JP2000173930A - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

半導体素子の製造方法

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JP2000173930A
JP2000173930A JP10346445A JP34644598A JP2000173930A JP 2000173930 A JP2000173930 A JP 2000173930A JP 10346445 A JP10346445 A JP 10346445A JP 34644598 A JP34644598 A JP 34644598A JP 2000173930 A JP2000173930 A JP 2000173930A
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groove
backing plate
ring groove
plasma
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JP10346445A
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English (en)
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Takashi Nakajima
中島  隆
Hideo Miura
英生 三浦
Akira Yajima
明 矢島
Takeshi Baba
毅 馬場
Shinji Nishihara
晋治 西原
Junichi Uchida
淳一 内田
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Hitachi Ltd
Renesas Eastern Japan Semiconductor Inc
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Hitachi Tokyo Electronics Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大口径ウエハ対応半導体素子製造装置による半
導体素子製造方法おいて、プラズマ発生中に該装置内部
治具が熱変形を生じにくい半導体素子の製造方法を提供
することである。 【解決手段】ウエハ処理用チャンバあるいはウエハ処理
用チャンバ内治具に形成されたOリング溝の溝底部から
の溝側面の高さが、外周側よりも内周側の方が低くなっ
ている半導体製造装置を用いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の製造方
法に係り、特に、ウエハ処理室におけるプラズマの熱に
起因した治具の熱変形によるウエハ上膜質の変質や治具
自体の破損を防止させた半導体装置の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスの生産性向上を目
的として、半導体チップ製造に用いるウエハの大口径化
が進められている。半導体デバイス製造装置に対しては
ウエハ1枚当たりの処理時間の短縮が求められている。
【0003】処理するウエハの径が大きくなると1枚の
ウエハからより多くの半導体チップを得ることができる
ため、ウエハ1枚当たりの処理時間が同じであれば生産
性が向上し、コストを下げることが出来る。例えば、ウ
エハ径が1.5 倍になると面積は2.25倍になるた
め、半導体チップ取得数も約2.25倍に増加する。ま
た、成膜,露光,エッチング工程などのウエハ処理時間
が短くなれば、ウエハ1枚当たりに必要な製造時間が短
くなり、単位時間当たりに生産できる半導体チップ数が
増加するため、生産性が向上する。
【0004】こららの効果を目的に、半導体製造メーカ
では使用するウエハ径をφ150mmからより直径が大き
いφ200mmへと移行してきており、さらにはφ300
mmのウエハを用いる準備が進められている。成膜装置,
エッチング装置,露光装置などの半導体製造装置メーカ
では、φ300mmウエハに対応したウエハ処理速度を向
上させる製造装置構造の開発が進められている。これら
の動向や技術に関しては、日経マイクロデバイス第14
4号pp.48などに開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ウエハの大口径化に対
応した装置では、それまでの製造装置に比べ必然的に装
置寸法が大きくなる。しかし、単純に全寸法を大きくし
ただけでは、例えば成膜装置ではウエハ面内膜厚・膜質
均一性が低下したり、成膜速度などが不十分となり、生
産性の向上にはそのまま結びつかない。そのため、プラ
ズマを用いてウエハ処理を行う装置の場合、ウエハ面内
膜厚・膜質均一性については、従来よりもウエハ上のプ
ラズマ密度を高める、かつ面内均一性も広範囲にわたっ
て向上させるなどの、装置構造の改良が必須となる。
【0006】成膜速度を増加させるために、スパッタリ
ング装置,プラズマCVD(ChemicalVavor Deposition:
化学気相成長法)装置などのプラズマを用いた成膜装置
では、従来よりも大きな電力を加えたり、供給するガス
の流量や圧力などを調節して膜の堆積レートを速めるこ
とが多い。
【0007】上記のように入力電力を大きくしたり、プ
ラズマが高密度化させた場合は、プラズマから装置内部
へ伝わる熱量が大きくなる、更には高密度のプラズマに
接する部分と接しない部分とで従来以上に温度差が大き
くなるため、成膜室内部に設置した治具などが大きく熱
変形する可能性が高い。しかも、ウエハの大口径化に伴
って治具寸法が大きくなっても治具の肉厚は必ずしも厚
くはならないため、剛性が低下し、従来装置よりも熱変
形しやすくなる。この熱変形によって治具自体の破損
し、弊害を引き起こす可能性が高くなっている。
【0008】また、プラズマの形状や密度などはプラズ
マを囲む治具形状などで敏感に変化するため、治具の熱
変形が大きい場合には、プラズマ状態の変化によってウ
エハ上膜質の変化が生じ、ウエハ間で無視できない膜質
変化が生じる可能性がある。
【0009】例えば、ウエハ処理室内の平板形状治具の
上下平面間に温度差が生じると熱応力により温度が高い
面側を凸に反るが、上下平面のどちらかに一方にでもO
リング溝のような切れ込みが形成されていると、その部
分から折れ曲がりやすくなり、平板中心側の反り変形量
は更に大きくなる。ここで平板が反ることによって隣接
する治具と接触すると、接触した箇所が擦れたり、欠け
たりし、その破片や摩耗粉などがウエハに付着して不良
を起こすことがある。また、平板形状治具が熱変形する
ことによってプラズマの形状や密度などに変化が生じる
場合には、熱変形の前後でウエハ処理条件に変化が生じ
るため、ウエハ間での品質の差が生じることがある。
【0010】したがって、ウエハの大口径化やウエハ処
理の高速化を進めていく上で、装置の熱変形を極力抑え
ることが出来る構造が不可欠である。
【0011】本発明の目的は、φ200mm以上のウエハ
サイズに対応した半導体素子製造装置による半導体素子
の製造方法おいて、製造装置内部に熱変形が生じにく
く、かつプラズマ形状や密度が変化しにくい製造装置を
用いて製造することで、信頼性が高い半導体素子の製造
方法を提供することにある。
【0012】本発明の別の目的は、φ200mm以上のウ
エハサイズに対応した半導体素子製造装置による半導体
素子の製造方法おいて、製造装置内部に熱変形が生じて
も治具の破損や摩耗が生じない構造の製造装置を用いて
製造することで、信頼性が高い半導体素子の製造方法を
提供することにある。
【0013】また、本発明の他の目的は、上記製造方法
を用いることで、高い信頼性を持ち、かつ低コストの半
導体素子を提供することにある。さらには、上記生産方
法を達成するための半導体製造装置構造を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】φ200mm以上のウエハ
サイズに対応した半導体素子製造装置による半導体素子
の製造方法おいて、製造装置内部に熱変形が生じにく
く、かつプラズマ形状や密度が変化しにくい製造装置を
用いて製造し、信頼性が高い半導体素子の製造方法を提
供するため、本発明は以下のような特徴を備える。
【0015】(1).本発明の半導体素子の製造方法は、
ウエハ処理用チャンバあるいはウエハ処理用チャンバ内
治具に形成されたOリング溝の溝底部からの溝側面の高
さが、外周側よりも内周側の方が低くなっている半導体
製造装置を用いており、該治具などが熱変形しにくくウ
エハ処理状態が安定していることを特徴とする。
【0016】(2).本発明の別の半導体素子の製造方法
は、プラズマ形成によって同一治具内に温度差が形成さ
れる場合、Oリング溝が形成されたウエハ処理用チャン
バ内治具内での最大温度差よりも、該Oリング溝に対向
する位置にあるOリングに接触してウエハ処理室内部の
気密性を保持する治具内の最大温度差の方が小さい半導
体製造装置を用いており、ウエハ処理室内の治具がより
熱変形しにくくウエハ処理状態が安定していることを特
徴とする。
【0017】また、φ200mm以上のウエハサイズに対
応した半導体素子製造装置においておいて、製造装置内
部に熱変形が生じにくく、かつプラズマ形状や密度が変
化しにくい製造装置を提供するため、本発明は以下のよ
うな特徴を備える。
【0018】(1).本発明の半導体素子製造装置は、ウ
エハ処理用チャンバあるいはウエハ処理用チャンバ内治
具に形成された少なくとも一部のOリング溝において、
溝底部からの溝側面の高さが、外周側よりも内周側の方
が低くなっていることを特徴とする。
【0019】(2).本発明の別の半導体素子製造装置
は、プラズマ形成によって同一治具内に温度差が形成さ
れる場合、Oリング溝が形成されたウエハ処理用チャン
バ内治具内での最大温度差よりも、該Oリング溝に対向
する位置にあるOリングに接触してウエハ処理室内部の
気密性を保持する治具内の最大温度差の方が小さい構造
であることを特徴とする。
【0020】さらには、φ200mm以上のウエハサイズ
に対応した半導体素子製造装置で製造される半導体素子
おいて、製造装置内部に熱変形が生じにくく、かつプラ
ズマ形状や密度が変化しにくい製造装置を用いて製造さ
れた、信頼性が高い半導体素子を提供するため、本発明
は以下のような特徴を備える。
【0021】(1).本発明の半導体素子は、ウエハ処理
用チャンバあるいはウエハ処理用チャンバ内治具に形成
された少なくとも一部のOリング溝において、該溝底部
からの溝側面の高さが、外周側よりも内周側の方が低く
なっている半導体製造装置を用い、ウエハ処理状態が安
定した工程によって製造されていることを特徴とする。
【0022】(2).本発明の別の半導体素子は、プラズ
マ形成によって同一治具内に温度差が形成される場合、
Oリング溝が形成されたウエハ処理用チャンバ内治具内
での最大温度差よりも、該Oリング溝に対向する位置に
あるOリングに接触してウエハ処理室内部の気密性を保
持する治具内の最大温度差の方が小さい構造をもつ半導
体製造装置を用い、ウエハ処理状態が安定した工程によ
って製造されていることを特徴とする。
【0023】即ち、本発明によれば、ウエハ処理室内に
設置する治具や真空チャンバの熱変形を極力抑えた構造
にすることで該治具や真空チャンバの欠けや摩耗が防止
されるため、安定したウエハ処理方法によって信頼性が
高い半導体素子製造方法を得ることができる。さらには
該製造方法によって半導体素子の品質を向上させること
が可能となる。
【0024】また、信頼性が高い前記半導体素子製造方
法を行うための半導体製造装置を提供することが可能に
なる。
【0025】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明に基づく半導
体素子を製造方法に関する一実施例を、スパッタリング
装置にて薄膜を成膜し、半導体素子を製造する場合を例
に説明する。
【0026】本発明の実施例に基づく半導体素子の製造
方法を行うための製造装置の構成断面図を図1に示す。
ただし図中に示す治具は、真空チャンバを除き、ウエハ
形状(円盤形状)に合わせてすべて軸対称形状である
が、図内が煩雑になることを防ぐため各治具は断面のみ
で表す(すなわち円筒形状の治具などの内壁面を表記し
ていない)。
【0027】スパッタリング装置の成膜室用真空チャン
バ1に、電極絶縁物2を介してバッキングプレート3が
設置され、このバッキングプレートの下面(成膜室側)
にターゲット4が取り付けられている。真空チャンバ1
にはステンレスあるいはアルミニウム合金などが、バッ
キングプレートには熱伝導性を考慮して銅またはアルミ
ニウムが採用される場合が多い(ターゲットとバッキン
グプレートが同一材になっている場合もある)。電極絶
縁物2はリング形状をしており、ターゲットを含む陰極
の支持および真空チャンバ1からの陰極の絶縁の役割を
担っている。
【0028】真空チャンバ1には、プラズマ生成用ガス
の導入設備,ガス保管器具10a,ガス供給用配管10
b,ガス流量計10c,ガス供給用バルブ10dや排気
設備,ガス排気用バルブ5a,ガス排気用配管5b,真
空ポンプ5cが接続され、真空チャンバ1内へのガスの
供給,内部圧力の制御,ガスの排気を行う。この真空チ
ャンバ内部の気密性は、電極絶縁物2の図中の上側面
と、真空チャンバ1の電極絶縁物2に接する面に形成し
たOリング用溝6にOリング7を設置することで、保持
される。
【0029】ウエハステージ8はターゲット4に対向す
る位置には設置される。このウエハステージ8上に、半
導体基板9が真空チャンバ1に隣接している搬送用チャ
ンバあるいはロードロック用チャンバ(共に図示しな
い)から搬送装置(図示しない)によって搬送される。成
膜時は、真空チャンバ1内にアルゴンガスなどのプラズ
マ生成用ガスをガス導入口バルブ10dを開いて導入
し、真空チャンバ1内部圧力をガス流量計10cやガス
排気用バルブ5aを制御しながらプラズマ生成に適した
圧力に保ち、グラウンド11bに接地された真空チャン
バ1を基準として電力印加用配線11aを介してターゲ
ット4に負の直流電圧を電源11により付加し、プラズ
マ12を形成する。
【0030】プラズマが形成されると、ターゲット表面
(図中ではターゲット下面)がプラズマからの熱で温度
上昇するため、バッキングプレート裏面に冷却水13a
を流し、水冷する。冷却水は磁場形成用磁石16を収め
ているケーシング13内を流れる。プラズマ安定化のた
めの磁場は、ターゲット裏側に設置した磁石により形成
される。
【0031】チタンをスパッタリングする場合、ターゲ
ットにチタンを用い、例えば真空チャンバ1内にアルゴ
ンガスを供給して圧力を5mTorr一定に保ち、ターゲッ
トに10kWの直流電力を付加して、成膜を行う。ま
た、窒化チタンをスパッタリングする場合には、ターゲ
ットにチタンを用い、例えば真空チャンバ1内にアルゴ
ンと窒素の混合ガスを供給して圧力を5mTorr一定に保
ち、ターゲットに10kWの直流電力を付加して、成膜を
行う。なお、制御するガス圧力および付加する直流電力
は上記数値に固定されるものではなく、安定したプラズ
マが形成されるような条件であれば良い。例えばガス圧
力は、磁場の形成状態や磁束密度などに影響されるが、
概ね0.1〜10mTorr 程度である。直流電力は、ウエ
ハ上に堆積される膜の電気的特性,膜応力,堆積レート
などを考慮して決定される。堆積レートは直流電力が大
きいほど速くなる傾向がある。
【0032】このプラズマによりターゲット表面がスパ
ッタリングされるので、半導体基板などにターゲット材
料の膜17が堆積する。成膜によって真空チャンバ1内
では半導体基板以外の場所にも膜17が付着するが、真
空チャンバ1内壁などへの膜17の付着を防止するため
に防着シールド18が真空チャンバ1の内壁を覆うよう
に取り付けられている。
【0033】プラズマが形成されている時のプラズマ周
辺治具の温度分布を図2に示す(プラズマ周辺の治具の
みを描いた)。等温度線は50℃毎に表示した。成膜室
設置治具の温度は、ターゲット4,防着シールド18,
ウエハステージ8などプラズマに接している部分を中心
に高くなる。特にアルゴンイオンが衝突するターゲット
表面の温度が最も高くなる場合が多い。これらの治具
は、プラズマに接して加熱される部分と接していない部
分に温度差が生じ、熱変形を起こす。
【0034】ターゲット4は、スパッタリングされる成
膜室側(図中では下面)が加熱され、その裏面側(図中
では上面)はバッキングプレート3を介して冷却水13
aで冷却されるため、バッキングプレートごと成膜室側
に凸に反ることが多い。特に従来構造では、バッキング
プレートの成膜室側(図中では下面)にOリング溝を形
成していることが多かったため、Oリング溝が無い場合
に比べて反り変形量が大きくなり易かった。
【0035】本発明の詳細構造について、電極絶縁物2
およびその周辺の拡大した図3(a)を用いて説明する。
この図に関しては、各治具の位置関係を正確に記述する
ため、電極絶縁物2や防着シールド18の内周壁2c,
18aなども描いている。
【0036】電極絶縁物2のバッキングプレート3に接
する面には、真空チャンバ1内を真空に保つためOリン
グ用溝6が形成され、Oリング7が設置されている。バ
ッキングプレート3はボルト21によってケーシング1
3に固定される。バッキングプレート3は、真空チャン
バ1内部のガスを真空ポンプで外部に排出することで、
外部と内部との間に圧力差が生じ、電極絶縁物2に押し
付けられ、固定される。バッキングプレート3の固定
は、真空チャンバ1から絶縁されたボルトで固定しても
良い。ケーシング13内部の冷却水13aは、バッキン
グプレート3との間から漏れないように、ケーシング1
3にOリング溝6に形成し、Oリング7が設置される。
【0037】電極絶縁物2の詳細構造については、図3
(b)にて説明する。図は電極絶縁物2の断面を中心に
描いている。電極絶縁物2のOリング溝は図中の6で示
した部分であるが、本発明では、このOリング溝の底部
6aからの内周側溝側面6bの高さh1を外周側溝側面
6cの高さh2に比べて低くし、Oリング溝周辺部の外
周側表面6eはバッキングプレート3と接触して電極全
体を支持するが、Oリング溝周辺部の内周側表面6dは
バッキングプレート3と接触しない構造になっている。
【0038】従来構造の装置(図示しない)ではバッキ
ングプレート3の電極絶縁物2に対向する面にOリング
溝6があり、かつ電極絶縁物絶縁物2の断面は矩形形状
をしていた。そのため、図3(a)のようにプラズマ1
2が形成されると、ターゲット4およびバッキングプレ
ート3が図中の下面側に凸に熱変形しやすく、バッキン
グプレートの電極絶縁物2に対向する面30が電極絶縁
物2側へ強く押し付けられ、電極絶縁物2内周側端部と
強く擦れることが多かった。また、ターゲットとウエハ
の間隔などが変わって内部のプラズマ状態が変化し、プ
ロセス条件自体が変化しやすかった。
【0039】本発明では図3(a)に示したように、バ
ッキングプレートにOリング溝が無い構造とし、対向す
る電極絶縁物2にOリング溝6を形成しているため、バ
ッキングプレート3の熱変形量が小さい。さらにはOリ
ング溝内周側側面6bの高さを外周側側面6cの高さに
比べて低くしているため、バッキングプレート3が熱変
形しても電極絶縁物2のOリング溝内周側上面6dと接
触せず、電極絶縁物2の内周側端部が欠けたり、擦れて
破片や摩耗粉が生じることがない。
【0040】図4にバッキングプレート3が熱変形した
場合の模式図を示す。熱変形する前の図3(a)に比べ
て、電極絶縁物2内周側とバッキングプレート3との間
隔が小さくなっているが、バッキングプレート3の反り
変形量以上にOリング溝底部6aからの外周側・内周側
の高さの差h3(=h2−h1)を大きくしているた
め、接触しない構造になっている。接触しないために必
要な高さの差h3(h2−h1)は、バッキングプレー
ト3の直径や厚さ、成膜時に加える電力、更にはプラズ
マのガス種にも依存するが、バッキングプレート3の直
径がφ500mm程度であれば、概ね0.1〜1.0mm程度
である。
【0041】またバッキングプレート3の裏面側に、ケ
ーシング13内の磁石16に接触しない大きさのリブな
ど(図示しない)を設けて曲げ剛性を高めることも有効
である。リブを形成することで更に熱変形量を小さくす
ることが可能である。
【0042】図5を用い、図2の構造を更に改良した構
造について説明する。図3の構造に加えて、真空チャン
バ1が電極絶縁物2に接する面に形成したOリング溝6
に関しても、Oリング溝底部6aからの内周側溝側面6
bの高さh1を外周側溝側面6cの高さh2に比べて低
くし、Oリング溝周辺部の外周側表面6eは電極絶縁物
2と接触するが、Oリング溝周辺部の内周側表面6dは
接触しない構造を取っている。
【0043】内周側表面6d周辺は、図2の温度分布で
示したように、プラズマ12に接する防着シールド18
が取り付けられているため熱が伝わり、バッキングプレ
ート3ほどではないが熱変形するため、内周側表面6d
と電極絶縁物の図中の下面2aが擦れ、摩耗粉が発生す
る。この摩耗箇所は成膜室内であるため、摩耗粉がウエ
ハ上まで移動して付着し、成膜不良の原因になる場合が
ある。図5に示した構造にすることにより、摩耗粉発生
による不良を防止することが可能となる。
【0044】このように図3や図5に示した構造を用い
ると、バッキングプレートの曲げ剛性はOリング溝があ
った従来構造に比べて高くなり、バッキングプレート熱
変形を小さく抑えることが可能である。また、ターゲッ
ト/ウエハ間隔が縮まることで成膜条件が変化して、ウ
エハ間での膜質変化を低くすることが出来るため、各ウ
エハ上の膜質を一定に制御する上で非常に有効である。
なお、この構造は、スパッタリング装置のみで有効な構
造という訳では無く、φ200mm以上の大口径ウエハを
処理し、且つプラズマやヒータなどの熱源を持つ、スパ
ッタリング装置,プラズマCVD装置,エッチング装置
などのすべての装置に有効な構造である。
【0045】図6を用い、電極絶縁物2内周側とバッキ
ングプレート3が接触しない別の構造について説明す
る。図6(a)の構造では、バッキングプレート3にO
リング溝6が形成されて、且つ溝底部からの高さが外周
側より内周側の方が低くなっており、電極絶縁物の断面
は矩形になっている。成膜によってバッキングプレート
3下面が加熱されると、従来構造と同様にOリング溝が
形成されているため、図3や図5の構造に比べて反り変
形量は大きくなり、プロセス中のプラズマ状態が変化し
やすいが、Oリング溝6の内周側の溝底部からの高さを
低くした構造であるため、バッキングプレート3と電極
絶縁物2が接触して、バッキングプレート3が削れた
り、電極絶縁物2内周側が欠けたりすることを防止する
ことが可能である。
【0046】図6(b)に、電極絶縁物2内周側とバッ
キングプレート3が接触しない更に別の構造について説
明する。この構造では、バッキングプレート3に形成さ
れたOリング溝6の底部からの外周側・内周側両側面か
ら高さが同じであるが、電極絶縁物2上面のOリング溝
に対向する部分から内周端部にかけてテーパ20を設け
ている。成膜によってバッキングプレート3下面が加熱
されて下を凸に反った場合でも、テーパ20があるため
バッキングプレート3と電極絶縁物2が接触することが
無い。
【0047】以上の技術を利用したウエハ処理方法を用
いた半導体装置の製造方法について図7を用いて説明す
る。
【0048】(a)半導体基板9上にゲート電極101
の形成、絶縁膜102aの堆積、絶縁膜102bの堆
積、コンタクトホール104の形成までを行ったときの
半導体素子の断面である。半導体基板6とゲート電極1
01の界面には、図示はしていないが、非常に薄いゲー
ト酸化膜が形成されている。ここまでの製造方法につい
ては、従来から知られている技術を用いればよい。
【0049】(b)つぎに本発明のスパッタリング成膜
方法を用いた導電性膜の成膜、該導電性膜のエッチング
を行うことにより、配線103aを形成する。従来の成
膜方法を用いた場合、成膜中にターゲットが加熱されて
反り変形が生じてターゲットとウエハとの間隔が縮ま
り、膜質が変化する。また擦れなどによって摩耗粉など
の異物が発生しやすく、ウエハに付着して成膜不良が発
生し易くなる。このことは生産する半導体素子の電気特
性がウエハ間で異なったり、品質にばらつきが生じるこ
とを意味する。
【0050】本発明の成膜方法を用いた場合には、ター
ゲットおよびバッキングプレートが熱変形したとしても
擦れないような構造をもつ製造装置を用いているため
に、バッキングプレート3の擦れや電極の欠けによって
異物が発生し、ウエハに付着して成膜不良を起こす可能
性が無くなる。さらにはターゲットおよびバッキングプ
レートの反り量が低く抑えられた構造(図3,図5に示
した構造)を採用した製造装置でウエハの処理を行うこ
とで、プラズマ状態の変化が少なくなり、ウエハ上膜質
が安定する。CVDによる膜の成膜やエッチングを行う
場合に関しても、本発明を用いることで、より安定して
ウエハ処理を行うことが可能である。
【0051】(c)続いて絶縁膜102cの堆積、配線
103bの成膜、絶縁膜102dの堆積を行う。配線1
03bの成膜に関しては、前記(b)にて説明したのと
同様、本発明のスパッタ成膜方法を用いる。
【0052】以上、本発明を用いることによって、ウエ
ハ処理室内部の治具の欠けや摩耗発生による不良を低減
させた成膜を行うことが可能である半導体装置の製造方
法を提供することができる。また別の本発明を用いるこ
とでウエハ間での膜質を安定させることができる。これ
らのことによって高信頼性、且つ低コストである半導体
装置を提供することが可能になる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に基づくウ
エハ処理方法を用いることによって、ウエハ処理室内部
の治具の欠けや摩耗発生による不良を低減することがで
き、さらには膜質を安定させることが出来るようにな
る。このウエハ処理方法を用いることによって信頼性が
高い半導体素子の製造方法を提供することができる。更
には本半導体素子の製造方法を用いることによって、高
い信頼性で且つ低コストの半導体素子を提供することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施例1に係る半導体素子の製
造方法を実施する場合の成膜装置の断面構成図である。
【図2】成膜時におけるプラズマ周辺治具の温度分布を
示した側断面図である。
【図3】(a)及び(b)は実施例1に使用した電極絶
縁物にOリング溝を形成した成膜装置の詳細構造を示し
た断面図である。
【図4】本発明に基づく実施例1に係る成膜装置内の治
具がプラズマにより熱変形した場合を示した断面図であ
る。
【図5】本発明に基づく実施例1に係る電極絶縁物およ
び真空チャンバにOリング溝を形成した成膜装置の詳細
構造を示した断面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明に基づく実施例1に
係るバッキングプレートにOリング溝を形成した成膜装
置の詳細構造を示した断面図である。
【図7】(a)ないし(c)は本発明に基づく実施例1
に係る半導体素子の製造方法工程順を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…真空チャンバ、1a…真空チャンバOリング溝内周
側の電極絶縁物対向面、1b…真空チャンバOリング溝
外周側の電極絶縁物対向面、2…電極絶縁物、2a…電
極絶縁物の真空チャンバ接触面、2b…電極絶縁物の真
空チャンバ接触面、2c…電極絶縁物の内周面、3…バ
ッキングプレート、4…ターゲット、5…ガス排気口、
5a…ガス排気用バルブ、5b…ガス排気用配管、5c
…真空ポンプ、6…Oリング溝、6a…Oリング溝底
部、6b…Oリング溝内周側の側面、6c…Oリング溝
外周側の側面、6d…Oリング溝周辺部の内周側表面、
6e…Oリング溝周辺部の外周側表面、7…Oリング、
8…ウエハステージ、8a…ウエハリフター、9…半導
体基板、10…ガス導入口、10a…ガス保管器具、1
0b…ガス供給用配管、10c…ガス流量計、10d…
ガス供給用バルブ、11…電源、11a…電力印加用配
線、11b…グラウンド、12…プラズマ、13…電極
用ケーシング、13a…冷却水、14…冷却水供給用配
管、15…冷却水排出用配管、16…磁石、17…ター
ゲット材料膜、17a…ターゲット材料膜表面、17b
…ターゲット材料膜断面、18…防着シールド、18a
内周面…防着シールド、18b…防着シールド断面、2
0…テーパ、21…バッキングプレート取付用ボルト、
21a…バッキングプレート取付用ネジ穴、30…バッ
キングプレートの電極絶縁物対向面、30a…バッキン
グプレートOリング溝内周側の電極絶縁物対向面、30
b…バッキングプレートOリング溝外周側の電極絶縁物
対向面、100…ゲート酸化膜、101…ゲート電極、
102a,102b,102c,102d…絶縁膜、104
a,104b…配線用導電性薄膜、103…コンタクト
ホール、105…スルーホール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 英生 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 矢島 明 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 馬場 毅 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 西原 晋治 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 内田 淳一 東京都青梅市藤橋三丁目3番2号 日立東 京エレクトロニクス株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BD01 KA05 5F045 AA08 AA19 EB02 EB10 EC01 EH16 EJ04 EJ09 5F103 AA08 BB21 BB47 HH03 RR04 RR08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Oリングを用いてウエハ処理室内の気密性
    が保持されている半導体素子製造装置を用いた半導体素
    子の製造方法において、少なくとも一部のOリング溝に
    おける該Oリング溝の底部からの側面の高さが、外周側
    よりもウエハ処理室側の方が低い構造の半導体素子製造
    装置を用いて、ウエハ処理を行うことを特徴とする半導
    体素子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003038949A (ja) * 2001-07-30 2003-02-12 Ulvac Japan Ltd 真空処理装置
JP2008038248A (ja) * 2006-07-12 2008-02-21 Fuji Electric Holdings Co Ltd プラズマ処理装置

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