JP2000197971A - オ―ステナイト系ステンレス鋼の溶接用シ―ルドガス - Google Patents

オ―ステナイト系ステンレス鋼の溶接用シ―ルドガス

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JP2000197971A
JP2000197971A JP10371661A JP37166198A JP2000197971A JP 2000197971 A JP2000197971 A JP 2000197971A JP 10371661 A JP10371661 A JP 10371661A JP 37166198 A JP37166198 A JP 37166198A JP 2000197971 A JP2000197971 A JP 2000197971A
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stainless steel
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Tomoaki Sasaki
智章 佐々木
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Nippon Sanso Corp
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルゴンガスの組成比を低減し、オーステナ
イト系ステンレス鋼の被溶接部の組織を損うことなくア
ーク溶接可能とした安価なシールドガスの開発。 【解決手段】 アルゴンガスをベースとして、炭酸ガス
2〜5容量%、又は酸素ガス1〜5容量%のいずれかの
混合ガスに窒素ガス0.01〜10容量%を混合したガ
ス、更にこれに水素ガス0.5〜3容量%混合したガス
をMIG溶接用のシルドガスとしたものである。又、ア
ルゴンガスをベースとして炭酸ガス5〜25容量%、窒
素ガス0.01〜10容量%を混合したガスをMAG溶
接用シールドガスとし、更にアルゴンガスをベースとし
て窒素ガス0.01〜10容量%を混合したガス、及び
これに水素ガス3〜10容量%を混合したガスをTIG
溶接用シールドガスとしたものである。そしてこれらの
シールドガスの組成ガスは、アルゴンガス採取工程付設
の空気液化分離装置より直接抽出して適用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーステナイト系
ステンレス鋼のガスシールドアーク溶接に使用する混合
ガスに関するもので、特にMIG溶接、MAG溶接、及
びTIG溶接に好適なシールドガスに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、オーステナイト系ステンレス鋼
(以下「ステンレス鋼」と称す)のガスシールドアーク溶
接においては、タングステンやトリウム入りタングステ
ンを電極として用いて、別途に溶接材料の溶加材を用い
て、これを溶かし込みで電極を溶かさない非溶極式と、
電極を電極とするとともに溶接材料の溶加材(ワイヤ)
とする溶極式とに大別される。非溶極式の溶接として
は、不活性ガスをシールドガスとして用いるTIG溶接
があり、又、溶極式の溶接としては不活性ガスを主体と
したガスをシールドガスとして用いるMIG溶接と、ア
ーク中で酸化性の炭酸ガスあるいは炭酸ガスにアルゴン
を混合したガスを用いるMAG溶接とがある。
【0003】一方、ステンレス鋼のガスシールドアーク
溶接において、シールドガスとして要求される特性は、
アークの安定性及びスパッタの発生の少なさ等の使い易
さのみならず、金属の機械的性質及び耐食性等の健全性
を保持することに重点が置かれている。そこで、TIG
溶接では純アルゴンガスやヘリウムガスのごとき不活性
ガスが用いられ、MIG溶接においてはアルゴンガスを
ベースガスにして酸素ガス2容量%の混合ガスが、又、
MAG溶接においてはアルゴンガスをベースガスにして
炭酸ガス20容量%の混合ガスが、それぞれステンレス
鋼のガスシールド溶接のシールド用ガスとして一般に用
いられている。
【0004】即ち、TIG溶接でのステンレス鋼のアー
ク溶接用のシールドガスとしては、アルゴンガスやヘリ
ウムガス等の不活性ガスが用いられているが、このTI
G溶接は他のアーク溶接に比べて溶接金属の清浄度が高
く、一般に靱性、延性、更に耐食性に優れた溶接面を形
成する。又、溶接金属の表面が酸化され難いため、スラ
グが殆ど発生しない光沢のあるビードが得られ、溶接後
スラグを除去する作業を低減し得る特徴を有している。
【0005】又、MIG溶接でのステンレス鋼のアーク
溶接用のシールドガスとしては、アルゴンガスをベース
ガスにして、これに酸素ガスを2容量%程度添加した混
合ガスとして用いて、アークを安定させている。この結
果、カーボンピックアップが発生せず、スパッタの発生
が低減する特徴を有している。更に、MAG溶接でのス
テンレス鋼のアーク溶接用のシールドガスとしては、ア
ルゴンガスをベースガスにして、これに炭酸ガスを20
容量%程度添加した混合ガスを用いるとともに、フラッ
クス入りワイヤを消耗電極として使用することと組み合
わせて用いている。
【0006】しかるに、これら従来のステンレス鋼のア
ーク溶接用のシールドガスは、不活性ガス、特にアルゴ
ンガスをベースガスとした混合ガスが用いられていて、
高価なアルゴンガス等の不活性ガスの含有量が大半であ
って、多量に使用することとなって高価となっていた。
その上、これらのシールドガスは、それぞれの組成成分
ガスをそれぞれ高純度な状態である品質なものを準備し
て、それぞれ所望する組成成分になるよう混合調整して
いた。このため複数の準備すべき高純度なガスの品質の
管理をしたり、これを混合調整する精密かつ煩雑な作業
をするのに高度な熟練技術が要求されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した現
状に鑑み、高価な不活性ガス特にアルゴンガスの使用量
を可及的に低減し、しかも該不活性ガスの含量の低減に
も拘わらず、ステンレス鋼のアーク溶接で被溶接部の金
属組織を損なわずに溶接可能とするシールドガス用の混
合ガスを開発することを本発明の課題とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の発明者
は、窒素ガスが炭素に比べてオーステナイト系ステンレ
ス鋼中への溶解度が大きいことより強化元素として適し
ていること、そして窒素添加によって粒界脆化の原因と
なる粒界への析出が生じないため破断延性が低下しない
こと、又、固溶している窒素はオーステナイト系ステン
レス鋼の強度を増大せしめるばかりでなく、耐食性にも
効果があること等の知見に基いて、上記した課題を解決
するため、安価な窒素ガスを活用し、添加することに着
眼したものである。
【0009】即ち、請求項1に係る発明として、オース
テナイト系ステンレス鋼のMIG溶接用シールドガス
が、アルゴンガスをベースガスとして、これに炭酸ガス
が2乃至5容量%含有してなるとともに、窒素ガスが
0.01乃至10容量%含有した混合ガスよりなること
を特徴としたものである。そして、請求項2に係る発明
として、オーステナイト系ステンレス鋼のMIG溶接用
シールドガスがアルゴンガスをベースガスとして、これ
に酸素ガスが1乃至5容量%含有してなるとともに、窒
素ガスが0.01乃至10容量%含有した混合ガスより
なることを特徴としたものである。更に、請求項3に係
る発明として、オーステナイト系ステンレス鋼のMIG
溶接用シールドガスとして、前記請求項1又は請求項2
のいずれかに記載の混合ガスに、水素ガスが0.5乃至
3容量%含有した混合ガスよりなることを特徴としたも
のである。 又、請求項4に係る発明として、オーステ
ナイト系ステンレス鋼のMAG溶接用シールドガスが、
アルゴンガスをベースガスとして、これに炭酸ガスが5
乃至25容量%と窒素ガスが0.01乃至10容量%含
有した混合ガスよりなることを特徴としたものである。
更に、請求項5に係る発明として、オーステナイト系ス
テンレス鋼のTIG溶接用シールドガスが、アルゴンガ
スをベースガスとして、これに窒素ガスが0.01乃至
10容量%含有した混合ガスよりなることを特徴とした
ものである。更に又、請求項6に係る発明として、オー
ステナイト系ステンレス鋼のTIG溶接用シールドガス
が、請求項5に記載の混合ガスに、更に水素ガスが3乃
至10容量%含有した混合ガスでなることを特徴とした
ものである。
【0010】そして、請求項7に係る発明として、上記
混合ガスは、空気液化分離装置に設備された粗アルゴン
塔の塔頂から採取する混合ガスを用いてなることを特徴
とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のオ
ーステナイト系ステンレス鋼の溶接用シールドガスとし
たものである。又、請求項8に係る発明として、上記混
合ガスは、空気液化分離装置に設備された高純度アルゴ
ン塔から採取する混合ガスを用いてなることを特徴とす
る請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のオース
テナイト系ステンレス鋼の溶接用シールドガスとしたも
のである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のオーステナイト系ステン
レス鋼のアーク溶接用シールドガスは、TIG溶接用、
MIG溶接用、及びMAG溶接用と区分して、それぞれ
の区分した溶接態様で使用するシールドガスとして特定
した。そして、これらに適する各シールドガスとしての
混合ガスは、オーステナイト系ステンレス鋼として、S
US304の肉厚3.0mmの鋼材を用い、溶接条件と
しては、MIG溶接とMAG溶接で電流150A、溶接
速度80cm/min.、又TIG溶接では電流50
A、溶接速度25cm/min.で鋼材自体にビードを
盛って試験し、評価して、以下の結果を得た。
【0012】MIG溶接用のシールドガスとしては、ア
ルゴンガスをベースガスとして、炭酸ガス(2乃至5容
量%)又は酸素ガス(1乃至5容量%)のいずれか一方
のガス、と窒素ガス(0.01乃至10容量%)を含有
した混合ガスが適用し得る。又、これに加えて水素ガス
(0.5乃至3容量%)を含有した混合ガスもMIG溶
接用のシールドガスとして適用し得る。
【0013】MAG溶接用のシールドガスとしては、ア
ルゴンガスをベースガスとして、炭酸ガス(5乃至25
容量%)と窒素ガス(0.01乃至10容量%)を含有
した混合ガスが適用し得る。又、TIG溶接用のシール
ドガスとしては、アルゴンガスをベースガスとして、窒
素ガス(0.01乃至10容量%)を含有した混合ガス
が適用し得る。更に、この混合ガスに加えて水素ガス
(3乃至10容量%)を含有した混合ガスも、TIG溶
接用のシールドガスとして適用し得る。
【0014】そして、空気を液化して空気の各組成分の
沸点差で各組成分を精留分離する空気液化分離装置に設
備されている、粗アルゴン塔の塔頂、又は該粗アルゴン
塔より抽出された祖アルゴン中の酸素分を水素との反応
により除去した精製アルゴンを、該精製アルゴン中の余
剰水素を精留により除去する高純度アルゴン塔より抽出
されるガスが、上記した各アーク溶接の使用に適したシ
ールドガスとしての混合ガスに相当する組成分と含有量
を有していることに着目し、これを活用することにした
ものである。かくして、これにより、組成の各組成分ガ
スを用意してこれを混合調整する煩雑な熟練作業を回避
することを可能とし得るものである。
【0015】
【実施例】本発明オーステナイト系ステンレス鋼のガス
シールドアーク溶接用のシールドガスを、MIG溶接,
MAG溶接、及びTIG溶接の各溶接に適した混合ガス
組成分及びそれらの組成分の含有量を特定するために以
下の如き実験1乃至8の実験を行い、評価した。なお、
実験に使用した材料、溶接条件、電極等の共通する条件
は次の通りである。 ● 材料: SUS304 オーステナイト系ステンレス鋼
で、肉厚3.0mmの鋼材を使用した。 ● 溶接条件: MIG溶接と、MAG溶接では電流値1
50A、溶接速度80cm/min.でビードを盛っ
た。TIG溶接では電流50A、溶接速度25cm/m
in.で鋼材自体にビードを盛った。 ● 電極: MIG溶接においては、JIS Z3321
Y308に基いて、外径1.2mmのワイヤ−を用い
た。MAG溶接においては、JIS Z3321 YF3
08Cに基いて、外径1.2mmのワイヤーを用いた。
TIG溶接においては、外径2.4mmのタングステン
電極を用いた。
【0016】[実験1]オーステナイト系ステンレス鋼
を、MIG溶接により溶接するにあたり、有効な炭酸ガ
ス含有濃度を特定するために、シールドガスとしてアル
ゴンガスのベースガスに窒素ガスを加え、更にこれに炭
酸ガスを適宜量添加した混合ガスを用いてMIG溶接を
行い、その溶接状態の評価をした。 ●アルゴンガスのベースガスに窒素ガス10容量%の混
合ガスとし、更にこれに炭酸ガスを加え、炭酸ガスの含
有濃度を次の6通りに変化せしめて、そのMIG溶接の
状態を評価した。 ・炭酸ガス濃度 1、2、3、5、7、10(容量%)の6通りで行っ
た。炭酸ガスが5容量%以上含有すると、カーボンピッ
クアップ現象により耐食性が劣化してくる。しかし、そ
の反対に2容量%以下の含有量になると、アークの安定
性が損なわれ、良好な溶接が出来なくなった。従って、
MIG溶接では、炭酸ガスの適切な含有濃度は2容量%
以上5容量%以下であることが確認できた。又窒素ガス
の濃度を徐々に減量して同様な実験をした結果、窒素ガ
スの量は微量含有していれば、窒素ガスの存在による効
果を奏することが確認し得た。即ち、 窒素ガスの含有
量を0.01%であるガスを使用してMIG溶接して
も、破断延性が低下することなく、強度を高めることが
出来ることが確認し得た。又、塩化物を含む環境中で惹
起される孔食やすきま腐食に対しても、これを抑制する
効果が生じることも確認し得た。
【0017】[実験2]オーステナイト系ステンレス鋼
をMIG溶接により溶接するにあたり、有効な酸素ガス
濃度を特定するために、実験1の如くシールドガスとし
てアルゴンガス+窒素ガスの混合ガスに、更に酸素ガス
を加えて用いてMIG溶接を行い、その溶接状態を評価
した。 ●アルゴンガスのベースガスに窒素ガス10容量%の混
合ガスとし、更にこれに酸素ガスを加え、酸素ガスの含
有濃度を次の6通りに変化せしめて、これらをシールド
ガスとしてMIG溶接を行い、それらの溶接状態を評価
した。 ・酸素ガス濃度 0.5、1、3、5、7、10(容量%)の6通りで行
った。酸素ガス濃度が5容量%を超えると、酸化によっ
て合金元素が欠如してきて、靱性低下が引き起こされて
脆くなり、又ビード外観が悪化する。一方、酸素ガス濃
度が0.5容量%以下では、アークが安定せず良好な溶
接が困難であった。その結果、アルゴンガスのベースガ
スに窒素ガスを混合したガスに、更に酸素ガスを加えた
混合ガスをシールドガスとしてMIG溶接するのに使用
する場合、それに適する酸素ガスの濃度は、1乃至5容
量%であることが確認し得た。又窒素ガスの濃度を徐々
に減量して同様な実験をした結果、窒素ガスの量は微量
含有していれば、窒素ガスの存在による効果を奏するこ
とが確認し得た。即ち、窒素ガスの含有量を0.01%
であるガスを使用してMIG溶接しても、破断延性が低
下することなく、強度を高めることが出来ることが確認
し得た。又、塩化物を含む環境中で惹起される孔食やす
きま腐食に対しても、これを抑制する効果が生じること
も確認し得た。
【0018】[実験3]オーステナイト系ステンレス鋼
のMIG溶接のシールドガスとして水素ガスを添加した
場合に、水素ガスの有効な含有濃度について、溶接状態
を評価して確認した。 ●シールドガスは、上記した実験1、及び実験2の結果
に基いて、 (i) アルゴンガス+窒素ガス(0.01容量%)+炭
酸ガス(5容量%) (ii) アルゴンガス+窒素ガス(0.01容量%)+酸
素ガス(5容量%) (iii) アルゴンガス+窒素ガス(10容量%)+炭酸ガ
ス(5容量%) (iv) アルゴンガス+窒素ガス(10容量%)+酸素ガ
ス(5容量%) の4種の混合ガスのそれぞれに、水素ガスを添加し以下
の4通りの含有濃度に混合調整して、使用した. ・水素ガス濃度 0.5、1、3、5(容量%)の4通りである。いずれ
の混合ガスにおいても、水素ガス含有濃度が3容量%以
下では、アークが緊縮して接合部に熱を集中することが
出来るため、ビード幅が狭く、深い溶け込みの形状が得
られ、そして溶接による酸化や歪を小さくすることが出
来た。一方、水素ガス含有濃度が3容量%を超えると、
水素脆化が生じ、ブローホールが増加する問題が生じ
た。又、水素ガスの含有濃度が0.5容量%より少ない
と水素ガス添加による効果はは何等生じなかった。
【0019】[実験4]次に、実験4として、オーステ
ナイト系ステンレス鋼をMAG溶接するために適した、
有効なシールドガスを得るため、アルゴンガスをベース
ガスにして、これに炭酸ガスを添加混合してシールドガ
スとし、その炭酸ガス含有濃度の変動によるMAG溶接
の溶接状態を評価し、有効な炭酸ガス濃度を特定した。 ●炭酸ガス濃度 0、5、10、20、25、30(容量%)の6通りで
ある。炭酸ガス含有濃度が25容量%を超えるシールド
ガスによるMAG溶接では、スパッタが増加する不都合
が生じた。一方、炭酸ガス含有濃度が5容量%より少な
いシールドガスでのMAG溶接では、アークが不安定と
なった。この結果、MAG溶接に適したシールドガスと
しては、アルゴンガス+(5〜25容量%)炭酸ガス
の混合ガスであることが確認できた。
【0020】[実験5]更に、オーステナイト系ステン
レス鋼のMAG溶接用のシールドガスとして、窒素ガス
の利用について考察した。シールドガスとしては、前記
実験4で得られた結果に基いて、炭酸ガスを含有してい
るアルゴンガスに窒素ガス添加し、窒素ガスの含有濃度
の変動によるMAG溶接による溶接状態を評価し、有効
な窒素ガス濃度を特定した。 ●アルゴンガスのベースガスに炭酸ガス25容量%の混
合ガスとし、更にこれに窒素ガスを加え、窒素ガスの含
有濃度を次の6通りに変化せしめて、これらをシールド
ガスとしてMAG溶接を行い、その溶接状態を評価し
た。 ・窒素ガス濃度 0、0.01、5、10、20、25(容量%)の6通
りで行った。窒素ガスの含有濃度を0.01容量%以上
20%以下にすることにより、破断延性を低下せしめる
ことなく強度を向上せしめ得ることが確認できた。又、
塩化物を含む環境中で起きる孔食や、すきま腐食に対し
て抑制効果が得られることも確認することが出来た。更
に、窒素ガスが微量入っているだけでも、前記した効果
を奏し、窒素ガス含有濃度10容量%まではブローホー
ルが発生しないことも確認できた。なお、前記 アルゴ
ンガス+25容量%炭酸ガスの混合ガスに代えて、アル
ゴンガス+5容量%炭酸ガス の混合ガスに水素ガスを
同様に添加混合して実験した結果、同様な実験結果を得
た。
【0021】[実験6]次に、実験6として、オーステ
ナイト系ステンレス鋼をTIG溶接するために適した、
有効なシールドガスを得るため、アルゴンガスをベース
ガスにして、これに窒素ガスを添加混合してシールドガ
スとし、その窒素ガス含有濃度の変動によるTIG溶接
による溶接状態を評価し、有効な窒素ガス濃度を特定し
た。 ●窒素ガス濃度 0、0.01、5、10、20、25(容量%)の6通
りで行った。窒素ガス含有濃度を0.01乃至20容量
%のシールドガスでのTIG溶接では、破断延性が低下
せずに強度を向上せしめることが確認できた。又、塩化
物を含む環境中で起きる孔食やすきま腐食に対して抑制
効果が得られることも確認することが出来た。更に、窒
素ガスが微量入っているだけでも、前記した効果を奏
し、窒素ガス含有濃度10容量%まではブローホールが
発生しないことも確認できた。
【0022】[実験7]更に、オーステナイト系ステン
レス鋼のTIG溶接用のシールドガスとして、水素ガス
の利用について考察した。シールドガスとしては、前記
実験7で得られた結果に基いて、窒素ガスを含有してい
るアルゴンガスに水素ガスを添加し、水素ガスの含有濃
度の変動によるTIG溶接による溶接状態を評価し、有
効な水素ガス濃度を特定した。 ●アルゴンガスのベースガスに窒素ガス10容量%を混
合し、この混合ガスに更に水素ガスを加え、水素ガスの
含有濃度を次の4通りに変化せしめて、これらをシール
ドガスとしてTIG溶接を行い、その溶接状態を評価し
た。 ・水素ガス濃度 1、3、5、10,15(容量%)の5通りで行った。
水素ガスの含有濃度を10容量%以下にすることによ
り、アークが緊縮して接合部に熱を集中させることがで
き、ビード幅が狭く、深い溶け込みのビード形状が得ら
れ、溶接による酸化や歪を小さくすることが出来た。一
方、水素ガスの含有濃度が10容量%を超えると、水素
脆化の問題が生じ、ブローホールが増加してくる問題が
生じた。又、水素ガス含有濃度が3容量%よりも少ない
と、水素ガスを添加した効果が現出しなかった。なお、
窒素ガス含有濃度10容量%に代え、窒素ガス含有濃度
0.01容量%のアルゴンガス混合ガスに、同様の水素
ガス濃度で水素ガスを添加したガスをシールドがすとし
て、同様にTIG溶接の実験をした結果、上記実験8と
全く同じ結果を得た。
【0023】以上の実験1〜7の結果に基いて、オース
テナイト系ステンレス鋼のMIG溶接、MAG溶接、及
びTIG溶接の各アーク溶接に適したシールドガスを、
以下の如く特定し得た。 (1)実験1〜3の結果からMIG溶接に適用するシー
ルドガスとして、以下の如き組成の混合ガスが適してい
ることが確認された。 アルゴンガスをベースガスとして、これに酸素ガス
を1乃至5容量%、窒素ガスを0.01乃至10容量%
混合したガス。 アルゴンガスをベースガスとして、これに炭酸ガス
を2乃至5容量%、窒素ガスを0.01乃至10容量%
混合したガス。 上記の混合ガスに、更に水素ガスを0.05乃至
3容量%混合したガス。 上記の混合ガスに、更に水素ガスを0.05乃至
3容量%混合したガス。
【0024】(2)実験4及び5の結果に基いて、MA
G溶接に適用するシールドガスとして、以下の如き組成
の混合ガスが適していることが確認された。 アルゴンガスをベースガスとして、これに炭酸ガス
を5乃至25容量%、窒素ガスを0.01乃至10容量
%混合したガス。 (3)実験6及び7の結果に基いて、TIG溶接に適用
するシールドガスとして、以下のごとき組成の混合ガス
が適していることが確認された。 アルゴンガスをベースガスとして、これに窒素ガス
を0.01乃至10容量%を混合したガス。 アルゴンガスをベースガスとして、これに窒素ガス
を0.01乃至10容量%、水素ガスを3乃至10容量
%混合したガス。
【0025】以上の如く、本発明のオーステナイト系ス
テンレス鋼のMIG溶接、MAG溶接、及びTIG溶接
等の各アーク溶接のシールドガスとして適する混合ガス
の組成を特定し得た。そして、これらの組成の混合ガス
は、これら混合ガスを形成している組成の各成分ガス
を、それぞれ単一純成分ガスで用意し、これらを所定の
組成比になる様に、重量法又は容量法の手段を用いてガ
ス容器に混合して充填して、これを溶接作業現場に配し
て使用し得るものである。
【0026】しかるに、上記各アーク溶接で使用するシ
ールドガスの組成がアルゴンガスを主成分として、窒素
ガス、あるいは酸素ガスを混合してなる混合ガスであっ
て、空気を形成している組成であることに着目し、これ
ら組成分を高純度成分で分離採取する、アルゴンガス採
取工程を設備した空気液化分離装置の分離工程のうち、
上記シールドガスの組成分よりなる混合ガスを形成して
いる特定工程個所が存在することを知見し、これに基い
て本発明に係る上記シールドガス用混合ガスを抽出採取
することによって、シールドガスに適した上記各混合ガ
スを容易に調整取得することがなし得るものである。
【0027】即ち、アルゴンガス採取工程を備えた空気
液化分離装置Pは、図1に図示する如き工程系統略図よ
りなっている。空気の液化温度[沸点:−194℃(1
気圧)]に近い温度では凝結する水分や炭酸ガスが除去
され、液化温度に冷却された空気Aは、下部塔3と上部
塔4とを凝縮記5を介して上下に配して一体に形成され
ている複式精留塔2の前記下部塔3の底部3aに、管1
より中圧(約5気圧・ゲージ圧)の液体状態で導入され
る。そして、その一部は管6により弁V1を経て膨張し
て低圧(約0.5気圧・ゲージ圧)の液体空気(LA)
にして、粗アルゴン塔7の上部の凝縮器8に導入した
後、管9により複式精留塔2の上部塔4にに導入されて
いる。
【0028】前記下部塔3では、導入された液体空気は
気化して底部3aより下部塔3内を上方に上昇し、途中
塔内に配された各精留棚段10、10、… で、上部塔
4の底部4aの凝縮器5で冷却されて液化して下降して
くる液体と接触して、沸点の高い成分ガスは液化して下
方に流下し、沸点のより低い成分ガスはガス状で上方に
上昇する。この様にして、各精留棚段10で精留が行わ
れ、下部塔3の上方にはより低沸点の窒素ガス[沸点:
−196℃(1気圧)]が高純度の状態で存在し、塔の
下方に下がって行くに従ってより高沸点である酸素ガス
[沸点:−183℃(1気圧)]の含有量が増加した状
態の窒素ガスが存在する。そして前記下部塔3の上部よ
り管11及び12より高純度の液体窒素、及び高純度窒素
ガスが抽出される。
【0029】一方上部塔4では、粗アルゴン塔7の上部
凝縮器8で粗アルゴン塔7を冷却して気化した低温度の
空気が、管9を介して導入された液体空気は、前記した
如く凝縮器5で下部塔3を上昇してくる気体を冷却した
結果、加熱されることとなり、より低い沸点の窒素ガス
は気化して頂部4bより管13で排出され、底部4aに
は沸点の高い酸素が、高い純度で残留する。そしてこの
高い純度の酸素を、製品として管14より導出する。そ
して、更に上部塔4の頂部4bと底部4aとの中間位置
近辺4cには、窒素ガスの沸点と酸素ガスの沸点との間
の値の沸点を有するアルゴンガス[沸点:−186℃
(1気圧)]がより濃縮された状態(5〜15容量%)
で存在し、窒素ガスが微量含有する酸素ガスを主成分と
した混合ガスでなるアルゴン原料ガスZが滞留してい
る。これを管15で抽出して粗アルゴン塔7の下部に導
入される。
【0030】この粗アルゴン塔7の下部に導入されたア
ルゴン原料ガスZは、粗アルゴン塔7内を上昇し、頂部
に設けた凝縮器8に供給されている複式精留塔2の下部
塔3よりの低圧の液体空気により冷却され、より沸点の
高い酸素ガスは下方に流下し、底部より管16で上部塔
4に還流される。そして、より沸点の低い窒素ガス、ア
ルゴンガスは該粗アルゴン塔の上方に滞留する。この上
方に滞留するガスは、アルゴンガス90容量%以上、酸
素ガス約2容量%前後、窒素ガス約1容量%前後の組成
を有している(粗アルゴンガスRArという)。これを
管17より抽出して、この粗アルゴンRAr中の酸素分
を除去するため、熱交換器18を介して冷熱を回収した
後、別途設備した脱酸素器19に導入して、ここで水素
を添加して、触媒の存在下で、酸素・水素反応を行わし
める。
【0031】ここで、酸素が除去され、アルゴンガスが
主成分であって窒素ガス、水素ガスを少量含有する脱酸
粗アルゴンガスRAr0は、生成した水分を除去した後、
これを圧縮して、前記熱交換器18で空気液化分離装置
Pより抽出される低温度の気体と熱交換して液体状態と
して、管20を介して高純度アルゴン塔21に導入され
る。そして高純度アルゴン塔21に導入された脱酸粗ア
ルゴンガスRAr0は、その底部で前記複式精留塔2の下
部筒3より管12を介して供給される中圧の窒素ガスで
加熱されて、気化して塔内を上昇する。この上昇してき
た気体は、該高純度アルゴン塔21の塔頂に設けられて
いる凝縮器22で、前記下部塔3より管11を介して抽
出し、弁V2で膨張して供給されている低圧の液体窒素
により冷却されて、沸点がより高温なアルゴンは液化
し、塔内を流下する。そして、流下途中で上昇してくる
気体と接触しつ降下して、精留され底部に高純度の液体
アルゴンが貯留される。一方塔頂からは液化されないよ
り低沸点である水素ガス、窒素ガスが管23より熱交換
器18で冷熱を回収して排出される。なお、底部で加熱
に利用して自身冷却された液化した中圧の窒素ガスは弁
V3で膨張されて低圧となって、凝縮器22に導入され
ている。
【0032】このようにして、高純度アルゴン塔21の
底部より、高純度な液体アルゴンが製品として管24よ
り抽出される。そして、この高純度アルゴン塔21の塔
内では、前記した如く精留処理が行われていて、底部よ
り頂部に行くにしたがって、より低沸点である窒素成
分、水素成分の含有量が増加している状態を形成してい
る。従って、この高純度アルゴン塔21の適宜な高さの
位置から気体を抽出すると、アルゴンガスを主成分とし
た、窒素ガス0.01〜2容量%、水素ガス0〜2容量
%の混合ガスが採取し得る。
【0033】又、別のアルゴン採取工程を備えた空気液
化分離装置Qを、図2に図示した工程系統略図により説
明する。なお、図2において、前記図1に図示した空気
液化分離装置Pと共通する構成機器は、同一符号を付し
て、詳細な説明は省略する。この空気液化分離装置Q
は、下部塔3と上部塔4とを凝縮器105を介して上下
1体に形成した複式精留塔2、粗アルゴン塔7、高純度
アルゴン塔21、を設けている点は、図1の空気液化分
離装置の構成と共通はしているが、粗アルゴン塔7で酸
素ガス分の含有量を極微量(1ppm以下)に低減し得
る装置構成されていて、前記図1で説明した空気液化分
離装置Pとは、水素を添加して酸・水素反応による脱酸
素装置19を必要としない装置である。このため、この
例での空気液化分離装置Qでは、複式精留塔2の下部塔
3の凝縮器105、粗アルゴン塔7の凝縮器108、及
び高純度アルゴン塔21の凝縮器122のそれぞれを、
プレートフィン型熱交換器として、各塔頂に滞留する気
体成分を常に該熱交換器に流通し得るようこれを開放状
態を保持して、凝縮可能成分を凝縮して、各塔に繰り返
し還流可能な状態にして、分離効果を著しく高めたもの
である。
【0034】この結果、この空気液化分離装置Qにおけ
る粗アルゴン塔7では、塔上部に滞留する気体を抽出す
る管17より管108aを分岐してこのプレートフィン
型熱交換器式凝縮器108を通して凝縮液化して、管1
08bで塔上部に還流する操作を繰り返して、粗アルゴ
ン塔7の塔上部に滞留する気体を酸素含有量1ppm以
下となしたものである。そして、窒素ガスの含有量0.
1〜2容量%の粗アルゴンガスとして、粗アルゴン塔7
の上部より抽出する管17で抽出し、液化器31内に配
されたプレートフィン型熱交換器式凝縮器32に導入す
る。そして、この導入された粗アルゴンガスは、該液化
器31で、下部塔3よりの高純度液体窒素を高純度アル
ゴン塔21の頂部に導入せしめる管11より分岐した管
33を介して弁V5により低圧に膨張せしめて供給され
ている低圧の液体窒素により冷却されて、液化せしめら
れ、管34を介して高純度アルゴン塔21に導入され
る。
【0035】高純度アルゴン塔21に導入された液体粗
アルゴンRArは、前記空気液化分離装置Pの高純度ア
ルゴン塔21での工程と同様に精留が行われ、低沸点で
ある窒素ガスを塔頂より管23で排出し、塔底部に液体
高純度アルゴンが貯留され、管24で導出されるもので
ある。この空気液化分離装置Qでの高純度アルゴン塔2
1内の気体の組成分布は、前記した如く粗アルゴン塔7
で、酸素成分が極微量にまで分離除去されていて、酸素
除去のため酸・水素反応を行っていないので、水素は存
在せず、塔内は塔上部に窒素ガス成分が存在し、塔下部
に向けて下降するに従って、順次アルゴンガスの含有量
が増加した窒素ガスとの混合ガス状態となって存在し、
底部では高純度なアルゴンが液体で貯留する。それ故、
高純度アルゴン塔21の適宜な高さの位置よりガスを抽
出すると、アルゴンガス+窒素ガスの適宜な組成比を有
する混合ガスが採取し得る。そして、この混合ガスは前
記各アーク溶接のシールドガスに十分適用し得る組成比
を有する混合ガスとして採用することができる。
【0036】以上の如き空気液化分離装置P及びQの粗
アルゴン塔及び高純度アルゴン塔の適宜な箇所で生成さ
れる組成ガスを的確に抽出することにより、これを前記
MIG溶接、MAG溶接、及びTIG溶接のシールドガ
スとして有効に活用し得る。これを、前記各アーク溶接
のシールドガスとその組成と対応して、それに適したガ
スを採取する前記各空気液化分離装置の採取個所を表1
に表示する。
【0037】
【表1】
【0038】表1に表示した如く、本発明の各アーク溶
接におけるシールドガスとして適用し得る組成の混合ガ
スは、空気成分よりアルゴン採取をする粗アルゴン塔、
高純度アルゴン塔を備えた空気液化分離装置を有効に活
用して、粗アルゴン塔の塔頂部や、高純度アルゴン塔の
適宜な個所より混合ガスを抽出することにより容易に得
られ、煩雑で、熟練技術を必要とする混合調整作業が軽
減し得るとともに、安価なシールドガスを提供すること
ができる。
【0039】
【発明の効果】本発明のオーステナイト系ステンレス鋼
のアーク溶接用のシールドガスは以上のような形態で実
施され、以下の如き効果を奏する。即ち、高価なアルゴ
ンガスを一部安価な窒素ガスに代替することが出来て、
価格を低減することが出来るばかりでなく、窒素ガスの
添加により破断延性が良好に保持されて、強度を向上せ
しめることが出来る。又、塩化物を含む環境中で惹起す
る孔食や、すきま腐食に対して抑制効果を発揮する効果
が得られる。更に、窒素ガスの含有濃度10容量%まで
はブローホールが発生しないことが確認された。
【0040】更に水素ガスを添加混合せしめることによ
り、発生するアークが緊縮して、継手接合部に熱を集中
せしめることが出来て、ビード幅が狭く、深い溶け込み
の形状が形成され、溶接による酸化や歪を小さくするこ
とができる。そして、これら本発明による各アーク溶接
用のシールドガスは、アルゴンガス採取工程を備えた空
気液化分離装置の粗アルゴン塔や高純度アルゴン塔の適
宜な個所より抽出する混合ガスを使用することにより、
所望組成の混合ガスを得るための煩雑な混合調整作業が
軽減し得て、極めて容易に取得し得て安価に提供するこ
とが可能となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アルゴンガス採取工程を備えた空気液化分離
装置の工程系統略図である。
【図2】 別のアルゴンガス採取工程を備えた空気液化
分離装置の工程系統略図である。
【符号の説明】
2…複式精留塔、 3…下部塔、 4…上部塔、 5、
8、22…凝縮器、7…粗アルゴン塔、 10…精留棚
段、 19…脱酸素装置、21…高純度アルゴン塔、
31…液化器、 P、Q…空気液化分離装置、32、1
05、108、122…プレートフィン型熱交換器式凝
縮器、V1、V2、V3、V4、V5…膨張弁、 A…空
気、 Z…アルゴン原料ガス、RAr…粗アルゴンガ
ス、 RAr0…脱酸粗アルゴンガス

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルゴンガスをベースガスとして、これ
    に炭酸ガスが2乃至5容量%含有してなるとともに、窒
    素ガスが0.01乃至10容量%含有した混合ガスより
    なることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼の
    MIG溶接用シールドガス。
  2. 【請求項2】 アルゴンガスをベースガスとして、これ
    に酸素ガスが1乃至5容量%含有してなるとともに、窒
    素ガスが0.01乃至10容量%含有した混合ガスより
    なることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼の
    MIG溶接用シールドガス。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載
    の混合ガスに、更に水素ガスが0.5乃至3容量%含有
    した混合ガスよりなることを特徴とするオーステナイト
    系ステンレス鋼のMIG溶接用シールドガス。
  4. 【請求項4】 アルゴンガスをベースガスとして、これ
    に炭酸ガスが5乃至25容量%と窒素ガスが0.01乃
    至10容量%含有した混合ガスよりなることを特徴とす
    るオーステナイト系ステンレス鋼のMAG溶接用シール
    ドガス。
  5. 【請求項5】 アルゴンガスをベースガスとして、これ
    に窒素ガスが0.01乃至10容量%含有した混合ガス
    よりなることを特徴とするオーステナイト系ステンレス
    鋼のTIG溶接用シールドガス。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の混合ガスに、更に水素
    ガスが3乃至10容量%含有した混合ガスでなることを
    特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼のTIG溶接
    用シールドガス。
  7. 【請求項7】 上記混合ガスは、空気液化分離装置に設
    備された粗アルゴン塔の塔頂から採取するガスを用いて
    なることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか
    1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼の溶接用シ
    ールドガス。
  8. 【請求項8】 上記混合ガスは、空気液化分離装置に設
    備された高純度アルゴン塔から採取するガスを用いてな
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1
    項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼の溶接用シー
    ルドガス。
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