JP2000210326A - 平板アプリケ―タ - Google Patents

平板アプリケ―タ

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JP2000210326A
JP2000210326A JP11012907A JP1290799A JP2000210326A JP 2000210326 A JP2000210326 A JP 2000210326A JP 11012907 A JP11012907 A JP 11012907A JP 1290799 A JP1290799 A JP 1290799A JP 2000210326 A JP2000210326 A JP 2000210326A
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vibrator
diameter
vibrators
applicator
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JP11012907A
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Katsuhiko Fujimoto
克彦 藤本
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、治療用超音波発生源としての
平板アプリケータにおいて、所望とする治療領域(熱変
性領域)と治療可能サイズとが得られるように平板振動
子の周波数(厚さ)や径を設定することにある。 【解決手段】本発明は、球殻状のベースに複数の平板振
動子2が配置されてなり、各平板振動子2の重心より所
定の距離だけ離れた位置に治療領域3を形成する平板ア
プリケータにおいて、治療領域3が遠距離音場に含まれ
ているとき、治療領域3の位置に平板振動子2各々が作
る音場の最大圧力に対して略1/2〜1/3の圧力を示
す範囲の横方向径が治療領域3の横方向径と略一致する
ように平板振動子2の径が設定されていることを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を使用して
生体内の腫瘍などを治療する超音波治療装置に装備され
る治療用超音波発生源としての平板アプリケータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、MIT(Minimally I
nvasive Treatment)と呼ばれる最少
侵襲治療の流れが医療の各分野で注目を集めている。そ
の一例としては、結石症の治療に体外から強力な治療用
超音波を照射し、無侵襲的に結石を破砕治療する結石破
砕装置の実用化が挙げられ、泌尿器系結石の治療法を大
きく様変わりさせた。この結石破砕装置に使用される強
力超音波発生源としては、水中放電方式、電磁誘導方
式、微小爆発方式、ピエゾ(圧電)方式等があり、特に
ピエゾ方式では治療用超音波の圧力が比較的低いという
短所があるものの、小治療領域(熱変性領域)、消耗品
がない、強力超音波圧力を任意にコントロールできる、
複数のピエゾ素子にかかる駆動電圧を位相制御すること
で治療領域(熱変性領域)を任意にコントロールできる
といった様々な長所がある(特開昭60−145131
号公報、米国特許4,526,168)。
【0003】また、特に悪性新生物、いわゆる癌の場合
には、その治療の多くを外科的手法に頼っている現状か
ら、本来その臓器が持つ機能や外見上の形態を大きく損
なう場合が極めて多い。このため、生命を長らえたとし
ても患者にとって大きな負担が残ることから、QOL
(Quality Of Life)を考慮したより低
侵襲な治療法(装置)の開発が強く望まれている。
【0004】従来、手術、放射線治療、化学療法(抗癌
剤)が癌の3大療法であるが、上述のような低侵襲治療
の流れの中で、新しい癌治療技術の1つとして熱を利用
した治療法が注目を浴びるようになってきた。その著名
な例がハイパーサーミア療法である。これは、腫瘍組織
と正常組織の熱感受性の違いを利用して、患部を42.
5〜43℃以上に加温、維持することで癌細胞のみを選
択的に死滅させる治療法である。
【0005】加温の方法としてはマイクロ波等の電磁波
を用いる方法が先行しているが、この方法では生体の電
気的特性により深部の腫瘍を選択的に加温することは困
難であり、深さ5cm以上の腫瘍に対しては良好な治療
成績は望めない。
【0006】また近年、電磁波エネルギーの深達性の悪
さを改善するためにマイクロ波/RF波アンテナを術中
・腹腔鏡下もしくは経皮的に患部に刺入し、アンテナ周
辺の温度を60℃以上に加熱することで局所的な治療効
果を向上させた新しい治療法が脚光を浴びている(礒田
他:J.Microwave Surgery)。しか
し、この治療法も臓器への穿刺を要するため、従来の手
術療法よりは低侵襲であるが、穿刺に伴う出血や播種
(転移)等の副作用があるといった問題点もある。
【0007】これら従来法の問題点を解決すべく、エネ
ルギーの集束性が良く、かつ、深達度が高い超音波エネ
ルギーを利用して深部腫瘍を体外から加熱治療する方法
の提案がなされている(特開昭61−13955号公
報)。
【0008】また、上記加温治療法を更に進めて、ピエ
ゾ素子より発生した超音波を患部に鋭く集束させて腫瘍
部分を80℃以上の高温に加熱し、腫瘍組織を瞬時に熱
変性壊死させるような治療法、いわゆるホットナイフも
考えられている(G.Vallancien et.a
l:Progress in Urol.1991,
1,84−88[EDAP社論文]、米国特許5,15
0,711)。
【0009】このホットナイフ治療法では、従来のハイ
パーサーミアとは異なり、治療領域(熱変性領域)近傍
の限局した領域に非常に強い強度(数百〜数千W/cm
2 )の超音波が投入されるため、治療領域(熱変性領
域)近傍の狭い領域のみが瞬時に熱変性壊死させられ
る。しかも、その小さな治療領域(熱変性領域)をスキ
ャンしながら患部領域全体を焼灼する必要があるために
治療領域(熱変性領域)の正確な位置決めが非常に重要
となると考えられる。
【0010】これに関する1つの解決法として、我々は
既に特開平5−253192号公報にて、MRI(磁気
共鳴映像法)の化学シフトを利用した体内非侵襲温度分
布画像化により術中の発熱点を計測する技術に関して開
示している。
【0011】更に、超音波単独のシステムでも登録特許
第1851304号、登録特許第1821772号、登
録特許第1765452号に、治療用超音波の治療領域
(熱変性領域)領域からの反射波を検出して超音波画像
上に表示する手法について開示されている。
【0012】また、上述の強力超音波治療装置、特に球
殻状音源を有する強力超音波治療装置では治療領域(熱
変性領域)が非常に鋭く絞られ、超音波エネルギーが強
く集中するために、治療領域(熱変性領域)領域では必
要以上の超音波強度即ち発熱が発生するという問題点が
あった。この問題点を解決する1つの手法として、既に
球殻状振動子を方位方向に分割し、各分割振動子を位相
をズラして交互に駆動することで、治療領域(熱変性領
域)を拡大する位相差駆動法が提案されている(特開平
6−78930号公報)。
【0013】音場拡大の別の手法として、平板振動子を
使用して、音場(振動位相)にじょう乱を与えて治療領
域(熱変性領域)を拡大する方法も考えられるが、これ
まで平板振動子の周波数(厚さ)や径をどの様に設定す
れば狙った深さに所望の大きさで治療領域(熱変性領
域)を形成することができるかが明確ではなかった。こ
のため平板アプリケータの設計にあたっては、所望とす
る治療領域(熱変性領域)と治療可能サイズが得られる
ように平板振動子の周波数(厚さ)や径を様々に変えな
がら実際に音場を実測したり、コンピュータを使ってシ
ュミレーションを繰り返すような非常に面倒な作業を要
していた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、治療
用超音波発生源としての平板アプリケータにおいて、所
望とする治療領域(熱変性領域)と治療可能サイズとが
得られるように平板振動子の周波数(厚さ)や径を設定
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は、球殻状
のベースに複数の平板振動子が配置されてなり、各平板
振動子の重心より所定の距離だけ離れた位置に治療領域
を形成する平板アプリケータにおいて、前記治療領域が
遠距離音場に含まれているとき、前記治療領域の位置に
前記平板振動子各々が作る音場の最大圧力に対して略1
/2〜1/3の圧力を示す範囲の横方向径が前記治療領
域の横方向径と略一致するように前記平板振動子の径が
設定されていることを特徴としている。 (2)本発明は、球殻状のベースに複数の平板振動子が
配置されてなり、前記各平板振動子の重心より所定の距
離だけ離れた位置に治療領域を形成する平板アプリケー
タにおいて、前記焦点が近距離音場に含まれていると
き、前記平板振動子の径が治療領域の横方向径と略一致
するように構成されていることを特徴としている。 (3)本発明は、(1)又は(2)の平板アプリケータ
において、前記平板振動子から前記治療領域までの距離
をR、前記平板振動子の周波数をf、前記平板振動子の
径をφ、水中音速をvとして、Z=(4×v×R)/
(f×φ2 )が、1.25以上を示す範囲が前記遠距離
音場であり、1.25未満を示す範囲が前記近距離音場
であることを特徴としている。 (4)本発明は、(1)の平板アプリケータにおいて、
前記平板振動子から前記治療領域までの距離をR、前記
平板振動子の周波数をf、前記平板振動子の径をφ、水
中音速をvとして、 Z=(4×v×R)/(f×φ2 )≧1.25 (4×v×R)/(3×f×d)≦φ≦(4×v×R)
/(2×f×d) との両方を満たすように前記平板振動子の径が設定され
ていることを特徴としている。 (5)本発明は、球殻状のベースに複数の平板振動子が
配置されてなり、各平板振動子の重心より所定の距離だ
け離れた治療領域に焦点を形成する平板アプリケータに
おいて、前記平板振動子から治療領域までの距離をR、
前記平板振動子の周波数をf、前記平板振動子の径を
φ、水中音速をvとして、 Z=(4×v×R)/(f×φ2 ) が所望の値になるように、前記平板振動子の周波数fと
前記平板振動子の径φとが設定されていることを特徴と
している。 (6)本発明は、球殻状のベースに複数の平板振動子が
配置され、前記平板振動子各々の重心より所定の距離離
れた位置に治療領域を形成する平板アプリケータにおい
て、前記複数の平板振動子には、径と周波数とのうち少
なくとも一方が異なる少なくとも2種類の平板振動子が
含まれていることを特徴としている。 (7)本発明は、球殻状のベースに複数の平板振動子が
配置され、前記平板振動子各々の重心より所定の距離離
れた位置に治療領域を形成する平板アプリケータにおい
て、前記平板振動子各々は、振動子径を変えられるよう
に、径の異なる複数のリング状振動子が同心円状に配置
されてなることを特徴としている。 (8)本発明は、球殻状のベースに複数の平板振動子が
配置され、前記平板振動子各々の重心より所定の距離離
れた位置に焦点を形成する平板アプリケータにおいて、
前記平板振動子各々は、径方向に複数に分割されている
ことを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
よる平板アプリケータを好ましい実施形態により説明す
る。 (第1実施形態)図1に第1実施形態による平板アプリ
ケータの構成を示している。この平板アプリケータは、
強力な治療用超音波を発生する振動子群1と、この治療
用超音波を効率よく患者に伝搬するための超音波伝播媒
質、例えば脱気水5が封入されている可撓性の水袋4と
を有している。その他、図示していないが、平板アプリ
ケータが一般的に備えている焦点を含む断面を断層像と
して映像化するためのイメージング用の超音波プローブ
等を有している。
【0017】上述した振動子群1は、例えば圧電体(ピ
エゾ素子)で平板状に作られた複数の平板振動子2を有
している。複数の平板振動子2は、球殻状のフレームの
内側に、全平板振動子2の重心を通る鉛直線(以下、中
心軸と称する)が略一点で交差するように配列されてい
る。この交差点(以下、焦点6と称する)において、各
平板振動子2から発生した治療用超音波のエネルギーは
最も集束され、その周辺で治療に効果的とされる比較的
高いエネルギー密度が実現される。
【0018】なお、超音波治療とは、生体組織の超音波
吸収特性を利用して、焦点6の周辺組織を加熱変性させ
ることで治療を行うものである。なお、焦点6を中心と
して、圧力が最大圧力から−6dB〜−10dBまでの
範囲(概略圧力半値幅に一致する領域)で効果的に加熱
変性が実現される。ここでは、この範囲を治療領域(熱
変性領域)3として定義する。また、治療領域(熱変性
領域)3の方位方向の長さを、治療可能サイズと定義す
る。
【0019】この平板振動子2の形状は、円形、三角
形、四角形、さらに多角形のいずれでもよいが、ここで
は一般的な円形として説明する。なお、以下で用いる振
動子径とは、円形の平板振動子2の直径を表しているも
のとするが、平板振動子2が円形以外のときには、その
円形でない平板振動子2と同じ面積の円を仮定し、その
仮定した円の直径を当該円形でない平板振動子2の振動
子径として定義する。
【0020】ここで平板アプリケータの初期設計で重要
なのは、上述した焦点6の深度、具体的には平板振動子
2の重心から焦点6(又は治療領域の中心点)までの距
離(以下、焦点距離と称する)と、治療領域(熱変性領
域)3の大きさを表す治療可能サイズとを決定すること
である。このうち焦点距離は、基本的に上記フレームの
曲率によって簡単に調整することができる。これに対し
て所望の治療可能サイズを得るのは、従来技術の所でも
述べたように簡単ではなかった。
【0021】本実施形態では、この所望の治療可能サイ
ズを得るための設計ルールを提供するものであり、具体
的には、平板振動子2の厚さ(共振周波数)と、平板振
動子2の振動子径とをどのような値に設定すれば所望の
治療可能サイズを得ることができるのか、逆に言えば、
決定した平板振動子2の厚さと振動子径とに対してどの
ような治療可能サイズが得られるのか、ということを提
供するものである。以下に、当該設計ルールについて詳
細に説明する。
【0022】各平板振動子2からの超音波の広がり程度
は、図2に示すように、主に平板振動子2の振動子径
と、平板振動子2の厚さに応じた周波数とに依存して決
まる。ここでは、初期設計の段階で決定される焦点距離
をR、また治療可能サイズをdとし、さらに平板振動子
2の振動子径をφ、周波数をf、超音波の水中での伝搬
速度(音速)をvとして、以下の式(1)に示すような
近距離及び遠距離を識別するための新規な指標(以下、
近・遠距離音場インデックスと称する)Zを導入する。
【0023】
【数1】
【0024】そして、発明者は、各平板振動子2からの
超音波を、焦点距離Rだけ離れた深さでの中心軸上の圧
力(最大厚力)に対して、1/2〜1/3(−6〜−1
0dB)の圧力を示す範囲を重ね合わせることで、焦点
距離Rの位置に治療領域(熱変性領域)3を治療可能サ
イズdで最適に形成できることを確認している。
【0025】ここで、近・遠距離音場インデックスZが
2〜3の範囲のとき、振動子径φと、−6〜−10dB
ダウンの治療領域(熱変性領域)3の治療可能サイズd
とが略等価になることから、以下の関係が得られる。
【0026】
【数2】
【0027】従って、式(1)と式(2)とから、
【数3】
【0028】が導き出せる。
【0029】ところで、遠距離音場と近距離音場の明確
な境界は存在しないが、ここでは平板振動子2の重心か
ら延長した圧力が最大圧力の−6〜−12dBを示すラ
イン(直線)と実際の音場が一致する距離を近距離音場
と遠距離音場との境界とすると、その境界値は、 Z≒1.25 であり、近・遠距離音場インデックスZが1.25以上
では遠距離音場、近・遠距離音場インデックスZが1.
25未満では近距離音場となることをつきとめた。従っ
て、遠距離音場条件は、
【数4】
【0030】であるので、振動子径は、
【数5】
【0031】で与えられる。
【0032】従って、遠距離音場条件下において、焦点
距離Rの位置に、治療可能サイズdの治療領域(熱変性
領域)3を形成するための条件としては、上記式(3)
と式(5)とのアンド条件、つまり式(3)と式(5)
との両方を満たすように、平板振動子2の振動子径φと
発生する治療用超音波の周波数f(平板振動子2の厚
さ)とを、又は何れか一方が決まってれば他方を決定す
ればよい。
【0033】一方、近距離音場条件下では、近・遠距離
音場インデックスZ<1.25の範囲で、およそ振動子
径φと治療領域(熱変性領域)横方向径dが等しくな
る。このため、本条件下では、振動子径φは、
【数6】
【0034】で与えられる。
【0035】以下、実際の例を挙げて、本実施形態で決
定した振動子径φを検証する。まず、周波数1.65M
Hz、振動子径φの平板振動子2を複数個配置して、焦
点距離R=70mmの深さに、治療可能サイズd=10
mmの治療領域(熱変性領域)3を形成するケースを想
定する。
【0036】上述の式(3)と式(5)とから、焦点距
離Rに対して振動子径φは、図3に示すように変位す
る。遠距離音場内の焦点距離R=70mmの深さでの斜
線で示す範囲が取り得る振動子径φの範囲であり、つま
り周波数が1.65MHzで振動子径φが10mmの複
数の平板振動子2からの超音波をR=70mmの位置で
重ね合わせると、全放出エネルギーの約80%のエネル
ギーを治療可能サイズd=10mmの範囲内に集めるこ
とができる。
【0037】また、周波数1.65MHz、振動子径φ
の複数の平板振動子2を配置して、焦点距離R=70m
mの深さに、治療可能サイズd=20mmの治療領域
(熱変性領域)を形成するケースでは、上述の式(3)
と式(5)とから、図4に示すように、振動子径φ=5
又は20mmの平板振動子2からの超音波を重ね合わせ
ることで、治療可能サイズ20mmの治療領域(熱変性
領域)を形成できることがわかる。
【0038】図5は振動子径φ=5,10,15,20
mm、周波数f=1.65MHzの平板振動子2を8枚
配置して、焦点距離R=70mmの深さに治療領域(熱
変性領域)3を形成した場合の治療可能サイズdとエネ
ルギー分率との関係を示している。横軸が治療可能サイ
ズで縦軸が全出力に対する治療領域(熱変性領域)3に
集まるエネルギーの割合を表すエネルギー分率であり、
振動子径φ=5又は20mmでは治療可能サイズが5か
ら20mmまでの範囲内でエネルギーが急激に立ち上が
り、約85%のエネルギーが治療可能サイズd=20m
m内に集中していることがわかる。また、振動子径φ=
10mmでは治療可能サイズd=10mmの範囲内で急
激にエネルギーが立ち上がり、約75%のエネルギーが
治療可能サイズd=10mm内に集中している。これら
の値は、上記計算値とほぼ一致している。
【0039】以上のように本実施形態によると、焦点距
離と治療可能サイズとを決めると、それらを実現するた
めに必要な平板振動子の振動子径と厚さ(周波数)とを
容易に導き出すことができる。 (第2実施形態)図6(a)は本実施形態による平板ア
プリケータの振動子群の配置を示している。本実施形態
の振動子群20では、振動子径が異なる複数種類、ここ
では振動子径がd1の平板振動子21と振動子径がd2
の平板振動子22との2種類の振動子をそれぞれ複数個
混在させて、左右上下に対称になるように規則的に配置
している。
【0040】このような振動子群20の平板振動子2
1,22を一斉に駆動すると、焦点6付近では、図6
(b)に示すように、振動子径d1の平板振動子21に
よる音場と振動子径d2の平板振動子22による音場と
を重ね合わせたエネルギー分布が形成される。このよう
な音場を形成することで、照射時間(もしくは投入エネ
ルギー)を制御することにより、短時間照射では比較的
小さな治療領域(熱変性領域)を、また長時間照射では
比較的大きな治療領域(熱変性領域)を形成することが
できる。すなわち図示しない照射コントローラで、照射
時間を制御することにより、治療可能サイズを変えるこ
とができるものである。
【0041】このように本実施形態によると、1つの平
板アプリケータで治療可能サイズを段階的に変えること
が可能となる。なお、本実施形態では、振動子径のみを
違えた2種類の平板振動子を混在させたが、振動子径が
異なる3種類以上の平板振動子を混在させて、治療可能
サイズを3段階以上で変えることができるようにしても
よい。また、振動子径のみの違いによらず、例えば周波
数(厚さ)を違えたり、その両方を違えるようにして
も、同様の効果を得ることができる。この際、各平板振
動子による治療可能サイズは上述した第1実施形態の式
にしたがって計算することができる。
【0042】このように本実施形態では、振動子径と厚
さ(周波数)の少なくとも一方が異なる複数種類の平板
振動子を同時駆動して、その照射時間を制御することが
治療可能サイズを変えることを基本としているが、平板
振動子をその種類毎に選択的に駆動することにより治療
可能サイズを変えるようにしてもよい。 (第3実施形態)図7に本実施形態による平板アプリケ
ータの平板振動子の配列と各振動子の構造を示してい
る。本実施形態の振動子群30は、上述の実施形態と同
様に複数の平板振動子34が配列されて構成されている
が、各平板振動子34の構造に特徴を有している。つま
り、本実施形態の各平板振動子34は、半径方向に同心
円状に分割されている、換言すると振動子径d1の円形
の平板振動子33と、振動子径d2のリング状の平板振
動子32と、振動子径d3のリング状の平板振動子31
とが同心円状に組み合わされた状態で構成されている。
【0043】このような振動子構造によると、平板振動
子33だけを選択的に駆動する場合、平板振動子33と
32とを組み合わせて駆動する場合、そして平板振動子
33と32と31とを組み合わせて駆動する場合とで、
振動子径を実質的に変更することができる。このように
振動子径を変えることで、第1実施形態で説明した通
り、焦点距離Rを変えずに、治療可能サイズdだけを変
えることができる。
【0044】本実施形態では、平板振動子31,32,
33を1つもしくは複数同時に駆動したが、各平板振動
子31,32,33を単純にON/OFFさせるだけで
なく、例えば、駆動強度(投入電力)の比率を平板振動
子31,32,33の間で変えることで、例えば外側の
振動子ほど投入電力を大きくする等の方法にて駆動する
ことで、サイドローブを抑圧し、より細かな音場制御を
実現することが可能となるものである。
【0045】本発明は、上述した実施形態に限定される
ことなく、種々変形して実施可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、所望とする焦点距離と
治療可能サイズとが得られるように平板振動子の周波数
(厚さ)や振動子径を設定することができると共に、希
望の音場拡大により、エネルギーを平滑化し、必要以上
の治療領域(熱変性領域)の発熱や超音波の機械的な力
による組織の破壊等を抑制することができる。
【0047】また、本発明によれば、1つの平板アプリ
ケータで治療可能サイズを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による平板アプリケータ
の側面図。
【図2】図1の平板振動子各々の音場を示す図。
【図3】周波数f=1.65MHzの超音波で、治療可
能サイズd=10mmの治療領域(熱変性領域)を形成
する場合の焦点距離と本実施形態により設定した平板振
動子径との関係を示す図。
【図4】周波数f=1.65MHzの超音波で、治療可
能サイズd=20mmの治療領域(熱変性領域)を形成
する場合の焦点距離と本実施形態により設定した平板振
動子径との関係を示す図。
【図5】振動子径の違いによる治療可能サイズとエネル
ギー分率との関係を示す図。
【図6】(a)は第2実施形態による平板アプリケータ
の平板振動子配列を示す図、(b)は振動子径d1の平
板振動子と振動子径d2の平板振動子とを同時駆動した
ときエネルギー分布を示す図。
【図7】第3実施形態による平板アプリケータの平板振
動子配列と各平板振動子の構造とを示す図。
【符号の説明】
1…振動子群、 2…平板振動子、 3…治療領域(熱変性領域)、 4…水袋、 5…脱気水、 6…焦点。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球殻状のベースに複数の平板振動子が配
    置されてなり、各平板振動子の重心より所定の距離だけ
    離れた位置に治療領域を形成する平板アプリケータにお
    いて、 前記焦点が遠距離音場に含まれているとき、前記治療領
    域の位置に前記平板振動子各々が作る音場の最大圧力に
    対して略1/2〜1/3の圧力を示す範囲の横方向径が
    前記治療領域の横方向径と略一致するように前記平板振
    動子の径が設定されていることを特徴とする平板アプリ
    ケータ。
  2. 【請求項2】 球殻状のベースに複数の平板振動子が配
    置されてなり、前記各平板振動子の重心より所定の距離
    だけ離れた位置に治療領域を形成する平板アプリケータ
    において、 前記治療領域が近距離音場に含まれているとき、前記平
    板振動子の径が前記治療領域の横方向径と略一致するよ
    うに構成されていることを特徴とする平板アプリケー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記平板振動子から前記治療領域までの
    距離をR、前記平板振動子の周波数をf、前記平板振動
    子の径をφ、水中音速をvとして、 Z=(4×v×R)/(f×φ2 ) が、1.25以上を示す範囲が前記遠距離音場であり、
    1.25未満を示す範囲が前記近距離音場であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の平板アプリケータ。
  4. 【請求項4】 前記平板振動子から前記治療領域までの
    距離をR、前記平板振動子の周波数をf、前記平板振動
    子の径をφ、水中音速をvとして、 Z=(4×v×R)/(f×φ2 )≧1.25 (4×v×R)/(3×f×d)≦φ≦(4×v×R)
    /(2×f×d) との両方を満たすように前記平板振動子の径が設定され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の平板アプリケ
    ータ。
  5. 【請求項5】 球殻状のベースに複数の平板振動子が配
    置されてなり、各平板振動子の重心より所定の距離だけ
    離れた位置に治療領域を形成する平板アプリケータにお
    いて、 前記平板振動子から前記治療領域までの距離をR、前記
    平板振動子の周波数をf、前記平板振動子の径をφ、水
    中音速をvとして、 Z=(4×v×R)/(f×φ2 ) が所望の値になるように、前記平板振動子の周波数fと
    前記平板振動子の径φとが設定されていることを特徴と
    する平板アプリケータ。
  6. 【請求項6】 球殻状のベースに複数の平板振動子が配
    置され、前記平板振動子各々の重心より所定の距離離れ
    た位置に治療領域を形成する平板アプリケータにおい
    て、 前記複数の平板振動子には、径と周波数とのうち少なく
    とも一方が異なる少なくとも2種類の平板振動子が含ま
    れていることを特徴とする平板アプリケータ。
  7. 【請求項7】 球殻状のベースに複数の平板振動子が配
    置され、前記平板振動子各々の重心より所定の距離離れ
    た位置に治療領域を形成する平板アプリケータにおい
    て、 前記平板振動子各々は、振動子径を変えられるように、
    径の異なる複数のリング状振動子が同心円状に配置され
    てなることを特徴とする平板アプリケータ。
  8. 【請求項8】 球殻状のベースに複数の平板振動子が配
    置され、前記平板振動子各々の重心より所定の距離離れ
    た位置に治療領域を形成する平板アプリケータにおい
    て、 前記平板振動子各々は、径方向に複数に分割されている
    ことを特徴とする平板アプリケータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022052179A1 (zh) * 2020-09-09 2022-03-17 深圳先进技术研究院 超声神经调控装置

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