JP2000154772A - エンジンの点火時期制御装置 - Google Patents

エンジンの点火時期制御装置

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JP2000154772A
JP2000154772A JP10326545A JP32654598A JP2000154772A JP 2000154772 A JP2000154772 A JP 2000154772A JP 10326545 A JP10326545 A JP 10326545A JP 32654598 A JP32654598 A JP 32654598A JP 2000154772 A JP2000154772 A JP 2000154772A
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JP
Japan
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combustion mode
ignition timing
knock
correction value
degree
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JP10326545A
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English (en)
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Toyohiko Kameoka
豊彦 亀岡
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の燃焼形態を実現するエンジンの点火時
期をノック限界点火時期に適切に制御することができる
エンジンの点火時期制御装置を得ること。 【解決手段】複数の燃焼形態の実現が可能でかつ状況に
応じて燃焼形態を変更可能なエンジンに、エンジン負荷
とエンジン回転数、及び現在の燃焼形態に基づいて、ノ
ッキング限界点火時期よりも遅角側に存在しノッキング
が発生しない点火時期である基本点火時期を算出する基
本点火時期算出手段と、基本点火時期をノッキング限界
点火時期近傍まで進角させる点火時期補正値を算出する
点火時期補正値算出手段と、ノッキング発生度合に基づ
いて点火時期補正値を補正する割合であるノック度合を
算出するノック度合算出手段とを備える点火時期制御装
置を設け、点火時期をノッキング限界点火時期まで進角
させるノック制御を行わせる。これによれば、点火時期
は、燃焼形態をも考慮して算出されるため、現在の燃焼
形態に適切に対応した点火時期を算出することができ、
エンジン点火時期の良好なノック制御を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの点火時
期制御装置に関し、特に複数の燃焼形態の実現が可能な
エンジンのノック制御を行う点火時期制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エンジンの点火時期は、最良点火時期
(MBT)においてエンジン出力及び燃料消費率が最良
のものとなる。しかしながら、運転領域によっては最良
点火時期がノッキングの発生するノッキング領域に位置
する場合がある。このような場合には、ノッキングの発
生しない位置(最良点火時期よりも遅角側)に基本点火
時期を設定し、この基本点火時期を補正値及びノッキン
グの発生度合いに基づいて補正し、ノッキングが発生す
るぎりぎりの点火時期であるノッキング限界点火時期に
点火時期を設定するノック制御を行うことで点火時期を
設定している。
【0003】また、ノッキングの発生領域は燃焼形態毎
に異なる。理論空燃比よりも薄い(リーン)混合気によ
り燃焼を行うリーン燃焼形態は、ストイキオ混合気より
も、燃料に対して空気が過剰にあるためストイキオ混合
気よりも燃えにくく、燃焼速度も遅いという特性を有し
ている。したがって、リーン燃焼によるエンジン運転時
は、同一の出力トルクにおけるストイキオ運転時と比較
してノッキングが発生しにくい。このため、複数の燃焼
形態を実現可能なエンジン制御装置においては、各燃焼
形態毎にノッキング発生領域が異なるため、各燃焼形態
毎に基本点火時期及び補正値のマップを備え、これらに
基づき点火時期を設定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ノッ
ク制御では、ノッキング発生度合いに応じて補正値を補
正している。しかしながら、燃焼形態毎にノッキング発
生領域も異なっており、燃焼形態の移行直後、例えば、
ストイキオ運転からリーン運転に燃焼形態が移行された
直後では、リーン運転におけるノッキングの発生度合い
を検知することができず、ノッキングの発生度合いによ
る点火時期補正ができない。
【0005】このため、ノッキングの発生度合いによる
補正を行わない場合には、点火時期をノッキング限界点
火時期まで進角させることができない。
【0006】また、移行前の燃焼形態におけるノック発
生度合いを用いて補正した場合には、必要以上に進角側
に補正される虞がある。
【0007】更に、一つの燃焼形態から他の燃焼形態へ
の燃焼形態移行時においては、燃焼形態が中間の燃焼形
態となるため、燃焼形態の移行直後と同様にノッキング
の発生度合いを検知することができず、適切な点火時期
の補正が行えないという課題がある。
【0008】上述の課題は、ストイキオ運転において吸
入空気中にEGRガスを付加するEGR運転を行う場合
と、EGRガスを付加しないストイキオ運転においても
同様に存在している。
【0009】本発明は、上述の種々の問題を解決すべく
なされたものであり、その目的は、複数の燃焼形態を実
現するエンジンの点火時期をノック限界点火時期に適切
に制御することができるエンジンの点火時期制御装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記不具合を解決するた
めに、本発明の請求項1に記載の発明は、エンジン運転
状態に基づき複数の燃焼形態の実現が可能なエンジンに
設けられ、ノッキングの発生するぎりぎりの点火時期で
あるノック限界点火時期に向けて点火時期を制御するエ
ンジンの点火時期制御装置において、エンジンのエンジ
ン運転状態及び現在の燃焼形態に基づいて、ノッキング
の発生しない点火時期である基本点火時期を算出する基
本点火時期算出手段と、エンジンのエンジン運転状態及
び現在の燃焼形態に基づいて、基本点火時期を補正する
点火時期補正値を算出する点火時期補正値算出手段と、
現在の燃焼形態におけるノッキングの発生度合に基づい
て点火時期補正値を補正する割合であるノック度合を算
出するノック度合算出手段とを備え、基本点火時期と基
本点火時期補正値とノック度合に基づき点火時期制御を
行うことを特徴とする。
【0011】これによれば、基本点火時期は、エンジン
のエンジン負荷とエンジン回転数の他に、現在の燃焼形
態をも用いて算出される。また、点火時期補正値も同様
に、エンジン負荷とエンジン回転数の他に、現在の燃焼
形態をも用いて算出される。
【0012】このように燃焼形態をも考慮して算出した
基本点火時期と点火時期補正値を用いることにより、現
在の燃焼形態に適切に対応した点火時期を算出すること
ができ、エンジン点火時期の良好なノック制御を行うこ
とができる。
【0013】更に、現在の燃焼形態におけるノッキング
の発生度合に基づいてノック度合が算出され、このノッ
ク度合を用いて点火時期補正値が補正される。
【0014】これにより、点火時期は、現在の燃焼形態
におけるノッキングの発生度合に応じてフィードバック
制御され、現在の燃焼形態におけるノッキング限界点火
時期に適切に制御される。したがって、エンジン点火時
期の良好なノック制御が行われる。
【0015】請求項2に記載の発明は、燃焼形態が1つ
の燃焼形態から他の燃焼形態へ移行される途中の燃焼形
態である中間燃焼形態であるときの燃焼形態移行率を算
出する燃焼形態移行率算出手段を備え、基本点火時期算
出手段は、エンジン運転状態及び燃焼形態の移行前の燃
焼形態に基づいて算出したベース燃焼形態基本点火時期
と、エンジン運転状態及び移行目標とする燃焼形態に基
づいて算出した目標燃焼形態基本点火時期とを算出し、
ベース燃焼形態基本点火時期と目標燃焼形態基本点火時
期とから燃焼形態移行率を用いて現在の燃焼形態におけ
る基本点火時期を算出する。
【0016】点火時期補正値算出手段は、エンジン運転
状態及び燃焼形態の移行前の燃焼形態に基づいて算出し
たベース燃焼形態点火時期補正値と、エンジン運転状態
及び移行目標とする燃焼形態に基づいて算出した目標燃
焼形態点火時期補正値とを算出し、ベース定常燃焼形態
点火時期補正値と目標燃焼形態点火時期補正値とから燃
焼形態移行率を用いて現在の燃焼形態における点火時期
補正値を算出する。
【0017】これによれば、燃焼形態が1つの燃焼形態
から他の燃焼形態へ移行される途中の燃焼形態である中
間燃焼形態であるとき、現在の中間燃焼形態が移行前の
燃焼形態から移行目標とする燃焼形態へ、どれだけ移行
しているのかを割合で示す燃焼形態移行率が算出され
る。
【0018】この燃焼形態移行率を用いて、中間燃焼形
態における基本点火時期及び点火時期補正値を、移行前
の燃焼形態及び移行目標の燃焼形態におけるそれぞれの
基本点火時期及び点火時期補正値から算出しているた
め、中間燃焼形態における適切な基本点火時期及び点火
時期補正値を得ることができる。したがって、中間燃焼
形態であっても、エンジン点火時期の良好なノッキング
制御を行うことができる。
【0019】請求項3に記載の発明は、燃焼形態が1つ
の燃焼形態から他の燃焼形態へ移行される途中の燃焼形
態である中間燃焼形態であるときの燃焼形態移行率を算
出する燃焼形態移行率算出手段を備え、基本点火時期算
出手段は、エンジン運転状態及び燃焼形態の移行前の燃
焼形態に基づいて算出したベース燃焼形態基本点火時期
と、エンジン運転状態及び移行目標とする燃焼形態に基
づいて算出した目標燃焼形態基本点火時期とを算出し、
ベース燃焼形態基本点火時期と目標燃焼形態基本点火時
期とから燃焼形態移行率を用いて現在の燃焼形態におけ
る基本点火時期を算出する。
【0020】点火時期補正値算出手段は、エンジン運転
状態及び燃焼形態の移行前の燃焼形態に基づいて算出し
たベース燃焼形態点火時期補正値と、エンジン運転状態
及び移行目標とする燃焼形態に基づいて算出した目標燃
焼形態点火時期補正値とを算出し、ベース燃焼形態点火
時期補正値と目標燃焼形態点火時期補正値とから燃焼形
態移行率を用いて現在の燃焼形態における点火時期補正
値を算出する。
【0021】ノック度合算出手段は、エンジン運転状態
及び燃焼形態の移行前の燃焼形態に基づいて算出したベ
ース燃焼形態ノック度合と、エンジン運転状態及び移行
目標とする燃焼形態に基づいて算出した目標燃焼形態ノ
ック度合とを算出し、ベース定常燃焼形態ノック度合と
目標燃焼形態ノック度合とから燃焼形態移行率を用いて
現在の燃焼形態におけるノック度合を算出する。
【0022】これによれば、燃焼形態が1つの燃焼形態
から他の燃焼形態へ移行される途中の燃焼形態である中
間燃焼形態であるとき、現在の中間燃焼形態が移行前の
燃焼形態から移行目標とする燃焼形態へ、どれだけ移行
しているのかを割合で示す燃焼形態移行率が算出され
る。
【0023】更に、移行前の燃焼形態のノック度合い
と、移行目標とする燃焼形態におけるノック度合いとを
算出し、中間燃焼形態におけるノック度合いを算出す
る。
【0024】この燃焼形態移行率及びノック度合いを用
いて、中間燃焼形態における基本点火時期及び点火時期
補正値を、移行前の燃焼形態及び移行目標の燃焼形態に
おけるそれぞれの基本点火時期及び点火時期補正値から
算出しているため、中間燃焼形態における適切な基本点
火時期及び点火時期補正値を得ることができる。
【0025】したがって、中間燃焼形態であっても、ノ
ッキングの発生度合いに応じたエンジン点火時期の良好
なノッキング制御を行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図に基づいて説明する。
【0027】図1は、本発明にかかるエンジンの点火時
期制御装置が適用されるエンジンの全体構成説明図であ
る。本実施の形態におけるエンジン1は、自動車用エン
ジン、例えば水平対向型エンジンであり、シリンダ内に
直接燃料を噴射する筒内噴射式エンジンである。本エン
ジンは、車両走行状態やアクセルペダルの踏込量等の状
況に応じた定常的な燃焼形態(定常燃焼形態)、具体的
には、混合気が理論空燃比(ストイキオ)であるストイ
キオ燃焼形態、理論空燃比よりもリーンであるリーン燃
焼形態、あるいはストイキオ燃焼形態にEGRガスを付
加したストイキオEGR燃焼形態を実現することができ
る。更に、複数の定常的な燃焼形態の1つから他の定常
的な燃焼形態への移行時には、移行途中の燃焼形態とし
て中間燃焼形態を実現することができる。
【0028】図示したように、エンジン1には吸気通路
2及び排気通路3が各々連通されている。吸気通路2の
上流端は、吸気チャンバ4を介して図示していない車体
前方に開口しており、下流端はサージタンク5から分岐
した吸気管6によりエンジン1に接続され、吸気ポート
7を介して各燃焼室8と連通している。
【0029】吸気通路2の上流側位置には、空気中の塵
埃を除去するエアクリーナ12が設けられ、その下流側
位置には吸気通路2内を通過してエンジンに吸入される
吸入空気量Qを制御するスロットルバルブ14が設けら
れている。スロットルバルブ14は、後述する電子制御
ユニットからの制御信号に基づいてバルブ開度を変化さ
せるスロットルアクチュエータ15を備えており、電子
制御スロットル(以下、単にETCという)16を構成
している。
【0030】一方、排気通路3の上流側には各排気ポー
ト10を介して各燃焼室8に連通する排気管11が設け
られており、排気通路3の下流側には車体後部に取付け
られるマフラ9が接続されている。また、排気管11と
マフラ9との間には排気ガスの浄化を行う触媒22が介
装されている。この触媒22は、エンジン1のリーン運
転時において排気ガス中に含まれる過剰なNOxを一時
的に吸蔵し、リッチ運転時に放出して還元する機能を備
えている。
【0031】排気管11と吸気管6の集合部との間を連
通するEGR通路24は、吸気管6及び排気管11より
も小径の流路面積をもって形成されており、このEGR
通路24の途中にはステッピングモータを駆動源として
開閉制御され、EGR通路24の流路面積を変化させる
EGRバルブ25が取付けられている。
【0032】また、シリンダヘッド26には、燃焼室8
内に臨んで点火プラグ28とインジェクタ19が設けら
れている。点火プラグ28は、イグナイタ27及びイグ
ニッションコイル29を介して給電された高電圧によっ
て、燃焼室8内の混合気に所定の点火時期にて強制着火
する。インジェクタ19は、燃料噴射方向がピストンに
向けて設けられており、燃料ポンプ20から燃料配管2
1を介して圧送供給された燃料を微粒化して燃焼室内に
直接噴射する。
【0033】なお、図中、30はエンジンのクランク軸
が所定のクランク軸角度をなす毎にパルス信号を出力す
るクランク角センサ、31はエンジンのノッキングを検
出するノックセンサ、32は図示しないアクセルペダル
の踏込量に応じた電圧信号を出力するアクセル開度セン
サを示す。
【0034】また、33は吸気管6内の圧力に応じた電
圧信号を出力する吸気管圧力センサ、34は吸気管6内
のガス温度に応じた電圧信号を出力する吸気管温度セン
サ、35は触媒22の上流側における排気ガス中の空燃
比を電圧信号に変換して出力する空燃比センサ、36は
スロットルバルブ14を通過する空気流量を計測する吸
入空気量センサ、37はエンジン1の冷却水の温度を検
出する冷却水温度センサを示す。その他、本図に示され
た部材のうち本発明の機能と直接関連を有しないものに
ついてはその説明を省略する。
【0035】そして、上記各センサからの検出信号は電
子制御ユニット(以下、単にECUという)40に入力
され、ECU40からは各部材への駆動制御信号が出力
される。
【0036】図2は、ECU40の概略構成説明図であ
る。ECU40は、図示したように、各センサからの信
号を入力する入力インターフェース回路40a、各部材
への駆動制御信号を所定レベルまで増幅して各部材に出
力する出力インターフェース回路40b、主演算装置と
してのCPU40c、制御プログラムや予め設定された
固定データを記憶するROM40d、各センサからの検
出信号や演算処理を行う上で各種データ等を格納するR
AM40e、さらに学習データ等を格納するバックアッ
プRAM40f、タイマ40g等をバスライン40hで
相互に接続してなるマイクロコンピュータシステムとし
て構成されている。
【0037】入力インターフェース回路40aにはクラ
ンク角センサ30、アクセル開度センサ32、吸気管圧
力センサ33、吸気管温度センサ34、空燃比センサ3
5、吸入空気量センサ36の各入力信号路が接続され、
エンジン運転状態が検出される。また、出力インターフ
ェース回路40bにはイグナイタ27、インジェクタ1
9、ETC16、EGRバルブ25への出力信号路が接
続され、エンジン運転制御が行われる。
【0038】そして、CPU40c内部には、点火時期
ADV の制御を行う点火時期制御部41と現在の燃焼形態
を判断するための中間燃焼比率RATIO を算出する燃焼形
態移行率算出部42が構成されている。中間燃焼比率RA
TIO とは、燃焼形態を変更する前の1つの定常燃焼形態
をベース燃焼形態とし、変更後の他の定常燃焼形態を目
標燃焼形態とすると、ベース燃焼形態から目標燃焼形態
への燃焼形態の移行度合を示す比率であり、これによ
り、現在の燃焼形態を認識判断することが可能となる。
【0039】図3は、点火時期制御部41の点火時期設
定機能を説明するためのブロック説明図である。点火時
期制御部41の点火時期設定機能は、基本点火時期算出
手段51と、点火時期補正値算出手段52と、ノック度
合算出手段53と、点火時期算出手段54とにより構成
されている。
【0040】基本点火時期算出手段51は、エンジン回
転数Neとエンジン負荷Tp、及び中間燃焼比率RATIO
を用いて、RAM40e内に予めストアされ各定常燃焼
形態毎に設定されているデータマップを参照し、演算処
理することにより現在の燃焼形態における基本点火時期
ADV を算出する。
【0041】具体的には、ベース燃焼形態となる1つの
定常燃焼形態における基本点火時期算出用のデータマッ
プを参照した値と、目標燃焼形態となる他の定常燃焼形
態における基本点火時期算出用のデータマップを参照し
た値とを中間燃焼比率RATIOを用いて直線補間すること
により、現在の燃焼形態における基本点火時期ADV が算
出される。
【0042】例えば、現在の燃焼形態が1つの定常燃焼
形態を維持する場合には、中間燃焼比率RATIO は0若し
くは1であるため、その定常燃焼形態にて設定されてい
る基本点火時期算出用のデータマップのみがエンジン回
転数Neとエンジン負荷Tpとを用いて参照され、現在
の燃焼形態における基本点火時期ADV が算出される。
【0043】ここで算出される基本点火時期ADV とは、
例えば気温25℃、大気圧780mmg等の所定の状態
で、あるエンジン回転数にてこれ以上点火時期を進角さ
せるとノッキングが発生するノック限界点火時期が存在
する場合に、そのノック限界点火時期よりも遅角側に安
全マージンを含めた分だけ遅角させた点火時期をいい、
想定しうる最悪の環境であってもノッキングの発生する
可能性が低い点火時期がデータマップに設定されてい
る。
【0044】点火時期補正値算出手段52は、エンジン
回転数Neとエンジン負荷Tp、及び中間燃焼比率RATI
O を用いて、RAM40e内に予めストアされ各定常燃
焼形態毎に設定されているデータマップを参照し、演算
処理することにより現在の燃焼形態における点火時期補
正値MBT を算出する。
【0045】具体的には、ベース燃焼形態となる1つの
定常燃焼形態における点火時期補正値算出用のデータマ
ップを参照した値と、目標燃焼形態となる他の定常燃焼
形態における点火時期補正値算出用のデータマップを参
照した値とを中間燃焼比率RATIO を用いて直線補間する
ことにより、現在の燃焼形態における点火時期補正値MB
T が算出される。
【0046】例えば、現在の燃焼形態が1つの定常燃焼
形態を維持する場合には、中間燃焼比率RATIO は0若し
くは1であるため、その1つの定常燃焼形態にて設定さ
れている点火時期補正値算出用のデータマップのみがエ
ンジン回転数Neとエンジン負荷Tpとを用いて参照さ
れ、現在の燃焼形態における点火時期補正値MBT が算出
される。
【0047】ここで算出される点火時期補正値MBT と
は、所定の状態において求められた基本点火時期を現在
のエンジン運転状態でのノッキング限界点火時期に補正
する点火時期進角補正量である。
【0048】ノック度合算出手段53は、ベース燃焼形
態となる1つの定常燃焼形態と目標燃焼形態となる他の
定常燃焼形態毎に設定されている演算処理方法により各
定常燃焼形態におけるノック度合TCMPを算出し、更に中
間燃焼比率RATIO を用いて現在の燃焼形態におけるノッ
ク度合TCMPを算出する。各定常燃焼形態におけるノック
度合TCMPは、ノッキングの発生度合によってその値が更
新される。
【0049】このノック度合TCMPとは、点火時期補正値
MBT を実際のノッキングの発生度合に応じて補正する補
正率であり、点火時期PADVを遅角側若しくは進角側にフ
ィードバック補正して現在のエンジン運転状態でのノッ
キング限界点火時期に制御するために用いられる。
【0050】ノック度合TCMPは、ノッキングの発生度合
が燃焼形態に応じて設定される所定の発生条件を超えた
場合には点火時期補正値MBT を遅角側に補正し、逆にノ
ッキングの発生度合が所定の非発生条件を超えた場合に
は点火時期補正値MBT を進角側に補正するように更新さ
れる。
【0051】点火時期算出手段54は、基本点火時期算
出手段51、点火時期補正値算出手段52、ノック度合
算出手段53によりそれぞれ算出された基本点火時期AD
V 、点火時期補正値MBT 、ノック度合TCMPを用いて演算
処理することにより点火時期PADVを算出する。
【0052】次に、点火時期PADVの算出方法についてフ
ローチャートに基づいて以下に説明する。まず最初に、
第1の実施の形態として、エンジン1がストイキオ燃焼
形態とリーン燃焼形態とを実現する場合における点火時
期PADVの算出方法ついて説明する。図4は、エンジン1
がストイキオ燃焼形態とリーン燃焼形態とを実現する場
合における点火時期PADVの演算処理方法を示した制御ル
ーチンである。
【0053】ステップ(以下、単に「S」という)10
では、中間燃焼比率RATIO が算出される。中間燃焼比率
RATIO は、ストイキオ燃焼形態からリーン燃焼形態への
燃焼形態移行率を示すリーン運転移行率LRATIOであり、
リーン運転移行率LRATIOが0であるときは現在の燃焼形
態がストイキオ燃焼形態と判断でき、リーン運転移行率
LRATIOが1であるときは現在の燃焼形態がリーン燃焼形
態であると判断することができる。中間燃焼比率RATIO
は、燃焼形態移行率算出部42により算出される。
【0054】ここで、リーン運転移行率LRATIOの算出方
法について図5を用いて以下に説明する。図5は、リー
ン運転移行率LRATIOの算出プログラムを示したフローチ
ャートである。
【0055】まず最初に、S101では、現在のエンジ
ン動作状態がリーン運転を行うことができるか否かを判
断するためのリーン運転条件の検出が行われる。ここで
は、エンジン回転数Ne、エンジン負荷、車両走行速
度、アクセルペダルの踏込量が検出され、RAM40e
内にデータ値として記憶される。そして、これらデータ
値を用いて現在のエンジン動作状態によりリーン運転が
可能か否かを判断すべく、S102へ移行する。
【0056】S102では、S101にて検出記憶した
各種データ値を用いた判断処理がなされ、リーン運転の
可否が判断される。ここで、リーン運転を行うことがで
きるリーン運転条件を満たしている(YES)と判断さ
れた場合には、リーン運転を実施すると判断してS10
3以降へ移行する。また、リーン運転条件を満たさない
(NO)と判断された場合には、S107以降へ移行す
る。
【0057】S103では、リーン運転移行率LRATIOが
1であるか否かが判断され、1である場合(YES)に
は現在の燃焼形態がリーン燃焼形態(定常燃焼形態)で
あると判断されてS105へ移行し、1以外である場合
は現在の燃焼形態がストイキオ燃焼形態若しくはリーン
燃焼形態とストイキオ燃焼形態との間の中間燃焼形態で
あると判断されてS104へ移行する。
【0058】S104では、リーン運転移行率LRATIOを
所定量だけ増加させる処理が行われる。これにより、リ
ーン運転移行率LRATIOは、所定量だけリーン側に移行し
た値に更新される。具体的には、以下の(1) 式により求
められる。
【0059】LRATIO=LRATIOold +1/16 ……(1) 上記(1) 式によれば、リーン運転移行率LRATIOが設定さ
れる0〜1までの間を16分割し、前回のプログラムサ
イクル時に算出されたリーン運転移行率LRATIOold にそ
の16分の1を加算した値が新たなリーン運転移行率LR
ATIOとして算出される。例えば、前回のリーン運転移行
率LRATIOold が4/16であるとき、新たなリーン運転移行
率LRATIOは4/16に1/16を加算した5/16となる。
【0060】そして、S105へ移行し、S105で
は、リーン運転移行率LRATIOが1以上であるか否かの判
断がなされる。ここで、リーン運転移行率LRATIOが1以
上である場合(YES)は、燃焼形態は既にリーン燃焼
形態(定常燃焼形態)に移行しているとしてS106へ
移行し、S106にてリーン運転移行率LRATIOを1(LR
ATIO=1)とする演算処理がなされる。
【0061】また、リーン運転移行率LRATIOが1未満で
ある場合(NO)、すなわち1/16〜15/16 の間の値であ
る場合は、燃焼形態はリーン燃焼形態へ移行途中の中間
燃焼形態であるとして、そのリーン運転移行率を維持し
たまま本ルーチンを抜ける(リターン)。
【0062】一方、S102にて、リーン運転不可(N
O)と判断された場合にはS107に移行し、S107
にて、リーン運転移行率LRATIOが0であるか否かが判断
され、0である場合(YES)には現在の燃焼形態がス
トイキオ燃焼形態であると判断されS109へ移行し、
0以外である場合は現在の燃焼形態がリーン燃焼形態若
しくはストイキオ燃焼形態とリーン燃焼形態との間の中
間燃焼形態であると判断されS108へ移行する。
【0063】S108では、リーン運転移行率LRATIOを
所定量だけ減少させる処理が行われる。これにより、リ
ーン運転移行率LRATIOは、所定量だけストイキオ側に移
行した値に更新される。具体的には、以下の(2) 式によ
り求められる。
【0064】LRATIO=LRATIOold −1/16 ……(2) 上記(2) 式によれば、リーン運転移行率LRATIOが設定さ
れる0〜1までの間を16分割し、前回のプログラムサ
イクル時に算出されたリーン運転移行率LRATIOold から
その16分の1を減算した値が新たなリーン運転移行率
LRATIOとして算出される。
【0065】そして、S109では、リーン運転移行率
LRATIOが0以下であるか否かの判断がなされる。ここ
で、リーン運転移行率LRATIOが0以下である場合(YE
S)は、燃焼形態は既にストイキオ燃焼形態(定常燃焼
形態)に移行しているとしてS110へ移行し、S11
0にてリーン運転移行率LRATIOを0(LRATIO=0)とす
る演算処理がなされる。
【0066】また、リーン運転移行率LRATIOが0よりも
大きい場合(NO)、すなわち1/16〜15/16 の間の値で
ある場合は、燃焼形態はストイキオ燃焼形態へ移行途中
の中間燃焼形態であるとして、そのリーン運転移行率を
維持したまま本ルーチンを抜ける(リターン)。以上の
ルーチンプログラムにより、リーン運転移行率LRAT
IOが算出される。
【0067】次に、図4のS20では、現在の燃焼形態
におけるエンジン動作状態に応じた基本点火時期ADV
の算出が行われる。基本点火時期ADV の算出方法につ
いて図6に基づいて以下に説明する。
【0068】図6は、現在の燃焼形態における基本点火
時期ADV の算出プログラムを示したフローチャートであ
り、図中(A)は基本点火時期ADV を算出するための演
算処理方法を説明する制御ルーチン、(B)はストイキ
オ燃焼形態における基本点火時期ADVst を算出するため
のデータマップADVMAPストイキオ 、(C)はリーン燃焼形態
における基本点火時期ADVln を算出するためのデータマ
ップADVMAPリーン を図示したものである。
【0069】まず最初に、S201では、エンジン回転
数Neとエンジン負荷を表す基本燃料噴射量Tpの読み
込みが行われる。ここで読み込まれたエンジン回転数N
eと基本燃料噴射量Tpに基づいて、現在のエンジン運
転領域が判断され、以下の演算処理により基本点火時期
ADV が算出される。
【0070】S202では、ストイキオ燃焼形態におけ
る現在のエンジン動作状態に対応した基本点火時期ADVs
t の算出処理が行われる。ここで、基本点火時期ADVst
は、基本点火時期算出手段51によりROM40d内に
予め設定されているデータマップADVMAPストイキオ (図中
(B))をエンジン回転数Neと基本燃料噴射量Tpと
を用いて参照し、補間計算することにより算出される。
【0071】S203では、リーン燃焼形態における現
在のエンジン動作状態に対応した基本点火時期ADVln の
算出処理が行われる。ここで、リーン基本点火時期ADVl
n は、基本点火時期算出手段51によりROM40d内
に予め設定されているデータマップADVMAPリーン (図中
(C))をエンジン回転数Neと基本燃料噴射量Tpと
を用いて参照し、補間計算することにより算出される。
【0072】S204では、現在の燃焼形態における基
本点火時期ADV が算出される。ここで、基本点火時期AD
V は、基本点火時期算出手段51により、S202及び
S203にて算出した基本点火時期ADVst と基本点火時
期ADVln 、及びリーン運転移行率LRATIOを用いて以下の
(3) 式によって算出される。
【0073】 ADV =(1-LRATIO)×ADVst +LRATIO×ADVln ……(3) 上記(3) 式によれば、ストイキオ基本点火時期ADVst と
リーン基本点火時期ADVln とをリーン運転移行率LRATIO
を用いて直線補間することにより、現在の燃焼形態にお
ける基本点火時期ADV が算出される。そして、本ルーチ
ンを抜ける(リターン)。以上のルーチンプログラムに
より、現在の燃焼形態における基本点火時期ADV が算出
される。
【0074】次に、図4のS30では、現在の燃焼形態
におけるエンジン動作状態に応じた点火時期補正値MBT
の算出が行われる。点火時期補正値MBT の算出方法につ
いて図7に基づいて以下に説明する。
【0075】図7は、現在の燃焼形態における点火時期
補正値MBT の算出プログラムを示したフローチャートで
あり、図中(A)は点火時期補正値MBT を算出するため
の演算処理方法を説明する制御ルーチン、(B)はスト
イキオ燃焼形態における点火時期補正値MBTst を算出す
るためのデータマップMBTMAPストイキオ 、(C)はリーン燃
焼形態における点火時期補正値MBTln を算出するための
データマップMBTMAPリーン を図示したものである。
【0076】まず最初に、S301では、エンジン回転
数Neとエンジン負荷を表す基本燃料噴射量Tpの読み
込みが行われ、S302では、ストイキオ燃焼形態にお
ける現在のエンジン動作状態に対応した点火時期補正値
MBTst の算出処理が行われる。ここで、点火時期補正値
MBTst は、点火時期補正値算出手段51によりROM4
0d内に予め設定されているデータマップMBTMAPストイキオ
(図中(B))をエンジン回転数Neと基本燃料噴射量
Tpとを用いて参照し、補間計算することにより算出さ
れる。
【0077】S303では、リーン燃焼形態における現
在のエンジン動作状態に対応した点火時期補正値MBTln
の算出処理が行われる。ここで、リーン点火時期補正値
MBTln は、点火時期補正値算出手段51によりROM4
0d内に予め設定されているデータマップMBTMAPリーン
(図中(C))をエンジン回転数Neと基本燃料噴射量
Tpとを用いて参照し、補間計算することにより算出さ
れる。
【0078】S304では、現在の燃焼形態における点
火時期補正値MBT が算出される。ここで、点火時期補正
値MBT は、点火時期補正値算出手段52により、S30
2及びS303にて算出した点火時期補正値MBTst と点
火時期補正値MBTln 、及びリーン運転移行率LRATIOを用
いて以下の(4) 式によって算出される。
【0079】 MBT =(1-LRATIO)×MBTst +LRATIO×MBTln ……(4) 上記(4) 式によれば、ストイキオ点火時期補正値MBTst
とリーン点火時期補正値MBTln とをリーン運転移行率LR
ATIOを用いて直線補間することにより、現在の燃焼形態
における点火時期補正値MBT が算出される。そして、本
ルーチンを抜ける(リターン)。以上のルーチンプログ
ラムにより、現在の燃焼形態における点火時期補正値MB
T が算出される。
【0080】次に、図4のS40では、現在の燃焼形態
におけるノック度合TCMPが算出される。ここで、ノック
度合TCMPは、ノック度合算出手段53にてCPU40c
内に予め設定されている算出プログラムを用いて算出さ
れる。尚、ノック度合TCMPstの算出方法については別途
に後述する。
【0081】そして、S50では、現在の燃焼形態にお
けるエンジン動作状態に応じた点火時期PADVが算出され
る。ここで、点火時期PADVは、点火時期算出手段54に
よりS10〜S40の処理にて算出された各値を用いて
求められる。具体的には、以下の(5) 式により算出され
る。
【0082】PADV=ADV +TCMP×MBT ……(5) 上記(5) 式によれば、点火時期PADVは、ノック度合TCMP
により補正された点火時期補正値MBT と基本点火時期AD
V を加算することにより算出される。
【0083】次に、S40にて算出されるノック度合TC
MPの算出方法について図8〜図10を用いて以下に説明
する。図8は、現在の燃焼形態におけるノック度合TCMP
の算出プログラムを示したフローチャートである。
【0084】S401では、ストイキオ燃焼形態におけ
るノック度合TCMPstが算出され、S402にてリーン燃
焼形態におけるノック度合TCMPlnが算出される。
【0085】ここで、ノック度合TCMPst及びノック度合
TCMPlnの算出方法について、図9及び図10を用いて以
下に説明する。図9は、ストイキオ燃焼形態におけるノ
ック度合TCMPstの算出プログラムを示したフローチャー
トである。
【0086】まず最初に、S411では、ノッキングの
検出が行われる。ここで、エンジン1に設けられたノッ
クセンサ31は、エンジン1のノッキングによる圧力振
動を検出して電気信号に変換し、その電気信号はECU
40の入力インターフェース回路40aを介してRAM
40e内にデータ値として格納される。
【0087】そして、S412では、S411にて格納
したデータ値とRAM40d内に予めストアされている
ノッキング発生基準値との比較が行われ、ノッキングが
発生しているか否かの判断がなされる。ここで、ノッキ
ングが発生していると判断された場合(YES)はS4
13以降へ移行する。
【0088】S413では、ストイキオ燃焼形態におけ
るノックカウント値Cstoldに1 が積算され(Cst =Csto
ld+1 )、S414にて、積算後のノックカウント値Cs
t とROM40d内に予め設定されているストイキオ燃
焼形態におけるノックカウント基準値(ノック判定基
準)との比較が行われる。ここでは、積算後のノックカ
ウント値Cst が15を超えたか否か(Cst >15?)が判断
され、その結果によりストイキオ燃焼形態におけるノッ
キングの発生度合が判断される。
【0089】ここで、ノックカウント値Cst が15を超え
ている場合(YES)は、点火時期が現在のノッキング
限界点火時期よりも進角側に位置していると判断され、
これをノッキング限界点火時期まで遅角させるノック度
合を算出すべく、S415へ移行する。
【0090】S415では、ノック度合TCMPstを所定量
だけ減少させる処理が行われる。これにより、点火時期
補正値MBTst は減少され、結果として点火時期PADVstは
遅角側に補正される。ノック度合TCMPstは、具体的には
以下の(6) 式により求められる。
【0091】TCMPst=TCMPstold −1/16 ……(6) 上記(6) 式によれば、ノック度合TCMPstが設定される0
〜1までの間を16分割し、前回のプログラムサイクル
時に算出されたノック度合TCMPstold から16分の1を
減算した値が新たなノック度合TCMPstとして算出され
る。例えば、ノック度合TCMPstold が5/16である場合に
はこれから1/16を減算した4/16が新たなノック度合TCMP
stとされる。
【0092】S416では、ノックカウント値Cst が0
にリセットされる。したがって、S415によってノッ
ク度合TCMPstが減少するように変更された場合は、ノッ
クカウント値Cst の初期化処理が行われ、S421以降
へ移行する。
【0093】また、S412にてノッキングが発生して
いない(NO)と判断された場合は、S417に移行す
る。S417では、ストイキオ燃焼形態におけるアンノ
ックカウント値ACstに1が積算され(ACst=ACstold +
1 )、S418にて、積算後のアンノックカウント値AC
stとROM40d内に予め設定されているアンノックカ
ウント基準値(ノック判定基準)との比較が行われる。
【0094】ここでは、積算後のアンノックカウント値
ACstが15を超えたか否か(ACst>15?)が判断され、そ
の結果によりノッキングの非発生度合が判断される。
【0095】ここで、アンノックカウント値ACstが15を
超えている場合(YES)は、現在の点火時期がノッキ
ング限界点火時期よりも遅角側に位置していると判断さ
れ、これをノッキング限界点火時期まで進角させるため
のノック度合を算出すべく、S419へ移行する。
【0096】S419では、ノック度合TCMPstを所定量
だけ増加させる処理が行われる。これにより、点火時期
補正値MBTst は増加され、結果として点火時期PADVは進
角側に補正される。ノック度合TCMPstは、具体的には以
下の(7) 式により求められる。
【0097】TCMPst=TCMPstold +1/16 ……(7) 上記(7) 式によれば、ノック度合TCMPstが設定される0
〜1までの間を16分割し、前回のプログラムサイクル
時に算出されたノック度合TCMPstold に16分の1を加
算した値が新たなノック度合TCMPstとして算出される。
【0098】S420では、アンノックカウント値ACst
が0にリセットされる。したがって、S419によって
ノック度合TCMPstが増加するように変更された場合は、
アンノックカウント値ACstの初期化処理が行われ、S4
21以降へ移行する。
【0099】S421では、ノック度合TCMPstが1を超
えているか否かの判断がなされる。ここで、ノック度合
TCMPstが1を超えている場合(YES)は、S422へ
移行し、S422にてノック度合TCMPstを1(TCMPst=
1)とする演算処理がなされる。そして、本ルーチンを
抜ける(リターン)。
【0100】また、ノック度合TCMPstが1以下である場
合(NO)は、S423へ移行し、S423では、ノッ
ク度合TCMPstが0未満であるか否かの判断がなされる。
ここで、ノック度合TCMPstが0未満である場合(YE
S)は、S424へ移行し、S424にてノック度合TC
MPstを0(TCMPst=0)とする演算処理がなされる。そ
して、本ルーチンを抜ける(リターン)。また、S42
3にてノック度合TCMPstが0以上であると判断された場
合(NO)は、そのまま本ルーチンを抜ける(リター
ン)。以上の図9に示した算出プログラムにより、ノッ
ク度合TCMPstが算出される。
【0101】図10は、リーン燃焼形態におけるノック
度合TCMPlnの算出プログラムを示したフローチャートで
ある。尚、S431とS432にて実行される処理は、
図9のS411とS422と同様であるのでその説明を
省略する。
【0102】S433では、リーン燃焼形態におけるノ
ックカウント値Cln に1 が積算され(Cln =Clnold+1
)、S434にて、積算後のノックカウント値Cln と
ROM40d内に予め設定されているリーン燃焼形態に
おけるノックカウント基準値(ノック判定基準)との比
較が行われる。ここでは、積算後のノックカウント値Cl
n が15を超えたか否か(Cln >15?)が判断され、その
結果によりリーン運転におけるノッキングの発生度合が
判断される。
【0103】ここで、ノックカウント値Cln が15を超え
ている場合(YES)は、現在の点火時期がノッキング
限界点火時期よりも進角側のノッキング発生領域に位置
していると判断され、これをノッキング限界点火時期ま
で遅角させるためのノック度合を算出すべく、S435
へ移行する。
【0104】S435では、ノック度合TCMPlnを所定量
だけ減少させる処理が行われる。これにより、点火時期
補正値MBTln は減少され、結果として点火時期PADVlnは
遅角側に補正される。ノック度合TCMPlnは、具体的には
以下の(8) 式により求められる。
【0105】TCMPln=TCMPlnold −1/16 ……(8) 上記(8) 式によれば、ノック度合TCMPlnが設定される0
〜1までの間を16分割し、前回のプログラムサイクル
時に算出されたノック度合TCMPlnold から16分の1を
減算した値が新たなノック度合TCMPlnとして算出され
る。
【0106】S436では、ノックカウント値Cln が0
にリセットされる。したがって、S435によってノッ
ク度合TCMPlnが減少するように変更された場合は、ノッ
クカウント値Cln の初期化処理が行われ、S441以降
へ移行する。
【0107】また、S432にてノッキングが発生して
いない(NO)と判断された場合は、S437に移行す
る。S437では、リーン燃焼形態におけるアンノック
カウント値AClnに1が積算され(ACst=ACstold +1
)、S438にて、積算後のアンノックカウント値ACl
nとROM40d内に予め設定されているアンノックカ
ウント基準値(ノック判定基準)との比較が行われる。
【0108】ここでは、積算後のアンノックカウント値
AClnが15を超えたか否か(ACln>15?)が判断され、そ
の結果によりノッキングの非発生度合が判断される。
【0109】ここで、アンノックカウント値AClnが15を
超えている場合(YES)は、現在の点火時期がノッキ
ング限界点火時期よりも遅角側に位置していると判断さ
れ、これをノッキング限界点火時期まで進角させるため
のノック度合を算出すべく、S439へ移行する。
【0110】S439では、ノック度合TCMPlnを所定量
だけ増加させる処理が行われる。これにより、点火時期
補正値MBTln は増加され、結果として点火時期PADVは進
角側に補正される。ノック度合TCMPlnは、具体的には以
下の(9) 式により求められる。
【0111】TCMPln=TCMPlnold +1/16 ……(9) 上記(9) 式によれば、ノック度合TCMPlnが設定される0
〜1までの間を16分割し、前回のプログラムサイクル
時に算出されたノック度合TCMPlnold に16分の1を加
算した値が新たなノック度合TCMPlnとして算出される。
【0112】S440では、アンノックカウント値ACln
が0にリセットされる。したがって、S439によって
ノック度合TCMPlnが増加するように変更された場合は、
アンノックカウント値AClnの初期化処理が行われ、S4
41以降へ移行する。
【0113】S441では、ノック度合TCMPlnが1を超
えているか否かの判断がなされる。ここで、ノック度合
TCMPlnが1を超えている場合(YES)は、S442へ
移行し、S442にてノック度合TCMPlnを1(TCMPln=
1)とする演算処理がなされる。そして、本ルーチンを
抜ける(リターン)。
【0114】また、ノック度合TCMPlnが1以下である場
合(NO)は、S443へ移行し、S443では、ノッ
ク度合TCMPlnが0未満であるか否かの判断がなされる。
ここで、ノック度合TCMPlnが0未満である場合(YE
S)は、S444へ移行し、S444にてノック度合TC
MPlnを0(TCMPln=0)とする演算処理がなされる。そ
して、本ルーチンを抜ける(リターン)。また、S44
3にてノック度合TCMPlnが0以上であると判断された場
合(NO)は、そのまま本ルーチンを抜ける(リター
ン)。以上の図10に示した算出プログラムにより、ノ
ック度合TCMPlnが算出される。
【0115】尚、図11は、エンジン始動時に実施され
るイニシャルルーチンプログラムを示したフローチャー
トである。これによれば、S60では、リーン運転移行
率LRATIOは0に設定される。これは、エンジン始動時
は、ストイキオ運転が実施されるためである。そして、
S70にてストイキオ燃焼形態におけるノック度合TCMP
stは中間の8/16に設定され、S80にてリーン燃焼形態
におけるノック度合TCMPlnは中間の8/16に設定される。
【0116】以上の図9及び図10に示した算出プログ
ラムにより算出されたノック度合TCMPst及びノック度合
TCMPlnを用いて、図8のS403では、現在の燃焼形態
におけるノック度合TCMPの算出処理が行われる。現在の
燃焼形態におけるノック度合TCMPは、ストイキオ燃焼形
態におけるノック度合TCMPstとリーン燃焼形態における
ノック度合TCMPlnとを用いて以下の(10)式により算出さ
れる。
【0117】 TCMP=(1-LRATIO)×TCMPst+LRATIO×TCMPln ……(10) 上記(10)式によれば、現在の燃焼形態におけるノック度
合TCMPは、ストイキオノック度合TCMPstとリーンノック
度合TCMPlnとをリーン運転移行率LRATIOを用いて直線補
間することにより算出される。そして、本ルーチンを抜
ける(リターン)。
【0118】上記(10)式により算出された現在の燃焼形
態におけるノック度合TCMPは、上述のS50にて点火時
期PADVの算出に用いられる。すなわち、ノック度合TCMP
は、現在の燃焼形態におけるノッキングの発生度合に応
じて増加・減少される。これにより、点火時期補正値MB
T は進角若しくは遅角補正され、補正後の点火時期補正
値MBT と基本点火時期ADV との加算により、点火時期記
PADVは現在の燃焼形態におけるノッキング限界点火時期
に制御される。
【0119】したがって、燃焼形態をストイキオ燃焼形
態とリーン燃焼形態との間で変更するエンジンの点火時
期を現在のエンジン運転状態におけるノッキング限界点
火時期に迅速かつ正確に進角・遅角補正制御することが
でき、ノッキングの長時間の継続によるエンジンへの悪
影響や、点火時期の過遅角による燃焼の不安定化、過進
角による失火によるトルクショックの発生を防止するこ
とができる。
【0120】また、運転移行時における過渡的な空燃比
に見合った点火時期を設定することができ、出力トルク
の連続性を確保してトルクショックの発生を防止するこ
とができる。
【0121】次に、本発明の第2の実施の形態として、
エンジン1がストイキオ燃焼形態とEGR燃焼形態とを
実現する場合における点火時期PADVの算出方法ついて説
明する。図12は、エンジン1がストイキオ燃焼形態と
EGR燃焼形態とを実現する場合における点火時期PADV
の演算処理方法を示した制御ルーチンである。
【0122】S1010では、中間燃焼比率RATIO が算
出される。ここで算出される中間燃焼比率RATIO は、ス
トイキオ燃焼形態からEGR燃焼形態への燃焼形態移行
率を示すEGR運転移行率ERATIOである。EGR運転移
行率ERATIOが0であるときは現在の燃焼形態がストイキ
オ燃焼形態と判断でき、EGR運転移行率ERATIOが1で
あるときは現在の燃焼形態がEGR燃焼形態であると判
断することができる。中間燃焼比率RATIO は、燃焼形態
移行率算出部42により算出される。
【0123】ここで、EGR運転移行率ERATIOの算出方
法について図13を用いて以下に説明する。図13は、
EGR運転移行率ERATIOの算出プログラムを示したフロ
ーチャートである。
【0124】まず最初に、S1101では、現在のエン
ジン動作状態がEGR運転を行うことができるか否かを
判断するためのEGR運転条件の検出が行われる。ここ
では、エンジン回転数Ne、エンジン負荷、車両走行速
度、アクセルペダルの踏込量が検出され、RAM40e
内にデータ値として記憶される。そして、これらデータ
値を用いて現在のエンジン動作状態によりEGR運転が
可能か否かを判断すべく、S1102へ移行する。
【0125】S1102では、S1101にて検出記憶
した各種データ値を用いた判断処理がなされ、EGR運
転の可否が判断される。ここで、EGR運転を行うこと
ができるEGR運転条件を満たしている(YES)と判
断された場合には、EGR運転を実施するとしてS11
03以降へ移行する。また、EGR運転条件を満たさな
い(NO)と判断された場合には、S1107以降へ移
行する。
【0126】S1103では、EGR運転移行率ERATIO
が1であるか否かが判断され、1である場合(YES)
には現在の燃焼形態がEGR燃焼形態(定常燃焼形態)
であるとしてS1105へ移行し、1以外である場合は
現在の燃焼形態がストイキオ燃焼形態若しくはEGR燃
焼形態とストイキオ燃焼形態との間の中間燃焼形態であ
るとしてS1104へ移行する。
【0127】S1104では、EGR運転移行率ERATIO
を所定量だけ増加させる処理が行われる。これにより、
EGR運転移行率ERATIOは、所定量だけEGR側に移行
した値に更新される。具体的には、以下の(11)式により
求められる。
【0128】ERATIO=ERATIOold +1/16 ……(11) 上記(11)式によれば、EGR運転移行率ERATIOが設定さ
れる0〜1までの間を16分割し、前回のプログラムサ
イクル時に算出されたEGR運転移行率ERATIOold に1
6分の1を加算した値が新たなEGR運転移行率ERATIO
として算出される。
【0129】そして、S1105へ移行し、S1105
では、EGR運転移行率ERATIOが1以上であるか否かの
判断がなされる。ここで、EGR運転移行率ERATIOが1
以上である場合(YES)は、燃焼形態は既にEGR燃
焼形態に移行しているとしてS1106へ移行し、S1
106にてEGR運転移行率ERATIOを1(ERATIO=1)
とする演算処理がなされる。
【0130】また、EGR運転移行率ERATIOが1未満で
ある場合(NO)、すなわち1/16〜15/16 の間の値であ
る場合は、燃焼形態はEGR燃焼形態へ移行途中の中間
燃焼形態であるとして、そのEGR運転移行率を維持し
たまま本ルーチンを抜ける(リターン)。
【0131】一方、S1107では、EGR運転移行率
ERATIOが0であるか否かが判断され、0である場合(Y
ES)には現在の燃焼形態がストイキオ燃焼形態である
としてS1109へ移行し、0以外である場合は現在の
燃焼形態がEGR燃焼形態若しくはストイキオ燃焼形態
とEGR燃焼形態との間の中間燃焼形態であるとしてS
1108へ移行する。
【0132】S1108では、EGR運転移行率ERATIO
を所定量だけ減少させる処理が行われる。これにより、
EGR運転移行率ERATIOは、所定量だけストイキオ側に
移行した値に更新される。具体的には、以下の(12)式に
より求められる。
【0133】ERATIO=ERATIOold −1/16 ……(12) 上記(12)式によれば、EGR運転移行率ERATIOが設定さ
れる0〜1までの間を16分割し、前回のプログラムサ
イクル時に算出されたEGR運転移行率ERATIOold から
16分の1を減算した値が新たなEGR運転移行率ERAT
IOとして算出される。
【0134】そして、S1109では、EGR運転移行
率ERATIOが0以下であるか否かの判断がなされる。ここ
で、EGR運転移行率ERATIOが0以下である場合(YE
S)は、燃焼形態は既にストイキオ燃焼形態(定常燃焼
形態)に移行しているとしてS1110へ移行し、S1
110にてEGR運転移行率ERATIOを0(ERATIO=0)
とする演算処理がなされる。
【0135】また、EGR運転移行率ERATIOが0よりも
大きい場合(NO)、すなわち1/16〜15/16 の間の値で
ある場合は、燃焼形態はストイキオ燃焼形態へ移行途中
の中間燃焼形態であるとして、そのEGR運転移行率を
維持したまま本ルーチンを抜ける(リターン)。以上の
ルーチンプログラムにより、EGR運転移行率ERATIOが
算出される。
【0136】次に、図12のS1020では、現在の燃
焼形態におけるエンジン動作状態に応じた基本点火時期
ADV の算出が行われる。基本点火時期ADV の算出方法に
ついて図14に基づいて以下に説明する。
【0137】図14は、現在の燃焼形態における基本点
火時期ADV の算出プログラムを示したフローチャートで
あり、図中(A)は基本点火時期ADV を算出するための
演算処理方法説明する制御ルーチン、(B)はストイキ
オ燃焼形態における基本点火時期ADVst を算出するため
のデータマップADVMAPストイキオ 、(C)はEGR燃焼形態
における基本点火時期ADVeg を算出するためのデータマ
ップADVMAPEGR を図示したものである。
【0138】まず最初に、S1201では、エンジン回
転数Neとエンジン負荷を表す基本燃料噴射量Tpの読
み込みが行われる。ここで読み込まれたエンジン回転数
Neと基本燃料噴射量Tpに基づいて、現在のエンジン
運転領域が判断され、以下の演算処理により基本点火時
期ADV が算出される。
【0139】S1202では、ストイキオ燃焼形態にお
ける現在のエンジン動作状態に対応した基本点火時期AD
Vst の算出処理が行われる。ここで、基本点火時期ADVs
t は、基本点火時期算出手段51によりROM40d内
に予め設定されているデータマップADVMAPストイキオ (図中
(B))をエンジン回転数Neと基本燃料噴射量Tpと
を用いて参照し、補間計算することにより算出される。
【0140】S1203では、EGR燃焼形態における
現在のエンジン動作状態に対応した基本点火時期ADVeg
の算出処理が行われる。ここで、EGR基本点火時期AD
Vegは、基本点火時期算出手段51によりROM40d
内に予め設定されているデータマップADVMAPEGR (図中
(C))をエンジン回転数Neと基本燃料噴射量Tpと
を用いて参照し、補間計算することにより算出される。
【0141】S1204では、現在の燃焼形態における
基本点火時期ADV が算出される。ここで、基本点火時期
ADV は、基本点火時期算出手段51により、S1202
及びS1203にて算出した基本点火時期ADVst と基本
点火時期ADVeg 、及びEGR運転移行率ERATIOを用いて
以下の(13)式によって算出される。
【0142】 ADV =(1-ERATIO)×ADVst +ERATIO×ADVeg ……(13) 上記(13)式によれば、ストイキオ基本点火時期ADVst と
EGR基本点火時期ADVeg とをEGR運転移行率ERATIO
を用いて直線補間することにより、現在の燃焼形態にお
ける基本点火時期ADV が算出される。そして、本ルーチ
ンを抜ける(リターン)。以上のルーチンプログラムに
より、現在の燃焼形態における基本点火時期ADV が算出
される。
【0143】次に、図12のS1030では、現在の燃
焼形態におけるエンジン動作状態に応じた点火時期補正
値MBT の算出が行われる。点火時期補正値MBT の算出方
法について図15に基づいて以下に説明する。
【0144】図15は、現在の燃焼形態における点火時
期補正値MBT の算出プログラムを示したフローチャート
であり、図中(A)は点火時期補正値MBT を算出するた
めの演算処理方法説明する制御ルーチン、(B)はスト
イキオ燃焼形態における点火時期補正値MBTst を算出す
るためのデータマップMBTMAPストイキオ 、(C)はEGR燃
焼形態における点火時期補正値MBTeg を算出するための
データマップMBTMAPEGR を図示したものである。
【0145】まず最初に、S1301では、エンジン回
転数Neとエンジン負荷を表す基本燃料噴射量Tpの読
み込みが行われ、S1302では、ストイキオ燃焼形態
における現在のエンジン動作状態に対応した点火時期補
正値MBTst の算出処理が行われる。ここで、点火時期補
正値MBTst は、点火時期補正値算出手段51によりRO
M40d内に予め設定されているデータマップMBTMAP
ストイキオ (図中(B))をエンジン回転数Neと基本燃料
噴射量Tpとを用いて参照し、補間計算することにより
算出される。
【0146】S1303では、EGR燃焼形態における
現在のエンジン動作状態に対応した点火時期補正値MBTe
g の算出処理が行われる。ここで、EGR点火時期補正
値MBTeg は、点火時期補正値算出手段51によりROM
40d内に予め設定されているデータマップMBTMAPEGR
(図中(C))をエンジン回転数Neと基本燃料噴射量
Tpとを用いて参照し、補間計算することにより算出さ
れる。
【0147】S1304では、現在の燃焼形態における
点火時期補正値MBT が算出される。ここで、点火時期補
正値MBT は、点火時期補正値算出手段51により、S1
302及びS1303にて算出した点火時期補正値MBTs
t と点火時期補正値MBTeg 、及びEGR運転移行率ERAT
IOを用いて以下の(14)式によって算出される。
【0148】 MBT =(1-ERATIO)×MBTst +ERATIO×MBTeg ……(14) 上記(14)式によれば、ストイキオ点火時期補正値MBTst
とEGR点火時期補正値MBTeg とをEGR運転移行率ER
ATIOを用いて直線補間することにより、現在の燃焼形態
における点火時期補正値MBT が算出される。そして、本
ルーチンを抜ける(リターン)。以上のルーチンプログ
ラムにより、現在の燃焼形態における点火時期補正値MB
T が算出される。
【0149】次に、図12のS1040では、現在の燃
焼形態におけるノック度合TCMPが算出される。ここで、
ノック度合TCMPは、ノック度合算出手段53にてCPU
40c内に予め設定されている算出プログラムを用いて
算出される。尚、ノック度合TCMPstの算出方法について
は別途に後述する。
【0150】そして、S1050では、現在の燃焼形態
におけるエンジン動作状態に応じた点火時期PADVが算出
される。ここで、点火時期PADVは、点火時期算出手段5
4によりS1010〜S1040の処理にて算出された
各値を用いて求められる。具体的には、以下の(15)式に
より算出される。
【0151】PADV=ADV +TCMP×MBT ……(15) 上記(15)式によれば、点火時期PADVは、ノック度合TCMP
により補正された点火時期補正値MBT と基本点火時期AD
V を加算することにより算出される。
【0152】次に、S1040にて算出されるノック度
合TCMPの算出方法について図16〜図18を用いて以下
に説明する。図16は、現在の燃焼形態におけるノック
度合TCMPの算出プログラムを示したフローチャートであ
る。
【0153】S1401では、ストイキオ燃焼形態にお
けるノック度合TCMPstが算出され、S1402にてEG
R燃焼形態におけるノック度合TCMPegが算出される。こ
こで、ノック度合TCMPst及びノック度合TCMPegの算出方
法について、図17及び図18を用いて以下に説明す
る。尚、ノック度合TCMPstの算出方法は第1の実施の形
態と同様であるので、図17にて図9のS411〜S4
24に対応してS1411〜S1424の符号を付する
ことでその詳細な説明を省略する。図17に示した算出
プログラムにより、ノック度合TCMPstが算出される。
【0154】図18は、EGR燃焼形態におけるノック
度合TCMPegの算出プログラムを示したフローチャートで
ある。ここで、S1431とS1432にて実行される
処理は、図9のS411とS422と同様であるのでそ
の詳細な説明を省略する。
【0155】S1433では、EGR燃焼形態における
ノックカウント値Ceg に1 が積算され(Ceg=Cegold+1
)、S1434にて、積算後のノックカウント値Ceg
とROM40d内に予め設定されているEGR燃焼形態
におけるノックカウント値(ノック判定基準)との比較
が行われる。ここでは、積算後のノックカウント値Ceg
が15を超えたか否か(Ceg >15?)が判断され、その結
果によりEGR運転におけるノッキングの発生度合が判
断される。
【0156】ここで、ノックカウント値Ceg が15を超え
ている場合(YES)は、現在の点火時期がノッキング
限界点火時期よりも進角側のノッキング発生領域に位置
していると判断され、これをノッキング限界点火時期ま
で遅角させるためのノック度合を算出すべく、S143
5へ移行する。
【0157】S1435では、ノック度合TCMPegを所定
量だけ減少させる処理が行われる。これにより、点火時
期補正値MBTeg は減少され、結果として点火時期PADVeg
は遅角側に補正される。ノック度合TCMPegは、具体的に
は以下の(16)式により求められる。
【0158】TCMPeg=TCMPegold −1/16 ……(16) 上記(16)式によれば、ノック度合TCMPegが設定される0
〜1までの間を16分割し、前回のプログラムサイクル
時に算出されたノック度合TCMPegold から16分の1を
減算した値が新たなノック度合TCMPegとして算出され
る。
【0159】S1436では、ノックカウント値Ceg が
0にリセットされる。したがって、S1435によって
ノック度合TCMPegが減少するように変更された場合は、
ノックカウント値Ceg の初期化処理が行われ、S144
1以降へ移行する。
【0160】また、S1432にてノッキングが発生し
ていない(NO)と判断された場合は、S1437に移
行する。S1437では、EGR燃焼形態におけるアン
ノックカウント値ACegに1が積算され(ACst=ACstold
+1 )、S1438にて、積算後のアンノックカウント
値ACegとROM40d内に予め設定されているアンノッ
クカウント基準値(ノック判定基準)との比較が行われ
る。
【0161】ここでは、積算後のアンノックカウント値
ACegが15を超えたか否か(ACeg>15?)が判断され、そ
の結果によりノッキングの非発生度合が判断される。
【0162】ここで、アンノックカウント値ACegが15を
超えている場合(YES)は、現在の点火時期がノッキ
ング限界点火時期よりも遅角側に位置していると判断さ
れ、これをノッキング限界点火時期まで進角させるため
のノック度合を算出すべく、S1439へ移行する。
【0163】S1439では、ノック度合TCMPegを所定
量だけ増加させる処理が行われる。これにより、点火時
期補正値MBTeg は増加され、結果として点火時期PADVは
進角側に補正される。ノック度合TCMPegは、具体的には
以下の(17)式により求められる。
【0164】TCMPeg=TCMPegold +1/16 ……(17) 上記(17)式によれば、ノック度合TCMPegが設定される0
〜1までの間を16分割し、前回のプログラムサイクル
時に算出されたノック度合TCMPegold に16分の1を加
算した値が新たなノック度合TCMPegとして算出される。
【0165】S1440では、アンノックカウント値AC
egが0にリセットされる。したがって、S1439によ
ってノック度合TCMPegが増加するように変更された場合
は、アンノックカウント値ACegの初期化処理が行われ、
S1441以降へ移行する。
【0166】S1441では、ノック度合TCMPegが1を
超えているか否かの判断がなされる。ここで、ノック度
合TCMPegが1を超えている場合(YES)は、S144
2へ移行し、S1442にてノック度合TCMPegを1(TC
MPeg=1)とする演算処理がなされる。そして、本ルー
チンを抜ける(リターン)。
【0167】また、ノック度合TCMPegが1以下である場
合(NO)は、S1443へ移行し、S1443では、
ノック度合TCMPegが0未満であるか否かの判断がなされ
る。ここで、ノック度合TCMPegが0未満である場合(Y
ES)は、S1444へ移行し、S1444にてノック
度合TCMPegを0(TCMPeg=0)とする演算処理がなされ
る。そして、本ルーチンを抜ける(リターン)。また、
S1443にてノック度合TCMPegが0以上であると判断
された場合(NO)は、そのまま本ルーチンを抜ける
(リターン)。以上の図18に示した算出プログラムに
より、ノック度合TCMPegが算出される。
【0168】尚、図19は、エンジン始動時に実施され
るイニシャルルーチンプログラムを示したフローチャー
トである。これによれば、S1060では、EGR運転
移行率ERATIOは0に設定される。これは、エンジン始動
時は、ストイキオ運転が実施されるためである。そし
て、S1070にてストイキオ燃焼形態におけるノック
度合TCMPstは中間の8/16に設定され、S1080にてE
GR燃焼形態におけるノック度合TCMPegは中間の8/16に
設定される。
【0169】以上の図17及び図18に示した算出プロ
グラムにより算出されたノック度合TCMPst及びノック度
合TCMPegを用いて、図16のS1403では、現在の燃
焼形態におけるノック度合TCMPの算出処理が行われる。
現在の燃焼形態におけるノック度合TCMPは、ストイキオ
燃焼形態におけるノック度合TCMPstとEGR燃焼形態に
おけるノック度合TCMPegとを用いて以下の(18)式により
算出される。
【0170】 TCMP=(1-ERATIO)×TCMPst+ERATIO×TCMPeg ……(18) 上記(18)式によれば、現在の燃焼形態におけるノック度
合TCMPは、ストイキオノック度合TCMPstとEGRノック
度合TCMPegとをEGR運転移行率ERATIOを用いて直線補
間することにより算出される。そして、本ルーチンを抜
ける(リターン)。
【0171】上記(18)式により算出された現在の燃焼形
態におけるノック度合TCMPは、上述のS1050にて点
火時期PADVの算出に用いられる。すなわち、ノック度合
TCMPは、現在の燃焼形態におけるノッキングの発生度合
に応じて増加・減少される。これにより、点火時期補正
値MBT は進角若しくは遅角補正され、補正後の点火時期
補正値MBT と基本点火時期ADV との加算により、点火時
期記PADVは現在の燃焼形態におけるノッキング限界点火
時期に制御される。
【0172】したがって、燃焼形態をストイキオ燃焼形
態とEGR燃焼形態との間で変更するエンジンの点火時
期を、現在のノッキング限界点火時期に迅速かつ正確に
進角・遅角補正制御することができ、ノッキングの長時
間の継続によるエンジンへの悪影響や、点火時期の過遅
角による燃焼の不安定化、過進角による失火によるトル
クショックの発生を防止することができる。また、運転
移行時における過渡的な空燃比に見合った点火時期を設
定することができ、出力トルクの連続性を確保してトル
クショックの発生を防止することができる。
【0173】尚、本発明は、上述の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨内にて種々の変更及び
組み合わせが可能である。例えば、上記実施の形態で
は、本発明を2つの実施の形態、すなわち運転形態をス
トイキオ運転とリーン運転、若しくはストイキオ運転と
EGR運転とに分けて説明したが、これに拘束されるも
のではなく、ストイキオ運転、リーン運転、EGR運転
をそれぞれ実現する場合においても当然に用いられるも
のである。
【0174】また、本実施の形態では、中間燃焼比率RA
TIO の分解能を1/16とし、また、ノック度合TCMPの分解
能も1/16として説明したが、これに限定されるものでは
なく、更に細かい分解能とすることも可能である。
【0175】また、本実施の形態では、中間燃焼比率RA
TIO は、オープンループにより求めているが、センサ値
やスロットル開度の制御値等の実際の検出値を用いたフ
ィードバックループにより求めることも可能である。
【0176】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るエン
ジンの点火時期制御装置によれば、中間燃焼形態を含む
現在の燃焼形態に応じたノッキングの発生度合に応じて
点火時期を進角・遅角補正することができ、点火時期を
限界点火時期に制御することができる。
【0177】これにより、ノッキングの長時間の継続に
よるエンジンへの悪影響や、点火時期の過遅角による燃
焼の不安定化、過進角による失火によるトルクショック
の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるエンジンの点火時期制御装置が
適用されるエンジン装置の全体構成説明図である。
【図2】ECU40の概略構成説明図である。
【図3】点火時期制御部の点火時期設定機能を説明する
ためのブロック説明図である。
【図4】エンジンがストイキオ燃焼形態とリーン燃焼形
態とを実現する場合における点火時期PADVの演算処理方
法を示した制御ルーチンである。
【図5】リーン運転移行率LRATIOの算出プログラムを示
したフローチャートである。
【図6】現在の燃焼形態における基本点火時期の算出プ
ログラムを示したフローチャートである。
【図7】現在の燃焼形態における点火時期補正値の算出
プログラムを示したフローチャートである。
【図8】現在の燃焼形態におけるノック度合の算出プロ
グラムを示したフローチャートである。
【図9】ストイキオ燃焼形態におけるノック度合の算出
プログラムを示したフローチャートである。
【図10】リーン燃焼形態におけるノック度合の算出プ
ログラムを示したフローチャートである。
【図11】エンジン始動時に実施されるイニシャルルー
チンプログラムを示したフローチャートである。
【図12】エンジンがストイキオ燃焼形態とEGR燃焼
形態とを実現する場合における点火時期の演算処理方法
を示した制御ルーチンである。
【図13】EGR運転移行率ERATIOの算出プログラムを
示したフローチャートである。
【図14】現在の燃焼形態における基本点火時期の算出
プログラムを示したフローチャートである。
【図15】現在の燃焼形態における点火時期補正値の算
出プログラムを示したフローチャートである。
【図16】現在の燃焼形態におけるノック度合の算出プ
ログラムを示したフローチャートである。
【図17】ストイキオ燃焼形態におけるノック度合の算
出プログラムを示したフローチャートである。
【図18】EGR燃焼形態におけるノック度合の算出プ
ログラムを示したフローチャートである。
【図19】エンジン始動時に実施されるイニシャルルー
チンプログラムを示したフローチャートである。
【符号の説明】
41 点火時期制御部 42 燃焼形態移行率算出部 51 基本点火時期算出手段 52 点火時期補正値算出手段 53 ノック度合算出手段 54 点火時期算出手段 PADV 点火時期 ADV 基本点火時期 MBT 点火時期補正値 TCMP ノック度合 RATIO 中間燃焼形態 LRATIO リーン比率 ERATIO EGR比率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G022 AA00 AA06 AA10 BA01 DA01 DA02 EA01 EA02 FA01 FA03 FA04 FA05 FA06 FA08 GA00 GA01 GA05 GA06 GA07 GA08 GA13 GA19 3G084 AA00 AA04 BA17 DA11 DA28 DA38 EA00 EA11 EB02 EB12 EB16 EC02 EC03 FA25 FA38

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン運転状態に基づき複数の燃焼形
    態の実現が可能なエンジンに設けられ、ノッキングの発
    生するぎりぎりの点火時期であるノック限界点火時期に
    向けて点火時期を制御するエンジンの点火時期制御装置
    において、 前記エンジンのエンジン運転状態及び現在の燃焼形態に
    基づいて、ノッキングの発生しない点火時期である基本
    点火時期を算出する基本点火時期算出手段と、 前記エンジンのエンジン運転状態及び現在の燃焼形態に
    基づいて、前記基本点火時期を補正する点火時期補正値
    を算出する点火時期補正値算出手段と、 現在の燃焼形態におけるノッキングの発生度合に基づい
    て前記点火時期補正値を補正する割合であるノック度合
    を算出するノック度合算出手段とを備え、 前記基本点火時期と前記基本点火時期補正値と前記ノッ
    ク度合に基づき点火時期制御を行うことを特徴とするエ
    ンジンの点火時期制御装置。
  2. 【請求項2】 前記燃焼形態が1つの燃焼形態から他の
    燃焼形態へ移行される途中の燃焼形態である中間燃焼形
    態であるときの燃焼形態移行率を算出する燃焼形態移行
    率算出手段を備え、 前記基本点火時期算出手段は、エンジン運転状態及び燃
    焼形態の移行前の燃焼形態に基づいて算出したベース燃
    焼形態基本点火時期と、エンジン運転状態及び移行目標
    とする燃焼形態に基づいて算出した目標燃焼形態基本点
    火時期とを算出し、前記ベース燃焼形態基本点火時期と
    前記目標燃焼形態基本点火時期とから前記燃焼形態移行
    率を用いて前記現在の燃焼形態における基本点火時期を
    算出し、 前記点火時期補正値算出手段は、エンジン運転状態及び
    燃焼形態の移行前の燃焼形態に基づいて算出したベース
    燃焼形態点火時期補正値と、エンジン運転状態及び移行
    目標とする燃焼形態に基づいて算出した目標燃焼形態点
    火時期補正値とを算出し、前記ベース定常燃焼形態点火
    時期補正値と前記目標燃焼形態点火時期補正値とから前
    記燃焼形態移行率を用いて前記現在の燃焼形態における
    点火時期補正値を算出することを特徴とする請求項1に
    記載のエンジンの点火時期制御装置。
  3. 【請求項3】 前記燃焼形態が1つの燃焼形態から他の
    燃焼形態へ移行される途中の燃焼形態である中間燃焼形
    態であるときの燃焼形態移行率を算出する燃焼形態移行
    率算出手段を備え、 前記基本点火時期算出手段は、エンジン運転状態及び燃
    焼形態の移行前の燃焼形態に基づいて算出したベース燃
    焼形態基本点火時期と、エンジン運転状態及び移行目標
    とする燃焼形態に基づいて算出した目標燃焼形態基本点
    火時期とを算出し、前記ベース燃焼形態基本点火時期と
    前記目標燃焼形態基本点火時期とから前記燃焼形態移行
    率を用いて前記現在の燃焼形態における基本点火時期を
    算出し、 前記点火時期補正値算出手段は、エンジン運転状態及び
    燃焼形態の移行前の燃焼形態に基づいて算出したベース
    燃焼形態点火時期補正値と、エンジン運転状態及び移行
    目標とする燃焼形態に基づいて算出した目標燃焼形態点
    火時期補正値とを算出し、前記ベース燃焼形態点火時期
    補正値と前記目標燃焼形態点火時期補正値とから前記燃
    焼形態移行率を用いて前記現在の燃焼形態における点火
    時期補正値を算出し、 前記ノック度合算出手段は、エンジン運転状態及び燃焼
    形態の移行前の燃焼形態に基づいて算出したベース燃焼
    形態ノック度合と、エンジン運転状態及び移行目標とす
    る燃焼形態に基づいて算出した目標燃焼形態ノック度合
    とを算出し、前記ベース定常燃焼形態ノック度合と前記
    目標燃焼形態ノック度合とから前記燃焼形態移行率を用
    いて前記現在の燃焼形態におけるノック度合を算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの点火時期
    制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004508497A (ja) * 2000-09-04 2004-03-18 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ガソリン直接噴射式内燃機関の適合的ノッキング制御方法および相応の装置
US20120316757A1 (en) * 2011-06-08 2012-12-13 GM Global Technology Operations LLC Combustion phasing control methodology in hcci combustion

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