JP2000176226A - バグフィルタ - Google Patents
バグフィルタInfo
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- JP2000176226A JP2000176226A JP10357815A JP35781598A JP2000176226A JP 2000176226 A JP2000176226 A JP 2000176226A JP 10357815 A JP10357815 A JP 10357815A JP 35781598 A JP35781598 A JP 35781598A JP 2000176226 A JP2000176226 A JP 2000176226A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protective layer
- bag filter
- porous membrane
- substrate
- base material
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- Filtering Materials (AREA)
- Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 プリーツ加工の工程や、集塵機において繰り
返し実施されるダストの払い落としの際にも、ポリテト
ラフルオロエチレン多孔質膜の剥離が生じにくいバグフ
ィルタを提供する。 【解決手段】 ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜と
通気性基材との間に、通気性基材よりも平滑な通気性保
護層を介在させて、これらの部材を積層し、一体的に接
合する。通気性保護層の存在により、ポリテトラフルオ
ロエチレン多孔質膜の浮きが生じにくくなり、プリーツ
加工の工程や、ダストの払い落としの際にポリテトラフ
ルオロエチレン多孔質膜の剥離が生じにくくなる。
返し実施されるダストの払い落としの際にも、ポリテト
ラフルオロエチレン多孔質膜の剥離が生じにくいバグフ
ィルタを提供する。 【解決手段】 ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜と
通気性基材との間に、通気性基材よりも平滑な通気性保
護層を介在させて、これらの部材を積層し、一体的に接
合する。通気性保護層の存在により、ポリテトラフルオ
ロエチレン多孔質膜の浮きが生じにくくなり、プリーツ
加工の工程や、ダストの払い落としの際にポリテトラフ
ルオロエチレン多孔質膜の剥離が生じにくくなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業上のガス流か
ら固体微粒子(ダスト)を濾過する集塵機に用いられる
バグフィルタに関するものである。
ら固体微粒子(ダスト)を濾過する集塵機に用いられる
バグフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、セメントや金属粉体の回収に
は、バグフィルタ式集塵機が用いられている。また、高
炉、焼却炉などで発生する排煙からのダストを除去する
ためにも、電気式集塵機に代えてバグフィルタ式集塵機
が使用されている。バグフィルタ式集塵機では、ガス流
から回収されたダストがバグフィルタの表面にケーキ層
を形成する。このケーキ層は、通気性を維持するために
所定時間が経過するごとに除去される。
は、バグフィルタ式集塵機が用いられている。また、高
炉、焼却炉などで発生する排煙からのダストを除去する
ためにも、電気式集塵機に代えてバグフィルタ式集塵機
が使用されている。バグフィルタ式集塵機では、ガス流
から回収されたダストがバグフィルタの表面にケーキ層
を形成する。このケーキ層は、通気性を維持するために
所定時間が経過するごとに除去される。
【0003】近年、高い捕集効率と耐薬品性、低エネル
ギー洗浄性といったバグフィルタに求められる諸特性を
満たすために、ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜
(以下、「PTFE多孔質膜」という)をバグフィルタ
に用いる事例が増加している。PTFE多孔質膜は、補
強のために、フェルト、織布、不織布などの通気性基材
(以下、単に「基材」という)とラミネートして用いら
れる。このようなバグフィルタとしては、例えば、基材
としてフェルトを採用したフィルタ(特開昭60−18
7312号公報)や基材として織布を採用したフィルタ
(特開平7−16409号公報)が知られている。
ギー洗浄性といったバグフィルタに求められる諸特性を
満たすために、ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜
(以下、「PTFE多孔質膜」という)をバグフィルタ
に用いる事例が増加している。PTFE多孔質膜は、補
強のために、フェルト、織布、不織布などの通気性基材
(以下、単に「基材」という)とラミネートして用いら
れる。このようなバグフィルタとしては、例えば、基材
としてフェルトを採用したフィルタ(特開昭60−18
7312号公報)や基材として織布を採用したフィルタ
(特開平7−16409号公報)が知られている。
【0004】PTFE多孔質膜と基材とをラミネートす
る方法としては、基材の融点以上に加熱することにより
基材の少なくとも一部を溶融させ、この溶融した基材を
PTFE多孔質膜に含浸させて行う熱ラミネート法、ホ
ットメルトパウダーの繊維またはディスパージョンを接
着面に散布する接着剤ラミネート法などがある。PTF
E多孔質膜と基材とが接合された後、バグフィルタは、
表面積を大きくするために、例えば袋形、楔形、ひだ折
りされた形状へと加工される。
る方法としては、基材の融点以上に加熱することにより
基材の少なくとも一部を溶融させ、この溶融した基材を
PTFE多孔質膜に含浸させて行う熱ラミネート法、ホ
ットメルトパウダーの繊維またはディスパージョンを接
着面に散布する接着剤ラミネート法などがある。PTF
E多孔質膜と基材とが接合された後、バグフィルタは、
表面積を大きくするために、例えば袋形、楔形、ひだ折
りされた形状へと加工される。
【0005】バグフィルタ式集塵機では、ダストを周期
的に払い落とすために、機械的に振動を与えるシェーカ
ー方式、一時的に集塵気流を止めて濾過面の反対側より
圧縮空気を圧入する逆圧方式、集塵気流を止めることな
く所定周期ごとに濾過面の反対側から瞬間的に圧縮空気
を噴射するパルスジェット方式などが適用される。これ
らいずれの方式を採用するにしても、バグフィルタに
は、濾過運転時とは逆方向からの圧力や機械的な振動が
与えられる。
的に払い落とすために、機械的に振動を与えるシェーカ
ー方式、一時的に集塵気流を止めて濾過面の反対側より
圧縮空気を圧入する逆圧方式、集塵気流を止めることな
く所定周期ごとに濾過面の反対側から瞬間的に圧縮空気
を噴射するパルスジェット方式などが適用される。これ
らいずれの方式を採用するにしても、バグフィルタに
は、濾過運転時とは逆方向からの圧力や機械的な振動が
与えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】集塵機において周期的
に与えられる圧力や振動により、PTFE多孔質膜と基
材とをラミネートしたバグフィルタには剥離が生じやす
く、一旦剥離が生じると、さらに剥離が拡大してダスト
を捕集する能力が著しく低下するという問題があった。
特に、予めバグフィルタをひだ折りされた形状に加工
(プリーツ加工)すると、加工中にフィルタの接合面に
加わる応力により、バグフィルタには剥離が生じやすく
なる。
に与えられる圧力や振動により、PTFE多孔質膜と基
材とをラミネートしたバグフィルタには剥離が生じやす
く、一旦剥離が生じると、さらに剥離が拡大してダスト
を捕集する能力が著しく低下するという問題があった。
特に、予めバグフィルタをひだ折りされた形状に加工
(プリーツ加工)すると、加工中にフィルタの接合面に
加わる応力により、バグフィルタには剥離が生じやすく
なる。
【0007】そこで、本発明は、集塵機において繰り返
し実施されるダストの払い落としの際にも、PTFE多
孔質膜と基材との剥離を抑制できるバグフィルタを提供
することを目的とする。
し実施されるダストの払い落としの際にも、PTFE多
孔質膜と基材との剥離を抑制できるバグフィルタを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のバグフィルタは、PTFE多孔質膜と基材
とを含み、前記PTFE多孔質膜と前記基材との間に、
前記基材よりも平滑な通気性保護層(以下、単に「保護
層」という)を介在させたことを特徴とする。
に、本発明のバグフィルタは、PTFE多孔質膜と基材
とを含み、前記PTFE多孔質膜と前記基材との間に、
前記基材よりも平滑な通気性保護層(以下、単に「保護
層」という)を介在させたことを特徴とする。
【0009】基材は、バグフィルタの強度を確保しなが
らも通気性を阻害しないように疎となっているから、そ
の表面の凹凸は大きくなる。このため、基材とPTFE
多孔質膜とを直接ラミネートすると、PTFE多孔質膜
が基材から部分的に浮いた状態となりやすい。PTFE
多孔質膜が浮いた部分に外部から応力が加わると、その
部分からバグフィルタは剥離しやすくなる。そこで、本
発明では、PTFE多孔質膜の局部的な浮きを抑制する
ために、基材よりも平滑な保護層を用いることととし
た。
らも通気性を阻害しないように疎となっているから、そ
の表面の凹凸は大きくなる。このため、基材とPTFE
多孔質膜とを直接ラミネートすると、PTFE多孔質膜
が基材から部分的に浮いた状態となりやすい。PTFE
多孔質膜が浮いた部分に外部から応力が加わると、その
部分からバグフィルタは剥離しやすくなる。そこで、本
発明では、PTFE多孔質膜の局部的な浮きを抑制する
ために、基材よりも平滑な保護層を用いることととし
た。
【0010】基材と保護層との平滑さの程度は、例えば
走査型電子顕微鏡を用いて断面を観察することにより比
較できる。平滑さの程度は、具体的には、走査型電子顕
微鏡を用いて測定した厚さの最大値と最小値との差によ
り定められる。保護層の厚さの最大値と最小値との差
は、基材の厚さの最大値と最小値との差よりも小さく、
具体的には10μm以下であることが好ましい。
走査型電子顕微鏡を用いて断面を観察することにより比
較できる。平滑さの程度は、具体的には、走査型電子顕
微鏡を用いて測定した厚さの最大値と最小値との差によ
り定められる。保護層の厚さの最大値と最小値との差
は、基材の厚さの最大値と最小値との差よりも小さく、
具体的には10μm以下であることが好ましい。
【0011】保護層は、その通気度がフラジール数によ
り表示して10以上であることが好ましい。ここで、フ
ラジール数とは、圧力12.7mmH2Oの条件で試験
片を通過する空気量を単位を[cm3/cm2・秒]とし
て表した数値である。より具体的には、JIS L10
96(6.27.1 A法)に従い、フラジール型試験機を用
いて測定して定められる値である。
り表示して10以上であることが好ましい。ここで、フ
ラジール数とは、圧力12.7mmH2Oの条件で試験
片を通過する空気量を単位を[cm3/cm2・秒]とし
て表した数値である。より具体的には、JIS L10
96(6.27.1 A法)に従い、フラジール型試験機を用
いて測定して定められる値である。
【0012】また、PTFE多孔質膜と基材とは、保護
層を貫通する接着剤により、保護層とともに一体的に接
合されていることが好ましい。さらに剥離しにくいバグ
フィルタが得られるからである。この場合、保護層は、
接着剤による接着力を確保するために、その厚さの平均
が0.5mm以下であることが好ましい。
層を貫通する接着剤により、保護層とともに一体的に接
合されていることが好ましい。さらに剥離しにくいバグ
フィルタが得られるからである。この場合、保護層は、
接着剤による接着力を確保するために、その厚さの平均
が0.5mm以下であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のバグフィルタは、PTF
E多孔質膜と基材と、この間に介在する保護層とから構
成される。以下、各部材の好ましい形態について説明す
る。
E多孔質膜と基材と、この間に介在する保護層とから構
成される。以下、各部材の好ましい形態について説明す
る。
【0014】PTFE多孔質膜は、従来から用いられて
きた方法により得ることができる。この方法の一例とし
ては、未焼成のPTFE粉末と液状潤滑剤(ナフサな
ど)との混和物を押出および/または圧延によりフィル
ム状に成形し、この未焼成フィルムから液状潤滑剤を除
去し、次いで延伸して多孔質化する方法を挙げることが
できる。
きた方法により得ることができる。この方法の一例とし
ては、未焼成のPTFE粉末と液状潤滑剤(ナフサな
ど)との混和物を押出および/または圧延によりフィル
ム状に成形し、この未焼成フィルムから液状潤滑剤を除
去し、次いで延伸して多孔質化する方法を挙げることが
できる。
【0015】PTFE多孔質膜は、特に制限されない
が、平均厚さが5μm〜200μm、孔径が0.01μ
m〜50μm、気孔率が40〜99%であることが好ま
しい。また、PTFE多孔質膜の通気度は、上記フラジ
ール数により表示して7以上であることが好ましい。P
TFE多孔質膜のフラジール数の特に好ましい範囲は、
8〜30である。
が、平均厚さが5μm〜200μm、孔径が0.01μ
m〜50μm、気孔率が40〜99%であることが好ま
しい。また、PTFE多孔質膜の通気度は、上記フラジ
ール数により表示して7以上であることが好ましい。P
TFE多孔質膜のフラジール数の特に好ましい範囲は、
8〜30である。
【0016】基材としては、織布、不織布、金属メッシ
ュ、プラスチックのネットなどを用いることができる。
基材に用いる織布や不織布の素材としては、ガラス繊
維、黒鉛化繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系
繊維、ポリエステル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊
維、フッ素系繊維などが挙げられる。基材には、基本的
に、バグフィルタの強度を確保するための強度とバグフ
ィルタの通気性を阻害しない程度の通気性とが求められ
る。基材は、保護層よりも凹凸の大きい表面を有し、そ
の厚さの最大値と最小値との差は、特に限定されない
が、例えば100μm〜2000μm程度である。
ュ、プラスチックのネットなどを用いることができる。
基材に用いる織布や不織布の素材としては、ガラス繊
維、黒鉛化繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系
繊維、ポリエステル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊
維、フッ素系繊維などが挙げられる。基材には、基本的
に、バグフィルタの強度を確保するための強度とバグフ
ィルタの通気性を阻害しない程度の通気性とが求められ
る。基材は、保護層よりも凹凸の大きい表面を有し、そ
の厚さの最大値と最小値との差は、特に限定されない
が、例えば100μm〜2000μm程度である。
【0017】保護層としては、不織布を用いることが好
ましい。保護層に用いる不織布の素材としては、ポリオ
レフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニリ
デンなどの単一素材、またはこれらの複合品を用いるこ
とができるが、耐熱性、強度などの観点からは、ポリエ
ステルまたはポリエステルを含む複合材料が好ましい。
ましい。保護層に用いる不織布の素材としては、ポリオ
レフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニリ
デンなどの単一素材、またはこれらの複合品を用いるこ
とができるが、耐熱性、強度などの観点からは、ポリエ
ステルまたはポリエステルを含む複合材料が好ましい。
【0018】もっとも、保護層は、平滑性に関する上記
条件を満たす通気性シートであれば特に不織布に制限さ
れず、例えばポリオレフィン、ポリアミドなどからなる
多孔質シートを用いてもよい。この多孔質シートとして
は、例えば超高分子量ポリエチレン多孔質シートが挙げ
られる。該多孔質シートとしては、具体的には、日東電
工社製「サンマップ」を用いることができる。また、保
護層の通気度は、上記フラジール数により表示して、好
ましくは10以上である。また、保護層の厚さの最大値
と最小値との差は、好ましくは10μm以下、さらに好
ましくは1μm〜5μm程度である。
条件を満たす通気性シートであれば特に不織布に制限さ
れず、例えばポリオレフィン、ポリアミドなどからなる
多孔質シートを用いてもよい。この多孔質シートとして
は、例えば超高分子量ポリエチレン多孔質シートが挙げ
られる。該多孔質シートとしては、具体的には、日東電
工社製「サンマップ」を用いることができる。また、保
護層の通気度は、上記フラジール数により表示して、好
ましくは10以上である。また、保護層の厚さの最大値
と最小値との差は、好ましくは10μm以下、さらに好
ましくは1μm〜5μm程度である。
【0019】PTFE多孔質膜、基材、および保護層の
接合には、従来から適用されてきた熱ラミネート法、接
着剤ラミネート法などを用いることができる。しかし、
バグフィルタに求められる接着強度を確保するために
は、保護層の空孔を貫通するように配置した接着剤によ
り、PTFE多孔質膜、基材および保護層を一体として
接合することが好ましい。この場合の接着剤としては、
フッ素ゴムが好適である。また、このような接合方法を
採用する場合には、保護層の平均厚さを0.5mm以
下、さらに好ましくは0.01mm〜0.10mmとす
る一方、基材の厚さは、バグフィルタに求められる強度
などを確保するために、保護層の厚さ以上、例えば0.
5mm〜2.0mmとすることが好ましい。また、この
場合、保護層の通気度はより高いことが好ましく、フラ
ジール数により表示して、20以上、特に25〜30で
あることが好ましい。
接合には、従来から適用されてきた熱ラミネート法、接
着剤ラミネート法などを用いることができる。しかし、
バグフィルタに求められる接着強度を確保するために
は、保護層の空孔を貫通するように配置した接着剤によ
り、PTFE多孔質膜、基材および保護層を一体として
接合することが好ましい。この場合の接着剤としては、
フッ素ゴムが好適である。また、このような接合方法を
採用する場合には、保護層の平均厚さを0.5mm以
下、さらに好ましくは0.01mm〜0.10mmとす
る一方、基材の厚さは、バグフィルタに求められる強度
などを確保するために、保護層の厚さ以上、例えば0.
5mm〜2.0mmとすることが好ましい。また、この
場合、保護層の通気度はより高いことが好ましく、フラ
ジール数により表示して、20以上、特に25〜30で
あることが好ましい。
【0020】このようにして接合されたバグフィルタ
は、適宜、表面積を拡大するための加工が施される。例
えば、プリーツ加工していく工程では、バグフィルタの
接合面に剪断応力が加わる。PTFE多孔質膜と基材と
を直接接合した従来のフィルタでは、このプリーツ加工
の工程中に、既に、PTFE多孔質膜と基材との剥離が
進行し、この剥離が集塵機中での使用中に拡大する場合
があった。しかし、本発明のバグフィルタによれば、プ
リーツ加工を施す工程における剥離の発生も抑制するこ
とができる。
は、適宜、表面積を拡大するための加工が施される。例
えば、プリーツ加工していく工程では、バグフィルタの
接合面に剪断応力が加わる。PTFE多孔質膜と基材と
を直接接合した従来のフィルタでは、このプリーツ加工
の工程中に、既に、PTFE多孔質膜と基材との剥離が
進行し、この剥離が集塵機中での使用中に拡大する場合
があった。しかし、本発明のバグフィルタによれば、プ
リーツ加工を施す工程における剥離の発生も抑制するこ
とができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0022】PTFE多孔質膜としては、日東電工社製
「NTF1033」(厚さ15μm、孔径3.0μm、気孔率
90%、フラジール数20)を用いた。保護層として
は、ユニチカ製ポリエステル−ポリオレフィン芯鞘構造
不織布「エルベスTO153WDO」(厚さ0.07mm、フラ
ジール数27、目付15g/m2)を用いた。基材とし
ては、東レ製ポリエステル不織布「アクスターG-22601-
BKO」(厚さ0.6mm、目付270g/m2)を用い
た。このポリエステル不織布には、約2mm間隔でひし
形のエンボスパターンが設けられている。
「NTF1033」(厚さ15μm、孔径3.0μm、気孔率
90%、フラジール数20)を用いた。保護層として
は、ユニチカ製ポリエステル−ポリオレフィン芯鞘構造
不織布「エルベスTO153WDO」(厚さ0.07mm、フラ
ジール数27、目付15g/m2)を用いた。基材とし
ては、東レ製ポリエステル不織布「アクスターG-22601-
BKO」(厚さ0.6mm、目付270g/m2)を用い
た。このポリエステル不織布には、約2mm間隔でひし
形のエンボスパターンが設けられている。
【0023】上記保護層と上記基材との断面を、走査型
電子顕微鏡を用いて観察した。それぞれの部材について
厚さの最大値と最小値とを測定し、その差を求めたとこ
ろ、保護層の厚さの差が5μm未満であったのに対し、
基材の厚さの差は約60μmであった。このように、上
記保護層は、上記基材よりも平らな表面を備えていた。
電子顕微鏡を用いて観察した。それぞれの部材について
厚さの最大値と最小値とを測定し、その差を求めたとこ
ろ、保護層の厚さの差が5μm未満であったのに対し、
基材の厚さの差は約60μmであった。このように、上
記保護層は、上記基材よりも平らな表面を備えていた。
【0024】上記基材、上記保護層、および上記PTF
E多孔質膜をこの順に積層し、熱ラミネート機を用いて
一度に接着した。このときのラミネート温度は180
℃、ラミネート速度は2m/分、ラミネート圧力は2k
gf/cm2とした。
E多孔質膜をこの順に積層し、熱ラミネート機を用いて
一度に接着した。このときのラミネート温度は180
℃、ラミネート速度は2m/分、ラミネート圧力は2k
gf/cm2とした。
【0025】本実施例では、接着強度を確保するため
に、フッ素ゴムを用いることとした。すなわち、予め、
基材の接合面に、この面から80cmの距離からスプレ
ーすることにより、この接合面の全面にフッ素ゴムを塗
布した。フッ素ゴムの塗布量は、40g/m2となるよ
うに調整した。フッ素ゴムの硬化により、基材、保護層
およびPTFE多孔質膜がより強固に接合する。こうし
て、PTFE多孔質膜と基材との間に保護層が介在した
バグフィルタAを得た。バグフィルタAの通気度は、フ
ラジール数3であった。
に、フッ素ゴムを用いることとした。すなわち、予め、
基材の接合面に、この面から80cmの距離からスプレ
ーすることにより、この接合面の全面にフッ素ゴムを塗
布した。フッ素ゴムの塗布量は、40g/m2となるよ
うに調整した。フッ素ゴムの硬化により、基材、保護層
およびPTFE多孔質膜がより強固に接合する。こうし
て、PTFE多孔質膜と基材との間に保護層が介在した
バグフィルタAを得た。バグフィルタAの通気度は、フ
ラジール数3であった。
【0026】なお、バグフィルタAの接合面を観察した
ところ、フッ素ゴムは散点状に散布された状態で、基材
と保護層とPTFE多孔質膜とを接合していることが確
認できた。
ところ、フッ素ゴムは散点状に散布された状態で、基材
と保護層とPTFE多孔質膜とを接合していることが確
認できた。
【0027】一方、比較のために、保護層を用いずにP
TFE多孔質膜と基材とを直接ラミネートした点を除い
ては、上記と同様にして、バグフィルタBを得た。バグ
フィルタBの通気度は、バグフィルタAと同様、フラジ
ール数3であった。
TFE多孔質膜と基材とを直接ラミネートした点を除い
ては、上記と同様にして、バグフィルタBを得た。バグ
フィルタBの通気度は、バグフィルタAと同様、フラジ
ール数3であった。
【0028】さらに、バグフィルタA、Bをレシプロタ
イプのプリーツマシン(東洋工機社製「TK−11」型
アコーディオンプリーツマシン)を用い、4cmの幅で
プリーツ加工した。
イプのプリーツマシン(東洋工機社製「TK−11」型
アコーディオンプリーツマシン)を用い、4cmの幅で
プリーツ加工した。
【0029】なお、フッ素ゴムを散布せずに加熱のみに
よりフィルタを接合し、このフィルタを上記プリーツマ
シンを用いて加工したところ、接着力が不足していたた
めに、多数の剥離が生じ、剥離面における膜の破損が観
察された。
よりフィルタを接合し、このフィルタを上記プリーツマ
シンを用いて加工したところ、接着力が不足していたた
めに、多数の剥離が生じ、剥離面における膜の破損が観
察された。
【0030】プリーツ加工して連続したW字状に成形し
たバグフィルタA、Bについて、それぞれ「浮き」の個
数を確認した。「浮き」は、PTFE多孔質膜が基材ま
たは保護層から直径1mm以上の領域で剥離している部
位を目視によりカウントした。調査した範囲は、折り目
の山折り部(PTFE多孔質膜が最外側に配置されてい
る折り目)と谷折り部(PTFE多孔質膜が最内側に配
置されている折り目)とについて、それぞれの折り目に
沿って1000mmの領域とした。結果を表1に示す。
たバグフィルタA、Bについて、それぞれ「浮き」の個
数を確認した。「浮き」は、PTFE多孔質膜が基材ま
たは保護層から直径1mm以上の領域で剥離している部
位を目視によりカウントした。調査した範囲は、折り目
の山折り部(PTFE多孔質膜が最外側に配置されてい
る折り目)と谷折り部(PTFE多孔質膜が最内側に配
置されている折り目)とについて、それぞれの折り目に
沿って1000mmの領域とした。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】 ―――――――――――――――――――――――――― 浮き数(個/1000mm) 山折り部 谷折り部 ―――――――――――――――――――――――――― バグフィルタA 1 0 バグフィルタB 23 0 ――――――――――――――――――――――――――
【0032】表1に示したように、保護層を用いて作製
したバグフィルタAでは、PTFE多孔質膜の剥離が生
じやすい山折り部においても、剥離が抑制されているこ
とが確認できた。
したバグフィルタAでは、PTFE多孔質膜の剥離が生
じやすい山折り部においても、剥離が抑制されているこ
とが確認できた。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
PTFE多孔質膜の剥離を抑制できるバグフィルタを提
供できる。本発明によれば、プリーツ加工の工程や、集
塵機において繰り返し実施されるダストの払い落としの
際にも、PTFE多孔質膜の剥離が生じにくく、バグフ
ィルタの歩留まりや寿命の向上を実現することができ
る。
PTFE多孔質膜の剥離を抑制できるバグフィルタを提
供できる。本発明によれば、プリーツ加工の工程や、集
塵機において繰り返し実施されるダストの払い落としの
際にも、PTFE多孔質膜の剥離が生じにくく、バグフ
ィルタの歩留まりや寿命の向上を実現することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/30 B32B 27/30 D Fターム(参考) 4D006 GA44 HA41 JA01A JA01C JA70A MA03 MA06 MA09 MA22 MA31 MA40 MB20 MC30 MC30X 4D019 AA01 BA13 BB03 BB08 BB10 BD01 CA02 CA04 CB04 4D058 JA04 JA09 JB14 JB23 JB25 JB39 SA20 4F100 AK03 AK18A AK18G AK41 AN02 AN02G AR00C AT00B BA03 BA07 BA10A BA10B BA31 CB01 DG01B DG15B DG15C DG20C DJ06A EJ91C GB56 JA20C JD02B JD02C JK15C JL01 JL14 YY00C
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜と
通気性基材とを含み、前記ポリテトラフルオロエチレン
多孔質膜と前記通気性基材との間に、前記通気性基材よ
りも平滑な通気性保護層を介在させたことを特徴とする
バグフィルタ。 - 【請求項2】 通気性保護層の厚さの最大値と最小値と
の差が10μm以下である請求項1に記載のバグフィル
タ。 - 【請求項3】 通気性保護層の通気度がフラジール数に
より表示して10以上である請求項1または2に記載の
バグフィルタ。 - 【請求項4】 通気性保護層の厚さの平均が0.5mm
以下であり、前記通気性保護層を貫通する接着剤により
前記通気性保護層とポリテトラフルオロエチレン多孔質
膜と通気性基材とが接合されている請求項1〜3のいず
れかに記載のバグフィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10357815A JP2000176226A (ja) | 1998-12-16 | 1998-12-16 | バグフィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10357815A JP2000176226A (ja) | 1998-12-16 | 1998-12-16 | バグフィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000176226A true JP2000176226A (ja) | 2000-06-27 |
Family
ID=18456071
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10357815A Pending JP2000176226A (ja) | 1998-12-16 | 1998-12-16 | バグフィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000176226A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008221202A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-09-25 | Nicotec Co Ltd | フィルタ及びその製造方法 |
JP2016093805A (ja) * | 2009-07-22 | 2016-05-26 | ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド | Hepa効率および臭気制御のためのフィルター媒体構築物 |
JP2022060251A (ja) * | 2017-11-13 | 2022-04-14 | ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド | 多孔質膜を含むフィルタバッグ |
-
1998
- 1998-12-16 JP JP10357815A patent/JP2000176226A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008221202A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-09-25 | Nicotec Co Ltd | フィルタ及びその製造方法 |
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US9849415B2 (en) | 2009-07-22 | 2017-12-26 | Donaldson Company, Inc. | Filter media construction with nanofiber and carbon web |
US10322363B2 (en) | 2009-07-22 | 2019-06-18 | Donaldson Company, Inc. | Filter media construction |
JP2022060251A (ja) * | 2017-11-13 | 2022-04-14 | ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド | 多孔質膜を含むフィルタバッグ |
JP7392008B2 (ja) | 2017-11-13 | 2023-12-05 | ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド | 多孔質膜を含むフィルタバッグ |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041108 |
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A977 | Report on retrieval |
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