JP2000187857A - 情報記録再生装置 - Google Patents

情報記録再生装置

Info

Publication number
JP2000187857A
JP2000187857A JP10360089A JP36008998A JP2000187857A JP 2000187857 A JP2000187857 A JP 2000187857A JP 10360089 A JP10360089 A JP 10360089A JP 36008998 A JP36008998 A JP 36008998A JP 2000187857 A JP2000187857 A JP 2000187857A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information recording
reproducing apparatus
track
spot
sub
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10360089A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Nomura
野村  勝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP10360089A priority Critical patent/JP2000187857A/ja
Publication of JP2000187857A publication Critical patent/JP2000187857A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録の際のトラッキング誤差信号へのオフセ
ットの発生、及び、記録済みのトラックと未記録のトラ
ックとのトラッキング誤差信号の振幅の相違を抑制でき
る情報記録再生装置を提供する。 【解決手段】 サブスポット51、53の反射光量は受
光素子61、63で電気信号に変換され、それぞれの上
側エンベロープ(包絡線)がピークホールド回路81、
83で検出される。ピークホールド回路81、83の出
力はゲイン調整アンプ811、813で適宜ゲインを調
整された後に減算器8で差が求められてトラッキング誤
差信号TESとなり、トラッキング制御手段92に加え
られ、レンズの位置を駆動してトラッキング制御が行わ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクや光カ
ード等の情報記録媒体に光スポットを照射して情報の記
録や再生を行う情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクや光カードは直径が1μm程
度にまで収束させたレーザー光を用いて情報の記録や再
生を行うため、高密度・大容量の情報記録が可能な媒体
として知られている。
【0003】例えば、光ディスクを例に挙げると、これ
は図30に示すように、光ディスク1の基板(円板)
上、その内周から外周方向にμmオーダーあるいはそれ
以下の間隔でトラック2が案内溝の形で形成されてお
り、またそのトラック2の表面上凹凸に従う形で情報の
記録膜が作られている。図示しない光ピックアップから
レーザー光をレンズ4によって集光させ、このトラック
2上に光スポット5を照射することで情報の記録や再生
を行うが、記録の際には光スポット5の強度を高めるこ
とでそのエネルギーによりトラック2上の記録膜の物理
的特性を変化させ、記録マーク6を形成する。また、光
スポット5の強度を低くしてこの記録マーク6上を通過
させれば、その反射光量から記録マーク6の有無を検出
し、記録された情報を再生することができる。
【0004】これら情報の記録や再生を行うには光スポ
ット5をトラック2に精度良く追従させるトラッキング
制御が必要だが、その為には光スポット5とトラック2
との位置ずれを示すトラッキング誤差信号の生成が不可
欠である。
【0005】その生成手法として、例えばプッシュプル
法や3スポット法が良く知られている。
【0006】まず、プッシュプル法について図31を用
いて説明すると、情報の記録や再生を行う光スポット5
をトラック2に照射した場合、光スポット5は両者のト
ラック横断方向に於ける相対的な位置関係に応じた回折
を受け、その反射光50をトラック2の長さ方向の分割
線で2分割された受光素子6a、6bで受光するとその
上の光強度分布は図31(a)(b)(c)のように光
スポット5とトラック2の相対位置に応じて変化する。
従って、受光素子6a、6bの出力差を減算器8で求め
ると、上記相対位置に応じたトラッキング誤差信号TE
Sを得る事ができ、これがゼロとなるように光スポット
5(実際にはそれを集光させるレンズ4)の位置を制御
すれば光スポット5はトラック2の真上を追従すること
になる。
【0007】このプッシュプル法は光ディスクに照射す
る光スポットが1つであり、光ピックアップの光学系が
簡単である、光利用効率が良い、等の利点がある。
【0008】しかしながら、プッシュプル法にも欠点が
あり、その最大のものはレンズ4がトラック2の横断方
向に変位した時、トラッキング誤差信号にオフセットが
発生しやすいと言う点である。
【0009】図32はレンズ4が変位した状態に於け
る、反射光50の受光素子6a、6b上での光強度分布
を模式的に表したものである。ここで光スポット5はト
ラック2の真上に位置した場合を想定しており、受光素
子6a、6b上の光強度分布のパターンは先の図31
(b)と同様左右対称となっている。しかしながら、レ
ンズ4が変位している為に、光強度分布のパターン全体
が受光素子6a側に移動した形となっており、減算器8
の出力であるトラッキング誤差信号TESは光スポット
5がトラック2の真上に位置するにも拘わらずゼロとは
ならない。これがプッシュプル法に於けるトラッキング
誤差信号のオフセットであり、逆にこのTESがゼロと
なるように光スポット5の位置を制御すると、光スポッ
ト5はトラック2の真上から外れた位置を追従すること
になる。
【0010】このような状態は決して特殊では無く、例
えば偏芯の大きな光ディスクを使用する場合や光ピック
アップの送り機構の動作が鈍い場合等においては、光ス
ポット5をトラック上に追従させるため、やむを得ずレ
ンズ4は大きく変位することになり、結構頻繁に起こり
得る。従って、プッシュプル法は光ディスクの偏芯を小
さく管理するか、あるいはレンズ4の変位を小さく抑え
るために光ピックアップの送り機構にリニアモータのよ
うな高速応答が可能なものを用いて光ピックアップ全体
を偏芯に合わせて移動させる、若しくはレンズ4の変位
を別途検出するセンサーを設けてその検出した変位に基
づきオフセットを打ち消す信号をTESに印加する補償
手段を設ける、等の対策が必要である。
【0011】一方、3スポット法は図33に示すよう
に、実際に情報の記録や再生を行う光スポット(メイン
スポット)52と共に、これに対してトラック2の長さ
方向に前後(先行・後行)するサブスポット51、53
(これらの光強度は通常メインスポット52に比べて小
さい)をトラック2に照射する。また、メインスポット
52に対してサブスポット51、53はトラック2の横
断方向にトラック間隔(トラックピッチtp)の約1/
4程度ずつ互いに逆方向にずれるように配置されてお
り、メインスポット52がトラック2の何れかの真上に
位置する時、サブスポット51、53の反射光量が等し
くなる。
【0012】従って、サブスポット51、53の反射光
量を受光素子61、63で光電変換し、ローパスフィル
タ71、73で記録マーク6に起因する高周波成分を除
去して平均的な光量信号とした後に、減算器8でそれら
の出力差を求めればトラッキング誤差信号TESを得る
ことができ、この信号がゼロとなるようにこれら光スポ
ットの位置(正確にはそれを集光させるレンズの位置)
を制御(トラッキング制御)すれば、メインスポット5
2はトラック2の上を正確に追従することになる。
【0013】この3スポット法は、サブスポット51、
53を生成するために光ピックアップの光源たるレーザ
ー光の出力を分散する必要が有り、レーザー光源(通常
は半導体レーザー素子)にサブスポット51、53の分
だけ余分な出力を要求する事、及び光ピックアップの構
造が若干複雑になると言うデメリットを有するものの、
トラッキング制御に伴いレンズ4が大きく変位してもト
ラッキング誤差信号にオフセットを生じにくい。これ
は、レンズ4の変位を小さく抑えるために光ピックアッ
プの送り機構に特殊なものを用いたり、あるいはトラッ
キング誤差信号上のオフセットを補償する手段を別段要
しないという事であり、装置全体としてコストダウンに
繋がりやすい大きな利点である。このため、3スポット
法は情報の再生専用機であるCD(コンパクトディス
ク)装置を始め、光磁気記録を応用した記録・再生両用
のMD(ミニディスク)装置などにも広く用いられてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な利点を有する3スポット法も、情報記録媒体が反射率
の高低により情報を記録するタイプ(以下「反射率変化
型」と呼称する)のもの、例えば有機色素膜を用いたD
RAW(Direct Read AfterWrit
e)と呼ばれる追記型や、相変化型に類するものである
場合にはその利点が生じて来ない。以下、図34ないし
図38を用いてその理由を説明する。
【0015】(第1の問題)まず、第1の問題は上記反
射率変化型の情報記録媒体に記録を行う際、トラッキン
グ誤差信号にオフセットを生じると言う点である。図3
4には媒体として反射率変化型の光ディスクを用いて3
スポット法によるトラッキングを行う場合の模式図を、
また図35にはその際の各部の信号レベルの変化を示
す。
【0016】図34においてサブスポット51、53は
3スポット法でトラッキング誤差信号を得るためのもの
であり、メインスポット52に対してサブスポット51
が先行、サブスポット53が後行している。また情報の
記録はメインスポット52の光強度の強弱により行われ
る。
【0017】ここで記録マーク6が形成されるのは当然
ながらメインスポット52以降であるが、後行するサブ
スポット53はその記録マーク6上を通過する。従って
サブスポット53の反射光量を受光する受光素子63の
出力s63には記録マーク6による反射率変化が含ま
れ、その信号レベルは図35に示すように未記録状態で
回折の影響だけを受けた際の反射光量に相当するレベル
L1と、記録マーク6により反射率変化(低下)を含む
レベルL2との間を変動し、ローパスフィルタ73の出
力s73はその平均的なレベルLavgとなる。
【0018】一方、メインスポット52に先行するサブ
スポット51は記録マーク6が形成される以前のトラッ
ク2上を通過するので、その反射光量を受光する受光素
子61の出力s61には記録マーク6による反射率変化
は含まれず、s61及びローパスフィルタ71の出力s
71も共にトラック2による回折の影響だけを受けた、
未記録状態での反射光量に相当するレベルL1となる。
【0019】仮に使用する媒体が記録により反射率が低
下する、即ち記録マーク6の反射率が未記録部に比べて
低くなるものとすれば、ローパスフィルタ71の出力s
71はこの時ローパスフィルタ73の出力s73より大
きくなり、メインスポット52がトラック2の真上を正
しく追従しているにも拘わらず、減算器8の出力、即ち
トラッキング誤差信号TESは非ゼロのプラス値とな
り、(L1−Lavg)だけのオフセットを生じること
になる。またこのトラッキング誤差信号でトラッキング
制御を行うと、トラッキング誤差信号がゼロに近づくよ
うにレンズが駆動され光スポットの位置が動かされるの
で、メインスポット52はトラック2の真上から外れた
位置を追従することになり、記録が正常に行われなくな
る恐れがある。
【0020】なお、媒体の特性としては、記録マーク6
の反射率が未記録部に比べて上昇するものも考えられる
が、その場合にはオフセットの極性が逆になる。
【0021】(第2の問題)反射率変化型の情報記録媒
体に対する3スポット法の第2の問題は、記録済みのト
ラックと未記録のトラックとでトラッキング誤差信号の
振幅が大幅に変化すると言う点である。
【0022】図36は記録済みのトラックに於いて、メ
インスポット52及びサブスポット51、53の位置
が、トラックを横断する方向に変化して行く状態に於い
て、サブスポット51、53の反射光量を受光する受光
素子61、63の出力を説明する図であり、波形はメイ
ンスポット52とトラック2との相対位置に応じて示し
ている。また、ここでは、これまでの説明と同様、記録
マーク6の反射率は未記録部に比べて低下するものとし
ているが、記録マーク6の反射率が上昇する場合におい
ては以下の説明の中で上側包絡線と下側包絡線を置き換
えて考えれば良く、問題の本質は変わらない。なお各部
の構成や信号の名称は先の図28及び図29と同一とす
る。
【0023】受光素子61、63の出力s61、s63
(図36中(a)(b))に於いて、上側の包絡線は光
ディスク上に刻まれた案内溝形状のトラック2による回
折によるものであり、トラック2の深さや幅、トラック
ピッチ等で相違するが、ここではサブスポット51、5
3がトラック2の真上にある時に最小値、トラック2の
間にある時に最大値となるものとする。またトラック2
の横断方向にサブスポット51、53がメインスポット
52に対して約1/4トラックピッチずつ、合計約1/
2トラックピッチ分離れているため、上側包絡線の位相
はs61とs63とで約180度異なる。一方、下側の
包絡線はトラック2の回折に加えて記録マーク6による
反射率の変化が存在するものであり、サブスポット5
1、53がトラック2の真上にある時、即ちメインスポ
ットがトラック2の真上からどちらかに約1/4トラッ
クピッチ外れた時点で最もレベルが低下する。一般にト
ラック2による回折に起因する光量変化だけを反映する
上側包絡線に比較して、記録マーク6による光量変化も
加わる下側包絡線の方が変化が大きく現れる。なおs6
1、s63の波形の縦縞のハッチングは記録マークによ
る反射率変化を示している。
【0024】既に述べたように、3スポット法はサブス
ポット各々の反射光量の平均的なレベルの大小でトラッ
キング誤差信号を生成するものである。受光素子61、
63の出力s61、s63の平均レベル、即ちローパス
フィルタ71、73の出力s71、s73は上下包絡線
の中間のレベルであり、これを図36中の波形(a)
(b)に破線で示す。当然ながらその振幅は上側包絡線
の変化より大きく、下側包絡線の変化よりも小さい。そ
して、最終的な減算器8の出力であるトラッキング誤差
信号TESはこれらの差で求められ、同図(c)のよう
になる。
【0025】ところが、未記録のトラックに於いては図
37に示すように、受光素子61、63の出力s61、
s63に於いては、上側包絡線は案内溝形状のトラック
2の回折によるものであるが、下側包絡線は記録マーク
が形成されていないため、上側包絡線と一致する。即
ち、ローパスフィルタ71、73の出力s71、s73
は上側包絡線のレベルそのものであり、先の図36で示
した記録済みのトラックに於けるものよりも振幅が小さ
く、従って最終的なトラッキング誤差信号TES(c)
の振幅は記録済みのトラックに於けるものより小さくな
る。
【0026】図38は、記録済みのトラックに於ける受
光素子61(または63)の出力s61(またはs6
3)を再度示した図であるが、上側(未記録側)包絡線
αは回折による光量変化によるものであり、その振幅を
aとする。一方、下側包絡線βは回折に加えて記録マー
クによる光量変化によるものであり、その振幅をbとす
る。s61(またはs63)のローパスフィルタ出力s
71(またはs73)γは上下包絡線の中間的なレベル
であり、その大きさcは明らかに次の(1)式で与えら
れる。
【0027】 c=(a+b)/2 … (1) 通常、上側包絡線の振幅aを1とすると、下側包絡線の
振幅bは3から5程度に達し得る。従って、両者の平均
たるcの大きさは2から3程度となる。
【0028】しかしながら、未記録のトラックにおいて
は、b=aであるから(1)式よりc=1となり、記録
済みのトラックに対してその大きさは1/2から1/3
程度に減少することになり、これはそのまま、3スポッ
ト法でのトラッキング誤差信号の振幅の減少を意味して
いる。即ち、記録済みのトラックの情報を再生している
途中で未記録のトラックに差しかかった場合、あるいは
逆に記録済みのトラックの先頭から再生するため、その
手前の未記録のトラックからトラッキング制御を開始し
て記録済みのトラックに差しかかった場合、若しくは特
定の記録済みのトラックを再生するためトラックアクセ
ス動作を行い、アクセス誤差により未記録のトラックに
到達してしまった場合等に於いて、トラッキング制御の
ゲインが急激に変動し、ゲイン不足によるトラッキング
制御外れやゲイン過剰による制御系の発振を生じる恐れ
がある。
【0029】以上説明した問題点に対して、過去に解決
を図った手法が幾つか提案されている。
【0030】例えば、特開平3−263621号公報に
開示の技術は光ディスク装置に対するものであるが、3
スポット法によりトラッキング誤差信号を生成するのに
際して、後行サブスポット側の受光信号のゲインを可変
することで記録時に於ける先行・後行サブスポットの受
光信号レベルのバランスを取り、記録時のトラッキング
オフセットの発生を低減しようとするものである(同公
報4ページ右上段落5行目〜左下段落4行目及び第1
図,可変アンプで後行サブスポットからの信号レベルを
調整)。しかしながら、容易に推測できるように、先行
・後行サブスポットの信号レベルの相違がどの程度にな
るのかは、使用する光ディスクや記録するデータの変調
パターン(形成される記録マークやピットの密度)によ
って異なり、一義的に決定することができない。実際、
この公報においても調整の手法としては、ディスクへの
記録を行ってみて、オフセットが最小となるように可変
アンプのゲインを種々に変えて行く旨を開示しているに
過ぎない(同公報4ページ左下段落18行目〜右下段落
1行目)。従って、この公報に開示の技術では記録を行
う光ディスクや記録するデータの変調パターン等が変わ
ると、その度に記録を行いながら可変アンプの調整を行
う必要がある。これは光ディスク装置の起動時間の増大
もさることながら、光ディスクが消去不能の追記型であ
る場合にはその記録領域の多くを調整のための記録に費
やすこととなり、有効に使用できる記録領域が減少する
という不具合を生じてしまう。
【0031】また、「光メモリシンポジウム’86講演
論文集」中の127〜132ページには「新しいトラッ
キングサーボ方式 差動プッシュプル法」として開示の
技術(所謂DPP(Differential Pus
h−Pull)と呼称される)は、3スポット法と同
様、メインスポットの他にサブスポット(「サイドスポ
ット」と表記)2つを使用するが、そのサブスポットの
反射光を受光する受光素子を各々2分割してメインスポ
ット・サブスポット何れからもプッシュプル法による中
間的なトラッキング誤差信号を生成した後、これらを適
宜なゲインで加減算することで、やはり記録の際のオフ
セット発生を防ごうとする(同論文集128ページ右1
行目〜129ページ右2行目、及びFig.6)。
【0032】なお、このDPP法ではサブスポットをメ
インスポットに対して、ディスクの半径方向にトラック
ピッチの2分の1ずつずらして配置する点でも通常の3
スポット法とは相違する(同論文集128ページ右4行
目〜7行目、及びFig.1とFig.6の比較)。よ
り詳細にはFig.6に於いて、メインスポットからプ
ッシュプル法で得るトラッキング誤差信号TE1と、サ
ブスポットから得るTE2及びTE3とではレンズの変
位などによるオフセットの極性が同一である一方、トラ
ックとの相対位置関係で現れるプッシュプル信号の極性
が逆であることに注目して、TE2とTE3とを加算し
た後にTE1から減算する事でオフセットを打ち消し、
プッシュプル信号の振幅を大きくする。
【0033】しかしながら、記録により反射率が変化す
る追記型の光ディスクに対して、レンズのシフト(変
位)等でオフセットが発生している場合にはその影響が
残留し、記録の際のオフセット発生は幾らか低減はされ
るものの防止はできない(同論文集129ページ6行目
〜16行目、及びFig.7)。更には加減算のゲイン
調整が2カ所必要であって、且つそれらはサブスポット
の光量比やオフセットの発生比率などを別途実測を行う
手段、例えばFig.6中の受光素子E1とF1、E2
とF2、E3とF3それぞれの和信号を別途生成し、レ
ベルを計測する等を設けない限り調整が難しい。
【0034】即ち、光ディスクの偏芯量が極めて少ない
か、あるいは光ピックアップ全体を高精度で偏芯に追従
させてレンズの変位を小さく抑え得る、リニアモータな
どの高価な機構系を用い、しかもゲイン調整に別途計測
手段を設けない限りは、オフセット防止の効果は少な
い。そればかりかサブスポット用の受光素子を各々2分
割すると共にその位置調整も必要となり、光学系の精度
やコストへの負担が増大することになってしまう。
【0035】また、このDPP法は、記録済みと未記録
のトラックでトラッキング誤差信号の振幅が大きく相違
する、という問題点については何ら改善が無い。
【0036】本発明は、以上のような、記録の際のトラ
ッキング誤差信号へのオフセットの発生、及び記録済み
のトラックと未記録のトラックとでトラッキング誤差信
号の振幅が大きく異なる、という従来の3スポット法に
於ける問題点、及びプッシュプル法に於けるレンズ変位
に伴うトラッキング誤差信号へのオフセット発生という
問題点を解決するものであり、しかも過去に提案された
その改善手法のように記録領域の消費や光学系の複雑化
等を生じさせること無く、安定で正確なトラッキング制
御が可能な情報記録再生装置を提供することを目的とす
る。
【0037】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の情報記
録再生装置は、情報記録媒体に対して、メインスポット
と、該メインスポットに対してトラック幅方向にずれた
位置に配置される複数のサブスポットを照射して、前記
情報記録媒体に対して情報を記録または再生する情報記
録再生装置において、前記複数のサブスポットの前記情
報記録媒体からの反射光量に応じた信号成分のうち、未
記録領域からの反射成分に相当するレベルをそれぞれホ
ールドするホールド手段と、該ホールド手段のホールド
信号に基づいてトラッキング制御を行うトラッキング手
段と、を備えてなることを特徴とする。
【0038】請求項2に記載の情報記録再生装置は、請
求項1に記載の情報記録再生装置において、前記ホール
ド手段のホールドを行う時定数が、前記情報記録媒体に
記録される情報の最長波形の時間幅よりも大きく設定さ
れていることを特徴とする。
【0039】請求項3に記載の情報記録再生装置は、請
求項1に記載の情報記録再生装置において、前記ホール
ド手段のホールドを行う時定数が、前記情報記録媒体に
記録される情報の最長波形の時間幅よりも大きく、且
つ、光スポットをトラック横断方向に移動させる際にト
ラックを横断する横断周期の2分の1よりも小さく設定
されていることを特徴とする。
【0040】請求項4に記載の情報記録再生装置は、請
求項1に記載の情報記録再生装置において、前記ホール
ド手段のホールドを行う時定数が、前記情報記録媒体に
記録される情報の最長波形の時間幅よりも大きく、且
つ、前記情報記録媒体の偏芯に伴って光スポットがトラ
ックを横断する横断周期の2分の1よりも小さく設定さ
れていることを特徴とする。
【0041】請求項5に記載の情報記録再生装置は、請
求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報記録再生装
置において、前記ホールド手段は、ホールドを行う時定
数を切り替える切替手段を備えてなることを特徴とす
る。
【0042】請求項6に記載の情報記録再生装置は、請
求項5に記載の情報記録再生装置において、前記ホール
ド手段は、ホールドを行う時定数を決定する要素として
抵抗または電流源を有しており、前記切替手段はその抵
抗値または電流源の電流値を変化させることを特徴とす
る。
【0043】請求項7に記載の情報記録再生装置は、請
求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報記録再生装
置において、前記ホールド手段は、前記複数のサブスポ
ットの前記情報記録媒体からの反射光量に応じた信号を
A/D変換する手段と、A/D変換後のデータから未記
録領域からの反射成分に相当するデータを抽出して保持
する保持手段と、該保持したデータを時間と共に増加あ
るいは減少させる演算手段と、を備えてなることを特徴
とする。
【0044】請求項8に記載の情報記録再生装置は、請
求項7に記載の情報記録再生装置において、前記演算手
段が前記データの増加あるいは減少させる割合を変更す
ることを特徴とする。
【0045】請求項9に記載の情報記録再生装置は、請
求項7または請求項8に記載の情報記録再生装置におい
て、前記保持手段に保持されたデータをディジタル的に
処理してトラッキング誤差信号を生成するディジタル誤
差信号生成手段と、前記トラッキング誤差信号をディジ
タル的に処理してトラッキング制御を行うディジタル制
御手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0046】請求項10に記載の情報記録再生装置は、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報記録再生
装置において、前記ホールド手段の前段に配置され、前
記複数のサブスポットの前記情報記録媒体からの反射光
量に応じた信号を波形等化する等化手段を備えてなるこ
とを特徴とする。
【0047】請求項11に記載の情報記録再生装置は、
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の情報記録再
生装置において、前記サブスポットは少なくとも4つ以
上であり、前記サブスポットの情報記録媒体からの反射
光量に応じた信号の内の2つを選択する選択手段を備え
たことを特徴とする。
【0048】請求項12に記載の情報記録再生装置は、
請求項11に記載の情報記録再生装置において、前記選
択手段は、トラッキング誤差信号の振幅が最大となる信
号を選択することを特徴とする。
【0049】請求項13に記載の情報記録再生装置は、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報記録再生
装置において、前記情報記録媒体からの反射光量に応じ
た信号の振幅を、そのレベルに応じてまたは記録・再生
の光強度の変化に応じて調整する調整手段を備えてなる
ことを特徴とする。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、図面に従って本発明の実施
形態を説明する。
【0051】<実施形態1>本発明の一実施形態につい
て図1から図8を参照して説明する。この第1実施形態
は情報記録媒体は案内溝形状のトラックを有し、記録に
より反射率が低下する方向の反射率変化型の光ディスク
を使用する、光ディスク装置のトラッキング制御装置に
関するものである。また、既に従来例の項で説明したも
のと同一と考えられる部位については同一番号を付し、
必要の無い限り説明は略する。
【0052】図1はこの実施形態にかかるトラッキング
制御装置の構成図である。図1に於いて、光ディスク1
のトラック2に対して照射されるメインスポット52、
及びそれに先行・後行し、かつトラック2の横断方向に
トラックピッチtpのおよそ1/4ずつずれて照射され
るサブスポット51、53の反射光は、それぞれ受光素
子62、61、63で光量に応じた電気信号に変換され
る。メインスポット52はその光強度を増すことで情報
の記録(記録マーク6の形成)に用いられるほか、低強
度の状態では既に記録された情報を記録マーク6からの
反射光量変化として再生するための光源として用いられ
るため、メインスポット52の反射光を受光する受光素
子62の出力はRF(情報信号)生成手段90に入力さ
れている。また、メインスポット52の反射光は、メイ
ンスポット52やサブスポット51、53の光ディスク
1のトラック2上での集光状態を正しく制御するための
フォーカスサーボ制御を行うためにも使用されるが、本
発明の趣旨には関係しないのでこれ以上は言及しない。
【0053】一方、サブスポット51、53の反射光は
受光素子61、63で光量に応じた電気信号に変換され
た後、ホールド回路(ホールド手段)81、83に入力
される。前述の通り、使用する光ディスクが記録マーク
の形成により反射率が低下するタイプのものであるた
め、ホールド回路81、83はこの図1に於いてはピー
クホールド回路である。これについては後に説明する。
ホールド回路81、83の出力はそれぞれゲイン調整ア
ンプ811、813を経た後、減算器8に与えられ、そ
の出力はトラッキング誤差信号TESとしてトラッキン
グ制御手段(トラッキング手段)92に加えられ、図示
しないレンズの位置を駆動することでメインスポット5
2がトラック2の真上を追従すべく制御されるための基
準信号となる。無論サブスポット51、53も当然なが
ら先述したメインスポット52との位置関係を保ったま
まこれに従って位置が制御される。
【0054】次に、反射率変化型の情報記録媒体に於け
る反射光量と、ホールド回路81、83の構成・動作に
ついて図2ないし図8を用いて説明する。
【0055】図2は、未記録のトラック2との相対位置
に対するメインスポット52及びサブスポット51、5
3の反射光量変化を示したものである。トラック2が案
内溝形状を有しているため、各光スポットはトラック2
による回折を受けて反射光量は変化するが、トラック2
の真上で反射光量が最大になるか、隣接するトラック2
の中間で最大になるかは案内溝形状や深さ、幅等により
異なる。ここでは光スポットがトラック2の中間に位置
する時に反射光量が最大になるものとすると、まずメイ
ンスポット52の反射光量はまさにその通りで図2
(a)に示すようにトラック2の中間で最大、真上で最
小となる。サブスポット51、53の反射光量について
も同様に図2(b)(c)に示すが、サブスポット5
1、53はメインスポット52に対してトラック横断方
向にトラックピッチtpの約1/4ずつずれて配置され
ている。従ってメインスポット52の反射光量に対して
サブスポット51、53の反射光量は位相が逆方向に9
0度ずつずれた信号となる。
【0056】図3は記録済みのトラックに対する反射光
量変化を図2と同様に示したものである。メインスポッ
ト52及びサブスポット51、53の反射光量の各時点
での最大値、言い換えれば上側・高反射率側のエンベロ
ープ(包絡線)は先の図2(a)(b)(c)と同一で
相違は無い。しかし、メインスポット52やサブスポッ
ト51、53が記録マーク6の上に差しかかった時点に
於いてそれによる反射率低下の影響を受け、反射光量は
低下する。これをメインスポット52の反射光量につい
て見ると図3(a)のようにトラック2の真上に位置す
る時点でもっとも瞬時値が低下し、トラックの中間に位
置する時点では瞬時値の低下幅は少なくなるため、下側
・低反射率側のエンベロープ(包絡線)はトラック2と
の相対位置に応じて大きく波打つ形となる。サブスポッ
ト51、53の反射光量も同様だが、メインスポット5
2との位置関係から図3(b)(c)のようにやはり逆
方向に90度ずつ位相関係がずれたものとなる。
【0057】ここで図2(b)(c)と図3(b)
(c)を比較すると、下側のエンベロープはトラックが
未記録か記録済みかにより変化するが、上側のエンベロ
ープは変化しない。即ち、記録済みのトラックにおいて
も、サブスポットの反射光量に応じた信号から未記録側
(上側)のエンベロープだけを抽出して、これに基づい
てトラッキング誤差信号を生成すれば、記録マークの有
無の影響を受けないことになり、記録時のトラッキング
オフセットや、記録済み・未記録のトラックでトラッキ
ング誤差信号の振幅が異なる等の問題は生じない。これ
が本発明の基本的な考え方である。
【0058】そして、このために図1に記載の装置で
は、ホールド回路81、83をピークホールド回路とし
て、反射光量に応じた信号の未記録側のエンベロープで
ある上側エンベロープを抽出する。これは、使用する情
報記録媒体たる光ディスクが記録により反射率が低下す
る、換言すれば記録マークの反射率が未記録部より低く
なるものであるからである。なお、記録により反射率の
増加する光ディスクを使用する場合には、後述するよう
に逆のエンベロープ(下側の)を抽出できるものである
必要がある。
【0059】具体的な回路の例としては図4に示すよう
に、バッファアンプ801とダイオード802、コンデ
ンサ803及び抵抗804で構成することができる。な
お、コンデンサ803と抵抗804の一端がマイナスの
バイアス電源(−Vb)に接続されているのは、入力さ
れる信号の最小値よりも低い電圧に接続することがピー
クホールド回路の動作上必要なためであり、入力される
信号がマイナスの値を取らない場合には、破線で示した
ように接地で代用することも可能である。
【0060】もし、使用する媒体(光ディスク)が記録
により反射率が上昇するものである場合、メインスポッ
ト52及びサブスポット51、53とトラック2との相
対位置に対する反射光量の変化は、未記録のトラックに
対する場合が図5、記録済みのトラックに対する場合が
図6と、各々図2及び図3の波形を上下逆転した形とな
る。その場合には未記録側に相当するエンベロープは下
側となるので、ホールド回路81、83はボトムホール
ド回路とする必要がある。
【0061】ボトムホールド回路の具体的な回路の例と
しては図7に示すように、バッファアンプ801とダイ
オード802、コンデンサ803及び抵抗804で構成
する事ができる。なお、先に図4で示したピークホール
ド回路の例と異なってコンデンサ803と抵抗804の
一端がプラスのバイアス電源(+Vb)に接続されてい
るのは、入力される信号の最大値よりも高い電圧に接続
することがボトムホールド回路の動作上必要なためであ
る。
【0062】図4に具体例を示したピークホールド回
路、あるいは図7に具体例を示したボトムホールド回路
の何れも、そのホールド時定数は未記録側に相当するエ
ンベロープを抽出・保持できる程度に大きい事が望まし
い。図8にホールド時定数の大小とホールドしたレベル
の関係をピークホールド回路を例に挙げて示している
が、ホールド回路の時定数が記録される情報の最長波形
の時間幅より短い場合には記録マークの期間中における
ホールド出力の減少が激しく、未記録側に相当する上側
エンベロープを正しく抽出しているとは言えなくなる。
従って、ホールド回路のホールド時定数は、記録される
情報の最長波形の時間幅よりも大きな値であることが望
ましい。例えばCD(コンパクトディスク)と同一の記
録フォーマットであるEFM変調に従って情報の記録を
行う場合、最長の波形は11Tと呼ばれるものであって
その時間幅は約2.5μsであるので、ホールド回路の
時定数(先の図4や図7の回路例ではコンデンサ803
と抵抗804で形成される時定数)はこれより大きな値
に設定すれば良い。
【0063】ところで、先に図1を用いて説明したよう
に、サブスポット51、53はメインスポット52に対
してトラックの横断方向にトラックピッチtpの約1/
4ずつ相互に逆方向に配置されており、その結果、図2
や図3で示したようにサブスポット51、53の反射光
量の未記録側(上側)エンベロープの位相はメインスポ
ット52のそれを基準に互いに90度ずつ逆位相とな
る。換言すれば、サブスポット51、53の反射光量は
トラックとの相対位置に対して180度位相がずれてい
る事になり、両者の差でトラッキング誤差信号を求める
とその振幅は最大となる。
【0064】従来の3スポット法に於いてもトラッキン
グ誤差信号の振幅(感度)を最大とするために、サブス
ポットはトラックピッチの1/4ずつ逆方向に配置する
事が多いが、本実施形態でもその配置は同様である。
【0065】更に、本実施形態ではサブスポット51、
53の反射光を受光する受光素子61、63を分割した
りせず、その他の光学系も何ら特殊なものを要求してい
ない。専ら電子回路的に課題の解決を図っているもので
あるから、光ピックアップ及びその光学系には従来既に
大量に生産され、技術的蓄積の大きい3スポット法のも
のを流用することが容易である。従って光ピックアップ
の信頼性・生産性、あるいはコスト面で有利である。
【0066】また、図1中のゲイン調整アンプ(調整手
段)811、813を設ける第1の目的はサブスポット
51、53の光量のアンバランスや受光素子61、63
の感度バラつきの吸収・調整を行う事であるが、そのた
めの調整は極めて簡単に行える。これらアンバランスや
バラつきが無い状態では、メインスポット・サブスポッ
トがトラックを横断した際に現れるホールド回路81、
83の出力は同一レベルで位相だけが相違(180度)
したものとなるので、トラッキング誤差信号もプラス・
マイナス双方向に同じ振幅で現れる筈である。従って、
トラッキング制御を行わない(トラッキングサーボ制御
オフ)状態でトラッキング誤差信号がプラス・マイナス
同一の振幅となるように、ゲイン調整アンプ811のゲ
インを調整すれば良い。
【0067】ゲイン調整アンプ811、813を設ける
第2の目的は、反射率が異なる光ディスクが使用された
り、あるいは記録の際に光ディスクに照射する光強度が
再生時に比べて変化しても、ホールド回路81、83に
加えられる信号レベルが適切なものとなるように調整す
る事である。信号レベルが過大であるとホールド回路8
1、83が飽和するおそれがあり、逆に信号レベルが過
小であるとS/N比が悪く、反射光に応じた信号の未記
録側に応じたレベルを正常にホールドしにくくなる。
【0068】その調整方法として、例えば反射率の変化
に対しては光ディスクの装着時に図示しないA/Dコン
バータを用いてマイクロコンピュータ等の制御手段によ
りホールド回路81、83の出力を観測し、適切なレベ
ルとなるようにゲインを調整すれば良い。一方、記録の
際の光強度変化に対しては、その光強度をどの程度とす
るかを通常制御手段たるマイクロコンピュータ等が管理
・把握また制御しているものであるから、その光強度変
化に応じた割合でゲイン調整アンプ811、813のゲ
インを調整すれば良い。
【0069】ゲイン調整アンプ811、813は以上の
ように、アンバランスや感度バラつき、あるいは反射率
や記録時の光強度の変化等を吸収するが、その出力が減
算器8を経てトラッキング誤差信号となることに留意す
れば、そのゲイン調整でトラッキング誤差信号の振幅を
意図的に調整することも可能である。また、上記の各種
要因の変化の幅が小さければ、ゲイン調整範囲はそれに
応じて小さくしたり、あるいはゲイン調整アンプ81
1、813を単なる固定ゲインのアンプにする、若しく
は全く廃止する等の選択も可能である。
【0070】本発明にかかるトラッキング誤差信号の検
出・生成方式は、基本的に3スポット法と同様にサブス
ポットの反射光量に基づいた方式であるため、レンズが
変位して受光素子上で反射光の強度分布が変化してもプ
ッシュプル法のようにその影響を受けることが原理的に
無く、またサブスポット反射光量の未記録側のエンベロ
ープのみを使用する方式であるため、DPP法のように
メインスポット・サブスポット共に平均的な光量から生
成した信号を組み合わせた方式とは異なり記録マークの
有無・混在の影響もやはり原理的に受けず、また信号を
組み合わせるためのゲイン調整も基本的には1カ所で済
み、その調整方法も明快かつ簡単である。従って、レン
ズの変位量を抑えるためにリニアモータなど高精度・高
価な送り機構を採用したり、レンズの変位を別途センサ
ーで検出してそれに応じたオフセット補償を行う、ある
いはサブスポット受光用の受光素子を各々分割する等の
光ピックアップ光学系への負担も不要である。また、ゲ
イン調整のために試験的な記録を行う必要も無く、記録
領域の無用な消費をする必要も無い。
【0071】更に、本発明の手法は記録マークによる反
射率の変化の影響を受けないものであるため、反射率変
化型ではない、例えば光磁気記録型の媒体(ディスク)
においてもトラッキング誤差信号を正確に得ることがで
き、同一の装置でこれら異種の媒体を混在して使用する
ことが可能となり、互換性の面でも望ましいものであ
る。
【0072】<実施形態2>情報記録媒体を使用する装
置として先の実施形態1では光ディスク装置を例に挙
げ、中でも生成したトラッキング誤差信号に基づいてト
ラックに光スポットを追従させる、いわゆるトラッキン
グサーボ動作について言及した。しかし、目的のトラッ
クを探すため光スポットをトラック横断方向に移動させ
る、いわゆるシークあるいはアクセス動作に際してもト
ラッキング誤差信号は重要な役割を果たす。この実施形
態2は実施形態1に於いて説明したホールド回路につい
て、シーク・アクセス動作に際しても有効なトラッキン
グ誤差信号を得られるようなホールド時定数の設定ある
いは設計手法に関するものである。
【0073】シーク・アクセス動作に際しては、光スポ
ットがトラックを横断した本数及び方向をカウントして
移動量を制御するトラックカウント方式が良く知られて
おり、それに際してトラッキング誤差信号やRF(情報
再生)信号を使用することも周知の技術である。その具
体的な例としては図9に示すように光スポット5がトラ
ック2を横断する際に現れるトラッキング誤差信号TE
Sと、メインスポット52の反射光量に基づく出力であ
るRFを個々の記録マークの影響を直接受けない程度の
通過帯域を有するローパスフィルタに通した信号RFL
Pを用い、TESまたはRFLPの波数で横断したトラ
ックの本数を、またRFLPとTESの位相関係で横断
方向を検出する方法が考えられる。
【0074】このようなトラックカウント方式を用いる
には光スポットがトラックを横断するのに際して、トラ
ッキング誤差信号が大きな時間遅れを伴わず、横断トラ
ック本数を反映した波形変化をすることが望まれる。
【0075】先に説明したように、本発明では光スポッ
トの反射光量に応じた信号をホールドした信号に基づい
てトラッキング誤差信号を生成する。このため、ホール
ド回路の時定数が余りに大きいと、先の図1に於いて示
したピークホールド回路81、83の出力は高レベルを
維持し続けることとなり、これらピークホールド回路8
1、83の出力差から求めたトラッキング誤差信号TE
Sは図10に示すようにトラックの横断を反映せず、単
に回路のオフセットやドリフト等を表すものとなり得
る。
【0076】これを防ぐためホールド回路の時定数を、
光スポットをトラックを横断する方向に移動させるとき
のトラック横断周期の2分の1より小さな値とすれば、
トラッキング誤差信号は先の図9(a)に示すようにト
ラックの横断を反映し得るものとできる。無論この時定
数は先の実施形態1に於いて説明したように、記録され
る情報の最長波形の時間幅よりも大きなものとなるよう
に設定しておく事は言うまでも無い。
【0077】この条件は相反するように考えられるがそ
うでは無く、双方の条件を満足できるように時定数を設
定することは可能である。
【0078】例えば先述のCDと同様のEFM変調で情
報の記録がなされる場合、最長波形(マーク)の時間幅
は約2.5μsである。一方シーク・アクセス動作時に
光スポットがトラックを横断する際のトラック繰り返し
周波数を最大50kHz程度とすると、横断周期の2分
の1は10μsであるから、ホールド回路の時定数は目
安として両者の相乗平均の5μs程度に設定すれば良
い。この例では時定数の設定の許容範囲はこの相乗平均
値を基準として上限が2倍、下限が0.5倍あり、部品
誤差等に対しては十分な範囲を有している。
【0079】ところで実際の装置動作上、横断方向を検
出する必要があるのはシーク・アクセス動作の開始直後
や終了直前のように、光ディスクの回転に伴うトラック
の偏芯速度に比べて光スポットの移動速度が低く、両者
の相対速度が反転して横断方向が見掛け上逆転する可能
姓がある時点に於いてであり、光スポットの移動速度が
トラックの偏芯速度より高い期間中には横断方向の判別
は不要となって、RFLPに基づく横断本数のカウント
だけを行えば良い。
【0080】この考え方に基づくと、ホールド回路の時
定数の設計の自由度や定数設定の変動などに対する許容
範囲を拡大する事ができる。
【0081】例えば偏芯が比較的大きく、例えば400
μmp−p(±200μm)有する光ディスクをCDと
同様の回転数で使用するとすれば、その回転周波数の最
大値はおよそ10Hzであり、その偏芯速度は次の
(2)式のように計算される。 (2π×10×200×10-6)=12.57×10-3[m/s] …(2) 光スポットの移動速度がこの値を越えるまでは横断方向
の検出が必要であり、トラッキング誤差信号はトラック
の横断を反映するものでなくてはならない。光ディスク
のトラックピッチtpを1.6μmとすれば、その横断
周期は次の(3)式のように計算される。 (1.6×10-6)÷(2π×10×200×10-6)=127.3μs …(3) この横断周期の2分の1は63.7μsとなる。一方、
先程のCDと同様のEFM変調を行う場合の最長波形
(マーク)の時間幅は約2.5μsであるから、ホール
ド回路の時定数は目安として両者の相乗平均たる13μ
s程度に設定すれば良い。この場合の時定数の設定の許
容範囲は相乗平均値を基準として上限が約5倍、下限が
約0.2倍であり、先程に比べて明らかに広い。従って
ホールド時定数を相乗平均値を目安としてその数倍に高
めて記録マークの影響をより小さくする等の設計の自由
度や、設定誤差に対する許容範囲が拡大する。
【0082】何れの場合に於いてもホールド時定数の設
定は、先の図4や図7の回路例に於いてはコンデンサ8
03と抵抗804の定数を設定することで行うことがで
きる。
【0083】<実施形態3>実施形態2に於いてはホー
ルド回路の時定数の設定・設計手法について示した。実
施形態3はホールド回路の時定数を情報の記録される方
式や再生線速度、あるいはシーク・アクセス動作などに
応じて適宜変更し、最適なトラッキング誤差信号を得る
構成としたものである。
【0084】先の実施形態2に於いてはCDと同一のE
FM変調で情報が記録される場合を例に挙げたが、その
場合の最長波形の時間幅は約2.5μsであり、ホール
ド回路の時定数はこれより大きく設定するものであっ
た。しかし高速の記録・再生を行うために情報記録媒体
の線速度(光ディスクで言えば回転数)を高める、いわ
ゆる「n倍速」動作を行う場合にはこの最長波形の時間
幅もその線速度を高めた倍率に反比例して短くなり、ホ
ールド回路の時定数もこれに応じて下げればシーク・ア
クセス動作に際してトラッキング誤差信号がトラック横
断を反映し得る光スポットの移動速度の上限が高まり、
トラックの横断本数や横断方向の検出がより確実とな
る。あるいは異なる変調方式で情報が記録される場合、
最長波形の時間幅が異なる場合にはそれに応じてホール
ド時定数を適宜変更すれば良い。
【0085】若しくはトラッキング誤差信号の使用目的
を再考すると、メインスポットをトラックに追従させる
トラッキング制御(トラッキングサーボ制御)を行う際
にはオフセットが小さく正確な信号が必要であり、ホー
ルド時定数を大きくして、サブスポット反射光の未記録
側のエンベロープを的確に抽出する必要がある。しか
し、シーク・アクセス動作に際してはトラックの横断本
数や横断方向を検出できれば良く、オフセットの発生よ
りはむしろトラックの横断を時間遅れ少なく反映する高
速応答性が必要であり、そのためにはホールド時定数を
小さくすることが望ましい。
【0086】従って、トラッキングサーボ制御時にはホ
ールド時定数を大きく、シーク・アクセス動作時には時
定数を小さくすることも、装置の動作上好ましいものと
なる。
【0087】これを実現するためのホールド回路の例を
図11に示す。回路構成としては先に実施形態1に於い
て図4で示したものと同様であるが、時定数を変更する
ために抵抗805及びスイッチ(切替手段)806の直
列接続されたものが、抵抗804と並列に接続されてい
る。スイッチ806は制御端子CONTでON/OFF
され、OFFの時は時定数が大きく、ONの時には時定
数が小さくなる。
【0088】スイッチ806は機械的なスイッチに限ら
ず、半導体素子を用いたものであっても良い。
【0089】また、別のホールド回路の例を図12に示
す。これは時定数を決定する要素として抵抗に代えて電
流源821、822を用いたものであり、電流源822
をスイッチ806で断続する構成としている。この図1
2の構成ではバッファアンプ801がダイオード802
を経てコンデンサ803に充電した電荷を、電流源82
1、822が定電流で放電する。
【0090】先の図11のようにコンデンサと並列に抵
抗を接続した構成では、コンデンサに蓄えられた電荷の
放電は抵抗を通じて行われるため、コンデンサの端子電
圧はその時点からいわゆる指数関数的に変化(ピークホ
ールド回路においては減少)する。一方、この図12の
ように定電流源を用いた構成ではコンデンサの電荷の単
位時間あたりの放電量が一定であるので、その端子電圧
は直線的に変化する点で相違する。
【0091】しかしながら、ホールド回路に求められる
動作は入力信号のピーク(あるいはボトム)レベルを検
出・捕捉して出力すると共に、入力信号のレベルがそれ
より低下(ボトムホールド回路では上昇)した場合には
適当な時間遅れ(例えば記録マークによる入力信号の変
化よりは遅く、トラックの横断による入力信号の変化よ
りは速く)で出力をそれに漸近させることにある。従っ
て、出力が指数関数的な変化をすることは必ずしも要求
されず、直線的な変化をするものであっても実用上支障
が無い。なお、電流源822とスイッチ806を省略す
れば、当然ながら時定数の切り替えを行わないホールド
回路とすることも可能である。
【0092】図13(a)(b)には、電流源821、
822の具体的な構成例を示す。図13(a)は接合型
FET(電界効果トランジスタ)830のゲートGをソ
ースSと接続したものであり、これとドレインDとの間
には良く知られるようにドレイン飽和電流IDSSで定
まる一定の電流が流れるため、定電流源として扱える。
また、図13(b)はトランジスタ831のベースBに
ツェナー(定電圧)ダイオード832の一端を接続する
と共にバイアス抵抗833を経て電源電圧Vccを印加
する一方、エミッタEにはエミッタ抵抗834(抵抗値
Re)が接続されており、そのエミッタ抵抗834の他
の一端はツェナーダイオード832の他の一端と接続さ
れ、電流源の電流流出側の端子Yとなっている。ここ
で、ツェナーダイオード832の端子間電圧(ツェナー
電圧)をVz、トランジスタ831のベース・エミッタ
間電圧をVbeとすると、電流源の流入側端子Xに流れ
込む電流、即ちコレクタ電流Icは次の(4)式で与え
られ、この回路はそのコレクタ電流を流す定電流源とな
る。但し、通常成り立つ条件としてトランジスタ831
の電流増幅率hfeは十分大きく、ベース電流は十分小
さいとしてその影響を無視している。 Ic=(Vz−Vbe)/Re …(4) Vbeは温度等により多少の変動があるが、特にVzが
Vbeより十分大きければその存在あるいは変動による
影響は少なくなり、Icは次の(5)式で表しても良
い。 Ic=Vz/Re …(5) 以上の抵抗値あるいは電流源の電流値、何れの切り替え
を行う場合でも、必要があればスイッチと抵抗あるいは
電流源の数を増して時定数を3段階以上に切り替える構
成としても良い。
【0093】あるいは時定数を段階的な切り替えでは無
く、連続的に可変するホールド回路の例を図14に示
す。図14に於いて時定数を決定するのは抵抗804及
びこれに直列に接続されたFET809、並びにこれら
と並列に接続されているコンデンサ803である。周知
の通りFETはゲートに印加されるバイアス電圧により
ドレイン・ソース間の等価抵抗値が変化する、電圧制御
可変抵抗素子として使用できるので、外部の例えばマイ
クロコンピュータなどからD/Aコンバータなどを経て
制御電圧を端子CONT(FET809のゲートG)に
印加すればFET809のドレインDとソースSとの間
の等価抵抗値を変化させ、時定数を連続的に変更するこ
とができる。なおFET809は図14では接合型のも
のを示したが、MOS(金属酸化膜)型であっても構わ
ない。
【0094】また、時定数を連続的に可変し、かつ電流
源を用いるホールド回路の例を図15に示す。これは先
の図14に於ける抵抗804とFET809に代えて可
変電流源843が接続されているものであり、制御端子
CONTに印加する制御電圧により電流値を可変する構
成となっている。更にこの可変電流源843の構成例を
図16に示すが、構成のおおよそは既に図13(b)で
示した固定電流源に類似している一方、図13(b)で
はツェナーダイオード832及びバイアス抵抗833が
接続されていたトランジスタ831のベースBがこの図
16ではそのまま制御端子CONTとなっている。
【0095】ここで制御電圧として可変電流源843の
電流流出側端子Yを基準とした電圧Vcontを端子C
ONT(トランジスタ831のベースB)に印加する
と、このVcontが先の図13(b)に於けるツェナ
ーダイオード832のツェナー電圧Vzと同等の働きを
する事に注目すれば、トランジスタ831のコレクタ電
流Icは次の(6)式で表されるものとなる。 Ic=(Vcont−Vbe)/Re …(6) あるいはVcontに比べてトランジスタ831のベー
ス・エミッタ間電圧Vbeが小さければ、これは(7)
式で表しても良い。 Ic=Vcont/Re …(7) 以上のように、抵抗値だけでは無く、電流源の電流値を
可変する事によっても、ホールド回路の時定数を連続的
に変化させる事が可能である。
【0096】ところで図11ないし図16に於いて時定
数の変更を専ら抵抗値の変更で行っているが、これをコ
ンデンサの定数変更で行うことも当然考えられる。例え
ば図11の変形として、図17のようにコンデンサ80
3に対してコンデンサ810をスイッチ806で並列に
断続する形式のものも考えられる。しかしながらこの構
成は以下の点で望ましくない。
【0097】例えばスイッチ806がオフであり、コン
デンサ803とコンデンサ810の端子間電圧が異なっ
ていたとする。そこでスイッチ806がオンしたとする
と、端子間電圧が同一となるまでこれら2つのコンデン
サの間で電荷の急速な移動、即ち瞬時的ながら大電流が
流れることになる。結果的にコンデンサの端子間電圧が
急激に変動することになり、トラッキング誤差信号には
その急激な変動に従って段差が発生することになる。ト
ラッキング誤差信号に急激な段差が発生すると、トラッ
キングサーボ制御を行っている時には外乱として働いて
サーボ制御精度の劣化やトラック外れを生じることにな
り、またシーク・アクセス動作時にはトラック横断本数
や横断方向の誤検出を生じる恐れが多分にある。
【0098】またスイッチ806をアナログスイッチで
構成した場合、瞬時的な大電流によりこれが劣化あるい
は破損する危険性もある。
【0099】あるいはホールド回路をICに集積化する
場合を考えると、抵抗やアナログスイッチ、トランジス
タやFET、あるいは制御電圧を発生するためのD/A
コンバータ等はICに集積化することが容易であるが、
コンデンサは極端に小さな値で無い限りは集積化が難し
い素子であり、どうしても個別の部品を引き出しピンに
外付けする事になる。ここで時定数を2段階に変更する
事を想定して、抵抗を切り替える構成とした場合、図1
8のようにICの引き出しピンとしてはホールド回路1
つにつきコンデンサ803を接続するためのピン1つだ
けが有れば良い。しかしコンデンサを切り替える構成に
すると、図19のようにコンデンサ803及び810を
接続するために引き出しピンは2つ必要になる。ICの
コストがそのパッケージのサイズや特に引き出しピン数
に大きく依存することを考慮すれば、これは得策では無
い。あるいは図20のようにスイッチ806をも外付け
する構成とするならば引き出しピンは1つで済むが、ス
イッチ806を半導体のスイッチとしてIC上に集積化
する事が可能であるにも拘わらず別途外付けする事にな
ってしまい、部品のコストや実装面積上でも不利とな
る。
【0100】更にはIC上への集積化に拘わらず、時定
数を連続的に可変しようとすると、抵抗値あるいは電流
源の電流値を変化させる構成では先述の通りFETやト
ランジスタで簡便に行えるが、コンデンサを変化させる
構成では困難である。電圧により静電容量が変化する素
子としては可変容量ダイオードがあるが、その構造上静
電容量を制御するための電圧を印加する端子VCがコン
デンサの電極の一端と同一であるため、図21に示す構
成のように静電容量を制御する電圧がホールド回路に加
わらないように、また逆にホールド回路の出力電圧によ
って可変容量ダイオード841の静電容量が変動しない
ように、可変容量ダイオード841に直列にコンデンサ
842をまず挿入しなければならない。しかしながら仮
にこのように構成したとしても、制御端子VCに接続さ
れる外部回路の影響が無視し難い他、可変容量ダイオー
ドの静電容量が数pF〜数百pF程度と小さい範囲のも
のしか無く十分な可変範囲を得られる設計が難しいこと
等、殆ど実用的では無い。
【0101】以上の議論はコンデンサの容量の変更と抵
抗値の変更とを対比して行ったが、電流源を用いる構成
に於いてコンデンサの容量の変更と電流源の電流値の変
更とを対比しても全く同様な事が言える。結果として、
時定数の変更はコンデンサでは無く抵抗あるいは電流源
の電流値で行う事が望ましい。
【0102】<実施形態4>実施形態1に於いて、反射
光の未記録側のレベルをホールドすることで記録マーク
の影響を回避したトラッキング誤差信号が得られる事を
説明した。本発明実施形態4はこれを更に改善するもの
で、記録マーク間の未記録部が短い場合に於いても適切
な未記録部のレベルをホールドし得るようにしたもので
ある。
【0103】図22はこの実施形態4にかかるトラッキ
ング制御装置の構成図であるが、先の実施形態1におけ
る図1と異なり、受光素子61、63の出力にイコライ
ザ(等化手段)161、163が接続されている。
【0104】ここでイコライザ161、163の目的に
ついて図23及び図24を用いて説明する。図23はサ
ブスポット51(または53)がある記録済みのトラッ
ク2上を照射する際に、未記録部Sとそれに前後する記
録マーク6に対する受光素子61、63の出力を示した
ものであり、前後する記録マーク6に挟まれる未記録部
Sが長い場合を例示している。この場合には記録マーク
6の存在にも拘わらず、未記録部Sに於いて受光素子6
1、63の出力レベル(b)は記録マーク6が無い場合
のレベルMにまで達するため、ホールド回路81、83
の出力(c)も未記録部のレベルを正確にホールドする
ことになる。結果、実施形態1に於いて説明したよう
に、記録マークの有無によらず正確なトラッキング誤差
信号を生成する事ができる。
【0105】一方、図24は前後する記録マーク6に挟
まれる未記録部Sがかなり短い場合を例示したものであ
るが、照射される光スポットの分解能の為に短い未記録
部では受光素子61、63のレベル(b)は記録マーク
6が無い場合の本来のレベルMにまで達せず、ホールド
回路81、83の出力(c)はそのレベルをホールドし
たものとはならない。結果として前後する記録マークの
影響で、短い未記録部ではトラッキング誤差信号の生成
に誤差が生じやすくなる。
【0106】これに対してイコライザ161、163を
用い、受光素子61、63の出力の内の短い記録マーク
及び未記録部に相当する高周波成分を強調(波形等化)
すると、イコライザ161、163の出力(c)は短い
記録マーク及び未記録部の振幅が強調され、前述の短い
未記録部Sのレベルも未記録部本来のレベルに達するも
のとなり、ホールド回路も(d)のように未記録部のレ
ベルMを正確にホールドして出力する事が可能となる。
従って前後する記録マークやそれに挟まれる未記録部の
長さに拘わらず、より正確なトラッキング誤差信号の生
成が可能となる。
【0107】イコライザ161、163は種々の構成が
考えられるが、簡単には図25(a)のように抵抗R
1、R2、コンデンサC1及びゲインKを有するアンプ
Aを組み合わせたものが考えられる。この構成に於ける
入出力間の振幅の周波数特性(ゲイン特性)は同図
(b)のようになるので、所望の波形等化(高域強調)
特性が得られるように部品定数やアンプAのゲインKを
設定すれば良い。
【0108】<実施形態5>実施形態5を図26及び図
27を用いて説明する。この実施形態5は、トラックピ
ッチの異なる複数種類の情報記録媒体に対応するもので
あり、情報記録媒体に照射する光スポットの数が他の実
施形態に於けるものよりも多く、メインスポットとサブ
スポットを併せて5としている。もっとも後述するよう
に、その数は5に限られるものでは無く、それ以上であ
っても構わない。
【0109】図26はこの実施形態5にかかるトラッキ
ング制御装置の構成図であるが、先の実施形態1に於け
る図1とは異なり、メインスポット52に先行及び後行
するサブスポットが51a、51b及び53a、53b
の4つであり、メインスポット52と合わせると光ディ
スク1に照射される光スポットの総数は5となってい
る。サブスポットの数が増えたためその反射光を受光す
る受光素子も61a、61b、及び63a、63bとの
4つとなっている。
【0110】また受光素子61aと61b、及び63a
と63b、それぞれの出力の何れかを選択するスイッチ
(選択手段)71、73が設けられており、その選択切
り替え端子SELは図示しない外部の制御手段(例えば
マイクロコンピュータ)により制御される。
【0111】サブスポット51a(先行)と53a(後
行)、及びサブスポット51b(先行)と53b(後
行)はそれぞれ対をなしている。但しサブスポット51
aと53aはある光ディスクのトラックピッチtp1の
ほぼ1/4、サブスポット51bと53bはまた別の光
ディスクのトラックピッチtp2のほぼ1/4ずつ、メ
インスポット52に対してトラック横断方向に相互に逆
方向にずれて配置される。
【0112】図26は使用する光ディスクのトラックピ
ッチがtp1であり、サブスポット51aと53aの対
がトラッキング誤差信号の振幅を最大とする配置になっ
ている状態を示しているが、この場合にはスイッチ7
1、73をa側に切り替える事で振幅が大きなトラッキ
ング誤差信号TESを得る事ができる。一方、トラック
ピッチがより大きくtp2である光ディスクを装着した
場合にはサブスポット51bと53bの対の方が適切な
配置となるので、図27のようにスイッチ71、73を
b側に切り替え、この光ディスクで最適な(振幅がより
大きな)トラッキング誤差信号TESを得る。
【0113】このように使用する情報記録媒体のトラッ
クピッチに応じて、スイッチ71、73の選択切り替え
端子SELを制御すれば、トラックピッチが異なる複数
の光ディスクに対しても、常に最大振幅(最大感度)の
トラッキング誤差信号を得ることができる。
【0114】スイッチ71、73の選択切り替え端子S
ELの制御は先述のようにマイクロコンピュータ等を用
いた制御手段により行われるが、その何れに切り替える
かの判断は幾つかの手法により簡単に行える。例えばフ
ォーカスサーボ制御をONして光スポット(メインスポ
ット及びサブスポット)がトラックを横断する際に得ら
れるトラッキング誤差信号をA/Dコンバータ等で観測
し、その振幅が最大となる位置に切り替えれば良い。ま
たはトラックピッチが異なる光ディスク相互間で反射率
に差があるのならば、フォーカスサーボ制御をONする
際やONした後に得られる反射光量に差が出る筈なの
で、そのレベルをメインスポット・サブスポット何れか
の反射光を受光する受光素子の出力を観測することで反
射率を検出し、それに連動してスイッチ71、73を切
り替えれば良い。若しくは光ディスクがカートリッジに
装填された状態で使用されるのならば、そのカートリッ
ジの形状や識別穴などを別途センサーで検出し、その情
報に基づいて切り替えを行う手法も考えられる。
【0115】もっともトラッキング誤差信号の振幅を観
測する手法は、実際に振幅を観測しながら切り替えるの
で確実であること、及びトラックピッチと反射率が連動
している場合に限られないこと、更にはカートリッジか
らの情報を必要としない等の点で実用性が最も高い。
【0116】なお、3種類以上の異なるトラックピッチ
に対応するために、サブスポット及び受光素子の数を更
に増しても良い。その際にはスイッチ71、73の切り
替えもトラックピッチの数に応じた段階のものとする必
要があるが、選択切り替え端子SELの制御の判断手法
は上述の各種手法をそのまま使用することができる。
【0117】<実施形態6>実施形態6を図28及び図
29を用いて説明する。この実施形態6はホールド動作
をアナログ的な回路では無く、ディジタル的な処理によ
り行うものである。
【0118】図28はこの実施形態6にかかる、情報記
録再生装置のトラッキング制御装置の構成図であるが、
実施形態1に於いて示した構成図である図1に類似して
はいるものの、ホールド回路81、83、ゲイン調整ア
ンプ811、813、減算器8及びトラッキング制御手
段92がディジタル的に実現されているため、破線で囲
まれている。
【0119】まず、図28中の、ディジタル的に実現し
たホールド回路81(あるいは83)の構成図を図29
に示す。なお、ピークホールド・ボトムホールド何れの
回路も同様にディジタル的に実現可能であるが、この図
29ではピークホールド回路の例を示している。
【0120】図29に於いて、600は受光素子からの
信号をアナログ値からディジタル値に変換するA/Dコ
ンバータ(A/D変換する手段)、601は現時点まで
の最大値を保持すると共に、その内容値がホールド回路
の外部に出力されている最大値レジスタ(保持手段)、
602はA/Dコンバータの出力ディジタル値と最大値
レジスタが保持する値を比較して大小関係を判別する比
較器、603は最大値レジスタ601の内容値に演算を
施し、時間的に最大値レジスタ601の値を変更して行
く演算器(演算手段)、604はこのホールド回路81
(あるいは83)内部の動作タイミングを制御するコン
トローラである。
【0121】情報記録再生装置のトラッキング制御装置
に用いられるホールド回路、例えばピークホールド回路
に求められる機能は、既に各実施形態等で説明したよう
に、入力信号(受光素子61あるいは63からの信号)
の各時点における最大値を検出・保持して記録マークの
影響を排除する一方で、光スポットがトラックを横断す
る際にはそれに伴う信号のエンベロープ(包絡線)変化
には追従するために検出した最大値を徐々に減じて行
く、適度な時定数を有することである。
【0122】この図29に示したホールド(ピークホー
ルド)回路81(あるいは83)は以下のように動作し
て、アナログ回路で構成したものと同じ機能を達成す
る。まず受光素子61(あるいは63)からの信号(入
力信号)をA/Dコンバータ600でディジタル値に変
換するが、これは即ち入力信号の現在値である。一方、
現時点までの最大値は最大値レジスタ601に保持され
ているが、これと先述した現在値との大小が比較器60
2により比較され、結果がコントローラ604に送られ
る。もし現在値が最大値レジスタ601の内容値より大
であれば、コントローラ604はA/Dコンバータ60
0の変換結果である現在値を最大値レジスタ601に転
送する指示を発し、最大値レジスタ601の内容値を更
新する。これにより最大値レジスタ601の内容は入力
信号の最大値を保持すると言う、ホールド(ピークホー
ルド)回路にとって必要な動作の1つが達成される。
【0123】他方、演算器603は最大値レジスタ60
1の内容値に演算を施してその値を変更するが、これは
簡単には一定時間毎に一定値を減じて行くものであって
も良い。この場合、アナログ的な回路で時定数を決定す
る要素として電流源を用いたものと同様に、ホールド回
路の出力は時間と共に一定値の変化(減少)をするもの
となるが、検出した最大値を徐々に減じて行くという、
ホールド(ピークホールド)回路にとって必要な動作の
もう1つが行われることになる。
【0124】この演算器603の演算は各種のものが考
えられ、例えば経過時間に応じてアナログ回路の抵抗・
コンデンサによる時定数と同様な指数関数的に数値を減
じて行くものなど、実機に於いて最適な動作を行えるも
のを選択し得る自由度がある。
【0125】また、実施形態3ではホールド回路の時定
数を変化させる構成について説明したが、ホールド回路
をディジタル的に実現するこの実施形態6でも同様な動
作を行わせる事は可能である。既に最大値レジスタ60
1の内容値に演算を施してその値を変更する、演算器6
03の演算には各種の物が考えられる旨を述べたが、こ
れをトラッキングサーボ動作やシーク・アクセス動作、
あるいはn倍速動作等の各種動作モードに応じて変化さ
せれば時定数は容易に変化させ得る。例えば一定時間毎
に一定値を減じて行く演算を想定した場合、その減じて
行く値を変化させれば良い。また時定数の変化は段階的
にでも、連続的にでも、ディジタル的な処理を行う際の
分解能(ビット数)の制限はあるものの自由に設定でき
る。更には演算の時間的頻度で時定数を変化させること
も可能である。
【0126】以上の説明中、ホールド動作としてはピー
クホールドを想定していたが、無論ボトムホールドを同
様に実現することも可能である。具体的には最大値レジ
スタ601を最小値レジスタと考え、比較器602はA
/Dコンバータ600から得られる入力信号のディジタ
ル変換値の現在値と最小値レジスタの内容値とを比較し
た結果をコントローラ604に送出し、現在値が最小値
レジスタの内容値より小さければ現在値を最小値レジス
タに転送する指示を発すれば良い。また演算器603は
最小値レジスタの内容値を時間と共に増加させる演算処
理を行うようにすれば、ピークホールドの動作を逆転さ
せたボトムホールドの動作を実現できる事になる。
【0127】ところで、ホールド回路をディジタル的に
実現した場合、そのホールド出力はディジタル値であ
る。このディジタル値をD/Aコンバータでアナログ値
に変換した後にゲイン調整アンプを経て減算することで
トラッキング誤差信号TESをアナログ信号として生成
し、トラッキング制御を行っても構わないが、ディジタ
ル値のままでトラッキング制御に必要な殆どの処理を行
う事も可能である。先の図28ではこれを想定して、ト
ラッキング制御手段92までをディジタル的な処理を行
う事を意味する、破線枠で囲んでいる。
【0128】具体的にはホールド回路の出力であるディ
ジタル値に、ある係数をディジタル的に乗算することで
ゲイン調整アンプ811、813と同様な機能が果た
せ、さらにその乗算結果の差を演算すればトラッキング
誤差信号TESがディジタル値のままで得られる。更に
トラッキング誤差信号が入力される、トラッキング制御
手段92の中のトラッキングイコライザ処理をディジタ
ルフィルタで実現すれば良い。後はレンズの位置を駆動
する為にディジタルフィルタの出力をD/Aコンバータ
でアナログ信号に変換するか、PWM(パルス幅変調)
信号として出力すれば良い。
【0129】この場合、アナログ回路が更に削減される
ので、アナログ回路にはつきもののオフセットの影響が
更に低減できると共に、サーボゲインや入力信号に含ま
れるオフセット等もディジタル数値的に調整が容易に行
え、動作の安定性が更に高まる。
【0130】これらのディジタル的な処理はハードウェ
アとして行っても良いが、DSP(ディジタル・シグナ
ル・プロセッサ)等を用いたソフトウェアによる処理で
行うことも可能である。この場合にはソフトウェア処理
によりハードウェアの量が削減可能であり、例えば図2
9で示したホールド回路81(あるいは83)の例で
は、入力信号をディジタル値に変換するA/Dコンバー
タ600は必要であるが、その後の最大値レジスタ60
1や比較器602、演算器603あるいはコントローラ
604の動作はDSP及びそのソフトウェアで機能を代
替できる。またゲイン調整アンプ811(あるいは81
3)、減算器8、及びトラッキング制御手段92中のト
ラッキングイコライザまでも、ソフトウェア的なディジ
タル演算・信号処理で実現し得るものである。結果的に
コストの削減が図れる他、ホールド回路の時定数やサー
ボ特性を変更する事も容易であり、柔軟性に富んだトラ
ッキング制御装置が実現し得る。
【0131】
【発明の効果】請求項1にかかる発明によれば、トラッ
キング誤差信号は記録マークの有無の影響を受けず、未
記録のトラックに対して新たに記録を行う場合にトラッ
キングオフセットを生じることが無く、また記録済みと
未記録のトラックとでトラッキング誤差信号の振幅が変
動することも無い。また、高価で特殊な送り機構やオフ
セット補償手段を設けたり、受光素子を詳細に分割する
特殊な光学系あるいは複雑なゲイン調整を必要とせず、
安定かつ正確なトラッキング制御が行える。
【0132】更に、記録マークによる反射率の変化の影
響を受けないため、反射率変化型ではない、例えば光磁
気記録型の媒体(ディスク)においてもトラッキング誤
差信号を正確に得ることができ、同一の装置でこれら異
種の媒体を混在して使用することが可能である。
【0133】請求項2にかかる発明によれば、ホールド
される信号のレベルは記録マークの影響をより一層受け
にくくなる。
【0134】請求項3にかかる発明によれば、ホールド
される信号のレベルは記録マークの影響を受けにくい一
方で、シーク・アクセス動作に際してはトラック横断を
正確に反映するトラッキング誤差信号を生成することが
できる。
【0135】請求項4にかかる発明によれば、ホールド
時定数の上限値が高くなり、設定の許容範囲を拡大する
ことができる。
【0136】請求項5にかかる発明によれば、情報記録
媒体に記録される情報の最長波形の時間幅が異なる場
合、あるいは情報記録媒体の再生線速度が変化する場
合、若しくは光スポットをトラック横断方向に移動させ
る際等に於いて最適なホールド時定数を選択し、正確な
トラッキング制御やトラック横断を反映可能なトラッキ
ング誤差信号を生成することができる。
【0137】請求項6にかかる発明によれば、時定数を
変更する際にホールド回路の出力に急激な段差を生じた
り、時定数の変更を行う素子に過大な過渡電流が流れる
ことが無く、またICとして集積化する際に余分な外付
け部品や引き出し端子(ピン)数を減らす事ができ、実
装面積やコストを小さく抑える事ができる。
【0138】請求項7にかかる発明によれば、ホールド
動作を行う回路・手段をディジタル的な回路あるいは信
号処理として実現することができ、回路のオフセットの
影響が少なくなる他、ICへの集積化も容易になり、あ
るいはソフトウェアによる処理が可能となって動作の安
定性や柔軟性、若しくは装置の低コスト化に繋がる。
【0139】請求項8にかかる発明によれば、装置の各
動作に於いて最適なホールド時定数の選択がディジタル
的な処理・動作だけで行え、動作の安定性が高い。
【0140】請求項9にかかる発明によれば、アナログ
的な回路を更に削減することができてオフセット変動等
の問題が減少する他、サーボゲインやオフセット等の自
動調整等が容易に行え、動作の安定性が更に高まる。
【0141】請求項10にかかる発明によれば、記録マ
ーク間の未記録部の長さが短く、光学的分解能が低い為
に本来の未記録側のレベルの信号が得にくい場合におい
てもその振幅を改善し、より正確なレベルをホールドし
て正確なトラッキング誤差信号を生成する。
【0142】請求項11にかかる発明によれば、異なっ
た位置関係に配置された光スポットの内から、トラッキ
ング誤差信号の検出感度が最も高くなる位置に配置され
た2つの光スポットの反射光量に応じた信号を選択して
用いることで、異なるトラックピッチを有する情報記録
媒体に対してもトラッキング誤差信号の検出感度を常に
最良に維持する。
【0143】請求項12にかかる発明によれば、実際に
トラッキング誤差信号の振幅を観測するので、何れの光
スポットの反射光量に応じた信号を使用するかの選択が
確実であり、また選択に際して他に情報を必要としな
い。
【0144】請求項13にかかる発明では、従って情報
記録媒体の反射率の相違や記録・再生の動作モードの変
化によっても受光素子からの信号レベルの変動を抑え、
ホールド回路の動作に適したレベルとしたり、あるいは
生成されるトラッキング誤差信号の振幅変動を少なくす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1にかかるトラッキング制御
装置の構成図である。
【図2】メインスポット52及びサブスポット51、5
3と、未記録のトラック2との相対位置に対する反射光
量変化を説明する図である。
【図3】記録済みのトラックに対する反射光量変化を図
2と同様に説明する図である。
【図4】ホールド回路81、83をピークホールド回路
とする時の回路例を示す図である。
【図5】記録により反射率が上昇する光ディスクに於け
る反射光量の変化を、未記録のトラックについて図2と
同様に説明する図である。
【図6】記録により反射率が上昇する光ディスクに於け
る反射光量の変化を、記録済みのトラックについて図3
と同様に説明する図である。
【図7】ホールド回路81、83をボトムホールド回路
とする時の回路例を示す図である。
【図8】ホールド時定数の大小とホールドしたレベルの
関係の説明図である。
【図9】トラックカウント方式に用いられる波形の説明
図である。
【図10】本発明の実施形態2に於いて、ホールド時定
数とトラック横断時のトラッキング誤差信号の波形との
関係の説明図である。
【図11】本発明の実施形態3の、時定数を変更し得る
ホールド回路の例を示す図である。
【図12】時定数を変更し得るホールド回路の別の例を
示す図である。
【図13】ホールド回路の電流源の構成例を示す図であ
る。
【図14】時定数を連続的に可変し得るホールド回路の
構成例を示す図である。
【図15】時定数を連続的に可変し得るホールド回路の
別の構成例を示す図である。
【図16】ホールド回路中で電流値を連続的に可変し得
る電流源の構成例を示す図である。
【図17】時定数の変更をコンデンサで行うホールド回
路の例を示す図である。
【図18】時定数の変更を抵抗で行うホールド回路をI
C化する際の構成図である。
【図19】時定数の変更をコンデンサで行うホールド回
路をIC化する際の構成図である。
【図20】時定数の変更をコンデンサで行うホールド回
路をIC化する際の別の構成図である。
【図21】時定数の変更をコンデンサで連続的に行うホ
ールド回路の更に別の例を示す図である。
【図22】本発明の実施形態4にかかるトラッキング制
御装置の構成図である。
【図23】未記録部とそれに前後する記録マーク6によ
る受光素子61、63の出力レベルの説明図である。
【図24】未記録部とそれに前後する記録マーク6によ
る受光素子61、63の出力レベルの別の説明図であ
る。
【図25】イコライザ161、163の構成例を示す図
である。
【図26】本発明の実施形態5にかかるトラッキング制
御装置の構成図である。
【図27】本発明の実施形態5にかであるかるトラッキ
ング制御装置の、トラックピッチが異なる光ディスクに
対する動作の説明図。である
【図28】本発明の実施形態6にかかるトラッキング制
御装置の構成図である。
【図29】ディジタル的に実現したホールド回路の構成
例を示す図である。
【図30】従来の光ディスク装置における、である光ス
ポットとトラックとの関係の説明図。
【図31】従来のプッシュプル法の説明図である。
【図32】レンズ4が変位した場合のプであるッシュプ
ル法の問である題点を説明する図である。
【図33】従来の3スポット法の説明図である。
【図34】記録時に於ける3スポット法の問題点を説明
する図である。
【図35】記録時に於ける3スポット法の問題点を説明
する別の図である。
【図36】記録済みのトラックに於いて、サブスポット
51、53の反射光量を受光する受光素子61、63の
出力を説明する図である。
【図37】未記録のトラックに於いて、サブスポット5
1、53の反射光量を受光する受光素子61、63の出
力を説明する図である。
【図38】3スポット法でのトラッキング誤差信号の振
幅の相違を未記録のトラックと記録済みのトラックとで
説明する図である。
【符号の説明】
1 光ディスク 2 トラック 52 メインスポット 51、53、51a、51b、53a、53b サブス
ポット 71、73 スイッチ 81、83 ホールド回路 181、183 イコライザ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録媒体に対して、メインスポット
    と、該メインスポットに対してトラック幅方向にずれた
    位置に配置される複数のサブスポットを照射して、前記
    情報記録媒体に対して情報を記録または再生する情報記
    録再生装置において、 前記情報記録媒体からの前記複数のサブスポットの反射
    光量に応じた信号成分のうち、未記録領域からの反射成
    分に相当するレベルをそれぞれホールドするホールド手
    段と、 該ホールド手段のホールド信号に基づいてトラッキング
    制御を行うトラッキング手段と、を備えてなることを特
    徴とする情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の情報記録再生装置にお
    いて、 前記ホールド手段のホールドを行う時定数が、前記情報
    記録媒体に記録される情報の最長波形の時間幅よりも大
    きく設定されていることを特徴とする情報記録再生装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の情報記録再生装置にお
    いて、 前記ホールド手段のホールドを行う時定数が、前記情報
    記録媒体に記録される情報の最長波形の時間幅よりも大
    きく、且つ、光スポットをトラック横断方向に移動させ
    る際にトラックを横断する横断周期の2分の1よりも小
    さく設定されていることを特徴とする情報記録再生装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の情報記録再生装置にお
    いて、 前記ホールド手段のホールドを行う時定数が、前記情報
    記録媒体に記録される情報の最長波形の時間幅よりも大
    きく、且つ、前記情報記録媒体の偏芯に伴って光スポッ
    トがトラックを横断する横断周期の2分の1よりも小さ
    く設定されていることを特徴とする情報記録再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の情報記録再生装置において、 前記ホールド手段は、ホールドを行う時定数を切り替え
    る切替手段を備えてなることを特徴とする情報記録再生
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の情報記録再生装置にお
    いて、 前記ホールド手段は、ホールドを行う時定数を決定する
    要素として抵抗または電流源を有しており、前記切替手
    段はその抵抗値または電流源の電流値を変化させること
    を特徴とする情報記録再生装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の情報記録再生装置において、 前記ホールド手段は、前記複数のサブスポットの前記情
    報記録媒体からの反射光量に応じた信号をA/D変換す
    る手段と、A/D変換後のデータから未記録領域からの
    反射成分に相当するデータを抽出して保持する保持手段
    と、該保持したデータを時間と共に増加あるいは減少さ
    せる演算手段と、を備えてなることを特徴とする情報記
    録再生装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の情報記録再生装置にお
    いて、 前記演算手段が、前記データの増加あるいは減少させる
    割合を変更することを特徴とする情報記録再生装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8に記載の情報記
    録再生装置において、 前記保持手段に保持されたデータをディジタル的に処理
    してトラッキング誤差信号を生成するディジタル誤差信
    号生成手段と、 前記トラッキング誤差信号をディジタル的に処理してト
    ラッキング制御を行うディジタル制御手段と、を備えて
    なることを特徴とする前請求項7ないし8に記載の情報
    記録再生装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載の情報記録再生装置において、 前記ホールド手段の前段に配置され、前記複数のサブス
    ポットの前記情報記録媒体からの反射光量に応じた信号
    を波形等化する等化手段を備えてなることを特徴とする
    情報記録再生装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれかに
    記載の情報記録再生装置において、 前記サブスポットは少なくとも4つ以上であり、 前記サブスポットの情報記録媒体からの反射光量に応じ
    た信号の内の2つを選択する選択手段を備えたことを特
    徴とする情報記録再生装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の情報記録再生装置
    において、 前記選択手段は、トラッキング誤差信号の振幅が最大と
    なる信号を選択することを特徴とする情報記録再生装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載の情報記録再生装置において、 前記情報記録媒体からの反射光量に応じた信号の振幅
    を、そのレベルに応じてまたは記録・再生の光強度の変
    化に応じて調整する調整手段を備えてなることを特徴と
    する情報記録再生装置。
JP10360089A 1998-12-18 1998-12-18 情報記録再生装置 Pending JP2000187857A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10360089A JP2000187857A (ja) 1998-12-18 1998-12-18 情報記録再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10360089A JP2000187857A (ja) 1998-12-18 1998-12-18 情報記録再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000187857A true JP2000187857A (ja) 2000-07-04

Family

ID=18467854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10360089A Pending JP2000187857A (ja) 1998-12-18 1998-12-18 情報記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000187857A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002017311A1 (en) * 2000-08-24 2002-02-28 Thomson Licensing S.A. Method for generating a corrected error signal, and corresponding apparatus

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002017311A1 (en) * 2000-08-24 2002-02-28 Thomson Licensing S.A. Method for generating a corrected error signal, and corresponding apparatus
KR100806214B1 (ko) * 2000-08-24 2008-02-22 톰슨 라이센싱 보정된 에러 신호 생성 방법 및 장치
CN100380466C (zh) * 2000-08-24 2008-04-09 汤姆森特许公司 产生纠错信号的方法及对应装置
US7466636B2 (en) 2000-08-24 2008-12-16 Thomson Licensing Method for generating a corrected error signal, and corresponding apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100380497C (zh) 信号处理装置以及信号处理方法
US4751695A (en) Method and apparatus for tracking servo system
US20020196717A1 (en) Signal processing method and signal processing apparatus
KR100707403B1 (ko) 디스크 드라이브 장치 및 워블 정보 생성 방법
US5602810A (en) Tracking error generating method using sampling of servo pits and switching of differential signals
KR100246968B1 (ko) 광디스크에 기록된 정보재생장치 및 방법
US5606545A (en) Reproducing apparatus having a detector for simultaneously scanning adjacent tracks of an optical recording medium
US5073885A (en) Optical memory disc driving apparatus
KR19980042098A (ko) 광 픽업을 위한 트래킹 제어 장치
JP3052994B2 (ja) 光ディスク装置のウォブル信号検出回路
JP2870167B2 (ja) 光ディスク装置
JP3691271B2 (ja) ディスクプレーヤ
JP2000187857A (ja) 情報記録再生装置
JPH05242499A (ja) 光記録媒体の記録方法、光記録媒体及びトラッキングエラ ー信号の生成方法
JP3274812B2 (ja) 光記録再生装置及び光ピックアップのトラッキング制御方法
JP2002298375A (ja) 受光信号処理装置
US5189654A (en) Automatic gain control apparatus for use in optical disc recording and playback system
JP3159157B2 (ja) 光ディスク記録方法および光ディスク記録装置
JP4051425B2 (ja) ウォブル信号検出回路、光ディスク装置及びウォブル信号検出方法
JPH09128761A (ja) 光学式記録情報再生装置におけるミラー回路
JP2001084605A (ja) 光ディスク装置
JP2002298372A (ja) 受光信号処理装置
JP2002298418A (ja) 光源駆動装置
JPH09330522A (ja) 光ディスク装置
JPH0863767A (ja) 光情報記録再生装置および光ディスク