JP2000166542A - IκBまたはβカテニンのユビキチン化を促進するユビキチンリガーゼSCF複合体のF−ボックスタンパク - Google Patents

IκBまたはβカテニンのユビキチン化を促進するユビキチンリガーゼSCF複合体のF−ボックスタンパク

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JP2000166542A
JP2000166542A JP10343437A JP34343798A JP2000166542A JP 2000166542 A JP2000166542 A JP 2000166542A JP 10343437 A JP10343437 A JP 10343437A JP 34343798 A JP34343798 A JP 34343798A JP 2000166542 A JP2000166542 A JP 2000166542A
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box
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Keiichi Nakayama
敬一 中山
Keiko Nakayama
啓子 中山
Masatoshi Kitagawa
雅敏 北川
Shinji Hatakeyama
鎮次 畠山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトを含む高等生物の生理機能にとって重要
な分子であるIκBやβカテニンのユビキチン化の分子メ
カニズムを解明し、該ユビキチン化を特異的に司る酵素
ユビキチンリガーゼSCF複合体、特にそのF−ボック
スタンパクを提供する。 【解決手段】 Skp1タンパク、Cul1タンパク、
およびF−ボックスモチーフとWD40リピートモチー
フを含むF−ボックスタンパクの複合体(SCF複合
体)から構成され、IκBまたはβカテニンのユビキチ
ン化を促進するユビキチンリガーゼSCF複合体のF−
ボックスモチーフタンパクであって、配列番号:1で表
されるアミノ酸配列を有するタンパク;該ユビキチンリ
ガーゼSCF複合体のF−ボックスタンパクであって、
配列番号:2または配列番号:3のアミノ酸配列を有す
るタンパク;ならびに、それらのF−ボックスモチーフ
タンパクまたはF−ボックスタンパクをコードする遺伝
子を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IκBまたはβカ
テニンのユビキチン化を促進する酵素に関し、特に、S
CF複合体から構成されるユビキチンリガーゼのF−ボ
ックスタンパクに関する。
【0002】
【従来の技術】タンパク質の発現量は合成速度と分解速
度によって決定されている。特に迅速なレスボンスの求
められるタンパク質はユビキチン−プロテアソーム系と
いう分解システムを用いて破壊されることが知られてい
る。このシステムは分解すべき標的タンパク質にユビキ
チンという分子を多数結合させ(ポリユビキチン化また
は単にユビキチン化)、ユビキチン化されたタンパク質
はプロテアソームという巨大なタンパク質分解酵素複合
体によって破壊するというものである。つまりユビキチ
ン化とは分解すべきタンパク質にユビキチンという「荷
札」をつけて分解工場へ送るようなものである。このユ
ビキチン化はいろいろなタンパク質で行われていること
がわかっているが、高等生物において特に有名なのはI
κBとβカテニンという2つの分子である。
【0003】IκBは、NF−κB(nuclear factor k
appa B)という転写因子に結合してその機能を阻害する
分子で、IκBがユビキチン・プロテアソーム系で破壊
されるとNF−κBが開放されて活性化される。このN
F−κBという分子は炎症性サイトカインによって活性
化される転写因子であり、炎症の発生メカニズムにとっ
て非常に重要であることが示唆されている。炎症性サイ
トカインからのシグナルはIκBをユビキチン化するこ
とがわかっているが、その分子メカニズムは明らかでは
ない。
【0004】一方、βカテニン(β−catenin)は、多
くの大腸癌で異常な貯留が認められている分子である。
家族性に大腸に多数のポリープ・癌を発生する家族性大
腸腺腫症という遺伝病の原因遺伝子はAPC(adenomato
us polyposis coli)という分子をコードすることが知ら
れているが、このAPC分子はβカテニンのユビキチン
化を促進することが数年前に明らかとなった。しかしな
がらβカテニンをユビキチン化する酵素の本体は現在ま
で全く謎であった。
【0005】以上のように高等生物においてユビキチン
化という現象は医学、生物学的に非常に重要であること
は容易に推察できるが、ユビキチン化反応については不
明の点が多い。
【0006】タンパク質のユビキチン化は、一般に、一
連の酵素群、すなわち、ユビキチン活性化酵素
(E)、ユビキチン複合化酵素(E)およびユビキ
チンリガーゼ(E)によって進み、これらの酵素によ
ってユビキチン化されたタンパク質が26Sプロテアソ
ームにより分解されるものと解されている。このうち、
ユビキチンリガーゼ(E)が特定のタンパク質をユビ
キチン化する特異性に最も関与すると考えられている
が、高等生物におけるユビキチンリガーゼの構造や機能
の詳細は殆ど不明であるのが現状である。
【0007】最近、酵母のような下等生物における研究
を通じて、SCFと称される複合体から構成される新し
いタイプのユビキチンリガーゼ(E)が見出されてい
る。このSCF複合体タイプのユビキチンリガーゼ(以
下、ユビキチンリガーゼSCF複合体と記す)は、3量
体、すなわち、Skp1と称されるサブユニットタンパ
ク、Cul1(または、その上位概念のCullin)と称さ
れるサブユニットタンパク、およびF−ボックス(F−
box)と称されるサブユニットタンパクから構成される
複合酵素であり、各サブユニットタンパクの頭文字をと
ってSCFと名づけられた。
【0008】このうち、Skp1タンパクおよびCul
1タンパクの機能は未だ完全には明らかでないが、その
アミノ酸配列は保存され、どのような基質に対しても一
定である。一方、F−ボックスタンパクは、基質によっ
て変化し得るものであり、ユビキチン化の対象となる標
的タンパク質に応じたF−ボックスタンパクが存在し、
基質特異性を決定するものと考えられている。
【0009】このF−ボックスタンパクは、一般に、F
−ボックスと呼ばれる領域(モチーフ)と、40個程度の
アミノ酸配列の繰り返しから成るWD40リピートと呼
ばれる領域(モチーフ)またはロイシンの多いLRRリ
ピートと呼ばれる領域(モチーフ)を含み、WD40リ
ピートモチーフまたはLRRリピートモチーフがリン酸
化された標的タンパク質を認識し結合するとともに、F
−ボックスモチーフがSkp1およびCul1と結合し
て該タンパク質のユビキチン化に寄与するものと考えら
れている。
【0010】このようなユビキチンリガーゼSCF複合
体として代表的なものは、酵母の細胞周期を停止させる
分子Siclを特異的に分解するユビキチンリガーゼであ
り、このユビキチンリガーゼはSkp1/Cdc53/C
dc4の組み合わせから成り、Cdc4がF−ボックス
タンパクとしてSiclに対する基質特異性を付与している
ものと考えられている。酵母については、このような細
胞周期に関与するタンパク質のみならず、その他の生理
機能に関与するタンパク質とそれに基質特異的なSCF
複合体が幾つか発見されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒトを
含む高等生物におけるユビキチンリガーゼSCF複合体
の機能については、未だ充分に検討されていない。特
に、前述したようなIκBやβカテニンのようなタンパ
ク質を特異的にユビキチン化する反応のメカニズム、お
よび該反応を担う酵素の構造や機能が明らかにされれ
ば、新しい医薬の開発や癌の治療法等に対して極めて有
用な情報を提供し得るものと期待されるが、そのような
目的に目指した研究は殆ど見当たらない。
【0012】本発明の目的は、ヒトを含む高等生物の生
理機能にとって重要な分子であるIκBやβカテニンの
ユビキチン化の分子メカニズムを解明し、該ユビキチン
化を特異的に司る酵素ユビキチンリガーゼSCF複合
体、特にそのF−ボックスタンパクを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、IκBおよ
びβカテニンに特異的なユビキチンリガーゼSCF複合
体のF−ボックスタンパクの特性を解明し、本発明を導
き出し上記のごとき目的を達成したものである。
【0014】かくして、本発明は、Skp1タンパク、
Cul1タンパク、およびF−ボックスモチーフとWD
40リピートモチーフを含むF−ボックスタンパクの複
合体(SCF複合体)から構成され、IκBまたはβカ
テニンのユビキチン化を促進するユビキチンリガーゼS
CF複合体のF−ボックスモチーフタンパクであって、
配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するタンパク
を提供する。
【0015】さらに、本発明は、Skp1タンパク、C
ul1タンパク、およびF−ボックスモチーフとWD4
0リピートモチーフを含むF−ボックスタンパクの複合
体(SCF複合体)から構成され、IκBまたはβカテ
ニンのユビキチン化を促進するユビキチンリガーゼSC
F複合体のF−ボックスタンパクであって、配列番号:
2または配列番号:3のアミノ酸配列を有するタンパク
を提供する。
【0016】本発明は、さらに別の側面として、それら
の配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:3の
アミノ酸配列から成るF-ボックスモチーフタンパクまた
はF−ボックスタンパクをコードする遺伝子も提供す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】ヒトなど高等生物におけるユビキ
チンリガーゼSCF複合体に関する知見は少ないが、最
近、ヒトのF−ボックス(h−βTrCP)がエイズウ
イルス(HIV−1)由来のタンパク質Vpuの分解に
関与していることが報告されている(Margottin, F.
他、Mollec. Cell, 1, 565-574 (1998))。本発明者ら
は、マウスのEST(expression sequence tag)デー
タベースに基づき、F−ボックスタンパクの探索を行い
マウス由来のいくつかのF−ボックスタンパクの配列を
見出した。そのうちの1つ(以下、m−FWD1と記
す)は、ヒト由来のF−ボックスタンパク(h−βTr
CD)と実質的に同一であり、これらのF−ボックスタ
ンパク(m−FWD1またはh−βTrCP)から構成
されるSCF複合体は、IκBをユビキチン化し分解を
促進し、さらに、βカテニンもユビキチン化することを
見出した。
【0018】図1および図2は、これらのF−ボックス
タンパクのアミノ酸配列を対比して示すものである。図
中、最上段はマウス由来のF−ボックスタンパク(m−
FWD1)のアミノ酸配列(明細書末尾の配列表で配列
番号:2として示すもの)、中段はヒト由来のF−ボッ
クスタンパク(h−βTrCP、図ではh−FWD1と
記す)のアミノ酸配列(配列表で配列番号:3として示
すもの)、そして、最下段はマウス由来の別のF−ボッ
クスタンパク(m−FWD2と記す)のアミノ酸配列を
それぞれ示す。図中、四角で囲んだところは類似アミノ
酸を示す。m−FWD2はm−FWD1と同じくF−ボ
ックスモチーフ(二重下線を施している)とWD40リ
ピートモチーフ(下線を施している)を7つ含む構造を
もつタンパク質であるが、m−FWD1との相同性は僅
かに13%しかない。一方、m−FWD1とh−FWD1
は99%一致しており、特にF−ボックスモチーフは100
%同じである。(このF−ボックスモチーフのタンパク
のアミノ酸配列は、明細書末尾の配列表では配列番号:
1として示している。)
【0019】配列番号:1のアミノ酸配列から成るF−
ボックスモチーフタンパクをコードする遺伝子の塩基配
列は、マウス由来のものについては図14、ヒト由来の
ものについては、図15、また、配列番号:2から成る
マウス由来のF−ボックスタンパク(m−FWD1)を
コードする遺伝子の塩基配列は図16、配列番号:3の
ヒト由来のF−ボックスタンパク(h−FWD1または
h−βTrCP)をコードする遺伝子塩基配列は図17
に、それぞれ示している。なお、m−FWD1およびh
−βTrCPをコードする遺伝子(塩基配列)は、GenB
ank(米国厚生省データベース)に、それぞれ、アクセ
ション番号(accession number)AF081887およびY14
153として寄託されている。
【0020】後の実施例に詳述するように、本発明者
は、これらのF−ボックスタンパクが発現されるように
したインビボおよびインビトロの実験系を用い、IκB
およびβカテニンのユビキチン化のメカニズムを解明
し、次のように総括される知見を得た。
【0021】(1)本発明者が明らかにしたF−ボック
スタンパク(m−FWD1またはh−FWD1)は、S
kp1タンパクおよびCul1タンパクと結合してSC
F複合体を形成し、リン酸化酵素の存在下に、IκBま
たはβカテニンをユビキチン化し、分解を促進する。そ
の結合様式は、F−ボックスタンパクがSkp1タンパ
クに直接結合し、これにCul1タンパクが結合してい
る。
【0022】(2)IκBおよびβカテニンのユビキチ
ン化のためには、本発明によって定義されるF−ボック
スタンパク(m−FWD1またはh−FWD1)のF−
ボックスモチーフおよびFD40リピートモチーフが必
須である。F−ボックスモチーフタンパクは、Skp1
/Cul1タンパクに結合し、一方、WD40リピート
モチーフはリン酸化されたIκBまたはβカテニンを結
合させて、ユビキチン化反応を進行させる。
【0023】すなわち、本発明のF−ボックスモチーフ
が欠失すると、WD40リピートモチーフが存在しても
IκBまたはβカテニンのユビキチン化は起こらない。
また、本発明で定義される以外のF−ボックスモチーフ
とFD40リピートモチーフを有するF−ボックスタン
パク(例えば、m−FWD2)には、IκBまたはβカ
テニンをユビキチン化する能力はない。
【0024】以上の知見から、本発明のF−ボックスタ
ンパク(m−FWD1、配列番号:2;またはh−FW
D1、配列番号:3)およびそのF−ボックスモチーフ
(配列番号:1)は、IκBとβカテニンのユビキチン
化に特異的に関与しており、この特性を利用して、新し
い医薬の開発や治療法に関して次のような有用な情報が
得られるものと期待される。
【0025】IκBをユビキチン化し分解するメカニズ
ムが明らかになれば全く新しい作用機序に基づく抗炎症
薬の開発に役立つものと思われる。例えば、本発明のF
−ボックスタンパク(または、本発明のF−ボックスモ
チーフと他の適当なリピート配列を有するF−ボックス
タンパク)に結合し、その活性を阻害するような低分子
化合物をスクリーニングできれば、該化合物は、IκB
の分解を抑制することによって炎症性サイトカインのN
F−κBのシグナルを遮断する抗炎症薬となり得る可能
性がある。
【0026】また、βカテニンは現在大腸癌の発癌にお
いて最も重要な分子であり、その分解機能が明らかにな
れば大腸癌の診断・治療・予防に貢献する可能性が大き
い。たとえば、ウイルスベクターに本発明のF−ボック
スタンパクを組み込んで大腸癌に対して遺伝子治療を行
うことが期待できる。
【0027】このような医薬や治療法の開発に当たって
採用される実験系への本発明のF−ボックスタンパク等
の導入は、後述の実施例によって示唆されているよう
に、従来から当業者に知られた各種の手法を用いて容易
に行うことができる。
【0028】例えば、本発明のF−ボックスタンパク
(またはそのF−ボックスモチーフタンパク)、Skp
1タンパクおよびCul1タンパク、ならびにその他の
必要物質をコードする遺伝子(DNA)を組み込んだプ
ラスミドまたはファージをリポフェクションまたはリン
酸カルシウム法のような方法で適当な細胞系(例えば、
293T細胞、HeLa細胞、L細胞)にトランスフェ
クションすることによってインビボの実験系が構築でき
る。
【0029】また、例えば、本発明のF−ボックスタン
パク(またはF−ボックスモチーフタンパク)、および
その他の必要物質を予め合成するか、または適当な発現
系(大腸菌発現系、バキュロウイルス発現系など)を用
いて発現させた後、Skp1タンパクやCul1タンパ
クの産生能のある細胞抽出液(293T細胞、HeLa
細胞、L細胞などの抽出液)に混合すればインビトロの
実験系が得られる。
【0030】
【実施例】以下の実施例は、IκBとβカテニンのユビ
キチン化には本発明のF−ボックスタンパクを含むユビ
キチンリガーゼSCF複合体が関与していることを示す
インビボおよびインビトロの実験結果である。
【0031】この実施例では、マウス由来のF−ボック
スタンパク〔m−FWD1(配列番号:2)、以下、単
にFWD1と記す〕を用いているが、ヒト由来のF−ボ
ックスタンパク〔h−FWD1(配列番号:3)〕を用
いた場合でも同様の結果が得られる。なお、以下の説明
および図中、FWD1(△F)、FWD1(△WD)、
FWD1(△N/F)と記しているのは、FWD1か
ら、それぞれ、F−ボックスモチーフ、WD40リピー
ト、N末端領域(140個のアミノ酸から成る)とF−ボ
ックスモチーフを人工的に欠失させたものである。
【0032】インビボの実験系では、リン酸カルシウム
法で処理した293T細胞(ヒト胎児腎臓細胞由来細胞
株)を、FWD1またはその一部を欠失させたもの、S
kp1、Cul1、標的タンパク質(IκBα、βカテ
ニン)、リン酸化酵素(IKK−2、Axin、GSK
−3β)、または対照(コントロール)用タンパク〔F
WD2(m−FWD2)、p57(細胞増殖阻害性タンパ
ク)〕をコードする各cDNA〔それぞれ、後の免疫沈
降法やウエスタンブロッティングに供するためN末端に
常用のタグ(tag)を付けた〕を含む発現プラスミド
〔pcDNA3(米国Invitrogen社製)またはpCIn
eo(米国Promega社製)〕を用いてトランスフェクシ
ョンした。
【0033】インビトロの実験系では、米国Clontech社
から入手したバキュロウイルス発現系を採用した。すな
わち、FWD1またはその一部を欠失させたもの、リン
酸化酵素または標的タンパク質をコードする各cDNA
(後の免疫沈降法やウエスタンブロッティングに供する
ためN末端にタグを付けた)をバキュロウイルストラン
スファーベクターpBacPAK9に組み込み、Sf9
細胞(カイコ由来株化細胞)へ形質転換した後、組換え
体プラークを採集、PCR法で増殖することによりサブ
クローニングした。得られた各cDNAを含む組換えp
BacPAK9をバキュロウイルスDNA BacPA
KとともにSf9細胞に形質転換、増殖させることによ
り、各タンパク質を発現させ、これを所定の細胞の抽出
液(溶解液)と混合した。
【0034】これらの実験に用いたFWD1またはその
変異体の遺伝子(DNA塩基配列)は如上の記載から明
らかであろう。また、SCF複合体のその他のタンパク
をコードする遺伝子は下記のように寄託されている:S
Kp1(GenBank、アクセション番号AF083214)およ
びCul1(GenBank、AF083216)。
【0035】本実施例では、主として免疫沈降法(Immu
noprecipitation、以下の説明および図中ではIPと略称
する)およびウエスタンブロッティング法(Immunoblot
ting、以下の説明および図中ではIBと略称する)を利用
して各タンパク質間の結合やユビキチン化反応を検討し
た。すなわち、目的のタンパク質に付いたタグ(tag)
に対する抗タグ抗体を用いて各タンパク質を沈降させる
とともに該タンパク質に結合している別のタンパク質を
共沈降させ(IP)、その後、沈降物を電気泳動させてそ
れぞれのタンパク質に対する抗体を用いて各タンパク質
の存否を検出(IB)した。
【0036】IPおよびIBに用いた抗体(Ab)は以下の
とおりであり、括弧内に入手先を示す:anti-Myc Ab (9
E10 : Boehringer Mannheim) , anti-Flag Ab (M5 : IB
I) ,anti-HA Ab (12CA5 : Boehringer Mannheim) , ant
i-Ub(ユビキチン) Ab (1B3 : MBL), およびanti-β-c
atenin Ab (Santa Cruz, cat. # SC-1496)。
【0037】実施例1:FWD1によるIκB(IκB
α)のユビキチン化と分解促進 図3 :図3は、本発明のF-ボックスタンパク(FWD
1)のSkp1タンパクとの結合を検討したIPおよび
IBの実験結果の1例を示す電気泳動図である。
【0038】Skp1cDNAのN末端にMyc-tagを付
けたもの(以下、Myc-Skp1と記す)を次の3つの内の1
つと一緒に293T細胞にトランスフェクションを行った:
レーン(lane)1、p57cDNAのN末端にFlag-tagを付
けたもの(以下、Flag-p57);レーン2、FWD1c
DNAのN末端にFlag-tagを付けたもの(以下、Flag-F
WD1);レーン3、FWD1(△F)cDNAのN末端
にFlag-tagを付けたもの(以下、Flag-FWD1(△
F))。
【0039】トランスフェクションから48時間後に細胞
を回収して界面活性剤で溶解し、細胞抽出液を得た。こ
の細胞抽出液に抗Myc抗体(anti-Myc、その他の
抗体も図中ではこのように表記している)を加え、さら
にプロテインG−セファロースを加えると、Myc−ta
gの付いたタンパク(ここではMcy−Skp1)が抗
Myc抗体に結合し、それがさらにプロテインG−セフ
ァロースと結合するので、Myc−Slp1を沈殿させ
ることができる。このIPによりMyc−Skp1が沈
降してくるが、Myc−Skp1に結合しているタンパ
クもまた沈降(共沈降)してくる。以下の多くの実験は
この共沈降という現象を通じてタンパク質の結合を調べ
たものである。
【0040】図の一番上は抗Myc抗体でIPした後、
沈降物を電気泳動して、抗Flag抗体でIBを行った
ものである。このときレーン2のみにバンドが出ている
ことから、抗Myc抗体でIPされるもの(つまりMy
c−Skp1)にFlag−FWD1がついてくることを示
す。しかしFlag−p57はMyc−Skp1に結合してい
ない。さらに、Flag−FWD1(△F)も結合していな
い。このことからFWD1のF−ボックスモチーフがS
kp1との結合に必須であることがわかる。
【0041】その下の10%inputとは、IPをせずに細
胞抽出液の1/10をそのまま電気泳動して抗Flag抗体で
IBしたものである。これはFlag−p57、Flag-F
WD1、Flag-FWD1(△F)が本当に存在している
かどうかを確認するためのコントロールである。すなわ
ち、Flag−p57やFlag-FWD1(△F)は細胞抽
出液中には存在しているが、Myc−Skp1の免疫沈
降物の中には含まれていないということを示している。
【0042】以下の各図においても10%inputとは、各
タンパクの実在を確認した結果である。なお、各電気泳
動図において、右端に各タンパク質の標準位置を示して
いる。その下(3段目)の実験は、一番上の実験の裏を
とったもの、すなわち、抗Flag抗体でIPし、抗Myc
抗体でIBしたものである。これはFlag-FWD1の免
疫沈降物にMyc−Skp1が含まれていることの証明
である。つまりこれは一番上の列の実験を逆から行った
もので、同じ結果となっている。一番下の段は10%inpu
tを抗Myc抗体でIBしたものである。全てのレーン
にMyc−Skp1が存在しているのがわかる。
【0043】図4:図4は、本発明のF−ボックスタンパ
ク(FWD1)のSkp1およびCul1との結合様式
を検討したIPおよびIBの実験結果の1例を示す電気
泳動図である。図の見方は、図3に関して上述したのと
同様である。
【0044】293T細胞にFlag-FWD1、HA−Cull、
Myc−Skp1をトランスフェクションした(図の上
部の+サインがあるのは、当該タンパクをトランスフェ
クションしたことを示す)。但しコントロールとしてレ
ーン1はFlag-FWD1の変わりにFlag-P27を、レーン
4はHA−Cullの代わりにHA−E2−25kをトランスフェ
クションした。レーン1〜4は細胞抽出液を抗Flag抗体
でIPしたもの、レーン5〜8はIPする以前の細胞抽
出液の1/10をそのまま電気泳動してウエスタンブロッ
ティング法で検出したものである。抗HA抗体でIBし
たもの(最上段)は、Flag-FWD1にHA−Cul1
が結合していることを示す。この量はMyc−Skp1
をトランスフェクションしたもの(レーン3)の方がし
ていないもの(レーン2)よりも多いことから、Skp
1の存在がFWD1−Cul1の安定化に役立っている
と考えられる。このときFlag-p27とHA−Cul1の
結合は検出されない。さらにFlag-FWD1とHA−E
2−25kの結合も検出されないことから、FWD1−C
ul1の結合は特異的なものであることが明かである。
【0045】次に抗Flag抗体でIPしたものを抗Myc
抗体でIBした。Flag-FWD1とMyc−Skp1があ
れば、HA−Cul1がない状態でも(レーン4)My
c−Skp1が検出できることから、Flag-FWD1と
Myc−Skp1はHA−Cul1を介さずに直接結合
していることが理解される。10%input(レーン5〜
8)では全てのトランスフェクションしたタンパクが発
現して存在していることを示している。
【0046】図5:図5は、本発明のF-ボックスタンパ
ク(FWD1)のIκBおよびリン酸化酵素との結合を
検討したIPおよびIBの実験結果の1例を示す電気泳
動図である。293T細胞にFlag−IκBα、Flag−IKK−
2、Myc−FWD2(レーン1,2)またはMyc−
FWD1(レーン3〜8)をトランスフェクションした
(図の上部の+サイン)。IKK−2はIκBαに対す
るリン酸化酵素である。まずこの細胞抽出液を抗Myc
抗体でIPし、抗Flag抗体でIBした。その下の段は抗
リン酸化IκBαでIBした。どちらも結果は同じであ
る(レーン4のみに特異的なリン酸化IκBαのバンド
が検出される)。Flag−IKK−2はこの図では見えな
い(もっと上方に存在する)。
【0047】Myc−FWD2をトランスフェクション
した細胞ではFlag-IKK−2の有無に関わらずMyc
−FWD2にFlag−IκBαは結合していない(レーン
1、2)。レーン3はリン酸化酵素であるFlag−IKK
−2が存在しないが、この状態ではFWD1はIκBに
結合することはできない。これはFWD1はリン酸化さ
れたIκBαのみに結合することを示唆する。レーン4
ではFWD1はリン酸化されたIκBαのみに結合する
ことが明らかにされている。レーン5ではFlag-IKK
−2に点変異を導入して、リン酸化活性を失わせたもの
をトランスフェクションしたものであるが、FWD1は
IκBαに結合しない。このことはIKK−2のリン酸
化活性が重要であることを意味する。さらにレーン7で
はIKK−2は存在するがIκBαのリン酸化サイトに
点変異を入れてリン酸化できなくしたものを正常IκB
αの代わりに入れている。この場合もやはりFWD1は
IκBαに結合しない。レーン8はIκBαを入れてい
ないので当然何も検出できない。以上からFWD1はリ
ン酸化されたIκBαのみに結合することが明らかであ
る。
【0048】さらに下の2段は10%inputを調べたもの
であるが、重要なのはレーン4のみIκBαの量が極端に
減少していることである。これはIKK−2とFWD1
の存在下でIκBαの分解が亢進していることを示す。
【0049】図6:図6は、本発明のF−ボックスタン
パク(FWD1)のIκBに対するユビキチン化能を検
討したIPおよびIBの実験結果の1例を示す電気泳動
図である。293T細胞にIKK−2(全レーン)、正常
IκBα(WT;レーン1〜3)またはIκBαのリン
酸化サイトに点変異を入れて(32位および36位のセリン
をアラニンに置換)リン酸化できなくしたもの(32/36
SA;レーン4〜6)、mock(ベクターのみ;レーン1〜
4)、Flag-FWD2(レーン2、5)またはFlag-FWD
1(レーン3,6)をトランスフェクションした。細胞抽
出液を抗Myc抗体(IκBα)でIPし、抗ユビキチン
抗体(最上段)、抗Myc抗体(第2段;IκBαを検
出)、抗Flag抗体(第3段;FWD1またはFWD2を検
出)でIBした。正常IκBαはIKK−2とFWD1
の存在下で高度にユビキチン化されている(レーン3)。
しかしFWD2ではこの効果はない。また32/36SA型
変異が入っているIκBαでは、FWD1があってもユ
ビキチン化は起こらない。レーン3では前図と同様にI
κBαの発現量の減少が観察される(第2段目)。
【0050】図7:図7は、本発明のF−ボックスタンパ
ク(FWD1)のIκBに対するユビキチン化能を検討
したIPおよびIBの実験結果の別の例を示す電気泳動
図である。293T細胞にIκBαとIKK−2(全レー
ン)、Flag-FWD2(レーン1)、Flag-FWD1(レー
ン2)またはFlag-FWD1(△F)(レーン3)をトランス
フェクションした。レーン2では図6のレーン3と同様
にMyc−IκBαが高度にユビキチン化されている。
しかしこの現象はFlag-FWD1(△F)では認められな
いことから、ユビキチン化するためにはF−ボックスモ
チーフタンパクが必要なことが明かである。またレーン
2では図6と同様にIκBαの発現量の減少が観察され
る(第2段目)。また第3段目ではFWD1(△F)はIκ
Bαと結合していることがわかった(レーン3)。つま
りFWD1(△F)はIκBαと結合する能力は保持して
いるが、ユビキチン化する能力は失われていることがわ
かる。FWD1がIκBαと結合する領域はF−ボック
スモチーフタンパクではないと理解される。
【0051】図8:図8は、如上のアッセイがインビボ
(細胞内)であったのに対し、インビトロで本発明のF−
ボックス(FWD1)タンパクにおけるタンパク質間結
合やユビキチン化を検討したIPおよびIBの実験結果
の1例を示す電気泳動図である。
【0052】カイコの細胞(sf9)に組換えバキュロ
ウイルスによって発現させたタンパク質(IκBα、I
KK−2、FWD1)と293T細胞から得た細胞抽出液
を100,000gで超遠心した上清(S100)を試験管内で混合
した。上段はその混合物を抗IκBα抗体でIPし、抗
ユビキチン抗体でIBしたものである。S100以外のも
のを混合しても全くIκBαのユビキチン化は認められ
ない。逆にIκBαとS100を混合するだけで若干のユ
ビキチン化は認められる(つまり弱いユビキチン化活性
がS100に存在する)。これにIKK−2かFWD1の
どちらか一方を加えても大きな変化はないが、IKK−
2とFWD1の両者を加えると非常に強いユビキチン化
が認められる。
【0053】下段は抗IκBα抗体でIPし、抗Myc
抗体でIBしたものである。するとインビトロでFWD
1とIκBαはIKK−2がある条件下のみ結合する
(レーン3,7)。この結合にS100は不要である(レーン
3)。IKK−2がないと結合しない(レーン6)。
【0054】図9:図9は、本発明のF−ボックスタンパ
ク(FWD1)のIκBに対する分解速度を検討したI
B実験結果の1例を示す電気泳動図である。Aは293T細
胞にMyc−IκBαをトランスフェクションし、35
−メチオニンで合成した全タンパクを放射ラベルし、そ
の後35S−メチオニンを洗い流すことにより、放射ラベ
ルされたタンパクが分解する時間を調べたものである。
FWD1もIKK−2もトランスフェクションしていな
いものでは最上段のようにMyc−IκBαが減少す
る。この減少率はFWD1を一緒にトランスフェクショ
ンしたものでもあまり変化ない(第2段)。IKK−2を
トランスフェクションしたものでは分解が少々速まる
(第3段)。さらにIKK−2とFWD1の両者を加える
と非常に速い分解が認められる(最下段)。
【0055】Bは、Aと同じ実験であるが、最上段はI
KK−2をトランスフェクションしたもの、第2段はI
KK−2とFWD1の両者を加えたもので結果はAと同
じである。さらに、ここでFWD1(△F)を大量発現し
てやると、FWD1(△F)は内在性のFWD1よりも量
が多く、殆どのIκBαと結合するが、Skp1やCu
l1とは結合できないために結果的にIκBαのユビキ
チン化による分解を阻害する(最下段)。
【0056】図10:図10は、本発明のF−ボックスタン
パク(FWD1)を用いてIκBがユビキチン化、分解
されるとNF−κBが細胞内で移行する様子を調べるた
めに行った蛍光抗体法による実験の結果を示す図であ
る。
【0057】IκBαが分解されれば、細胞質でIκB
αと結合しているNF−κBは自由になって核へ移行で
きるようになる。そこでNF−κBの細胞内分布とFW
D1やIKK−2との関係を追ってみた。Flag-FWD
1をトランスフェクションしたもの(上段;塗りつぶし
矢印)は抗p65/RelA(NF−κBの一部)抗体で
細胞を染色するとNF−κBは細胞質に存在することが
わかる(左列)。空き矢印はトランスフェクションされ
なかった細胞を示す(抗Flag抗体で染まらない;中央
列)。右列は、全ての細胞核をHoechst33258という色素
で染色したものである(核の位置を見るために便利であ
る)。左・中・右は、同じ細胞を違うフィルターで見て
いるものであるから、細胞の位置は完全に一致してい
る。
【0058】第2段目はIKK−2をトランスフェクシ
ョンしたものである。結果は第1段目と同じである。
【0059】第3段目はFWD1とIKK−2を両方ト
ランスフェクションしたものである。するとトランスフ
ェクションされた細胞では明らかにNF−κBが核に移
行している。隣のトランスフェクションされていない細
胞では依然細胞質に存在する。このことからFWD1と
IKK−2は共同してIκBαを分解し、細胞質でIκ
Bαと結合していたNF−κBを開放して核へ移行でき
るようにすると考えられる。
【0060】実施例2:FWD1によるβカテニンのユ
ビキチン化 実施例1のIκBの場合と同様に、βカテニンについて
も本発明のF−ボックスタンパク(FWD1)によるタ
ンパク質間結合およびユビキチン化反応をインビボまた
はインビトロの実験系で検討した。以下の説明では、省
略している部分もあるが、SCF複合体の結合状態やF
−ボックスにおける各領域(モチーフ)の機能、標的タン
パク質(基質:βカテニン)およびリン酸化酵素との結合
の様子は、基本的にはIκBの場合に類似している。但
し、βカテニンの場合は、リン酸化酵素Axinやリン酸化
酵素複合体(GSK−3β/Axin/APC)とFWD1
とβカテニンが特に強く結合していることが示された。
【0061】以下、幾つかの実験例の結果を図に沿って
示す。各図の見方は、実施例1の場合と同様であるので
簡単に説明する。図11 :図11は、本発明のF−ボックスタンパク(FWD
1)のβカテニンおよびAxinとの結合を検討したIPお
よびIBの実験結果の1例を示す電気泳動図である。
【0062】本発明のF−ボックスタンパクFWD1
は、βカテニンおよびAxinに結合することができ(レー
ン2)、この結合能はF−ボックスモチーフが欠失して
も保持されるが(レーン6)、その他の領域が欠失する
と損なわれる(レーン3〜5)。コントロールのFWD
2は、βカテニンおよびAxinのいずれに対しても結合能
を有しない(レーン1)。
【0063】図示していない他のIP/IB実験から、
本発明のFWD1はAxinがあればβカテニンと結合する
ことが確認されている。また、本発明のFWD1はβカ
テニンおよびリン酸化酵素複合体(GSK−3β/Axin
/APC)と強く結合することも明らかにされている。
AxinはGSK−3βおよびβカテニンとコンプレックスを
形成してGSK−3βによるβカテニンのリン酸を促進す
ることが知られている〔Ikeda他、EMBO J, 17, 1371-13
84 (1998)〕。したがって、本発明のFWD1は、リン
酸化酵素(またはリン酸化酵素複合体)およびβカテニ
ンとコンプレックスを形成してユビキチン化を促進し、
その際のリン酸化酵素(複合体)/ βカテニンとの結
合部位はF−ボックスモチーフではないものと解され
る。
【0064】図12:図12は、プロテアソームインヒビタ
ーの存在下における本発明のF−ボックスタンパク(F
WD1)のユビキチン化能を検討したIPおよびIBの
実験結果の1例を示す電気泳動図である。
【0065】プロテアソームインヒビター(LLnL)
で処理し、ユビキチン化されたβカテニンの蓄積状況を
見た。本発明のFWD1はLLnLで処理されるとユビ
キチン化が著しく増強されており(レーン2)、高いユ
ビキチン化能を有することが明かであるが、コントロー
ル(対照)のFWD2ではユビキチン化は僅かしか生じ
ていない(レーン1)。また、F−ボックスモチーフが
欠失したFWD1(△F)では、βカテニンのユビキチ
ン化が抑制されてしまう(レーン3)。
【0066】図13:図13は、本発明のF−ボックスタン
パク(FWD1)のβカテニンに対する分解を検討した
インビトロ実験の結果を示すグラフである。既述したよ
うにバキュロウイルス発現系を用いてβカテニン、My
c−AxinおよびFlag-FWD1を発現させたSf9細胞
を溶解緩衝液で処理してリゼイト(溶解液)を調製し
た。SW480細胞のリゼイトに上記Sf9細胞リゼイトを
分解混合液〔50mMのトリスHCl(pH8.3)、3.2mMの
DTT、5mMのMgCl2、2.5mMのATP、1mM
のホスホクリアチン、500U/mlのホスホクレアチン
キナーゼ、25μg/mlユビキチンアルデヒド、1.5m
g/mlのユビキチン、および10μg/mlのプロテア
ーゼインヒビター〕とともに37℃で0〜2時間インキュ
ベーションすることによってβカテニンの分解能を調べ
た。SW480細胞は、ヒトの結腸癌細胞由来の細胞株で
あり、APCの機能が欠損しているためにβカテニンの
蓄積をもたらす。
【0067】図に示すように、AxinおよびFWD1が存
在しないコントロールでは、βカテニンは分解されず経
時的に増大している。Axinが導入されると、βカテニン
の分解が起こり、特にAxinとFWD1が併存するとその
効果が顕著である。しかし、F−ボックスモチーフが欠
失したFWD1(図中、「+Axin+△F」と記す)では、A
xinによって誘起された分解活性が阻害されていること
が理解される。
【0068】同様の結果は、蛍光抗体法を用いたインビ
ボの実験系でも確認されており、SW480細胞にAxinま
たはFWD1を導入すると細胞質のβカテニンが消失す
るが、FWD2はβカテニンの減少に効果を発揮しなか
った(図示せず)。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Japan Science and Technology Corporation <120> F-box protein of ubiquitin ligase SCF complex which promotes the ubiquitination of IκB or β-catenin <130> P0363T <160> 3 <210> 1 <211> 45 <212> PRT <213> Homo sapiens, or Mus musculus <400> 1 Leu Pro Ala Arg Gly Leu Asp His Ile Ala Glu Asn Ile Leu Ser Tyr 1 5 10 15 Leu Asp Ala Lys Ser Leu Cys Ala Ala Glu Leu Val Cys Lys Glu Trp 20 25 30 Tyr Arg Val Thr Ser Asp Gly Met Leu Trp Lys Lys Leu 35 40 <210> 2 <211> 569 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 2 Met Asp Pro Ala Glu Ala Val Leu Gln Glu Lys Ala Leu Lys Phe Met 1 5 10 15 Asn Ser Ser Glu Arg Glu Asp Cys Asn Asn Gly Glu Pro Pro Arg Lys 20 25 30 Ile Ile Pro Glu Lys Asn Ser Leu Arg Gln Thr Tyr Asn Ser Cys Ala 35 40 45 Arg Leu Cys Ile Asn Gln Glu Thr Val Cys Leu Thr Ser Thr Ala Met 50 55 60 Lys Thr Glu Asn Cys Val Ala Lys Ala Lys Leu Ala Asn Gly Thr Ser 65 70 75 80 Ser Met Ile Val Pro Lys Gln Arg Lys Leu Ser Ala Ser Tyr Glu Lys 85 90 95 Glu Lys Glu Leu Cys Val Lys Tyr Phe Glu Gln Trp Ser Glu Ser Asp 100 105 110 Gln Val Glu Phe Val Glu His Leu Ile Ser Gln Met Cys His Tyr Gln 115 120 125 His Gly His Ile Asn Ser Tyr Leu Lys Pro Met Leu Gln Arg Asp Phe 130 135 140 Ile Thr Ala Leu Pro Ala Arg Gly Leu Asp His Ile Ala Glu Asn Ile 145 150 155 160 Leu Ser Tyr Leu Asp Ala Lys Ser Leu Cys Ala Ala Glu Leu Val Cys 165 170 175 Lys Glu Trp Tyr Arg Val Thr Ser Asp Gly Met Leu Trp Lys Lys Leu 180 185 190 Ile Glu Arg Met Val Arg Thr Asp Ser Leu Trp Arg Gly Leu Ala Glu 195 200 205 Arg Arg Gly Trp Gly Gln Tyr Leu Phe Lys Asn Lys Pro Pro Asp Glu 210 215 220 Asn Ala Pro Pro Asn Ser Phe Tyr Arg Ala Leu Tyr Pro Lys Ile Ile 225 230 235 240 Gln Asp Ile Glu Thr Ile Glu Ser Asn Trp Arg Cys Gly Arg His Ser 245 250 255 Leu Gln Arg Ile His Cys Arg Ser Glu Thr Ser Lys Gly Val Tyr Cys 260 265 270 Leu Gln Tyr Asp Asp Gln Lys Ile Val Ser Gly Leu Arg Asp Asn Thr 275 280 285 Ile Lys Ile Trp Asp Lys Ser Thr Leu Glu Cys Lys Arg Ile Leu Thr 290 295 300 Gly His Thr Gly Ser Val Leu Cys Leu Gln Tyr Asp Glu Arg Val Ile 305 310 315 320 Ile Thr Gly Ser Ser Asp Ser Thr Val Arg Val Trp Asp Val Asn Ala 325 330 335 Gly Glu Met Leu Asn Thr Leu Ile His His Cys Glu Ala Val Leu His 340 345 350 Leu Arg Phe Asn Asn Gly Met Met Val Thr Cys Ser Lys Asp Arg Ser 355 360 365 Ile Ala Val Trp Asp Met Ala Ser Pro Thr Asp Ile Thr Leu Arg Arg 370 375 380 Val Leu Val Gly His Arg Ala Ala Val Asn Val Val Asp Phe Asp Asp 385 390 395 400 Lys Tyr Ile Val Ser Ala Ser Gly Asp Arg Thr Ile Lys Val Trp Asn 405 410 415 Thr Ser Thr Cys Glu Phe Val Arg Thr Leu Asn Gly His Lys Arg Gly 420 425 430 Ile Ala Cys Leu Gln Tyr Arg Asp Arg Leu Val Val Ser Gly Ser Ser 435 440 445 Asp Asn Thr Ile Arg Leu Trp Asp Ile Glu Cys Gly Ala Cys Leu Arg 450 455 460 Val Leu Glu Gly His Glu Glu Leu Val Arg Cys Ile Arg Phe Asp Asn 465 470 475 480 Lys Arg Ile Val Ser Gly Ala Tyr Asp Gly Lys Ile Lys Val Trp Asp 485 490 495 Leu Met Ala Ala Leu Asp Pro Arg Ala Pro Ala Gly Thr Leu Cys Leu 500 505 510 Arg Thr Leu Val Glu His Ser Gly Arg Val Phe Arg Leu Gln Phe Asp 515 520 525 Glu Phe Gln Ile Val Ser Ser Ser His Asp Asp Thr Ile Leu Ile Trp 530 535 540 Asp Phe Leu Asn Asp Pro Ala Ala His Ala Glu Pro Pro Arg Ser Pro 545 550 555 560 Ser Arg Thr Tyr Thr Tyr Ile Ser Arg 565 <210> 3 <211> 569 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 3 Met Asp Pro Ala Glu Ala Val Leu Gln Glu Lys Ala Leu Lys Phe Met 1 5 10 15 Asn Ser Ser Glu Arg Glu Asp Cys Asn Asn Gly Glu Pro Pro Arg Lys 20 25 30 Ile Ile Pro Glu Lys Asn Ser Leu Arg Gln Thr Tyr Asn Ser Cys Ala 35 40 45 Arg Leu Cys Leu Asn Gln Glu Thr Val Cys Leu Ala Ser Thr Ala Met 50 55 60 Lys Thr Glu Asn Cys Val Ala Lys Thr Lys Leu Ala Asn Gly Thr Ser 65 70 75 80 Ser Met Ile Val Pro Lys Gln Arg Lys Leu Ser Ala Ser Tyr Glu Lys 85 90 95 Glu Lys Glu Leu Cys Val Lys Tyr Phe Glu Gln Trp Ser Glu Ser Asp 100 105 110 Gln Val Glu Phe Val Glu His Leu Ile Ser Gln Met Cys His Tyr Gln 115 120 125 His Gly His Ile Asn Ser Tyr Leu Lys Pro Met Leu Gln Arg Asp Phe 130 135 140 Ile Thr Ala Leu Pro Ala Arg Gly Leu Asp His Ile Ala Glu Asn Ile 145 150 155 160 Leu Ser Tyr Leu Asp Ala Lys Ser Leu Cys Ala Ala Glu Leu Val Cys 165 170 175 Lys Glu Trp Tyr Arg Val Thr Ser Asp Gly Met Leu Trp Lys Lys Leu 180 185 190 Ile Glu Arg Met Val Arg Thr Asp Ser Leu Trp Arg Gly Leu Ala Glu 195 200 205 Arg Arg Gly Trp Gly Gln Tyr Leu Phe Lys Asn Lys Pro Pro Asp Gly 210 215 220 Asn Ala Pro Pro Asn Ser Phe Tyr Arg Ala Leu Tyr Pro Lys Ile Ile 225 230 235 240 Gln Asp Ile Glu Thr Ile Glu Ser Asn Trp Arg Cys Gly Arg His Ser 245 250 255 Leu Gln Arg Ile His Cys Arg Ser Glu Thr Ser Lys Gly Val Tyr Cys 260 265 270 Leu Gln Tyr Asp Asp Gln Lys Ile Val Ser Gly Leu Arg Asp Asn Thr 275 280 285 Ile Lys Ile Trp Asp Lys Asn Thr Leu Glu Cys Lys Arg Ile Leu Thr 290 295 300 Gly His Thr Gly Ser Val Leu Cys Leu Gln Tyr Asp Glu Arg Val Ile 305 310 315 320 Ile Thr Gly Ser Ser Asp Ser Thr Val Arg Val Trp Asp Val Asn Thr 325 330 335 Gly Glu Met Leu Asn Thr Leu Ile His His Cys Glu Ala Val Leu His 340 345 350 Leu Arg Phe Asn Asn Gly Met Met Val Thr Cys Ser Lys Asp Arg Ser 355 360 365 Ile Ala Val Trp Asp Met Ala Ser Pro Thr Asp Ile Thr Leu Arg Arg 370 375 380 Val Leu Val Gly His Arg Ala Ala Val Asn Val Val Asp Phe Asp Asp 385 390 395 400 Lys Tyr Ile Val Ser Ala Ser Gly Asp Arg Thr Ile Lys Val Trp Asn 405 410 415 Thr Ser Thr Cys Glu Phe Val Arg Thr Leu Asn Gly His Lys Arg Gly 420 425 430 Ile Ala Cys Leu Gln Tyr Arg Asp Arg Leu Val Val Ser Gly Ser Ser 435 440 445 Asp Asn Thr Ile Arg Leu Trp Asp Ile Glu Cys Gly Ala Cys Leu Arg 450 455 460 Val Leu Glu Gly His Glu Glu Leu Val Arg Cys Ile Arg Phe Asp Asn 465 470 475 480 Lys Arg Ile Val Ser Gly Ala Tyr Asp Gly Lys Ile Lys Val Trp Asp 485 490 495 Leu Val Ala Ala Leu Asp Pro Arg Ala Pro Ala Gly Thr Leu Cys Leu 500 505 510 Arg Thr Leu Val Glu His Ser Gly Arg Val Phe Arg Leu Gln Phe Asp 515 520 525 Glu Phe Gln Ile Val Ser Ser Ser His Asp Asp Thr Ile Leu Ile Trp 530 535 540 Asp Phe Leu Asn Asp Pro Ala Ala Gln Ala Glu Pro Pro Arg Ser Pro 545 550 555 560 Ser Arg Thr Tyr Thr Tyr Ile Ser Arg 565
【図面の簡単な説明】
【図1】マウス由来およびヒト由来のF−ボックスタン
パクのアミノ酸配列を対比して示す。
【図2】F−ボックスタンパクのアミノ酸配列を対比し
て示す図1の続きである。
【図3】本発明のF−ボックスタンパクのSkp1タン
パクとの結合を検討したIPおよびIBの実験結果の1
例を示す電気泳動図である。
【図4】本発明のF−ボックスタンパクのSkp1およ
びCul1との結合様式を検討したIPおよびIBの実
験結果の1例を示す電気泳動図である。
【図5】本発明のF−ボックスタンパクのIκBおよび
リン酸化酵素との結合を検討したIPおよびIBの実験
結果の1例を示す電気泳動図である。
【図6】本発明のF−ボックスタンパクのIκBに対す
るユビキチン化能を検討したIPおよびIBの実験結果
の1例を示す電気泳動図である。
【図7】本発明のF−ボックスタンパクのIκBに対す
るユビキチン化能を検討したIPおよびIBの実験結果
の別の例を示す電気泳動図である。
【図8】インビトロで本発明のF−ボックスタンパクに
おけるタンパク質間やユビキチン化を検討したIPおよ
びIBの実験結果の1例を示す電気泳動図である。
【図9】本発明のF−ボックスタンパクのIκBに対す
る分解速度を検討したIB実験結果の1例を示す電気泳
動図である。
【図10】本発明のF−ボックスタンパクを用いてIκB
がユビキチン化、分解されるとNF−κBが細胞内で移
行する様子を調べるために行った蛍光抗体法による実験
の結果を示す図である。
【図11】本発明のF−ボックスタンパクのβカテニンお
よびAxinとの結合を検討したIPおよびIBの実験結果の
1例を示す電気泳動図である。
【図12】プロテアソームインヒビターの存在下における
本発明のF−ボックスタンパクのβカテニンに対するユ
ビキチン化能を検討したIPおよびIBの実験結果の1
例を示す電気泳動図である。
【図13】本発明のF−ボックスタンパクのβカテニンに
対する分解能を検討したインビトロ実験の結果を示すグ
ラフである。
【図14】本発明のF-ボックスモチーフタンパク(マウス
由来)をコードする遺伝子の塩基配列の1例を示す。
【図15】本発明のF-ボックスモチーフタンパク(ヒト由
来)をコードする遺伝子の塩基配列の1例を示す。
【図16】本発明のF-ボックスタンパク(マウス由来)をコ
ードする遺伝子の塩基配列の1例を示す。
【図17】本発明のF-ボックスタンパク(ヒト由来)をコー
ドする遺伝子の塩基配列の1例を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北川 雅敏 福岡県福岡市東区馬出3−1−1 九州大 学 生体防御医学研究所内 (72)発明者 畠山 鎮次 福岡県福岡市東区馬出3−1−1 九州大 学 生体防御医学研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 BA07 BA80 GA30 4B050 CC03 DD11 LL01 LL05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Skp1タンパク、Cul1タンパク、
    およびF−ボックスモチーフとWD40リピートモチー
    フを含むF−ボックスタンパクの複合体(SCF複合
    体)から構成され、IκBまたはβカテニンのユビキチ
    ン化を促進するユビキチンリガーゼSCF複合体のF−
    ボックスモチーフタンパクであって、配列番号:1で表
    されるアミノ酸配列を有することを特徴とするタンパ
    ク。
  2. 【請求項2】 Skp1タンパク、Cul1タンパク、
    およびF−ボックスモチーフとWD40リピートモチー
    フを含むF−ボックスタンパクの複合体(SCF複合
    体)から構成され、IκBまたはβカテニンのユビキチ
    ン化を促進するユビキチンリガーゼSCF複合体のF−
    ボックスタンパクであって、配列番号:2のアミノ酸配
    列を有することを特徴とするタンパク。
  3. 【請求項3】 Skp1タンパク、Cul1タンパク、
    およびF−ボックスモチーフとWD40リピートモチー
    フを含むF−ボックスタンパクの複合体(SCF複合
    体)から構成され、IκBまたはβカテニンのユビキチ
    ン化を促進するユビキチンリガーゼSCF複合体のF−
    ボックスタンパクであって、配列番号:3のアミノ酸配
    列を有することを特徴とするタンパク。
  4. 【請求項4】 配列番号:1のアミノ酸配列から成る請
    求項1のF−ボックスモチーフタンパクをコードする遺
    伝子。
  5. 【請求項5】 配列番号:2のアミノ酸配列から成る請
    求項2のF−ボックスタンパクをコードする遺伝子。
  6. 【請求項6】 配列番号:3のアミノ酸配列から成る請
    求項3のF−ボックスタンパクをコードする遺伝子。
JP10343437A 1998-12-02 1998-12-02 IκBまたはβカテニンのユビキチン化を促進するユビキチンリガーゼSCF複合体のF−ボックスタンパク Pending JP2000166542A (ja)

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JP10343437A Pending JP2000166542A (ja) 1998-12-02 1998-12-02 IκBまたはβカテニンのユビキチン化を促進するユビキチンリガーゼSCF複合体のF−ボックスタンパク

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008537115A (ja) * 2005-04-13 2008-09-11 ニューヨーク・ユニバーシティ 増殖障害及び分化障害の治療に有用な化合物の同定方法

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JP2008537115A (ja) * 2005-04-13 2008-09-11 ニューヨーク・ユニバーシティ 増殖障害及び分化障害の治療に有用な化合物の同定方法

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