JP2000184442A - 無線パケット電送方法とこれを用いる移動局 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部分エコー付きＩＣＭＡ−ＰＥ方式の移動通
信装置において、移動局の送信機会を適応的に増加し、
データ伝送のスループットを向上することを課題とす
る。 【解決手段】 無線パケットのランダムアクセスを制御
する空線制御アクセス方式の無線パケット電送方法にお
いて、基地局は移動局からの送信信号に対して予約ビッ
トと前記送信信号の一部信号とを前記移動局に送信する
場合に、前記移動局は前記送信信号を２回送信しても前
記送信信号の一部信号を受信しない場合には前記基地局
からの受信信号レベルに次ぐ受信信号を送出するチャネ
ルに切り替えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、無線パケット電話
装置において、送信ビジー状態が一定時間続いたときに
行う無線パケット電送方法及びこれを用いる移動局に関
する。

【０００２】

【従来の技術】無線パケットのランダムアクセスを制御
する空線制御アクセス方式として、現行のＰＤＣ（Pers
onal Digital Cellular）パケット移動通信装置の自動
車電話で使用されるＩＣＭＡ（Idle-signal Casting Mu
ltiple Access）や、スロットデータ予約型のＩＣＭＡ
−ＤＲ（ICMA with Data slot Reservation）、部分エ
コー付きのＩＣＭＡ−ＰＥ（ICMA with Partial Echo）
が知られている。

【０００３】このＩＣＭＡは、上り制御チャネルの使用
状況を下り制御チャネルにより報知する方法であり、空
き状態の場合は空線信号を報知して各移動局のアクセス
を許可し、使用中の場合は禁止信号を報知して他の移動
局のアクセスを禁止することによって、移動局から基地
局への上り信号同士の衝突による信号消滅を低減するも
のである。しかし、基地局が上りチャネルの信号を検出
してから空線信号を禁止信号に変化させる間に遅延があ
るため、完全に衝突を無くすことはできない。

【０００４】ＩＣＭＡ−ＤＲは、「間欠スロット空線制
御型」と呼ばれる３チャネルＴＤＭＡ−ＦＤＤ無線伝送
システムがあるが、ＩＣＭＡの効率を更に高めるため、
ＩＣＭＡ方式に予約制御を取り入れたもので、移動局は
基地局にメッセージを送信する前に先ず短い予約信号を
上りチャネルで送信し、基地局はそれに応じて下りチャ
ネルの空線信号を禁止信号に変更する。

【０００５】このようなＩＣＭＡ−ＤＲ方式で衝突時の
制御として空線制御アクセスと分割ツリーアルゴリズム
を用いる方式とを組み合わせた無線パケット通信方式
が、特開平８−２１３９９０号公報に記載されている。
本公報によれば、複数の移動局の２以上から同時に送信
された上りパケットがパケットチャネルで衝突した場
合、基地局は禁止信号又は空線信号に代えて衝突解決信
号を報知し、その衝突の起こったパケットの発生時刻以
降に新規に発生した上りパケットの送信を禁止し、その
衝突の起こったパケットのみの再送信を許可し、又は乱
数発生により再送信を許可することを特徴としている。

【０００６】また、部分エコー付き空線制御移動通信ラ
ンダムアクセス方式（ＩＣＭＡ−ＰＥ）が、ＰＤＣパケ
ット移動通信装置として用いられている。

【０００７】ＩＣＭＡ−ＰＥを用いた方法では、送信許
可（Idle）／禁止（Busy）／予約情報（Reserve）によ
る下りの衝突制御ビットを用い、無線基地局が移動機か
ら受信した信号に一定の処理を施したものを、部分エコ
ーとして当該移動機に折り返し送信し、当該移動機が先
に自身が送信した信号の伝送の成否を自律的に判断し、
送信を制御することを最大の特徴とする。

【０００８】このＩＣＭＡ−ＰＥ方式の移動通信装置に
ついて、特開平９−２００８４８号公報に記載されてい
る。本公報によれば、スロット予約型ＩＣＭＡ−ＰＥ方
式のスロット構造が、基地局の下り衝突制御ビットとし
てダウンワード・データとＩ／Ｂ／ＲとＰＥとからな
り、移動局の送信ユニットとして送信ユニット残数とア
ップワード・データとチェックサムのＣＲＣとからな
り、まず移動局は基地局から報知されているＩ／Ｂ／Ｒ
ビットがＩであることを確認して、第一ユニットを送信
し、基地局では受信した次のフレームの該当タイミング
で、ＰＥとＩ／Ｂ／Ｒビットを移動局に対して報知す
る。このとき、基地局は後続送信ユニットがある場合に
Ｉ／Ｂ／ＲビットをＢとし、次フレームの該当タイミン
グまでのスロットをＲとする。アクセスを行った移動局
は、Ｉ／Ｂ／ＲビットがＢの場合には後続ユニットを連
続的に送信し、Ｉ／Ｂ／ＲビットがＲの場合には送信許
可になった後、再度アクセスを行う。

【０００９】ただし、送信ユニットが第一ユニットのみ
の場合で、ＰＥが一致した場合にはＩ／Ｂ／Ｒビットの
内容に関わらず送信完了とみなすことにより、短いデー
タの救済が可能となる。また、基地局では、送信ユニッ
ト残数が使用可能スロット数より小さくなったときに
は、Ｉ／Ｂ／ＲビットをＩとし、他移動局からのアクセ
スを許可する。こうして、スロット予約型ＩＣＭＡ−Ｐ
Ｅ方式を用いることで、パケット通信が可能となる。

【００１０】このような条件の下で、移動局がスロット
送信を予約するためにランダムアクセスで第一ユニット
を送信しその予約に失敗した場合は再度第一ユニットを
送信できる時間が確定できず、送信待ちが発生しデータ
伝送の効率が制約されるので、基地局は移動局からの第
一ユニットを単一スロットだけの送信に限定するか、複
数のユニットに連続して送信することを許可するかの２
つのモードを判定するランダムアクセスモード制御部を
設け、移動局は基地局の下り信号からどちらのモードを
許可されたのかを判定するモード判定部を含み、基地局
からの指示で動作モードを選択できるようにしたことを
特徴としている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】上記のＩＣＭＡ−ＰＥ
方式の場合、図３（ａ）及び時間的にその連続性を有す
る図３（ｂ）に示すように、無線的に優位な移動機１
と、劣位な移動機２とで、無線的に優位な移動機１が送
信スロットを占有し、移動機２は三角マークの衝突状態
と、白抜き四角マークのビジー状態を共に３回繰り返し
て、結局リサイクルオーバによる送信を失敗してしまっ
て、送信制御がすべて完了するまで無線的に劣位な移動
機２が送信することができなくなってしまう為、スルー
プットが落ちてしまう。

【００１２】本発明は、部分エコー付きＩＣＭＡ−ＰＥ
方式の移動通信装置において、移動局の送信機会を適応
的に増加し、データ伝送のスループットを向上すること
を課題とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、無線パケット
のランダムアクセスを制御する空線制御アクセス方式の
無線パケット電送方法において、基地局は移動局からの
送信信号に対して予約ビットと前記送信信号の一部信号
とを前記移動局に送信する場合に、前記移動局は前記送
信信号を２回送信しても前記送信信号の一部信号を受信
しない場合には前記基地局からの受信信号レベルに次ぐ
受信信号を送出するチャネルに切り替えることを特徴と
する。

【００１４】また、上記無線パケット電送方法におい
て、前記移動局は送信回数をカウントするタイマをスタ
ートさせ、前記基地局からの送信許可／禁止／予約情報
による下りの衝突制御ビット中送信許可を受信して、送
信データ要求信号を送出し、前記基地局から応答信号で
ある前記衝突制御ビット中予約情報と前記予約ビットを
受信して後、送信データを送信することを特徴とする。

【００１５】又、上記無線パケット電送方法において、
前記移動局は、送信回数をカウントするタイマをスター
トさせ、前記基地局からの送信許可／禁止／予約情報に
よる下りの衝突制御ビット中送信許可を受信して、送信
データ要求信号を送出し、前記基地局から応答信号であ
る前記衝突制御ビット中予約情報と前記予約ビットを受
信しなかった場合、前記送信回数が所定数の場合にはチ
ャネル切替制御を行い、他のチャネルに切り替えて空き
周波数を検索することを特徴とする。

【００１６】また、本発明は、無線パケットのランダム
アクセスを制御する空線制御アクセス方式の移動局にお
いて、送信部と受信部の高周波信号生成と高周波信号復
調の無線部と、ベースバンド信号を高周波信号に変調
し、高周波信号をベースバンド信号に変換する変復調部
と、受信時は復号データから規定パターン部とデータ部
とに分離し、送信時はデータをスロットフォーマットへ
組み上げるバースト分離・多重部と、ユーザデータ出力
端と、ユーザデータ入力端と、送信許可／禁止／予約情
報ビット等の衝突制御ビットの検出を行い、検出したビ
ットやスロットの状態によりランダムアクセスの連続ス
ロット制御を行い、所定数回の送信失敗に備えてチャネ
ル切替制御を行う衝突制御ビット処理群部と、ランダム
遅延のためのランダム発生器と、少なくとも送信失敗の
カウントを行うカウンタとから構成されることを特徴と
する。

【００１７】こうして、同一の周波数で複数の移動機が
無線パケットの送信を行う場合、無線的に劣位な移動機
が送信できなくなって、送信スループットの劣化を防止
するため、ランダムアクセス制御で連続して数回失敗し
た場合に、自立的に周辺のチャネルに移行し、そのチャ
ネルで送信制御を再開することで、スループットを上げ
ることができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。

【００１９】図１に本実施形態による移動局の概略構成
図を示す。図１（ａ）において、移動局、例えばデジタ
ル携帯電話移動機は、送信部と受信部の高周波信号生成
と高周波信号復調の無線部１と、ベースバンド信号を高
周波信号に変調し、高周波信号をベースバンド信号に変
換する変復調部２と、受信時は復号データから規定パタ
ーン部とデータ部とに分離し、送信時はデータをスロッ
トフォーマットへ組み上げるバースト分離・多重部３
と、ユーザデータ出力端４と、ユーザデータ入力端５
と、Ｉ／Ｂ／Ｒビット等の衝突制御ビットの検出を行
い、検出したビットやスロットの状態によりランダムア
クセスの連続スロット制御を行い、２回の送信失敗に備
えてチャネル切替制御を行う衝突制御ビット処理群部６
と、ランダム遅延のためのランダム発生器７と、少なく
とも送信失敗のカウントを行うカウンタ８とから構成さ
れている。

【００２０】また、図１（ｂ）に、本実施形態に用いる
基地局と移動局で通信を行う場合のデータ構成図を示し
ている。

【００２１】上記移動局の構成に対して、基地局は、衝
突制御ビット処理群部６の代わりに、Ｉ／Ｂ／Ｒビット
のいずれのビットを発生するかの信号処理回路と移動局
からの送信開始信号を受けて応答のための部分エコー信
号生成部とを備えており、複数の無線部と複数の変復調
部を備えている。また、ユーザデータ入出力端４，５に
はベースバンドのデータ群があり、直接又は変復調器を
通して、更に交換機を通して外部公衆回線網やＩＳＤＮ
回線網に接続している。

【００２２】図２は移動局における従来のランダムアク
セス制御のフローチャートを元に連続失敗回数をカウン
トし、連続２回失敗した場合チャネル切替を行うフロー
チャートを表す。図２のフローチャートにあるように、
ランダムアクセスの再送アウトが２回連続して発生した
場合、チャネル切替制御を実行する。

【００２３】まず、移動局で送信データの有無を判断し
（Ｓ１）、送信データがあれば、タイマをスタートし
（Ｓ２）、基地局のＩ／Ｂ／Ｒビットを受信し（Ｓ
３）、Ｉビットであれば第１ユニット目を送信する（Ｓ
４）。第１ユニット目を送信したアップチャネルに対す
る基地局からの次サブフレームの衝突制御ビットを受信
し（Ｓ５）、受信したＩ／Ｂ／Ｒビットが予約ビットで
あれば（Ｓ６）、部分エコービットが一致するかどうか
を判断し（Ｓ７）、一致すれば、次ユニット以降送信ユ
ニットがあるかどうかを判断し（Ｓ８）、送信ユニット
がある場合は次ユニットを送信し（Ｓ１０）、次ユニッ
トの送信がなくなればタイマのカウント値をクリアする
と共に失敗カウンタをクリアして（Ｓ１１）、送信を完
了する（Ｓ１２）。この場合には、送信したいデータを
滞りなく、送信遅延もなく、希望通りに送信データを送
信し得たフローチャートである。

【００２４】つぎに、ステップＳ６，Ｓ７で、受信Ｉ／
Ｂ／ＲビットがＲでなく、Ｉ又はＢである場合、及び基
地局からの部分エコーが一致しなかった場合、リサイク
ルオーバーか否かを判断し（Ｓ１３）、リサイクルオー
バーであれば失敗カウンタに１を加算し（Ｓ１４）、失
敗カウンタが２か否かを判断し（Ｓ１５）、失敗カウン
タが２となっておれば、チャネル切替の制御をして（Ｓ
１６）、到来する基地局からの電波の受信可能チャンネ
ル中、ＲＳＳＩレベルの高い電波のチャネルに切り替え
る。そうして、その基地局のＩ／Ｂ／Ｒビットを受けて
Ｉであれば第１ユニット目を送信する（Ｓ４）。

【００２５】ここで、ＲＳＳＩレベルの高い電波のチャ
ネルとしたが、Ｅｂ／Ｎｏ（信号１ビット当たりのエネ
ルギーＥｂと、雑音電力スペクトル密度Ｎｏの比）の高
いチャネルでも、データ誤り率の低いチャネルであって
もよい。

【００２６】つぎに、ステップＳ３において受信Ｉ／Ｂ
／Ｒビットを受信してＢであれば、基地局に空きがない
か、他移動局が使用中なので、タイマアウトしたかどう
かを判断し（Ｓ２１）、タイムアウトの場合には使用中
のアップチャネル機能のチャネルの配置されたスロット
の内次のスロットを受信して（Ｓ２２）、再度ステップ
Ｓ３に移行する。また、ステップＳ２１でタイムアウト
でない場合には、失敗カウントに１を加算して（Ｓ２
３）、失敗カウンタが２であるか否かを判断し（Ｓ２
４）、失敗カウンタが２であれば、２回の送信失敗とし
てチャネル切り替え制御を実行する（Ｓ２５）。また、
ステップ２４で失敗カウンタが１であれば、送信失敗と
判断し（Ｓ２６）、次に基地局のＩ／Ｂ／Ｒビットを受
信するか、または諦めて送信データを保持して次の機会
に移行する。

【００２７】また、ステップＳ１３で、リサイクルオー
バーでなければ、ランダム発生器によりランダム時間遅
延させて（Ｓ１８）、ステップＳ２に移行する。

【００２８】ステップＳ１６，Ｓ２５において、チャネ
ル切替制御では、予め測定している周辺チャネルの受信
レベル情報を元に、現在使用しているチャネルの次に高
い受信レベルがある周辺のチャネルに周波数を切替、そ
こでパケットデータの送信を再開する。そうする事で、
スループットの低下を防ぐ事が実現できる。

【００２９】なお、上記送信失敗を２回目までとしてい
るが、この数は２回を越える３〜５回であってもよく、
又ユーザに更新の機会を与えるようにしてもよい。

【００３０】

【発明の効果】本発明によれば、送信失敗があっても、
次のスロット、次のチャネル切替等の変更を、即時に行
えるので、データ伝送のスループットの低下を防ぐこと
ができる。

【００３１】また、複数の周波数を使用してしまうが、
複数の移動機のスループットの低下が防げるため、トー
タル的に周波数を占有する時間を短縮できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態による携帯移動機の構成ブロ
ック図である。

【図２】本発明の実施形態による携帯移動機の動作フロ
ーチャートである。

【図３】データ送信時のタイミングチャート図である。

【符号の説明】

１ 無線部 ２ 変復調部 ３ バースト分離・多重部 ４ ユーザデータ出力部 ５ ユーザデータ入力部 ６ 衝突制御ビット処理郡部 ７ ランダム発生器 ８ カウンタ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無線パケットのランダムアクセスを制御
   する空線制御アクセス方式の無線パケット電送方法にお
   いて、基地局は移動局からの送信信号に対して予約ビッ
   トと前記送信信号の一部信号とを前記移動局に送信する
   場合に、前記移動局は前記送信信号を２回送信しても前
   記送信信号の一部信号を受信しない場合には前記基地局
   からの受信信号レベルに次ぐ受信信号を送出するチャネ
   ルに切り替えることを特徴とする無線パケット電送方
   法。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の無線パケット電送方法
   において、前記移動局は送信回数をカウントするタイマ
   をスタートさせ、前記基地局からの送信許可／禁止／予
   約情報による下りの衝突制御ビット中送信許可を受信し
   て、送信データ要求信号を送出し、前記基地局から応答
   信号である前記衝突制御ビット中予約情報と前記予約ビ
   ットを受信して後前記、送信データを送信することを特
   徴とする無線パケット電送方法。
3. 【請求項３】 請求項１又は２に記載の無線パケット電
   送方法において、前記移動局は、送信回数をカウントす
   るタイマをスタートさせ、前記基地局からの送信許可／
   禁止／予約情報による下りの衝突制御ビット中送信許可
   を受信して、送信データ要求信号を送出し、前記基地局
   から応答信号である前記衝突制御ビット中予約情報と前
   記予約ビットを受信しなかった場合、前記送信回数が所
   定数の場合にはチャネル切替制御を行い、他のチャネル
   に切り替えて空き周波数を検索することを特徴とする無
   線パケット電送方法。
4. 【請求項４】 請求項１又は２に記載の無線パケット電
   送方法において、前記移動局は前記基地局からの送信許
   可／禁止／予約情報による下りの衝突制御ビットを受信
   して禁止を受信した場合、使用中の上りチャネルに配置
   されたスロット中他のスロットを受信することを特徴と
   する無線パケット電送方法。
5. 【請求項５】 無線パケットのランダムアクセスを制御
   する空線制御アクセス方式の移動局において、 送信部と受信部の高周波信号生成と高周波信号復調の無
   線部と、ベースバンド信号を高周波信号に変調し、高周
   波信号をベースバンド信号に変換する変復調部と、受信
   時は復号データから規定パターン部とデータ部とに分離
   し、送信時はデータをスロットフォーマットへ組み上げ
   るバースト分離・多重部と、ユーザデータ出力端と、ユ
   ーザデータ入力端と、送信許可／禁止／予約情報ビット
   等の衝突制御ビットの検出を行い、検出したビットやス
   ロットの状態によりランダムアクセスの連続スロット制
   御を行い、所定数回の送信失敗に備えてチャネル切替制
   御を行う衝突制御ビット処理群部と、ランダム遅延のた
   めのランダム発生器と、少なくとも送信失敗のカウント
   を行うカウンタとから構成されることを特徴とする移動
   局。
6. 【請求項６】 請求項５に記載の移動局において、前記
   衝突制御ビット処理群部は前記無線部に制御信号を出力
   し、前記衝突制御ビットが前記予約情報ビットであれば
   前記無線部の受信チャネルに対応する送信チャネルとし
   て送信データを送信することを特徴とする移動局。