【書類名】明細書
【発明の名称】ブラウン管用パネルのフェース面研磨装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有しブラウン管用パネルのフェース面に接触させる研磨具と、該研磨具を保持し回転させるための研磨治具とを有し、前記研磨具を回転させながらフェース面に押付けて研磨する研磨装置において、
前記研磨具と研磨治具との間に空間部が設けられており、該空間部を真空引きし、前記研磨具を裏側から吸引することによって、前記研磨具をフェース面の外面形状に近い形状に変形せしめるとともに、前記研磨具に張力を発生させるように構成されていることを特徴とするブラウン管用パネルのフェース面研磨装置。
【請求項2】
前記空間部が非真空状態であるとき、前記研磨具が略平面状である請求項1記載のフェース面研磨装置。
【請求項3】
前記研磨具が、ゴム製の基体と、該基体に埋め込まれた多数の砥石支持体と、該砥石支持体に接合された砥石とからなる請求項1または2記載のフェース面研磨装置。
【請求項4】
前記空間部にクッション材が設けられている請求項1、2または3記載のフェース面研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブラウン管用パネルのフェース部の外面、すなわちフェース面を研磨する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりブラウン管用パネル(以下パネルとする)のフェース面の研磨は、研磨材スラリを供給しつつ、弾性支持された研磨具をパネルに押付けながら相対的に運動させる装置によってなされている。
【0003】
また、この研磨工程は通常粗研磨、中研磨、艶出し研磨の3段階からなる。この場合、研磨材として多用されているのは、粗研磨ではガーネット、中研磨ではパーミス、艶出し研磨では酸化セリウムである。研磨具として多用されているのは、粗研磨では多数の鋼鉄製の円柱を硬質ゴムに埋め込んだ構造のもの、中研磨では中程度のゴム硬度を持つゴム板またはゴム筒、艶出し研磨では人工皮革やフェルト製の円盤または筒である。
【0004】
いずれの工程でも、研磨具はパネルのフェース面の外面形状に馴染むための可撓性を有する。また、研磨具をパネルに密着させる手段として、研磨具を保持しつつ研磨作用を研磨具に伝達するための研磨治具の内部にクッション材を設けている。図3に、この粗研磨工程の従来技術の代表例を示す。
【0005】
図示するように鋼鉄製のピース(鉄ピース)21とゴム製の基体22とからなる研磨具の裏側に、クッション材23と金属製の研磨治具本体24などからなる研磨治具が設けられている。前記研磨具は回転軸25に取り付けられた研磨治具本体24を介して回転および昇降できるようになっており、回転テーブル18に載置したパネル17のフェース面を、鉄ピース21により研磨スラリを用いて研磨する。この場合、研磨具はパネル17に馴染むように適度の可撓性を有する。
【0006】
次に、研磨具の可撓性が必要な理由を説明する。パネルのフェース面研磨の主目的は、成形時に生じた表面の小孔やしわなどの除去を、研磨代をミニマムに抑えつつ実施することにある。一方、成形されたままのパネルの外面形状は、必ずしも製品設計に対して精度よく合致するように作られてはいない。ブラウン管としては、内面の寸法精度がより重要であり、成形時には内面の寸法を優先させて成形条件を制御するので、外面の精度は一般に高くないからである。
【0007】
これらの事情により、たとえ設計されたフェース面形状が球面または平面であっても、それぞれのパネルに研磨具を適合させておおむね倣わせながら研磨を行うことが必要となる。この原則から外れて剛性の高い研磨具を用いると、研磨代をミニマムに抑えられず、例えば設計どおりの面をあたかも工作機械のごとく削り出そうとすると、寸法誤差の分を余計に研磨しなければならず、結局研磨代は何倍も必要になり、効率の低下と研磨具の消費増加が問題となる。
【0008】
ところが、従来技術で採用されている研磨具の柔軟性は、質の良い研磨面を得るうえでマイナスの作用を持つことがある。パネルの端部を境にして研磨具がはみ出た部分にもクッション材の復元力が加わるため、研磨具が屈曲してパネルに対する接触状態に悪影響を及ぼすからである。研磨圧が大きいために、特に粗研磨工程で悪影響が顕著に現れる。
【0009】
図4に、その様子をやや誇張して示す。図から明らかのように研磨治具本体24を降下させて、鉄ピース21をパネル17に押し付けると、クッション材23はパネル17の上の箇所のみがパネル17からの反力を受けて圧縮される結果、基体22はパネル17の端部で屈曲する。
【0010】
基体に屈曲が生じると、鉄ピース21の角部がパネル端部のR部(フェース部とこのフェース部に対しほぼ垂直に延在するスカート部との連接部)に点接触して傷が付くとともに、パネルの端部から少し内側の箇所において鉄ピースが浮き上がったり接触が不十分になって、研磨の均一性が損なわれる。
【0011】
屈曲の程度はクッション材23がスポンジのように弾力性が高いほど、そして研磨具本体24を介して加えられる研磨圧が高いほど顕著になる。一方、弾力性は研磨具のパネル面への密着にとって重要な因子であり、研磨圧は研磨効率にとって重要な因子である。
【0012】
すなわち、この研磨具の屈曲現象はパネルの研磨にとってきわめて不都合であり、この屈曲現象を緩和できれば、パネル端部のR部を加傷しにくく、かつパネル端部における研磨の均一性を向上させた研磨が実現できる。さらに、より高い研磨圧を加えることができ、研磨効率も改善できる。
【0013】
一方、かねてよりパネルの面を固定砥粒によって研磨する技術の実用化が待望されていた。その主な理由は、遊離砥粒を用いた研磨方式は次のような問題があるからである。
【0014】
第一の問題は、研磨材の不安定性である。研磨材は水と混合させてスラリとし、大がかりなシステムを用いて多量に研磨装置に供給する必要があり、しかも研磨材が絶えず粉砕され消耗するため、粒度分布や濃度などの状態を一定に管理することは容易でない。
例えば、研磨材の投入が過少であると、粒度分布が細かい側に偏り研磨不足による欠点が生じ、過多であると大きい側に偏って面粗度が次の段階の研磨工程で除去できないほどに粗くなる。このため、恒常的に品質の不安定や生産性の低下を引き起こしていた。
【0015】
第二の問題は、異物の混入である。研磨材の原料は通常天然の鉱床から採掘されるが、硬質の異物が含まれていることがあり、また研磨中に割れが発生すると、スラリシステムにガラス粉が混入する。これらは決して希なことではなく、製品に傷を発生せしめ品質や歩留りに悪影響を与えている。
【0016】
第三の問題は、廃棄物である。微粒化された研磨材が廃棄物として多量に発生する。他の産業用原料への転用はできるが、引取り費用は増加する一方であり、再利用するうえで大きな問題となっている。本来はガラス原料としてリサイクルすべきであるが、それを図ろうとすると、乾燥装置などの設備コストやエネルギーコストが増加するうえに、ガラス原料に配合しても問題ないという制約条件を満たすには、ガーネットに替えてアランダムのように高価な研磨材を用いざるを得ず、製造コストの増加が余儀なくされる。
【0017】
以上の問題を解決するための最も簡便な手段として、図3に示す従来の研磨装置において、研磨具の鉄ピース21をペレット型ダイヤモンド砥石に置き換える方法が考えられる。
【0018】
しかし、この方法ではガラスに深い傷が生じるだけでなく、砥石本来の寿命が得られない。本来の寿命とは砥石を強固に固定して用いる場合の寿命を指す。砥石の寿命が損なわれる理由は、自励振動の発生にある。自励振動は、弾性体で支えられた固体を一定の相対速度で動く別の固体で擦った場合に発生する現象である。したがって、ゴム板という弾性体に一端が埋め込まれて突出している砥石も、自励振動を起こす条件を備えている。
【0019】
この現象をパネルのフェース面を実際に研磨する場合についてみると、研磨の開始により砥石とパネルの間の摩擦力が起振力となって、砥石は激しく振動を始める。この振動のモードは、砥石の進行方向における往復振動と摩擦力が生む転倒モーメントによる傾斜振動の複合した複雑なものである。
【0020】
一般論としてダイヤモンド砥石を用いてガラスを研磨する場合、振動は大敵とされる。振動は砥石とガラスとの繰返しの衝突を生むからである。砥石に埋め込まれた砥粒に衝撃が繰り返し加わると、ボンドによる砥粒の保持が少しずつ緩み、ついには砥粒はボンド相から抜け落ちる。これを砥粒の脱落と称する。
【0021】
砥粒が磨滅する以前に脱落が生じることは、きわめて好ましくない。砥粒が脱落すると、その直後に砥粒は砥石のボンド面とガラスとの間に挟まれた状態になり、まだ磨滅していない大きな砥粒がガラスに深い傷を生じさせるからである。
【0022】
また、砥粒が抜け落ちるとボンド相が研磨部に露出する。このボンド相はきわめて磨耗しやすい材質からなるので研磨作用で磨耗し、その結果砥粒の保持力を失い新たな脱落を引き起こす。この繰り返しで脱落が頻繁になるほど砥石の磨耗が激しくなり、砥石の寿命が縮まる。
振動は研磨効率の低下をももたらす。研磨中、砥石に振動が生じると、砥石が頻繁にガラスから離れて有効に働く研磨時間の割合が少なくなるため、能率は当然低下する。
【0023】
以上の理由により、一般に固定砥粒研磨は高い剛性と精度を有する砥石取付け軸と砥石を高速回転させ、被研磨物もしっかり保持した状態で行うことを原則としている。こうすれば砥石が振動してダイヤモンド砥粒に過大な力が加わることがないので砥粒の脱落も生じにくくなり、傷の発生や砥石の短寿命といった問題が解消可能となるからである。しかし、この剛性の高い研磨具を用いる方法がパネル研磨に不向きであることは、前記のとおりである。
【0024】
ちなみに、研磨材スラリを用いて鉄ピースで研磨する場合には、砥粒の脱落の問題は存在しないので、研磨具の鉄ピースの振動が問題を生じさせることはない。
すなわち、柔軟な可撓性を有する研磨具を用いて従来技術で固定砥粒研磨を行おうとすると、固定砥粒研磨の前記原則に反することになる。そして、前記原則に忠実であろうとすれば、研磨代を何倍にも増やさねばならなくなり、従来技術を用いての固定砥粒研磨は大きな矛盾に直面する。
【0025】
また、パネルを従来技術で固定砥粒研磨を行う場合には、可撓性を有する研磨具の屈曲現象が、研磨材スラリを用いる場合よりも顕著な影響を与えるので、致命的な問題になりがちであった。つまり、砥石に埋め込まれる砥粒は通常研磨材よりも硬いものが用いられるうえ、スラリ中の研磨材よりも含有密度が高くないので、砥石がパネルの端部に点接触をすると、この部分の砥粒が強く接触してR部にはるかに深い傷が生じるからある。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の課題は、可撓性を有する研磨具を用いてパネルを研磨する場合に、パネルの端部における研磨具の屈曲現象を緩和して、砥石の点接触による欠点の発生を防止し、かつ研磨効率が高いパネル研磨を可能にすることである。
本発明の第二の課題は、従来技術では困難であったパネルの固定砥粒研磨を可能にすることである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ブラウン管用パネルのフェース面に接触させる可撓性を有する研磨具と、該研磨具を保持し回転させるための研磨治具とを有し、該研磨具を回転させながら該フェース面に押付けて研磨する研磨装置において、該研磨具と該研磨治具との間には空間部が設けられており、該空間部を真空引きし、該研磨具を裏側から吸引することによって、該研磨具を該フェース面の外面形状に近い形状に変形せしめるとともに、該研磨具に張力を発生させるように構成したことを特徴とするブラウン管用パネルのフェース面研磨装置を提供する。
【0028】
また、該研磨具は、該空間部が非真空状態であるとき略平面状である上記のフェース面研磨装置を提供する。
また、該研磨具がゴム製の基体と、該基体に埋め込まれた多数の砥石支持体と、該砥石支持体に接合された砥石とからなる上記のフェース面研磨装置を提供する。
また、該空間部にクッション材が設けられている上記のフェース面研磨装置を提供する。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明によるブラウン管用パネルのフェース面を研削する装置は、パネルに接触して研磨作用を加える研磨具、該研磨具を保持して加圧力と回転力を伝えるための研磨治具を具備している。これらの研磨具と研磨治具との間には、所望の空間部が設けられている。
【0030】
本発明の最大の特徴は、この研磨治具の内部にある空間部を真空にする手段を有することにあり、そのために研磨治具にはこの空間部を真空にするための真空供給機構が設けられている。この真空供給機構としては汎用のものを使用でき、作動弁や真空度を調節するための装置を備えている。
【0031】
本発明は、上記したように研磨治具に真空供給機構を設けて、研磨時の研磨具を裏側から吸引することにより、研磨具をパネルのフェース面の曲率に合わせて、すなわちフェース面の外面形状に近づくように湾曲変形せしめるとともに、該研磨具が面方向に緊張するように張力を生ぜしめることを特徴とする。研磨具を湾曲変形する目的は、研磨開始時または研磨中において研磨具がフェース面にできるだけ均一に接触するようにするためなので、フェース面の外面形状に近似するほど望ましい。しかし、実際にこれを達成するのは困難であり、研磨具は自身の弾性や押圧力によってもフェース面に馴染むので、この湾曲形状はきわめておおまかでよい。研磨治具の前記空間部は、この研磨具の湾曲変形時における真空室として機能するとともに、変形できるスペースを確保するのに役立つ。
【0032】
本発明において固定砥粒研磨用の好ましい研磨具は、ゴム製の基体と、該基体に一部が埋め込まれた多数の砥石支持体と、該砥石支持体に接合された砥石とからなる。基体をゴム製にするのは、可撓性が得られるようにするのが主な狙いであり、ここでいうゴムは可撓性を有する材質の総称で、通常は柔軟で適度の弾力を有する各種ゴムまたは合成樹脂が用いられる。これらは単独でも使用できるが、補強材と複合して使用することが多い。この補強材としては、加工の容易さ、基材との複合のしやすさやコスト面から補強布が適する。しかし、フェース面の平坦度の高いフラットなパネルの研磨具の場合には、研磨具をほとんど湾曲させる必要がないので、薄い金属板または金属メッシュでもよい。実際に基材を補強する場合には、基材に埋設したり、積層したりすることにより行われる。
【0033】
本発明において、研磨治具に取り付けられた研磨具は、前記空間部が非真空状態にあるときは実質的に平面状をなしていることが好ましい。しかし、空間部を真空引きし、該研磨具を裏側から吸引すると、研磨具は周辺を係止された状態で凹状に湾曲変形する。それと同時に、研磨具にはそれまで平面状であったものが湾曲変形するために張力が発生し、研磨具をパネルに対して緊張状態にする。
【0034】
また、研磨具と研磨治具との間の前記空間部にクッション材を設けておくと、より好ましい。その理由は、研磨具をパネルに押し付けたとき、クッション材の反力が研磨具の裏面に働いて研磨治具による押圧力を研磨具に均一に伝えるのに有効であり、また研磨具を裏側から吸引して変形させるとき、過度の真空力が働いても、研磨具の必要以上の変形を抑制し形態を安定させられるからである。このクッション材としては通気性のものが好ましい。
【0035】
さらに、本発明により固定砥粒研削を行う場合には、多数の砥石をゴム製の基体に対して強固に、かつこれら砥石の研磨に用いる面を同一面内に精度良く接合する必要がある。砥石が強固に固定されていないと、研磨中に砥石が基体に対して傾きを生じるため、パネルに偏って接触し均一な研磨が得られなくなる。砥石の面が同一面でない場合も、パネルに均一に接触しない。
【0036】
本発明は、研磨スラリのような遊離砥粒を用いる研磨具にも適用できるが、これまでパネルの研磨において実用化が困難であった例えばダイヤモンド砥石のような固定砥粒を用いる研磨具に特に適する。
【0037】
【作用】
本発明の研磨装置を用いてブラウン管用パネルを砥石で研磨を行う場合の作用について説明する。先ず研磨治具の空間部を真空にすると、研磨具は研磨治具の側へ吸引され、湾曲面状または球面状に変形する。この際、研磨治具の空間部にクッション材が設けられていると、このクッション材に接触し、それをある量だけ圧縮した状態で安定する。この時点で研磨具の形状はパネルフェース外面の形状に近くなる。同時にこの平面から湾曲面への変形に伴って研磨具には強い張力が発生する。
【0038】
次に、冷却液を研磨具の中央の孔から流出させつつ、パネルを固定した台と研磨具を回転させ、研磨具を下降させてパネルに押し当てると、研磨が開始される。このとき研磨具は凹状に湾曲しているため、パネルに押し当てられると、基体の可撓性とクッション材の作用でパネル面に容易に馴染むので、パネル面と重なり合った箇所に存在する砥石は、パネルとおおむね所定の接触圧でもって接触が維持される。
【0039】
また、研磨具に生じる強い張力は、砥石を可撓性に富む基体で保持するために生じる問題、すなわちパネルの端部における研磨具の屈曲現象と、砥石の振動現象を軽減する効果を有する。なぜこの強い張力がこれらの問題の解決に有効かについては、次のように説明できる。
【0040】
先ず、パネル端部での研磨具の屈曲現象の軽減については、基体の面内に張力を加えれば、局所的な屈曲が矯正される事実から容易に理解される。また、この張力はパネルの端部以外の箇所でも研磨具の局所的な曲がり変形による砥石のぐらつきを防ぐ働きを有するので、砥石の振動防止にも顕著な効果を発揮する。
【0041】
この効果は前記張力が高いほど大きくなるが、十分な効果が発揮されたらそれ以上高くしない方がよい。張力は研磨具の剛性を高める作用があるために、過度に高くすれば研磨具のパネルへの馴染み性が損なわれるからである。
【0042】
なお、本研磨装置において前記張力は研磨具の基体の面内張力に対する剛性と真空度とで決まり、またこれら両者によって研磨具の曲率半径(湾曲度)が決まるので、この曲率半径が目標値になるように真空度を調節したときに、最適の張力が発生するように研磨具の基体の剛性を定めればよい。
【0043】
【実施例】
次に、固定砥粒研磨の場合での実施例を図1、図2に従って説明する。図2は、図1の研磨具1の部分拡大図である。
図において、2はゴム製の基体で、3はこの基体2に多数埋め込まれた砥石支持体であり、基体2のゴム成形・加硫工程の際に一端を埋設することにより強固に接合されている。砥石支持体3には、例えばダイヤモンド砥粒をボンド相で固定し円柱状に形成した砥石4が接合されている。5は基体2に埋め込まれた補強布で、砥石支持体3と同様にゴム成形・加硫工程の際に基体2と強固に接合されている。研磨具1の中央部には、図1に示すように冷却液を通すゴムパイプ7を固定するためのパイプ6が、基体2と強固に接合して設けられている。
【0044】
研磨具1は、研磨治具の主要部を構成する研磨治具本体9に基体2の外周部をリング11とボルト・ナット12で固定することにより取り付けられている。研磨治具本体9は、内部に空間部を有する椀状をなしており、該研磨具を取り付けると、研磨治具本体9との間には所定の空間部が形成される。この空間部にはクッション材8が装填されていて、研磨治具本体9から与えられる押圧力を研磨具1(正確には基体2)に均一に伝達するようになっている。研磨治具本体9には、クッション材8を装填した前記空間部を真空にするための空気流通孔10が設けられている。
【0045】
研磨治具本体9は回転軸13に装着され、回転軸13が支持体を通して上下動するとともに、駆動ベルト20で回転させるようになっているので、研磨具1は研磨治具本体9と一体に回転および昇降作動を行う。回転軸13の内部には、研磨治具本体9の空気流通孔10に通じる空気流通孔14が設けられており、流体供給装置15を経て真空源(図示省略)につながっている。これにより、クッション材を装填した前記空間部を真空にできる。
【0046】
また、回転軸13の中心には冷却水を供給するための導管16が設けられていて、パイプ19より送給されてくる冷却水を回転軸13の上端から導管16に導入し、ゴムパイプ7より研磨具の砥石部に供給するようになっている。
研磨されるパネル17は、回転テーブル18に同芯になるように固定させられており、研磨中には自己の中心軸回りに回転する。なお、このパネルと研磨具との研磨動作は、このほか従来知られている方法が適宜応用できる。
【0047】
次に、実際の研磨作業順序に従って本装置の作動を説明する。
先ず本装置の運転を開始する際に、真空源に通じる配管のバルブを開くと、回転する研磨治具本体9と研磨具1との間の空間部が真空になり、研磨具1は吸引されてパネル17のフェース面に近い湾曲面に変形する。この際に基体2は引き延ばされようとするが、基体2の内部の補強布5がそれに抵抗するために強い緊張状態となる。基体の裏側にはクッション材8が適当な弾力で作用する。
【0048】
研磨サイクルがスタートすると、冷却水が導管16から放出され、回転テーブル18が回転を開始してパネルを回転させる。次いで、回転軸13が回転しつつ下降し、研磨具1がパネルに押し当てられると、研磨具1はただちにパネルのフェース面に馴染んで広い面積で接触し、研磨が始まる。所定の研磨時間が経過すると、研磨治具が上昇して研磨サイクルが終了する。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、研磨が始まる前にあらかじめ研磨具1を真空力によりパネルの外面形状に近い形状に変形させておくため、研磨具1はパネル17に押し当てられるとクッション材8の作用も手伝って容易に馴染むので、パネル面と重なり合った箇所に存在する砥石4は、パネル17とおおむね所定の接触圧でもって接触が維持される。これにより、パネルを均一に効率良く研磨できる。
【0050】
また、基体2に強い張力が発生した状態になるため、パネル17の端部における研磨具1の屈曲現象は緩和され、フェース面のR部を加傷する現象が防止される。さらに、パネルの端部から少し内側の箇所において砥石または鉄ピース等が浮上がったり接触が不十分になって、研磨の均一性が損なわれる現象も防止できる。同時に砥石4の保持がしっかりするので振動が抑制され、研磨面での傷発生を防止できる。
【0051】
また、基体2を薄い金属板または金属メッシュで補強すると、研磨具1の面内の剛性が高まるために、裏側の真空圧をより高く設定して研磨具1の曲率をフェース面に近づけるため、より強い張力を発生させうる。これにより、研磨具1のパネルへの馴染み性が若干低下するが、パネルの端部での屈曲現象をより完全に防止できる。
【0052】
このように、本装置によって固定砥粒研削を行えば、砥石の振動やパネルの端部における屈曲現象を起こさないために、深い傷の発生やパネルの端部における不均一な研磨を防止できる。また、研磨具のパネルへの馴染みがよいために、パネル面の一部に発生する強い圧力による傷を防止できるとともに、パネルを均一に研削できる。
【0053】
また、本発明の装置によって遊離砥粒研磨を行う場合でも、パネルの端部における屈曲現象が同様に解消されるため、より高い研磨圧を加えうるとともに、該端部での研磨の均一性が向上するので、生産効率と品質を高めうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の研磨装置の断面説明図。
【図2】図1における研磨具の詳細を示す拡大断面図。
【図3】従来技術による粗研磨工程の研磨装置の断面説明図。
【図4】従来技術による研磨装置における、パネル端部での砥石の状態を示す拡大断面図。
【符号の説明】
1:研磨具
2:基体
3:砥石支持体
4:砥石
5:補強布
8:クッション材
9:研磨治具本体
10:空気流通孔
13:回転軸
14:空気流通孔
15:流体供給装置
17:パネル
18:回転テーブル
[Document name] Specification [Title of invention] Face polishing device for cathode ray tube panel [Claims]
[Claim 1]
Flexibility and Migakugu research which Ru is brought into contact with the face surface of the CRT panel having a having a polishing jig for holding and rotating the abrasive article, but such rotates the polishing tool rough Esu a polishing apparatus for polishing pressed against the surface,
Check The inter is provided, then evacuated space portion, by sucking the abrasive article from the back side, the outer surface shape of the polishing tool a full Esu surface between the polishing tool and Ken MigakuOsamugu face polishing apparatus CRT panel characterized with allowed to deform in a shape close, that it is configured to generate a tension to the polishing tool on.
2.
When the space portion is a non-vacuum state, the polishing tool is face polishing apparatus according to claim 1, wherein the generally planar.
3.
The face surface polishing apparatus according to claim 1 or 2, wherein the polishing tool comprises a rubber substrate, a large number of grindstone supports embedded in the substrate, and a grindstone bonded to the grindstone support.
4.
The face surface polishing apparatus according to claim 1, 2 or 3, wherein a cushion material is provided in the space.
Description: TECHNICAL FIELD [Detailed description of the invention]
[0001]
[Technical field to which the invention belongs]
The present invention relates to an apparatus for polishing the outer surface of the face portion of a cathode ray tube panel, that is, the face surface.
0002.
[Conventional technology]
Conventionally, the face surface of a cathode ray tube panel (hereinafter referred to as a panel) has been polished by a device that supplies an abrasive slurry and relatively moves an elastically supported polishing tool while pressing it against the panel.
0003
In addition, this polishing process usually consists of three stages: rough polishing, medium polishing, and polish polishing. In this case, garnet is often used as an abrasive, permis is used for medium polishing, and cerium oxide is used for gloss polishing. The most commonly used polishing tools are those with a structure in which a large number of steel cylinders are embedded in hard rubber for rough polishing, rubber plates or tubes with medium rubber hardness for medium polishing, and artificial for polish polishing. A disc or cylinder made of leather or felt.
0004
In either step, the polishing tool has the flexibility to adapt to the outer surface shape of the face surface of the panel. Further, as a means for bringing the polishing tool into close contact with the panel, a cushion material is provided inside the polishing jig for transmitting the polishing action to the polishing tool while holding the polishing tool. FIG. 3 shows a typical example of the prior art of this rough polishing process.
0005
As shown in the figure, a polishing jig composed of a cushion material 23 and a metal polishing jig main body 24 is provided on the back side of a polishing tool composed of a steel piece (iron piece) 21 and a rubber base 22. There is. The polishing tool can be rotated and raised and lowered via a polishing jig main body 24 attached to the rotating shaft 25, and the face surface of the panel 17 placed on the rotary table 18 is polished by an iron piece 21. Polish using. In this case, the polishing tool has moderate flexibility to fit the panel 17.
0006
Next, the reason why the polishing tool needs to be flexible will be described. The main purpose of polishing the face surface of the panel is to remove small holes and wrinkles on the surface generated during molding while keeping the polishing allowance to a minimum. On the other hand, the outer surface shape of the as-molded panel is not always made to match the product design accurately. This is because the dimensional accuracy of the inner surface is more important for a cathode ray tube, and the accuracy of the outer surface is generally not high because the dimensional accuracy of the inner surface is prioritized and the molding conditions are controlled at the time of molding.
0007
Due to these circumstances, even if the designed face surface shape is spherical or flat, it is necessary to adapt the polishing tool to each panel and perform polishing while roughly imitating it. If you deviate from this principle and use a highly rigid polishing tool, the polishing allowance cannot be suppressed to the minimum. For example, if you try to sharpen the surface as designed as if it were a machine tool, you have to polish more by the amount of dimensional error. In the end, the polishing allowance is required many times, and the problems of reduced efficiency and increased consumption of polishing tools become problems.
0008
However, the flexibility of the polishing tool used in the prior art may have a negative effect on obtaining a high-quality polished surface. This is because the restoring force of the cushioning material is applied to the portion where the polishing tool protrudes from the edge of the panel, so that the polishing tool bends and adversely affects the contact state with the panel. Due to the high polishing pressure, adverse effects are noticeable especially in the rough polishing process.
0009
FIG. 4 shows the situation with a slight exaggeration. As is clear from the figure, when the polishing jig main body 24 is lowered and the iron piece 21 is pressed against the panel 17, only the upper part of the panel 17 is compressed by the reaction force from the panel 17. As a result, the substrate 22 bends at the end of the panel 17.
0010
When the substrate is bent, the corner portion of the iron piece 21 makes point contact with the R portion (the joint portion between the face portion and the skirt portion extending substantially perpendicular to the face portion) at the end of the panel and is damaged. At the same time, the iron piece is lifted or the contact is insufficient at a position slightly inside from the edge of the panel, and the uniformity of polishing is impaired.
0011
The degree of bending becomes more remarkable as the cushion material 23 has higher elasticity like a sponge and the higher the polishing pressure applied via the polishing tool main body 24. On the other hand, elasticity is an important factor for the adhesion of the polishing tool to the panel surface, and polishing pressure is an important factor for polishing efficiency.
0012
That is, the bending phenomenon of this polishing tool is extremely inconvenient for polishing the panel, and if this bending phenomenon can be alleviated, the R portion at the edge of the panel is less likely to be damaged, and the uniformity of polishing at the edge of the panel is improved. Polishing can be realized. Further, a higher polishing pressure can be applied and the polishing efficiency can be improved.
0013
On the other hand, there has been a long-awaited practical application of a technique for polishing the surface of a panel with fixed abrasive grains. The main reason for this is that the polishing method using free abrasive grains has the following problems.
0014.
The first problem is the instability of the abrasive. Abrasives need to be mixed with water to make a slurry and supplied to the polishing equipment in large quantities using a large-scale system, and since the abrasives are constantly crushed and consumed, the state such as particle size distribution and concentration is constantly controlled. It's not easy to do.
For example, if the amount of abrasive material is too small, the particle size distribution is biased toward the finer side, resulting in defects due to insufficient polishing, and if it is excessive, the surface roughness is biased toward the larger side, and the surface roughness cannot be removed in the next stage polishing process. It becomes rough. For this reason, it constantly causes instability of quality and deterioration of productivity.
0015.
The second problem is the contamination of foreign matter. The raw material for abrasives is usually mined from natural deposits, but may contain hard foreign matter, and cracks during polishing can cause glass powder to enter the slurry system. These are by no means rare and cause scratches on the product, adversely affecting quality and yield.
0016.
The third problem is waste. A large amount of atomized abrasive is generated as waste. Although it can be diverted to other industrial raw materials, the collection cost is increasing, which is a big problem for reuse. Originally, it should be recycled as a glass raw material, but if you try to do so, the equipment cost and energy cost of the drying equipment will increase, and in order to satisfy the constraint condition that there is no problem even if it is mixed with the glass raw material, Instead of garnet, expensive abrasives such as Arundum have to be used, which inevitably increases manufacturing costs.
[0017]
As the simplest means for solving the above problems, a method of replacing the iron piece 21 of the polishing tool with a pellet type diamond grindstone in the conventional polishing apparatus shown in FIG. 3 can be considered.
0018
However, this method not only causes deep scratches on the glass, but also does not provide the original life of the grindstone. The original life refers to the life when the grindstone is firmly fixed and used. The reason why the life of the grindstone is impaired is the generation of self-excited vibration. Self-excited vibration is a phenomenon that occurs when a solid supported by an elastic body is rubbed with another solid that moves at a constant relative velocity. Therefore, a grindstone whose one end is embedded in an elastic body called a rubber plate and protrudes also has a condition of causing self-excited vibration.
0019
Looking at the case where the face surface of the panel is actually polished by this phenomenon, the frictional force between the grindstone and the panel becomes a vibrating force at the start of polishing, and the grindstone vibrates violently. This vibration mode is a complex combination of reciprocating vibration in the traveling direction of the grindstone and tilting vibration due to the overturning moment generated by the frictional force.
0020
As a general rule, when polishing glass with a diamond grindstone, vibration is a great enemy. This is because the vibration causes repeated collisions between the grindstone and the glass. When an impact is repeatedly applied to the abrasive grains embedded in the grindstone, the holding of the abrasive grains by the bond gradually loosens, and finally the abrasive grains fall out of the bond phase. This is called falling off of abrasive grains.
0021.
It is highly undesirable that the abrasive grains fall off before they are worn out. This is because when the abrasive grains fall off, the abrasive grains are immediately sandwiched between the bond surface of the grindstone and the glass, and the large abrasive grains that have not yet been worn cause deep scratches on the glass.
0022.
Further, when the abrasive grains fall off, the bond phase is exposed to the polished portion. Since this bond phase is made of a material that is extremely easily worn, it is abraded by the polishing action, and as a result, the holding force of the abrasive grains is lost and new shedding occurs. The more frequently the grindstone falls off due to this repetition, the more the grindstone wears and the life of the grindstone is shortened.
Vibration also causes a decrease in polishing efficiency. If the grindstone vibrates during polishing, the ratio of the polishing time in which the grindstone frequently separates from the glass and works effectively decreases, so that the efficiency naturally decreases.
[0023]
For the above reasons, in principle, fixed abrasive grain polishing is performed by rotating the grindstone mounting shaft and the grindstone, which have high rigidity and accuracy, at high speed and firmly holding the object to be polished. This is because the grindstone does not vibrate and an excessive force is applied to the diamond abrasive grains, so that the abrasive grains are less likely to fall off, and problems such as scratches and a short life of the grindstone can be solved. However, as described above, the method using this highly rigid polishing tool is not suitable for panel polishing.
0024
Incidentally, when polishing with an iron piece using an abrasive slurry, there is no problem of abrasive grains falling off, so vibration of the iron piece of the polishing tool does not cause a problem.
That is, if an attempt is made to perform fixed abrasive grain polishing by a conventional technique using a polishing tool having flexibility and flexibility, the above principle of fixed abrasive grain polishing is violated. And, if we try to adhere to the above principle, we have to increase the polishing allowance many times, and fixed abrasive grain polishing using the prior art faces a big contradiction.
0025
Further, when the panel is subjected to fixed abrasive grain polishing by the conventional technique, the bending phenomenon of the flexible polishing tool has a remarkable influence as compared with the case where the abrasive slurry is used, which is a fatal problem. It tended to be. In other words, the abrasive grains embedded in the grindstone are usually harder than the abrasive, and the content density is not higher than that of the abrasive in the slurry. This is because the abrasive grains come into strong contact with each other, causing a much deeper scratch on the R portion.
0026
[Problems to be Solved by the Invention]
The first object of the present invention is to alleviate the bending phenomenon of the polishing tool at the edge of the panel when polishing the panel using a flexible polishing tool, and to prevent the occurrence of defects due to the point contact of the grindstone. This is to prevent panel polishing with high polishing efficiency.
A second object of the present invention is to enable fixed abrasive grain polishing of a panel, which has been difficult in the prior art.
[0027]
[Means for solving problems]
The present invention has a polishing tool having flexibility to bring it into contact with the face surface of a panel for a brown tube, and a polishing tool for holding and rotating the polishing tool, and the face surface while rotating the polishing tool. In a polishing device for polishing by pressing against, a space is provided between the polishing tool and the polishing jig, and the space is vacuumed and the polishing tool is sucked from the back side. Provided is a face surface polishing device for a panel for a brown tube, characterized in that the polishing tool is deformed into a shape close to the outer surface shape of the face surface and is configured to generate tension in the polishing tool.
[0028]
Further, the polishing tool provides the above-mentioned face surface polishing device which is substantially flat when the space is in a non-vacuum state.
Further, the present invention provides the above-mentioned face surface polishing apparatus in which the polishing tool comprises a rubber substrate, a large number of grindstone supports embedded in the substrate, and a grindstone bonded to the grindstone support.
Further, the above-mentioned face surface polishing apparatus in which a cushion material is provided in the space portion is provided.
[0029]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The device for grinding the face surface of a CRT panel according to the present invention includes a polishing tool that contacts the panel to apply a polishing action, and a polishing jig for holding the polishing tool and transmitting pressing force and rotational force. There is. A desired space is provided between these polishing tools and the polishing jig.
[0030]
The greatest feature of the present invention is to have a means for evacuating the space inside the polishing jig, and for that purpose, the polishing jig is provided with a vacuum supply mechanism for evacuating the space. Has been done. A general-purpose vacuum supply mechanism can be used, and a working valve and a device for adjusting the degree of vacuum are provided.
0031
In the present invention, as described above, the polishing jig is provided with a vacuum supply mechanism, and the polishing tool is sucked from the back side during polishing so that the polishing tool is adjusted to the curvature of the face surface of the panel, that is, the outer surface of the face surface. It is characterized in that it is curved and deformed so as to approach a shape, and tension is generated so that the polishing tool is tensioned in the surface direction. Since the purpose of bending and deforming the polishing tool is to make the polishing tool come into contact with the face surface as uniformly as possible at the start of polishing or during polishing, it is desirable to approximate the outer surface shape of the face surface. However, it is difficult to actually achieve this, and since the polishing tool also adapts to the face surface due to its own elasticity and pressing force, this curved shape may be very rough. The space portion of the polishing jig functions as a vacuum chamber when the polishing tool is curved and deformed, and also helps to secure a space that can be deformed.
[0032]
In the present invention, a preferable polishing tool for polishing fixed abrasive grains includes a rubber substrate, a large number of grindstone supports partially embedded in the substrate, and a grindstone bonded to the grindstone support. The main purpose of making the substrate made of rubber is to obtain flexibility, and rubber here is a general term for flexible materials, and usually has flexibility and moderate elasticity. Various rubbers or synthetic resins are used. Although these can be used alone, they are often used in combination with a reinforcing material. As this reinforcing material, a reinforcing cloth is suitable in terms of ease of processing, ease of compounding with a base material, and cost. However, in the case of a flat panel polishing tool having a high flatness of the face surface, since it is almost unnecessary to bend the polishing tool, a thin metal plate or a metal mesh may be used. When the base material is actually reinforced, it is embedded in the base material or laminated.
0033
In the present invention, it is preferable that the polishing tool attached to the polishing jig is substantially flat when the space is in a non-vacuum state. However, when the space is evacuated and the polishing tool is sucked from the back side, the polishing tool is curved and deformed in a concave shape with the periphery locked. At the same time, tension is generated in the polishing tool because what was previously flat is curved and deformed, which puts the polishing tool in a tense state with respect to the panel.
0034
Further, it is more preferable to provide a cushion material in the space between the polishing tool and the polishing jig. The reason is that when the polishing tool is pressed against the panel, the reaction force of the cushioning material acts on the back surface of the polishing tool, which is effective in uniformly transmitting the pressing force of the polishing jig to the polishing tool, and the polishing tool is placed on the back side. This is because even if an excessive vacuum force is applied when the polishing tool is sucked and deformed, the polishing tool can be suppressed from being deformed more than necessary and the shape can be stabilized. As the cushion material, a breathable material is preferable.
0035.
Further, when performing fixed abrasive grain grinding according to the present invention, it is necessary to firmly join a large number of grindstones to a rubber substrate and to join the surfaces used for polishing these grindstones in the same surface with high accuracy. If the grindstone is not firmly fixed, the grindstone tilts with respect to the substrate during polishing, so that the grindstone comes into uneven contact with the panel and uniform polishing cannot be obtained. Even if the surfaces of the grindstone are not the same, they do not come into uniform contact with the panel.
0036
The present invention can be applied to a polishing tool that uses free abrasive grains such as a polishing slurry, but is particularly applicable to a polishing tool that uses fixed abrasive grains such as a diamond grindstone, which has been difficult to put into practical use in polishing panels. Suitable.
0037
[Action]
The operation when the panel for a cathode ray tube is polished with a grindstone by using the polishing apparatus of the present invention will be described. First, when the space of the polishing jig is evacuated, the polishing tool is sucked toward the polishing jig and deforms into a curved surface shape or a spherical shape. At this time, if a cushion material is provided in the space of the polishing jig, it comes into contact with the cushion material and is stabilized in a state of being compressed by a certain amount. At this point, the shape of the polishing tool becomes close to the shape of the outer surface of the panel face. At the same time, a strong tension is generated in the polishing tool as the surface is deformed from the flat surface to the curved surface.
[0038]
Next, while the coolant is discharged from the central hole of the polishing tool, the table on which the panel is fixed and the polishing tool are rotated, and the polishing tool is lowered and pressed against the panel to start polishing. At this time, since the polishing tool is curved in a concave shape, when it is pressed against the panel, it easily adapts to the panel surface due to the flexibility of the substrate and the action of the cushioning material. , The contact with the panel is maintained at a generally predetermined contact pressure.
[0039]
Further, the strong tension generated in the polishing tool has an effect of reducing the problem caused by holding the grindstone on the highly flexible substrate, that is, the bending phenomenon of the polishing tool at the edge of the panel and the vibration phenomenon of the grindstone. The reason why this strong tension is effective in solving these problems can be explained as follows.
0040
First, the reduction of the bending phenomenon of the polishing tool at the edge of the panel is easily understood from the fact that local bending is corrected by applying tension in the plane of the substrate. Further, since this tension has a function of preventing the whetstone from wobbling due to the local bending deformation of the polishing tool even at a place other than the edge of the panel, it also exerts a remarkable effect on preventing the whetstone from vibrating.
[0041]
This effect increases as the tension increases, but it is better not to increase it further when a sufficient effect is exhibited. This is because the tension has the effect of increasing the rigidity of the polishing tool, and if it is made excessively high, the compatibility of the polishing tool with the panel is impaired.
[0042]
In this polishing apparatus, the tension is determined by the rigidity of the polishing tool with respect to the in-plane tension and the degree of vacuum, and the radius of curvature (degree of curvature) of the polishing tool is determined by both of these, so this radius of curvature is set as the target value. The rigidity of the base of the polishing tool may be determined so that the optimum tension is generated when the degree of vacuum is adjusted so as to be.
[0043]
【Example】
Next, an embodiment in the case of fixed abrasive grain polishing will be described with reference to FIGS. 1 and 2. FIG. 2 is a partially enlarged view of the polishing tool 1 of FIG.
In the figure, 2 is a rubber substrate, and 3 is a grindstone support embedded in a large number in the substrate 2, which is firmly joined by embedding one end in the rubber molding / vulcanization process of the substrate 2. There is. For example, a grindstone 4 formed in a columnar shape by fixing diamond abrasive grains with a bond phase is joined to the grindstone support 3. Reference numeral 5 denotes a reinforcing cloth embedded in the substrate 2, which is firmly bonded to the substrate 2 during the rubber forming / vulcanization step like the grindstone support 3. As shown in FIG. 1, a pipe 6 for fixing the rubber pipe 7 through which the cooling liquid is passed is provided in the central portion of the polishing tool 1 by being firmly joined to the substrate 2.
[0044]
The polishing tool 1 is attached to the polishing jig main body 9 which constitutes the main part of the polishing jig by fixing the outer peripheral portion of the base 2 with a ring 11 and bolts / nuts 12. The polishing jig main body 9 has a bowl shape having a space inside, and when the polishing tool is attached, a predetermined space is formed between the polishing jig main body 9 and the polishing jig main body 9. A cushion material 8 is loaded in this space, and the pressing force applied from the polishing jig main body 9 is uniformly transmitted to the polishing tool 1 (to be exact, the substrate 2). The polishing jig main body 9 is provided with an air flow hole 10 for evacuating the space in which the cushion material 8 is loaded.
0045
The polishing jig body 9 is mounted on the rotating shaft 13, and the rotating shaft 13 moves up and down through the support and is rotated by the drive belt 20. Therefore, the polishing tool 1 is integrated with the polishing jig body 9. Rotates and raises and lowers. Inside the rotating shaft 13, an air flow hole 14 leading to the air flow hole 10 of the polishing jig main body 9 is provided, and is connected to a vacuum source (not shown) via the fluid supply device 15. As a result, the space in which the cushion material is loaded can be evacuated.
[0046]
Further, a conduit 16 for supplying cooling water is provided at the center of the rotating shaft 13, and the cooling water supplied from the pipe 19 is introduced into the conduit 16 from the upper end of the rotating shaft 13 from the rubber pipe 7. It is designed to be supplied to the grindstone part of the polishing tool.
The panel 17 to be polished is fixed to the rotary table 18 so as to be concentric, and rotates around its own central axis during polishing. In addition, a conventionally known method can be appropriately applied to the polishing operation between the panel and the polishing tool.
[0047]
Next, the operation of this device will be described according to the actual polishing work order.
First, when the operation of this device is started, when the valve of the pipe leading to the vacuum source is opened, the space between the rotating polishing jig main body 9 and the polishing tool 1 becomes a vacuum, and the polishing tool 1 is sucked. It is transformed into a curved surface close to the face surface of the panel 17. At this time, the base 2 tries to be stretched, but the reinforcing cloth 5 inside the base 2 resists the stretching, so that the base 2 is in a strong tension state. The cushion material 8 acts on the back side of the substrate with appropriate elasticity.
0048
When the polishing cycle starts, cooling water is discharged from the conduit 16 and the rotary table 18 starts rotating to rotate the panel. Next, when the rotating shaft 13 rotates and descends and the polishing tool 1 is pressed against the panel, the polishing tool 1 immediately adapts to the face surface of the panel and comes into contact with a wide area, and polishing starts. When the predetermined polishing time elapses, the polishing jig rises and the polishing cycle ends.
[0049]
【Effect of the invention】
According to the present invention, since the polishing tool 1 is deformed in advance by a vacuum force into a shape close to the outer surface shape of the panel before the polishing starts, when the polishing tool 1 is pressed against the panel 17, the cushioning material 8 also acts. Since the grindstone 4 is easily adapted by helping, the grindstone 4 existing at the portion overlapping the panel surface is maintained in contact with the panel 17 at a substantially predetermined contact pressure. As a result, the panel can be polished uniformly and efficiently.
0050
Further, since a strong tension is generated in the substrate 2, the bending phenomenon of the polishing tool 1 at the end portion of the panel 17 is alleviated, and the phenomenon of damaging the R portion of the face surface is prevented. Further, it is possible to prevent a phenomenon in which the grindstone or the iron piece is lifted or the contact is insufficient at a position slightly inside from the edge of the panel, and the uniformity of polishing is impaired. At the same time, since the grindstone 4 is firmly held, vibration is suppressed and scratches on the polished surface can be prevented.
0051
Further, when the substrate 2 is reinforced with a thin metal plate or a metal mesh, the in-plane rigidity of the polishing tool 1 is increased. Therefore, the vacuum pressure on the back side is set higher to bring the curvature of the polishing tool 1 closer to the face surface. It can generate stronger tension. As a result, the adaptability of the polishing tool 1 to the panel is slightly reduced, but the bending phenomenon at the edge of the panel can be prevented more completely.
[0052]
In this way, when the fixed abrasive grain grinding is performed by this apparatus, it is possible to prevent the occurrence of deep scratches and uneven polishing at the edge of the panel because the vibration of the grindstone and the bending phenomenon at the edge of the panel do not occur. Further, since the polishing tool is well-adapted to the panel, it is possible to prevent scratches due to strong pressure generated on a part of the panel surface and to grind the panel uniformly.
[0053]
Further, even when free abrasive grain polishing is performed by the apparatus of the present invention, the bending phenomenon at the edge of the panel is similarly eliminated, so that a higher polishing pressure can be applied and the uniformity of polishing at the edge can be improved. As it improves, production efficiency and quality can be improved.
[Simple explanation of drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional explanatory view of a polishing apparatus according to an embodiment of the present invention.
2 is an enlarged cross-sectional view showing the details of the polishing tool in FIG. 1. FIG.
FIG. 3 is a cross-sectional explanatory view of a polishing apparatus for a rough polishing process according to a conventional technique.
FIG. 4 is an enlarged cross-sectional view showing a state of a grindstone at a panel end in a polishing apparatus according to a conventional technique.
[Explanation of symbols]
1: Polishing tool 2: Base 3: Grindstone support 4: Grindstone 5: Reinforcing cloth 8: Cushion material 9: Polishing jig body 10: Air flow hole 13: Rotating shaft 14: Air flow hole 15: Fluid supply device 17: Panel 18: Rotating table