3のねじ部先
端に設け、六角レンチで回転を防止できる等のものであ
れば同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0023】実施の形態2.図2はこの発明の実施の形
態2を示す図で、図2において17はナットキャッチャ
ー7の内部に設けられたナットキャッチャー側緩衝材で
ある。ナットキャッチャー側緩衝材17は例えばアルミ
ハニカムコアやシリコンゴム等である。
態2を示す図で、図2において17はナットキャッチャ
ー7の内部に設けられたナットキャッチャー側緩衝材で
ある。ナットキャッチャー側緩衝材17は例えばアルミ
ハニカムコアやシリコンゴム等である。
【0024】切断されたナットキャッチャー7側の保持
ロッド3bは張力によって蓄積されていた歪みエネルギ
ーやカッター12の切断力等によってナットキャッチャ
ー7方向に飛んでくるが、ナットキャッチャー側緩衝材
17に当たって衝撃が吸収される。
ロッド3bは張力によって蓄積されていた歪みエネルギ
ーやカッター12の切断力等によってナットキャッチャ
ー7方向に飛んでくるが、ナットキャッチャー側緩衝材
17に当たって衝撃が吸収される。
【0025】なお、上記実施の形態2において、ナット
キャッチャー側緩衝材17はナットキャッチャー7内壁
に設ける必要性はなく、保持ロッド3の先端に設けても
同様の効果を奏することは言うまでもない。
キャッチャー側緩衝材17はナットキャッチャー7内壁
に設ける必要性はなく、保持ロッド3の先端に設けても
同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0026】実施の形態3.図3(a)はこの発明の実
施の形態3を示す図で、図3において18は宇宙船に取
り付けられた分離面を備えた宇宙船側キャップ、19は
展開構造物に取り付けられた分離面を備えた展開構造物
側キャップである。
施の形態3を示す図で、図3において18は宇宙船に取
り付けられた分離面を備えた宇宙船側キャップ、19は
展開構造物に取り付けられた分離面を備えた展開構造物
側キャップである。
【0027】宇宙船側キャップ18及び展開構造物側キ
ャップ19は、その分離面が固体潤滑等の表面処理が施
されており、地上試験等による分離面の損傷度合いに応
じてこれらの部品を交換することで容易に分離面を修復
することが可能となる。図3(b)に展開状態の宇宙船
側キャップ18及び展開構造物側キャップ19を示す。
ャップ19は、その分離面が固体潤滑等の表面処理が施
されており、地上試験等による分離面の損傷度合いに応
じてこれらの部品を交換することで容易に分離面を修復
することが可能となる。図3(b)に展開状態の宇宙船
側キャップ18及び展開構造物側キャップ19を示す。
【0028】実施の形態4.図4はこの発明の実施の形
態4を示す図で、図4において23は保持ロッド3が展
開構造物2の穴とはめあう部位の近傍に設けた段差部で
ある。段差部23と展開構造物2に設ける穴とはすきま
は小さいが、段差部23が穴から抜けた後の保持ロッド
3と穴とのすきまは大きい。
態4を示す図で、図4において23は保持ロッド3が展
開構造物2の穴とはめあう部位の近傍に設けた段差部で
ある。段差部23と展開構造物2に設ける穴とはすきま
は小さいが、段差部23が穴から抜けた後の保持ロッド
3と穴とのすきまは大きい。
【0029】段差部23と展開構造物2に設ける穴との
すきまが小さいため、振動環境によって保持ロッド3が
展開構造物に対して大きくずれることは防げる。また、
段差部23が穴から抜けた後の保持ロッド3と穴とのす
きまが大きいことによって、保持ロッド3のロッド引き
抜きばね10が押す径が一番大きい部位がロッドキャッ
チャー8とのすきまが小さいものの、引き抜き動作途中
の保持ロッド3aの可動角度が大きくなるため、保持ロ
ッド半径方向(ラジアル)に障害物等で変位拘束されて
も保持ロッド3aは引き抜くことが可能となる。
すきまが小さいため、振動環境によって保持ロッド3が
展開構造物に対して大きくずれることは防げる。また、
段差部23が穴から抜けた後の保持ロッド3と穴とのす
きまが大きいことによって、保持ロッド3のロッド引き
抜きばね10が押す径が一番大きい部位がロッドキャッ
チャー8とのすきまが小さいものの、引き抜き動作途中
の保持ロッド3aの可動角度が大きくなるため、保持ロ
ッド半径方向(ラジアル)に障害物等で変位拘束されて
も保持ロッド3aは引き抜くことが可能となる。
【0030】実施の形態5.図5(a)はこの発明の実
施の形態5を示す図で、図5において21はロッドカッ
タ4の保持ロッド3の通過穴を展開構造物側に延長する
スリーブを備えた宇宙船側キャップ、22はロッドカッ
タ4の保持ロッド3の通過穴をナット5側に延長するス
リーブを備えたスリーブ付きワッシャである。図5
(b)にスリーブ付きワッシャ22の斜視図を示す。
施の形態5を示す図で、図5において21はロッドカッ
タ4の保持ロッド3の通過穴を展開構造物側に延長する
スリーブを備えた宇宙船側キャップ、22はロッドカッ
タ4の保持ロッド3の通過穴をナット5側に延長するス
リーブを備えたスリーブ付きワッシャである。図5
(b)にスリーブ付きワッシャ22の斜視図を示す。
【0031】保持ロッド3を切断する際に切断面から金
属粉が発生するが、宇宙船側キャップ21とスリーブ付
きワッシャ22のスリーブ部が発生した金属粉の宇宙船
内部への拡散を防止することが可能となる。
属粉が発生するが、宇宙船側キャップ21とスリーブ付
きワッシャ22のスリーブ部が発生した金属粉の宇宙船
内部への拡散を防止することが可能となる。
【0032】なお、スリーブ部は宇宙船側キャップ18
及びワッシャ6との別のパーツにしても同様の効果を奏
する。
及びワッシャ6との別のパーツにしても同様の効果を奏
する。
【0033】実施の形態6.図6はこの発明の実施の形
態6を示す図で、図6において24はボルト15の軸力
を受けるスリーブ付きワッシャ、25はロッドカッタ4
の緩衝材である。
態6を示す図で、図6において24はボルト15の軸力
を受けるスリーブ付きワッシャ、25はロッドカッタ4
の緩衝材である。
【0034】ロッドカッタ4は緩衝材25のみに接触
し、ロッドカッタ4自身の発生衝撃力を直接宇宙船1に
伝搬させることを防止することが可能となる。
し、ロッドカッタ4自身の発生衝撃力を直接宇宙船1に
伝搬させることを防止することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】第1及び第7の発明によれば、摩擦係数
の影響等の不確定要素が支配するねじり力をかけること
なく保持ロッド3に設計した軸力のみがかかるため、保
持解放機構の信頼性を向上させることに効果がある。ま
た、不確定なねじり力を与えないことが明らかであるた
め、作業性も向上し、結果として低コスト化に効果があ
る。
の影響等の不確定要素が支配するねじり力をかけること
なく保持ロッド3に設計した軸力のみがかかるため、保
持解放機構の信頼性を向上させることに効果がある。ま
た、不確定なねじり力を与えないことが明らかであるた
め、作業性も向上し、結果として低コスト化に効果があ
る。
【0036】第2の発明によれば、保持解放機構の発生
する宇宙船1側で解放衝撃力が低減するため、宇宙船1
内部の耐衝撃性の低い機器への悪影響をなくすことが可
能となり、ひいては宇宙船1全体の信頼性を向上させる
効果がある。
する宇宙船1側で解放衝撃力が低減するため、宇宙船1
内部の耐衝撃性の低い機器への悪影響をなくすことが可
能となり、ひいては宇宙船1全体の信頼性を向上させる
効果がある。
【0037】第3の発明によれば、傷つき易い分離面の
簡便な交換が可能となるため、低コスト化に効果があ
る。
簡便な交換が可能となるため、低コスト化に効果があ
る。
【0038】第4の発明によれば、保持ロッド3の引き
抜き時の障害物等による変位拘束に対する耐性が向上す
るため、動作信頼性の向上に効果がある。
抜き時の障害物等による変位拘束に対する耐性が向上す
るため、動作信頼性の向上に効果がある。
【0039】第5の発明によれば、保持ロッド3の切断
時に発生する金属粉の宇宙船1内部への拡散が防止可能
となり、宇宙船内部機器の短絡及び汚染等が防止できる
ため、宇宙船全体の信頼性を向上させる効果がある。
時に発生する金属粉の宇宙船1内部への拡散が防止可能
となり、宇宙船内部機器の短絡及び汚染等が防止できる
ため、宇宙船全体の信頼性を向上させる効果がある。
【0040】第6の発明によれば、ロッドカッタ4自身
が発生する衝撃力を緩和させることが可能となるため、
宇宙船内部の耐衝撃性の低い機器への悪影響がなくな
り、宇宙船全体の信頼性を向上させる効果がある。
が発生する衝撃力を緩和させることが可能となるため、
宇宙船内部の耐衝撃性の低い機器への悪影響がなくな
り、宇宙船全体の信頼性を向上させる効果がある。
【図1】 この発明の実施の形態1を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態2を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態3を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態4を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態5を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態6を示す図である。
【図7】 従来の保持解放機構の保持状態を示す図であ
る。
る。
【図8】 従来の保持解放機構のロッドカッタ4の実装
状態を示す図である。
状態を示す図である。
【図9】 従来の保持解放機構の動作を示す図である。
1 宇宙船、2 展開構造物、3 保持ロッド、4 ロ
ッドカッタ、5 ナット、6 ワッシャ、7 ナットキ
ャッチャー、8 ロッドキャッチャー、9 ロッドキャ
ッチャー側緩衝材、10 ロッド引き抜きばね、11
分離面、12カッター、13 火薬、14 電気信号
線、15 ボルト、16 ワッシャ、17 ナットキャ
ッチャー側緩衝材、18 宇宙船側キャップ、19 展
開構造物側キャップ、20 保持ロッドの工具固定部、
21 スリーブ付き宇宙船側キャップ、22 スリーブ
付きワッシャ、23 保持ロッドの段差部、24 スリ
ーブ付きワッシャ、25 緩衝材、26 展開機構、2
7 保持解放機構。
ッドカッタ、5 ナット、6 ワッシャ、7 ナットキ
ャッチャー、8 ロッドキャッチャー、9 ロッドキャ
ッチャー側緩衝材、10 ロッド引き抜きばね、11
分離面、12カッター、13 火薬、14 電気信号
線、15 ボルト、16 ワッシャ、17 ナットキャ
ッチャー側緩衝材、18 宇宙船側キャップ、19 展
開構造物側キャップ、20 保持ロッドの工具固定部、
21 スリーブ付き宇宙船側キャップ、22 スリーブ
付きワッシャ、23 保持ロッドの段差部、24 スリ
ーブ付きワッシャ、25 緩衝材、26 展開機構、2
7 保持解放機構。
Claims (7)
- 【請求項1】 宇宙船に折り畳まれた収納状態で搭載さ
れて軌道上で展開する宇宙用展開構造物を地上から打ち
上げ環境及び軌道上の展開前まで保持し、展開時に解放
する宇宙用展開構造物の保持解放機構において、保持ロ
ッド、この保持ロッドに張力をかけるためのナット、前
記保持ロッド張力による押し付け力を受ける宇宙用展開
構造物及び宇宙船側の分離面、前記保持ロッドを切断す
るロッドカッタ、前記ロッドカッタを宇宙船に固定する
ボルト、前記保持ロッドを引き抜くロッド引き抜きば
ね、前記ロッドカッタにより切断されて引き抜かれた保
持ロッドを受け止めるロッドキャッチャー、当該保持ロ
ッドを受け止める際の衝撃を低下させる緩衝材、前記切
断されたナット側の保持ロッドを受け止めるナットキャ
ッチャーとを備え、前記保持ロッド先端に設けられ、地
上において前記保持ロッドに張力をかけるために前記ナ
ットを回す際、そのトルクによって上記保持ロッドが回
転してねじ切れないように工具で固定する工具固定部を
備えたことを特徴とする宇宙用展開構造物の保持解放機
構。 - 【請求項2】 前記ナットキャッチャーにおいて、切断
されたナット側保持ロッドがナットキャッチャーに衝突
する際の衝撃を緩和させるために緩衝材を備えたことを
特徴とする請求項1記載の宇宙用展開構造物の保持解放
機構。 - 【請求項3】 前記宇宙用展開構造物及び宇宙船側の分
離面において、交換可能な部品を備えたことを特徴とす
る請求項1記載の宇宙用展開構造物の保持解放機構。 - 【請求項4】 前記保持ロッドにおいて、分離時の保持
ロッド引き抜き途中の可動角度を増大させるために、展
開構造物とのかん合部位に段差がある保持ロッドを備え
たことを特徴とする請求項1記載の宇宙用展開構造物の
保持解放機構。 - 【請求項5】 前記ロッドカッタにおいて、保持ロッド
の切断によって発生する金属粉が宇宙船内部で拡散しな
いようにロッドカッタの保持ロッド貫通穴を延長するス
リーブを備えたことを特徴とする請求項1記載の宇宙用
展開構造物の保持解放機構。 - 【請求項6】 前記ロッドカッタにおいて、ロッドカッ
タの動作時衝撃を緩和させるために、ロッドカッタと宇
宙船の間に緩衝材を備えたことを特徴とする請求項1記
載の宇宙用展開構造物の保持解放機構。 - 【請求項7】 請求項1記載の宇宙用展開構造物の保持
解放機構において、前記保持ロッドをねじらないで張力
を与えるように、前記保持ロッドの先端の工具固定部
を、ナットを締め上げる工具とは別に保持ロッドの回転
を抑えるように固定しながら前記ナットを締め上げるこ
とを特徴とする保持ロッドの保持張力負荷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11015863A JP2000211597A (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | 宇宙用展開構造物の保持解放機構及び保持ロッドの保持張力負荷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11015863A JP2000211597A (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | 宇宙用展開構造物の保持解放機構及び保持ロッドの保持張力負荷方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000211597A true JP2000211597A (ja) | 2000-08-02 |
Family
ID=11900650
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11015863A Pending JP2000211597A (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | 宇宙用展開構造物の保持解放機構及び保持ロッドの保持張力負荷方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000211597A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007161289A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | Dainippon Printing Co Ltd | 注出口部付き袋 |
CN107352052A (zh) * | 2017-07-19 | 2017-11-17 | 北京吾天科技有限公司 | 一种联动式太阳翼解锁及展开机构 |
-
1999
- 1999-01-25 JP JP11015863A patent/JP2000211597A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007161289A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | Dainippon Printing Co Ltd | 注出口部付き袋 |
CN107352052A (zh) * | 2017-07-19 | 2017-11-17 | 北京吾天科技有限公司 | 一种联动式太阳翼解锁及展开机构 |
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