JP2000182753A - 通電加熱方法、通電加熱用容器および通電加熱装置 - Google Patents

通電加熱方法、通電加熱用容器および通電加熱装置

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JP2000182753A
JP2000182753A JP10356005A JP35600598A JP2000182753A JP 2000182753 A JP2000182753 A JP 2000182753A JP 10356005 A JP10356005 A JP 10356005A JP 35600598 A JP35600598 A JP 35600598A JP 2000182753 A JP2000182753 A JP 2000182753A
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electrodes
container
heating
potential
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JP10356005A
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Takeo Sugita
健男 杉田
Tadaaki Aoki
忠昭 青木
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Toyo Aluminum KK
Original Assignee
Toyo Aluminum KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直方体でない被加熱物を均一に加熱すること
が可能な通電加熱用容器を提供する。 【解決手段】 絶縁材料で形成されたコップ状の容器2
の内周面に複数対の電極EL1,EL1′;…;EL4
b,EL4b′を設ける。容器2内の等電位面が平行に
なるように各電極に電位を印加する。容器2内の被加熱
物の電流密度を均一にして均一に加熱できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は通電加熱方法、通
電加熱用容器および通電加熱装置に関し、特に、被加熱
物に電流を流して加熱する通電加熱方法、通電加熱用容
器および通電加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、食品、薬品、化学品、無機
物、有機物などの被加熱物に直接電流を流し、抵抗発熱
を利用して被加熱物を加熱する通電加熱方法が知られて
いる。
【0003】従来の通電加熱方法では、被加熱物が固形
物の場合は、被加熱物を直方体に加工して平行平板電極
対で挟み、電極対間に電流を流して加熱していた。
【0004】また、被加熱物が液体のような不定形物の
場合は、平行平板電極対が内部に設けられた容器に被加
熱物を入れ、電極対間に電流を流して加熱していた。ま
た、不定形の被加熱物を連続的に加熱する場合は、平行
平板電極対が側壁面に設けられたパイプ内に被加熱物を
流しながら電極対間に電流を流して加熱していた。
【0005】このように平行平板電極対を用いるのは、
被加熱物の電流密度を均一にして被加熱物全体の温度を
均一に上昇させるためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の通電加
熱方法では、平行平板電極を用いていたので、直方体で
ない被加熱物(たとえばソーセージなど)を加熱するこ
とはできなかった。
【0007】この場合、曲面を有する電極対や非平行な
電極対を用いることが考えられるが、電極対の最近接部
に電流が集中し被加熱物を均一に加熱することができな
い。
【0008】特に、被加熱物が電解質のようなイオン性
導電体の場合は温度が高くなるほど導電率も高くなるた
め、電流が一部分に集中して被加熱物に温度差が生じる
と温度が高い部分に電流が集中してさらに温度差が拡大
するという悪循環が生じてしまう。
【0009】また、不定形の被加熱物をパイプに流しな
がら通電加熱する方法では、平行平板電極対が突出した
部分およびその前後で被加熱物に圧力が加わり、被加熱
物に損傷を与える場合があった。
【0010】それゆえに、この発明の主たる目的は、直
方体でない被加熱物を均一に加熱することが可能な通電
加熱方法、通電加熱用容器および通電加熱装置を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
被加熱物に電流を流して加熱する通電加熱方法であっ
て、それぞれが被加熱物と接触するようにして少なくと
も3つの電極を設け、電極間の電位差が二通り以上同時
に生ずるように各電極に電位を印加するものである。
【0012】請求項2に係る発明は、被加熱物に電流を
流して加熱するための通電加熱用容器であって、それぞ
れが、被加熱物と接触するように配置され、電極間の電
位差が二通り以上同時に生ずるように電位を受ける少な
くとも3つの電極を備えたものである。
【0013】請求項3に係る発明は、被加熱物に電流を
流して加熱する通電加熱装置であって、それぞれが被加
熱物と接触するように配置される少なくとも3つの電極
と、電極間の電位差が二通り以上同時に生ずるように各
電極に電位を印加する電源とを備えたものである。
【0014】請求項4に係る発明では、請求項3に係る
発明の電源は、被加熱物内における等電位線が実質的に
平行になるように各電極に電位を印加する。
【0015】請求項5に係る発明では、請求項3または
4に係る発明の電源は、入力電圧を変圧して二通り以上
の電位差を同時に生成し、各電極に電位を印加するトラ
ンスを含む。
【0016】請求項6に係る発明では、請求項3から5
のいずれかに係る発明の被加熱物は流動性を有し、通電
加熱装置は被加熱物を連続的に流すためのパイプをさら
に備え、少なくとも3つの電極はパイプの内周面に沿っ
て設けられる。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態を説明する前に、まず
本発明の原理について説明する。本発明の通電加熱装置
は、少なくとも3つの電極を備え、通電時に電極間の電
位差が二通り以上同時に生ずることを特徴としており、
さらには被加熱物内における等電位線が実質的に平行に
なるように各電極の電位が設定される。
【0018】電極の材質は、公知の材質、たとえばチタ
ン、ステンレス、カーボン、銅、その他の金属、合金、
導電性セラミックスなどから選択されるが、被加熱物が
食品の場合には特にチタンが好ましい。電極の形状や大
きさは、特に制限されず、装置の大きさや加熱条件、被
加熱物の種類・量などに応じて適宜設計される。電極の
表面には、必要に応じて防食性の導電性樹脂などをコー
ティングしてもよい。
【0019】電極の数は、少なくとも3個であり、上限
は特に規定されるものではないが、50個程度である。
50個を超えてもさらなる効果は期待できず、装置が複
雑になるだけである。
【0020】たとえば、被加熱物M1が、図1に示すよ
うに、第1の平面とそれに平行な第2および第3の平面
を有し、第1および第2の平面対間の距離と第1および
第3の平面対間の距離とが異なる場合は、第1〜第3の
平面にそれぞれ電極EL0〜EL2が設けられ、電極E
L0〜EL2にそれぞれ電位V0〜V2が印加される。
電位V0〜V2は、被加熱物M1内部における等電位面
(図中、点線で示される)が平行になるように印加され
る。
【0021】また被加熱物M2が、図2に示すように、
1つの平面とそれに対向する1つの曲面を有する場合
(ただし、紙面に垂直な方向への形状変化はないものと
する)は、平面側に1つの電極EL0が設けられるとと
もに、曲面側に紙面垂直方向に延在する短冊状の電極が
多数(図では7つ)設けられ、電極EL0〜EL7にそ
れぞれ電位V0〜V7が印加される。電位V0〜V7
は、被加熱物M2内部における等電位面が平行になるよ
うに印加される。
【0022】また被加熱物M3が、図3に示すように、
2つの平行平面対を有し、2つの平行平面対間距離が互
いに異なる場合は、2つの平行平面対にそれぞれ平行平
板電極EL1,EL1′;EL2,EL2′が設けら
れ、電極EL1,EL1′,EL2,EL2′にそれぞ
れ電位V1,V1′,V2,V2′が印加される。電位
V1,V1′,V2,V2′は、被加熱物M3内部にお
ける等電位面が平行になるように印加される。
【0023】また被加熱物M4が、図4に示すように、
2つの曲面を有する場合(ただし、紙面に垂直な方向へ
の形状変化はないものとする)は、被加熱物M4を挟む
ようにして、紙面垂直方向に延在する短冊状の電極対が
多数(図では7対)設けられ、電極対EL1,EL
1′;…;EL7,EL7′にそれぞれ電位V1,V
1′;…;V7,V7′が印加される。電位V1,V
1′;…;V7,V7′は、被加熱物M4内部における
等電位面が平行になるように印加される。
【0024】このように本発明における通電加熱装置で
は、少なくとも3つの電極を設け、被加熱物内の等電位
面が平行になるように各電極の電位を設定するので、被
加熱物の形状を問わず、被加熱物を均一に加熱すること
ができる。
【0025】また、本発明をパイプ状の連続通電加熱装
置に応用した場合は、加熱部の内部を円筒形にすること
ができるので、加熱部における被加熱物の対流や乱流を
防止することができ、被加熱物の損傷を防止できる。ま
た、パイプ内の残留物の排出や清掃も極めて効率よくで
きる。
【0026】また、本発明を通電加熱用容器に応用した
場合は、従来は角状や円柱状に限定されていたが、たと
えば茶碗のような曲面を有する容器を構成することも可
能である。
【0027】なお、本発明の通電加熱装置は、上述のと
おり均一な加熱を目的としているが、電極電位を適当に
調整することにより、被加熱物の一部(たとえば、表面
近傍または中心部)のみを加熱することも可能である。
【0028】以下、図を用いて本発明の実施の形態を詳
細に説明する。 [実施の形態1]図5(a)は、この発明の実施の形態
1による通電加熱用容器1の構成を示す平面図、図5
(b)は図5(a)のA−A′線断面図である。
【0029】図5(a)(b)において、この通電加熱
用容器1は、コップ状の容器2と、複数対(図では7
対)の電極EL1,EL1′;…;EL4b,EL4
b′とを含む。容器2は、プラスチックのような絶縁材
料で形成され、たとえば内径142mmである。
【0030】電極EL1,EL1′;…;EL4b,E
L4b′の各々は、チタンで形成され、たとえば幅5m
mである。電極EL1,EL1′;…;EL4b,EL
4b′の各々は、各々の表面が露出するようにして、容
器2の内周面の所定位置に容器2の中心軸を中心に線対
称に配置される。表2に、各電極の位置と各電極に印加
される電位を示す。
【0031】
【表1】
【0032】基本的には、図5(b)において、容器2
の内径dをn等分し、0,d/n,2d/n,…,(n
−1)d/n,dの位置に電極を配置し、それぞれに
0,V/n,2V/n,…,(n−1)V/n,Vの電
位を印加する。ただし、必ずしもすべての位置に電極を
配置する必要はない。この実施の形態では、n=20と
し、0,d/20,2d/20,4d/20,16d/
20,18d/20,19d/20,dの位置にそれぞ
れ電極EL1;EL2a,EL2b;…;EL1′を配
置し、それぞれにV1=0,V2=V/20,V3=2
V/20,V4=4V/20,V4′=16V/20,
V3′=18V/20,V2′=19V/20,V1′
=Vを印加する。各電極対間の電界はV/dとなり、図
6に示すように、容器1の内部での等電位面(図中、点
線で示される)は平行になる。
【0033】図7は、図5で示した通電加熱用容器1に
電位V1〜V4,V1′〜V4′を与えるための電源装
置である。
【0034】図7において、この電源装置は、電源回路
3、絶縁トランス4、制御回路5、設定部6、および熱
電対7を備える。熱電対7の検出部は、通電加熱用容器
1内の被加熱物の所定位置に配置される。熱電対7から
制御回路5に被加熱物の温度に応じたレベルの信号が与
えられ、設定部6から制御回路5に設定温度に応じたレ
ベルの信号が与えられる。制御回路5は、熱電対7によ
って検出される被加熱物の温度が設定部6で設定された
温度に一致するように電源回路3を制御する。電源回路
3には、50または60Hzの交流電圧Vin(たとえ
ば100V)が入力される。電源回路3の出力電圧V
は、制御回路5によって制御され、絶縁トランス4に与
えられる。
【0035】絶縁トランス4は、図8に示すように、1
次巻線4a、2次巻線4bおよび出力端子T1〜T4,
T1′〜T4′を含む。1次巻線4aには、電源回路3
の出力電圧Vが印加される。出力端子T1〜T4,T
1′〜T4′の各々は、2次巻線4bの所定位置に接続
され、それぞれ電位V1〜V4,V1′〜V4′とな
る。出力端子T1〜T4,T1′〜T4′は、それぞれ
通電加熱用容器1の電極EL1;EL2a,EL2b;
…;EL2a′,EL2b′;EL1′に接続される。
【0036】この実施の形態の効果を確認するため、比
較例を作成した。図9(a)は比較例となる通電加熱用
容器11の構成を示す平面図、図9(b)は図9(a)
のB−B′線断面図である。
【0037】図9(a)(b)において、この通電加熱
用容器11は、コップ状の容器12と1対の電極EL
1,EL1′を含む。容器11は、図5(a)(b)の
容器2と同じものである。電極EL1,EL1′の各々
は、チタンで形成され、容器2の内周の1/4の幅を有
する。電極EL1,EL1′は、容器12の内周面に沿
って、容器12の中心軸を中心として線対称に配置され
る。電極EL1,EL1′には、図5の電極EL1,E
L1′と同じ電位V1,V1′を印加した。この比較例
では電極対間の距離が短い部分ほど電極対間の電界が大
きくなり、図10に示すように、等電位面(図中、点線
で示される)は平行とならない。
【0038】図11は、図5で示した本願の通電加熱用
容器1を使用した場合と図9で示した比較例を使用した
場合との被加熱物の温度むらを示す図である。被加熱物
は、塩分濃度0.2%の食塩水に、対流の影響を排除す
るため寒天を加えてゲル状にしたものである。3分間か
けて15℃〜70℃程度まで加熱し、被加熱物の中央部
と電極近傍の温度を連続的に測定した。図11からわか
るように、本願の通電加熱用容器1を用いた場合は中央
部と電極近傍の温度差が5℃以内に収まったのに対し、
比較例の通電加熱用容器11を用いた場合は中央部と電
極近傍の温度差が20℃以上に達した。したがって、本
願の通電加熱用容器1を用いた方が被加熱物を均一に加
熱できることがわかった。
【0039】なお、この実施の形態では、50または6
0Hzの交流電圧を通電加熱用容器1に供給したが、交
流電圧の周波数はこれに限定されるものではない。実用
的には50Hz〜200kHz程度の交流電圧が使用可
能である。
【0040】図12は、200kHz程度の交流電圧を
供給する場合の電源装置を示すブロック図である。
【0041】図12において、この電源装置は、スライ
ダック20、電源スイッチ21,22、ヒューズ23、
整流回路24、パワードライブ回路25、絶縁トランス
26、スイッチング電源27、発振回路28、設定部2
9、および保護回路30を備える。また、この電源装置
は、制御回路31、熱電対32、温度センサ回路33、
温度表示計34、タイマ回路35、実効値変換回路3
6、実効値表示計37、およびレコーダ38を備える。
【0042】50または60Hzの電源電圧Vinがス
ライダック20およびスイッチング電源27に入力され
る。交流電源Vinは、スライダック20で適当な大き
さの交流電圧に調節され、電源スイッチ21,22およ
びヒューズ23を介して整流回路24に与えられる。整
流回路24は、入力された交流電圧を整流して直流電圧
を生成しパワードライブ回路25に与える。
【0043】一方、スイッチング電源27の出力電圧V
27は、制御回路31によって制御され、発振回路28
に与えられる。発振回路28は、設定部29で設定され
た周波数で発振し、その周波数の交流信号V28をパワ
ードライブ回路25に与える。交流信号V28の振幅
は、スイッチング電源27の出力電圧V27に応じた大
きさとなる。
【0044】パワードライブ回路25は、整流回路24
から与えられた直流電圧を電源電圧とし、発振回路28
から与えられた高周波信号V28を増幅して絶縁トラン
ス26に与える。絶縁トランス26は、図8の絶縁トラ
ンス4と同じ構成である。絶縁トランス26の出力電圧
V1〜V4,V1′〜V4′は通電加熱用容器1に与え
られる。なお、保護回路30は、パワードライブ回路2
5の異常を検出して発振回路28の発振を停止させ、電
源装置を保護する。
【0045】また、パワードライブ回路25の出力電圧
Vは、実効値変換回路26によって、その実効値に応じ
たレベルの信号V36に変換される。信号V36は、実
効値表示計37、レコーダ38および制御回路31に与
えられる。パワードライブ回路25の出力電圧Vの実効
値は、実効値表示計37に表示されるとともに、レコー
ダ38に記録される。
【0046】熱電対32の検出部は、通電加熱用容器1
内の被加熱物の所定位置に配置される。温度センサ回路
33は、温度設定部を含み、温度設定部で設定された温
度と熱電対32で検出された被加熱物の温度との差に応
じたレベルの信号V33aを制御回路31に与える。ま
た温度センサ回路33は、熱電対32で検出された被加
熱物の温度に応じたレベルの信号V33bを温度表示計
34およびレコーダ38に与える。被加熱物の温度は、
温度表示計34に表示されるとともに、レコーダ38に
記録される。
【0047】さらに温度センサ回路33は、熱電対32
で検出された被加熱物の温度が温度設定部で設定された
温度に到達したことに応じて信号V33cをタイマ回路
35に与える。タイマ回路35は、時間設定部を含み、
信号V33cが入力されてから時間設定部で設定された
時間後に加熱の停止を命令する信号V35を制御回路3
1に与える。
【0048】制御回路31は、温度センサ回路33から
与えられた信号V33aと実効値変換回路36から与え
られる信号V36とに基づいて、被加熱物の温度が設定
温度に一致するようにスイッチング電源27を制御す
る。制御回路31は、タイマ回路35から加熱停止信号
V35が与えられたことに応じてスイッチング電源27
を非活性化させる。これにより、発振回路28の発振が
停止され、絶縁トランス26の出力電位V1〜V4,V
1′〜V4′が接地電位になって通電加熱が停止され
る。
【0049】[実施の形態2]図13(a)はこの発明
の実施の形態2による通電加熱用パイプ41の構成を示
す平面図、図13(b)は図13(a)のC−C′線断
面図である。
【0050】図13(a)(b)において、この通電加
熱用パイプ41は、ステンレスのような金属で形成され
たパイプ42と、パイプ42の内周面に所定の厚みで形
成された絶縁層43と、複数対(図では7対)の電極E
L1,EL1′;EL2a,EL2a′;…;EL4
b,EL4b′と、各電極に対応して設けられた電極棒
44とを含む。
【0051】電極EL1,EL1′;EL2a,EL2
a′;…;EL4b,EL4b′は、図5の通電加熱用
容器1の電極と同様に配置され、電位V1,V1′;
…;V4,V4′を受ける。絶縁層43は、テフロン、
ゴム、エラストマなどで形成される。パイプ42の電極
に対応する位置には、パイプ延在方向に所定の間隔で貫
通孔が開口されている。各電極棒44は、パイプ42の
貫通孔および絶縁層42を貫通して対応の電極の裏面
(露出面と反対側の面)に接合されている。電位V1〜
V4,V1′〜V4′の各々は、パイプ41の外側から
電極棒44を介して対応の電極に印加される。不定形の
被加熱物は通電加熱用パイプ41の一方側から他方側に
流されながら通電加熱される。
【0052】この実施の形態では、加熱部の断面を円形
にしたので、加熱部で平行平板電極対がパイプ内に突出
していた従来のように、被加熱物が加熱部で対流したり
乱流することを防止することができ、被加熱物を損傷す
ることなくスムーズに加熱できる。また、パイプ41内
の清掃も容易になる。
【0053】なお、パイプ42をFRPのような高強度
の絶縁材料で作製してもよい。この場合は、パイプと絶
縁層を一体化して構成の簡単化を図ることができる。
【0054】[実施の形態3]図14(a)はこの発明
の実施の形態3による通電加熱用パイプ51の構成を示
す平面図、図14(b)は図14(a)のD−D′線断
面図である。
【0055】図14(a)(b)において、この通電加
熱用パイプ51は、断面半円形状のパイプ52と、複数
(図では8つ)の電極EL1,EL1′〜EL4b′を
含む。パイプ52は、絶縁材料で形成され、円筒状のパ
イプを中心軸を通る平面で2つに切断し、切断部を平板
で閉蓋した形状をしている。電極EL1は、パイプ51
の内面の平板部全面に設けられる。電極EL1′〜EL
4b′は、パイプ51の内周面の所定位置に実施の形態
1と同じ考え方で配置される。
【0056】すなわち、図14(a)においてパイプ5
2の内周面の半径dをn等分し、0,d/n,2d/
n,…,(n−1)d/n,nの位置に電極を配置し、
それぞれに0,V/n,2/n,…,(n−1)V/
n,Vの電位を印加する。ただし、必ずしもすべての位
置に電極を配置する必要はない。この実施の形態では、
n=10とし、0,6d/10,8d/10,9d/1
0,dの位置にそれぞれ電極EL1;EL4a′,EL
4b′;…;EL2a′,EL2b′;EL1′を配置
し、それぞれにV1=0,V4′=6V/10,V3′
=8V/10,V2′=9V/10,Vを印加する。電
極EL1と電極EL4a′,EL4b′;…;EL2
a′,EL2b′;EL1′との間の電界はV/dとな
り、パイプ51の内部での等電位面(図示せず)は平行
になる。
【0057】この実施の形態では、蒲鉾型の被加熱物を
均一に加熱できる。なお、この実施の形態では、パイプ
52の平板部内面に1枚の共通電極EL1を設けたが、
内周面側の電極と対になるように電極EL1を7つの電
極に分割してもよい。
【0058】[実施の形態4]図15(a)はこの発明
の実施の形態4による通電加熱用容器61の構成を示す
平面図、図15(b)は図15(a)のE−E′線断面
図である。
【0059】図15(a)(b)において、この通電加
熱用容器61は、半球状の容器62と、複数対(図では
4対)の電極EL1,EL1′;…;EL4,EL4′
を含む。容器62は、絶縁材料で形成され、中空の球を
中心を通る平面で2つに切断した形状をしている。電極
対EL1とEL1′,…,EL4とEL4′は、容器6
2の内周面において互いに対向して設けられる。電極E
L1〜EL4,EL1′〜EL4′は、それぞれ同心円
状に設けられる。
【0060】電極EL1〜EL4,EL1′〜EL4′
は、実施の形態1と同じ考え方で配置される。すなわ
ち、図15(a)において容器62の内周面の直径dを
n等分し、0,d/n,2d/n,…,(n−1)d/
n,dの位置に電極を配置し、それぞれに0,V/n,
2V/n,…,(n−1)V/n,Vの電位を印加す
る。ただし、必ずしもすべての位置に電極を配置する必
要はない。この実施の形態では、n=20とし、0,d
/20,2d/20,4d/20,16d/20,18
d/20,19d/20,dの位置にそれぞれ電極EL
1〜EL4,EL4′〜EL1′を配置し、それぞれに
V1=0,V2=V/20,V3=2V/20,V4=
4V/20,V4′=16V/20,V3′=18V/
20,V2′=19V/20,V1′=Vを印加する。
各電極対内の電界はV/dとなり、容器61内部での等
電位面(図示せず)は平行になる。
【0061】この実施の形態では、半球状の被加熱物を
均一に加熱できる。 [実施の形態5]図16は、この発明の実施の形態5に
よる通電加熱用容器対71の構成およびその使用状態を
示す断面図、図17(a)は図16の通電加熱用容器7
1aの構成を示す平面図、図17(b)は図17(a)
のF−F′線断面図である。
【0062】図16および図17(a)(b)におい
て、この通電加熱用容器対71は、1対の通電加熱用容
器71a,71bを含み、ソーセージ80を通電加熱す
るために用いられる。通電加熱用容器71aは、容器7
2と複数(図では4つ)の電極EL1〜EL4とを含
む。容器72は、絶縁材料で形成され、円柱の一方端面
に半球状の凹部を設けた形状をしている。この凹部にソ
ーセージ80の一方端部が挿入される。電極EL1〜E
L4は、容器72の内周面(凹部)において電極EL1
を中心として同心円状に設けられる。もう一方の通電加
熱用容器71bも、通電加熱用容器71aと同形状であ
る。
【0063】通電加熱用容器71a,71bの電極EL
1〜EL4,EL1〜EL4は、実施の形態1と同じ考
え方で配置される。すなわち、図16において、ソーセ
ージ80の長さdをn等分し、0,d/n,2d/n,
…,(n−1)d/n,dの位置のうち容器71a,7
1bの内周面に対応する位置に電極を配置し、それぞれ
に0,V/n,2V/n,…,(n−1)V/n,Vの
電位を印加する。ただし、必ずしもすべての位置に電極
を配置する必要はない。各電極対EL1とEL1,…,
EL4とEL4間の電界はV/dとなり、ソーセージ8
0内部での等電位面(図示せず)は平行になる。
【0064】この実施の形態では、ソーセージ型の被加
熱物を均一に加熱できる。なお、今回開示された実施の
形態はすべての点で例示であって制限的なものではない
と考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明
ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の
範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含ま
れることが意図される。
【0065】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜3に係る発明
では、被加熱物と接触するようにして少なくとも3つの
電極を設け、電極間の電位差が二通り以上同時に生ずる
ように各電極に電位を印加する。したがって、被加熱物
が直方体でない場合でも、電極の数、位置、電位などを
適当に設定することにより、被加熱物の電流密度を均一
にして被加熱物を均一に加熱できる。
【0066】請求項4に係る発明では、請求項3に係る
発明の電源は、被加熱物内における等電位線が平行にな
るように各電極に電位を印加する。これにより、被加熱
物の電流密度を均一にして被加熱物を均一に加熱でき
る。
【0067】請求項5に係る発明では、請求項3または
4に係る発明の電源は、入力電圧を変圧して二通り以上
の電位差を同時に生成し、各電極に電位を印加するトラ
ンスを含む。この場合は、二通り以上の電位差を同時に
容易に生成できる。
【0068】請求項6に係る発明では、請求項3から5
のいずれかに係る共通の被加熱物は流動性を有し、通電
加熱装置は被加熱物を連続的に流すためのパイプをさら
に備え、少なくとも3つの電極はパイプの内周面に沿っ
て設けられる。この場合は、パイプ内に平行平板電極対
が突出していた従来に比べて被加熱物をスムーズに流す
ことができ、加熱部における被加熱物の損傷を防止でき
る。また、パイプ内の清掃や残留物の排出が簡便にでき
るため作業性や衛生上の面でも好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の原理を説明するための図である。
【図2】この発明の原理を説明するための他の図であ
る。
【図3】この発明の原理を説明するためのさらに他の図
である。
【図4】この発明の原理を説明するためのさらに他の図
である。
【図5】(a)はこの発明の実施の形態1による通電加
熱用容器の構成を示す平面図、(b)は(a)のA−
A′線断面図である。
【図6】図5に示した通電加熱用容器内における等電位
面を示す図である。
【図7】図5に示した通電加熱用容器の電極に電位を与
えるための電源装置の構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示した絶縁トランスの構成を示す回路図
である。
【図9】(a)は実施の形態1の比較例による通電加熱
用容器の構成を示す平面図、(b)は(a)のB−B′
線断面図である。
【図10】図9に示した通電加熱用容器内の等電位面を
示す図である。
【図11】実施の形態1の効果を説明するための図であ
る。
【図12】図5で示した通電加熱用容器の電極に電位を
与えるための他の電源装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図13】(a)はこの発明の実施の形態2による通電
加熱用パイプの構成を示す平面図、(b)は(a)のC
−C′線断面図である。
【図14】(a)はこの発明の実施の形態3による通電
加熱用パイプの構成を示す平面図、(b)は(a)のD
−D′線断面図である。
【図15】(a)はこの発明の実施の形態4による通電
加熱用容器の構成を示す平面図、(b)は(a)のE−
E′線断面図である。
【図16】この発明の実施の形態5による通電加熱用容
器対の構成およびその使用状態を示す断面図である。
【図17】(a)は図16に示した通電加熱用容器の構
成を示す平面図、(b)は(a)のF−F′線断面図で
ある。
【符号の説明】
M 被加熱物 EL 電極 1,11,61,71a,71b 通電加熱用容器 2,12,62,72 容器 4,26 絶縁トランス 41,51 通電加熱用パイプ 42,52 パイプ 43 絶縁層 44 電極棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K058 AA86 BA06 CB09 FA03 3K092 PP20 QC02 VV40 4B021 LA41 LP06 LT03 LT06 LW04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱物に電流を流して加熱する通電加
    熱方法であって、 それぞれが前記被加熱物と接触するようにして少なくと
    も3つの電極を設け、 電極間の電位差が二通り以上同時に生ずるように各電極
    に電位を印加する、通電加熱方法。
  2. 【請求項2】 被加熱物に電流を流して加熱するための
    通電加熱用容器であって、 それぞれが、前記被加熱物と接触するように配置され、
    電極間の電位差が二通り以上同時に生ずるように電位を
    受ける少なくとも3つの電極を備える、通電加熱用容
    器。
  3. 【請求項3】 被加熱物に電流を流して加熱する通電加
    熱装置であって、 それぞれが前記被加熱物と接触するように配置される少
    なくとも3つの電極、および電極間の電位差が二通り以
    上同時に生ずるように各電極に電位を印加する電源を備
    える、通電加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記電源は、前記被加熱物内における等
    電位線が実質的に平行になるように各電極に電位を印加
    する、請求項3に記載の通電加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記電源は、入力電圧を変圧して二通り
    以上の電位差を同時に生成し、各電極に電位を印加する
    トランスを含む、請求項3または請求項4に記載の通電
    加熱装置。
  6. 【請求項6】 前記被加熱物は流動性を有し、 前記通電加熱装置は、さらに、前記被加熱物を連続的に
    流すためのパイプを備え、 前記少なくとも3つの電極は、前記パイプの内周面に沿
    って設けられる、請求項3から請求項5のいずれかに記
    載の通電加熱装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011240382A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Toyota Motor Corp 通電加熱方法
JP2012084348A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Izumi Food Machinery Co Ltd 通電加熱装置

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