JP2000192217A - 可動部品の表面に適用する溶射皮膜とその形成方法 - Google Patents
可動部品の表面に適用する溶射皮膜とその形成方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐食性、耐摩耗性、摺動性および耐剥離
性を改善した溶射皮膜とその形成方法の提供 【解決手段】 下地層として、可動部品の表面上に 耐
食性合金層皮膜を溶射形成し、その上に酸化クロム又は
酸化クロムとモリブデン及び硼化クロムの1種又は2種
を主成分としたセラミック系溶射皮膜を形成し、無機系
封孔剤により封孔処理を行なう。 【効果】 可動部品の耐食性、耐摩耗性、摺動性お
よび耐剥離性を改善し、実用性能を大きく向上できる。
性を改善した溶射皮膜とその形成方法の提供 【解決手段】 下地層として、可動部品の表面上に 耐
食性合金層皮膜を溶射形成し、その上に酸化クロム又は
酸化クロムとモリブデン及び硼化クロムの1種又は2種
を主成分としたセラミック系溶射皮膜を形成し、無機系
封孔剤により封孔処理を行なう。 【効果】 可動部品の耐食性、耐摩耗性、摺動性お
よび耐剥離性を改善し、実用性能を大きく向上できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋼製の油圧または空
気圧シリンダーのピストンロッド、ジャッキラム、軸、
弁その他の可動部品に適用する溶射皮膜およびその形成
方法に関する。
気圧シリンダーのピストンロッド、ジャッキラム、軸、
弁その他の可動部品に適用する溶射皮膜およびその形成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶、水門あるいは可動橋などを作動さ
せる鋼製の油、空気圧シリンダーのピストンロッド、お
よびジャッキラムならびに軸、弁その他の可動部品は、
非常に苛酷な使用環境にさらされて腐食、摩耗を受け
る。そのため、耐食、耐摩耗性に優れたクロムめっき、
あるいはNiやNi−Cr合金溶射、セラミック溶射な
どがこれら部材表面に施されてきた。
せる鋼製の油、空気圧シリンダーのピストンロッド、お
よびジャッキラムならびに軸、弁その他の可動部品は、
非常に苛酷な使用環境にさらされて腐食、摩耗を受け
る。そのため、耐食、耐摩耗性に優れたクロムめっき、
あるいはNiやNi−Cr合金溶射、セラミック溶射な
どがこれら部材表面に施されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属皮
膜は局部腐食を受けやすく、耐摩耗性の点からも寿命は
長いものといえなかった。特公平7−37347号公報
の発明では、セラミック溶射皮膜として10%のTiO
2を含むAl2O3皮膜が提案されているが、さらに一層
の特性向上が望まれている。本発明は、前記従来技術に
おける問題点を解決し、鋼製の油、空気圧シリンダーの
ピストンロッド、ジャッキラムならびに軸、弁その他の
可動部品に適用する耐食性、耐摩耗性、摺動性および耐
剥離性を改善した溶射皮膜およびその形成方法を提供す
ることを目的としている。
膜は局部腐食を受けやすく、耐摩耗性の点からも寿命は
長いものといえなかった。特公平7−37347号公報
の発明では、セラミック溶射皮膜として10%のTiO
2を含むAl2O3皮膜が提案されているが、さらに一層
の特性向上が望まれている。本発明は、前記従来技術に
おける問題点を解決し、鋼製の油、空気圧シリンダーの
ピストンロッド、ジャッキラムならびに軸、弁その他の
可動部品に適用する耐食性、耐摩耗性、摺動性および耐
剥離性を改善した溶射皮膜およびその形成方法を提供す
ることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、Cr2O3溶射
皮膜が、基材あるいは基材に施された耐食性合金溶射皮
膜との密着性に優れていることを知見し、本発明を完成
するに至った。
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、Cr2O3溶射
皮膜が、基材あるいは基材に施された耐食性合金溶射皮
膜との密着性に優れていることを知見し、本発明を完成
するに至った。
【0005】前記の知見に基づいてなされた本発明は、
可動部品の表面に適用する、酸化クロム又は酸化クロム
と、モリブデン及び硼化クロムの1種又は2種ならびに
不可避不純物よりなることを特徴とする耐食性、耐摩耗
性、摺動性および耐剥離性を改善した溶射皮膜を要旨と
している。
可動部品の表面に適用する、酸化クロム又は酸化クロム
と、モリブデン及び硼化クロムの1種又は2種ならびに
不可避不純物よりなることを特徴とする耐食性、耐摩耗
性、摺動性および耐剥離性を改善した溶射皮膜を要旨と
している。
【0006】また本発明は、下地層として可動部品基材
上に 耐食性合金層皮膜を溶射形成し、その上に酸化ク
ロム又は酸化クロムとモリブデン及び硼化クロムの1種
又は2種を主成分としたセラミック系溶射皮膜を形成
し、形成された溶射皮膜に対して無機系封孔剤により封
孔処理を行なうことを特徴とする耐食性、耐摩耗性、摺
動性および耐剥離性を改善した可動部品に適用する溶射
皮膜の形成方法を要旨とするものである。
上に 耐食性合金層皮膜を溶射形成し、その上に酸化ク
ロム又は酸化クロムとモリブデン及び硼化クロムの1種
又は2種を主成分としたセラミック系溶射皮膜を形成
し、形成された溶射皮膜に対して無機系封孔剤により封
孔処理を行なうことを特徴とする耐食性、耐摩耗性、摺
動性および耐剥離性を改善した可動部品に適用する溶射
皮膜の形成方法を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の構成と作用を説明する。
本発明において、溶射皮膜構成材料として、酸化クロム
又は酸化クロムとモリブデン及び硼化クロムの1種又は
2種を主成分としたセラミックを選定したことにより、
密着性の優れた溶射皮膜とすることが出来る。
本発明において、溶射皮膜構成材料として、酸化クロム
又は酸化クロムとモリブデン及び硼化クロムの1種又は
2種を主成分としたセラミックを選定したことにより、
密着性の優れた溶射皮膜とすることが出来る。
【0008】通常、基材表面にセラミックス皮膜が溶射
形成されておれば、耐食・耐摩耗性はある程度得られる
ものであるが、溶射形成される皮膜の材料成分と特性に
左右されて溶射皮膜の剥離性、寿命の点で相当の差が生
ずる
形成されておれば、耐食・耐摩耗性はある程度得られる
ものであるが、溶射形成される皮膜の材料成分と特性に
左右されて溶射皮膜の剥離性、寿命の点で相当の差が生
ずる
【0009】本発明の溶射皮膜が優れていることは、基
材との密着性が良好であるためと考えられる。これは、
酸化クロムセラミックの比重が5.2程度で、酸化アル
ミニウムセラミックの3.9、酸化チタニウムの4.2
などに比べ高いため、プラズマ溶射などの高速溶射を行
なうと、高比重材料は運動量が高く、基材との密着性が
向上することになると推測される。この結果セラミック
ス皮膜の耐剥離性を増加し、本発明の特性向上に寄与す
ることになる。
材との密着性が良好であるためと考えられる。これは、
酸化クロムセラミックの比重が5.2程度で、酸化アル
ミニウムセラミックの3.9、酸化チタニウムの4.2
などに比べ高いため、プラズマ溶射などの高速溶射を行
なうと、高比重材料は運動量が高く、基材との密着性が
向上することになると推測される。この結果セラミック
ス皮膜の耐剥離性を増加し、本発明の特性向上に寄与す
ることになる。
【0010】本発明の溶射皮膜を構成する酸化クロムは
材料コストも安価である。不純物として数%までの他の
酸化物セラミックの混入は許容される。また、モリブデ
ンは酸化クロムのバインダーとして、さらにその一部は
酸化モリブデンを形成して酸化クロムの結合力を高める
と考えられ、摺動性、潤滑性向上にも効果がある。な
お、モリブデンが1重量%未満では添加効果が発揮でき
ず30重量%を超えると溶射皮膜の緻密性が劣化する。
また、硼化クロムは1〜30重量%の添加範囲で、溶射
皮膜の潤滑性を阻害することなく耐摩耗性を向上する効
果が奏される。
材料コストも安価である。不純物として数%までの他の
酸化物セラミックの混入は許容される。また、モリブデ
ンは酸化クロムのバインダーとして、さらにその一部は
酸化モリブデンを形成して酸化クロムの結合力を高める
と考えられ、摺動性、潤滑性向上にも効果がある。な
お、モリブデンが1重量%未満では添加効果が発揮でき
ず30重量%を超えると溶射皮膜の緻密性が劣化する。
また、硼化クロムは1〜30重量%の添加範囲で、溶射
皮膜の潤滑性を阻害することなく耐摩耗性を向上する効
果が奏される。
【0011】本発明は、基材に下地の耐食性合金層皮膜
を溶射形成し、その上に酸化クロム又は酸化クロムとモ
リブデンを主成分としたセラミック系溶射皮膜を形成す
る。下地材としては耐食性の点よりNi−Cr合金がよ
く、Niのみでは耐食性の点で不十分な場合のあること
が確認された。その他の合金皮膜としてCoNiCrA
lY合金やNi−Al合金の適用も可能である。
を溶射形成し、その上に酸化クロム又は酸化クロムとモ
リブデンを主成分としたセラミック系溶射皮膜を形成す
る。下地材としては耐食性の点よりNi−Cr合金がよ
く、Niのみでは耐食性の点で不十分な場合のあること
が確認された。その他の合金皮膜としてCoNiCrA
lY合金やNi−Al合金の適用も可能である。
【0012】封孔処理には、耐摩耗性の点から無機系封
孔成分が使用される。有機系のものはシーリング効果は
示されるものの耐摩耗性が低く実用性に乏しい。酸化物
生成型の封孔剤で好結果が得られる。この系のものとし
ては、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、シリ
コンなどのアルコール系化合物や、クロム酸系化合物あ
るいは水ガラスなどが使用可能である。酸化物生成反応
を行なわせるために溶射皮膜に対して封孔剤溶液を含浸
させ、その後加熱処理を施す。
孔成分が使用される。有機系のものはシーリング効果は
示されるものの耐摩耗性が低く実用性に乏しい。酸化物
生成型の封孔剤で好結果が得られる。この系のものとし
ては、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、シリ
コンなどのアルコール系化合物や、クロム酸系化合物あ
るいは水ガラスなどが使用可能である。酸化物生成反応
を行なわせるために溶射皮膜に対して封孔剤溶液を含浸
させ、その後加熱処理を施す。
【0013】セラミックス皮膜は、50〜500μmの
範囲で長寿命が与えられるが、厚さが50μm未満では
耐食性、耐摩耗性、摺動性などの皮膜効果が不十分であ
り、500μmを超えると溶射皮膜の剥離性が増大して
くる。
範囲で長寿命が与えられるが、厚さが50μm未満では
耐食性、耐摩耗性、摺動性などの皮膜効果が不十分であ
り、500μmを超えると溶射皮膜の剥離性が増大して
くる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は鋼製の
油、空気圧シリンダーのピストンロッド、およびジャッ
キラムならびに軸、弁その他の可動部品の耐食性、耐摩
耗性、摺動性および耐剥離性を改善し、実用性能を大き
く向上するなどの効果を発揮し、産業上有益である。
油、空気圧シリンダーのピストンロッド、およびジャッ
キラムならびに軸、弁その他の可動部品の耐食性、耐摩
耗性、摺動性および耐剥離性を改善し、実用性能を大き
く向上するなどの効果を発揮し、産業上有益である。
【0015】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
これによって本発明が限定されることはない。 実施例 油、空気圧シリンダーのピストンロッド、およびジャッ
キラムならびに軸、弁その他の可動部品への本発明皮膜
の適用効果を確認するため、次のようなシュミレーショ
ン評価試験を行なった。
これによって本発明が限定されることはない。 実施例 油、空気圧シリンダーのピストンロッド、およびジャッ
キラムならびに軸、弁その他の可動部品への本発明皮膜
の適用効果を確認するため、次のようなシュミレーショ
ン評価試験を行なった。
【0016】溶射材料として、Cr2O3系、Cr2O3−
10%Mo系、Cr2O3−10%CrB2系およびCr2
O3−7%Mo−5%CrB2系で、いずれも粒度20〜
100μmのものを使用し、プラズマ溶射によりそれぞ
れの試験片を作成した。基材としてSS400の50×
100×10mmの表面をブラストし、下盛層なしで1
50μm厚さに溶射皮膜を形成した。
10%Mo系、Cr2O3−10%CrB2系およびCr2
O3−7%Mo−5%CrB2系で、いずれも粒度20〜
100μmのものを使用し、プラズマ溶射によりそれぞ
れの試験片を作成した。基材としてSS400の50×
100×10mmの表面をブラストし、下盛層なしで1
50μm厚さに溶射皮膜を形成した。
【0017】封孔剤としては、Al2O3、TiO2形成
型のアルコール系化合物溶液を使用して封孔処理(封孔
処理後の可熱処理を含む)を行ない、封孔処理しないも
のと比較した。また、比較のために同じ条件で作成した
Al2O3(純度95%)溶射皮膜ならびにクロムめっき
皮膜について、それぞれ標準的な塩水噴霧試験(JIS
Z 2371)を施した。
型のアルコール系化合物溶液を使用して封孔処理(封孔
処理後の可熱処理を含む)を行ない、封孔処理しないも
のと比較した。また、比較のために同じ条件で作成した
Al2O3(純度95%)溶射皮膜ならびにクロムめっき
皮膜について、それぞれ標準的な塩水噴霧試験(JIS
Z 2371)を施した。
【0018】その結果、溶射材料として、Cr2O3系、
Cr2O3−10%Mo系、Cr2O3−10%CrB2系
およびCr2O3−7%Mo−5%CrB2系をプラズマ
溶射して封孔処理をしたものは、1000時間経過後も
赤錆の発生がなく、良好であったが、比較のものにはい
ずれも赤錆の発生が認められた。Ni−Cr合金の下盛
りを行なったものはさらに耐食性が向上するので実用性
能はより良好となる。
Cr2O3−10%Mo系、Cr2O3−10%CrB2系
およびCr2O3−7%Mo−5%CrB2系をプラズマ
溶射して封孔処理をしたものは、1000時間経過後も
赤錆の発生がなく、良好であったが、比較のものにはい
ずれも赤錆の発生が認められた。Ni−Cr合金の下盛
りを行なったものはさらに耐食性が向上するので実用性
能はより良好となる。
【0019】また、溶射皮膜の剥離性を試験するため、
90φ×1300mmのロッドに前記と同様の溶射皮膜
を形成し、繰り返し曲げ試験を行なった。ただしこの試
験では実用状態に近似させるため、70Ni−Cr合金
で50μm厚の下盛り溶射を行ない、その上に250μ
m厚のCr2O3系、Cr2O3−10%Mo系、Cr2O3
−10%CrB2系およびCr2O3−7%Mo−5%C
rB2系溶射皮膜をそれぞれプラズマ溶射した。試験
は、60t疲労試験機を用い次の条件で行なった。 試験条件 1.支点間距離:1000mm 2.撓み量 :2mm 3.温度 :常温 4.サイクル :1Hz 5.曲げ回数 :10,000回 6.判定基準 :皮膜の剥離・割れがないこと
90φ×1300mmのロッドに前記と同様の溶射皮膜
を形成し、繰り返し曲げ試験を行なった。ただしこの試
験では実用状態に近似させるため、70Ni−Cr合金
で50μm厚の下盛り溶射を行ない、その上に250μ
m厚のCr2O3系、Cr2O3−10%Mo系、Cr2O3
−10%CrB2系およびCr2O3−7%Mo−5%C
rB2系溶射皮膜をそれぞれプラズマ溶射した。試験
は、60t疲労試験機を用い次の条件で行なった。 試験条件 1.支点間距離:1000mm 2.撓み量 :2mm 3.温度 :常温 4.サイクル :1Hz 5.曲げ回数 :10,000回 6.判定基準 :皮膜の剥離・割れがないこと
【0020】前記の試験用ロッドは10,000回の繰
り返し曲げ変形を受けても溶射皮膜の剥離はなく、十分
実用に耐えることが確認できた。比較したAl2O3系溶
射皮膜試験用ロッドよりも良好であった。これら溶射皮
膜硬さは第1表のとおりであった。 第1表 成分系 皮膜硬さ(Hv;荷重500g) Cr2O3 1010 Cr2O3−10%Mo 990 Cr2O3−10%CrB2 970 Cr2O3−7%Mo−5%CrB2 1030 Crメッキ(比較例) 900
り返し曲げ変形を受けても溶射皮膜の剥離はなく、十分
実用に耐えることが確認できた。比較したAl2O3系溶
射皮膜試験用ロッドよりも良好であった。これら溶射皮
膜硬さは第1表のとおりであった。 第1表 成分系 皮膜硬さ(Hv;荷重500g) Cr2O3 1010 Cr2O3−10%Mo 990 Cr2O3−10%CrB2 970 Cr2O3−7%Mo−5%CrB2 1030 Crメッキ(比較例) 900
【0021】さらにCr2O3系、Cr2O3−10%Mo
系、Cr2 O3−10%CrB2系およびCr2O3−7%
Mo−5%CrB2系溶射皮膜を、それぞれ実際の油圧
シリンダーロッドとして使用し、パッキング材との摺動
性について検討した。70Ni−Cr合金下盛り、本発
明の各成分系の溶射皮膜および封孔処理をした溶射皮膜
を形成したシリンダーロッドは、Al2O3溶射皮膜を形
成したものより摺動抵抗を小さくすることが出来ること
を確認した。
系、Cr2 O3−10%CrB2系およびCr2O3−7%
Mo−5%CrB2系溶射皮膜を、それぞれ実際の油圧
シリンダーロッドとして使用し、パッキング材との摺動
性について検討した。70Ni−Cr合金下盛り、本発
明の各成分系の溶射皮膜および封孔処理をした溶射皮膜
を形成したシリンダーロッドは、Al2O3溶射皮膜を形
成したものより摺動抵抗を小さくすることが出来ること
を確認した。
Claims (9)
- 【請求項1】 可動部品の表面に適用する、酸化クロム
と不可避不純物よりなることを特徴とする耐食性、耐摩
耗性、摺動性および耐剥離性を改善した溶射皮膜。 - 【請求項2】 モリブデン1〜30重量%及びCrB2
1〜30重量%の1種又は2種を含む請求項1記載の耐
食性、耐摩耗性、摺動性および耐剥離性を改善した溶射
皮膜。 - 【請求項3】 耐食性合金により溶射形成された下地層
上に形成した、請求項1または2記載の耐食性、耐摩耗
性、摺動性および耐剥離性を改善した溶射皮膜。 - 【請求項4】 層厚さが50〜500μmである請求項
1、2または3記載の耐食性、耐摩耗性、摺動性および
耐剥離性を改善した溶射皮膜。 - 【請求項5】 可動部品が油圧または空気圧シリンダー
のピストンロッド、ジャッキラム、軸および弁などであ
る請求項1ないし4のいずれかに記載の耐食性、耐摩耗
性、摺動性および耐剥離性を改善した溶射皮膜。 - 【請求項6】 下地層として可動部品基材上に 耐食性
合金層皮膜を溶射形成し、その上に酸化クロムを主成分
としたセラミック系溶射皮膜を形成し、形成された溶射
皮膜に対して無機系封孔剤により封孔処理を行なうこと
を特徴とする耐食性、耐摩耗性、摺動性および耐剥離性
を改善した可動部品に適用する溶射皮膜の形成方法。 - 【請求項7】 モリブデン1〜30重量%及びCrB2
1〜30重量%の1種又は2種を含む請求項6記載の耐
食性、耐摩耗性、摺動性および耐剥離性を改善した可動
部品に適用する溶射皮膜の形成方法。 - 【請求項8】 層厚さが50〜500μmである請求項
5、6または7記載の耐食性、耐摩耗性、摺動性および
耐剥離性を改善した可動部品に適用する溶射皮膜の形成
方法。 - 【請求項9】 可動部品が油圧または空気圧シリンダー
のピストンロッド、ジャッキラム、軸および弁などであ
る請求項5ないし8のいずれかに記載の耐食性、耐摩耗
性、摺動性および耐剥離性を改善した可動部品に適用す
る溶射皮膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10375863A JP2000192217A (ja) | 1998-12-21 | 1998-12-21 | 可動部品の表面に適用する溶射皮膜とその形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10375863A JP2000192217A (ja) | 1998-12-21 | 1998-12-21 | 可動部品の表面に適用する溶射皮膜とその形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000192217A true JP2000192217A (ja) | 2000-07-11 |
Family
ID=18506184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10375863A Withdrawn JP2000192217A (ja) | 1998-12-21 | 1998-12-21 | 可動部品の表面に適用する溶射皮膜とその形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000192217A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112524116A (zh) * | 2020-11-12 | 2021-03-19 | 江苏徐工工程机械研究院有限公司 | 一种液压活塞杆及其表面复合功能涂层和制备方法 |
-
1998
- 1998-12-21 JP JP10375863A patent/JP2000192217A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112524116A (zh) * | 2020-11-12 | 2021-03-19 | 江苏徐工工程机械研究院有限公司 | 一种液压活塞杆及其表面复合功能涂层和制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060307 |