JP2000152583A - 自転車および自転車用発電部品 - Google Patents

自転車および自転車用発電部品

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JP2000152583A JP11283309A JP28330999A JP2000152583A JP 2000152583 A JP2000152583 A JP 2000152583A JP 11283309 A JP11283309 A JP 11283309A JP 28330999 A JP28330999 A JP 28330999A JP 2000152583 A JP2000152583 A JP 2000152583A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電に関する構造が簡単であるうえ、ペダル
を踏む運転者等に、発電やそのための機械駆動のための
負担がかからない自転車等を提供する。 【解決手段】 発電のための界磁(磁石)31を駆動側
車輪10と一体に取り付け、電機子32を、駆動側車輪
10への伝動手段であるスプロケット20と一体に取り
付ける。それら界磁31と電機子32とは、それぞれの
回転軌道が接近し合うように配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項の発明は、発電機能を
有する自転車と、自転車に取り付けられて発電機能を発
揮する自転車用発電部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自転車は、夜間の走行に備えて前照灯を
有することから、一般に何らかの発電手段を備えてい
る。発電手段として最も多いのは、車輪のタイヤにロー
ター(の頭部)を押し付ける形式の発電機である。発電
機の本体を傾けてそのローターをタイヤに押し付けれ
ば、走行時のタイヤの回転につれてローターが回転し、
発電機は起電力を発生し前照灯を点灯することができ
る。しかしそのような発電機は、使用の際、車輪の回転
に幾分か機械的な抵抗をもたらす。この抵抗は坂道を上
るときにも作用するので、坂が急な場合や荷物が重い場
合などには、その抵抗分が運転者にとって相当な負担に
なることがある。
【0003】特開平7−242187号公報には、上記
のような点を考慮して、運転者の負担を軽減し得る自転
車用発電装置が提案されている。同装置は、添付の図3
に示すものである。すなわち、スプロケット(ギヤ)4
3と駆動側車輪41の回転軸42との間に遊星回転伝動
機構50を配置し、当該伝動機構50中の太陽歯車51
と一体に回転する傘歯車54を発電機60に接続してい
る。スプロケット43は、ペダル(図示せず)に連結さ
れたチェーン(同)によって回転駆動される。回転軸4
2に一体化された回転円板56とスプロケット43の基
部55との間、および傘歯車54に噛み合う小傘歯車6
1と発電機60のローターとの間には、それぞれ一方向
クラッチ57・62が装着されている。
【0004】図3の発電装置では、下り坂などで、スプ
ロケット43を回転させずに惰性により自転車を走行さ
せるとき、遊星回転伝動機構50と一方向クラッチ57
・62の作用によって小傘歯車61が正回転し発電機6
0(のローター)も回転するが、上り坂を走る場合を含
め、ペダルを踏んで運転者がスプロケット43を回すと
きには、発電機60は回転しない。伝動機構50や一方
向クラッチ57の作用で小傘歯車61が逆回転(上記の
正回転とは逆向きの回転)をするものの、一方向クラッ
チ62の作用により、その向きの回転が発電機60に伝
わらないからである。ペダルを踏まないとき回転する発
電機60が、ペダルを踏むときには回転しないので、上
り坂を走行するとき等には発電機60を回転させるため
の労力が運転者に加わることがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図3の発電装置は、し
かしつぎの点で改善の余地がある。 イ)遊星回転伝動機構50等の構造が複雑であり、重い
うえに高価でもある。たとえば伝動機構50のうちに
は、太陽歯車51や遊星歯車52として外歯歯車を設け
る必要があるほか回転円板56に内歯歯車53も形成せ
ねばならない。また太陽歯車51と一体に回転するよう
大径の傘歯車54を設ける必要もある。このように多く
の歯車を組み合わせてなる機構は当然にかなりの重量を
有し、コストも相当に高いものとなるため、一般の自転
車に装備させることは容易でない。 ロ)ペダルを踏んで運転者がスプロケット43を回すと
き、発電機60(のローター)が回転しないため発電用
の駆動負担がかからないとはいえ、遊星回転伝動機構5
0を回転させるための動力は運転者の負担となる。すな
わち、ペダルを踏むとき発電機60が回転しないのは小
傘歯車61の内側にある一方向クラッチ62の作用によ
るため、遊星回転伝動機構50や傘歯車54および小傘
歯車61については運転者の力で回転させねばならな
い。それらには相当の慣性重量があるうえ摩擦力による
機械的な損失も付随するので、たとえ発電機61を回転
させなくてよいとしても、その伝動機構50等を回転さ
せるための労力は必ず運転者に課せられる。上り坂等を
走行する際にもその点は同じであるから、図3の機構に
よって運転者の負担が大幅に軽減されることは考えにく
い。
【0006】請求項の発明は以上の点を考慮してなした
もので、発電に関する構造が簡単であるうえ、ペダルを
踏む(回す)運転者等に、発電のための負担もそのため
の機械の駆動のための負担もかからない自転車等を提供
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の自転車
は、発電のための界磁と電機子とのうちいずれかを駆動
側車輪(一般的には後輪をさす)と一体に取り付け、残
りの一方を、駆動側車輪への伝動手段であるスプロケッ
トと一体に取り付けて、それら界磁と電機子とをそれぞ
れの回転軌道が接近し合うように配置したことを特徴と
する。上記において「一体に取り付け」とは、一体回転
するように取り付けることを意味する。また「スプロケ
ット」は、チェーン等を介してペダル等から動力伝達を
受ける回転体を意味し、一般に「ギヤ」と呼ばれるもの
をさすほか、チェーンに代えてベルトによる動力伝達を
受ける場合の「プーリー」をも含むものとする。
【0008】自転車における駆動側車輪とスプロケット
との間には、ほとんど例外なくラチェット(一方向クラ
ッチ)が装備されている。ペダル等に駆動力をかけると
きには、そのペダル等で回されるスプロケットとともに
駆動側車輪を回転させて自転車を走らせることができる
一方、自転車が惰性で走行するときには、ペダル(やス
プロケット)を回さなくても車輪が自由に回転するよう
にするためである。そのラチェットは、駆動側車輪に対
してスプロケットから正の回転向き(前進する向き)に
トルクが作用する場合にはそのトルクの伝達をなすもの
の、逆の向きにはトルクの伝達をしない。そのようなラ
チェットがあるために、通常のほとんどすべての自転車
においては、駆動側車輪とスプロケットとの間に、a)
上り坂などでペダル等を回す駆動走行時には相対回転が
なく、b)下り坂などでペダルを回さない惰性走行時に
は相対回転が発生する――という関係がある。
【0009】請求項1の自転車は、このような関係を有
する駆動側車輪とスプロケットとの間に上記のとおり界
磁と電機子とを配置したものである。下り坂などでの惰
性走行時(上記b))には、駆動側車輪とスプロケット
との間に生じる相対回転にともなって界磁と電機子とが
接近し合い、かつ遠ざかり合うため、発電の原理にした
がって電機子が起電力を発生する。しかし、上り坂など
での駆動走行時(上記a))には、駆動側車輪とスプロ
ケットとの間に相対回転が生じないので界磁・電機子間
も接近・離反することがなく、したがって起電力の発生
は起こらない。しかも、起電力の発生・不発生について
のそのような切り換えには、何らスイッチ操作も不要で
ある。
【0010】以上の理由により、この自転車は、前記公
報に記載されたような特別な伝動機構を使用しないにも
かかわらず、駆動走行時には発電せず、惰性走行時にの
み発電をする。惰性走行時には、界磁と電機子とは磁力
の作用によって幾分かの制動力を発生するので、下り坂
などで速度が出すぎるのを防止する作用をもたらす。こ
の惰性走行の際、もし発電する電力の用途がないとした
ら、その電力を何らかの充電手段に蓄える(請求項4の
発明を参照)のもよく、また昼間であっても前照灯を点
灯させる等するのもよい。一方、駆動走行の際には、発
電が起こらないばかりか、前記の遊星回転伝動機構にお
ける歯車等を回転させたり界磁・電機子間に相対運動さ
せたりすることがないので、発電機能の全くない自転車
におけるのと同様に走行抵抗の増加を抑えることができ
る。夜間であるにもかかわらず駆動走行をする場合に
は、別に搭載した電源に切り替えて前照灯等を点灯する
か、惰性走行時の発電電力により充電した電池によって
点灯する(請求項4の発明を参照)のがよい。
【0011】なお、駆動走行は一般的には運転者がペダ
ルを足で踏んでスプロケットを回転させるが、この自転
車が電動式(またはモーターアシスト式)のものである
場合は、モーターの駆動力によってスプロケットを回転
させる。そのような場合であっても、この自転車は、駆
動走行時のモーターの負担を軽減するという好ましい作
用を発揮する。
【0012】請求項2に記載の自転車は、上記した請求
項1の自転車においてとくに、界磁としての磁石を、駆
動側車輪のハブ上の円盤(半径方向に広がりをもつよう
ハブに形成し、もしくはハブに取り付けたもの)または
スポークに取り付け、電機子を、スプロケットのうち上
記の円盤またはスポーク寄りの側面に取り付けたことを
特徴とする。
【0013】駆動側車輪におけるスプロケットは、通
常、その車輪のスポークのすぐ外側(進行方向に対する
右または左側)にあってそれとほぼ平行な面内にあり、
回転平面も同様にほぼ平行である(図1等を参照)。し
たがって、スポークに対して界磁を取り付けるとともに
スプロケットの側面に電機子を取り付けるなら、界磁と
電機子とを、それぞれの回転軌道が極めて接近し合うよ
うに配置して発電効率を高くすることが容易である。ス
ポークに対してのみならず、スポークの付近で半径方向
に広がりをもつようハブに設けた上記の円盤(図1にお
ける符号13のものなど)に対して界磁を取り付ける場
合にも、それは同様である。
【0014】界磁と電機子とは、いずれをスポーク等
(スポークもしくは上記の円盤)またはスプロケットに
取り付けても発電効果は同じであるが、上記のとおり界
磁をスポーク等に取り付けて電機子をスプロケットに取
り付けるのが、構成上は好ましい。スポーク等よりもス
プロケットの方が外側にあって車体フレームに近いこと
から、コイルを含む電機子をスプロケットに取り付ける
方が、そこから他の電気機器への電線の接続が容易だか
らである。また、電線を必要としない磁石を界磁として
使用するなら、車体から離れた内側にあるスポーク等に
それを取り付けても、製造や組立が容易である。
【0015】請求項3に記載の自転車は、請求項2の自
転車において、電機子につながるブラシと整流子(スリ
ップリング)とを、スプロケットを保持する円筒体(い
わゆるフリーホイール。それと一体の部品をもこれに含
む)のうち車体フレーム寄りの端部に設けたことを特徴
とする。
【0016】電機子で発電された電力は、その自転車に
おける有効な使用のために他の電気機器(前照灯や電池
など)にまで送られる必要がある。スプロケットに電機
子を取り付けた場合、スプロケットとともに電機子が回
転するのに対して前照灯などは回転しないため、送電経
路のうちにブラシと整流子とが必要である。この請求項
3の自転車は、そのようなブラシおよび整流子を上記の
ように設けたものであるため、つぎのような好ましい作
用をもたらす。すなわち、まず、スプロケットを保持す
る円筒体のうちにブラシと整流子を設けるなら、電機子
からそれらまでの電線をその円筒体の内部に通すことが
でき、その電線によってスプロケットによる動力伝達が
妨げられることがない。また、その円筒体における車体
フレーム寄りの端部は車体フレームに極めて近い位置に
あるため、ブラシと整流子を介して前照灯などに接続す
る電線を、回転部分に全く接しないように配線して車体
フレーム上の固定部分へ延ばすことも容易である。
【0017】請求項4に記載の自転車はさらに、灯火手
段を、発電された電力を蓄える充電手段(具体的には、
鉛蓄電池やアルカリ蓄電池などの二次電池を含む)を介
して上記の電機子に接続したことを特徴とする。
【0018】請求項1〜3に示した自転車では駆動走行
時には電機子が発電をしないため、夜間に駆動走行をす
る場合には、ほかに何らかの電源を使用しなければ前照
灯などの灯火手段を点灯することができない。請求項4
の自転車はその点を考慮し、電機子に接続して上記のと
おり充電手段を設け、その充電手段を電源として灯火手
段に接続したものである。このように充電手段を使用す
ると、昼間の惰性走行時に電機子が発生する電力をその
充電手段に蓄えておき、夜間の駆動走行時にそれを灯火
手段に供給するようにすることができる。そうすれば、
夜間の走行中に連続して灯火手段を点灯することが可能
になるほか、充電手段である電池等が適宜に充電され
て、とくに整備(強制充電等)をしなくとも長期間使用
され得る、といったメリットが得られる。
【0019】請求項5に記載した自転車用発電部品(複
数部品のセット)は、駆動側車輪のハブ上の円盤または
スポークに、スプロケットのある側へ磁極面を向けて取
り付けられる磁石と、上記の円盤またはスポークのある
側へ巻線中心(鉄心などの中心線)を向けて、上記磁石
の磁極面の回転軌道に対して接近し合うようにスプロケ
ットの側面に取り付けられる電機子とを含めたものであ
る。
【0020】ハブ上に円盤やスポークを含む駆動側車輪
とその車輪への伝動手段としてスプロケットを備えた一
般的な自転車に対し、この請求項5の部品のうち、磁石
を、スプロケットのある側へ磁極面を向けて駆動側車輪
の上記円盤またはスポークに取り付けるとともに、電機
子を、当該円盤またはスポークのある側へ巻線の中心を
向け、上記磁石の磁極面の回転軌道に接近し合うように
スプロケットの側面に取り付けるなら、請求項2に記載
した自転車が容易に構成される。請求項2の自転車が構
成されると、その自転車に関する上述の作用が当然なが
ら発揮される。つまりこの発電部品は、既製の一般的な
自転車にそれぞれ装着されることによって、請求項2の
自転車を容易に構成させるものといえる。
【0021】請求項6に記載の自転車用発電部品は、請
求項5の部品に加えて、上記電機子につながる電線を通
すことができるスプロケット保持用の円筒体と、その円
筒体(またはそれと一体の部品)の端部に被せるととも
に、内側にあるブラシと整流子との接触部分を介して上
記電線につながる出力電線を外側に接続し得る出力用キ
ャップとを、さらに含めたことを特徴とする。
【0022】このような発電部品なら、それぞれを既製
の一般的な自転車に取り付けることにより、電力を取り
出すための電機子以降の電線やブラシ・整流子等を含む
請求項3の自転車の構成を容易に実現する。そしてそれ
により、請求項3の自転車に関して説明した上述の作用
が当然にもたらされる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1および図2に、発明の実施に
ついての一形態を示す。図1は、自転車の駆動側車輪
(後輪)10に関する図面であり、図1(a)は車軸2
の付近を示す縦断面図(自転車の後方から見た図)、同
(b)はその一部の横断面図(同(a)におけるb−b
断面図)である。また図2は、図1(a)におけるハブ
11やスプロケット20等を拡大した詳細図である。図
1(a)および図2における左・右は進行方向に対して
の左・右に一致するが、以下ではこれを単に「左」また
は「右」と称する。
【0024】自転車の駆動側車輪10は、リム(図示せ
ず)やタイヤ(同)、スポーク16・17の中心付近に
図1(a)のようにハブ11を有するもので、車体フレ
ーム1に固定される車軸(車輪支持軸)2上につぎのよ
うに取り付けている。すなわち、ハブ11の両端にそれ
ぞれ形成されたボール溝に軸受ボール6を入れ、同様の
ボール溝を有する軸受ナット5を、それら2箇所の軸受
ボール6をはさむようにネジ付きの車軸2の両端側から
装着する。これにより車輪10は、軸受ボール6を介し
て車軸2上に回転自在に取り付けられたことになる。い
ずれの軸受ナット5に対しても外側からナット4を締め
こんで緩み止めの処置をする。そのようにした車軸2の
両端部分を車体フレーム1の溝(または穴)1aに通
し、そのフレーム1の左右外側を別のナット3で締め込
めば、回転自在な車輪10を有する車軸2が車体フレー
ム1に支持される。
【0025】車輪10は駆動側のものであるからスプロ
ケット20と結合し、そのスプロケット20が、チェー
ン(図示せず)を介して駆動用ペダル(図示せず)に連
結されている。スプロケット20は、フリーホイールと
呼ばれる円筒体21の外周のスプライン上に適当なスペ
ーサー22をはさんで複数枚(図の例では4枚)が装着
され、端部ナット23により固定されている。そのよう
な円筒体21は、ハブ11の右端からその外周上に挿入
し、間隔をおいた2列の軸受ボール24を介して回転自
在にハブ11上に取り付ける。符号14は、円筒体21
の抜け止めを兼ねてハブ11の右端に固定装着される軸
受ナットである。
【0026】円筒体21の内側には、スプロケット20
の側から自転車の前進向きにトルクが作用するときにの
み車輪10(のハブ11)にトルクの伝達をなすラチェ
ット25が設けられている。つまり、図1(b)のよう
に、円筒体21の内周には階段状の凹凸21aを形成し
ておき、ハブ11の外周には、自転車の前進向きにスプ
ロケット20から力を受けるときには凹凸21aと係合
する一方、逆の場合にはハブ11の内部に沈み込んで係
合しなくなる出没爪の形式のラチェット25が配置され
ている。そのため、a)上り坂などで力をかけてペダル
(やスプロケット20等)を回す駆動走行時には、チェ
ーンを介してスプロケット20とともに車輪10を回転
させて自転車を走らせる一方、b)下り坂などでペダル
等を回さない惰性走行時にはペダルを回さなくても車輪
10が自由に回転して自転車が走行する。
【0027】以上に述べた構造は、従来の一般的な自転
車における駆動側車輪のものと同様である。しかし、図
示のものは、駆動側のその車輪10とスプロケット20
との間などに、発電手段(発電部品)30を備えている
点で特徴的である。以下、その発電手段30について説
明する。
【0028】発電手段30は、つぎの各部品によって構
成している。すなわち、界磁として磁束を作る永久磁石
31、磁束中での相対運動によって誘導起電力を発生す
る電機子32(軟鉄心とそれに巻かれたコイルからなる
もの)、電機子32につながった電線33、その電線3
3に通じているスリップリング34、スリップリング3
4に接するブラシ35、そのブラシ35を内蔵する出力
キャップ36、およびブラシ35に接続されていてキャ
ップ36から出る出力電線37である。
【0029】これらの発電手段30のうち、まず磁石3
1は、ハブ11のうち右側にスポーク17の取り付け目
的を兼ねて形成した円盤13の側面に固定している。円
盤13は、鋳造によってハブ11と一体に成形したもの
で、通常なら、ハブ11の左側に形成されるスポーク1
6用の円盤12と同じ大きさに形成されるが、この例で
は外径を大きめにしてある。円盤13の外径を大きくし
たのは、磁石31を取り付けやすくするとともに、その
磁石31と電機子32との間の相対速度を大きくして誘
導起電力を高くするためである。磁石31は、そのよう
な円盤13の右側側面に、円周方向に等間隔に複数個
(4〜12個程度)を付け、それぞれビス(図示せず)
や樹脂製接着剤(同)で固定している。各磁石31の一
方の磁極面は右側のスプロケット20に向け、各磁石3
1の右側の極が円盤13の円周方向に沿ってN・S・N
・S‥‥と交互に並ぶようにした。
【0030】電機子32は、複数枚のスプロケット20
のうちハブ11に最も近いローギヤ用のものに対し、磁
石31と同数を、やはり適宜にビス(図示せず)や接着
剤(同)を用いて取り付けている。各電機子32の本体
は鉄心の周囲に円筒状にコイル(被覆巻線)を巻いたも
ので、巻線の中心軸(巻いたコイルの周方向と直角な方
向)を左側の円盤13に向けている。車輪10を適当な
角度だけ回転させたとき、磁石31の右側の磁極面と電
機子32の左側の端面とは、3mm前後(1〜5mm)
の間隔をおいて図1(a)や図2のように向かい合うよ
うにしている。ハブ11上の磁石31とスプロケット2
0上の電機子32とは互いに平行な面内で回転するの
で、車輪10とスプロケット20とが相対回転すると
き、各電機子32は、各磁石31に対して図示のような
接近と周方向への離反とを繰り返し、そのつど正負の起
電力を発生する。
【0031】電線33は、上記にて電機子32が発生す
る電力を車体フレーム1上の電気機器(図示せず)へ送
るための被覆電線である。図2のように、電機子32の
コイルからスリップリング34までをつなぐものとし、
円筒体21の外周寄りに形成した溝21a内に通し、さ
らには、円筒体21に付けた端部ナット23の穴に通し
ている。
【0032】スリップリング34とブラシ35とは、回
転する電機子32および電線33を車体フレーム1上の
静止した電気機器に接続するための手段である。スリッ
プリング34は、円筒体21の端部ナット23において
右側に突出させた円筒部23aの内側に、絶縁被膜(図
示せず)をはさんで接着剤等で固定している。一方のブ
ラシ35は、黒鉛製のブラシ本体にスプリングを付属さ
せ、スプリングの作用でブラシ本体をスリップリング3
4の内周面に押し付ける構造とし、出力キャップ36の
内部に取り付けている。
【0033】出力キャップ36は、右側の車体フレーム
1とともにナット3・4間に締め付けられる鉄製部分3
6aと、その外周左側に一体化した軟らかい絶縁質のゴ
ム製(または同様の樹脂製)部分36bとを含むもの
で、ゴム製部分36bは、図2のようにコの字状断面を
有する環状体である。このようなゴム製部分36bによ
って端部ナット23の円筒部23aとスリップリング3
4とを内外からはさむようにし、内側の部分にブラシ3
5を設ける。そうすれば、スリップリング34とブラシ
35との間の接触を安定的に確保できるうえ、ゴム製部
分36bのシール作用によって、円筒部23aの外側か
らの埃や雨水の進入を防止できるという利点がある。
【0034】出力キャップ36からは、ブラシ35につ
ながった出力電線37を外に延ばしている。この出力電
線37を車体フレーム1等に沿わせて配線し、車体上に
固定配置した各種の電気機器に接続する。この自転車の
場合、その電気機器としては充電器(鉛蓄電池)と点灯
スイッチおよび灯火手段(前照灯)などがある。電機子
32による電力は、前記したスリップリング34とブラ
シ35との関係により直流電力として充電器に送電する
が、必要ならさらに整流器を通して充電器に送る。充電
器に蓄えられる電力は、夜間の走行時などに点灯スイッ
チが閉じられたとき、灯火手段に供給する。
【0035】以上のように発電手段30を備えるこの自
転車は、つぎのような機能を有している。すなわち、 a)上り坂などでペダル等を回して進む駆動走行時に
は、車輪10とスプロケット20とが同一速度で回転し
磁石31と電機子32との間に相対回転が起こらないた
め、発電手段30による発電作用はない。しかしこのと
き、磁石31と電機子32とが相対回転しないことか
ら、両者間の磁力に起因する機械的な回転抵抗は全く発
生せず、したがってペダルを踏む労力に発電手段30の
抵抗が加重されることはない。 b)下り坂などでペダルを回さずに進む惰性走行時に
は、スプロケット20を回さなくても車輪10が回転す
るため、磁石31と電機子32との間に相対回転が生
じ、発電作用が起こる。この間、磁石31と電機子32
との間の磁力に起因して制動力が発生し、自転車の過剰
な速度上昇が抑制される。なお、これらa)・b)の切
り換えのためには、何らのスイッチ類を使用する必要も
ない。 c)点火スイッチがオフの間は上記b)で発電される電
力は充電器に蓄えられるが、夜間の走行時等に点灯スイ
ッチをオンにすると、蓄えられた電力を放電して灯火手
段を点灯することができる。この点灯は、充電器による
ものであるために、駆動走行中であるか惰性走行中であ
るかを問わず安定的に行える。点灯している間も発電手
段30は、上記a)・b)の切り換えを自動的に行い、
駆動走行の際に発電を行うことなく惰性走行の際にのみ
発電して充電器に充電する。
【0036】以上、発明の実施について一形態を紹介し
たが、発明の実施はこれに限るものではない。たとえ
ば、上記において磁石31を取り付けた円盤13は、ハ
ブ11と一体に成形したものでなくともよく、別に製造
してハブ11に固定するものであてもよい。また、適当
なアタッチメント等を利用して磁石31をスポーク17
に取り付け得るようにすれば、大きめの円盤13をハブ
11上に形成または固定する必要はない。電線の適切な
接続を可能にすれば、磁石31に代えて巻線式の界磁を
使用することができるほか、駆動側車輪10上に電機子
32を設けるとともにスプロケット20上に界磁を設け
ることも可能である。
【0037】
【発明の効果】請求項1に記載した自転車では、駆動側
車輪とスプロケットとの間の通常の関係に基づいて、特
別な伝動機構や切り換え操作手段を用いなくても、駆動
走行時には発電されず、惰性走行時にのみ発電が行われ
る。またそのため、上り坂などでの駆動走行時には、発
電やそのための機械駆動のために運転者(もしくはモー
ター)に負担がかかることがなく、下り坂などでの惰性
走行時には、速度の出すぎるのが抑制される。
【0038】請求項2に記載の自転車ではとくに、界磁
と電機子とを、それぞれの回転軌道が極めて接近し合う
ように配置して発電効率を高くすることが容易である。
コイルを含む電機子をスプロケットに取り付け、電線を
必要としない磁石を界磁としてスポーク等に取り付ける
ので、他の電気機器への電線の接続を含めて製造・組立
上の困難がともなわないという効果もある。
【0039】請求項3の自転車ならさらに、スプロケッ
トを保持する円筒体のうちにブラシと整流子を設けるの
で、電機子からそれらまでの電線を、スプロケットによ
る動力伝達を妨げないようにその円筒体の内部に通すこ
とができる。ブラシ・整流子から前照灯などの電気機器
までの電線を、回転部分に接しないように車体フレーム
上へ配線することも容易である。
【0040】請求項4の自転車なら、上記のほか、惰性
走行時の発電電力を充電手段に蓄えておいて夜間等にそ
れを灯火手段などで使用できるため、夜間の連続した点
灯運転が可能になるほか、充電手段が適宜充電されて長
期間使用され得る。
【0041】請求項5に記載した自転車用発電部品な
ら、既製の一般的な自転車にそれぞれ装着することによ
って、容易に、請求項2の自転車を構成することができ
る。請求項2の自転車が構成されると上述の効果がとも
なうことは言うまでもない。
【0042】請求項6に記載の自転車用発電部品なら、
既製の一般的な自転車に取り付けることにより、電機子
以降の電線やブラシ・整流子等を含む請求項3の自転車
の構成を容易に実現する。そしてそれにより、請求項3
の自転車に関する上述の作用が当然にもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の一実施形態として自転車の駆動側車輪
(後輪)10を示す図面であり、図1(a)は車軸2の
付近を示す縦断面図、同(b)はその一部の横断面図
(同(a)におけるb−b断面図)である。
【図2】図1(a)におけるハブ11やスプロケット2
0等の部分を拡大した詳細図である。
【図3】従来の自転車用発電装置を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 車体フレーム 10 駆動側車輪 11 ハブ 13 円盤 17 スポーク 20 スプロケット 21 円筒体 25 ラチェット 30 発電部品 31 磁石(界磁) 32 電機子 34 スリップリング 35 ブラシ 36 出力キャップ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電のための界磁と電機子とのうちいず
    れかが駆動側車輪と一体に取り付けられ、残りの一方
    が、駆動側車輪への伝動手段であるスプロケットと一体
    に取り付けられて、それら界磁と電機子とが、それぞれ
    の回転軌道が接近し合うように配置されていることを特
    徴とする自転車。
  2. 【請求項2】 界磁としての磁石が、駆動側車輪のハブ
    上の円盤またはスポークに取り付けられ、電機子が、ス
    プロケットのうち上記の円盤またはスポーク寄りの側面
    に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の自転車。
  3. 【請求項3】 電機子につながるブラシと整流子とが、
    スプロケットを保持する円筒体のうち車体フレーム寄り
    の端部に設けられていることを特徴とする請求項2に記
    載の自転車。
  4. 【請求項4】 灯火手段が、発電された電力を蓄える充
    電手段を介して上記の電機子に接続されていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自転車。
  5. 【請求項5】 駆動側車輪のハブ上の円盤またはスポー
    クに、スプロケットのある側へ磁極面を向けて取り付け
    られる磁石と、上記の円盤またはスポークのある側へ巻
    線中心を向け、上記磁石の磁極面の回転軌道に対して接
    近し合うようにスプロケットの側面に取り付けられる電
    機子とを含むことを特徴とする自転車用発電部品。
  6. 【請求項6】 上記電機子につながる電線を通され得る
    スプロケット保持用の円筒体と、その円筒体の端部に被
    せられるとともに、内側にあるブラシと整流子との接触
    部分を介して上記電線につながる出力電線を外側に接続
    され得る出力用キャップとを、さらに含むことを特徴と
    する請求項5に記載の自転車用発電部品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7253610B2 (en) 2004-01-21 2007-08-07 Shimano, Inc. Self-powered bicycle signal output device and display apparatus using same
JP2013152235A (ja) * 2013-03-21 2013-08-08 Yamaha Motor Co Ltd 回転速度検出センサおよびそれを備えた電動補助自転車
US10787032B2 (en) 2016-12-16 2020-09-29 Shimano Inc. Bicycle hub
JP7474560B2 (ja) 2018-04-10 2024-04-25 株式会社シマノ 操作装置

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