JP2000157517A - 血液成分測定用プローブ - Google Patents

血液成分測定用プローブ

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JP2000157517A
JP2000157517A JP33769598A JP33769598A JP2000157517A JP 2000157517 A JP2000157517 A JP 2000157517A JP 33769598 A JP33769598 A JP 33769598A JP 33769598 A JP33769598 A JP 33769598A JP 2000157517 A JP2000157517 A JP 2000157517A
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Toshiyuki Ito
俊之 伊藤
Taketoshi Morimoto
武利 森本
Hiroko Fukushima
弘子 福島
Yoshibumi Tanaka
義文 田中
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Nippon Colin Co Ltd
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Nippon Colin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プローブに機械的な刺激が加えられたとして
も安定的に血液成分を測定することができる血液成分測
定用プローブを提供する。 【構成】 可撓性プローブ本体30内には、参照光がそ
の可撓性プローブ本体30の先端部に到達してから戻る
ように、その可撓性プローブ本体30内を往復する状態
で参照光用ファイバ52が設けられるとともに、測定光
を導くために、その参照光用ファイバ52に沿って測定
光用光ファイバ50が設けられていることから、たとえ
可撓性プローブ本体30に曲げや振動などの機械的刺激
が加えられたとしても参照光用ファイバ52と測定光用
光ファイバ50とには同様な曲げ損失が発生するので、
参照光と測定光とが、両者に含まれたノイズが相殺され
るように用いられることにより、すなわち血液内の光密
度ODを算出するための数式4に示すように強度比Ir
/Im を算出するために用いられることにより、上記機
械的刺激の影響を受けないヘマトクリット値Hが得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、参照光および測定光を
用いて血液成分を測定するために血液内に挿し入れられ
る血液成分測定用プローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘマトクリット値、酸素飽和度、ビリル
ービンなどの生体の血液成分を、光を用いて血液内から
直接に測定することが行われている。たとえば、USP
5,048,524に記載されている血液パラメータ測
定装置がその一例である。このような血液成分測定装置
では、光源の変動の影響を回避するために、同じ光源か
ら2系統の測定光および参照光を導き出し、一方の測定
光に血液成分の影響が反映するようにたとえば血液中を
透過させ、その透過後の測定光と参照光との差をとるこ
とにより、光源変動の影響の少ない血液成分、たとえば
ヘマトクリット値や血液中酸素飽和度の測定が行われて
いる。
【0003】ここで、上記血液成分測定装置は、共通の
発光素子から出力された光を測定光として導く測定光用
光ファイバと、参照光として導く参照光用光ファイバ
と、上記測定光用光ファイバのみを先端まで収容する長
手状の細い金属管である可撓性プローブ本体と、その可
撓性プローブ本体の先端部に設けられた切欠と、上記測
定光用光ファイバのうちその切欠内において露出する部
分に設けられた、所定間隔を隔てて相対向する切断端面
とを備えたプローブを有し、そのプローブの先端が血管
内或いはサンプリングされた血液内に挿し入れられた状
態で、測定光用光ファイバに導かれた血液透過後の測定
光と参照光用光ファイバにより導かれた参照光とがそれ
ぞれの受光素子により検出されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の血液成分測定装置において、上記のように構成され
たプローブを用いて血液成分を測定するに際して、生体
の体動、測定場所近傍の人の歩行による振動などに起因
してたとえば血管内に挿し入れられたプローブに曲げや
振動などの機械的な刺激が加えられると、血液成分の測
定値が大きく影響を受けて十分な測定精度が得られ難
く、実用性に欠けるという不都合があった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであって、その目的とするところは、プローブに機
械的な刺激が加えられたとしても安定的に血液成分を測
定することができる血液成分測定用プローブを提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は以上の事情を
背景として種々検討を重ねた結果、プローブ本体内に設
けられてそのプローブ本体と共に曲げられる測定光用光
ファイバは、機械的刺激を受けることに関連して伝送光
量を変化させる性質があり、これに起因して血液成分の
測定値が大きく影響を受けて十分な測定精度が得られ難
くなることを見いだした。すなわち、測定光用光ファイ
バ内を全反射を繰り返しながら複数種類の伝搬モードで
伝搬する測定光は、その伝搬軸が曲がることによって伝
搬モードと放射モードとの間のモード変換や伝搬モード
数の変化が発生して曲げ損失が発生し、その測定光の光
量が変化すると考えられるのである。本発明はかかる知
見に基づいて為されたものである。
【0007】すなわち、本発明の要旨とするところは、
参照光および測定光を用いて血液成分を測定するために
血液内に挿し入れられる血液成分測定用プローブであっ
て、(a) 前記血液内に挿し入れられる長手状の可撓性プ
ローブ本体と、(b) 前記参照光が該可撓性プローブ本体
の先端部に到達してから戻るように、該可撓性プローブ
本体内を往復する状態で設けられた参照光用ファイバ
と、(c) 前記測定光を導くために、該参照光用ファイバ
に沿って前記可撓性プローブ本体内に設けられた測定光
用光ファイバと、(d) 前記可撓性プローブ本体の先端部
において該可撓性プローブ本体内の測定光用光ファイバ
を露出させるために、該可撓性プローブ本体の先端部に
形成された切欠と、(e) 前記測定光用光ファイバにより
導かれる測定光が前記血液を通過するように、該測定光
用光ファイバの前記可撓性プローブ本体の先端部に形成
された切欠内において露出する部分に設けられた、所定
の間隔を隔てて相対向する1対の切断端面とを、含むこ
とにある。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、可撓性プローブ本体
内には、参照光が該可撓性プローブ本体の先端部に到達
してから戻るように、その可撓性プローブ本体内を往復
する状態で参照光用ファイバが設けられるとともに、測
定光を導くために、その参照光用ファイバに沿って測定
光用光ファイバが設けられていることから、たとえ可撓
性プローブ本体に曲げや振動などの機械的刺激が加えら
れたとしても参照光用ファイバと測定光用光ファイバと
には相互に同様な曲げ損失が発生し、それら参照光用フ
ァイバに導かれた参照光と測定光用光ファイバに導かれ
た測定光とが、両者に含まれたノイズが相殺されるよう
に用いられることにより、上記機械的刺激の影響を受け
ない血液成分測定値が得られる。したがって、機械的な
刺激が加えられたとしても安定的に血液成分を測定する
ことができる血液成分測定用プローブが得られる。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記可撓性プロ
ーブ本体には、それぞれ単一の参照光用光ファイバおよ
び測定光用光ファイバが設けられ、それら参照光用光フ
ァイバおよび測定光用光ファイバには、1個の発光素子
から800乃至810nmの波長を有する共通の単色光が
それぞれ入射されるものである。このようにすれば、可
撓性プローブ本体内には、単一の参照光用光ファイバお
よび測定光用光ファイバが収容されるだけであるので、
プローブの径寸法が小さくされて最小曲げ半径が小さく
なるので細い血管に対しても使用できるようになるとと
もに、800乃至810nmの波長を有する単色光が用い
られるので、酸素飽和度の影響を受けないヘマトクリッ
ト値の測定が可能となる。
【0010】また、好適には、前記可撓性プローブ本体
の切欠の内壁面のうち前記測定光用光ファイバの1対の
切断端面の間に位置し、該1対の切断端面の対向間隔と
同等以上の長軸を有する楕円状の開口と、前記可撓性プ
ローブ本体内に設けられて先端部がその開口に連通する
管路とを、さらに含むものである。このようにすれば、
上記管路を通して血液を吸引し或いは生理食塩水のよう
な透明流体を圧送することにより、測定光用光ファイバ
の切断端面における血液の凝固を防止し或いは取り除く
ことができるので、長時間の継続的測定が可能となる。
また、管路の開口は、1対の切断端面の対向間隔と同等
以上の長軸を有する楕円状であるので、それら切断端面
に付着した凝固血液を一層好適に吸引できる。
【0011】また、好適には、前記血液成分測定用プロ
ーブはヘマトクリット値を測定するためのものであり、
前記測定光用光ファイバの1対の切断端面の間隔は、
1.0乃至2.1mmの範囲から選択されたものである。
このようにすれば、ヘマトクリット値Hと、上記血液成
分測定用プローブを通過した測定光強度Im および参照
光強度Ir との比Ir /Im から求めらる血液内の光密
度OD〔= log( Ir /Im ) +log((Imo/Iro)〕
との間の関係における十分な直線性が得られると同時
に、測定光強度Im の十分な検出強度が得られるので、
ヘマトクリット値の測定精度が高められる。
【0012】また、好適には、前記可撓性プローブ本体
の先端部に形成された切欠内において露出する参照光用
光ファイバの外周面を覆う遮光部材が設けられている。
このようにすれば、切断端面から血液中へ送り出された
計測光や外来光が参照光用光ファイバ内に入射すること
がなく、その計測光や外来光の入射に起因する測定精度
の低下が好適に防止される利点がある。
【0013】
【発明の好適な実施の態様】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施例のプローブ10
が備えられたヘマトクリット測定装置12を説明する図
である。ヘマトクリット測定装置12は、プローブ10
内で伝送される測定光および参照光を発生させるために
800乃至810nmの波長範囲の近赤外線波長、好適に
は805nmの波長を有する単色光を出力する発光素子で
あるレーザダイオード14と、そのプローブ10内から
取り出される測定光および参照光をそれぞれ検出する光
検出素子である1対のホトダイオード16および18
と、ホトダイオード16から出力される測定光量を示す
測定光信号SMおよびホトダイオード18から出力され
る参照光量を示す参照光信号SRをそれぞれ増幅する増
幅器20および22と、それら増幅器20および22に
より増幅された測定光信号SMおよび参照光信号SRを
処理してヘマトクリット値Hを算出する演算制御装置2
4と、その演算制御装置24により算出されたヘマトク
リット値をデジタル的或いはアナログ的に表示する表示
器26とを備えている。
【0015】上記演算制御装置24は、A/D変換器、
CPU、ROM、RAM、インターフェースなどを備え
た所謂マイクロコンピュータであって、CPUは、RA
Mの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶された
プログラムに従って、上記A/D変換器を通して入力さ
れた測定光信号SMおよび参照光信号SRに基づいて血
液内の光密度OD(optical density )を算出し、数式
1に示す予め記憶された関係から上記光密度ODに基づ
いてヘマトクリット値Hを決定し、表示器26に表示さ
せる。ここで、数式1において、eはヘモグロビンの量
質消滅係数、dは光学的距離、Kは赤血球の寸法および
形状に由来する定数である。
【0016】
【数1】OD=e・d・H+K ・・・(1)
【0017】上記プローブ10は、図2および図3にも
詳しく示すように、合成樹脂或いは超弾性を備えた形状
記憶合金などの可撓性材料から構成された長手状の可撓
性プローブ本体30を備えている。この可撓性プローブ
本体30は、たとえば1.5mmφ程度の径と回曲を容易
に許容する可撓性とを備えているため、生体の血管内の
所定部位まで挿入可能とされており、所謂カテーテルと
同様の形状および機能を備えている。この可撓性プロー
ブ本体30には、その長手方向に縦通する3本の縦通孔
32、34、36がその内部に形成されており、それら
縦通孔32、34、36の先端部は、上記可撓性プロー
ブ本体30の先端面に固着された、耐水性合成樹脂から
なる半球状の先端形状を有する先端部材38により、液
密に封止されている。
【0018】上記可撓性プローブ本体30の先端部に
は、その可撓性プローブ本体30の軸心を通る面内にお
いて可撓性プローブ本体30の外径よりも十分に大きな
曲率半径を有し且つその軸心に直角な面内において可撓
性プローブ本体30の外径と略同等の曲率半径を有する
凹曲面40を備えた切欠42が形成されている。この切
欠42は、上記3本の縦通孔32、34、36のうちの
1つ、たとえば縦通孔36が凹曲面40に露出するよう
に形成されており、その凹曲面40には、縦通孔32に
連通する楕円形状の開口44が形成されている。開口4
4は、その楕円形状の長軸が可撓性プローブ本体30の
軸心と平行とされている。上記縦通孔32には、接続ポ
ート46を備えたサンプリングチューブ48が接続され
ており、必要に応じて血液がサンプリングされるととも
に、ヘマトクリットHの長時間にわたる測定において後
述の切断端面60、62に対する血液の凝固或いは固着
を防止或いは除去するための生理食塩水などの液体の圧
送、或いは血液の吸引が、上記開口44、縦通孔32、
サンプリングチューブ48を介して行われ得るようにな
っている。
【0019】前記レーザダイオード14に一端部が接続
されて、そのレーザダイオード14から共通の単色光で
ある測定光および参照光が一端面に入射される測定光用
光ファイバ50および参照光用光ファイバ52は、可撓
性プローブ本体30の先端面まで上記縦通孔34内を挿
通させられるとともに、前記先端部材38内でヘアピン
状或いはU字状に回曲させられた後、可撓性プローブ本
体30の基端面まで縦通孔36内を挿通させられて外部
へ導かれている。すなわち、参照光用ファイバ52は、
参照光が可撓性プローブ本体30の先端部に到達してか
ら戻るように、その可撓性プローブ本体30内を往復す
る状態で設けられ、測定光を導くための測定光用光ファ
イバ50は、その参照光用ファイバ52と略同じ距離お
よび略同じ位置となるように、参照光用ファイバ52に
沿って可撓性プローブ本体30内を互いに略平行に設け
られている。
【0020】上記可撓性プローブ本体30の外部へ導か
れている測定光用光ファイバ50および参照光用光ファ
イバ52の他端部には、前記ホトダイオード16、18
が設けられている。これにより、測定光用光ファイバ4
0および参照光用光ファイバ42の他端面から出力され
る測定光および参照光が検出され、それら測定光の強度
m および参照光の強度Ir を表す測定光信号SMおよ
び参照光信号SRがホトダイオード16および18から
それぞれ出力される。
【0021】上記測定光用光ファイバ50および参照光
用光ファイバ52は、ポリメチルメタクリレート(PM
MA)、重水素化PMMAなどの光学特性に優れた合成
樹脂、或いは石英ガラス、多成分ガラスなどの光学特性
に優れたガラスにより構成されたものであって、ステッ
プ的に或いは連続的に外周部ほど屈折率が低くされてい
る。上記測定光用光ファイバ50および参照光用光ファ
イバ52としては、たとえば、0.25mmφの径を有す
るプラスチックファイバ(三菱レーヨン社製のSK−1
0)が好適に用いられる。通常、このように構成された
光ファイバは、曲げ或いは振動などによる歪みが加えら
れると、光弾性効果による屈折率の局部的変化は機械的
形状の変化によって伝搬モード数が変化する性質があ
る。光ファイバで伝送される全光量はモード数に比例す
るため、曲げや振動によって伝送損失が僅かに変動す
る。このような伝送損失の僅かな変動は、測定精度に対
する影響が大きい。
【0022】上記参照光用光ファイバ52のうちの前記
切欠42内の凹曲面40上に位置する部分の外周には、
その外周面を覆うように、たとえば0.4mmφ程度の外
径を有するステンレス鋼製の比較的短円筒状の遮光部材
54が装着されており、切欠42内において参照光用光
ファイバ52の露出しようとする部分が遮光されてい
る。また、計測光用光ファイバ50のうちの上記切欠4
2内の凹曲面40上に位置する部分は、たとえば1.2
mm程度の所定距離dが除去された状態とされており、そ
の部分には、対向間隔dを隔てて対向する1対の切断端
面60、62が設けられている。これにより、プローブ
10の先端が血管或いは血液中に挿し入れられている状
態では、計測光用光ファイバ50に導かれる測定光は、
上記対向間隔d内の血液を通して伝搬させられるように
なっているが、参照光は、測定光と略同じ距離を参照光
用光ファイバ52内のみにおいて導かれるようになって
いる。なお、上記切欠42内に露出する縦通孔36の開
口部分は、先端部材38と同様の耐水性樹脂により埋め
られることにより、凹曲面40と面一とされている。
【0023】ここで、以下において、本実施例で用いら
れるヘマトクリット値Hの測定原理を説明する。一般
に、溶液に対する入射光強度(intensity of incident
light)をIo 、その溶液の透過光強度(intensity of
transmitted light)をIとすると、溶液内の光密度O
Dは、数式2のように定義される。ここでは、上記入射
光強度Io は、血球のような散乱粒子の無い溶液内に入
れられたときの測定光用光ファイバ50から得られた光
強度と定義される。測定光強度Im はプローブ10の動
きやレーザダイオード14の出力光の変動によって変動
するので、上記入射光強度Io も同様に変動する。しか
し、生理食塩水(サリン)、乳濁リンゲル液、血漿水
(プラズマ)のような、血球を含まない透過液における
測定光強度I m と参照光強度Ir との比Im /Ir は、
プローブ10に繰り返し曲げが加えられている間でも、
一定値であった。
【0024】このため、たとえば、乳濁リンゲル液を用
いたときの測定光強度Imoと参照光強度Iroとが測定に
先立って予め求められると、前記血球のような散乱粒子
の無い溶液内に入れられたときの測定光用光ファイバ5
0から得られた光強度Io は、数式3に示すように表さ
れ得る。そして、この数式3を上記数式2に代入するこ
とにより、数式4に示す関係が得られる。
【0025】
【数2】OD=log(Io /I) ・・・(2)
【0026】
【数3】Io =Ir ×(Imo/Iro) ・・・(3)
【0027】
【数4】 OD=log(Io /Im ) =log(Ir /Im ) +log((Imo/Iro) ・・・(4)
【0028】上記数式4の右辺第2項は、血球以外の散
乱源たとえば血漿タンパク質、中性脂肪、リン脂質、コ
レステロール、脂肪酸などによる溶液中光密度の影響を
除去する機能を持つものであり、レーザダイオード14
の光出力強度、増幅器20の増幅率、測定光用光ファイ
バの接続条件などの変化によって変動させられる。
【0029】一方、赤血球を含む懸濁液を透過する光
は、ヘモグロビン分子による吸収、赤色細胞による散
乱、懸濁液による不特定な吸収の影響を受けることが知
られている。血球のような散乱粒子を含む懸濁液を通過
した全光束のために、Twensky により、吸収と散乱とを
独立に取り扱うことができる式〔「Applied Mathamatic
s」(Providence, RI:American Mathamatical Society
発行、第16巻、第84〜116頁) 〕が開発された。その理
論によれば、赤血球を含む懸濁液においては、数式5に
示すように表される。ここで、数式5において、eはヘ
モグロビンの量質消滅係数、dは懸濁液透過の光学的距
離、sは波長、粒子寸法および形状に関連する係数、q
は光検出効率に由来する係数である。
【0030】
【数5】 OD=e・d・H− log〔10-sH(1-H)d +q(1 −10-sH(1-H)d )〕 ・・・(5)
【0031】上記数式5の右辺第1項は、ランバート−
ビーア(Ranbert-Beer)の法則を表すものであり、右辺
第2項は、光密度ODの光散乱による影響を示してい
る。AndersonとSekeljの研究〔「Phys Med Biol 」第29
巻、第181 〜193 頁〕によれば、透過距離dが0.25
mm以上であれば、係数sは一定値(たとえば 150)であ
り、測定光ファイバ50の受光側の端面に入射した光量
を示す係数qは、測定光ファイバ50の投射側の端面か
ら所定距離dを隔てて受ける上記受光側の端面立体角
(たとえば0.1252/4πd2ラジアン)として算出される。
【0032】図4は、測定光ファイバ50の切欠42内
における切断端面60および62の間隔dを1.2と設
定したときの上記数式5のTwensky の理論に従ったヘマ
トクリット値Hの関数としての血液内の光密度ODを示
している。図4に示すように、ヘマトクリット値Hの生
理的な変化範囲では、そのヘマトクリット値Hと血液内
の光密度ODとは比例関係にあり、たとえば数式5の右
辺第2項を定数Kとした、前記数式1に示す一次式によ
り表される。この定数Kは、赤血球の寸法や形状に関連
する一定値である。なお、上記間隔dが小さくなると、
図4の曲線のうちの平坦な直線部分が湾曲して直線性が
損なわれて測定精度が低下する傾向があり、また、その
間隔dが小さくなると、ホトダイオート16により検出
される測定光の強度Im が減少して測定精度が低下する
傾向がある。上記間隔dは、たとえば1.0乃至2.1
の範囲内において決定されることが測定精度を高く維持
する上で望まれる。
【0033】上述のように、本実施例のプローブ10に
よれば、可撓性プローブ本体30内には、参照光がその
可撓性プローブ本体30の先端部に到達してから戻るよ
うに、その可撓性プローブ本体30内を往復する状態で
参照光用ファイバ52が設けられるとともに、測定光を
導くために、その参照光用ファイバ52に沿って測定光
用光ファイバ50が設けられていることから、たとえ可
撓性プローブ本体30に曲げや振動などの機械的刺激が
加えられたとしても参照光用ファイバ52と測定光用光
ファイバ50とには同様な曲げ損失が発生するので、そ
れら参照光用ファイバ52に導かれた参照光と測定光用
光ファイバ50に導かれた測定光とが、両者に含まれた
ノイズが相殺されるように用いられることにより、すな
わち血液内の光密度ODを算出するための数式4に示す
ように強度比Ir /Im を算出するために用いられるこ
とにより、上記機械的刺激の影響を受けないヘマトクリ
ット値Hが得られる。したがって、機械的な刺激が加え
られたとしても安定的に血液成分を測定することができ
る血液成分測定用プローブ10が得られる。
【0034】また、本実施例によれば、可撓性プローブ
本体30には、それぞれ単一の参照光用光ファイバ52
および測定光用光ファイバ50がその先端部まで往復す
るように縦通した状態で設けられ、それら参照光用光フ
ァイバ52および測定光用光ファイバ50には、1個の
発光素子から800乃至810nmの波長を有する共通の
単色光がレーザダイオード14からそれぞれ入射される
ものである。このため、可撓性プローブ本体30内に
は、単一の参照光用光ファイバ52および測定光用光フ
ァイバ50が収容されるだけであるので、プローブ10
の径寸法が小さくされて最小曲げ半径が小さくなるので
細い血管に対しても使用できるようになるとともに、8
00乃至810nmの波長を有する単色光が用いられるの
で、酸素飽和度の影響を受け難いヘマトクリット値の測
定が可能となる。
【0035】また、本実施例によれば、可撓性プローブ
本体30の切欠42の内壁面である凹曲面40のうち測
定光用光ファイバ50の1対の切断端面60および62
の間に位置し、それら1対の切断端面60および62の
対向間隔dと同等以上の長軸を有する楕円状の開口44
と、可撓性プローブ本体30内に設けられて先端部がそ
の開口44に連通する管路として機能する縦通孔32と
が設けられていることから、上記縦通孔32(管路)を
通して血液を吸引し或いは生理食塩水のような透明流体
を圧送することにより、測定光用光ファイバ50の切断
端面60および62における血液の凝固を防止し或いは
取り除くことができるので、長時間の継続的測定が可能
となる。また、上記縦通孔32(管路)の開口44は、
1対の切断端面60および62の対向間隔dと同等以上
の長軸を有する楕円状であるので、それら切断端面60
および62に付着した凝固血液を一層好適に吸引でき
る。
【0036】また、本実施例によれば、可撓性プローブ
本体30の先端部に形成された切欠42内において露出
する参照光用光ファイバ52の外周面を覆う円筒上の遮
光部材54が設けられているので、切断端面60から血
液中へ送り出された計測光や何等かの外来光が参照光用
光ファイバ50の外周面内に入射することがなく、その
計測光や外来光の入射に起因する測定精度の低下が好適
に防止される利点がある。
【0037】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0038】たとえば、前述の実施例のプローブ10
は、ヘマトクリット値Hを測定するために用いられるも
のであったが、酸素飽和度などの他の血液成分を測定す
るために用いられるものであってもよい。
【0039】また、前述の実施例のプローブ10は、切
欠42の凹曲面40において計測光用光ファイバ52の
切断端面60および62の間に位置する開口44と、そ
れに連通する管路として機能する縦通孔32とを備えた
ものであったが、それら開口44および縦通孔32は必
ずしも設けられていなくてもよい。この場合には、プロ
ーブ10の径が一層小さくされる利点がある。
【0040】また、前述の実施例において、プローブ1
0内を通過した計測光および参照光を検出するためにホ
トダイオード16、18が用いられていたが、ホトトラ
ンジスタ、ソーラーセルなどの他の光検出素子が用いら
れても差し支えない。
【0041】また、前述の実施例のプローブ10におい
て、樹通孔36に導かれることにより切欠42内に露出
する参照光用光ファイバ52の外周面を覆って遮光する
ために、円筒状の金属製遮光部材54が設けられていた
が、その遮光部材54に変えて、黒色樹脂などの他の材
料から成る遮光部材が設けられていてもよい。
【0042】また、前述の実施例のプローブ10は、カ
テーテルと同様にして動脈或いは静脈内に挿入されるよ
うに小径且つ長く構成されたものであったが、所定容器
内にサンプリングされた血液内に挿し入れられるように
比較的短かく構成されたものであっても差し支えない。
【0043】その他、一々列挙はしないが、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例のプローブが備えられたヘマトク
リット測定装置の構成を説明する図である。
【図2】図1のプローブの要部である切欠内および断面
を拡大して説明する正面図である。
【図3】図1のプローブの要部である切欠内を拡大して
説明する図であって図2のIII−III 視断面図である。
【図4】図1のヘマトクリット測定装置においてヘマト
クリット値を測定するために用いられる予め記憶された
関係を示す図である。
【符合の説明】 10:プローブ 12:ヘマトクリット測定装置(血液成分測定装置) 14:レーザダイオード(発光素子) 30:可撓性プローブ本体 32:縦通孔(管路) 40:凹曲面(内壁面) 42:切欠 44:開口 50:測定光用ファイバ 52:参照光用ファイバ 54:遮光部材 60、62:切断端面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 弘子 京都府京都市上京区河原町広小路上ル 京 都府立医科大学内 (72)発明者 田中 義文 京都府京都市上京区河原町広小路上ル 京 都府立医科大学内 Fターム(参考) 2G045 AA06 AA13 CA25 FA29 GA05 HA09 HA14 2G059 AA01 BB13 CC16 FF08 GG01 HH06 JJ17 MM09 MM10 4C038 KK00 KL07 KY04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 参照光および測定光を用いて血液成分を
    測定するために血液内に挿し入れられる血液成分測定用
    プローブであって、 前記血液内に挿し入れられる長手状の可撓性プローブ本
    体と、 前記参照光が該可撓性プローブ本体の先端部に到達して
    から戻るように、該可撓性プローブ本体内を往復する状
    態で設けられた参照光用ファイバと、 前記測定光を導くために、該参照光用ファイバに沿って
    前記可撓性プローブ本体内に設けられた測定光用光ファ
    イバと、 前記可撓性プローブ本体の先端部において該可撓性プロ
    ーブ本体内の測定光用光ファイバを露出させるために、
    該可撓性プローブ本体の先端部に形成された切欠と、 前記測定光用光ファイバにより導かれる測定光が前記血
    液を通過するように、該測定光用光ファイバの前記可撓
    性プローブ本体の先端部に形成された切欠内において露
    出する部分に設けられた、所定の間隔を隔てて相対向す
    る1対の切断端面とを、含むことを特徴とする血液成分
    測定用プローブ。
  2. 【請求項2】 前記可撓性プローブ本体には、それぞれ
    単一の参照光用光ファイバおよび測定光用光ファイバが
    設けられ、それら参照光用光ファイバおよび測定光用光
    ファイバには、1個の発光素子から800乃至810nm
    の波長を有する共通の単色光がそれぞれ入射されるもの
    である請求項1の血液成分測定用プローブ。
  3. 【請求項3】 前記可撓性プローブ本体の切欠の内壁面
    のうち前記測定光用光ファイバの1対の切断端面の間に
    位置し、該1対の切断端面の対向間隔と同等以上の長軸
    を有する楕円状の開口と、 前記可撓性プローブ本体内に設けられて先端部が該開口
    に連通する管路とを、さらに含むものである請求項1ま
    たは2の血液成分測定用プローブ。
  4. 【請求項4】 前記血液成分測定用プローブはヘマトク
    リット値を測定するためのものであり、前記測定光用光
    ファイバの1対の切断端面の間隔は、1.0乃至2.1
    mmの範囲から選択されたものである請求項1乃至3のい
    ずれかの血液成分測定用プローブ。
  5. 【請求項5】 前記可撓性プローブ本体の先端部に形成
    された切欠内において露出する参照光用光ファイバの外
    周面を覆う遮光部材が設けられている請求項1乃至4の
    いずれかの血液成分測定用プローブ。
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