JP2000180414A - マイクロガス検出器 - Google Patents

マイクロガス検出器

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JP2000180414A
JP2000180414A JP11337169A JP33716999A JP2000180414A JP 2000180414 A JP2000180414 A JP 2000180414A JP 11337169 A JP11337169 A JP 11337169A JP 33716999 A JP33716999 A JP 33716999A JP 2000180414 A JP2000180414 A JP 2000180414A
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gas
micro
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self
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Gang Lin
ン ガ ン リ
Pin-Hu Dai
イ ピ ン フ ダ
Yoshihiro Naruse
瀬 好 廣 成
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Aisin Cosmos R&D Co Ltd
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Aisin Cosmos R&D Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス成分の定量測定が出来るGCシステムに
用いるマイクロガス検出器の提供。 【解決手段】 少なくとも、基体,鋭く尖った第1電
極,それとの間に一定のギャップを置いた第2電極およ
びそれらの近くではあるがそれらの間を外れた位置にあ
る第3電極を有す。第1電極は主に、電界を高めて動作
電圧を下げ、自己保持放電維持を助ける。第2電極は主
に、自己保持放電維持電圧印加用、第3電極は自己保持
ガス放電点火用高電圧パルスを印加する点火器用に設け
られている。検出原理は、多くのガス分子の間のイオン
化特性の相違に基づいている。安定しかつ信頼性が高い
検出を補償するために、検出器は自己保持ガス放電状態
で動作要。放電イオン化によりイオンと電子が電極間に
検知しうる電流を生じる。ガス成分によるこの電流の変
化は選択的なしかも区別が出来る信号として用いられ
る。本発明のマイクロ検出器は、リソグラフィックマイ
クロ加工技術によって非常に安価に制作しうる。更に
は、ガスの活性化や放射性物質を必要としないので、使
用が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロガス検出
器に関し、特に、ガス クロマトグラフィ システム(gas
chromatography systems)に用いるに適し、小型化した
マイクロ ガス クロマトグラフィ システムに用いて最
適な、ガス 検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス クロマトグラフィは、多くのガス
成分の検知と量計測のための分析化学の実施である。ガ
ス クロマトグラフ(gas chromatographs:通常GCs
と表現される)の代表的なものは、ガス成分の分離に用
いる分析カラム(chromatographic column:分析管),温
度制御ができるオーブン(oven)、および、分析カラムか
らの流出ガスをモニタする、電子装置付きの検出器、で
構成されている。
【0003】ガスクロマトグラフは、環境調査での監視
成分の測定,半導体処理物質の測定および、薬剤の調剤
において常用される。GCsは、今日において化学分析
に用いることが出来る最も強力な道具(tool)の1つと考
えられている。
【0004】いくつかのよく使用される検出器は、フレ
ームイオン化検出器(flame ionization detector:F
ID),ニトロゲン−フォスファ 検出器(nitrogen-ph
osphorus detector:NPD),電子捕獲検出器(electr
on capture detector:ECD)、および、熱伝導度検出
器(thermal conductivity detector)である。これらの
中の最初の3つは、全て選択的な検出器である。すなわ
ち、特定の成分(elements)又は混合物(compounds)のみ
を検出できるものである。上記FIDおよびNPDは、
ガスを活性化(make-up gases to work)する必要があ
り、ECDは放射性物質(radioactive materials)を使
わなければならない。これら3種の検出器は、非常に信
頼性が高く感度が良く、研究環境(laboratory environm
ent)では最も一般的に使用されるものである。しかし、
ガスの活性化あるいは放射性物質の使用は、携帯して測
定する用途には適していない。これに対して上記TCD
は、簡単かつ小さい検出器であり、ガスの活性化や放射
性物質を必要としない。しかし、TCDは、上述の3つ
の検出器よりも感度が低く研究環境ではほとんど使用さ
れない。
【0005】多くのGC検出器の更に詳しい説明が特許
明細書や他の技術文献にある。たとえば、ハーバート・
エイチ・ヒル(Herbert H. Hill)およびデニス・ジィ・
マクミン(Dennis G. McMinn)が編集した「毛細管・クロ
マトグラフィに用いる検出器」(DETECTORS FOR CAPILLA
RY CHROMATOGRAPHY)‐参考文献AC‐が、上述の全ての
GCを説明している。なお、参考文献の名称は、記号に
対応付けて実施例説明の後に付記した。
【0006】商用販売されているほとんどのGCsは、
研究所使用仕様の重くて大きな装置である。しかし、マ
イクロ加工技術(micromachining technology)の最近の
進歩が、GCシステムを携帯サイズに小さくするのに効
果的に用いられた−参考文献AB‐。小さくされたGC
が、使用が容易であってデスクトップGCシステムと比
べて、分析速度の高速化などいくつかの好ましい機能向
上もある、と報告されている。低価格,携帯可能,かつ
使用が容易なマイクロGCシステムには、GCsの使用
を大幅に拡大する力があり、この拡大が、我々の生活環
境を劇的に改善するであろうし、半導体,バイオ医療お
よび化学工業の生産性を高めるであろう。最近まで、T
CDが、それが小型であって使用が簡単であるがゆえ
に、携帯のGCsにおいて最も一般的に使用された検出
器である。しかしながら、携帯のGCsへの使用に関す
る限り、TCDは低感度であるがゆえに、感度ではなく
携帯容易が最高優先の野外使用にほとんど限定されてい
た。したがって、高感度,低価格かつ使用が容易なマイ
クロ検出器が必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】要約すると、マイクロ
GCシステムは、高感度のマイクロ検出器が装備される
と仮定すると、われわれの環境品質と多くのハイテク産
業の生産性を劇的に改善する可能性がある。現在ほとん
どのマイクロGCsに用いられているTCDは、小型で
使用が容易であるが、感度が不充分である。他方、他の
良く用いられる、FID,NPDおよびECDなどのG
C検出器は、1つ2つの不利点を有する。すなわち、
(a)比較的にサイズが大きい,(b)ガス活性化又は
放射性物質を要する,(c)動作温度範囲が限られる,
(d)検知しうるガスの種類が限られる,(e)製造コ
ストが高く、設置コストが高くかつ稼動コストが高い。
【0008】それ故に、多くの産業で次の2つの要望が
ある。(1)マイクロGCに用いる高感度のマイクロG
C検出器、および(2)従来の検出器に置き換わる、高
感度GC検出器であって、次の特性を有するもの:
(a)単純な構造および小さい寸法、(b)検出対象成
分を問わない、(c)動作温度範囲が広い、(d)高感
度、(e)ガスの活性化や放射性物質が不要、および、
(f)製造コストが低く、設置コストが低くかつ稼動コ
ストが低い。
【0009】
【課題を解決するための手段】大要では、本発明はGC
システムでガス成分を検出するためのマイクロ ガス検
出器を提供する。この検出器は、少なくとも、(a)誘
電体物質で作った基体;(b)該基体に設けた鋭く尖っ
た端部(finely tapered end)を有する第1電極;(c)
第1電極の近くにそれと狭いギャップを置いて前記基体
に設けられた第2電極;(d)第1電極と第2電極の近
くではあるがそれらの間ではない位置にそれらのそれぞ
れとギャップを置いて設けられた第3電極;を備える。
ガス検出は、多くのガス分子の間のイオン化特性の相違
に基づく。検出器が機能するイオン化状態は、自己保持
ガス放電(self sustaining gas discharge)によっても
たらされ継続する。
【0010】検出器の第1電極は、先ず、電界を強くし
て動作電位を低くし、そして自己保持放電を持続する助
けに用いられる。第2電極は、主に、自己保持放電が継
続するギャップに動作電圧を加えるのに用いられる。第
3電極は、主に、ガスに高電圧パルスを加えて検出器が
瞬時に自己保持放電に達するのを助ける点火器(ignito
r)として設計され、検出器の安定かつ信頼できる動作を
確保する。これらの電極の近くをガスが通ると、高電圧
パルスがガス分子のイオン化を高めもしくは低くしてイ
オン化状態に作用する。それらの電極に接続された電気
計測手段が、ガス成分を、ガス成分を示す電流の形で、
検出することが出来る。
【0011】−本発明の原理の詳細な説明−本発明の根
幹にある技術思想に関する以下の説明は正しいと考える
が、それに限定することは望まない。
【0012】本発明は自己保持ガス放電の物理現象に基
づいた、GCsに用いるマイクロガス検出器の1タイプ
を提供する。ガス放電物理理論(参考文献AD)によれ
ば、2電極間の、ガスで満たされたギャップに高い電圧
が加えられると、ガスが絶縁破壊してイオン化状態にな
る。ガスがイオン化すると、2電極間のイオン化したガ
スを通して電流が流れる。この電流はガス組成によって
変化する。なぜならば、異なったガス分子は異なったイ
オン化特性を示すからである。先行技術には、分子のイ
オン化特性のこの相違に基づくガスセンサがある(参考
文献AA)。このガスセンサは、しかしながら、2電極
間の自己保持放電が多くのファクタに対して敏感であ
り、しばしは不安定であるので、GC検出器としては実
用に用いるのが困難である。
【0013】瞬時に自己保持放電に達することが出来し
かもその自己保持状態を安定に継続する新しいセンサ
が、GC検出器として使うことが出来るように、特別に
設計された。この、本発明のマイクロガス検出器は、尖
った第1電極,第1電極との間に狭いギャップを形成す
る第2電極、および、それらの電極の近くではあるがそ
れらの間ではないところに設置されてそれらのそれぞれ
と狭いギャップを形成する第3電極、を備える。この第
3電極は、自己保持放電のための点火電極として設計さ
れしかも安定かつ信頼できる動作が可能に作られたもの
である。
【0014】この新規なマイクロガス検出器において、
尖った第1電極は全3個の電極の中で最も低電位であ
る。この電極は、検出器動作の間必要な電圧を下げる為
に、電界を強く収束させるのに用いられ、しかも、検出
動作の間自己保持放電の継続を助けるのに用いられる。
第2電極は、度々、第2および第1電極間のギャップ間
に正の動作電圧を加えて自己保持放電を維持するのに用
いられる。第3電極は、それと第1電極の間のギャップ
にガスの放電破壊電圧よりも高い短いパルスを加えて瞬
時に自己保持放電を開始し、あるいは自己保持放電が中
断したときに再開するのに用いられる。第3電極は、点
火を最良にする可能性をもたらすのみならず、自己保持
放電状態での検出器の安定かつ信頼しうる動作を補償す
る。加えて、第3電極は、電磁界などの外乱から、検出
器内のイオン化ガスを遮断するシールドとしても設計し
得る。
【0015】検出の基本モードは、検出さるべきガスで
満たされたギャップを導通にするダイオードデバイスの
ごとく、2つの電極,正電極および負電極、を用いる。
どんな電極でも、電流を集める電極として用いることが
出来る。ガス組成の変化は、イオン化すなわち電流値に
大きな影響を及ぼす。検出可能なガスは、例えば、アル
コール(alcohols),ケトン(ketones),水蒸気(water va
per),芳香族炭化水素(aromatic hydrocarbons),クロ
ロカーボン(chlorocarbons)およびパーマネントガス(pe
rmanent gases)である。
【0016】前記検出器は、直流(DC)モードとパル
スモードのいずれかで動作する。第2電極14および第
3電極16に直流電圧を加えるDCモードの動作では、
単純に、2つの検出電極間を流れるDC電流を記録す
る。第2電極14又は第3電極に脈動電圧を加えるパル
スモードの動作は、動作レンジ(dynamic range)および
安定性の観点から、好ましいものである。
【0017】本発明の検出器の感度は、キャリアガスと
検出すべきガスとの間のイオン化特性の相違,検出器の
動作電圧など、多くのファクタの影響を受ける。大略で
いうと、本発明の検出器の感度は,TCDの感度と比べ
て、少なくとも2桁高い。
【0018】本発明はGCsに用いるに適し、特にマイ
クロGCsに使用するのに適した、次の利点を有するマ
イクロガス検出器を提供する:(a)単純な構造および
小さいサイズ,(b)広い温度範囲で動作できる,
(c)ガスに限定がない,(d)ガスの活性化や放射性
物質が不要,(e)製造コスト,設置コストおよび稼動
コストが低い。
【0019】本発明の上述ならびにその他の効果,特徴
および利点は、当業者には、図面を参照した以下の、数
種の実施例の詳細な説明から、明らかになろう。
【0020】
【発明の実施の形態】
【実施例】本発明の原理にしたがって作られたガス検出
器の基本構造は、第1電極12,第2電極14および第
3電極16を、基体10の上に、第1および第2電極は
小さいギャップを置いて相対抗し、第3電極はそれらの
極く近くにあるが第1および第2電極の間を外れたとこ
ろにあるように、設置したものである。
【0021】より詳細には、本発明の原理にしたがって
作られたマイクロ ガス検出器の、数字1で示される第
1実施例、を示す図1を参照する。検出器1の基体10
は、非導電性の固体で作られている。第1電極12は、
化学的又は電気化学的な手段によって尖らした細い丸い
針である。第2電極14は、先端を軸心に直角に平らに
切断した円柱である。第3電極16は、短い丸い管であ
る。電極12,14および16の軸は、一直線上にあ
り、好ましくはそれらは、タングステン,プラチナなど
の,高強度物質で作られる。
【0022】図2は本発明の原理にしたがって作られた
マイクロガス検出器の第2実施例を示す。鋭くとがった
丸い針12が第1電極として働き、同軸の丸い管14お
よび16が第2電極および第3電極として機能する。こ
の構造の利点は、管14をGCの毛細管に直接に接続で
きることであり、これは検出効率および感度を高める。
第1実施例1に用いた材質と同じ材質を、第2実施例で
も用いるのが好ましい。
【0023】図3は、表面マイクロ加工技術の利点を生
かして作られた第3実施例を示す。全電極12,14,
16aおよび16bは、非導電物質の上に形成した薄い
導電体皮膜であり、電極12,14および16の材質
は、導電性であって強ければ何でも良い。この特殊な実
施例3は、リソグラフを用いる表面マイクロ加工(litho
graphic surface micro-machining)に非常に良く適合
し、製造が非常に安価であって、第1電極12の先端の
針状の鋭さおよびギャップの開きを均質に作ることが出
来て製品検出器の均質性が高い、という利点がある。
【0024】図4は、立体マイクロ造形技術(bulk micr
o-fabrication techniques)の利点を生かすように構成
され組み立てられた第4実施例を示す。ピラミッド状の
第1電極12は、単純な環状対称(輪状パターン)マス
ク(simple circular symmetry(annular pattern) mask)
を用いる異方性エッチング(anisotropic etching)で形
成され、高ドープシリコン材(highly doped silicon su
bstrate)から直接に作ることが出来る。第2電極14お
よび第3電極16は、図1および図2の基体10に相応
する分離層10aおよび10bの上に形成した導電層で
ある。表面マイクロ加工により作った第3実施例と比較
して、この立体マイクロ加工の第4実施例は、針先端の
周りに良好な対称電界を形成するであろうが、この第4
実施例は、製造がやや難しくややコスト高になる。
【0025】全実施例のギャップの最適な値は、検出器
が動作する条件および環境に対応して、数十から数百ミ
クロンの範囲にわたって変わる。例えば、大気圧(ambie
nt pressure)の純粋ヘリウムガス中での最適なギャップ
は150〜250ミクロンであることが分かった。
【0026】図5に、検出器のテストに用いた簡単な回
路を示す。抵抗110,112および114は、電流が
過大に流れるのを阻止するが、抵抗116,118およ
び220は、検出電流のサンプリングに用いた。3つの
電圧計210,212および214は、検出器から検出
信号を読むために用いた。検出器は2つの分離した電源
310および312で動作する。回路の検出出力は、更
に分析するために、FETまたは信号処理器(signal pr
ocessor)に接続することも出来る。理想的には、該信号
処理器は、検出器と同一のチップにモジュール化し集積
するのが良い。
【0027】図6を参照する。この図6は、本発明の原
理にしたがって作られたマイクロガス検出器のための代
表的なクロマトグラフを示す。検出器は定電圧で動作
し、図6は、キャリアガスとして純粋ヘリウムを用いた
場合の、水蒸気,アセトンおよびトルエンに対する検出
器のクロマトグラフィック応答(chromatographic respo
nse)を示す。詳しく言うと、このテストで使用したGC
は島津17Aであり、オーブンおよび検出器の温度は共
に80℃に設定した。テストした試作マイクロガス検出
器(tested prototype micro gas detector)の検知能力
すなわち感度は、全3成分に対して、ナノグラム(nanog
ram)より良い。
【0028】検出器の全実施例の中で、第1実施例およ
び第2実施例が、従来の精密加工技術を用いる製作に適
している。例えば、検出器の電極,ギャップおよび電極
軸の整合の寸法公差は、ミクロンのオーダでなければな
らない。第3実施例および第4実施例は、半導体産業で
一般的に使用される非集成マイクロ造形技術(non-assem
bly micro-fabrication techniques)の利点をいかして
製造コストを更に下げることが出来るので、大量生産タ
イプに適用するのが好ましい。しかしながら、マイクロ
加工した検出器は、製造プロセス上の制約から、理想的
な形状が得られず、したがって電界の最良化が乏しい。
その結果、通常の精密加工で製作したものと比較して、
最良の効果を得にくい。
【0029】これらの検出器のマイクロ加工による製作
は、リソグラフィ マイクロ 加工技術(lithographic mi
cro-machining techniques)に慣れた者には、特別な難
しさはない。参照を容易にするために、第3実施例のた
めの代表的な製造プロセスだけを、マイクロ加工技術の
一例として、ここで説明する。この製造プロセスは次の
通りである:(a)マイクロ造形技術例えばCVD(che
mical vapor deposition)を用いて、シリコン基板(ウエ
ファー:wafer)の上に薄い窒化シリコン誘電体層(silic
on nitride dielectric layer)を蒸着,(b)LPCV
D(low pressure CVD)にて、窒化シリコンの上に高
品質のポリシリコン(polysilicon)層を蒸着する,
(c)ポリシリコン層の上に、PSG(phosphorus-dope
d silicon dioxide)を蒸着する,(d)ウエファーを1
000°Cで1時間焼鈍してPSG層を通してポリシリ
コン層にドーピングする,(e)PSGの上にスピンコ
ーティング(spin-coating)で、ホトレジスト層をコーテ
ィングする,(f)パターン露光と現像によって、第3
実施例の電極および電気接続パッドに対応するホトマス
ク(photo mask)を形成する,(g)ホトレジストマスク
を用いて,RIE(reactive ion etching)にて、PSG
層をエッチングする,(h)RIEにてポリシリコン層
をエッチングする,(i)ワイヤ接続のためにパッド上
に金層をスパッターする,(j)ワイヤ接続(wire-bond
ing)をして検出器を適当なパッケージ材で包む。検出器
に給電する回路,パルス発生器および信号分析器の回路
モジュールを検出器を構成したシリコン基板上に組み込
んでも良い。
【0030】−好ましい実施例の動作− 実用上は、GC検出器は、特定のガス成分に対応する特
定の出力を繰り返して発生しなければならない。本発明
の検出器は、非常に安定した自己保持ガス放電状態で動
作しなければならず、自己保持放電の瞬時点火をおこな
うための第3電極を備えている。この点火機能に加え
て、第3電極は、自己保持放電が消えたときにそれを再
生するためにも用いられる。1つの使用態様では、瞬時
に自己保持放電を開始するために放電破壊電圧よりも高
い短いパルスで検出器が起動される。いったん自己保持
放電状態になると、第3電極に印加される電圧は、第2
電極が維持する検出器の動作電圧より低く下げられる。
全3個の電極が近接して配置されているので、自己保持
放電の正電極の役割は、第3電極から第2電極に変わ
る。このような検出器構造が、各電極の最善かつ信頼で
きる設計を可能とし、瞬時の再起動を可能とし、検出器
の連続的な動作を補償する。更には、放電破壊電圧より
も低い電圧での動作を可能にし、この定電圧動作は多く
の場合利点である。加えて、第1および第2実施例の丸
い形状の第3電極は、検出器内の電界を、電磁界など多
くの外部からの干渉から分離することが出来、しかも検
出器内に非常に安定した対称電界を生成してガスの自己
保持放電を更に安定化するのに、たすけとなる。キャリ
アガスと共に、あるガス成分が検出器内に流れ込むと、
該ガス成分が自己保持放電に加わり、ギャップ内のイオ
ン化状態に影響を及ぼす。該ガス成分によるイオン化状
態のこの変化を、1つの電極から他の電極に流れる電流
で計ることが出来る。電流の検出にはどんな電極でも用
いることが出来るが、尖った第1電極の限られた表面領
域が電流の増大を制限して、検出感度が低いという結果
になる。自己保持放電を点火した後は役目が無い第3電
極は、表面が大きいので負電極として用いるのが好まし
い。すなわち、この負検出電極、第3電極、に印加する
電圧を、第2電極に印加する電圧より低くしなければな
らない。この場合第1電極は、検出電極としては用いら
れないが、計測中に安定した自己保持放電を維持する助
けになる電子放射源として機能し、また、検出器の動作
電圧は下げ電界は高くする。
【0031】電極間の電流又は電圧を検出するために
は、電極に接続した導体が必要であり、電気測定手段が
必要である。大要では、第3および第4実施例の導電ワ
イヤは、電極に用いられた材料の層と同じ層にパターン
形成されている。代わりに、ワイヤ接続を用いても良
い。電極間の電気計測手段は、電流計,パルスカウン
タ,電圧計,あるいはそれらの組み合わせであれば良
い。
【0032】動作の基本モードは,ガスを満たしたギャ
ップ間に電流を流すダイオードのように2つの検出電極
を用いるものである。検出器は直流(DC)モードとパ
ルスモードのいずれかで動作する。検出器が、第2電極
14に定電圧を加えるDCモードで動作するときには、
電流の読み取り信号は、実質的に、キャリアガスのバッ
クグラウンドレベルからの変位である。第2電極14又
は第3電極16に脈動電圧を加えるパルスモードで使わ
れるときには、検出器は定周波数モード又は定電流パル
スモードで動作する。DCモードは簡単な電気処理であ
るが、動作レンジが広い,安定性が良い,針尖端の損耗
が少ない,などパルスモードの利点は、電子処理のコス
トアップに見合うものであろう。
【0033】検知すべきガス成分は、検出器を通ってい
る間に、電子およびイオンを増やして電流値を増やす
か、又は、キャリアガスによって作られた電子およびイ
オンを持ち去って電流値を減らす。検知しうるガス成分
は、アルコール,ケトン,水蒸気,芳香族炭化水素,ク
ロロカーボンおよびパーマネントガス、等である。電流
の増大(又は減少)は、大略でガス成分の濃度に比例す
る。したがって定量的な検出が出来る。
【0034】以上のように、本発明は、TCDsよりも
高感度であるが故にマイクロGC用に最も適したマイク
ロガス検出器の1タイプを提供する。本発明の検出器
は、次の望ましい特性があるので、通常のGC用(regul
ar GC use)に適している:(a)簡単な構造および非
常に小さなサイズ,(b)ガスの活性化が不要で放射性
物質もいらない,(c)ガス成分を問わない,(d)動
作温度範囲が広い,(e)製造コストが低く、設置コス
トが低く稼動コストが低い,(f)マイクロ加工が出来
る構造である。
【0035】本発明を明示するために数種の実施例と細
部を説明したが、本発明の思想および範囲を外れること
なく多くの変形をなしうることは当業者には明白であ
る。例えば、上述の検出器を複数用いてホイートストン
ブリッジを構成したものとしても良く、また、同一チッ
プに集成した集積信号処理器(integrate signal proces
sor)を持つものとしても良い。したがって本発明の範囲
は、上述の特定の例や細部によってよりも、本明細書お
よび等価の教義に照らしての添付した特許請求の範囲に
よって定められねばならない。
【0036】−参考文献− AA:Solid state gas sensors, by Gang LIN,U.S.Pat
ent Number 5,591,896, 1997 AB:Microminiature gas chromatograph, by Conrad
Yu,U.S.Patent Number 5,583,281 AC:Detectors for capillary chromatography, by H
erbert H. Hill andDennis G. McMinn, Published by J
ohn Wiley & Sons, Inc.New York, 1992 AD:Gas discharge physics, by Yuri P. Raizer, Pu
blished by Springer,Berlin 1991
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理にしたがって作られたマイクロ
ガス検出器の第1実施例の概略の断面図である。
【図2】 本発明の原理にしたがって作られたマイクロ
ガス検出器の第2実施例の概略の断面図である。
【図3】 本発明の原理にしたがって作られたマイクロ
ガス検出器の第3実施例の概要を示す図面である。
【図4】 本発明の原理にしたがって作られたマイクロ
ガス検出器の第4実施例の概略の断面図である。
【図5】 本発明の原理にしたがって作られたマイクロ
ガス検出器をテストするのに用いた代表的な電気回路を
示す。
【図6】 本発明の原理にしたがって作られたマイクロ
ガス検出器で得た代表的なクロマトグラフ(chromatogra
ph)である。
【符号の説明】
10:基体 12:第1電極 14:第2電極 16:第3電極 110〜120:電気抵抗 210〜214:電圧計 310,312:直流電源

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)誘電体表面を有する基体; b)該基体に設けられた第1電極; c)第1電極の近くにそれとは離して、前記基体に設け
    られ、第1電極との間にギャップを形成した第2電極;
    および、 d)第1および第2電極の極く近くの、それらの間を外
    れた位置に配置され、前記基体に設けられた第3電極;
    を備え、 第1電極は電気的に接地され;ガスの放電破壊電圧より
    高いパルスが、第3電極の付近をイオン化状態にする自
    己保持ガス放電を点火するために、第3電極に印加さ
    れ;前記自己保持ガス放電を維持する電圧が第2電極に
    印加され;前期電極の複数が、信号処理および信号分析
    の目的の電気計測手段に接続され;以上によって、本検
    出器内にガス成分が現われると、前記電気計測手段がガ
    ス成分に対応するイオン化状態の変化を、振幅と時間が
    該ガス成分を示す電流応答の形で検出する、ガス成分を
    検出するためのガスクロマトグラフィ用のマイクロガス
    検出器。
  2. 【請求項2】第1電極は尖っておりこれによって第1電
    極近くの電界を強くする、請求項1に記載のマイクロガ
    ス検出器。
  3. 【請求項3】前記自己保持ガス放電は前記イオン化状態
    をもたらし、これによって、前記ガス成分によって生成
    された又は捕獲された電子およびイオンが前記電流に変
    化をもたらしその結果の、前記電流に重畳した変調信
    号,偏移信号,定状態からの変化信号又は遷移信号を介
    して前記ガス成分を検出する、請求項1記載のマイクロ
    ガス検出器。
  4. 【請求項4】前記第2電極に印加される電圧は、ガスの
    放電破壊電圧より低い直流電圧である、請求項1記載の
    マイクロガス検出器。
  5. 【請求項5】前記電流に応答する電気計測手段は、前記
    電極間の電気回路に接続された電流計である、請求項4
    記載のマイクロガス検出器。
  6. 【請求項6】前記第2電極に印加される電圧は脈動す
    る、請求項1記載のマイクロガス検出器。
  7. 【請求項7】前記電気計測手段は、前記脈動に対応する
    時系列変化のスペクトルに適用するパルスカウンタおよ
    び/又は信号分析器を含む、請求項6記載のマイクロガ
    ス検出器。
  8. 【請求項8】全電極が、リソグラフィック マイクロ 加
    工技術で形成された、請求項1記載のマイクロガス検出
    器。
  9. 【請求項9】d)前記電気計測および信号処理をする集
    積回路;を更に備える請求項1記載のマイクロガス検出
    器。
  10. 【請求項10】請求項1に規定した検出器の複数で構成
    した、良い感度をもたらすホイートストンブリッジ。
  11. 【請求項11】前記基体の誘電体表面は、ドープの無い
    シリコン,窒化シリコンおよび二酸化シリコンでなるグ
    ループから選択した誘電体物質で作った、請求項1記載
    のマイクロガス検出器。
  12. 【請求項12】電極を、ドープした単結晶シリコン,ド
    ープしたポリシリコン,表面を金属化した誘電体石英質
    物質および電気めっき金属でなるグループから選択した
    導電物質で作った、請求項1記載のマイクロガス検出
    器。
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