JP2000207000A - 信号処理装置および信号処理方法 - Google Patents

信号処理装置および信号処理方法

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JP2000207000A
JP2000207000A JP766299A JP766299A JP2000207000A JP 2000207000 A JP2000207000 A JP 2000207000A JP 766299 A JP766299 A JP 766299A JP 766299 A JP766299 A JP 766299A JP 2000207000 A JP2000207000 A JP 2000207000A
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Japan
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tonal component
tonal
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block
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English (en)
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Keiji Matsunaga
圭司 松永
Masaki Tsukamoto
正樹 塚本
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Nippon Columbia Co Ltd
Original Assignee
Nippon Columbia Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタルオーディオ信号から量子化雑音等を
低減する際、量子化雑音等と同等またはそれ以下の微小
なレベルの信号成分を良好に再現することを可能にす
る。 【解決手段】 トーナル成分記憶部34に記憶されてい
る過去のトーナル成分に基づき、現時点のトーナル成分
を推測するトーナル成分推測部35と、減衰演算部36
と、加算部39と、加算部39からの加算結果とFFT
部31からの周波数軸成分との差分を求める差分算出部
40と、差分算出部40からの差分結果を逆FFT変換
する逆FFT部41と、逆FFT部41により変換され
た時間軸成分に所定の窓掛けを行なう窓掛け処理部42
と、遅延部45によって所定時間遅延された入力信号に
対して、量子化雑音が除去される方向に、窓掛け処理部
42からの窓掛け処理された時間軸成分を合成する合成
部43とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル化された
オーディオ信号(デジタルオーディオ信号)から量子化雑
音または量子化歪を低減した出力を得る信号処理装置お
よび信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平7−193502号には、
デジタル化されたオーディオ信号(デジタルオーディオ
信号)に対して、量子化雑音または量子化歪の低減を目
的とした信号処理装置が示されている。すなわち、この
信号処理装置では、デジタル化されたオーディオ信号
(デジタルオーディオ信号)を周波数領域へ変換した後、
有効な信号成分がないと思われる帯域の係数を減衰ある
いは消去して、有効な信号成分の周波数領域係数を残
し、時間軸に逆変換するようにしている。この場合の周
波数領域係数の有効,無効の判断は、量子化雑音に相当
する量を閾値レベルとし、この閾値レベル以下の帯域に
対して減衰または消去を行なうことにより、量子化雑音
の低減効果を得るものである。
【0003】図17には、上記信号処理装置の構成例が
示されている。図17を参照すると、信号入力端58か
ら入力されたデジタルオーディオ信号(PCM信号)は、
FFT(高速フーリエ変換)部51において周波数軸成分
に変換されて、減衰帯域減衰量決定部60と係数演算部
61とに与えられる。減衰帯域減衰量決定部60では、
量子化雑音レベルを想定した閾値レベル以下の成分から
なる帯域をFFT部51からの周波数軸成分から抽出す
るとともに、この帯域の所定量の減算を係数演算部61
に指示する。係数演算部61では、減衰帯域減衰量決定
部60からの指示に基づきFFT部51からの周波数軸
成分に対し減算処理を施し逆FFT部57へ出力する。
逆FFT部57では、係数演算部61からの減算処理さ
れた周波数軸成分に逆FFTを施して時間軸波形に変換
し、その結果を出力端59より出力する。
【0004】このように、図17の信号処理装置では、
量子化雑音を減少させた信号を出力させることを意図し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の技術は、雑音が減少した聴感を得るには有効で
あるが、量子化雑音と同等またはそれ以下の微小なレベ
ルの信号成分を再現できるものではなく、時間推移によ
って減衰していく楽音信号などが突然消えてしまうよう
に聞こえたり、また、処理後の信号には狭帯域を感じる
ことがある。
【0006】本発明は、デジタル化されたオーディオ信
号(デジタルオーディオ信号)から量子化雑音または量子
化歪を低減する際に、量子化雑音等と同等またはそれ以
下の微小なレベルの信号成分を良好に再現することの可
能な信号処理装置および信号処理方法を提供することを
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、請求項1記載の発明は、入力信号を所定時間遅延さ
せる遅延手段と、入力信号の複数サンプルを1ブロック
とするときに、入力信号を、オーバーラップして区切ら
れた各ブロック毎に、周波数軸成分に変換する変換手段
と、変換手段によって変換されたブロック単位の周波数
軸成分からトーナル成分を検出するトーナル成分検出部
と、過去のトーナル成分に基づいて、現時点のトーナル
成分を推測するトーナル成分推測部と、現時点のトーナ
ル成分が微小なレベルであるときに、トーナル成分推測
部で推測された現時点のトーナル成分を有効なものとし
て扱い、この場合、変換手段によって変換されたブロッ
ク単位の周波数軸成分において、推測されたトーナル成
分に相当する帯域のデータをゼロとし、トーナル成分以
外の所定の帯域信号を減衰させる減衰演算部と、減衰演
算部において現時点のトーナル成分が微小なレベルであ
ると判断されトーナル成分推測部で推測された現時点の
トーナル成分を有効なものとして扱う場合に、トーナル
成分推測部によって推測されたトーナル成分と減衰演算
部からの出力とを加算する加算手段と、加算手段からの
加算結果と変換手段によって変換されたブロック単位の
周波数軸成分との差分を求める差分算出手段と、差分算
出手段からの差分の周波数軸成分をブロック単位の時間
軸波形に逆変換する逆変換手段と、逆変換手段からのブ
ロック単位の時間軸波形に所定の窓関数を施す窓掛け処
理手段と、遅延手段によって遅延された入力信号に対し
て、量子化雑音または量子化歪が除去される方向に、窓
掛け処理手段からの時間軸波形を合成する合成手段とを
有していることを特徴としている。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の信号処理装置において、減衰演算部は、現時点のト
ーナル成分が微小なレベルでないときには、トーナル成
分推測部で推測された現時点のトーナル成分を無効なも
のとして扱い、この場合、加算手段に対し、トーナル成
分推測部によって推測されたトーナル成分と減衰演算部
からの出力との加算を禁止し、変換手段からの周波数軸
成分をそのまま、減衰演算部からの出力として差分算出
手段に与えるようになっていることを特徴としている。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の信号処理装置において、トーナル成分推測部は、現
在のブロックの2ブロック前のトーナル成分パワーと1
ブロック前のトーナル成分パワーの比による等比減衰と
して、現在のブロックの微小なトーナル成分を推測する
ことを特徴としている。
【0010】また、請求項4記載の発明は、請求項1記
載の信号処理装置において、トーナル成分推測部は、現
在のブロックの2ブロック前のトーナル成分パワーと1
ブロック前のトーナル成分パワーの差による等差減衰と
して、現在のブロックの微小なトーナル成分を推測する
ことを特徴としている。
【0011】また、請求項5記載の発明は、入力信号の
複数サンプルを1ブロックとするときに、入力信号を、
オーバーラップして区切られた各ブロック毎に、周波数
軸成分に変換し、変換されたブロック単位の周波数軸成
分からトーナル成分を検出し、トーナル成分の時間推移
により減衰していく微小なトーナル成分を推測し、1ブ
ロック内において、トーナル成分としては、上記推測さ
れた微小なトーナル成分を用い、また、トーナル成分以
外の帯域については、周波数軸成分を減衰させたものを
用いて、改変係数群を構成し、該改変係数群と実際の入
力信号による周波数軸成分との差分成分を算出し、該差
分成分をブロック単位の時間軸波形に逆変換し、逆変換
されたブロック単位の時間軸波形に窓掛け処理を施し、
窓掛け処理された時間軸波形を、所定時間遅延された入
力信号に、量子化雑音または量子化歪が除去される方向
に、合成することを特徴としている。
【0012】また、請求項6記載の発明は、入力信号を
時間的に反転させた後、請求項5記載の信号処理方法を
施し、得られた結果の信号を再度時間的に反転させた
後、出力することを特徴としている。
【0013】また、請求項7記載の発明は、請求項5記
載の信号処理方法において、現在のブロックの微小トー
ナル成分は、現在のブロックの2ブロック前のトーナル
成分パワーと1ブロック前のトーナル成分パワーの比に
よる等比減衰として、推測されることを特徴としてい
る。
【0014】また、請求項8記載の発明は、請求項6記
載の信号処理方法において、現在のブロックの微小トー
ナル成分は、現在のブロックの2ブロック前のトーナル
成分パワーと1ブロック前のトーナル成分パワーの差に
よる等差減衰として、推測されることを特徴としてい
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本願の先願である特願平10
−239559号に記載の信号処理装置の構成例を示す
図である。図1を参照すると、この信号処理装置は、入
力信号を周波数軸成分に変換する変換手段(FFT部)1
と、周波数軸成分からトーナル成分を検出するトーナル
成分検出部2と、パラメータ算出部3と、トーナル成分
記憶部4と、トーナル成分記憶部4に記憶されている過
去のトーナル成分に基づいて、現時点のトーナル成分を
推測するトーナル成分推測部5と、減衰演算部6と、加
算部9と、加算部9からの加算結果を周波数軸成分から
時間軸波形に逆変換する逆変換手段(逆FFT部)20と
を有している。
【0016】ここで、トーナル成分について説明する。
トーナル成分とは、楽音中の正弦波的成分のことを定義
したものである。主要成分がいくつかの正弦波からなる
楽音信号はFFTスペクトルにピークを作ることに着目
して、例えば、以下のように楽音信号のFFT結果より
トーナル成分を求めることができる。
【0017】すなわち、時間軸方向に所定の時間幅の区
切りを1つのブロックとして定義するとき、あるブロッ
クのFFTスペクトルX(ブロックサイズkのとき、X
はX(0),X(1),…,X(n),…X(k/2-1)よりなる。添
字は低周波数側からの並び順)が例えば図2のように抽
出されたとする。このFFTスペクトルXの中で極大な
もの(両隣の周波数成分より大)を抽出し、この抽出され
た極大スペクトルの中で、さらに、nによって定まる特
定の周波数範囲(2≦i≦C,Cはnによって決まる定
数)において、次式を満たすスペクトルX(n)がトーナル
成分の中心として定義され、また、この場合、図2の例
では、|X(n-1)+X(n)+X(n+1)|がこのトーナル成
分のパワー,すなわちトーナル成分レベルとして定義さ
れる。
【0018】
【数1】X(n)−7dB>X(n-i),かつX(n)−7dB
>X(n+i)
【0019】なお、数1において、7dBは任意に設定
された数値であり、必要に応じて7dBを他の数値に置
き換えることもできる。
【0020】トーナル成分検出部2では、上述の方法
で、図2に示すように、トーナル成分を検出し、トーナ
ル成分の周波数位置(トーナル成分周波数)と、トーナル
成分のレベル(トーナル成分レベル)とを出力するように
なっている。
【0021】また、パラメータ算出部3は、トーナル成
分検出部2で検出されたトーナル成分やその周囲のスペ
クトルの大まかな特徴をパラメータとして算出するもの
であり、算出結果はトーナル成分毎のパラメータとして
トーナル成分記憶部4に記憶されるようになっている。
図3には、パラメータ算出部3によって算出され、トー
ナル成分記憶部4に記憶されるパラメータの一例が示さ
れている。
【0022】図3の例では、トーナル成分検出部2で検
出されたトーナル成分の周波数位置(トーナル成分周波
数)と、トーナル成分のレベル(トーナル成分レベル)と
ともに、その周囲のスペクトルの大まかな特徴として、
側波帯減衰量と、上側−7dB以下帯域幅と、上側帯域
指定減衰量と、下側−7dB以下帯域幅と、下側帯域指
定減衰量とが、パラメータとして算出されている。
【0023】ここで、側波帯減衰量は、図2において、
側波帯X(n-i)の帯域,側波帯X(n+i)の帯域の平均スペ
クトルレベルとトーナル成分レベルとの比を算出したも
のである。
【0024】また、上側(下側)−7dB以下帯域幅は、
図2に示すように、側波帯X(n+1)(X(n-1))を超えて、
トーナル成分に対し−7dB以下のスペクトルレベルが
持続する上側の(下側の)帯域幅D(E)である。また、上
側(下側)帯域指定減衰量は、上記帯域幅D(E)の平均ス
ペクトルレベルとトーナル成分レベルとの比である。
【0025】これらのパラメータは、現時点のブロック
の直前の過去数ブロック分についてのものを、トーナル
成分記憶部4に記憶させておく。すなわち、トーナル成
分記憶部4は、トーナル成分検出部2の出力であるトー
ナル成分を、上述したパラメータとともに一時的に(図
3の例では過去2ブロック分)記憶しておくものであ
る。
【0026】また、トーナル成分推測部5は、トーナル
成分記憶部4に記憶されているトーナル成分周波数とト
ーナル成分レベルを参照して、過去のブロックのトーナ
ル成分推移から例えば次の数2あるいは数3に基づいて
現時点のブロックのトーナル成分を推測するようになっ
ている。すなわち、過去のブロックのトーナル成分の時
間推移から等比減衰による微小トーナル成分を推測する
場合、数2に基づいて現時点のブロックのトーナル成分
を予測することができる。
【0027】
【数2】log10X(n)=log10-1(n)+{log10
-1(n)−log10-2(n)}
【0028】一方、過去のブロックのトーナル成分の時
間推移から等差減衰による微小トーナル成分を推測する
場合、数3に基づいて現ブロックのトーナル成分を予測
することができる。
【0029】
【数3】X(n)=X-1(n)+{X-1(n)−X-2(n)}
【0030】なお、数2,数3において、X-1(n)は、
1つ前のブロックのトーナル成分レベルであり、X
-2(n)は、2つ前のブロックのトーナル成分レベルであ
り、X(n)は、推測されるべき現時点のブロックのトー
ナル成分レベルである。
【0031】そして、トーナル成分推測部5は、推測し
たトーナル成分と、このトーナル成分に関してトーナル
成分記憶部4に記憶されているパラメータとを減衰演算
部6に与えるようになっている。
【0032】そして、減衰演算部6は、トーナル成分推
測部5で推測された現時点のトーナル成分が有効か無効
かの判断を行なうようになっている。すなわち、例え
ば、トーナル成分が減衰傾向にないか、あるいは推測さ
れた現時点のトーナル成分レベルが上記所定の閾値レベ
ル以下でないときには、トーナル成分が微小なレベルの
ものでなく、楽音成分が量子化雑音に埋もれていないと
判断し、トーナル成分推測部5で推測された現時点のト
ーナル成分が無効なものであるとするようになってい
る。そして、この場合には、減衰演算部6は、例えば、
現時点のブロックにおけるFFT部1からの周波数軸成
分をそのまま加算部9に与え、また、加算部9に対し
て、トーナル成分推測部5によって推測されたトーナル
成分との加算を禁止し、現時点のブロックにおけるFF
T部1からの周波数軸成分をそのまま逆FFT部20に
与えるようになっている。
【0033】これに対し、トーナル成分が減衰傾向にあ
り、かつ推測された現時点のトーナル成分レベルが上記
所定の閾値レベル以下であった場合には、現時点のトー
ナル成分が微小なレベルのものであり、楽音成分が量子
化雑音に埋もれていると判断し、トーナル成分推測部5
で推測された現時点のトーナル成分が有効なものである
とするようになっている。そして、この場合には、減衰
演算部6は、変換手段1によって変換された周波数軸成
分において、トーナル成分推測部5で推測された現時点
のトーナル成分に相当する帯域のデータをゼロとし、ト
ーナル成分以外の所定の帯域信号を減衰させて、加算部
9に与え、加算部9において、トーナル成分推測部5に
よって推測されたトーナル成分と減衰演算部6からの出
力とを加算させるようになっている。
【0034】これにより、出力端11から出力される波
形は、量子化雑音等と同等またはそれ以下の微小なレベ
ルの信号成分が良好に再現されたものとなる。
【0035】トーナル成分が微小なレベルのものであ
り、楽音成分が量子化雑音に埋もれていると判断した場
合、減衰演算部6は、トーナル成分推測部5からの推測
されたトーナル成分と、そのトーナル成分に関するパラ
メータと、所定の閾値レベルとにより、各帯域における
減衰率を決定するようになっている。ここで、所定の閾
値レベルは、例えば量子化雑音によるスペクトルパワー
についての閾値として設定することができる。例えばフ
ルスケールに対し−90dBというように設定すること
ができる。
【0036】より詳細に、減衰特性の決定法は、トーナ
ル成分とその周囲成分とで異なる。先ず、トーナル成分
については、トーナル成分推測部5により推測された現
時点のトーナル成分が有効であれば、FFT部1の出力
である周波数軸成分から、推測された現時点のトーナル
成分帯域のスペクトルレベルを0とする。
【0037】また、トーナル成分の周囲成分について
は、次のように行なう。すなわち、トーナル成分の上側
(下側)帯域指定減衰量が指定されている帯域内または側
波帯のみを対象とし、かつ、それぞれの帯域内平均パワ
ーが所定の閾値レベル以下の信号成分をもつ帯域のみに
対して減衰処理を行なう。
【0038】図3のパラメータを一例として説明する
と、推測された現時点のブロック(現ブロック)のトーナ
ル成分レベルが−92.6dB、側波帯減衰量が9.0
dBならば、側波帯については、側波帯内平均レベルが
101.6dB(トーナル成分レベルから側波帯減衰量
を減算したもの)になるような減衰率で減衰処理を行な
う。また、同様のトーナル成分レベルに対し上側帯域指
定減衰量が9.8dBであれば、上側帯域については、
上側帯域指定範囲内の平均レベルが102.dB(トー
ナル成分から上側帯域指定減衰量を減算したもの)にな
るような減衰率で減衰処理を行なう。下側帯域指定範囲
内に対しても同様に減衰処理を行なう。
【0039】上述のように減衰の方法に関しては、レベ
ル的な閾値のみでなく周波数的にも帯域を制限すること
で、聴感上の音質劣化を軽減することができる。
【0040】このように、特開平10−239559号
に記載の信号処理装置においては、デジタルオーディオ
信号にFFT変換処理を施して時間軸成分から周波数軸
成分に変換し、周波数軸成分からトーナル成分を検出
し、過去のトーナル成分に基づいて現時点でのトーナル
成分を推測すると共に、トーナル成分以外の部分の周波
数軸成分のレベルを減衰させ、推測したトーナル成分と
減衰したトーナル成分以外の周波数軸成分とに逆FFT
変換処理を施して周波数軸成分から時間軸成分に変換し
た後、2つの波形を合成して出力する。このことによ
り、デジタルオーディオ信号の解像度(ビット長)不足に
より、楽音の減衰部分で気になる量子化雑音による音質
劣化やエンベロープの尻切れを効果的に減少させること
ができ、微小音再現性の高い高音質なデジタルオーディ
オ信号を得ることができる。
【0041】ところで、上述の信号処理装置において、
FFT部1におけるFFT変換処理は、具体的には、次
のようになされる。すなわち、FFT変換処理は、可逆
変換であるため、時間軸成分のデジタルオーディオ信号
を周波数軸成分に変換し、当該周波数軸成分を時間軸成
分に変換したとき、元のデジタルオーディオ信号に戻
る。例えば、図4(a)に示す単一周波数の信号に対して
FFT変換処理を施す場合、複数サンプル(例えば、1
024サンプル)を1ブロックとして区切り、各ブロッ
ク単位に時間軸成分から周波数軸成分に変換を行なう。
時間軸成分から周波数軸成分に変換するとき、図4(b)
に示すように、当該ブロックを繰り返し用いて波形の周
波数を分析し周波数軸成分に変換するため、ブロックと
ブロックとのつなぎ目で波形が不連続になることがあ
る。この波形の不連続部分は、高い周波数の誤差成分と
なる。ここで、単一周波数の信号を複数サンプルを1ブ
ロックとして区切り、時間軸成分から周波数軸成分に変
換すると、図4(c)に示すように、単一周波数以外の周
波数成分にもスペクトルが存在するスペクトル分布とな
る。
【0042】この場合、図4(b)に示す波形の不連続に
よる誤差成分を除去するために、図4(d)に示すよう
に、当該ブロックに窓関数(ウインドウ関数)を掛けて、
ブロックとブロックとのつなぎ目部分では、信号のレベ
ルがなめらかに「0」となるようにして、ブロックとブ
ロックとのつなぎ目による誤差成分を除去する。
【0043】しかしながら、上述のブロックの区切り方
式では、複数サンプルを1ブロックとして区切るとき、
区切られた各ブロックは、それぞれ窓関数が掛けられる
ため、各ブロックの周波数軸成分に対して逆FFT変換
処理を行なった場合、ブロックとブロックのつなぎ目の
信号レベルが「0」となる信号波形となり、元の信号波
形と異なる波形となる。
【0044】このような問題を回避するため、すなわ
ち、逆FFT変換処理を施した際に元の信号波形になる
ように、複数サンプルを1ブロックとして区切る場合
に、図5(a)に示すように、ブロックとブロックとがオ
ーバーラップ(例えば、50%のオーバーラップ)するよ
うに区切る。ブロックとブロックとがオーバーラップし
た部分の信号は、これらを重ね合せた(加算した)信号レ
ベルが「1」となるように窓関数が決められる。
【0045】従って、FFT部1におけるFFT変換処
理では、複数サンプルを1ブロックとして、図5(a)に
示すように、それぞれのブロックがオーバーラップする
ように区切られ、そして、各ブロックには、図5(b)に
示すように、窓関数が掛けられる。図5(b)に示す各ブ
ロックを周波数軸成分に変換すると、図5(c)に示すよ
うなスペクトル分布が得られる。このスペクトル分布に
対して逆FFT変換処理を施した場合に、元の信号波形
と同じ波形が得られる。すなわち、窓(窓関数)の振幅を
重ね合わせた結果が「1」となるように、ブロックをオ
ーバーラップすることによって、逆FFT変換処理を施
した場合に、元の波形に戻すことができる。
【0046】しかしながら、図1の信号処理装置では、
FFT部1により変換されたブロック単位の周波数軸成
分(実際の入力信号による周波数軸成分)に対して、トー
ナル成分が微少なものである場合、減衰演算部6におい
て、トーナル成分以外の所定の帯域信号を減衰させる一
方、トーナル成分については、トーナル成分推測部5で
推測されたものを用いている。図6(a)はFFT部1に
より変換されたブロック単位の周波数軸成分(実際の入
力信号による周波数軸成分)の一例を示す図であり、図
6(b)は図6(a)のブロック単位の周波数軸成分(実際
の入力信号による周波数軸成分)に対して、トーナル成
分が微少なものである場合、減衰演算部6において、ト
ーナル成分以外の所定の帯域信号を減衰させる一方、ト
ーナル成分については、トーナル成分推測部5で推測さ
れたものを用い、これらを加算した場合の成分の一例を
示す図である。図6(b)を図6(a)と比べればわかるよ
うに、図6(b)のレベル波形は、図6(a)の元のレベル
波形に対して変更されたものとなっている。このような
レベルの変更がなされた図6(b)の加算結果に逆FFT
変換を施した場合には、その1つのブロックについての
逆FFT変換された結果の時間軸成分は図6(c)のよう
になり、ブロックのつなぎ目で時間軸成分に段差(信号
が「0」とはならない値)D1,D2が生じてしまい、
この段差D1,D2によって音質が低下することがあ
る。
【0047】このような問題が生ずるのを防止するた
め、すなわち、微小トーナル成分を推測して付加すると
ともに、その周囲帯域を効果的に減衰させることによっ
て、量子化雑音による音質劣化を防止し、かつ、このと
き、逆変換された信号に上記のような段差が生ずるのを
防止するため、本願の発明者は、さらに、図7に示すよ
うな信号処理装置を案出した。
【0048】図7を参照すると、この信号処理装置は、
入力信号を所定時間遅延させる遅延部45と、入力信号
を周波数軸成分に変換する変換手段(FFT部)31と、
周波数軸成分からトーナル成分を検出するトーナル成分
検出部32と、パラメータ算出部33と、トーナル成分
記憶部34と、トーナル成分記憶部34に記憶されてい
る過去のトーナル成分に基づいて、現時点のトーナル成
分を推測するトーナル成分推測部35と、減衰演算部3
6と、加算部39と、加算部39からの加算結果とFF
T部31からの周波数軸成分(実際の入力信号による周
波数軸成分)との差分を求める差分算出部40と、差分
算出部40からの差分結果を逆FFT変換して時間軸成
分に変換する逆変換手段(逆FFT部)41と、逆FFT
部41により変換された時間軸成分に所定の窓掛けを行
なう窓掛け処理部42と、遅延部45によって所定時間
遅延された入力信号(時間軸成分)に対して、量子化雑音
が除去される方向に、窓掛け処理部42からの窓掛け処
理された時間軸成分を合成する合成部43とを有してい
る。
【0049】この図7の信号処理装置において、変換手
段(FFT部)31,トーナル成分検出部32,パラメー
タ算出部33,トーナル成分記憶部34,トーナル成分
推測部35,減衰演算部36,加算部39は、図1の信
号処理装置の変換手段(FFT部)1,トーナル成分検出
部2,パラメータ算出部3,トーナル成分記憶部4,ト
ーナル成分推測部5,減衰演算部6,加算部9と全く同
様の構成,機能を有している。
【0050】また、遅延部45において、入力信号を遅
延させる所定時間は、FFT部31から窓掛け処理部4
2までの処理時間に相当する。また、窓掛け処理部42
は、逆FFT部41から出力された信号波形に対し、窓
関数(ウインドウ関数)として、FFT部31(1)で用い
る窓関数と同じ関数を用いて窓掛け処理を行なうことが
できる。
【0051】次に、このような構成の信号処理装置の処
理動作について説明する。いま、信号入力端30からデ
ジタルオーディオ信号(PCM楽音信号)が入力されると
き、入力されたデジタルオーディオ信号(PCM楽音信
号)に対してFFT部31でFFT(高速フーリエ変換)
を施し周波数軸成分に変換した後、トーナル成分検出部
2では、周波数軸成分に変換された信号Fからトーナル
成分を検出する。
【0052】この際、パラメータ算出部33では、トー
ナル成分検出部32で検出されたトーナル成分に対し、
その周囲成分スペクトルのトーナル成分自身に対するレ
ベル差などのトーナル成分に関するパラメータを算出す
る。また、トーナル成分記憶部34には、過去のブロッ
クでのトーナル成分をパラメータとともに一時的に記憶
しておく。
【0053】そして、トーナル成分推測部35では、ト
ーナル成分記憶部34に記憶されているトーナル成分の
時間推移に基づき、現時点のブロックでのトーナル成分
を推測する。
【0054】また、トーナル成分推測部35は、予測し
たトーナル成分F''を減衰演算部36に与える。なお、
減衰演算部36には、トーナル成分推測部35から、さ
らに、トーナル成分記憶部34に記憶されているトーナ
ル成分に関するパラメータも与えられる。
【0055】減衰演算部36では、トーナル成分推測部
35で推測されたトーナル成分が有効か無効かの判断を
行なう。すなわち、例えば、トーナル成分が減衰傾向に
ないか、あるいは推測されたトーナル成分レベルが上記
所定の閾値レベル以下でないときには、減衰演算部36
は、トーナル成分が微小なものではなく楽音成分が量子
化雑音に埋もれていないと判断し、トーナル成分推測部
35で推測されたトーナル成分を無効なものであるとす
る。そして、この場合には、例えば、現時点のブロック
におけるFFT部31からの周波数軸成分をそのまま加
算部39に与え、また、加算部39に対して、トーナル
成分推測部35からの波形との加算を禁止する。
【0056】これに対し、例えば、トーナル成分が減衰
傾向にあり、かつ推測されたトーナル成分レベルが上記
所定の閾値レベル以下であった場合には、減衰演算部3
6は、トーナル成分が微小なものであり、楽音成分が量
子化雑音に埋もれていると判断し、トーナル成分推測部
35で推測されたトーナル成分が有効なものであるとす
る。そして、この場合には、推測されたトーナル成分に
相当する帯域のデータをゼロとし、トーナル成分以外の
所定の帯域信号を減衰させて加算部39に与え、加算部
39において、トーナル成分推測部35によって推測さ
れたトーナル成分と減衰演算部36からの出力とを加算
させるようになっている。
【0057】より詳細に、減衰演算部36では、FFT
部31から出力された信号Fにおいて、トーナル成分推
測部35から出力された予測トーナル成分F''に相当す
る帯域のデータをゼロとし、またトーナル成分の周囲成
分減衰に関するパラメータとを参照して、現時点のブロ
ックにおける減衰すべき帯域幅と帯域毎の減衰量を決定
し、現時点のブロックでの周波数軸成分に対して減衰処
理を行なって、出力信号F'とする。そして、加算部3
9では、減衰演算部36からの波形とトーナル成分推測
部35からの波形とを加算する。
【0058】次いで、差分算出部40では、加算部39
からの周波数軸成分とFFT部31からの周波数軸成分
(実際の入力信号による周波数軸成分)との差分を算出す
る。なお、この差分は、例えば、加算部39からの周波
数軸成分から、FFT部31からの周波数軸成分を減算
することによって算出される。
【0059】このようにして、差分算出部40で、加算
部39からの周波数軸成分とFFT部31からの周波数
軸成分(実際の入力信号による周波数軸成分)との差分が
算出されたとき、逆FFT部41では、この差分に逆F
FT変換処理を施して周波数軸成分から時間軸成分に変
換する。そして、窓掛け処理部42では、逆FFT部4
1において時間軸成分に変換された上記差分の信号波形
(時間軸成分)に対して所定の窓関数(ウインドウ関数)を
掛ける。窓掛け処理部42において窓掛け処理された信
号は、合成部43に与えられ、合成部43では、窓掛け
処理された信号を遅延部45で遅延された元のデジタル
オーディオ信号の波形に合成して出力する。なお、合成
部43における合成は、差分算出部40における差分
が、加算部39からの周波数軸成分からFFT部31か
らの周波数軸成分を減算することによって算出されると
きには、加算としてなされる。すなわち、このとき、合
成部43は加算部として機能するようになっている。
【0060】図8,図9には、図7の信号処理装置の処
理概要が示されている。なお、図8はトーナル成分が減
衰傾向にないか、あるいは推測されたトーナル成分レベ
ルが上記所定の閾値レベル以下でなく、トーナル成分推
測部35で推測されたトーナル成分を無効なものである
とする場合の処理例を示す図であり、図9はトーナル成
分が減衰傾向にあり、かつ推測されたトーナル成分レベ
ルが上記所定の閾値レベル以下であり、トーナル成分推
測部35で推測されたトーナル成分を有効なものである
とする場合の処理例を示す図である。
【0061】図8を参照すると、入力信号が図8(a)の
ようなものであるとき、時間T1までは、トーナル成分
が減衰傾向にないか、あるいは推測されたトーナル成分
レベルが上記所定の閾値レベル以下でない場合には、減
衰演算部36は、トーナル成分が微小なものではなく楽
音成分が量子化雑音に埋もれていないと判断し、トーナ
ル成分推測部35で推測されたトーナル成分を無効なも
のであるとする。そして、この場合には、減衰演算部3
6は、例えば、現時点のブロックにおけるFFT部31
からの周波数軸成分をそのまま加算部39に与え、ま
た、加算部39に対して、トーナル成分推測部35から
の波形との加算を禁止する。これにより、加算部39か
らの出力(図8(c))は、FFT部31からの出力(図8
(b))と全く同様のものとなり、差分算出部40からの
出力は、図8(d)に示すように、ゼロとなる。この結
果、逆FFT部41,窓掛け処理部42からの出力波形
は、図8(e)のように、ゼロレベルのものとなり、合成
部43からの出力は、図8(a)の時間T1までは、図8
(a)に示す信号波形そのものとなる。
【0062】一方、図9を参照すると、入力信号が図9
(a)のようなものであるとき(この例では、入力信号が
図8(a)と全く同様のものとしている)、時間T1以後
は、トーナル成分が減衰傾向にあり、かつ推測されたト
ーナル成分レベルが上記所定の閾値レベル以下であった
場合には、減衰演算部36は、トーナル成分が微小なも
のであり、楽音成分が量子化雑音に埋もれていると判断
し、トーナル成分推測部35で推測されたトーナル成分
が有効なものであるとする。そして、この場合には、減
衰演算部36は、推測されたトーナル成分に相当する帯
域のデータをゼロとし、トーナル成分以外の所定の帯域
信号を減衰させて加算部39に与え、加算部39におい
て、トーナル成分推測部35によって推測されたトーナ
ル成分と減衰演算部36からの出力とを加算させるよう
になっている。これにより、FFT部31からの出力が
図9(b)に示すものであるとき、加算部39からの出力
は、図9(c)に示すようなものとなり、差分算出部40
からの出力は、図9(d)に示すようなものとなる。
【0063】すなわち、差分算出部40からの出力,す
なわち差分結果(なお、図9(d)の例では、差分は、例
えば、加算部39からの周波数軸成分から、FFT部3
1からの周波数軸成分を減算することによって算出され
る)は、トーナル成分に相当する帯域以外の帯域に着目
するとき、減衰演算部36で減衰された周波数軸成分と
FFT部31からの実際の入力信号の周波数軸成分との
差,すなわちトーナル成分を除くノイズ等の成分の減衰
量を表わしている。また、図9(d)の例では、トーナル
成分に相当する帯域に着目するとき、この差分結果は、
トーナル成分推測部35で推測された現時点のトーナル
成分とFFT部31からの実際の入力信号のトーナル成
分との差を表わしている。なお、図9(d)の例では、こ
の差は+(プラス)となっており、推測されたトーナル成
分の方が実際の入力信号のトーナル成分よりも大きくな
ったものとなっている。
【0064】差分算出部40からの出力が図9(d)に示
すようなものとなるとき、逆FFT部41からの出力
は、図9(e)のようになる。図9(e)の信号波形(時間
軸成分)は、これを入力信号に重ね合せる(加算する)と
きに、入力信号に含まれる量子化雑音等を除去する方向
に働く。しかしながら、端子30から入力した入力信号
を遅延部45で所定時間遅延させ、所定時間遅延した入
力信号に対して、微小トーナル成分を推測して付加する
とともに、その周囲帯域を効果的に減衰させるために、
逆FFT部41からの信号波形(図9(e)の信号波形)を
直接合成(加算)すると、図9(e)の信号波形はブロック
のつなぎ目(端部)で「0」でない成分,すなわち段差を
もつことによって、合成された入力信号も段差を有する
ものとなってしまう。合成された入力信号にこのような
段差が生じないようにするため、本発明では、窓掛け処
理部42で、逆FFT部41からの出力に所定の窓関数
(ウインドウ関数)を掛ける。この窓関数には、ブロック
のつなぎ目(端部)で「0」となるものが用いられ、従っ
て、図9(e)の信号波形に窓関数を掛けると、図9(f)
のように、ブロックのつなぎ目(端部)が「0」となる信
号波形が得られ、図9(f)の信号波形を入力信号(図9
(a)の時間T1以後の部分)に重ね合わせると(合成(加
算)すると)、微小トーナル成分を推測して付加するとと
もに、その周囲帯域を効果的に減衰させることができ、
さらには、段差のない良好な信号が得られる。
【0065】上記図9の処理は、より具体的には、次の
ようになされる。図10,図11はこの様子を示してい
る。図10,図11を参照すると、例えば、図10(a)
に示すデジタルオーディオ信号に、複数ポイント(例え
ば1024ポイント)を1ブロックとし、各ブロックに
窓関数を掛けて、ブロック間をオーバラップさせてFF
T変換処理を施すと、図10(b)または図10(c)に示
すようなスペクトル分布となる。
【0066】図10(b)に示すブロックについて注目す
ると、図10(b)に示すブロックのスペクトル分布から
トーナル成分を検出し、そのトーナル成分に基づいて前
ブロックのスペクトル分布から当該ブロックにおけるス
ペクトル分布を推定すると、図10(d)に示すようにな
る。
【0067】図10(d)に示す推定したスペクトル分布
と図10(b)に示す元のデジタルオーディオ信号のスペ
クトル分布とを比較することにより、図10(e)に示す
差分のスペクトル分布が得られる。図10(e)に示す差
分のスペクトル分布に逆FFT変換処理を施すと、図1
1(f)に示すような波形が得られる。この図11(f)に
示す信号波形に対して窓関数を掛けることにより図11
(g)に示す信号波形が得られる。すなわち、図11(f)
に示す差分成分の信号波形に対して窓関数を掛けること
により、図11(g)に示すように、微小レベルのオーデ
ィオ信号に相当する差分波形を、段差を生じさせること
なく生成することができる。
【0068】このような処理を他のブロックに対しても
行なう。図10(c)に示すブロックに対して前述した処
理を行なうと、図11(h)に示す信号波形が得られる。
そして、図11(g)および図11(h)に示す微小レベル
の信号波形を互いのブロックをオーバーラップさせて、
図10(a)に示す元のデジタルオーディオ信号の波形に
加算することにより、図11(i)に示すような信号波形
のデジタルオーディオ信号を得ることができる。
【0069】このように、本発明の信号処理装置では、
微小レベルのデジタルオーディオ信号を周波数軸上にお
けるトーナル成分を用いて推定し、推定した周波数軸成
分を時間軸成分に変換し、オーバーラップした窓掛け処
理を施して元のデジタルオーディオ信号の波形と波形合
成するため、歪みが少なく、量子化雑音による音質劣化
を効果的に減少させたデジタルオーディオ信号を得るこ
とができる。
【0070】次に図7の信号処理装置の動作をさらによ
り具体的に詳細に説明する。図12(a)に示すような滑
らかな楽音波形は、A/D変換されることによって、量
子化ノイズが加わった図12(b)に示すようなデジタル
オーディオ信号(PCM信号)となる。このPCM信号
は、図7の信号入力端30から入力されFFT部31に
おいて例えば1024ポイントのブロックごとにFFT
が行なわれる。この際、良好な周波数解像度と逆変換後
の滑らかな波形接続のために、ブロック間をオーバラッ
プさせる。FFT結果である周波数軸成分(周波数領域
係数)は、トーナル成分検出部32,減衰演算部36へ
出力される。
【0071】図12(c)には、図12(b)のPCM信号
をFFT部1においてオーバーラップするブロックB
1,B2,B3,B4ごとにFFTを行なった結果が示
されている。
【0072】図12(a),(b)の例では、入力信号(P
CM信号)のパワーは、時間経過とともに徐々に弱いも
のとなっており、図12(c)のブロックB1,B2,B
3,B4において、ブロックB1,B2,B3の各スペ
クトルレベル(平均レベル)は、所定の閾値レベル以上の
ものとなっているが、ブロックB4のスペクトルレベル
(平均レベル)は、所定の閾値以下のものとなっている。
すなわち、ブロックB4では、楽音成分が弱くなって量
子化雑音に埋もれ始めた状態となっている。
【0073】この場合、ブロックB1,B2,B3につ
いては、減衰演算部36は、トーナル成分が微小なもの
でなく楽音成分が量子化雑音に埋もれていないと判断
し、トーナル成分推測部35で推測されたトーナル成分
が無効なものであるとする。すなわち、ブロックB1,
B2,B3については、図12(c)の周波数軸成分を時
間軸波形に変換された結果が、そのまま出力される。
【0074】これに対し、ブロックB4については、減
衰演算部36は、トーナル成分が微小なものであり、楽
音成分が量子化雑音に埋もれていると判断し、トーナル
成分推測部35で推測されたトーナル成分が有効なもの
であるとする。
【0075】より具体的に、このとき、トーナル成分記
憶部34には、1つ前のブロックとしてブロックB3に
おけるパラメータが記憶され、2つ前のブロックとし
て、ブロックB2におけるパラメータが記憶されてい
る。そして、トーナル成分推測部35は、例えば数2あ
るいは数3に従って現時点のブロックB4についてのト
ーナル成分X(n)(=F'')を予測する。図13(a)に
は、このようにして予測されたブロックB4のトーナル
成分F''が示されている。そして、このとき、減衰演算
部36は、推測されたトーナル成分に相当する帯域のデ
ータをゼロとし、トーナル成分以外の所定の帯域信号を
減衰させる。図13(b)には、ブロックB4の周波数軸
成分Fに対して減衰処理を施した結果F'が示されてい
る。
【0076】ブロックB4について、減衰演算部36に
よって減衰処理が施された図13(b)の周波数軸成分
F'と、トーナル成分推測部35からの図13(a)の周
波数軸成分(予測されたトーナル成分をもつ周波数軸成
分)F''とは加算部39で加算され、加算部39からは
図13(c)に示す成分F'''が出力される。また、差分
算出部40からは、加算部39の出力F'''とFFT部
31からの実際の入力信号による周波数軸成分Fとの差
分成分F''''が図13(d)に示すように出力する。差分
算出部40の出力は逆FFT部41によって時間軸に戻
される。この後、窓掛け処理が施される。そして、最後
に合成部43によって入力信号波形と逆FFT部9の出
力波形が合成(加算)され、出力端44より出力される。
この波形は図14に示すように微小レベル部で、量子化
雑音が低減されたものとなる。すなわち、図14を図1
2(b)と比べればわかるように、本発明の信号処理を行
なった結果は、量子化雑音に埋もれていた微小レベルの
楽音成分が良好に再現されたものとなっている。
【0077】このように、本発明では、入力信号の複数
サンプルを1ブロックとするときに、入力信号を、オー
バーラップして区切られた各ブロック毎に、周波数軸成
分に変換し、変換されたブロック単位の周波数軸成分か
らトーナル成分を検出し、トーナル成分の時間推移によ
り減衰していく微小なトーナル成分を推測し、1ブロッ
ク内において、トーナル成分としては、上記推測された
微小なトーナル成分を用い、また、トーナル成分以外の
帯域については、周波数軸成分を減衰させたものを用い
て、改変係数群を構成し、該改変係数群と実際の入力信
号による周波数軸成分との差分成分を算出し、該差分成
分をブロック単位の時間軸波形に逆変換し、逆変換され
たブロック単位の時間軸波形に窓掛け処理を施し、窓掛
け処理された時間軸波形を、所定時間遅延された入力信
号に、量子化雑音または量子化歪が除去される方向に、
合成することにより、PCM信号の解像度(ビット長)を
超えた微小信号成分の再生が可能となる。
【0078】換言すれば、トーナル成分を使用して(微
小トーナル成分を予測してこれを用いることで)、量子
化雑音に埋もれている楽音成分を良好に抽出することが
できる。すなわち、微小トーナル成分を推測して付加す
るとともに、その周囲帯域を効果的に減衰させることに
よって、PCM信号の解像度(ビット長)不足により、特
に楽音の減衰部分で気になる量子化雑音による音質劣化
やエンベロープの尻切れを効果的に減少させることがで
き、微小音再現性の高い高音質なデジタルオーディオ信
号を得ることができる。
【0079】なお、上述の説明では、デジタルオーディ
オ信号の減衰部分に本発明を適用する場合について説明
したが、本発明は、デジタルオーディオ信号の減衰部分
のみではなく、いわゆる音楽信号の立ち上り部分にも適
用することができる。
【0080】具体的に、本発明の信号処理装置は、図1
5に示すようなシステムに用いることができる。すなわ
ち、元のデジタルオーディオ信号が記録されている記録
媒体(例えば、マスターテープ)71からデジタルオーデ
ィオ信号をパーソナル・コンピュータ72に読み込み、
データとしてメモリ装置73に記録する。メモリ装置7
3に記録されたデータは、パーソナル・コンピュータ7
2の制御により、本発明の信号処理装置75に送出さ
れ、信号処理装置75は、メモリ装置73からのデータ
に前述した本発明の信号処理を施して出力する。そし
て、信号処理装置75から出力されたデジタルオーディ
オ信号は、記録媒体(例えば、光ディスク)76に記録さ
れる。
【0081】このような構成において、メモリ装置73
からデジタルオーディオ信号を信号処理装置75に送出
する際、パーソナル・コンピュータ72を用いて、デジ
タルオーディオ信号を本来の時間の流れに基づくデータ
順序に対して反対の順序でデータを送出することができ
る。すなわち、楽曲であれば、曲の終わりから曲の始ま
りに向かってデータを送出する。この順序で送出された
デジタルオーディオは、信号処理装置72により前述し
た本発明の信号処理が施されることによって、デジタル
オーディオ信号における立ち上がり部分においても、歪
みが少なく、量子化雑音による音質劣化を効果的に減少
させることができる。
【0082】図16(a),(b)には、この様子が示され
ている。すなわち、信号処理前のデジタルオーディオ信
号が図16(a)のようなものである場合、このデジタル
オーディオ信号に本発明の信号処理を適用することによ
って、図16(b)に示すような信号に変換することがで
きる。すなわち、入力信号を時間的に反転された後、上
述した本発明の信号処理方法を施し、得られた結果の信
号を再度時間的に反転させた後、出力することで、音の
減衰成分と同様に、立ち上がり部分における微小トーナ
ル成分に対しても同様の効果を与える手段を簡単に実現
できる。
【0083】なお、前述の説明では、微小トーナル成分
を数2の等比減衰として、または数3の等差減衰として
推測するとしたが、デジタルオーディオ信号の減衰部分
に本発明を適用するときには、微小トーナル成分を数2
の等比減衰として推測するのが良い。すなわち、このと
きには、パワーが自然減衰していく成分を良好に近似で
きる。
【0084】一方、デジタルオーディオ信号の立ち上が
り部分に本発明を適用するときには、微小トーナル成分
を数3の等差減衰として推測するのが良い。すなわち、
このときには、パワーが外部の力により減衰させられる
成分を良好に近似できる。
【0085】このように、音の減衰部分においては、微
小トーナル成分を数2の等比減衰として推測すること
で、パワーが自然減衰していく成分を良好に近似でき、
また、音の立ち上がり部分においては、微小トーナル成
分を数3の等差減衰として推測することで、パワーが外
部の力により増加させられる成分を良好に近似できるた
め、処理における推測精度を高めることができる。
【0086】また、上述した説明では、FFTのポイン
ト数は1024ポイントとしたが、FFTのポイント数
は1024ポイントに限定されるものではなく、512
ポイントあるいは2048ポイント等でもよい。
【0087】また、上述した例では、差分算出部40が
加算部39からの周波数軸成分から、FFT部31から
の周波数軸成分を減算することによって差分を算出する
ように構成されていることによって合成部43を加算部
として機能させたが、差分算出部40がFFT部31か
らの周波数軸成分から加算部39からの周波数軸成分を
減算することによって差分を算出するように構成されて
いる場合には合成部43を減算部として機能させる必要
がある。
【0088】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、入力信号の複数サンプルを1ブロックとするとき
に、入力信号を、オーバーラップして区切られた各ブロ
ック毎に、周波数軸成分に変換し、変換されたブロック
単位の周波数軸成分からトーナル成分を検出し、トーナ
ル成分の時間推移により減衰していく微小なトーナル成
分を推測し、1ブロック内において、トーナル成分とし
ては、上記推測された微小なトーナル成分を用い、ま
た、トーナル成分以外の帯域については、前記周波数軸
成分を減衰させたものを用いて、改変係数群を構成し、
該改変係数群と実際の入力信号による周波数軸成分との
差分成分を算出し、該差分成分をブロック単位の時間軸
波形に逆変換し、逆変換されたブロック単位の時間軸波
形に窓掛け処理を施し、窓掛け処理された時間軸波形
を、所定時間遅延された入力信号に、量子化雑音または
量子化歪が除去される方向に、合成することによって、
PCM信号の解像度(ビット長)不足により、特に楽音の
減衰部分で気になる量子化雑音による音質劣化やエンベ
ロープの尻切れを効果的に減少させることができ、微小
音再現性の高い高音質なデジタルオーディオ信号を得る
ことができさらに、上記処理によって信号に段差が生ず
ることを有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の先願に記載の信号処理装置の構成例を示
す図である。
【図2】トーナル成分を説明するための図である。
【図3】トーナル成分記憶部に記憶されるパラメータの
一例を示す図である。
【図4】FFT部におけるFFT変換処理を具体的に説
明するための図である。
【図5】ブロックとブロックとをオーバーラップするよ
うに区切ったときの動作を説明するための図である。
【図6】図1の信号処理装置において、ブロックのつな
ぎ目で時間軸成分に段差が生じてしまう原理を説明する
ための図である。
【図7】本発明に係る信号処理装置の構成例を示す図で
ある。
【図8】図7の信号処理装置の処理概要を説明するため
の図である。
【図9】図7の信号処理装置の処理概要を説明するため
の図である。
【図10】図9の処理を具体的に説明するための図であ
る。
【図11】図9の処理を具体的に説明するための図であ
る。
【図12】図7の信号処理装置の具体的な処理動作例を
説明するための図である。
【図13】図7の信号処理装置の具体的な処理動作例を
説明するための図である。
【図14】図7の信号処理装置の具体的な処理動作例を
説明するための図である。
【図15】本発明の信号処理装置が適用されるシステム
の一例を示す図である。
【図16】デジタルオーディオ信号の立ち上がり部分に
本発明の信号処理を適用した一例を示す図である。
【図17】従来の信号処理装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
31 変換手段(FFT部) 32 トーナル成分検出部 33 パラメータ算出部 34 トーナル成分記憶部 35 トーナル成分推測部 36 減衰演算部 39 加算部 40 差分算出部 41 逆FFT部 42 窓掛け処理部 43 合成部 45 遅延部 71 記録媒体 72 パーソナル・コンピュータ 73 メモリ装置 75 信号処理装置 76 記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03M 1/08 H03M 1/08 B Fターム(参考) 5D044 AB05 DE43 DE44 GK14 GL01 GL19 5J022 AA01 BA02 CB06 CD01 9A001 EE05 HH15 HH18 KZ43

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を所定時間遅延させる遅延手段
    と、入力信号の複数サンプルを1ブロックとするとき
    に、入力信号を、オーバーラップして区切られた各ブロ
    ック毎に、周波数軸成分に変換する変換手段と、変換手
    段によって変換されたブロック単位の周波数軸成分から
    トーナル成分を検出するトーナル成分検出部と、過去の
    トーナル成分に基づいて、現時点のトーナル成分を推測
    するトーナル成分推測部と、現時点のトーナル成分が微
    小なレベルであるときに、トーナル成分推測部で推測さ
    れた現時点のトーナル成分を有効なものとして扱い、こ
    の場合、変換手段によって変換されたブロック単位の周
    波数軸成分において、前記推測されたトーナル成分に相
    当する帯域のデータをゼロとし、トーナル成分以外の所
    定の帯域信号を減衰させる減衰演算部と、前記減衰演算
    部において現時点のトーナル成分が微小なレベルである
    と判断されトーナル成分推測部で推測された現時点のト
    ーナル成分を有効なものとして扱う場合に、前記トーナ
    ル成分推測部によって推測されたトーナル成分と前記減
    衰演算部からの出力とを加算する加算手段と、加算手段
    からの加算結果と前記変換手段によって変換されたブロ
    ック単位の周波数軸成分との差分を求める差分算出手段
    と、差分算出手段からの差分の周波数軸成分をブロック
    単位の時間軸波形に逆変換する逆変換手段と、逆変換手
    段からのブロック単位の時間軸波形に所定の窓関数を施
    す窓掛け処理手段と、前記遅延手段によって遅延された
    入力信号に対して、量子化雑音または量子化歪が除去さ
    れる方向に、前記窓掛け処理手段からの時間軸波形を合
    成する合成手段とを有していることを特徴とする信号処
    理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の信号処理装置において、
    前記減衰演算部は、現時点のトーナル成分が微小なレベ
    ルでないときには、トーナル成分推測部で推測された現
    時点のトーナル成分を無効なものとして扱い、この場
    合、加算手段に対し、トーナル成分推測部によって推測
    されたトーナル成分と前記減衰演算部からの出力との加
    算を禁止し、前記変換手段からの周波数軸成分をそのま
    ま、減衰演算部からの出力として差分算出手段に与える
    ようになっていることを特徴とする信号処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の信号処理装置において、
    前記トーナル成分推測部は、現在のブロックの2ブロッ
    ク前のトーナル成分パワーと1ブロック前のトーナル成
    分パワーの比による等比減衰として、現在のブロックの
    微小なトーナル成分を推測することを特徴とする信号処
    理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の信号処理装置において、
    前記トーナル成分推測部は、現在のブロックの2ブロッ
    ク前のトーナル成分パワーと1ブロック前のトーナル成
    分パワーの差による等差減衰として、現在のブロックの
    微小なトーナル成分を推測することを特徴とする信号処
    理装置。
  5. 【請求項5】 入力信号の複数サンプルを1ブロックと
    するときに、入力信号を、オーバーラップして区切られ
    た各ブロック毎に、周波数軸成分に変換し、変換された
    ブロック単位の周波数軸成分からトーナル成分を検出
    し、トーナル成分の時間推移により減衰していく微小な
    トーナル成分を推測し、1ブロック内において、トーナ
    ル成分としては、上記推測された微小なトーナル成分を
    用い、また、トーナル成分以外の帯域については、前記
    周波数軸成分を減衰させたものを用いて、改変係数群を
    構成し、該改変係数群と実際の入力信号による周波数軸
    成分との差分成分を算出し、該差分成分をブロック単位
    の時間軸波形に逆変換し、逆変換されたブロック単位の
    時間軸波形に窓掛け処理を施し、窓掛け処理された時間
    軸波形を、所定時間遅延された入力信号に、量子化雑音
    または量子化歪が除去される方向に、合成することを特
    徴とする信号処理方法。
  6. 【請求項6】 入力信号を時間的に反転させた後、請求
    項5記載の信号処理方法を施し、得られた結果の信号を
    再度時間的に反転させた後、出力することを特徴とする
    信号処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の信号処理方法において、
    現在のブロックの微小トーナル成分は、現在のブロック
    の2ブロック前のトーナル成分パワーと1ブロック前の
    トーナル成分パワーの比による等比減衰として、推測さ
    れることを特徴とする信号処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の信号処理方法において、
    現在のブロックの微小トーナル成分は、現在のブロック
    の2ブロック前のトーナル成分パワーと1ブロック前の
    トーナル成分パワーの差による等差減衰として、推測さ
    れることを特徴とする信号処理方法。
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