JP2000199581A - 給水パイプラインのパイプシャフト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】(1)施工用部材の種類・数が低減され、(2)接続
箇所が少なく、施工作業を能率的に行うことができ、
(3)赤水・青水が発生することが少ない、給水パイプラ
インのパイプシャフトを提供すること。 【解決手段】 給水用の主管から供給される水を、枝
管、給水メーター、特殊給水分岐継手、樹脂パイプの順
に経由させて、給湯器および給水用分配装置へ導くよう
にされてなる給水パイプラインのパイプシャフトにおい
て、前記特殊給水分岐継手には、長手部と、その長手部
に二個の管接続部が設けられてなり、給水メ−タ−に前
記特殊給水分岐継手の長手部の端部が接続され、その特
殊分岐継手の二個の管接続部には、一方に給湯器に通じ
る樹脂パイプが、他方に給水用分配装置に通じる樹脂パ
イプが、それぞれ接続されてなることを特徴とする。 【効果】上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、給水パイプライン
のパイプシャフトに関する。さらに詳しくは、一般住
宅、集合住宅、商業ビル、ホテルなどの建築物内で、給
水用の主管から給湯器および給水用分配装置へと繋いで
構成され、特殊給水分岐継手を使用することにより、鋼
管などの金属パイプの使用割合を極力少なくし、かつ、
部材同士の接続箇所を極力少なくした、給水パイプライ
ンのパイプシャフトに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、一般住宅、集合住宅、商業ビルま
たはホテルなどで給水パイプラインのパイプシャフトを
施工するにあたり、金属パイプまたは可撓性合成樹脂パ
イプ（以下、「樹脂パイプ」ということがある。）が使
用されている。前記金属パイプは剛性に優れるため、直
線的かつ大掛かりな給水パイプラインを構成するのに適
している。他方、上記樹脂パイプは、金属パイプと比較
すると安価であることに加え、耐蝕性、耐震性、衛生
性、更新性、施工性などに優れているため、屋内でパイ
プシャフト以降、水栓器具までの間のパイプラインを施
工する際には、より高い割合で使用される傾向がある。

【０００３】しかし、上記傾向に反して、給水用の主管
から給湯器および給水用分配装置に水を供給するために
給水パイプラインのパイプシャフトを施工する際には、
パイプに複数個の折り曲げ部を設けて狭い空間内に配置
する必要がある場所にも、金属パイプが用いられること
が多かった。例えば、図６に示される従来の給水パイプ
ラインのパイプシャフトをみると、給水用の主管１０か
ら給水メーター３０を経由させて、図示されていない給
湯器および給水用分配装置まで水を導く際には、金属製
の短管、エルボー、継手などの複数個の部材を組合せて
接続して（配管部分９０）、所定の位置（給水用分配装
置に通じる樹脂パイプ５０および給湯器に通じる樹脂パ
イプ６０）に導いていた。

【０００４】上記の場合には、これら複数個の部材によ
り構成される配管部分９０は、複数個の部材の製作、保
管などの管理が煩雑であるほか、接続箇所が多く、この
接続作業も煩雑となることに加え、接続不良による漏水
のおそれがあった。また、金属パイプの内部に錆が発生
し、赤水などの原因ともなっていた上に、錆が発生した
部分の発見およびその部分の交換が容易でないという欠
点があった。なお、給水メーター３０の重さの一部が、
配管部分９０に負荷されることにより、金属パイプが経
時疲労して劣化が促進されることもあった。

【０００５】

【発明が解決しようとした課題】本発明者らは、かかる
状況にあって、上記従来技術の諸欠点を解決した給水パ
イプラインのパイプシャフトを提供すべく、鋭意検討の
結果、本発明を完成した。本発明の目的は、次のとおり
である。 １．施工用部材の種類、数が低減された給水パイプライ
ンのパイプシャフトを提供すること。 ２．接続箇所が少なく、接続作業を極めて能率的に行う
ことができる給水パイプラインのパイプシャフトを提供
すること。 ３．赤水・青水の発生することが少ない、給水パイプラ
インのパイプシャフトを提供すること。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、給水用の主管から供給される水を、枝
管、給水メーター、特殊給水分岐継手、可撓性合成樹脂
パイプの順に経由させて、給湯器および給水用分配装置
へ導くようにされてなる給水パイプラインのパイプシャ
フトにおいて、前記特殊給水分岐継手は、直方体または
円筒状の長手部が設けられ、その長手部には二個の管接
続部が設けられ、前記長手部の一方の端部にはねじが刻
設されてなり、給水用の主管に、枝管を介して給水メー
ターの一方の端部が接続され、その給水メーターの他方
の端部に、前記特殊給水分岐継手の長手部の端部が順次
接続され、この特殊給水分岐継手の二個の管接続部の一
方には給湯器が、他方には給水用分配装置が、それぞれ
可撓性合成樹脂パイプを介して接続され、前記特殊給水
分岐継手がその長手部を床面に平行にして床面に固定金
具によって固定されてなることを特徴とする、給水パイ
プラインのパイプシャフトを提供する。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において給水用の主管とは、屋内に配置される比
較的大径の水供給用のパイプ（多くは金属パイプ）をい
う。また、本発明において枝管とは、前記給水用の主管
に接続される比較的小径の水供給用のパイプであり、給
水用の主管内の水を分岐させて流すものである。給水用
の主管と給水メーターとを繋ぐ枝管の途中には、減圧弁
を設けることができる。給水メーターは、その内部を通
過する水量を測定する装置である。この給水メーター
は、一方の端部が枝管に接続され、他方の端部が特殊給
水分岐継手に接続される。なお、給水メーターを通過し
た水の逆流を阻止するため、給水メーターと特殊給水分
岐継手との間に逆止弁を設けることができる。

【０００８】前記特殊給水分岐継手は、給水用の主管か
ら枝管、給水メーターを経由して送られる水を、二方向
に分岐させるものである。前記のように分岐された水
は、樹脂パイプを経由して給湯器および給水用分配装置
に送られる。特殊給水分岐継手は、直方体または円筒状
の長手部、および、その長手部に連設された二個の管接
続部により構成される。また、長手部および管接続部の
内部には流路が設けられて相互に連通されてなる。

【０００９】前記流路の断面形状は、長手部の外形の断
面形状に類似した形状としてもよく、類似しない形状と
してもよい。例えば、長手部が直方体であっても、流通
性、衛生性を勘案して、流路の断面形状を円形としても
よい。特殊給水分岐継手が固定金具によって保持・固定
される際には、前記長手部が床面に対して平行な状態で
被保持部として機能する。このように保持・固定される
ことにより、従来、配管部分に負荷されていた給水メー
ターの重さは、特殊給水分岐継手を介して固定金具によ
って支持されることとなる。長手部の一方の端部には、
雄ネジまたは雌ネジが設けられ、給水メーターまたは逆
止弁に接続される。

【００１０】特殊給水分岐継手の管接続部は、上記長手
部に一体的に二個設けられる。長手部と管接続部とは一
体的に連設されていても良く、ネジによって両者が接合
されていてもよい。二個の管接続部のうち、一方は給湯
器に通じる樹脂パイプに接続され、他方は、給水用分配
装置に通じる樹脂パイプに接続される。管接続部を設け
る位置は、給湯器および給水用分配装置の位置に応じて
決められるが、例えば、(a)長手部の外周面上から、双
方を反対方向に延在させたもの、(b)長手部の外周面上
に二個平行に並べてそれぞれ長手部に直角に設けたも
の、(c)一方を長手部の（ネジが設けられる端部と反対
側の）端部に設け、他方を長手部の外周面上の適切な位
置であって長手部に直角に設けたもの、などが挙げられ
る。

【００１１】上記管接続部に樹脂パイプを接続する際に
は、融着接合法、メカニカル継手を別途用いる方法など
が採用される。前記融着接合法を採用する場合には、管
接続部の端部構造が、ＪＩＳ Ｋ ６７７０に記載され
ているような構造とされる。また、メカニカル継手を別
途用いる方法を採用する場合には、管接続部と樹脂パイ
プとの間にメカニカル継手が介挿され、両者に嵌合また
は挿入されることによって、両者が接続される。

【００１２】給水用分配装置は、本発明に係る給水用パ
イプラインのパイプシャフトを経由して送られた水を、
さらに分岐させて台所、洗濯機、風呂場、洗面所、便
所、シャワー室などの水の使用場所に、各個別の専用パ
イプを介して送るものである。この給水用分配装置とし
ては、従来の金属製の給水ヘッダー、代替的に提案され
ている合成樹脂製の特殊分岐継手、Ｔ字型継手、クロス
型継手などから構成されるものなどが挙げられる。

【００１３】本発明に係る給水パイプラインのパイプシ
ャフトを施工するには（給水用の主管、枝管、給水メー
ターはあらかじめ所定位置に配置されているとして）、
まず、給水パイプラインのパイプシャフト施工予定場所
の設計図に従って、接続する給水メーターまたは逆止弁
の端部直径、および、樹脂パイプの直径、長さなどに合
致するように、特殊給水分岐継手を選ぶ。次に、給水パ
イプラインのパイプシャフト施工予定場所とは別の場
所、例えば工場などであらかじめ特殊給水分岐継手の管
接続部に二個の樹脂パイプを接続させたものを製作し、
これらを施工現場に搬入し、特殊給水分岐継手の長手部
の端部を給水メーターまたは逆止弁に接続し、前記樹脂
パイプの一方を給湯器に、他方を給水用分配装置に接続
し、給水パイプラインのパイプシャフトの施工作業を完
了する。

【００１４】なお、給水パイプラインのパイプシャフト
を施工するにあたっては、施工予定場所の設計図に従っ
て、接続する給水メーターまたは逆止弁の端部直径、お
よび、樹脂パイプの直径、長さなどに合致するように、
特殊給水分岐継手を選び、この特殊給水分岐継手などの
全ての部材を接続場所に搬入し、現場の状況に応じて、
特殊給水分岐継手の長手部の端部を給水メ−タ−または
逆止弁に接続し、二個の管接続部を樹脂パイプに接続
し、さらに前記樹脂パイプの一方を給湯器に、他方を給
水用分配装置に接続する方法によってもよい。

【００１５】特殊給水分岐継手の材料は、金属、合成樹
脂のいずれであってもよいが、錆びることがなく赤水・
青水が発生することのない、合成樹脂が用いられるのが
好ましい。この合成樹脂としては、耐久性、耐蝕性、耐
電蝕性、耐薬品性などにきわめて優れた特性を発揮する
架橋ポリエチレンが特に好ましく、合成樹脂製の特殊給
水分岐継手は、架橋性のポリエチレン組成物を原料樹脂
とし、射出成形法によって成形した後、架橋反応を起こ
させて作製することができる。金属製の特殊給水分岐継
手は、長手部と管接続部とを一体的に鋳ることにより作
製したり、別々に作製された長手部と管接続部を溶接ま
たは螺合によって接合して作製したりすることができ
る。

【００１６】特殊給水分岐継手の管接続部に接続される
樹脂パイプは、耐久性、耐熱性などに優れた樹脂パイプ
が好ましい。具体的には架橋ポリエチレンパイプ、ポリ
ブテンパイプ、ポリプロピレンパイプなどが挙げられ
る。配管を行う場所に応じて樹脂パイプの種類を選び、
特殊給水分岐継手の管接続部の口径の大きさに応じて、
樹脂パイプの口径の大きさを選べばよい。中でも、架橋
ポリエチレンパイプ、ポリブテンパイプが好適である。

【００１７】給水パイプラインのパイプシャフト施工場
所の状況に応じて、給水用の主管や樹脂パイプは緩衝材
やさや管などにより、特殊給水分岐継手は成形品のカバ
−や緩衝材などにより、被覆保護されるのが好ましい。
緩衝材を構成するものとしては、発泡ポリスチレン、発
泡ポリエチレンなどの発泡樹脂製のテ−プなどがよい。
さや管は波付き管、蛇腹管などのコイル巻きが可能な管
が望ましい。

【００１８】

【実施例】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明す
るが、本発明はその趣旨を越えない限り、以下の記載例
に限定されるものではない。

【００１９】図１は、本発明に係る給水パイプラインの
パイプシャフトの一例の正面図である。図２は、本発明
に係る給水パイプラインのパイプシャフトを施工する際
に使用される、特殊給水分岐継手の一例の一部切欠き側
面図であり、図３は、特殊給水分岐継手の他の例の一部
切欠き側面図であり、図４は、特殊給水分岐継手のさら
に他の例の一部切欠き側面図である。図５は、特殊給水
分岐継手を固定するための固定金具の一例の斜視図であ
る。図６は、従来の給水パイプラインのパイプシャフト
の正面図である。

【００２０】図１において、給水用の主管１０には、短
管とエルボからなる枝管２０の一方の端部が接続され、
その枝管２０の他方の端部には、減圧弁を挟んで給水メ
ーター３０の一方の端部が接続されている。給水メータ
ー３０の他方の端部には、逆止弁を挟んで特殊給水分岐
継手４０の長手部の端部が接続されている。特殊給水分
岐継手４０の二つの管接続部には、それぞれ、図示され
ていない給水用分配装置に通じる樹脂パイプ５０と、図
示されていない給湯器に通じる樹脂パイプ６０とが接続
されている。特殊給水分岐継手４０は、固定金具７０に
よりその長手部が保持され、床面に平行にされて固定さ
れている。

【００２１】図２、図３、図４において、長手部の一方
の端部に雌ネジが刻設されている（４３ａ、４３ｂ、４
３ｃ）。図２は、管接続部４２ａが、長手部４１ａの外
周面上に、一方が長手部４１ａを隔てて他方と反対側
に、長手部４１ａの長さ方向に位置をずらして、長手部
４１ａに対して直角に設けられている例である。図３
は、管接続部４２ｂが、長手部４１ｂの外周面上に二個
平行に並べられて、長手部４２ｂに対して直角に設けら
れている例である。図４は、管接続部４２ｃの一方が長
手部４１ｃの（ネジが設けられた端部４３ｃと反対側
の）端部に設けられ、他方が長手部４１ｃの外周面上の
適切な位置に、長手部４１ｃに対して直角に設けられた
例である。

【００２２】図５は、本発明に係る給水パイプラインの
パイプシャフトを施工する際に使用される特殊給水分岐
継手を固定するための固定金具の一例の斜視図である。
固定金具７０の構造は、この例に限られるものでなく、
特殊給水分岐継手４０を床面に平行に固定することがで
きるものであれば種々変形することができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明は、次のような特別に有利な効果
を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。 １．本発明に係る給水パイプラインのパイプシャフト
は、特殊給水分岐継手を使用して施工されるため、金属
製の継手、短管、エルボーなどの部材を使用して施工さ
れる従来の給水パイプラインのパイプシャフトと比較し
て、部材の種類、数を大幅に減らすことができ、これら
部材の製作、保管、輸送などの管理が容易である。 ２．本発明に係る給水パイプラインのパイプシャフト
は、特殊給水分岐継手を使用して施工されるため接続箇
所が少なく、給水パイプラインのパイプシャフト施工作
業を極めて能率的に行うことができ、接続箇所が少ない
ので漏水箇所も少なくなる。 ３．本発明に係る給水パイプラインのパイプシャフト
は、金属製の継手、短管、エルボーなどの部材を使用し
て施工される従来の給水パイプラインのパイプシャフト
と比較して、赤水・青水が発生することが少ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る給水パイプラインのパイプシャ
フトの一例の正面図である。

【図２】 本発明に係る給水パイプラインのパイプシャ
フトを施工する際に使用される、特殊給水分岐継手の一
例の一部切欠き側面図である。

【図３】 特殊給水分岐継手の他の例の一部切欠き側面
図である。

【図４】 特殊給水分岐継手のさらに他の例の一部切欠
き側面図である。

【図５】 特殊給水分岐継手を固定するための、固定金
具の一例の斜視図である。

【図６】 従来の給水パイプラインのパイプシャフトの
正面図である。

【符号の説明】

１０：給水用の主管 ２０：枝管 ３０：給水メーター ４０、４０ａ、４０ｂ、４０ｃ：特殊給水分岐継手 ４１ａ、４１ｂ、４１ｃ：長手部 ４２ａ、４２ｂ、４２ｃ：管接続部 ４３ａ、４３ｂ、４３ｃ：雌ネジ ５０：給水用分配装置に通じる可撓性合成樹脂パイプ ６０：給湯器に通じる可撓性合成樹脂パイプ ７０、８０：固定金具 ９０：配管部分

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給水用の主管から供給される水を、枝
   管、給水メーター、特殊給水分岐継手、可撓性合成樹脂
   パイプの順に経由させて、給湯器および給水用分配装置
   へ導くようにされてなる給水パイプラインのパイプシャ
   フトにおいて、前記特殊給水分岐継手は、直方体または
   円筒状の長手部が設けられ、その長手部には二個の管接
   続部が設けられ、前記長手部の一方の端部にはねじが刻
   設されてなり、給水用の主管に枝管を介して給水メータ
   ーの一方の端部が接続され、その給水メーターの他方の
   端部に前記特殊給水分岐継手の長手部の端部が順次接続
   され、この特殊給水分岐継手の二個の管接続部の一方に
   は給湯器が、他方には給水用分配装置が、それぞれ可撓
   性合成樹脂パイプを介して接続され、前記特殊給水分岐
   継手がその長手部を床面に平行にして床面に固定金具に
   よって固定されてなることを特徴とする、給水パイプラ
   インのパイプシャフト。
2. 【請求項２】 給水メーターから給湯器および給水用分
   配装置へ至るパイプシャフト部分が、鉄製部材を使用し
   ないで構成されてなる、請求項１に記載の給水パイプラ
   インのパイプシャフト。
3. 【請求項３】 給水用分配装置が、特殊分岐継手、Ｔ字
   型継手、クロス型継手のいずれか一つまたはこれらの組
   み合わせからなる、請求項１または請求項２に記載の給
   水パイプラインのパイプシャフト。