JP2000198717A - ゴマを使った白髪改善剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来白髪には染毛剤が用いられており、髪の生
長に伴い繰り返し染毛が行わなわれていた。一方髪を黒
くすると言われている黒ゴマは、食用とするには摂取量
が限られていた。 【解決手段】黒ゴマをすりつぶし抽出したエキスを直接
頭皮及び体毛周囲に作用させ、メラニンの生成を促す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ヘアケアのための
調合物及びその使用に関するものである。このような調
合物とは、メラニン色素が欠乏していわゆる白髪となっ
ている髪の毛根に働き、メラニン色素の合成を活発に
し、髪の黒色化を促すものである。

【０００２】

【従来の技術】加齢による老化現象のため、毛髪中のメ
ラニンが著しく減少し白髪化することはよく知られてい
る。このような白髪を隠すためには、染毛剤が一般的に
用いられている。しかしながら染毛剤による効果は一時
的なものであり、染毛剤に用いられる着色料や薬剤によ
り皮膚炎を生じる場合があるなどの問題点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】髪の色は毛根部でメラ
ニン色素が毛髪に取り込まれることによって決まる。そ
の量により、白髪、金髪、茶髪、黒髪となり、遺伝的要
素が強い。このメラニン色素は表皮基底層及び毛根部、
外毛根鞘に存在する色素細胞（メラノサイト）内の小器
官であるメラノソームで生成される。毛根周囲では毛球
部に取り込まれたメラニンが毛髪の生長に伴い先端へと
移動していく。メラニン色素の沈着は、皮膚や毛の正常
な発色の主な機構であって、日光やその他の光源による
紫外線障害から生体を保護するものである。日本人の毛
髪の場合は黒色又は茶褐色などの髪が多いが、加齢の結
果として白髪が多く現れる。これは毛球中などに存在す
るメラニン細胞の数や活性の低下により、メラニンが著
しく減少するためによるものである。そこでメラニン産
生機構に働きかけて、白髪を根本的に改善するような薬
剤の開発が望まれていた。一方、黒ゴマはコンブととも
に、昔から髪をよくするといわれている食品の一つであ
る。ゴマには黒、白、茶と３種類あり、中でも黒ゴマは
薬効が多い。その主な働きは、肝機能・腎機能を補い、
胃腸を丈夫にすることである。また補血作用もあり、髪
を黒くし、筋肉や骨を丈夫にし、美肌効果があると言わ
れている。さらに末梢血管障害の改善、中性脂肪の除
去、冷え性の治療、肌をなめらかにするなどの働きが認
められている。ゴマには良質のタンパク質、ビタミンＥ
を含むリノール酸、カルシウム、鉄、リンその他のミネ
ラルなどが豊富に含まれる。また、微量成分としてリグ
ナンが比較的多く含まれている。ゴマ中のリグナン物質
として主にセサミンがあげられるが、セサミンには酸化
防止効果および、メラニン生成促進効果があるとされて
いる。しかしながら、これまでゴマを摂取しようとした
場合、ゴマそのものを食するか、ゴマ油として摂取する
しかなかった。このため、継続的に摂取し難く、嗜好的
に用いられているのが現状である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、セサミンを含む黒ゴマ成分を直接頭皮及び体毛周囲
に作用させることにより、局所的、直接的な効果増大を
期待し、黒ゴマエキスを用いたヘアケア剤の調製を試み
た。

【０００５】

【黒ゴマエキスの抽出】黒ゴマは油性成分が多いため、
油性物質による抽出を試みた。皮膚へ直接塗布するた
め、植物性の油性物質が望ましく、中でもゴマ油は黒ゴ
マ成分との親和性も高いことから、ゴマ油により抽出し
た。抽出方法は、黒ゴマをすりつぶし、ゴマ油を加えて
よく混和した後、ガーゼで固形物を濾し、液体を得るも
のである。一方、ゴマ油は皮膚に塗布した場合、べたつ
きが多く使用感が劣るため、アルコールによる抽出も試
みた。抽出方法は、ゴマ油の代わりに加温したエタノー
ルを用い、同様の方法により液体を得るものである。

【０００６】

【ヘアケア剤の調製】ヘアケア剤として、頭皮および毛
髪への栄養付与効果並びに皮膚への浸透性を考慮し、主
に天然由来の油性成分を配合した。例えば、α−トコフ
ェロール、オリーブオイル、スクワラン、エッセンシャ
ルオイル等である。トコフェロールを局所的に用いると
局所血行を盛んにし、毛の生長を促進し、同時に抗炎症
効果もあるため、毛の生長には有利である。また皮膚に
塗布したトコフェロールは、よく毛球部の血管周囲へ集
まる。オリーブオイルは皮膚に塗布すると、皮膚組織に
吸収され皮膚を保護する。しかも、紫外線の刺激から皮
膚を守る。オリーブオイルによるマッサージは、血行を
良くし、新陳代謝を促し、筋肉にたまった疲労物質、皮
膚の老廃物質を取り除く。また、髪に油分を与え、つや
のある美しい髪にする。スクワランは皮脂のひとつであ
るスクワレンに水素添加して得られ、化学的に安定であ
り、化粧品原料などとして使用されている。スクワラン
を皮膚に塗布すると容易に角質に浸透し、全般にわたっ
て軟化させ保湿効果がある。ただし、ヘアケア剤に調合
するものとしては上記成分に限ったものではなく、ツバ
キ油、ヒマシ油などの油脂類、流動パラフィン、シリコ
ーン油などの炭化水素類、セチルアルコール、ステアリ
ルアルコールなどの高級アルコール類、プロピレングリ
コール、グリセリンなどの多価アルコール類、その他界
面活性剤など皮膚に適用することができる添加剤を適当
に組み合わせて調合することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】本ヘアケア剤は、頭皮及び体毛周
囲に直接塗布して使用する。べたつきや匂いが気になる
場合は洗い流してもよく、従って洗髪や入浴の際に用い
ることが好ましい。

【０００８】

【実施例】

【実施例１】黒ゴマをすりつぶし、同量のエタノールで
混和した後、ガーゼで固形物を濾す。得られた液体４
５．５重量％と、ビタミンＥ４．５重量％、オリーブオ
イル４．５重量％、スクワラン４５．５重量％とを混合
し、適量のペパーミントオイルを加える。シャンプー
後、本調合物約１ｍＬを頭皮に塗布し、マッサージを行
った後、リンスをつけて一緒に洗い流した。２カ月ほど
使用した後毛髪を調べたところ、白髪の毛根に近い部分
が黒くなっている毛が認められた。

【０００９】

【実施例２】実施例１で用いられた調合物を手甲部の毛
根部に塗布した。２週間ほど使用した後毛を調べたとこ
ろ、白い毛が減り、目立たなくなった。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】黒ゴマをすりつぶし抽出したエキスと配合
   成分から成る混合物で、頭皮及び体毛周囲に直接作用さ
   せるものである。