JP2000209432A - 画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
ることができる画像処理方法を提供する。 【解決手段】拡大画像中の注目画素p1に対し、原画像
における注目画素p1に対応する位置を中心とした所定
の対応領域RA内の各画素をそれぞれ中心画素とする。
拡大画像における注目画素p1の周辺の3×3画素の対
象領域OA内の各画素と、原画像における中心画素の周
辺の3×3画素の比較領域CA内の各画素との相関度を
求める。相関度は原画像における中心画素を対応領域R
A内で順に異なるものとしながら、それぞれ求める。そ
して、比較領域CAにおいて、対象領域OAとの相関度
が最も高い中心画素を最大相関画素として求め、原画像
における最大相関画素の階調値を拡大画像の注目画素の
階調値と合成する。これにより、拡大画像のエッジが鮮
鋭化される。
Description
した画像内容を有しかつ前記第1画像に対して相対的に
高倍率の画像である第2画像のエッジを鮮鋭化する画像
処理方法に関する。
イリニア補間法」および「バイキュービック補間法」が
多く用いられる。「バイリニア補間法」とは、原画像の
対応するの周辺の最隣接画素の画像データ(階調値)を
注目画素からの距離に応じた重み付けで加重平均して拡
大画像に反映させる補間方法である。また「バイキュー
ビック補間法」では「バイリニア補間法」で最隣接の画
素の画像データの加重平均を用いていたのに対して、さ
らにその外側、すなわち、2番目の隣接範囲内の画素の
画像データまで加重平均して拡大画像に反映させる方法
である。
素の階調値を示す図である。そして、図11は図10の
原画像を「バイリニア補間法」を用いて3倍に拡大した
拡大画像の各画素の階調値を示す図であり、図12は図
11の拡大画像を視覚的に表わした図である。ただし、
図12は後の実施の形態における結果画像(図7)と比
較するため、図11の枠F内のみを表わした。
すように原画像には階調値が「0」の画素と「99」の
画素が隣接する、急峻なエッジ部分が存在する。これに
対応する図11の拡大画像の領域では、階調値が
「0」,「11」,「44」,「99」のように緩やか
に変化するエッジ画像となっている。このため、図12
に示すように、拡大画像はボケた様に見え、画質が劣化
している。
ために、USM(アンシャープマスク)アパーチャーを
用いたエッジ強調処理が行われる。図13は図11およ
び図12の拡大画像にUSMアパーチャーを用いたエッ
ジ強調処理を行った場合の各画素の階調値を示す図であ
り、図14は図13の画像を視覚的に表わした図であ
る。ただし、図14も後の実施の形態における結果画像
(図7)と比較するため、図13の枠F内のみを表わし
た。
ーを用いたエッジ強調処理を行うと、図13および図1
4に示すように、拡大処理で発生した「ジャギー」が強
調され、画質が劣化している。また、本来のエッジの周
辺に、太い輪郭部が発生し、画質劣化の原因となってい
る。
的にピントがボケた画像の場合にはジャギーは発生しな
いが、図13および図14の画像と同様にエッジの周辺
に太い輪郭部が発生し、画質劣化の原因となっていた。
の克服を意図しており、高画質を維持しつつエッジの鮮
鋭度を改善することができる画像処理方法を提供するこ
とを目的とする。
め、請求項1の発明は、第1画像に対応した画像内容を
有しかつ第1画像に対して相対的に高倍率の画像である
第2画像のエッジを鮮鋭化する画像処理方法であって、
第2画像中から注目画素を選択し、当該注目画素および
その周辺の画像からなる対象画素群を特定する工程と、
第1画像から中心画素を選択し、当該中心画素およびそ
の周辺の画像からなる比較画素群を特定する工程と、対
象画像群と比較画素群との画像データの相関度を求める
相関度算出工程と、第1画像の所定の範囲から中心画素
を順次に選択しつつ相関度算出工程を繰り返し、それに
よって複数の相関度を求める第1繰り返し工程と、複数
の相関度のうちで最大の相関度を示す比較画素群に対応
した中心画素を最大相関画素として選択する選択工程
と、第1画像のうちの最大相関画素の画像データに基づ
いて補正情報を得る補正情報取得工程と、得られた補正
情報を第2画像の注目画素の画像データに合成する合成
工程と、第2画像中の各画素を個別に注目画素として、
前記各工程を繰返し行う第2繰り返し工程と、を備えて
いる。
の画像処理方法であって、補正情報が、第1画像の最大
相関画素の画像データである。
請求項2に記載の画像処理方法であって、補正情報が、
第1画像のエッジ成分のうち最大相関画素に対応するも
のである。
請求項3のいずれかに記載の画像処理方法であって、相
関度算出工程が、対象画素群と比較画素群とについて、
互いに対応する画素どうしの階調値の差分の絶対値を、
中心画素からの距離に応じた重み付けで加重加算した値
をもとに相関度を求めるものである。
請求項4のいずれかに記載の画像処理方法であって、第
1繰り返し工程において、第1画像において注目画素に
対応する位置の近傍の画素群から中心画素が順次に選択
される。
請求項5のいずれかに記載の画像処理方法であって、合
成工程において、最大相関画素の近傍または注目画素の
近傍の濃度に応じて、合成の合成比率又は合成加算量が
異なるものである。
し請求項5のいずれかに記載の画像処理方法であって、
合成工程において、最大相関画素付近の濃度コントラス
ト、または注目画素付近の濃度コントラストに応じて、
合成の合成比率又は合成加算量が異なるものである。
面に基づいて説明する。
の画像処理方法を実現する第1の実施の形態である画像
処理装置1の機能ブロック図である。以下、図1を用い
てこの画像処理装置1について説明していく。
いにバスラインBLで接続された装置である。以下、各
部について順に説明していく。画像入力I/F11は、
図示しない外部の画像編集レイアウト装置により作成さ
れた編集済みの原画像データを受け取るインターフェイ
スであり、受け取った原画像データは一時的に画像メモ
リ12に保存される。指示入力部13は図示しないタッ
チパネル、キーボードやマウス等を備えており、作業者
による画像処理の指示入力が行われる。そして、その指
示により画像拡大処理部14により原画像データを拡大
して拡大画像データを得る拡大処理を行ったり、さらに
はUSM処理部15、階調分布比較部16、高相関画素
検出部17、補正データ抽出部18および画像合成部1
9の連携によりこの発明の画像処理(鮮鋭化処理)が施
される。なお、この画像処理の詳細は後述する。また、
上記において画像拡大処理部14、USM処理部15、
階調分布比較部16、高相関画素検出部17、補正デー
タ抽出部18および画像合成部19は図示しないCPU
によりソフトウエア的に実現される。
は図示しないディスプレイ装置等を備えた画像表示部2
0に表示されたり、外部装置への出力のためのインター
フェイスである画像出力I/F21を介して外部の保存
媒体やネットワーク等へ出力される。
理、より詳細にはエッジ鮮鋭化処理について説明する。
第1の実施の形態では、拡大画像(「第2画像」に相
当)の各画素について、それらの画素およびその周辺の
画素が原画像(「第1画像」に相当)と最も近似してい
る(最も相関度の高い)部分を求め、その部分の原画像
の画像データを拡大画像に合成することによって、拡大
画像のエッジを鮮鋭化する。
(エッジ鮮鋭化処理)の手順を示すフローチャートであ
る。以下、図2を基に第1の実施の形態における画像処
理の手順について説明する。なお、予め原画像は画像入
力I/F11を通じて読み込まれ、画像メモリに保存さ
れているものとする。
(ステップS1)。なお、この原画像は以下、参照用画
像として用いられる。
画像に対して拡大処理を行い拡大画像を生成し、画像メ
モリ12に保存する(ステップS2)。なお、この拡大
処理の方法としてはバイキュービック法、バイリニア法
等の公知の方法を用いることができる。
大画像から選択された対象領域OA内の各画素(対象画
素群)の画像データ(階調値)と、それに対応する原画
像の対応領域RAの各画素を中心画素とした各比較領域
CA内の各画素(比較画素群)の画像データ(階調値)
とを、画像メモリ12からそれぞれ読み出し、互いに対
応させて比較し、相関度を求める(ステップS3)。
の注目画素および周辺画素ならびに原画像の中心画素群
および周辺画素について説明するための図である。以
下、図3を用いて詳細に説明する。
に注目する。そして、その注目画素の周辺に存在する画
素を周辺画素とし、注目画素とその周辺の画素とからな
る所定の範囲を対象領域OAとする。第1の実施の形態
ではこの対象領域OAを3×3画素(注目画素に対して
上下左右斜めそれぞれに±1画素)のマトリクス領域と
している。
素に対応する位置である対応位置、すなわち、拡大処理
の際に参照した画素もしくはその位置に最も近い画素位
置を中心とした所定範囲を対応領域RAとしている。第
1の実施の形態では対応位置を中心とした3×3画素の
範囲を対応領域RAとしている。図3の例の場合には、
拡大画像の注目画素p1に対して原画像の対応位置の画
素が画素q1であり、画素q1とそれに対して上下左右
斜めそれぞれに±1画素を含む3×3画素の範囲を対応
領域RAとしている。なお、中心画素を拡大画像の注目
画素に対応する位置もしくはそれに最も近い位置の画素
としたのは、倍率によっては必ずしも拡大画像の画素と
完全に対応する画素が原画像中に存在するとは限らない
ためである。
れぞれ中心画素とし、それら各中心画素の周辺におい
て、上記の拡大画像における対象領域OAと同様の画素
範囲、第1の実施の形態では中心画素に対して上下左右
斜めそれぞれに±1画素を周辺画素とし、中心画素およ
び周辺画素群からなる3×3画素の範囲を比較領域CA
とする。
である。図示のように第1の実施の形態では、対応領域
RA内の各画素を順に中心画素としながら、拡大画像の
対象領域OA内の各画素(注目画素および周辺画素群)
と、それらに対応する原画像の比較領域CAの各画素
(中心画素および周辺画素群)との画像データ(階調
値)の差分の絶対値を求める。これにより、対応する画
素の数(第1の実施の形態では9個)の差分の絶対値が
求まる。そして得られた差分の絶対値を重みをつけて加
重加算する。これを数式で示すと次式となる。
ではN=9)、中心画素群の各中心画素の位置を示す数
をj(第1の実施の形態ではj=1〜9)、各画素位置
をi(第1の実施の形態ではi=1〜9)、不一致指数
をCj、原画像および拡大画像の画素位置iの画像デー
タ(階調値)をそれぞれOGiおよびEGi、重み付け係
数をKiと表わした。
図である。第1の実施の形態では、注目画素(中心画
素)を周辺画素に対して重視するために、重み付け係数
Kiを注目画素(中心画素)からの距離に応じて変化さ
せている。より詳細には距離に応じて減少するものとし
ている。
域CA)内の画素位置を表わし、中心が注目画素(中心
画素)、その周りの画素が周辺画素を意味している。第
1の実施の形態における、各画素の差分の絶対値に対し
て用いる重み付け係数は図5(a)に示す各画素におけ
る重み付け、すなわち、この例では注目画素(i=5)
は重み付け係数K5=4、周辺画素のうち、注目画素の
上下左右の画素は重み付け係数Ki=1、その他の画素
は重み付け係数Ki=0としている。
の式を計算すると、その注目画素の周辺と中心画素の周
辺との不一致指数が得られる。この不一致指数は、その
注目画素近傍の拡大画像と中心画素近傍の原画像とが近
似している程度、すなわち相関度を表わす数値で、不一
致指数が小さいほど相関度が高いことになる。そして、
原画像における中心画素を注目画素から±1画素ずつず
らした対応領域RA内の全ての画素を中心としてそれぞ
れ不一致指数(以下、総称する場合は「不一致指数群」
という)を求める。
たがって比較領域CAのサイズ)を3×3画素とした
が、5×5画素等その他の大きさとしてもよく、また、
重み付け係数Kiも任意であり、例えば、注目画素の階
調を重視しない場合には全ての重み付け係数Kiを同じ
値Ki=1、すなわち、単純加算したりしてもよい。
る。図3の例では拡大画像の画素p1〜p9に対応する
原画像中の画素は画素q1〜q9であり、拡大画像の画
素p1を注目画素とした場合を示している。そして原画
像における中心画素が画素q1である場合には、その周
辺3×3画素、すなわち画素q1〜q9が対応領域RA
となる。また、原画像における中心画素を画素q9とし
た場合には画素q1,q2,q4,q10〜q14が対
応領域RAとなる。
を中心画素とした比較領域CAの各画素と拡大画像にお
ける画素p1を注目画素とした対象領域OAの各画素と
の画像データを用いて不一致指数をそれぞれ求める。す
るとそれにより図4に示すように拡大画像中の1個の注
目画素p1に対して9個(3×3個)の不一致指数C1
〜C9が求められることになる。
階調分布比較部16で得られた不一致指数群において相
関度が最大の原画像での画素位置である最大相関画素を
求める(ステップS4)。すなわち、得られた不一致指
数群(図4の例では不一致指数C1〜C9)のうち、最小
の不一致指数を示した原画像の中心画素を最大相関画素
とする。
補正データを抽出する(ステップS5)。第1の実施の
形態では鮮鋭度を補正するための補正データとして最大
相関画素の画像データを用いている。具体的には画像メ
モリ12から原画像の最大相関画素の画像データを補正
データとして読み出すのである。
像に補正データを合成する(ステップS6)。より詳細
には、拡大画像の注目画素の画像データと補正データと
を所定の比率で加重平均する。
素の階調値を参照し、その画素の濃度が所定の濃度閾値
を越えるか否かで加重の比率を異なるものとしている。
一般にCCD等の画像素子で読み取った画像においては
人間の目の感度特性に濃度値を変換するためLOG変換
と呼ばれる濃度変換が行われている。そのため、画像の
濃度が所定の濃度以上(所定濃度より濃い)の画素では
ノイズが目立ちやすくなる。そこで、そのような画素に
ついてはエッジを強調しないでむしろ拡大画像をそのま
まとした方がノイズを強調しないので画質が良好に保た
れる。そこで第1の実施の形態では、拡大画像の注目画
素の画像データと補正データとの合成比率を1:0、す
なわち、拡大画像の注目画素の画像データをそのままと
している。逆に、拡大画像の濃度が所定の濃度閾値以下
(所定濃度より薄い)の画素では拡大画像の注目画素の
画像データと補正データ、すなわち、最大相関画素の画
像データとの合成比率を0:1、すなわち、拡大画像の
注目画素の画像データを最大相関画素の画像データで置
換している。
うな置換を行っている理由は以下の通りである。図10
に示すように原画像におけるエッジ部分には急峻な階調
の変化が生じているのに対して、図11〜図14に示す
ように拡大画像ではエッジ部分の階調の変化がなだらか
になっている。これは、拡大画像のエッジ部分には原画
像におけるエッジの両側の階調以外に、それらの中間的
な階調の画像データが発生してしまっているためであ
る。そこで、上記のように原画像における相関が最も高
い画素の階調を拡大画像と置換して再現することで、上
記の拡大画像のエッジ部分における中間的な階調を有す
る画素を本来のエッジ部分の、より近い画像の側の階調
に戻して、より原画像のエッジに近い画像を再現してい
る。なお、エッジ部分以外では原画像と拡大画像とは注
目画素近辺でほとんど同じ階調を有していると考えられ
るので、このような合成(置換)を行っても画像として
はあまり変化しないものとなっている。
にするためには、例えば、拡大画像の注目画素の画像デ
ータと補正データとの合成比率(加算の際の重み付け)
を、濃度が所定の濃度閾値以上の場合は2:1とし、濃
度閾値以下の場合は1:2とするなど、両データの重み
付けの差を小さくすればよい。このように、2種の合成
比率は任意の値とすることができる。また、濃度閾値も
当然ながら任意の値とすることができ、さらには、濃度
閾値を複数設けて、複数に分けられた濃度範囲を設け、
各濃度範囲で異なる合成比率を設定したテーブルを用い
たり、濃度値に一対一に対応した合成比率の関数を用い
たりすることもできる。また、オペレーターが手動で変
化させられるものとしてもよい。ただし、傾向としては
高濃度側ではノイズやムラを強調しないために原画像の
比率より拡大画像の比率を大きくし、逆に低濃度側では
その逆にしてエッジを強調する方がよい。
較する対象を最大相関画素としたが、拡大画像の注目画
素を対象としてもよい。
素として選択してステップS3〜S6の処理が終了した
か否かの判定を行う(ステップS7)。そして、終了し
ていなければ拡大画像における次の画素を注目画素とし
てステップS3に戻り、以下、拡大画像の全画素(正確
には拡大画像の端縁部の画素には周辺画素が存在しない
ため、それらの画素以外の全画素)を順に注目画素とし
てステップS3〜S7の処理を繰返す。そして、全画素
についてそれらの処理が終了すると、画像処理を終了す
る。そして、場合によっては得られた画像データを画像
表示部20に表示したり、画像出力I/F11を通じて
外部の保存媒体やネットワークに出力する。
における画像処理方法を用いて3倍に拡大し、エッジ鮮
鋭化を行った画像の各画素の階調値を示す図であり、図
7は図6の画像を視覚的に表わした図である。ただし、
対応領域RAのサイズは3×3画素とし、不一致指数を
求める際の重み付け係数Kiは全てKi=1とし、さら
に、濃度により合成比率を異なるものとはしていない。
側において階調値が「0」の画素と「99」の画素が隣
接する、急峻な画像となっており、中間の階調が存在す
るボケや太い輪郭部は生じていない。なお、図6に示し
た枠Fの外側の画素は周辺画素が一部存在しないためエ
ッジ鮮鋭化処理を行わなかった。そのため、図7にはそ
れらの画素は表示していない。
よれば、拡大画像中の注目画素およびその周辺画素から
なる対象領域OAの画像と、注目画素にほぼ対応する原
画像における注目位置近傍の画素である中心画素および
その周辺画素からなる比較領域CAの画像との相関度
を、対応領域RA内の各画素で中心画素を交代させつつ
求めていき、得られた複数の相関度のうちで最大の相関
度を示す原画像における中心画素を最大相関画素として
選択し、得られた最大相関画素の画像データに基づいて
得た補正データを拡大画像の注目画素の画像データに合
成する処理を拡大画像中の全ての画素を個別に注目画素
として繰返し行うため、相対的に低倍率の原画像のエッ
ジ画像を拡大画像に反映させることができ、したがっ
て、拡大画像について高画質を維持しつつエッジの鮮鋭
度を改善することができる。
の画像データであるため、原画像は拡大画像に対して相
対的に低倍率であるので、エッジが急峻であり、そのエ
ッジをそのまま拡大画像に合成するため、急峻なエッジ
を拡大画像にも再現でき、よりエッジの鮮鋭度を改善で
きる。
目画素の周辺における複数の周辺画素と、原画像中にお
ける中心画素および当該中心画素の周辺における複数の
周辺画素と、について互いに対応する画素どうしの階調
値の差分の絶対値を、中心画素からの距離に応じた重み
付けで加重加算して不一致指数を求めるため、注目画素
と中心画素との相関を重視した不一致指数(したがって
相関度)を求めることができ、原画像中において的確な
最大相関画素を求めることができ、したがって、的確な
エッジ鮮鋭化を行うことができる。
おける注目画素に対応する画素の近傍の領域であるた
め、拡大画像の注目画素と相関度の高い画素のみを対象
として最大相関画素を求めるので、処理時間を短縮でき
る。
て拡大画像データと補正データとの合成比率が異なるも
のとするため、高濃度の画像におけるノイズの強調を防
止できる。
態の画像処理装置1は、第1の実施の形態における図1
に示した装置構成とほぼ同様の装置構成を有している
が、一部の処理部での処理が第1の実施の形態と異なっ
ている。図8はこの発明の第2の実施の形態である画像
処理(エッジ鮮鋭化処理)のフローチャートである。以
下、図8を用いて第2の実施の形態におけるエッジ鮮鋭
化処理について説明する。
る処理工程は第1の実施の形態のステップS1およびS
2と同様である。
像からエッジ成分データを抽出する(ステップS1
3)。具体的には、公知のUSMアパーチャーを用いて
得られるUSM信号をエッジ成分データとして抽出す
る。なお、得られたエッジ成分データは後に補正データ
として使用する。
ぞれ第1の実施の形態のステップS3およびS4と同様
である。これにより第1の実施の形態と同様にして最大
相関画素が求まる。
ステップS13で求めておいた原画像の各画素のエッジ
成分データのうちから、ステップS15で求まった最大
相関画素に対応するデータを補正データとして抽出する
(ステップS16)。第1の実施の形態では補正データ
として最大相関画素の画像データをそのまま補正データ
としていたが、第2の実施の形態では原画像データその
ものを合成するのではなく、そのエッジ成分、すなわち
高周波成分のみを補正データとして拡大画像に合成す
る。これにより原画像の低周波成分を合成しないため、
最大相関画素の画像データをそのまま用いて合成する場
合に比べて、より効果的にエッジを鮮鋭化することがで
きる。
像の注目画素の階調値に抽出した補正データを合成する
(ステップS17)。図9は濃度コントラスト値算出の
際に参照する周辺画素の位置を示す図である。図示のよ
うに、ステップS17では、まず最大相関画素の上下に
位置する画素paとpbとの階調値の差分の絶対値、お
よび左右に位置する画素pcとpdとの階調値の差分の
絶対値を求め、それらの和を濃度コントラストを表わす
濃度コントラスト値として求める。
を越えるか否かで合成加算量(エッジ成分データに乗じ
る係数)を異なるものとする。より詳細には、拡大画像
の濃度コントラスト値が所定のコントラスト閾値以下の
場合は、拡大画像の注目画素に対する補正データの合成
加算量を「0」、すなわち、拡大画像の注目画素の画像
データをそのままとしている。逆に、拡大画像の濃度コ
ントラスト値が所定のコントラスト閾値以上では拡大画
像の注目画素に対する補正データの合成加算量を「1」
としている。
量を異ならせている理由は以下の通りである。すなわ
ち、濃度コントラストが小さい平坦な画像でエッジを強
調するとノイズやムラが目立ち易く画質劣化の原因とな
る。また、JPEG圧縮画像を解凍処理した場合にブロ
ック歪みと呼ばれる矩形状の濃度のギャップが現れる画
質劣化が見られる。これらの画質劣化を避けるために
は、濃度コントラストが小さい画像におけるエッジ成分
と捉えられる部分はあまり鮮鋭化しない方がよい。その
ため、上記のように合成加算量を変えているのである。
1の実施の形態と同様に、拡大画像の注目画素に対する
補正データの合成加算量(加算の際の重み付け)を、濃
度コントラストがコントラスト閾値以上の場合は0.5
とし、コントラスト閾値以下の場合は0.2とするな
ど、両データの重み付けの差を小さくすればよい。この
ように、2種の合成加算量は任意の値とすることができ
る。また、コントラスト閾値も任意の値とすることがで
き、さらには、複数のコントラスト閾値により濃度コン
トラストの範囲を複数設け、各濃度コントラスト範囲で
異なる合成加算量を設定したテーブルを用いたり、濃度
コントラスト値に一対一に対応した合成加算量の関数を
用いたりすることもできる。また、オペレーターが手動
で変化させられるものとしてもよい。ただし、傾向とし
ては濃度コントラスト値が小さい側ではノイズや歪みを
強調しないために補正データの合成加算量を小さくし、
逆に濃度コントラスト値が大きい側ではその逆にしてエ
ッジを強調する方がよい。
を濃度閾値と比較する対象を最大相関画素としたが、拡
大画像の注目画素を対象としてもよい。
態のステップS7と同様の判定を行い、第1の実施の形
態と同様にステップS14〜S17の処理を拡大画像の
全画素について行うと、第2の実施の形態における画像
処理を終了する。
よれば、第1の実施の形態と同様に、拡大画像について
高画質を維持しつつエッジの鮮鋭度を改善することがで
きるとともに、的確なエッジ鮮鋭化を行うことができ、
さらに、処理時間を短縮できる。
のエッジ成分であるため、原画像の低周波成分を合成し
ないことにより、最大相関画素の画像データをそのまま
用いて合成する場合に比べて、より効果的にエッジを鮮
鋭化することができる。
画素の濃度コントラストに応じて拡大画像データと補正
データとの合成加算量が異なるため、コントラストのな
い平坦な画像の部分で目立つノイズやムラ、およびJP
EG圧縮画像を解凍した際などに発生する画像歪みなど
が強調されるのを防止できる。
2の実施の形態では拡大画像のエッジを鮮鋭化する画像
処理を行ったが、実際の画像処理としては原画像そのも
のを鮮鋭化したい場合が少なくない。そこで、そのよう
な場合には第1および第2の実施の形態のエッジ鮮鋭化
方法を用いてエッジを鮮鋭化することができる。具体的
には、原画像を縮小処理して縮小画像を得て、その縮小
画像を第1および第2の実施の形態における原画像とみ
なし、また、基になった原画像を逆に第1および第2の
実施の形態における拡大画像とみなし、それら画像につ
いて第1の実施の形態と同様の処理を施すことによって
エッジの鮮鋭化処理を行うというものである。すなわ
ち、縮小画像をこの発明の第1画像とし、原画像をこの
発明の第2画像とするということである。これは、画像
は縮小処理を行うとエッジが鮮鋭化されることを原理的
に用いている。そして、この方法によっても急峻なエッ
ジを有する画像に変換することができる。
においては拡大画像のエッジを鮮鋭化する際に原画像を
参照用画像として用いたが、原画像がすでにエッジがボ
ケた画像であった場合には、原画像を縮小処理し、得ら
れた縮小画像を参照用画像として第1および第2の実施
の形態のエッジ鮮鋭化処理を行うこともできる。すなわ
ち、縮小画像をこの発明の第1画像とし、拡大画像をこ
の発明の第2画像とするということである。これも、上
記と同様、画像は縮小処理を行うとエッジが鮮鋭化され
ることを原理的に用いている。これによりエッジを鮮鋭
化することができる。
の形態において画像処理装置1およびそれによる画像処
理(エッジ鮮鋭化処理)の例を示したが、この発明はこ
れに限られるものではない。
態では、原画像における対応領域RAを3×3画素等、
拡大画像の注目画素近傍の画素領域としたが、より大き
な領域、例えば原画像の全画素を対象領域としてもよ
い。
関画素のみの濃度を濃度閾値と比較するものとしたが、
その近傍の濃度平均や拡大画像の注目画素またはその近
傍の画素の濃度平均を濃度閾値と比較するものとしても
よい。
関画素近傍の画素の濃度コントラスト値をコントラスト
閾値と比較したが、拡大画像の注目画素近傍の画素の濃
度コントラスト値を求めてコントラスト閾値と比較する
ものとしてもよい。
像および拡大画像の色については言及しなかったが、カ
ラー画像に対しては、各色成分ごとに上記各実施の形態
を実行することによりエッジを鮮鋭化することができ
る。
グレー成分を求め、グレー成分で各画素の画像データの
比較をすることで、色ズレの少いエッジの鮮鋭化処理が
できる。
求項7の発明によれば、第1画像に対応した画像内容を
有しかつ第1画像に対して相対的に高倍率の画像である
第2画像中から注目画素を選択し、その注目画素および
その周辺の画像からなる対象画素群を特定する一方、第
1画像から中心画素を選択し、中心画素およびその周辺
の画像からなる比較画素群を特定し、対象画像群と比較
画素群との画像データの相関度を求める。この工程を第
1画像の所定の範囲から中心画素を順次に選択しつつ繰
り返し、それによって複数の相関度を求め、そのうちで
最大の相関度を示す比較画素群に対応した中心画素を最
大相関画素として選択し、第1画像のうちの最大相関画
素の画像データに基づいて補正情報を得て、その補正情
報を第2画像の注目画素の画像データに合成する。そし
て、第2画像中の各画素を個別に注目画素として、これ
ら各工程を繰返し行うため、相対的に低倍率の第1画像
のエッジ画像を第2画像に反映させることができ、した
がって、第2画像について高画質を維持しつつエッジの
鮮鋭度を改善することができる。
情報が第1画像の最大相関画素の画像データであるた
め、第1画像は第2画像に対して相対的に低倍率である
ためエッジが急峻であり、そのエッジをそのまま第2画
像に合成するため、急峻なエッジを第2画像にも再現で
き、よりエッジの鮮鋭度を改善できる。
情報が第1画像のエッジ成分のうち最大相関画素に対応
するものであるため、原画像の低周波成分を合成しない
ことにより、最大相関画素の画像データをそのまま用い
て合成する場合に比べて、より効果的にエッジを鮮鋭化
することができる。
度算出工程が、対象画素群と比較画素群とについて、互
いに対応する画素どうしの階調値の差分の絶対値を、中
心画素からの距離に応じた重み付けで加重加算した値を
もとに相関度を求めるものであるため、注目画素と中心
画素との相関を重視した相関度を求めることができ、原
画像中において的確な最大相関画素を求めることがで
き、したがって的確なエッジ鮮鋭化を行うことができ
る。
繰り返し工程においては、第1画像において注目画素に
対応する位置の近傍の画素群から中心画素が順次に選択
されるため、拡大画像の注目画素と相関度の高い部分か
ら最大相関画素を求めるので、処理時間を短縮できる。
相関画素の近傍または注目画素の近傍の濃度に応じて、
合成比率が異なるものであるため、高濃度の画像におけ
るノイズの強調を防止できる。
大相関画素付近の濃度コントラスト、または注目画素付
近の濃度コントラストに応じて、合成比率が異なるもの
であるため、コントラストのない平坦な画像の部分で目
立つノイズやムラ、およびJPEG圧縮画像を解凍した
際などに発生する画像歪みなどが強調されるのを防止で
きる。
の形態である画像処理装置の機能ブロック図である。
すフローチャートである。
および周辺画素ならびに原画像の中心画素群および周辺
画素について説明するための図である。
像処理方法を用いて3倍に拡大し、エッジ鮮鋭化を行っ
た画像の各画素の階調値を示す図である。
フローチャートである。
素の位置を示す図である。
を示す図である。
いて3倍に拡大した拡大画像の各画素の階調値を示す図
である。
る。
ーチャーを用いたエッジ強調処理を行った場合の各画素
の階調値を示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 第1画像に対応した画像内容を有しかつ
前記第1画像に対して相対的に高倍率の画像である第2
画像のエッジを鮮鋭化する画像処理方法であって、 前記第2画像中から注目画素を選択し、当該注目画素お
よびその周辺の画像からなる対象画素群を特定する工程
と、 前記第1画像から中心画素を選択し、当該中心画素およ
びその周辺の画像からなる比較画素群を特定する工程
と、 前記対象画像群と前記比較画素群との画像データの相関
度を求める相関度算出工程と、 前記第1画像の所定の範囲から前記中心画素を順次に選
択しつつ前記相関度算出工程を繰り返し、それによって
複数の相関度を求める第1繰り返し工程と、 前記複数の相関度のうちで最大の相関度を示す比較画素
群に対応した中心画素を最大相関画素として選択する選
択工程と、 前記第1画像のうちの前記最大相関画素の画像データに
基づいて補正情報を得る補正情報取得工程と、 得られた補正情報を前記第2画像の前記注目画素の画像
データに合成する合成工程と、 前記第2画像中の各画素を個別に注目画素として、前記
各工程を繰返し行う第2繰り返し工程と、 を備えることを特徴とする画像処理方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の画像処理方法であっ
て、 前記補正情報が、前記第1画像の前記最大相関画素の画
像データであることを特徴とする画像処理方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の画像処
理方法であって、 前記補正情報が、前記第1画像のエッジ成分のうち前記
最大相関画素に対応するものであることを特徴とする画
像処理方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
載の画像処理方法であって、 前記相関度算出工程が、 前記対象画素群と前記比較画素群とについて、互いに対
応する画素どうしの階調値の差分の絶対値を、前記中心
画素からの距離に応じた重み付けで加重加算した値をも
とに相関度を求めるものであることを特徴とする画像処
理方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
載の画像処理方法であって、 前記第1繰り返し工程において、 前記第1画像において前記注目画素に対応する位置の近
傍の画素群から前記中心画素が順次に選択されることを
特徴とする画像処理方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
載の画像処理方法であって、 前記合成工程において、 前記最大相関画素の近傍または前記注目画素の近傍の濃
度に応じて、前記合成の合成比率又は合成加算量が異な
るものであることを特徴とする画像処理方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
載の画像処理方法であって、 前記合成工程において、 前記最大相関画素付近の濃度コントラスト、または前記
注目画素付近の濃度コントラストに応じて、前記合成の
合成比率又は合成加算量が異なるものであることを特徴
とする画像処理方法。
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