JP2000148839A - 分析設計支援システム、分析設計方法および記録媒体 - Google Patents

分析設計支援システム、分析設計方法および記録媒体

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JP2000148839A
JP2000148839A JP32312198A JP32312198A JP2000148839A JP 2000148839 A JP2000148839 A JP 2000148839A JP 32312198 A JP32312198 A JP 32312198A JP 32312198 A JP32312198 A JP 32312198A JP 2000148839 A JP2000148839 A JP 2000148839A
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term
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analysis
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Etsuro Minami
悦郎 南
Minoru Ebisawa
稔 海老沢
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 システム開発の中で行われる分析設計の手順
の明確化を図り、分析設計の作業効率を向上させる。 【解決手段】 分析設計モデルの構造を定義してモデル
構造定義保持手段4に保持するモデル構造定義手段1
と、この構造定義に従って各モデル構成要素および要素
間の関連を入力していくことによって上記分析設計モデ
ルを作成するモデル化手段とを設け、例えばシステム開
発の管理者等が分析設計モデルの構造をあらかじめ定義
して保持しておき、実際の作業者がその構造定義に従っ
て各モデル構成要素および要素間の関連を入力していく
ことで分析設計モデルを作成するようにすることによ
り、作業者が実際にモデル構成要素等を入力する際に
は、例えばどのような項目を入力すれば良いかが示され
るようにして、作業者が成すべき作業を把握することが
できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分析設計支援システ
ム、分析設計方法および記録媒体に関し、特に、オブジ
ェクト指向による業務システム開発の際に、システム化
の対象となる業務内容を表現するために分析設計の段階
で作成されるモデルの構築作業を支援するためのシステ
ムに用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】人的に行っていた業務をコンピュータシ
ステムで実現しようとする場合、その業務システムの開
発は、例えば受注からその業務の要求定義、分析、設
計、実装などの各プロセスを経て行われる。要求定義プ
ロセスでは、依頼者が欲している業務システムの機能群
を厳密に、網羅的に、かつ矛盾がないように定義する。
【0003】分析プロセスでは、作成する業務システム
で依頼者の業務のどの範囲までを実現するかを明確にし
て、業務モデルが提供する機能を決定したり、業務の構
造を整理してモデル化したりする。設計プロセスでは、
作成された業務モデルの機能からその詳細仕様を決定
し、更に実装できるようにモデル化する。また、実装プ
ロセスでは、作成された業務モデルをプログラムに置き
換える。
【0004】このような業務システムの開発において
は、作成する業務システムの対象範囲を正確に理解した
り、システム開発の関係者(依頼者と開発者)で対象範
囲についての認識を共通化したり、対象業務を正しくプ
ログラムで置き換える(対象業務とシステムの機能やデ
ータ等とのマッピングを正しく把握する)ことが極めて
重要になってくる。
【0005】特に、オブジェクト指向システムの開発に
おいては、その対象業務の内容をモデル化する際に、再
利用が可能な汎用性のあるモデルとして整理し、適切に
モデル化することが極めて重要である。従来、このよう
なモデル化を行う際の作業を支援するためのツールがい
くつか提案され、また利用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
分析設計支援ツールでは、分析設計の作業は開発者のス
キル等に依存するところが多く、作業として何をどのよ
うな手順で行えば良いのかが分かりにくいという問題が
あった。そのため、分析設計の作業効率が著しく低下し
たり、場合によっては、担当する開発者によってモデル
化の精度が悪くなってしまったりすることがあった。
【0007】また、分析設計により作成された業務モデ
ル自体は、システム開発者には容易に理解できても、そ
のような表現形態に慣れていない依頼者にとっては理解
しにくいということが多い。そのため、モデル化した業
務の対象範囲が依頼者の欲する通りであるかどうかと
か、その業務モデルの提供する機能が適切であるかどう
かなどといった確認を関係者間でうまく行えないという
問題もあった。
【0008】さらに、対象業務をモデル化するための重
要なキーとなるモデル構成要素は、より良いモデルを構
築するために分析設計のプロセスを通じて試行錯誤など
により様々に変化する。したがって、システム開発を効
率良くかつ適切に行うためには、このように変化してい
く情報を適切に管理することも重要となってくる。しか
しながら、従来の分析設計支援ツールではそのような管
理機能は備えていなかった。
【0009】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたものであり、システム開発の中で行われる分
析設計の手順の明確化を図り、分析設計の作業効率を向
上させることを目的とする。また、モデル化した業務の
対象範囲等の確認や、変化していく種々の情報の管理を
適切に行えるようにすることにより、分析設計の作業効
率を更に向上させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の分析設計支援シ
ステムは、システム開発において作成される分析設計モ
デルの構造を定義するモデル構造定義手段と、上記モデ
ル構造定義手段により定義された分析設計モデルの構造
を記憶するモデル構造保持手段と、上記モデル構造保持
手段に記憶されている上記分析設計モデルの構造定義に
従って、各モデル構成要素および要素間の関連に関する
情報を入力していくことによって上記分析設計モデルを
作成するモデル化手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】本発明の他の態様では、上記モデル構造定
義手段では、上記分析設計モデルの仕様の詳細化過程を
上記モデル構成要素の派生に対応づけ、それぞれのモデ
ル構成要素に対して仕様情報として入力すべき事項を定
義するようにしたことを特徴とする。また、上記モデル
化手段は、それぞれのモデル構成要素に対して定義され
た上記仕様情報として入力すべき事項を提供する手段を
備えることを特徴とする。
【0012】本発明のその他の態様では、システム開発
において使用される用語を用語辞書として登録する用語
登録手段と、上記用語と上記分析設計モデルのモデル構
成要素との関連を入力する用語モデル間関連入力手段
と、上記モデル化手段により入力された各モデル構成要
素および要素間の関連、上記用語登録手段により登録さ
れた用語、並びに上記用語モデル間関連入力手段により
入力された用語モデル間関連の情報を用語辞書付き分析
設計モデルとして記憶するデータベース手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0013】本発明のその他の態様では、上記用語モデ
ル間関連入力手段により入力された用語モデル間関連の
情報を逐次履歴として蓄積する履歴保持手段を更に備え
たことを特徴とする。
【0014】本発明のその他の態様では、上記データベ
ース手段に記憶されているモデル構成要素に関する記述
中に上記データベース手段に記憶されている用語が含ま
れている場合、および上記データベース手段に記憶され
ている用語に関する記述中に上記データベース手段に記
憶されているモデル構成要素が含まれている場合に、上
記用語とモデル構成要素との間にリンクを付与するリン
ク付与手段を更に備えたことを特徴とする。
【0015】本発明のその他の態様では、上記データベ
ース手段に記憶されている用語から対応するモデル構成
要素を参照するモデル参照手段を更に備えたことを特徴
とする。また、上記データベース手段に記憶されている
モデル構成要素から対応する用語を参照する用語参照手
段を更に備えたことを特徴とする。
【0016】また、本発明の分析設計方法は、システム
開発において作成される分析設計モデルの構造をあらか
じめ定義し、定義した構造をデータベースとして保持し
ておくモデル構造定義ステップと、上記データベースと
して保持されている上記分析設計モデルの構造定義に従
って、各モデル構成要素および要素間の関連に関する情
報を入力していくことによって上記分析設計モデルを作
成するモデル化ステップとを有することを特徴とする。
【0017】本発明の他の態様では、上記分析設計モデ
ルの構造を定義する際に、上記分析設計モデルの仕様の
詳細化過程を上記モデル構成要素の派生に対応づけ、そ
れぞれのモデル構成要素に対して仕様情報として入力す
べき事項を定義するようにしたことを特徴とする。ま
た、上記モデル化ステップでは、それぞれのモデル構成
要素に対して定義された上記仕様情報として入力すべき
事項を示すために提供されるガイダンスに従って、上記
モデル構成要素に関する情報を入力していくことを特徴
とする。
【0018】本発明のその他の態様では、システム開発
において使用される用語を登録する用語登録ステップ
と、上記用語と上記分析設計モデルのモデル構成要素と
の関連を入力する用語モデル間関連入力ステップとを有
し、上記モデル化ステップで入力された各モデル構成要
素および要素間の関連、上記用語登録ステップで登録さ
れた用語、並びに上記用語モデル間関連入力ステップで
入力された用語モデル間関連の情報を用語辞書付き分析
設計モデルとして記憶するようにしたことを特徴とす
る。
【0019】本発明のその他の態様では、上記上記用語
モデル間関連入力ステップで入力される用語モデル間関
連の情報を逐次履歴として蓄積するようにし、蓄積した
履歴情報を必要に応じて参照できるようにしたことを特
徴とする。
【0020】また、本発明のコンピュータ読み取り可能
な記録媒体は、請求項1〜8の何れか1項に記載の各手
段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを
記録したことを特徴とする。本発明の他の態様では、請
求項9〜13の何れか1項に記載の分析設計方法の処理
手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記
録したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明による分析設計支
援システムの特徴を最もよく表す構成例を示すブロック
図である。以下では、システム開発の対象業務が会議室
の予約管理業務である場合を例にとって説明する。
【0022】図1において、1はモデル構造定義手段で
あり、モデル構成要素定義手段2とモデル構成要素間関
連定義手段3とを備える。モデル構成要素定義手段2
は、分析設計の際に作成されるオブジェクト指向モデル
(システム開発において業務をシステム化する上で、定
められたモデル構成要素を組み合わせて業務を表現する
ためのモデルであり、以下ではこれを「分析設計モデ
ル」という)を構成する様々なモデル構成要素の構造を
定義する。また、モデル構成要素間関連定義手段3は、
モデル構成要素間の関連を表わすモデル構成要素間関連
を定義する。
【0023】ここで、図2に分析設計モデルの構造定義
の一例を示す。図2において、例えば「クラス」「クラ
ス属性」「オペレーション」などはモデル構成要素に相
当する。これらはそれぞれモデル構成要素定義手段2に
より定義され、その構造がモデル構造定義保持手段4内
のモデル構成要素定義保持手段5に保持される。モデル
構成要素定義手段2は、例えば「クラス」などのモデル
構成要素がどのような付随情報(属性)から構成される
かも定義する。
【0024】例えば「クラス」の構造としては、そのク
ラスがどのような機能を提供すべきかをテキストにて保
持する「責任」という属性などを持たせる。また、例え
ば「クラス整数属性」の構造としては、整数としてとり
得る「上限値」および「下限値」などの属性を持たせ
る。他のモデル構成要素についても同様に、それぞれの
モデル構成要素に特有の属性を持たせる。
【0025】また、図2においては、例えば「クラス」
と「クラス属性」との間には関連が張られていて(実線
で示される)、「クラス」は複数の「クラス属性」を有
している(黒丸●で示される)とともに、ある「クラス
属性」は複数の「クラス」には属しない(菱形◇で示さ
れる)ことが定義されている。
【0026】このような関連は、モデル構成要素間関連
定義手段3により定義され、モデル構造定義保持手段4
内のモデル構成要素間関連定義保持手段6に保持され
る。また、図2において三角△は、例えば「モデル構成
要素」から「クラス」「クラス属性」「関連」「オペレ
ーション」が派生していることを示している。このよう
な関連も、モデル構成要素間関連定義手段3により定義
される。
【0027】なお、図2には説明を分かりやすくするた
めに種々のモデル構成要素の構造や関連を階層的に概念
図として示したが、実際に構造や関連を定義する際に
は、定義すべき項目や継承関係などをエディタ等を使っ
てスクリプトファイルとして記述する。
【0028】これらの分析設計モデルの構造定義をモデ
ル構造定義保持手段4に保持する際には、例えば、デー
タベースのスキーマとして定義して保持することが可能
である。また、これらの構造が記述可能であるようなメ
タモデルをデータベース上にて定義して、データベース
に格納されたデータの形にて構造を保持するようにして
も良い。
【0029】一般に、システム開発を行う場合は、どの
ようなオブジェクト指向分析設計方法論によって分析設
計モデルを作成するかを最初に決めてから、実際に開発
が行われる。よって、実際の分析設計の作業に先立っ
て、上記モデル構造定義手段1により上述のモデル構造
定義が行われ、その結果がモデル構造定義保持手段4に
保持されることになる。つまり、上述のようなモデル構
造を定義することによって初めて、実際に分析設計の作
業を行うことが可能な状態となる。このモデル構造の定
義は、専用の管理者あるいは上記方法論の作成者が行う
のが望ましい。
【0030】次いで、7は用語入力手段であり、システ
ム開発の対象業務において使用される様々な用語を入力
するためのものであり、例えばキーボードやマウス等の
入力デバイスによって構成される。本実施形態において
用語とは、ある特定の業務領域や組織においてその業務
を行う場合に使用される概念を表すのに用いられる語句
とその意味内容のことである。
【0031】すなわち、システム開発の対象となる業務
を行う際に、その業務領域によって特別に使用される語
句がある。対象業務を統一的な表現で記述するために
は、このような語句は、ある意味を代表して表わす語句
としての用語としておく必要がある。例えば、会議室予
約管理システムにおいては、「利用予約日」という語句
は会議室を利用する日を意味するが、これが利用の予約
を行った日付であると解されたとしても不自然ではな
い。
【0032】このように、業務を説明するために使われ
る語句の意味においての多義性が、システムの開発依頼
者、ユーザ、インタビュー担当者、あるいは分析設計モ
デルを作成する分析設計担当者とのそれぞれの間におい
ての誤解を生む原因となり、ひいてはシステムの動作が
意図しないものになることがある。このような混乱を未
然に防止するために、業務を記述する上で使用する語句
は、用語として語句とその意味とを定義しておく必要が
ある。
【0033】上述の例のように、語句の解釈が複数考え
られる場合、あるいは同じ事項を表現するのに複数の語
句が使用される場合などには、語句と意味とを1対1に
対応するように、用語入力手段7により用語の登録、用
語の内容変更、用語の削除などを行う。そして、この用
語入力手段7により入力される複数の用語9を用語辞書
8として順次蓄積し、保守・管理する。
【0034】このような用語辞書8の作成・保守・管理
作業は、実際の分析設計の作業に先立って、あるいはこ
れと同時並行的に行われる。そして、この作業は、上述
したモデル構造の定義を行う管理者あるいは方法論者と
は別の専用の用語管理者が行うのが望ましい。
【0035】用語一覧参照手段10は、用語辞書8に登
録した用語9の一覧を参照する手段を提供する。ここ
で、例えば一覧が表示されたモニタ画面上をマウスにて
クリックするなどして特定の用語を指定することによ
り、その指定された用語を対象として表示を行う用語参
照手段11により、用語の意味など用語に関する情報を
参照することができる。また、用語辞書8の内容を用語
印刷手段13により紙上に印刷した用語辞書14として
出力することによって用語に関する情報を参照すること
もできる。
【0036】また、リンク付与手段12は、ある用語の
意味などを記述した文章中において他の登録された用語
が用いられている場合に、それらの用語間にリンクを付
与する。これにより、用語参照手段11により参照して
いる用語の文中にて他の用語が用いられている場合に
は、当該他の用語を画面上においてマウスでクリックす
るなどしてその用語を指定することにより、当該他の用
語の表示に直ちに切り替えてその意味などを参照するこ
とができる。なお、文中の既に登録されている用語に
は、アンダーラインを引いたり、異なる色で表示したり
することによって、登録済の用語であるか否かをユーザ
に知らせる。
【0037】次に、実際に分析設計を行う際に使用する
構成およびその動作について、以下に説明する。分析設
計作業の際には、モデル構造定義保持手段4に保持され
ている分析設計モデルの構造定義に従って、対象業務を
システム化するのに適当な表現であるモデルを構築す
る。例えば本実施形態においては、上述したような図2
に示されるモデル構造を持つオブジェクト指向モデルを
採用している。
【0038】分析設計作業者は、分析設計の作業形態の
一例として、例えば用語一覧参照手段10および用語参
照手段11を用いて表示した用語一覧や特定の用語、あ
るいは用語印刷手段13にて出力した用語辞書プリント
アウト14を見て、対象業務を表現するのに使用されて
いる用語から、「クラス」や「クラス属性」などのオブ
ジェクト指向モデルのモデル構成要素であると考えられ
るものを抽出する。もちろん、用語辞書8以外、例えば
既存のシステムのデータ定義などからモデル構成要素を
抽出してもよい。
【0039】モデル構成要素入力手段15は、上記抽出
したモデル構成要素の内容をモデル保持手段18内のモ
デル構成要素保持手段19に入力するためのものであ
る。また、モデル構成要素間関連入力手段16は、抽出
したモデル構成要素間の関連の内容をモデル保持手段1
8内のモデル構成要素間関連保持手段20に入力するた
めのものである。なお、モデル構成要素保持手段19と
モデル構成要素間関連保持手段20とで構成されるモデ
ル保持手段18は、例えばデータベースを用いて実現さ
れる。
【0040】これらの情報の入力の際には、モデル構造
定義保持手段4内の定義情報が利用される。例えば、モ
デル構造定義保持手段4の定義に従って提供されるモデ
ル構成要素入力手段15の一態様である図7のような
「クラス入力画面」において、図2の「モデル構成要
素」から派生した「クラス」を入力する。また、例え
ば、同じくモデル構造定義保持手段4の定義に従って提
供されるモデル構成要素間関連入力手段16の一態様で
ある「クラス−クラス属性間関連入力画面」(図示せ
ず)において、モデル構成要素間関連であるところの
「クラス」と「クラス属性」との関連を入力する。
【0041】ここでは、モデル構成要素定義保持手段5
に格納されているモデル構成要素定義には、モデル構成
要素にいかなる情報を付随して入力すべきかが記述され
ており、これが入力画面を通じて提示される。例えば、
本実施形態においては、上述したように、「モデル構成
要素」から派生されている「クラス」については、「責
任」に関する仕様情報を入力すべきことが定義されてい
る。同様に、この「クラス」については、そのクラスが
どのような属性を持つかを定義する「クラス属性」との
関連や、そのクラスに対応する用語は何であるか等を定
義する用語モデル間の関連が、仕様情報として入力すべ
き事項であることが定義されている。
【0042】すなわち、上記モデル構成要素入力手段1
5やモデル構成要素間関連入力手段16によりモデル構
成要素およびその関連を入力する際には、上述の定義内
容に従ってそれが図7のようにテンプレートの形でユー
ザに提供される。図7に示した例の場合、ID、クラス
名、シンボル、定義、基底クラス、抽象度、オーバーラ
イド、永続性、永続性補足、クラス種別などの情報を入
力すべきであることが示されている。また、これらの他
に、クラスメソッド、クラス属性、用語モデル間関連を
入力すべきことも示されている。
【0043】なお、図7において、IDは、このクラス
のインデックスを示すものであり、システムで一意の値
あるいは記号等とする。クラス名は、クラスを表現する
名称を漢字あるいはカタカナで記述するものである。シ
ンボルは、プログラミング言語のソースファイルにてそ
のまま利用可能な名称であり、アルファベット、数字、
アンダースコアーのみで構成される場合が多い。
【0044】また、定義は、クラスの役割について記述
するものである。基底クラスは、このクラスが他のクラ
スを継承する場合の親クラスあるいはスーパークラスを
記述するものである。抽象度は、そのクラスが抽象クラ
ス(インスタンスが生成されず、必ず継承されるもの)
であるか、具象クラス(インスタンスが生成されるも
の)であるかを示すものである。オーバーライドは、継
承により拡張されることを意図しているかどうかについ
て記述するものである。
【0045】また、永続性は、クラスのインスタンス
が、データベースあるいはファイル等の媒体にプロセス
の寿命を越えて永続的に格納される必要があるかどうか
を記述するものである。永続性補足は、クラスとして永
続性を持つが、インスタンスを一時的に非永続的に使用
する場合などの、永続性に関する補足説明を記述するも
のである。クラス種別は、パラメタライズドクラス(ク
ラス等を仮引数として仕様や実装を定義したクラス)か
クラス(複数のオブジェクトに共通する構造や振る舞い
を定義したもの)かの種別を示すものである。
【0046】このように本実施形態では、分析設計作業
者が実際に分析設計モデルを作成する際には、あらかじ
め作成され保持されたモデル構造に従って、どのような
項目を入力すれば良いかが示されるので、作業者はその
ガイダンスに沿って作業および必要な項目の入力を行え
ば良く、どのように作業を進めれば良いか分からないと
いう不都合をなくすことができる。
【0047】次いで、用語モデル間関連入力手段17を
用いて、入力したモデル構成要素が表現している業務上
の用語との関連を、用語モデル間関連保持手段21に登
録する。その際の登録画面は、例えば図7の画面の下方
にある下線付きの「用語モデル間関連入力」の部分をマ
ウスでクリックすることによって表示させることができ
る。
【0048】例えば、図7の入力画面に従って図2の
「モデル構成要素」から派生した「クラス」に関する情
報を入力した場合、この「クラス」とある「用語」との
間に関連を張る。ここで、ある用語に複数の「クラス」
や「クラス属性」が対応しても良いし、逆にある「クラ
ス」が複数の「用語」と関連を持っても良い。
【0049】用語モデル間関連保持手段21に保持され
る用語モデル間関連の情報は、その内容が更新される度
に、更新された情報が用語モデル間関連履歴保持手段2
2に与えられ、履歴として蓄積される。また、リンク付
与手段23は、モデル構成要素保持手段19に保持され
ているモデル構成要素に関して記述した文章中において
登録済みの用語が用いられている場合に、それらのモデ
ル用語間にリンクを付与する。モデル構成要素参照手段
24は、張られたリンクを用いて、用語から対応するモ
デル構成要素を参照したり、モデル構成要素から対応す
る用語を参照したりする手段を提供する。
【0050】以下において、システム開発の対象が会議
室の予約管理業務である場合を例にとって、本実施形態
による分析設計支援システムの動作を、図3〜図8の画
面例を参照しながら詳しく説明する。なお、システム開
発の対象となる会議室予約管理業務のシステム化以前で
の業務形態は、今回システム化の対象となっている部門
が複数の会議室を持ち、それぞれの会議室を利用希望者
があらかじめ利用申込書を会議室管理担当者に提出する
ことによって予約を行う。会議室管理担当者は、利用申
込書の内容に従って予約を登録し、利用予約が重ならな
いように調整を行っているものとする。
【0051】システム開発の要求定義を担当する担当者
は、会議室管理担当者にインタビューを行い、また利用
申込書の内容を調べるなどして、システム化で必要な用
語として、例えば「会議室」「部屋番号」「予約」「利
用日」「利用時間帯」「利用代表者」を抽出する。そし
て、これらの抽出した用語について、図1の用語入力手
段7であるところの図3に示される「用語作成画面」を
用いて、それぞれの用語の日本語での表記、プログラム
言語にてシンボルとして使用可能でその用語を表現する
のに適当であるような英数字、用語の意味などを入力す
る。
【0052】用語の統一など、用語に関する責任を持つ
用語管理者は、用語一覧参照手段10により提供される
図4のような「用語一覧画面」を用いて、あるいは用語
印刷手段13により印刷された用語辞書プリントアウト
14の内容を相互に精査して、意味の定義が適切である
かどうか、異なる用語同士の意味が類似していないかど
うか、同じ用語に対して複数の意味が登録されていない
かどうかなどを調べる。そして、何らかの問題がある場
合には、用語入力手段7によって提供される図5に示さ
れるような「用語編集画面」を用いて、用語の登録内容
を修正する。
【0053】一方、対象業務を表現するオブジェクト指
向モデル(分析設計モデル)を作成する分析設計担当者
は、例えば、用語一覧参照手段10により提供される図
4のような「用語一覧画面」、および用語参照手段11
により提供される図6のような「用語参照画面」を用い
て、業務要件を表現するのに使用される用語の内容を理
解する。そして、その用語に対応するような、システム
化の際に構築される分析設計モデルを構成するモデル構
成要素を、モデル構成要素入力手段15を用いて入力す
る。
【0054】なお、図6に示す「用語参照画面」におい
て、意味の定義に用いられる文章中で更に他の登録済み
の用語が使用されている場合には、それを画面上にて指
定することによってその用語についての「用語参照画
面」に直ちに遷移できるようなリンクが、リンク付与手
段12によってその用語に付与されている。本実施形態
においては、ハイパーテキストを構成可能な言語である
HTMLによる記述中にリンクを埋め込み、Webブラ
ウザによってリンクを介しての画面遷移を実現してい
る。
【0055】例えば、図6に示される「用語参照画面」
では、用語である「予約」の意味を説明した記述中にお
いて、他の用語である「会議室」および「部屋番号」に
リンクが付与されている(アンダーラインが付され、リ
ンクが付与されていることが作業者に示されている)。
作業者は、マウスを用いてクリックすることにより、そ
のリンクを介して「会議室」および「部屋番号」につい
ての「用語参照画面」に遷移させ、参照することができ
る。
【0056】分析設計モデルを構成する各モデル構成要
素の構造は、モデル構造定義手段1によってあらかじめ
定義されている。本実施形態においては、分析設計モデ
ルの構成要素として、図2に示したように「クラス」
「クラス属性」「関連」「オペレーション」などが定義
されている。そこで作業者は、これらの定義されたモデ
ル構成要素を組み合わせることによって、会議室予約の
業務を表現するオブジェクト指向モデルを構築すること
になる。
【0057】例えば、先に登録されている用語の1つで
ある「会議室」をオブジェクトとして捉えることができ
る可能性があると判断して、モデル構成要素入力手段1
5であるところの図7に示されるような「クラス入力画
面」を用いて、モデル構成要素の1つである「クラス」
として「会議室」を登録する。ここで、この「クラス入
力画面」には、上述したように「クラス」の属性情報の
入力項目が列挙されていて、それぞれの項目についての
情報入力を促している。これは、ある用語が仮に「クラ
ス」であるとした場合に、更に取得すべき業務内容に関
する情報を本実施形態の分析設計支援システムから作業
者に示唆していることになる。
【0058】この「クラス」の入力と同時に、分析設計
モデル上において「クラス」として登録されている「会
議室」が、「用語」としての「会議室」に対応している
ことを示すために、用語モデル間関連入力手段17を用
いて、用語とモデル構成要素との間の関連を張ることに
よって両者を関係づける。これによって、会議室予約に
関する業務内容を説明するために必要であるところの
「会議室」という用語が、システム化の際に分析設計モ
デルの一部として確かに組み込まれていることを示して
いることになる。
【0059】上記の例では、1つの用語がモデル上の1
つの構成要素に対応しているが、これに限定されるもの
ではない。例えば、用語の1つである「利用時間帯」を
考える。利用申込書においては、「利用時間帯」の項目
に開始時間と終了時間とを記入していたが、モデル化の
際には、「クラス」として登録された「予約」に対する
「クラス属性」である「利用開始時間」および「利用終
了時間」として表現されることになったとする。このよ
うな場合には、用語である「利用時間帯」と、複数のモ
デル構成要素である「利用開始時間」および「利用終了
時間」との間に関連が張られることになる。
【0060】用語とモデル構成要素間の関連は、図6に
示される「用語参照画面」、あるいは、モデル構成要素
のそれぞれに対応するモデル構成要素参照手段24に相
当する図示しない「クラス参照画面」などの何れからも
参照することができる。図6の「用語参照画面」におい
て、ある用語がどのモデル構成要素に対応しているかの
リンクを辿ることは、例えば、システム化の対象となる
業務領域が広く「クラス」の数が比較的多いモデルの場
合において、意図するモデル構成要素を探す場合に有効
である。
【0061】また、図6の「用語参照画面」において用
語とモデル構成要素間の関連を参照した場合に、ある用
語がどのモデル構成要素にも対応していないことが示さ
れていたとする。これは、業務を表現する用語の一部が
モデルとしてシステム化の範囲内に未だ組み込まれてい
ないことを示す。これにより、本実施形態では、ある用
語がどのモデル構成要素に対応しているかということだ
けでなく、現在作成されている分析設計モデルが対象と
なる業務内容を完備しているかどうかについても容易に
確認することができる。
【0062】以上のように、本実施形態においては、モ
デル構成要素を参照しているときにその中で必要な用語
を参照することもできるし、用語を参照しているときに
その用語がモデル構成要素の何に対応しているかという
ことを参照することもできる。特に、上述した図示しな
い「クラス参照画面」や、同じく図示しない「属性参照
画面」などにおいて、対応する用語をすぐに参照できる
ことは、設計時に用語の意味を踏まえて仕様を策定する
際の助けとなる。また、図6の「用語参照画面」等にお
いて、用語とモデル構成要素間の関連をすぐに参照でき
ることは、作業の進捗状況を確認したり、分析設計作業
者と開発依頼者との間で対象業務領域の確認等をしたり
する際の助けとなる。
【0063】以上とは逆に、1つのモデル構成要素が複
数の用語に対応していることも考えられる。例えば、会
議室予約業務において、モデル構成要素としての「クラ
ス」である「予約」が、用語であるところの「会議室の
予約」と「講堂の予約」との両者を表現している場合な
どである。ここでは、例えば、「クラス」として登録さ
れた「予約」に対する「クラス属性」として「利用予約
日」を登録する。
【0064】ここで、「クラス属性」については、モデ
ル構成要素定義手段2により、例えばその属性には属性
名やデータ型を入力する必要があることが定義されてい
る。よって作業者は、「利用予約日」の属性名やデータ
型が何であるかを調べる必要があることをシステム側か
ら通知されることとなり、これから行うべき作業を知る
ことができる。
【0065】そして、ここで示された作業の実行後で
「クラス属性」を登録する際に、属性名やデータ型など
の「クラス属性」に付随する情報を属性情報として入力
する。また、これと同時に、モデル構成要素間関連入力
手段16を用いて、用語としての「利用予約日」と「ク
ラス属性」としての「利用予約日」との間に関連を張
る。
【0066】さらに、モデル化の作業を進めていく上
で、「利用予約日」を詳細化して「クラス属性」から派
生した「クラス日付属性」として登録し直すとする。こ
こで、「クラス日付属性」については、モデル構成要素
定義手段2により、とり得る値に制約があるかどうか
(例えば、その属性値の日付が業務日である必要がある
かとか、未来でないといけないかどうか等)を選択する
ように定義されている。
【0067】よって作業者は、この登録画面を見て、継
承木を下って詳細化したがために追加して入力すべき事
項、例えば「利用予約日」が業務日のみ可能なのかそう
でないのか等の事項を、会議室管理担当者に業務要件と
して確認する必要があることを把握できる。
【0068】このように、本実施形態による分析設計支
援システムにおいては、仕様の詳細化過程をモデル構成
要素の派生に対応づけ、それぞれのモデル構成要素に対
して仕様情報として入力すべき事項をあらかじめ定義す
るようにしている。これにより、分析設計作業の各段階
において、本実施形態の分析設計支援システムから分析
設計作業者に対して作業に関するガイダンスを行うこと
ができ、作業の効率化を図ることができるとともに、作
業の抜けを防止することができる。
【0069】次に、用語モデル間関連履歴保持手段22
について説明する。例えば、作業者がまず最初に「部屋
番号」を、モデル上の「クラス」である「会議室」に対
応する「クラス属性」としてモデル化するのが適当であ
ると判断して、モデル構成要素入力手段15であるとこ
ろの図8に示されるような「クラス属性入力画面」を用
いて、「会議室」の「クラス属性」として「部屋番号」
を登録したとする。その際、「会議室」の入力の際と同
様に、用語としての「部屋番号」と「クラス属性」とし
ての「部屋番号」とを、用語モデル間関連入力手段17
により提供される図示しない「用語モデル間関連入力画
面」によって関連づけておく。
【0070】なお、図8において、IDは、このクラス
属性のインデックスを示すものであり、システムで一意
の値あるいは記号等とする。所属クラスは、そのクラス
属性が所属するクラスを示すものである。属性名は、属
性を表現する名称を漢字あるいはカタカナで記述するも
のである。シンボルは、ソースファイルでそのまま利用
可能な名称である。定義は、属性の役割について記述す
るものである。種別は、その属性がクラスに属するもの
か、個々のインスタンスに属するものかを示すものであ
る。
【0071】また、初期値は、オブジェクトが生成され
たときの属性の初期値を示すものである。可変性は、オ
ブジェクトの生成から消滅の間に属性値が変更されるか
どうかを示すものである。永続性は、その属性がデータ
ベースあるいはファイル等の媒体に永続的に格納される
必要があるかどうかを記述するものである。値域は、属
性値としてとり得る値の範囲がデータ型の範囲と異なる
場合の記述である。
【0072】ここで、「部屋番号」は例えば「101」
「203」「322」などであるので、これら具体例か
ら新たに「クラス整数属性」として登録を行うととも
に、上述の「用語モデル間関連入力画面」によって用語
との関連を入力したとする。ところが、その後「部屋番
号」に新たに「102A」という例があることが分かっ
たとする。この場合、「クラス整数属性」のとり得る範
囲では「A」の文字は使用できないので、この例を表現
できないことになる。
【0073】そこで、「部屋番号」を新たに「クラス文
字列属性」として登録し直したとする。しかしながら、
全ての会議室の部屋番号を網羅的に調査した結果、部屋
番号は「数字3桁」あるいは「数字3桁+アルファベッ
ト1桁」から構成されることが分かったとする。そこで
最終的に、「部屋番号」をモデルとしては、数字部分を
表わす「部屋番号」とアルファベットの部分を表わす
「部屋番号サブ区分」とに分割することにしたとする。
【0074】これらの一連のモデルの変遷は、用語モデ
ル間関連履歴保持手段22により用語モデル間関連履歴
として自動的に逐次格納されていく。この例において
は、用語である「部屋番号」が分析設計の作業が進むに
つれて「クラス」である「会議室」の属性として、1)
「クラス属性」である「部屋番号」、2)「クラス整数
属性」である「部屋番号」、3)「クラス文字列属性」
である「部屋番号」、4)「クラス整数属性」である
「部屋番号」と「クラス文字列属性」である「部屋番号
サブ区分」、と変遷したことが履歴として格納される。
【0075】このような履歴を保持することにより、図
示しない履歴参照手段を通じて、プロジェクトを管理す
る立場の管理者が、分析設計モデルの一定の部分に関し
て変更が繰り返されている状況を察知することができ
る。また、履歴を直接参照する手段を用いなくても、あ
る一定の条件に合致した場合に警告を出すなどの手段に
より通知を受けることもできる。
【0076】このような状況は、例えば仕様が固まって
いない、あるいは揺らいでいるなどシステム開発上の大
きなリスクとなる可能性を意味する。したがって、この
ようなリスクを把握できる手段を提供することは、どこ
に問題が発生しているか等を容易に確認して、プロジェ
クト管理を効率良く行う上で大きな利点となる。
【0077】また、一般にオブジェクト指向に基づく分
析設計においては、一定の作業をこなせば良い訳ではな
く、分析あるいは設計に高いスキルが必要となる。この
場合に、本実施形態の分析設計支援システムを用いて経
験の豊かな分析設計作業者が分析設計を行うことによ
り、作業の進め方の手本としての作業履歴がとれること
になる。このような情報は、それほど経験のない分析設
計作業者に対しての教材として利用できるという利点を
有する。
【0078】つまり、モデル化の作業においてモデル構
成要素の詳細化のパスを履歴として保持しておくことに
より、分析設計の作業そのものの履歴を知ることができ
る。したがって、従来は設計作業の途中の段階を当事者
以外が知ることは困難であったが、この履歴を保持する
ことにより、変更が多い箇所を調べることによって分析
設計上問題のある箇所を容易に特定することができる。
また、分析設計作業の細かいステップを再現することに
より、分析設計のエキスパートの作業の様子が明らかに
なり、教育訓練の材料とすることができる。
【0079】なお、ここでは、用語辞書8を利用して用
語とモデル間の関連に関する情報を履歴として蓄積する
ようにしたが、変遷するモデル構成要素そのものを履歴
として蓄積するようにしても良い。ただし、モデル構成
要素だけを保持すると、それが一体何を表しているか意
味がとりにくい。したがって、モデル構成要素そのもの
を保持するよりも、用語との関連を保持しておいた方が
後から参照するときに理解しやすいので、上述した実施
形態のように用語モデル間の関連を保持するのが望まし
い。
【0080】以上の手順により分析設計モデルが作成さ
れるが、作成された分析設計モデルを参照して作業を行
うのは、詳細設計者あるいはプログラムの実装者であ
る。この作業においては、モデルの参照画面によって分
析設計モデルの内容を参照する際に、対応する用語がリ
ンクとして埋め込まれているので、用語の意味などの内
容を同時に参照することが可能である。よって、本実施
形態によれば、実装の際に必要なモデルの理解の効率を
高めることもできる。
【0081】なお、以上に述べた本実施形態による分析
設計支援システムは、実際にはCPU、ROMおよびR
AMなどから成るマイクロコンピュータシステムにより
構成され、上述の機能を実現するプログラムは、上記R
OMに格納される。また、これ以外にも、本実施形態の
分析設計支援システムに上記プログラムを外部から供給
するようにすることも可能である。
【0082】この場合、上記プログラムを供給するため
の手段、例えば上記プログラムを格納した記録媒体は本
発明を構成する。なお、上記プログラムを記憶する記録
媒体としては、ROMの他に、例えばフロッピーディス
ク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、C
D−ROM、CD−I、CD−R、CD−RW、DV
D、zip、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を
用いることができる。
【0083】また、コンピュータに供給されたプログラ
ムが当該コンピュータにおいて稼働しているOS(オペ
レーティングシステム)あるいは他のアプリケーション
ソフト等の共同して上述の実施形態の機能が実現される
場合にも、上述のプログラムコードは本発明を構成す
る。
【0084】さらに、供給されたプログラムがコンピュ
ータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能
拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプロ
グラムの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張
ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が
実現される場合にも、上述のプロセスは本発明を構成す
る。
【0085】
【発明の効果】本発明は上述したように、システム開発
において作成される分析設計モデルの構造をあらかじめ
定義して保持しておき、その構造定義に従って各モデル
構成要素および要素間の関連を入力していくことによっ
て上記分析設計モデルを作成するようにしたので、分析
設計作業者が実際にモデル構成要素等の情報を入力する
際には、あらかじめ作成されて保持されたモデル構造定
義に従って、例えばどのような項目を入力すれば良いか
が示されるようになり、これにより作業者は成すべき作
業を把握することができ、分析設計作業の効率と質を向
上させることができる。
【0086】また、本発明の他の特徴によれば、分析設
計モデルの仕様の詳細化過程をモデル構成要素の派生に
対応づけ、それぞれのモデル構成要素に対して仕様情報
として入力すべき事項を定義するようにしたので、分析
設計作業を進める上で仕様を詳細化する度に、詳細化し
たがために入力しなければならない新たな項目がその都
度作業者に示されるようになり、これにより作業者は、
分析設計作業の各段階において成すべき作業を常に把握
することができ、分析設計作業の効率と質を向上させる
ことができる。
【0087】また、本発明のその他の特徴によれば、シ
ステム開発の対象において使用される様々な用語を入力
し、この用語と分析設計モデルのモデル構成要素とを関
連づけるようにしたので、これを参照することによっ
て、システム開発の対象を説明するために必要である用
語が分析設計モデルの一部として確かに組み込まれてい
るかどうかを確認することができる。これにより、ある
用語がどのモデル構成要素に対応しているか、現在作成
されている分析設計モデルが対象となる業務内容を完備
しているかどうかといったことを簡単に確認することが
でき、分析設計作業者と開発依頼者との間で対象業務領
域の確認等を簡単に行うこともできる。
【0088】また、本発明のその他の特徴によれば、入
力された用語モデル間関連の情報を逐次履歴として蓄積
するようにしたので、これを参照することによって、変
更が多い箇所を調べることによって分析設計上問題のあ
る箇所を容易に特定することができ、システム開発を効
率良く行うことができる。また、経験の豊かな作業者が
分析設計を行ったときの履歴を参照することによって、
分析設計作業の進め方の手本としての作業履歴をとるこ
とができ、経験の少ない作業者に対しての教材として利
用することができる。
【0089】本発明のその他の特徴によれば、モデル構
成要素に関する記述中に用語が含まれている場合、ある
いはその逆の場合に、用語とモデル構成要素との間にリ
ンクを付与するようにしたので、このリンクを辿ること
により、モデル構成要素を参照しているときにその中で
必要な用語を参照することもできるし、用語を参照して
いるときにその用語がモデル構成要素の何に対応してい
るかということを参照することもできる。これにより、
分析設計作業時に用語の意味を踏まえて仕様を策定する
作業を効率的に行うことができるようになる。また、分
析設計作業者と開発依頼者との間で対象業務領域の確認
等をしたりする作業も簡単に行うことができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による分析設計支援システムの特徴を最
もよく表す一実施形態を示す図である。
【図2】図1のモデル構造定義手段によって定義される
分析設計モデルの構造の一例を示す概念図である。
【図3】図1の用語入力手段により提供される用語作成
画面の例を示す図である。
【図4】図1の用語一覧参照手段により提供される用語
一覧参照画面の例を示す図である。
【図5】図1の用語入力手段により提供される用語編集
画面の例を示す図である。
【図6】図1の用語参照手段により提供される用語参照
画面の例を示す図である。
【図7】図1のモデル構成要素入力手段により提供され
るクラス入力画面の例を示す図である。
【図8】図1のモデル構成要素入力手段により提供され
るクラス属性入力画面の例を示す図である。
【符号の説明】
1 モデル構造定義手段 2 モデル構成要素定義手段 3 モデル構成要素間関連定義手段 4 モデル構造定義保持手段 5 モデル構成要素定義保持手段 6 モデル構成要素間関連定義保持手段 7 用語入力手段 8 用語辞書 9 用語 10 用語一覧参照手段 11 用語参照手段 12 リンク付与手段 13 用語印刷手段 14 用語辞書プリントアウト 15 モデル構成要素入力手段 16 モデル構成要素間関連入力手段 17 用語モデル間関連入力手段 18 モデル保持手段 19 モデル構成要素保持手段 20 モデル構成要素間関連保持手段 21 用語モデル間関連保持手段 22 用語モデル間関連履歴保持手段 23 リンク付与手段 24 モデル構成要素参照手段

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 システム開発において作成される分析設
    計モデルの構造を定義するモデル構造定義手段と、 上記モデル構造定義手段により定義された分析設計モデ
    ルの構造を記憶するモデル構造保持手段と、 上記モデル構造保持手段に記憶されている上記分析設計
    モデルの構造定義に従って、各モデル構成要素および要
    素間の関連に関する情報を入力していくことによって上
    記分析設計モデルを作成するモデル化手段とを備えたこ
    とを特徴とする分析設計支援システム。
  2. 【請求項2】 上記モデル構造定義手段では、上記分析
    設計モデルの仕様の詳細化過程を上記モデル構成要素の
    派生に対応づけ、それぞれのモデル構成要素に対して仕
    様情報として入力すべき事項を定義するようにしたこと
    を特徴とする請求項1に記載の分析設計支援システム。
  3. 【請求項3】 上記モデル化手段は、それぞれのモデル
    構成要素に対して定義された上記仕様情報として入力す
    べき事項を提供する手段を備えることを特徴とする請求
    項2に記載の分析設計支援システム。
  4. 【請求項4】 システム開発において使用される用語を
    用語辞書として登録する用語登録手段と、 上記用語と上記分析設計モデルのモデル構成要素との関
    連を入力する用語モデル間関連入力手段と、 上記モデル化手段により入力された各モデル構成要素お
    よび要素間の関連、上記用語登録手段により登録された
    用語、並びに上記用語モデル間関連入力手段により入力
    された用語モデル間関連の情報を用語辞書付き分析設計
    モデルとして記憶するデータベース手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の分析設
    計支援システム。
  5. 【請求項5】 上記用語モデル間関連入力手段により入
    力された用語モデル間関連の情報を逐次履歴として蓄積
    する履歴保持手段を更に備えたことを特徴とする請求項
    4に記載の分析設計支援システム。
  6. 【請求項6】 上記データベース手段に記憶されている
    モデル構成要素に関する記述中に上記データベース手段
    に記憶されている用語が含まれている場合、および上記
    データベース手段に記憶されている用語に関する記述中
    に上記データベース手段に記憶されているモデル構成要
    素が含まれている場合に、上記用語とモデル構成要素と
    の間にリンクを付与するリンク付与手段を更に備えたこ
    とを特徴とする請求項4または5に記載の分析設計支援
    システム。
  7. 【請求項7】 上記データベース手段に記憶されている
    用語から対応するモデル構成要素を参照するモデル参照
    手段を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の分
    析設計支援システム。
  8. 【請求項8】 上記データベース手段に記憶されている
    モデル構成要素から対応する用語を参照する用語参照手
    段を更に備えたことを特徴とする請求項6または7に記
    載の分析設計支援システム。
  9. 【請求項9】 システム開発において作成される分析設
    計モデルの構造をあらかじめ定義し、定義した構造をデ
    ータベースとして保持しておくモデル構造定義ステップ
    と、 上記データベースとして保持されている上記分析設計モ
    デルの構造定義に従って、各モデル構成要素および要素
    間の関連に関する情報を入力していくことによって上記
    分析設計モデルを作成するモデル化ステップとを有する
    ことを特徴とする分析設計方法。
  10. 【請求項10】 上記分析設計モデルの構造を定義する
    際に、上記分析設計モデルの仕様の詳細化過程を上記モ
    デル構成要素の派生に対応づけ、それぞれのモデル構成
    要素に対して仕様情報として入力すべき事項を定義する
    ようにしたことを特徴とする請求項9に記載の分析設計
    方法。
  11. 【請求項11】 上記モデル化ステップでは、それぞれ
    のモデル構成要素に対して定義された上記仕様情報とし
    て入力すべき事項を示すために提供されるガイダンスに
    従って、上記モデル構成要素に関する情報を入力してい
    くことを特徴とする請求項10に記載の分析設計方法。
  12. 【請求項12】 システム開発において使用される用語
    を登録する用語登録ステップと、 上記用語と上記分析設計モデルのモデル構成要素との関
    連を入力する用語モデル間関連入力ステップとを有し、 上記モデル化ステップで入力された各モデル構成要素お
    よび要素間の関連、上記用語登録ステップで登録された
    用語、並びに上記用語モデル間関連入力ステップで入力
    された用語モデル間関連の情報を用語辞書付き分析設計
    モデルとして記憶するようにしたことを特徴とする請求
    項9〜11の何れか1項に記載の分析設計方法。
  13. 【請求項13】 上記上記用語モデル間関連入力ステッ
    プで入力される用語モデル間関連の情報を逐次履歴とし
    て蓄積するようにし、蓄積した履歴情報を必要に応じて
    参照できるようにしたことを特徴とする請求項12に記
    載の分析設計方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜8の何れか1項に記載の各
    手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム
    を記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能
    な記録媒体。
  15. 【請求項15】 請求項9〜13の何れか1項に記載の
    分析設計方法の処理手順をコンピュータに実行させるた
    めのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュー
    タ読み取り可能な記録媒体。
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