JP2000195672A - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

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JP2000195672A
JP2000195672A JP37064698A JP37064698A JP2000195672A JP 2000195672 A JP2000195672 A JP 2000195672A JP 37064698 A JP37064698 A JP 37064698A JP 37064698 A JP37064698 A JP 37064698A JP 2000195672 A JP2000195672 A JP 2000195672A
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Japan
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image display
ultraviolet light
display device
light emitting
electrode
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JP37064698A
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Satoshi Mitamura
聡 三田村
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Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大画面化・軽量化・薄型化を図るとともに高
品位に画像を表示する。 【解決手段】 透明基板2上に、紫外発光素子(紫外発
光EL素子7)と、蛍光体6とをこの順で配設する。紫
外発光素子が放射する紫外光を蛍光体6が可視光に波長
変換し、この可視光を紫外光の入射方向に反射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長400nm以
下の紫外光を放射する紫外発光素子を蛍光体の励起エネ
ルギー源として用いる薄型の画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像表示装置は、例えば情報処理装置や
各種放送用受信機等と組み合わせて使用され、画像情報
や文字情報を表示する装置である。
【0003】従来の画像表示装置としては、例えば、C
RTディスプレイがある。CRTディスプレイは、その
画像品位、製品寿命等が、実用上必要とされる特性を十
分に満足する画像表示装置である。
【0004】また、従来の画像表示装置としては、例え
ば、液晶ディスプレイがある。液晶ディスプレイは、そ
の構造上、装置本体の軽量化・薄型化を実現することが
容易である。また、液晶ディスプレイは、液晶カラーフ
ィルタの普及とともにフルカラー表示化を実現し、近年
になって広く普及しつつある。
【0005】一方、液晶ディスプレイにおいては、従来
のバックライトに代わる光源として、小型化及び薄型化
を図ることが容易な発光ダイオード(以下、LEDと称
する。)を利用したものが、例えば実開昭63−431
77号公報に記載されている。斯かる液晶ディスプレイ
は、赤色・緑色・青色の各色を発光するLEDをそれぞ
れ平面上に複数個配設し、このLEDからの出力光を反
射材で反射させるとともに、拡散膜で拡散させて、光源
として利用する構成とされている。斯かる例では、LE
Dから出力される赤色・緑色・青色の各色を、液晶カラ
ーフィルタ装置によってフルカラー表示させている。
【0006】さらに、従来の画像表示装置としては、例
えば、プラズマディスプレイがある。プラズマディスプ
レイは、他の各種フラットパネルディスプレイと比較し
て、画面サイズの大型化が構造的に最も容易であり、高
速な応答性、広い視野角等を有している。そのため、プ
ラズマディスプレイは、高精細度テレビ用の42インチ
の画面サイズを有するものや、ワイドXGA用の50イ
ンチの画面サイズを有するものが実用化されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、画像表示装
置は、近年になって、大きな画面サイズを備えることが
要求されている。また、一方で、画像表示装置は、軽量
・薄型で、優れた画像品位で表示可能であることが要求
されている。
【0008】画像表示装置には、上述したように、様々
な表示方式のものがあるが、いずれの表示方式において
も、大画面・軽量・薄型・高品位画質という4つの要求
の全てに対して十分に満足することが困難である。
【0009】例えば、CRTディスプレイの場合には、
高電圧で駆動する電子銃によって真空管の内部で電子ビ
ームを射出し、この電子ビームにより蛍光体を発光させ
るという構造であるために、画面サイズに比例して装置
本体の奥行きと重量とが増大してしまうという問題があ
った。そのため、CRTディスプレイは、36インチの
画面サイズが製品として限界であった。
【0010】また、液晶ディスプレイの場合には、画面
サイズの大型化に伴い、製造工程上、良品率が著しく低
下してしまうといった問題がある。そのため、液晶ディ
スプレイは、大画面化を図ることが困難であり、現在の
ところ、20インチ以上の画面サイズの製品は実現され
ていない。また、液晶ディスプレイは、その構造上、応
答速度が遅いという特性を有しているために、高速でフ
ルカラー表示を行うといった用途には適していなかっ
た。
【0011】さらに、プラズマディスプレイの場合に
は、ネオン発光に起因する色再現性の不良がみられた
り、動画疑似輪郭が生じることによる画像品位の劣化が
みられたりするといった問題があった。また、プラズマ
ディスプレイは、消費電力が大きいといった問題があっ
た。
【0012】以上のように、従来の画像表示装置におい
ては、解決すべき技術的課題や、各表示方式に特有の本
質的問題が数多く存在し、上述したように、大画面・軽
量・薄型・高品位画質という要求の全てに満足する表示
方式は未だに提案されていないというのが実状である。
【0013】そこで、本発明は、上述した事情に鑑みて
なされたものであり、従来の画像表示装置に関わる各種
の技術的課題や本質的問題を伴わない、全く新しい表示
方式を提案するものである。すなわち、本発明は、従来
のCRTディスプレイにおける電子銃の代わりに、紫外
発光素子を蛍光体の励起エネルギー源に用いることによ
って、従来のCRTディスプレイと同等の高品位画質を
実現するとともに、大画面・軽量・薄型を実現すること
が容易な画像表示装置を提案することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明に係る画像表示装置は、波長400nm
以下の紫外光を放射する紫外発光素子と、上記紫外光を
吸収して可視光を放射する蛍光体とが、この順で透明基
板上に配設されてなる。
【0015】以上のように構成された画像表示装置は、
紫外発光素子を蛍光体の励起エネルギー源に用いること
から、CRTディスプレイのような真空管を必要としな
い。そのため、大画面化を図った場合においても、画面
サイズに応じて装置本体の奥行きを増大させる必要がな
く、薄型化を実現することが容易であるとともに、画像
表示面となる透明基板を薄くすることができるために、
軽量化を実現することが容易である。また、斯かる画像
表示装置は、CRTディスプレイと同等の蛍光体を用い
ることができることから、従来のCRTディスプレイと
同等の高品位画質を実現すること容易である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明に
おいては、図1及び図2に示すような画像表示装置1に
ついて説明することとする。
【0017】画像表示装置1は、透明基板2上に、互い
に略平行な複数の第1の電極3と、紫外発光膜4と、第
1の電極3と略直交し且つ互いに略平行な複数の第2の
電極5と、蛍光体6とが、この順で積層されてなる。
【0018】画像表示装置1においては、第1の電極3
と、紫外発光膜4と、第2の電極5とが紫外発光エレク
トロルミネッセンス素子7(以下、紫外発光EL素子7
という。)を構成している。そして、画像表示装置1に
おいては、図2に示すように、第1の電極3と第2の電
極5との交差部にそれぞれ、蛍光体6と紫外発光EL素
子7とが形成され、紫外発光EL素子7がマトリクス状
に複数配設された構成とされている。
【0019】また、画像表示装置1は、制御部8を備え
ており、この制御部8と第1の電極3及び第2の電極5
とが、それぞれ第1の配線9と第2の配線10とによっ
て電気的に接続されている。制御部8は、第1の電極3
と第2の電極5との間に印加する電界を制御する。そし
て、画像表示装置1においては、第1の電極3と第2の
電極5との間に電界を印加することによって、各紫外発
光EL素子7が波長400nm以下の紫外光を放射し、
この紫外光を蛍光体6が可視光に波長変換して、紫外光
の入射方向に放射する構成とされている。
【0020】画像表示装置1は、紫外発光EL素子7が
複数個備えられてマトリクス状に配設されていることに
よって、全体としてひとつの画像を表示することができ
る。
【0021】なお、図1においては、蛍光体6を図示せ
ず、第2の電極5と第2の配線10との一部を省略して
示す。
【0022】透明基板2は、例えば合成石英ガラスや透
明プラスチック等の透光性を有する硬質材料によって、
略平板状に形成されている。透明基板2には、その主面
2a上に、画像表示装置1の各部材が積層して形成され
ている。そして、透明基板2は、透光性を有しているこ
とによって、蛍光体6が紫外光を波長変換した可視光を
主面2aから入射させ、主面2aと反対側の主面2bへ
透過させる。言い換えると、画像表示装置1において
は、透明基板2の主面2bが画像表示面とされている。
【0023】また、透明基板2は、非導電性を有する材
料によって形成されることが望ましい。これにより、第
1の電極3に印加される電界が短絡してしまうことがな
い。透明基板2は、大きさ、厚み、形状等を限定される
ものではなく、目的に応じた所定の強度を備える厚みに
形成されていればよい。
【0024】第1の電極3は、導電性を有する材料によ
って短冊状に形成され、透明基板2上に互いに略平行と
なるように複数配設されている。第1の電極3は、例え
ば、Mo,Al,Ta,W,Au,Ag,Pt,Cu,
Ni,Cr等の材料によって形成されている。また、第
1の電極3は、In23,SnO2,ZnO,酸化イン
ジウム錫(ITO),酸化インジウム亜鉛(In23
Zn)等の導電性を有し、且つ透光性を有する材料によ
って形成されることが望ましい。これにより、第1の電
極3は、蛍光体6が波長変換した可視光を透過させるこ
とができる。したがって、画像表示装置1は、表示する
画像の輝度を向上させることができる。
【0025】第1の電極3は、例えば、真空蒸着法、ス
パッタ法、反応性スパッタ法、イオンプレーティング
法、分子線エピタキシー法等に代表される各種のPVD
法によって透明基板2上に形成することができる。ま
た、第1の電極3は、その膜厚を0.02μm〜0.5
μm程度の厚みとして形成され、特に0.05μm〜
0.2μm程度の厚みとして形成されることが望まし
い。これにより、第1の電極3を形成する際に、その電
極パターンが分断されてしまうことを防止することがで
きる。また、第1の電極3は、0.5μm以下の厚みで
形成されることによって、蛍光体6から放射される可視
光を吸収してしまうことなく、効率よく透明基板2に透
過させることができる。
【0026】紫外発光膜4は、3B族元素の窒化物によ
って略平板状に形成されており、第1の電極3と第2の
電極5との交差部にそれぞれ配設されている。また、紫
外発光膜4は、第1の電極3と第2の電極5との間に挟
まれて形成されており、これら第1の電極3と第2の電
極5との間に電界を印加されることによって紫外光を放
射する。なお、紫外光とは、波長400nm以下の電磁
波のことをいう。
【0027】紫外発光膜4は、3B族元素が化学的に安
定した化合物であるために、強電界下や紫外発光下にお
いても、大気中の水分や二酸化炭素等によって酸化して
しまうことがなく、輝度が長期的に安定する。紫外発光
膜4は、3B族元素の窒化物として、BN,AlN,G
aN,InN,In−Ga−Al−N等の、B,Al,
Ga,Inから選ばれる少なくとも1種の元素の窒化物
によって形成されることが望ましい。これにより、紫外
発光膜4は、電界を印加されることによって紫外光を放
射する。
【0028】紫外発光膜4は、その紫外発光メカニズム
として、いわゆる電圧励起型である第1のメカニズム
と、いわゆる電流注入型である第2のメカニズムとのい
ずれの構成としてもよい。
【0029】第1のメカニズムは、母体材料中に添加さ
れた発光中心元素によるホットエレクトロンの衝突励起
発光によって、紫外発光膜4が紫外光を放射するもので
ある。この場合、紫外発光膜4は、3B族元素の窒化物
を母体材料とし、希土類元素を発光中心元素とすること
が望ましい。そなわち、紫外発光膜4は、発光中心元素
として、例えばGd,Ce,Tm等に代表される希土類
元素を含有することが望ましい。これにより、紫外発光
膜4は、この第1のメカニズムによって紫外光を放射す
る構成となる。
【0030】発光中心元素としての希土類元素は、特に
Gdであることが望ましい。Gdは、ランタニド系列の
希土類元素の中でも4f最低励起エネルギー準位(6
7/2)が高く、このエネルギー準位から基底状態の準位
87/2)までのエネルギーを波長換算すると、約31
5nmとなる。すなわち、発光中心元素としてGdを用
いることによって、紫外発光が期待される。
【0031】また、上述した希土類元素は、母体材料中
において、単体で存在してもよいし、例えばハロゲン化
物等の化合物であってもよい。具体的には、例えばGd
元素を母体材料中に含有する場合に、単体Gd金属,フ
ッ化ガドリニウム,塩化ガドリニウム,臭化ガドリニウ
ム,ヨウ化ガドリニウム,酸化ガドリニウム,窒化ガド
リニウム等を含有してもよい。
【0032】第2のメカニズムは、母体材料によって多
層構造とされて、PN型半導体接合界面の形成に基づく
D−A再結合発光によって、紫外発光膜4が紫外光を放
射するものである。この場合、紫外発光膜4は、量子井
戸層と、この量子井戸層と比較して禁制帯幅エネルギー
が大きいバリア層とを少なくとも1周期以上積層した構
造とされる。そして、紫外発光膜4は、量子井戸層にド
ナー不純物が添加され、バリア層にドナー不純物又はア
クセプター不純物が添加されることが望ましい。これに
より、紫外発光膜4は、この第2のメカニズムによって
紫外光を放射する構成となる。
【0033】また、上述した量子井戸層とバリア層と
は、半導体形成の目的で添加される不純物元素を特に限
定されるものではなく、一般的にPN型半導体の形成に
用いられる不純物元素を添加されればよい。
【0034】以上のように構成された紫外発光膜4は、
第1の電極3と第2の電極5とを介して、所定の電界を
印加される。これにより、紫外発光膜4は、波長400
nm以下の電磁波である紫外光を放射する。
【0035】紫外発光膜4は、例えば、真空蒸着法、ス
パッタ法、電子サイクロトロン共鳴プラズマスパッタ
法、反応性スパッタ法、イオンプレーティング法、分子
線エピタキシー法等に代表される各種のPVD法によっ
て形成することができる。紫外発光膜4は、その膜厚を
0.02μm〜1.0μm程度の厚みとして形成され、
特に0.05μm〜0.5μm程度の厚みとして形成さ
れることが望ましい。
【0036】紫外発光膜4は、その膜厚が0.02μm
未満である場合に、蛍光体6の励起エネルギー源として
十分に利用可能な量の紫外線を放射することが困難とな
る。また、紫外発光膜4は、その膜厚が1.0μmを超
える場合に、内部で発生する紫外光を効果的に外部に放
射することが困難となる。
【0037】第2の電極5は、第1の電極3と同様に、
導電性を有する材料によって短冊状に形成され、互いに
略平行となるように複数配設されている。また、第2の
電極5は、第1の電極3と同様に、導電性を有し、且つ
透光性を有する材料によって形成されることが望まし
い。これにより、第2の電極5は、紫外発光膜4から放
射された紫外光を透過させ、蛍光体6に効率よく入射さ
せることができる。したがって、画像表示装置1は、表
示する画像の輝度を向上させることができる。
【0038】また、第2の電極5は、第1の電極3と同
様な方法によって、紫外発光膜4上に形成することがで
きる。
【0039】画像表示装置1は、上述したように、互い
に略平行な複数の第1の電極3と、この第1の電極3と
略直交し且つ互いに略平行な複数の第2の電極5とを備
えてなる。これにより、画像表示装置1は、マトリクス
状に複数配設された紫外発光EL素子7を効率的に且つ
独立して制御することができる。また、画像表示装置1
は、各々の紫外発光EL素子7を独立して制御すること
ができることから、例えばCRTディスプレイの電子銃
における1ガン3ビーム制御方式等と比較して、同等の
階調表現を実現することができる。
【0040】画像表示装置1においては、第1の電極3
と、紫外発光膜4と、第2の電極5とによって紫外発光
EL素子7が構成されてなる。紫外発光EL素子7にお
いて、紫外発光膜4は、第1の電極3と第2の電極5と
の間に電界を印加されることによって紫外光を放射す
る。そして、画像表示装置1においては、紫外発光EL
素子7が放射した紫外光を蛍光体6に入射することによ
って、この蛍光体6が可視光を放射する構成とされてい
ることから、紫外発光EL素子7が蛍光体6の励起エネ
ルギー源とされてなる。
【0041】蛍光体6は、図1に示すように、例えば従
来のCRTディスプレイ等に通常用いられている蛍光材
料によって、紫外発光EL素子7を覆うように薄膜状に
形成されている。蛍光材料としては、赤色発光するもの
として、例えば、Y23:Eu蛍光体とY23S:Eu
蛍光体との混合体を用いることができる。また、蛍光材
料としては、緑色発光するものとして、例えば、Zn
S:Cu,Al蛍光体とY2Al512:Tb蛍光体との
混合体を用いることができる。さらに、蛍光材料として
は、青色発光するものとして、例えば、ZnS:Ag,
Al蛍光体を用いることができる。蛍光材料としては、
Zn0・2Cd0・8S:Ag、Zn0.6Cd0・4S:Ag、
(Sr,Ca)10(PO46Cl2:Eu等の蛍光体を
用いてもよい。
【0042】また、蛍光体6は、可視光に対する透過率
が50%以下であることが望ましい。これにより、蛍光
体6は、紫外発光EL素子7から放射された紫外光を吸
収し、波長変換して放射する可視光を、紫外発光EL素
子7と反対の側に透過させてしまうことを防止すること
ができる。言い換えると、蛍光体6は、可視光に対する
透過率が50%以下であることによって、紫外発光EL
素子7から入射された紫外光を波長変換する際に、この
紫外光の入射方向に向けて可視光を放射することができ
る。これにより、可視光は、紫外発光EL素子7の方
向、すなわち画像表示面となる透明基板2の方向に向け
て放射される。
【0043】したがって、画像表示装置1は、高い発光
効率を達成することができるとともに、低消費電力化を
図ることができる。なお、可視光とは、波長400nm
〜780nmの電磁波のことをいう。
【0044】また、蛍光体6は、マトリクス状に複数配
設された紫外発光EL素子7のそれぞれに対して、透明
基板2と反対側に形成されている。そして、画像表示装
置1においては、紫外発光EL素子7の各列に対して、
赤色発光する蛍光体と、緑色発光する蛍光体と、青色発
光する蛍光体とを順に配設した構造とされている。
【0045】すなわち、画像表示装置1においては、赤
色発光する蛍光体と、緑色発光する蛍光体と、青色発光
する蛍光体とが配設された3つの紫外発光EL素子7を
1組として画像の基本単位(以下、画素と称する。)と
されている。画像表示装置1においては、各画素におけ
る各色の発光輝度が調整されることによって、各画素が
多色を表示することができる。
【0046】制御部8は、第1の配線9と第2の配線1
0とを介して、第1の電極3と第2の電極5とに接続さ
れており、各紫外発光EL素子7の発光を個別に制御す
る機能を有している。画像表示装置1は、制御部8を備
えることによって、複数の紫外発光EL素子7の発光を
各々制御されて、全体としてひとつの画像を表示するこ
とができる。
【0047】以下では、制御部8の具体的な構成の例を
示すこととする。なお、制御部8は、以下に示す例に限
定されるものではなく、上述したような機能を適宜備え
ればよいことは勿論である。
【0048】制御部8は、例えば、駆動電源と、制御回
路とを備える。制御回路は、図3に示すように、制御指
示部と、この制御指示部からの信号S1〜S4に応じて
動作するスイッチング素子T1〜T4と、スイッチング
素子T1,T2と並列に接続されたダイオードD1,D
2と、スイッチング素子T3,T4と直列に接続された
ダイオードD3,D4とにより構成される。
【0049】斯かる制御回路においては、スイッチング
素子T1,T3及びダイオードD1が一方の端子をそれ
ぞれ駆動電源に接続されており、スイッチング素子T
2,T4及びダイオードD2が一方の端子をそれぞれ接
地されている。制御回路は、スイッチング素子T1及び
ダイオードD1の他方の端子と、スイッチング素子T2
及びダイオードD2の他方の端子とが接続されるととも
に、紫外発光EL素子7の第1の電極3に接続されてい
る。また、制御回路は、ダイオードD3,D4がそれぞ
れスイッチング素子T3,T4と接続された端子と反対
側の端子同士を接続されるとともに、紫外発光EL素子
7の第2の電極5に接続されている。ダイオードD1〜
D4は、紫外発光EL素子7からの電荷の逆流を防止す
る機能を有している。
【0050】スイッチング素子T1は、制御指示部から
の信号S1に応じて、駆動電源と第1の電極3とを接続
し、この第1の電極3に電圧を印加する。スイッチング
素子T2は、制御指示部からの信号S2に応じて、第1
の電極3を接地する。スイッチング素子T3は、制御指
示部からの信号S3に応じて、駆動電源と第2の電極5
とを接続し、この第2の電極5に電圧を印加する。スイ
ッチング素子T4は、制御指示部からの信号S4に応じ
て、第2の電極5を接地する。
【0051】制御部8は、例えば以上のように構成され
てなり、複数設けられた第1の電極3及び第2の電極5
のうち、所定の第1の電極3と第2の電極5とに対して
電圧を印加したり接地したりすることによって、これら
第1の電極3と第2の電極5との交差部に位置する紫外
発光EL素子7の発光を制御する。制御部8は、第1の
電極3と第2の電極5とを選んで電圧を印加したり接地
したりすることによって、各紫外発光EL素子7の発光
を個別に制御することができる。
【0052】以上のように構成された画像表示装置1
は、制御部8が、マトリクス状に配設された複数の紫外
発光EL素子7の各々に対して印加する電界を制御する
ことによって、それぞれの紫外発光EL素子7が紫外光
の放射を制御される。そして、画像表示装置1において
は、各紫外発光EL素子7から放射された紫外光が蛍光
体6に吸収されて可視光に波長変換され、この可視光が
反射されて透明基板2の主面2b側に透過する。これに
より、画像表示装置1は、全体としてひとつの画像を表
示する。
【0053】画像表示装置1は、蛍光体6が、入射され
た紫外光を可視光に波長変換し、この可視光を紫外光の
入射方向に反射して放射する構成とされていることか
ら、いわゆる反射型のディスプレイとされてなる。
【0054】したがって、画像表示装置1は、高い発光
効率を有しており、特に、高い光取り出し効率を有して
いる。また、画像表示装置1は、蛍光体が励起エネルギ
ーの入射方向と反対の方向に可視光を放射する、例えば
CRTディスプレイのような、いわゆる透過型のディス
プレイのように、蛍光体6からの発光に透過減衰がな
い。そのため、画像表示装置1においては、蛍光体6の
発光効率が、この蛍光体6の物性に依存する紫外光吸収
効率及び紫外・可視光変換効率のみに規制され、蛍光体
6からの可視光取り出し効率をほぼ1.0とみなすこと
ができる。
【0055】また、画像表示装置1は、紫外発光EL素
子7を蛍光体6の励起エネルギー源に用いることから、
CRTディスプレイのような真空管を必要としない。し
たがって、大画面化を図った場合においても、画面サイ
ズに応じて装置本体の奥行きを増大させる必要がなく、
薄型化を実現することができるとともに、画像表示面と
なる透明基板2を薄くすることができるために、軽量化
を実現することができる。
【0056】画像表示装置1は、蛍光体6の励起エネル
ギー源として、紫外発光EL素子7を用いている。すな
わち、この画像表示装置1において、紫外発光EL素子
7は、CRTディスプレイの電子銃に相当する。したが
って、画像表示装置1は、蛍光体6に用いる蛍光材料と
して、CRTディスプレイと同等の蛍光材料を用いるこ
とができる。そのため、画像表示装置1は、CRTディ
スプレイと同等の優れた色再現性を達成することができ
るとともに、高品位画質を実現することができる。
【0057】また、画像表示装置1は、蛍光体6の励起
エネルギー源として紫外発光EL素子7を用いているた
めに、電子ビームを蛍光体の励起エネルギー源に用いる
CRTディスプレイと比較して、より低い電力で動作す
ることができる。
【0058】画像表示装置1において、紫外発光EL素
子7は、第1の電極3と第2の電極5との間に、必要に
応じて誘電体膜を1層以上設けた構成としてもよい。紫
外発光EL素子7は、紫外発光膜4を紫外発光させるた
めに第1の電極3と第2の電極5とに電界が印加される
に際して、誘電体膜を備えることによって、この電界の
強度を増大させることができる。また、紫外発光EL素
子7は、誘電体膜を備えることによって、紫外発光膜4
に過大な電圧を印加した際に微細欠陥が形成されること
による電気的短絡(ブレイクダウンモード)を防止する
ことができる。
【0059】誘電体膜は、例えば、SiO2,Si
34,SiON,Al23,SiAlON,BaTiO
3,SrTiO3,Ta25,Sm23,BaTa26
TiO2,Y23等の大きな誘電率を有する材料によっ
て薄膜状に形成されてなる。誘電体膜は、例えば、電子
線真空蒸着法、スパッタ法、反応性スパッタ法等に代表
される各種のPVD法によって形成することができる。
また、誘電体膜は、その膜厚を0.02μm〜0.5μ
m程度の厚みに形成され、特に0.05μm〜0.3μ
m程度の厚みとして形成されることが望ましい。
【0060】また、画像表示装置1は、制御部8を備え
ずに構成されてもよい。この場合に、画像表示装置1
は、他の各種装置に備えられた制御部によって紫外発光
EL素子7の動作を制御される構成とすることもでき
る。
【0061】さらに、画像表示装置1は、紫外発光EL
素子7がマトリクス状に複数配設された構成とされなく
てもよい。この場合に、画像表示装置1は、透明基板2
の主面2bの全体が、単独の紫外発光EL素子7によっ
て発光する構成として、例えば、液晶ディスプレイのバ
ックライトとして用いることができる。
【0062】また、画像表示装置1は、第1の電極3と
第2の電極5とをそれぞれ互いに略平行な複数の電極に
よって形成し、これら第1の電極3と第2の電極5とを
略直交させて形成した構成とされなくともよい。画像表
示装置1は、例えば、上述したように紫外発光EL素子
7を単独で備える場合に、第1の電極3と第2の電極5
とをそれぞれ複数備える必要がない。また、画像表示装
置1は、第1の電極3と第2の電極5とを互いに直交さ
せずに、互いに平行となるように配設してもよい。
【0063】さらに、画像表示装置1は、紫外光を放射
する紫外発光素子として、紫外発光EL素子7を備えた
構成としたが、斯かる構成に限定されるものではない。
画像表示装置1は、紫外発光素子として、紫外光を放射
する素子であれば、例えば、発光ダイオード、レーザダ
イオード等を用いてもよい。
【0064】また、画像表示装置1は、図2に示すよう
に、蛍光体6が紫外発光EL素子7を覆うように形成さ
れた構成としたが、斯かる構成に限定されるものではな
い。画像表示装置1は、例えば、図4に示すように、紫
外発光膜4を第1の電極3が形成された透明基板2の全
面に形成し、蛍光体6と紫外発光EL素子7とを単純な
積層構造としてもよい。
【0065】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明は、以下で説明する実施例に限定される
ものではないことはいうまでもない。先ず、上述した画
像表示装置1に基づいて、第1の画像表示装置を作成し
た第1の実施例について説明することとする。
【0066】先ず、縦125mm、横125mm、高さ
1mmの寸法を有し、透光性を有する合成石英ガラス製
の透明基板を用意し、この透明基板に対して中性洗剤及
び有機溶剤等で超音波洗浄を施した。
【0067】次に、i線露光用ポジ型フォトレジストに
よって、透明基板上にストライプ状のレジストパターン
を形成した。そして、Mo金属薄膜を以下に示す条件の
下で0.4μmの厚みで形成した。その後、レジストパ
ターンをアセトン等の有機溶剤によって超音波洗浄する
ことによって除去し、20μmの線幅を有するストライ
プ状の電極パターンを形成した。第1の画像表示装置に
おいては、Mo金属薄膜が、このストライプ状の電極パ
ターンに成形されて、最終的に第1の電極となる。
【0068】 Mo金属薄膜の形成条件 薄膜形成方法 : RFスパッタ法 ターゲット : 円板形状Mo金属(直径4inch,厚さ5mm) 到達圧力 : 1.5×10-6Torr 透明基板温度 : 30℃ 放電ガス流量 : Arガス30sccm 放電ガス圧 : 5mTorr 透明基板−ターゲット間距離: 75mm RF投入電力 : 100W スパッタ時間 : 15min 次に、誘電体として、Mo金属薄膜上に、Ta25薄膜
を以下の条件の下で0.25μmの厚みで形成した。
【0069】 Ta25薄膜の形成条件 薄膜形成方法 : DCスパッタ法 ターゲット : 円板形状Ta金属(直径3inch,厚さ5mm) 到達圧力 : 4.5×10-7Torr(常温時) 透明基板温度 : 500℃ 放電ガス流量 : Arガス15sccm,O2ガス15sccm 放電ガス圧 : 3mTorr 透明基板−ターゲット間距離: 44mm RF投入電力 : 50W スパッタ時間 : 30min 次に、紫外発光膜として、Ta25薄膜上に、Gdを添
加したAlN薄膜を以下の条件の下で0.4μmの厚み
で形成した。
【0070】 Gdを添加したAlN薄膜の形成条件 薄膜形成方法 : 電子サイクロトロン共鳴型RFスパッタ法 ターゲット : Gdチップ+円筒形状Al金属(直径5inch,厚さ5mm) 到達圧力 : 1.0×10-7Torr(550℃) 透明基板温度 : 550℃ 放電ガス流量 : Arガス20sccm,N2ガス20sccm 放電ガス圧 : 1.2mTorr 透明基板−ターゲット間距離: 100mm ECR投入電力 : 300W RF投入電力 : 300W スパッタ時間 : 65min 次に、第2の電極として、Gdを添加したAlN薄膜上
に、ITO酸化物薄膜を以下の条件の下で0.1μmの
厚みで形成した。なお、このITO酸化物薄膜の比抵抗
は、4.0×10-4Ω・cmとなった。また、この第2
の電極は、上述した第1の電極と同様にしてストライプ
状の電極パターンとなり、且つ第1の電極と直交するよ
うに形成した。
【0071】 ITO酸化物薄膜の形成条件 薄膜形成方法 : RFスパッタ法 ターゲット : 円板形状ITO酸化物(直径4inch,厚さ5mm) (Sn含有量 5重量%) 到達圧力 : 2.0×10-6Torr(200℃) 透明基板温度 : 200℃ 放電ガス流量 : Arガス80sccm 放電ガス圧 : 40mTorr 透明基板−ターゲット間距離: 100mm RF投入電力 : 40W スパッタ時間 : 16min 次に、蛍光体として、Y23S:Eu(赤色)と、Zn
S:Cu,AlとY2Al512:Tbとの混合体(緑
色)と、ZnS:Ag(青色)とを、従来のCRTディ
スプレイを作製する場合等で通常用いられる手法によっ
て、線幅150μm、膜厚1000μmで形成した。
【0072】次に、蛍光体に対して、エポキシ樹脂を用
いてコーティング加工を施し、保護膜を形成した。ま
た、制御部として、上述した画像表示装置1と同様な駆
動電源と、制御回路とを配設した。
【0073】以上のように作製した第1の画像表示装置
の概略断面図を図5に示す。また、第1の画像表示装置
と同様にして、蛍光体を備えず、他の各部は第1の画像
表示装置と同様な試験用の画像表示装置も同時に作製
し、この試験用の画像表示装置に対して、駆動波形が鋸
形で駆動周波数が1kHzの交流パルス電圧を第1の電
極と第2の電極とに印加し、その電磁波放射スペクトル
を測定した。その結果、350Vの印加電圧の下では、
図6に示すように、波長317nmで強い発光ピークが
確認された。
【0074】この第1の画像表示装置における紫外発光
膜の発光メカニズムは、次のように説明される。先ず、
第1の電極及び第2の電極とAlN薄膜との界面近傍に
おけるエレクトロンが強電場により加速されて高いエネ
ルギーを持つようになる。このように高いエネルギーを
持ったエレクトロンをホットエレクトロンと称する。そ
して、このホットエレクトロンは、AlN膜中でGdの
4f電子と衝突し、このGdの4f電子を励起する。こ
の時、Gdの励起された内殻電子は、基底状態に戻る際
に、そのエネルギーギャップに相当する波長のEL発光
(禁制遷移発光)を行う。
【0075】なお、第1の画像表示装置は、赤色、緑
色、青色の3色とも全て良好な発光が確認された。第1
の画像表示装置のEL発光と、このEL発光が波長変換
された可視光のうちの緑色の発光との放射スペクトル
を、図7に示す。これにより、第1の表示装置は、紫外
発光膜でのEL発光が効率よく緑色発光に変換されてい
ることがわかる。また、第1の画像表示装置は、室温2
3℃、相対湿度60%RHのクリーンルーム内で10時
間連続点灯させたところ、輝度に変化はみられなかっ
た。
【0076】以上のように、第1の画像表示装置に関す
る電磁波放射スペクトルの測定結果から、母体材料をA
lNとして形成された紫外発光膜は、波長317nmの
紫外領域でEL発光を実現することが確認された。
【0077】次に、第2の画像表示装置を作製した第2
の実施例について説明する。第2の画像表示装置には、
上述した画像表示装置1と異なり、紫外発光素子として
LED(Light Emitting Diode)素子を用いる。LED
素子は、第1の電極と第2の電極との間に、高キャリア
密度n+型薄膜と、n型薄膜と、発光薄膜と、p型薄膜
と、コンタクト薄膜とがこの順で積層された構造とされ
る。
【0078】第2の画像表示装置を作製するに際して
は、第1の画像表示装置を作製する場合と同様にして、
合成石英製の透明基板上に、Mo金属薄膜からなる第1
の電極を形成した。
【0079】次に、Mo金属薄膜上に、LED素子を構
成する各薄膜を形成する。このLED素子形成工程にお
いては、MOVPE(Metalorganic Vapor Phase Epita
xy)法によって、各薄膜を形成した。また、このLED
素子形成工程においては、MOVPE成長装置を用い
て、温度を900℃に保持し、各種ガスをこのMOVP
E成長装置に供給することによって、各薄膜を形成し
た。また、LED素子形成工程で使用したガスは、キャ
リアガスとしての窒素ガス、アンモニア、トリメチルア
ルミニウム(以下、TMAと称する。)、トリメチルガ
リウム(以下、TMGと称する。)、シラン、ジエチル
亜鉛(以下、DEZと称する。)、及びMg(C55
2(シクロペンタジエニルマグネシウム:以下、CP2
Mgと称する。)を用いた。なお、キャリアガスとして
は、窒素ガスの代わりに水素ガスを用いてもよい。
【0080】LED素子を形成するに際しては、先ず、
Mo金属薄膜上に、高キャリア濃度n+型薄膜を形成し
た。斯かる工程においては、Mo金属薄膜が形成された
透明基板をMOVPE成長装置内に移し、水素ガスを2
0l/min、アンモニアを10l/min、TMGを
1.8×10-4mol/min、及び水素ガスによって
0.88ppmに希釈されたシランを200ml/mi
nで30分間供給した。これにより、シリコンがドープ
されたGaNからなる高キャリア濃度n+型薄膜を、厚
みが約2.2μm、キャリア密度が2×1018/cm3
となるように形成した。
【0081】次に、高キャリア濃度n+型薄膜上に、n
型薄膜を形成した。斯かる工程においては、窒素ガスを
10l/min、アンモニアを10l/min、TMG
を1.15×10-4mol/min、TMAを0.47
×10-4mol/min、及び水素ガスによって0.8
6ppmに希釈されたシランを1.0×10-8mol/
minで60分間供給した。これにより、シリコンがド
ープされたAl0.3Ga0.7Nからなるn型薄膜を、厚み
が約1.0μm、キャリア密度が1.0×1018/cm
3となるように形成した。
【0082】次に、n型薄膜上に、発光薄膜を形成し
た。発光薄膜は、厚みが約0.01μmのAl0.25Ga
0.75Nからなる6層のバリア層と、厚みが約0.01μ
mのAl0.2Ga0.8Nからなる5層の量子井戸層とを交
互に積層し、全体の厚みが約0.11μmの多層構造と
なるように形成する。
【0083】バリア層は、窒素ガスを20l/min、
アンモニアを10l/min、TMGを1.0×10-5
mol/min、TMAを0.40×10-4mol/m
inで3分間供給して形成した。
【0084】量子井戸層は、窒素ガスを20l/mi
n、アンモニアを10l/min、TMGを1.0×1
-5mol/min、TMAを0.32×10-4mol
/min、水素ガスによって0.86ppmに希釈され
たシランを1.0×10-8mol/min、及びDEZ
を2.0×10-4mol/minで3分間供給して形成
した。
【0085】次に、発光薄膜上に、p型薄膜を形成し
た。斯かる工程においては、窒素ガスを20l/mi
n、アンモニアを10l/min、TMGを1.12×
10-4mol/min、TMAを0.47×10-4mo
l/min、及びCP2Mgを2.0×10-4mol/
minで60分間供給した。これにより、マグネシウム
がドープされたAl0.3Ga0.7Nからなるp型薄膜を、
厚みが約1.0μmとなるように形成した。このp型薄
膜は、マグネシウム濃度が1.0×1020/cm3とな
り、比抵抗が108Ωcmの絶縁体となる。
【0086】次に、p型薄膜上に、コンタクト薄膜を形
成した。斯かる工程においては、窒素ガスを20l/m
in、アンモニアを10l/min、TMGを1.12
×10-4mol/min、及びCP2Mgを4.0×1
-4mol/minで4分間供給した。これにより、マ
グネシウムがドープされたGaNからなるコンタクト薄
膜を、厚みが約0.2μmとなるように形成した。この
コンタクト薄膜は、マグネシウム濃度が2.0×1020
/cm3となり、比抵抗が108Ωcm以上の絶縁体とな
る。
【0087】次に、LED素子を構成する各薄膜が形成
された透明基板に対して、450℃で45分間の熱処理
を施した。この熱処理工程によって、コンタクト薄膜及
びp型薄膜は、キャリア密度がそれぞれ7.0×1017
/cm3及び5.0×1017/cm3、比抵抗がそれぞれ
2Ωcm及び0.8Ωcmのp型半導体となった。
【0088】次に、第2の電極として、LED素子上
に、Ni金属を真空蒸着法によって形成した。斯かる工
程においては、上述した第1の画像表示装置の場合と同
様にして、i線露光用ポジ型フォトレジストを用いて、
第2の電極を第1の電極と直交するストライプ状に形成
した。
【0089】次に、蛍光体として、上述した第1の画像
表示装置と同様にして、従来のCRTディスプレイを作
製する場合等で通常用いられる手法によって、線幅15
0μm、膜厚1000μmで形成した。
【0090】以上のように作製した第2の画像表示装置
は、第1の電極と第2の電極との間に駆動電流20mA
の電界を印加したところ、波長380nmで発光ピーク
を示し、その発光強度は2mWであった。また、この第
2の画像表示装置は、その発光効率が3.5%であっ
た。なお、第2の画像表示装置は、赤色、緑色、青色の
3色とも全て良好な発光が確認された。
【0091】第2の画像表示装置は、バリア層のバンド
ギャップが、p型薄膜とn型薄膜とのバンドギャップと
比較して小さくなるような、いわゆるダブルヘテロ接合
として形成したが、シングルヘテロ接合として形成して
もよい。また、p型薄膜を形成する際に熱処理を施した
が、例えば、電子線放射を施すことによってp型薄膜を
形成してもよい。
【0092】以下では、本発明に係る画像表示装置が、
反射型のフラットパネルディスプレイであることによる
優位性を検証するために、上述した第1の画像表示装置
と同様にして、いわゆる透過型のフラットパネルディス
プレイである第3の画像表示装置を作製した。第3の画
像表示装置は、蛍光体を第2の電極上ではなく、透明基
板と第1の電極との間に膜厚15μmで形成した他は第
1の画像表示装置と全く同様の構成とした。
【0093】これら第1の画像表示装置と第3の画像表
示装置とにおいて、蛍光体の発光スペクトル強度をそれ
ぞれ測定し、比較評価を行った。評価方法としては、そ
れぞれの画像表示装置の画像表示面に直径5mmのコリ
メータレンズを密着させ、このコリメータレンズに内径
1mmの光ファイバケーブルを接続することによって、
画像表示面の光をフォトダイオードアレイによるスペク
トル解析装置に導いた。これにより、第1の画像表示装
置と第2の画像表示装置とにおいて、赤色、緑色、青色
の各色毎に発光強度を測定した。
【0094】この結果、第1の画像表示装置は、赤色、
緑色、青色の各色ともに、第3の画像表示装置と比較し
て高い発光強度を示した。特に、短波長である青色の発
光強度において、その差が顕著であり、第1の画像表示
装置は、第3の画像表示装置と比較して約80倍の発光
強度を示した。
【0095】以上の結果から、本発明に係る画像表示装
置は、蛍光体が入射された紫外光を可視光に波長変換
し、この可視光を紫外光の入射方向に反射して放射す
る、反射型の構造とされることによって、透過型の構造
を有する画像表示装置と比較して高輝度であることが確
認された。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る画像
表示装置は、紫外光を放射する紫外発光素子と、この紫
外光を吸収して可視光を放射する蛍光体とが、この順で
透明基板上に配設されたことにより、紫外発光素子を蛍
光体の励起エネルギー源として利用することができる。
したがって、斯かる画像表示装置は、画像表示面の大画
面化を図った場合においても、画面サイズに応じて装置
本体の奥行きを増大させる必要がなく、薄型化・軽量化
を実現することができる。また、斯かる画像表示装置
は、CRTディスプレイと同等の蛍光体を用いることが
できることから、従来のCRTディスプレイと同等の高
品位画質を実現することができる。さらに、斯かる画像
表示装置は、蛍光体の励起エネルギー源に紫外発光素子
を利用することから、低消費電力化を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像表示装置を示す概略平面図で
ある。
【図2】同画像表示装置を示す要部断面図である。
【図3】同画像表示装置の制御部の一例を示す回路図で
ある。
【図4】本発明に係る他の画像表示装置を示す要部断面
図である。
【図5】本発明に係るさらに他の画像表示装置を示す断
面図である。
【図6】同画像表示装置の放射スペクトルを示す図であ
る。
【図7】同画像表示装置の紫外発光膜及び蛍光体(緑
色)の放射スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 画像表示装置、2 透明基板、3 第1の電極、4
紫外発光膜、5 第2の電極、6 蛍光体、7 紫外
発光EL素子、8 制御部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/32 G09G 3/32 A H01L 33/00 H01L 33/00 C H05B 33/12 H05B 33/12 E Fターム(参考) 3K007 AB03 AB04 AB18 BA06 BB07 CA01 CB01 DA01 DA02 DA05 DB00 DB03 DC04 DC05 EA02 EC02 FA01 FA03 5C080 AA06 AA07 BB05 CC06 DD22 DD26 JJ02 JJ03 JJ05 JJ06 5C094 AA08 AA14 AA15 AA22 BA12 BA27 BA29 BA32 CA19 CA24 DA09 EB02 FA02 FB02 FB14 FB16 HA10 JA11 5F041 AA14 CA40 CA52 FF01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長400nm以下の紫外光を放射する
    紫外発光素子と、上記紫外光を吸収して可視光を放射す
    る蛍光体とが、この順で透明基板上に配設されたことを
    特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 上記紫外発光素子を駆動する制御部を備
    えることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 上記蛍光体は、波長400nm〜780
    nmの電磁波に対する透過率が50%以下であることを
    特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】 上記紫外発光素子は、複数個備えられて
    マトリクス状に配置されたことを特徴とする請求項1記
    載の画像表示装置。
  5. 【請求項5】 上記紫外発光素子は、その駆動電極とし
    て、互いに略平行な複数の第1の電極と、この第1の電
    極と略直交し且つ互いに略平行な複数の第2の電極とを
    備えることを特徴とする請求項4記載の画像表示装置。
  6. 【請求項6】 上記紫外発光素子は、3B族元素の窒化
    物によって形成された紫外発光膜を備える紫外発光エレ
    クトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求
    項1記載の画像表示装置。
  7. 【請求項7】 上記紫外発光膜は、B,Al,Ga,I
    nから選ばれる少なくとも1種の元素の窒化物によって
    形成されたことを特徴とする請求項6記載の画像表示装
    置。
  8. 【請求項8】 上記紫外発光膜は、希土類元素を含有す
    ることを特徴とする請求項6記載の画像表示装置。
  9. 【請求項9】 上記希土類元素は、Gdであることを特
    徴とする請求項8記載の画像表示装置。
  10. 【請求項10】 上記紫外発光膜は、量子井戸層と、こ
    の量子井戸層と比較して禁制帯幅エネルギーが大きいバ
    リア層とを少なくとも1周期以上積層した構造とされ、 上記量子井戸層には、ドナー不純物が添加され、 上記バリア層には、ドナー不純物又はアクセプター不純
    物が添加されたことを特徴とする請求項6記載の画像表
    示装置。
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