JP2000171345A - 実海域再現水槽 - Google Patents

実海域再現水槽

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JP2000171345A
JP2000171345A JP10348587A JP34858798A JP2000171345A JP 2000171345 A JP2000171345 A JP 2000171345A JP 10348587 A JP10348587 A JP 10348587A JP 34858798 A JP34858798 A JP 34858798A JP 2000171345 A JP2000171345 A JP 2000171345A
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Japan
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water
test
tank
box
tide
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JP10348587A
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English (en)
Inventor
Takahiro Hirai
隆弘 平井
Suketoshi Kawasaki
佐年 川崎
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】潮流、潮汐、密度成層等の実海域の現象を再現
する。 【解決手段】実海域を再現する試験水槽1と、試験水槽
1に浮かべられた函体51と、函体51にバラスト水を
注排水することにより函体51の喫水を上下動させる注
排水機構と、函体51に取り付けられ、サーボドライブ
63で生成した潮汐信号に基づいて函体51の喫水を上
下させる昇降サーボ駆動モータ65から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋環境保全対策
として潮汐中流、密度成層等の実海域の現象を再現でき
る実海域再現水槽に関する。
【0002】
【従来の技術】閉塞された海域、入り組んだ海岸等の海
洋環境の悪化が進行している。この海洋環境悪化の防止
には実海域に即した水理模型実験により全体を観察し、
その改善策を立て、その効果を確認することが重要であ
る。時間とともに変化する潮流・潮汐に関する水理模型
実験を行うには、潮流潮汐を実海域と同様に再現して観
察する必要がある。
【0003】また、海水の密度は水温、塩分および圧力
のきわめて複雑な関数であるが、河川からの水、大量な
雨水が海、それも閉塞された海域に流れ込むと、密度の
小さい水が上層に塩分が多く、水温が低く、密度の大き
い海水が下層に流れるという2層密度成層が形成され
る。形成された密度成層は水の上下交換がないため、容
易には破壊されず、下層に沈殿した富栄養素はいつまで
も浮上せず、海域は汚濁が進み魚は死滅し、悪臭が増
し、海洋環境が悪化する。この環境悪化対策の立案のた
めに、これらを模擬した水理実験が必要である。
【0004】しかるに、従来の試験水槽では、このよう
な潮流、潮汐、密度成層等の実海域の現象を再現して実
験を行うことができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
実海域再現水槽では、潮流、潮汐や密度成層等の実海域
の現象を再現して実験を行うことができなかった。
【0006】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、潮流、潮汐、密度
成層等の実海域の現象を再現することのできる実海域再
現水槽を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
実海域再現水槽は、実海域を再現する試験水槽と、この
試験水槽に浮かべられ、昇降移動することにより該試験
水槽内に潮汐を発生させる函体と、前記函体にバラスト
水を注排水することにより前記函体の喫水を上下させる
注排水機構と、前記函体に取り付けられ、潮汐信号に基
づいて前記函体の喫水を上下させる函体駆動機構とを具
備してなることを特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項2に係る実海域再現
水槽は、実海域を再現する試験水槽と、比重の重い水を
生成する冷却機構と、比重の軽い水を生成する加温機構
と、前記試験水槽内に設けられ、該試験水槽内を試験領
域と調整領域に分割し、該調整領域から該試験領域に流
れ込む水の流量を調整する堰と、この堰を越えて前記調
整領域から前記試験領域に流れ込む水を、所定の高さよ
りも高い位置に流れ込むように境界面が配置された境界
位置板と、前記境界位置板から流出する水を整流する整
流格子と、前記試験水槽底面に設けられ、該底面から前
記試験水槽内の水を冷却する冷却配管とを具備してなる
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明の請求項3に係る実海域再現
水槽は、実海域を再現する試験水槽と、この試験水槽に
浮かべられ、昇降移動することにより該試験水槽内に潮
汐を発生させる函体と、前記函体にバラスト水を注排水
することにより前記函体の喫水を上下させる注排水機構
と、前記函体に取り付けられ、潮汐信号に基づいて前記
函体の喫水を上下させる函体駆動機構と、比重の重い水
を生成する冷却機構と、比重の軽い水を生成する加温機
構と、前記試験水槽内に設けられ、該試験水槽内を試験
領域と調整領域に分割し、該調整領域から該試験領域に
流れ込む水の流量を調整する堰と、この堰を越えて前記
調整領域から前記試験領域に流れ込む水を、所定の高さ
よりも高い位置に流れ込むように境界面が配置された境
界位置板と、前記境界位置板から流出する水を整流する
整流格子と、前記試験水槽底面に設けられ、該底面から
前記試験水槽内の水を冷却する冷却配管とを具備してな
ることを特徴とする。
【0010】本発明の望ましい形態を以下に示す。 (1)試験水槽内の少なくとも相対向する位置に設けら
れ、該試験水槽内に潮流を発生させる吸排水口と、潮流
信号に基づいて前記吸排水口のいずれか一方から吸水
し、他方から排水する動作を交互に繰り返すことにより
前記試験水槽内に潮流を発生させる潮流発生機構とを具
備してなる。 (2)試験水槽底面には、実海域の地形を再現する地形
模型が形成される。 (3)注排水機構は、貯水水槽と、貯水水槽又は函体か
ら水を汲み上げるポンプと、貯水水槽と函体を結ぶ配水
管と、この配水管の途中に設けられ、注水時と排水時で
弁の切り替えを行い、配水管から汲み上げられた水をポ
ンプに送り込み、かつポンプから送られる水を汲み上げ
られた方向とは逆方向の配水管に送り込む四方切替弁か
らなる。 (4)函体駆動機構は、函体駆動モータと、この函体駆
動モータにより駆動し、函体に取り付けられたスクリュ
ージャッキから構成される。 (5)(3)におけるポンプ及び四方切替弁、(4)に
おける函体駆動モータを制御するサーボドライブが設け
られている。 (6)潮流発生機構は、吸排水口から水を汲み上げるポ
ンプと、両端の吸排水口を結ぶ配水管と、この配水管の
途中に設けられ、注排水の方向の逆転により弁の切り替
えを行い、配水管から汲み上げられた水をポンプに送り
込み、かつポンプから送られる水を汲み上げられた方向
とは逆方向の配水管に送り込む四方切替弁からなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。
【0012】(第1実施形態)図1は本発明の第1実施
形態に係る実海域再現水槽の全体構成を示す模式図であ
る。以下、その構成について説明する。
【0013】1は実海域を再現する試験水槽である。試
験水槽1は、実験精度上水槽規模は大きいほど望ましい
が、実験操作・取り扱い上から長さ・幅・水深は概略=
100m×50m×1m程度である。もちろんこれより
小規模な容積であっても構わない。
【0014】この試験水槽1内には実際の海域中の地形
を再現した地形模型基礎2及び地形模型3が設けられて
いる。この試験水槽1内であって地形模型基礎2及び地
形模型3の配置された領域の側部には、金網等の格子状
からなる水流緩衝機構4を介して潮汐発生機構5が設け
られている。また、試験水槽1内の潮汐発生機構5以外
の領域(以下、試験領域と称する)には、潮流を発生さ
せる潮流発生機構7が設けられている。
【0015】まず、潮汐発生機構5の具体的な構成を以
下説明する。
【0016】51は潮汐信号に従い上下動する函体であ
り、その内部に水を蓄えることができるようになってい
る。また、この函体51のぶれのない上下動を可能とす
るため、函体51の側面には車輪52を介してガイドレ
ール53が設けられている。なお、ガイドレール53は
水を通すものであり、壁ではない。
【0017】函体51は2つの力により駆動する。
【0018】第1の力は、試験水槽1とは別個に設けら
れた貯水水槽54の水をポンプ55により出し入れする
ことにより、函体51を大きく沈降浮上させる力であ
る。貯水水槽54は、試験水槽1の水位を例えば数10
cm上下するに必要な容量の水槽である。配水管56
は、試験水槽1と貯水水槽54とをつなぐ配管であり、
潮汐に関するもので、この配水管56に水を通すことに
より貯水水槽54の水位を上下させる。
【0019】この第1の力を発生させるため、配水管5
6を介して貯水水槽54と函体51内の間を水が出入り
する。貯水水槽54と函体51内の配水管56の先端部
にはそれぞれ吸排水口57a及び57bが設けられてい
る。配水管56の途中には四方切替弁58が設けられ、
汲み上げる水の方向に応じて弁が切り替わる。四方切替
弁58を通った水は、四方切替弁用配管59を介してイ
ンバータ制御のポンプ55に送られる。この四方切替弁
58はACサーボモータ付で、干満方向を電動により切
り替える。
【0020】ポンプ55はボールバルブ77の開閉によ
り水量が調節され、さらにこのポンプ55を出た水は四
方切替弁用配管59を介して四方切替弁58に戻り、汲
み上げられた方向とは逆の方向に配水管56を通して排
出される。ポンプ55から排出された水は、四方切替弁
用配管59に設けられた流量計61により流量が測定さ
れ、この測定値に基づいて流量制御弁62が配管59の
水の流量を制御する。ポンプ55及び四方切替弁58
は、サーボドライブ63(制御盤)からのサーボ信号、
インバータ信号により制御される。エンコーダケーブル
64aは、サーボドライブ63と、四方切替弁58との
通信ケーブルである。
【0021】第2の力は、サーボドライブ63にエンコ
ーダケーブル64bで接続された昇降サーボ駆動モータ
65の強制力による函体51をより正確に沈降浮上させ
る力である。昇降サーボ駆動モータ65は、入力された
潮汐カーブに追従する。昇降サーボ駆動モータ65はサ
ーボドライブ63からの潮汐信号を受け、スクリュージ
ャッキ66を駆動する。このスクリュージャッキ66は
昇降サーボ駆動モータ65に取り付けられ、かつ上下昇
降機構部67を上下動させる。この上下昇降機構部67
は函体51に取り付けられ、函体51を保持する。スク
リュージャッキ66の回転駆動により函体51は強制的
に上下動する。なお、昇降サーボ駆動モータ65にはモ
ータの回転速度を減速させる減速機68が取り付けられ
ている。なお、函体51近傍の配水管56の一部はフレ
キシブルチューブ69で構成され、函体51の上下動に
合わせて吸排水口57bが函体51内に位置するように
配水管56の上下方向の移動を可能とする。
【0022】これら2つの力のうち、第1の力が函体5
1を上下動させる主動力であり、この第1の力を補うよ
うに第2の力が付加される。
【0023】このように2つの力を用いて函体51を上
下する理由を説明する。本実施形態の方法は、第1次的
には水を函体51に出し入れすることにより函体51を
沈降浮上させる方法である。しかしながら水の出し入れ
のみによって函体51を潮汐信号に正しく追従させるこ
とは、ポンプ55の制御上困難である。
【0024】そこで第2次的に、サーボ駆動モータ65
の制御により函体51を強制的に上下させ、潮汐信号に
正しく追従させる。なお、潮汐信号と函体51への水の
出し入れにより発生した潮汐の差は小さく、喫水変化が
小さいため、函体51を上下するのに要する強制力は小
さくてすみ、よってサーボモータ65の容量は小さくて
よく、制御も容易である。これにより、バラスト注排水
によりモータ65の負荷を軽くしながらモータ65を同
時に駆動する。
【0025】この第1及び第2の力の関係の一例を図2
に示す。横軸は時間、縦軸は電圧で表される波高値であ
る。図2に示すように、潮汐信号のうち、斜線に示す部
分201がバラスト水による調整分で、それ以外の部分
をモータ駆動により調整するモータ駆動分202であ
る。このように、バラスト注排水の後モータ駆動するの
ではなく、両者を並行して潮汐を発生させる。
【0026】サーボドライブ63は、駆動モータ65及
びポンプ55を作動する潮汐信号を出力する。干満方
向、すなわち水の出し入れ方向及び潮汐の発停を出力す
る。インバータ制御のポンプ55は、サーボドライブ6
3から出力された潮汐の発停を受け稼働する。
【0027】次に、潮流発生機構7の具体的構成につい
て説明する。
【0028】サーボドライブ71は、試験水槽1内で発
生させる潮流信号を生成する。サーボドライブ71はこ
の潮流信号に基づいて、エンコーダケーブル72を介し
てポンプ73及び四方切替弁74を制御する。四方切替
弁74は、試験水槽1内に配置された多孔管75a又は
75bのいずれか一方から配水管76a又は76bを介
して取り出された水を四方切替弁用配管77aを介して
ポンプ73に送る弁であり、いずれの多孔管75a又は
75bから水を取り出すかにより切り替えられる。ポン
プ73はボールバルブ77が取り付けられ、このボール
バルブ77の開閉によりポンプ73から排出される水量
を制御する。また、ポンプ73を出た水は四方切替弁用
配管77bを通り、その途中に設けられた流量計78に
より流量が測定される。そして、流量の測定値は同じく
四方切替弁用配管77bの途中に設けられた流量制御弁
79に出力される。流量制御弁79は流量の測定値に基
づいて流量を制御する。所定の流量に制御された水は、
四方切替弁74に達し、取り出された側とは逆の配水管
(76a又は76b)を介して多孔管(75a又は75
b)から排出される。なお、流量制御弁79と四方切替
弁74との間の四方切替弁用配管77bには流量計78
が設けられ、流量制御弁79に流量を出力する。
【0029】上記実施形態に係る実海域再現水槽の動作
を図3に示す制御フローチャートに沿って以下説明す
る。
【0030】図3に示すように、潮汐に関する実験を行
うには、まずサーボドライブ63により、試験水槽1の
端部に設置・浮遊させた大きな浮体潮汐発生用函体51
を上下させる駆動信号であって所定の関数f(t)とし
て表される潮汐信号を発生させる(301)。次いで、
インバータ制御により(302)ポンプ55を駆動して
函体51をガイドレール53に沿って押し下げ、又は引
き上げを行う(303)。このポンプ55のみでは函体
51の昇降量を潮汐に合わせることができないため、図
示しないシーケンサを用いて(304)昇降サーボドラ
イブ63を駆動させ、スクリュージャッキ66を用いて
上下昇降機構部67の昇降動作を行い(306)、函体
51の昇降移動の微調整を行う(305)。
【0031】また、サーボドライブ63は、函体51の
昇降動作による昇降量と駆動信号との差である昇降フィ
ードバック信号より(307)、昇降を制御する。この
制御は例えば昇降サーボ駆動モータ65に取り付けられ
た減速機68による減速等により行う。このような函体
51を強制的に押し下げた時の排除水が満ち潮に相当す
る潮汐を発生させ、函体51を引き上げた時が引き潮に
相当する潮汐を発生させる。
【0032】昇降フィードバック信号より、昇降量が潮
汐に等しいか否かを判定する(308)。昇降量が潮汐
と等しくない場合、すなわち所望の昇降動作を実現でき
ない場合には、サーボドライブ63による潮汐信号の生
成に戻り、上述のフローを繰り返す。昇降量が潮汐に等
しい場合、すなわち所望の昇降動作を実現できた場合に
は、さらに駆動モータ65及びポンプ55を同じ方向に
動作させることは昇降量が所望の潮汐を越えることとな
ってしまうため、図示しないシーケンサを用いて(30
9)正転・逆転をパルス信号を発生させて(310)サ
ーボドライブ63を切り替える(311)。このサーボ
ドライブ63の切り替えとともに四方切替弁58及び昇
降サーボ駆動モータ65が切り替わる(312,31
3)。
【0033】これらの動作を、設定したf(t)の終了
時間になるまで繰り返し、終了時間になったときに実験
は終了する。
【0034】なお、この潮汐を発生させるプロセスにお
いて、潮流の発生も同様に行われる。以下、潮流発生の
動作を説明する。
【0035】潮流発生に際しては、吸排水多孔管75a
から試験水槽1の水を吸引し、配管76a→四方切替弁
74→配管77a→ポンプ73→配管77b→四方切替
弁74→配管76b→多孔管75bから排出することに
より矢印イ方向の潮流を発生させる。一方、矢印ロ方向
の潮を発生させるには、切替弁48を切り替えて、75
b→76b→74→77a→73→77b→76a→7
5aと流す。このような動作を、図2に示すフローチャ
ートと同様にサーボドライブ71で設定した潮流信号g
(t)に基づいて行う。
【0036】(第2実施形態)図4及び図5は本発明の
第2実施形態に係る実海域再現水槽の全体構成を示す模
式図である。図4は水槽を横断面から見た図で、図5は
水槽を上面から見た図である。
【0037】401は試験水槽であり、注水管402か
らこの試験水槽401に注水される。試験水槽401内
には比重の重い水403が満たされ、この重い水403
の上に比重の軽い水404が満たされている。注水管4
02からの水は、一旦緩衝箱405で所定の速度まで落
とされて試験水槽401に入る。試験水槽401は、堰
406により実際に実海域を再現する実験域水槽401
aとこの実験域水槽401aの水層を調整するための調
整域水槽401bに分けられる。この調整域水槽401
bは緩衝箱405から落下した水を受け止める水槽であ
り、注水の際の水の流速による重い水403と軽い水4
04との境界が破壊されないためのクッションとして機
能する。また、堰406は調整域水槽401bとの境界
面では壁面が水槽401底面に対して直角に形成されて
おり、実験域水槽401aとの境界面では水槽401に
対してなめらかな斜面を持つ。注水管402から注水さ
れた水は、この堰406の頂部を越えて実験域水槽40
1bに流れ込む。407は排水ポンプであり、試験水槽
401内の不要な水を水槽401外に排出する。
【0038】408は堰406と実験域水槽401aと
の間に設けられた格子状の整流板である。この整流板4
08により、堰406を越えて実験域水槽401aに流
れ込む水が整流される。409は堰406の斜面上にね
じ410により固定配置され、その表面が水槽401底
面にほぼ水平に配置された境界位置板である。この境界
位置板409により、堰406の斜面に沿って流れ込む
水の方向を水槽401底面に対して水平方向に実験域水
槽401aに入るように調整する。実験域水槽401a
の底面には、冷却配管411が配置されている。この冷
却配管411は、図5に示すように水槽401底面を均
一に敷き詰めるように配置されることにより、水槽40
1の領域内で熱の均一性が保たれる。この冷却配管41
1は冷却機構412により冷却される。
【0039】また、図5に示すように、比重の重い水4
03と比重の軽い水404は冷却装置413及び加温装
置414により生成され、それぞれポンプ、バルブを介
して注水管402より試験水槽1に注水される。
【0040】上記実施形態に係る実海域再現水槽の動作
を以下説明する。
【0041】まず、密度成層を試験水槽1に生成するた
めに、冷却装置413で水を冷却し、比重の重い水40
3を生成すると同時に、加温装置414で水を加温し、
比重の軽い水404を生成する。そして、注水管402
から、生成された重い水403を調整域水槽401bに
注水し、その後軽い水404を注水する。このとき、比
重の異なる2層の水が混合しないこと、2層の境界が破
壊されないように流量を調節することが必要である。
【0042】具体的には、重い水403で調整域水槽1
1内をいったん満たす。そして、調整域水槽11を満た
した比重の重い水403は、堰406を越え境界位置板
409,整流格子408を通過し、実験域水槽401a
に流れ込む。境界位置板409の上面まで重い水403
が到達したら注水を停止し、調整域水槽401b内の水
は排水ポンプ407より排水する。そして、実験域水槽
401aの水が鏡面になるのを待つ。次に、加温装置4
14で加温した比重の軽い水404を調整域水槽401
bに注水する。注水された比重の軽い水404は所定の
水位まで達したら注水を停止する。そして、冷却装置4
13および冷却配管411で冷やすことにより、冷やさ
れた流体は下方域に層を保つ。
【0043】本実施形態では、境界位置板409が設置
されているため、注水された比重の軽い水404は比重
の重い水403と混合することなく、比重の重い水40
3の上に密度成層を形成する。また、整流格子408が
設置されているため、注水された比重の軽い水404は
垂直方向の成分が減少され水平方向にのみ進行する。比
重の重い水403の成層を破壊することがない。また、
堰406により、越流する水がを整えられ、水の乱れが
無くなる。緩衝箱405は注水された水の落下位置エネ
ルギーを減少させる。また、冷却配管411により、下
方の水は冷やされ、下方に層を成す。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、試
験水槽に函体を浮かべ、この函体にバラスト水を注排水
し、及び函体を上下に駆動させることにより函体の喫水
を上下させることにより、実海域における潮汐を再現す
ることができる。
【0045】また、別の本発明では、冷却機構と加温機
構を用いて比重の重い水と比重の軽い水を生成し、堰及
び境界位置板の設けられた試験水槽に注水する。この
際、堰により試験水槽を試験領域と調整領域に分割し、
注水時の流水の速度を緩和し、かつ境界位置板により比
重の軽い水を比重の重い水よりも上面に試験領域に供給
することにより、実海域における密度成層を再現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る実海域再現水槽の
全体構成を示す模式図。
【図2】同実施形態に係る函体にかかる2つの力の関係
を示す図。
【図3】同実施形態に係る函体の制御フローチャートを
示す図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る実海域再現水槽の
全体構成を示す模式図。
【図5】同実施形態に係る実海域再現水槽を上面から見
た模式図。
【符号の説明】
1,401 試験水槽 2 地形模型基礎 3 地形模型 4 水流緩衝機構 5 潮汐発生機構 7 潮流発生機構 51 函体 52 車輪 53 ガイドレール 54 貯水水槽 55,73 ポンプ 56 配水管 57a,57b 吸排水口 58,74 四方切替弁 59 四方切替弁用配管 60 ボールバルブ 61 流量計 62 流量制御弁 63,71 サーボドライブ 64a,64b,72 エンコーダケーブル 65 昇降サーボ駆動モータ 66 スクリュージャッキ 67 上下昇降機構部 68 減速機 69 フレキシブルチューブ 75a,75b 多孔管 402 注水管 403 比重の重い水 404 比重の軽い水 405 緩衝箱 406 堰 407 排水ポンプ 408 整流板 409 境界位置板 410 ねじ 411 冷却配管 412 冷却配管 413 冷却機構 413 冷却装置 414 加温装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実海域を再現する試験水槽と、この試験
    水槽に浮かべられ、昇降移動することにより該試験水槽
    内に潮汐を発生させる函体と、前記函体にバラスト水を
    注排水することにより前記函体の喫水を上下させる注排
    水機構と、前記函体に取り付けられ、潮汐信号に基づい
    て前記函体の喫水を上下させる函体駆動機構とを具備し
    てなることを特徴とする実海域再現水槽。
  2. 【請求項2】 実海域を再現する試験水槽と、比重の重
    い水を生成する冷却機構と、比重の軽い水を生成する加
    温機構と、前記試験水槽内に設けられ、該試験水槽内を
    試験領域と調整領域に分割し、該調整領域から該試験領
    域に流れ込む水の流量を調整する堰と、この堰を越えて
    前記調整領域から前記試験領域に流れ込む水を、所定の
    高さよりも高い位置に流れ込むように境界面が配置され
    た境界位置板と、前記境界位置板から流出する水を整流
    する整流格子と、前記試験水槽底面に設けられ、該底面
    から前記試験水槽内の水を冷却する冷却配管とを具備し
    てなることを特徴とする実海域再現水槽。
  3. 【請求項3】 実海域を再現する試験水槽と、この試験
    水槽に浮かべられ、昇降移動することにより該試験水槽
    内に潮汐を発生させる函体と、前記函体にバラスト水を
    注排水することにより前記函体の喫水を上下させる注排
    水機構と、前記函体に取り付けられ、潮汐信号に基づい
    て前記函体の喫水を上下させる函体駆動機構と、比重の
    重い水を生成する冷却機構と、比重の軽い水を生成する
    加温機構と、前記試験水槽内に設けられ、該試験水槽内
    を試験領域と調整領域に分割し、該調整領域から該試験
    領域に流れ込む水の流量を調整する堰と、この堰を越え
    て前記調整領域から前記試験領域に流れ込む水を、所定
    の高さよりも高い位置に流れ込むように境界面が配置さ
    れた境界位置板と、前記境界位置板から流出する水を整
    流する整流格子と、前記試験水槽底面に設けられ、該底
    面から前記試験水槽内の水を冷却する冷却配管とを具備
    してなることを特徴とする実海域再現水槽。
  4. 【請求項4】 前記試験水槽内の少なくとも相対向する
    位置に設けられ、該試験水槽内に潮流を発生させる吸排
    水口と、潮流信号に基づいて前記吸排水口のいずれか一
    方から吸水し、他方から排水する動作を交互に繰り返す
    ことにより前記試験水槽内に潮流を発生させる潮流発生
    機構とを具備してなることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の実海域再現水槽。
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