JP2000141036A - 鉄筋の突合わせ溶接方法 - Google Patents

鉄筋の突合わせ溶接方法

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JP2000141036A
JP2000141036A JP10319330A JP31933098A JP2000141036A JP 2000141036 A JP2000141036 A JP 2000141036A JP 10319330 A JP10319330 A JP 10319330A JP 31933098 A JP31933098 A JP 31933098A JP 2000141036 A JP2000141036 A JP 2000141036A
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Toshihiro Yoshizu
利洋 吉津
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Sato Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶接の際に鉄筋の加圧行為を不要とすることに
より溶接後の縮み誤差を無くすとともに、短時間で簡単
に溶接を行うことができるようにする。 【解決手段】開先隙間S分の離間を空けて、接合される
鉄筋1,2を縦方向または略縦方向に直列的に配置し、
これら鉄筋1.2間に跨って前記開先隙間Sの周囲を囲
繞するとともに、この開先隙間S周囲で上側鉄筋1と下
側鉄筋2とが絶縁される条件の下で環状裏当て材3を設
置し、かつ前記開先隙間S内部に加熱スタート用固形金
属材4を上側鉄筋1および下側鉄筋2とに接触させた状
態で配置するとともに、この固形金属材4以外の開先隙
間S部分を溶加金属粉または溶加金属粒材料5によって
充填し、前記環状裏当て材3の周囲に設けられた環状隙
間6より不活性ガスを前記環状裏当て材3内部に圧入し
向心方向の圧力を加えながら前記上側鉄筋1と下側鉄筋
2との間に通電を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接の際に鉄筋の
アプセット(加圧行為)を不要とすることにより溶接後
の鉄筋長の縮み誤差を無くすとともに、従来のアプセッ
ト溶接やフラッシュ溶接、ガス圧接溶接方法およびガス
シールドアーク溶接方法などの鉄筋継手溶接方法よりも
さらに簡単に鉄筋同士の接合を可能とした鉄筋の突合わ
せ溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より鉄筋同士の接合に際しては、ア
プセット溶接およびフラッシュ溶接などの抵抗溶接法に
分類される溶接方法や、ガス圧接法または溶接ワイヤを
用いたガスシールドアーク溶接法などの方法によって行
われている。
【0003】周知のとおり、前記アプセット溶接は接合
する鉄筋の端面同士を押圧状態で突合わせ保持し、大電
流を通電させることによって境界部に抵抗加熱を生じさ
せ、適当な温度になった段階で鉄筋をさらに強く加圧す
ることにより鉄筋端面同士を融合させる溶接方法であ
り、フラッシュ溶接方法は接合する鉄筋の端面同士を軽
く接触する程度とし、この状態で通電することにより接
触部分だけを集中的に局部加熱し、これを繰り返すこと
によって結果的に端面全体を均等に加熱し、適切な温度
になった段階で加圧を行い鉄筋端面同士を融合させる溶
接方法である。
【0004】また、ガス圧接方法は、鉄筋の端面同士を
互いに密着状態で突合わせ、それらを互いに押し付け加
圧した状態でこの突合わせ部をガス炎で加熱することに
より鉄筋端面同士を融合させる溶接方法であり、さらに
ガスシールドアーク溶接は鉄筋の端面に開先隙間を空け
た状態で直列的に保持し、溶接トーチから送り出される
溶接ワイヤによってアークを発生させながら溶融金属に
よって開先隙間を充填する溶接方法である。
【0005】これらの各溶接方法にはそれぞれ一長一短
があり、鉄筋径、溶接作業条件、溶接作業能率などを総
合的に勘案した上で最良の溶接方法が採用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ア
プセット溶接、フラッシュ溶接およびガス圧接の場合に
は、鉄筋端面を抵抗熱またはガス炎によって加熱した後
に鉄筋の加圧を必要とするため、鉄筋が特に大径とな
り、或いは長尺となるような場合には鉄筋の取り扱いが
大変となる。また、鉄筋の加圧を繰り返す度に鉄筋の縮
み量が累積され溶接後の鉄筋長に狂いが生じるため、高
い精度の要求されるプレキャストコンクリート製品など
の工業化部材や鉄筋の組立を先行して行う先組鉄筋方法
には適していないなどの問題があった。
【0007】これらの溶接方法に比較してガスシールド
アーク溶接法の場合には、鉄筋端面に開先隙間分の離間
を空けた状態で両方の鉄筋を固定保持し、溶接ワイヤを
溶かしながら多層盛り溶接によって前記開先隙間を埋め
ていく溶接方法であるため、接合による鉄筋長の縮みは
生じない。しかしながら、奥側から手前側に向けて充填
不足箇所が無いように慎重な溶接ワイヤの運棒操作によ
り少しずつ溶接作業を進めなければならず溶接作業能率
がかなり悪い。
【0008】また、図10に示されるように、かなり慎
重に溶接作業を進めても裏当て材との境界部には重力作
用による溶融金属50の溶け落ちによってアンダーカッ
ト欠陥kが生じ易いとともに、入熱量が直ぐに両鉄筋端
面側に放熱されてしまい、鉄筋と溶融する前に溶融金属
50が硬化し溶融金属50の鉄筋境界部Pに溶込み不足
が生じ易いなどの問題があった。さらに、図11に示さ
れるように、下側鉄筋の上面部に溶着金属51を盛り上
げるように溶接を進めていくと、最後に溶着金属51と
上側鉄筋端面53との隙間に溶接ワイヤ52を挿入しよ
うとしても手前側でアークが発生してしまい、この隙間
に溶接ワイヤ52を挿入することが困難となり溶込み不
足が生じる。加えて、奥側から順次手前側に向けて充填
溶接を行うため、溶接の最終工程で鉄筋端面の手前側に
入熱された熱による収縮が内部応力として残るために、
溶接完了後にクランプを解放した際、溶接部においてく
字状の曲がりが生じるなどの問題も生じている。
【0009】そこで本発明の主たる課題は、溶接の際に
鉄筋の加圧行為を不要とすることにより溶接後における
鉄筋長の縮み誤差を無くすとともに、面倒な3次元的溶
接ワイヤの運棒操作を一切不要としかつ溶込み不足やア
ンダーカットなどの溶接欠陥を生じさせることなく短時
間で簡単に溶接を行うことができ、しかも溶接後の鉄筋
の曲がりを発生させないなど、数々の利点を有する新規
な鉄筋の突合わせ溶接方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、開先隙間分の離間を空けて、接合される鉄
筋を縦方向または略縦方向に直列的に配置し、これら鉄
筋間に跨って前記開先隙間の周囲を囲繞するとともに、
この開先隙間周囲で上側鉄筋と下側鉄筋とが絶縁される
条件の下で環状の裏当て材を設置し、かつ前記開先隙間
内部に加熱スタート材料となる固形金属材を上側鉄筋お
よび下側鉄筋とに接触させた状態で、または上側鉄筋と
の間に僅かの隙間を空けた状態で配置するとともに、こ
の固形金属材以外の開先隙間部分を溶加金属粉または溶
加金属粒材料によって充填し、前記環状裏当て材の周囲
に設けられたガス注入口より不活性ガスを前記環状裏当
て材内部に圧入し向心方向の圧力を加えながら前記上側
鉄筋と下側鉄筋との間に通電を行うことを特徴とするも
のである。
【0011】かかる溶接方法においては、前記加熱スタ
ート用固形金属材を鉄筋断面のほぼ中央位置に1箇所配
置とするのが望ましく、また前記環状裏当て材の周囲に
ガス抜き孔を周方向に所定の間隔で複数形成することが
望ましい。
【0012】具体的に前記加熱スタート用固形金属材と
しては、溶加金属材料またはこれと同等規格以上の金属
材料を用い、かつ前記溶加金属粉または溶加金属粒材料
にFe−Mn、Fe−Si、Fe−Alなどの鉄合金、
あるいは金属Mn、金属Alなどの粉粒状脱酸剤を混入
するようにするのがよい。但し場合によっては、前記加
熱スタート用固形金属材に加熱スタート機能と脱酸機能
との両方の機能を持たせるため、Fe−Mn、Fe−S
i、Fe−Alなどの鉄合金、あるいは金属Mn、金属
Alなどの固形脱酸剤を用いるようにしてもよい。
【0013】さらに、予め磁化によって前記加熱スター
用固形金属材に磁性を持たせておき、鉄筋に対する吸着
によって配設位置から容易に位置ずれしないようにすれ
ば、溶加金属粉または溶加金属粒材料を充填した際に位
置ずれを簡単に防止し得るようになる。
【0014】他方、上側鉄筋と下側鉄筋とに通電した
際、裏当て材を介して電流が流れてしまうのを防止する
ための具体的な方法としては、前記金属製裏当て材の内
面に絶縁材料を塗布または積層することにより、或いは
裏当て材をセラミックス製または固形フラックス製等の
非伝導性材料によって製作することにより開先隙間周囲
における上側鉄筋と下側鉄筋との絶縁性を確保するよう
にすればよい。
【0015】一方、溶接電流および通電時間などの溶接
条件は、たとえば抵抗溶接の場合には数千Aの大電流に
よって一瞬のうちに溶接を完了させるようにしている
が、本溶接方法の場合には加熱スタート材料となる固形
金属材から徐々に入熱域を拡大させるような溶接態様と
なるため、溶接電流:最大値を300〜500Aとする
波形電流とし、かつ通電時間:10〜15sec の条件の
下で溶接を行うようにするのがよい。従来の抵抗溶接の
ように大電流のみを使用する溶接方法の場合には、溶接
部が局部的に加熱された後、直後の急冷により熱影響部
のマルテンサイトの粗大化が脆性破壊をもたらすためSS
400 材までしか溶接できなかったが、本発明法のように
溶接電流を小さくし、通電時間を長くする本溶接方法の
場合には、熱影響域が大きく溶接部が徐冷されるためマ
ルテンサイトの粗大化が防止され延性性能が向上するた
めSD490 までの溶接が可能となっている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳述する。図1は本発明法による
縦方向鉄筋の溶接部側面図であり、図2は図1のII−II
線矢視図、図3は図1のIII−III線矢視図である。
【0017】本突合わせ溶接方法では、接合される上側
鉄筋1と下側鉄筋2とは、開先隙間S分の離間を空けて
縦方向または略縦方向に配設される。これら上側鉄筋1
と下側鉄筋2とはそれぞれ位置不動の状態で固定され、
溶接前および溶接後において鉄筋位置(鉄筋長)が変わ
ることはない。
【0018】以下、具体的に詳述すると、前記上側鉄筋
1と下側鉄筋2との開先隙間Sには、両鉄筋1,2に跨
って開先隙間の周囲を囲繞するとともに、上側鉄筋1と
下側鉄筋2とが絶縁される条件の下で、すなわち、上側
鉄筋1と下側鉄筋2とに通電した際に裏当て材3を介し
て溶接電流が流れることがないように、または上側鉄筋
1と裏当て材3との間でアークが発生しないように開先
隙間Sの周囲を囲繞する絶縁性の環状裏当て材3が配置
される。なお、前記開先隙間Sの間隔は溶融池の溶け落
ちを考慮して概ね5〜15mm程度に設定される。
【0019】具体的には前記絶縁条件を満足させるため
に本例では、図2に示されるように、鋼材よりなる外枠
3Aの内面側にセラミックスまたは固形フラックス等よ
りなる絶縁層3Bを形成したものが用いられている。ま
た、環状裏当て材3自体をセラミックスまたは固形フラ
ックスによって製作することによって絶縁性を確保する
ようにしてもよい。
【0020】前記裏当て材3においては、環状裏当て材
3の上部側開口径を上側鉄筋1の外径よりも大きくし、
上側鉄筋1と環状裏当て材3との間に環状隙間6が形成
されるようにしている。この環状隙間6はイナートガ
ス、アルゴンガス、炭酸ガスなどの不活性ガスを開先隙
間S内に圧入するための注入口となる。ガス注入口の形
成方法としては、前記例以外に、たとえば図7に示され
るように、環状裏当て材3Aの上部側開口も上側鉄筋1
外面に密着または接近させるようにし、別途裏当て材3
Aの側壁に形成したガス注入口3bより圧入するように
してもよい。また前記裏当て材3の周囲には、アーク発
生時のガスや溶融金属中の酸素を排除するためにガス抜
き孔3a,3a…が周方向に所定の間隔で複数形成され
ている。
【0021】一方、前記開先隙間S内には、鉄筋断面の
ほぼ中央位置に加熱スタート材料となる固形金属材4が
配置される。この加熱スタート用固形金属材4は、上側
鉄筋1および下側鉄筋2とに共に接触させた状態で配置
されており、この加熱スタート用固形金属4以外の開先
隙間S内部には溶加金属粉または溶加金属粒材料5が充
填される。前記加熱スタート用固形金属4は、溶接が開
始され溶融状態となった時に前記環状裏当て材3の環状
隙間6から圧入された不活性ガスによって向心方向の圧
力が周囲に均等に作用するように好ましくは中央位置に
1個設置とされる。また、中央に1個配置とすることに
より鉄筋への入熱が偏ることなく中央から拡がるように
行われるため、溶接後の鉄筋の曲がりを抑えることがで
きるようになる。
【0022】また、この加熱スタート用固形金属材4
は、そのまま開先隙間Sを埋める溶着金属となるため、
溶接棒や溶接ワイヤなどと同じ溶加金属材料またはこれ
と同等規格以上の金属材料を用いるようにするのがよ
い。
【0023】前記加熱スタート用固形金属材4の周囲に
充填される前記溶加金属粉または溶加金属粒材料5中に
は、溶融金属中の酸素と結合してこれを除去するため
に、Fe−Mn、Fe−Si、Fe−Alなどの鉄合
金、あるいは金属Mn、金属Alなどの粉粒状脱酸剤を
混入するようにするのが望ましい。なお、場合によって
は、前記加熱スタート用固形金属材として、Fe−M
n、Fe−Si、Fe−Alなどの鉄合金、あるいは金
属Mn、金属Alなどの固形脱酸剤を用いることによっ
て、前記加熱スタート用固形金属材4に加熱スタート機
能と脱酸機機能とを併有させるようにしてもよい。
【0024】以上詳説した溶接開始までの準備作業を行
う手順としては、先ず固定配置された下側鉄筋2の上面
側端面部に前記加熱スタート材料となる固形金属材4を
載置するとともに、環状裏当て材3を設置する。次い
で、前記固形金属材4以外の開先隙間部分に溶加金属粉
または溶加金属粒材料5を充填したならば、上側鉄筋1
の下端部を前記環状裏当て材3に挿入する手順により行
うのが作業性の点で望ましい。前記固形金属材4の設置
に係り、予め固形金属材4を磁化することにより磁性を
持たせておき、下側鉄筋2に対する吸着させるようにす
れば、その後に溶加金属粉または溶加金属粒材料5を充
填した際にも容易に位置ずれしないようになる。
【0025】もちろん、上側鉄筋1と下側鉄筋2とを開
先隙間S分を空間を開けた状態で固定配置した後、この
開先隙間S内に加熱スタート用固形金属材4を挿入した
ならば環状裏当て材3を設置し、次いで環状裏当て材3
の上部側環状隙間6から溶加金属粉または溶加金属粒材
料5を押し込むように充填するようにしてもよい。
【0026】かかる溶接準備作業が完了したならば、図
4に示されるように、上側鉄筋1に電極クランプ8を設
置するとともに、下側鉄筋2に電極クランプ9を設置
し、環状裏当て材3の環状隙間6より不活性ガスを圧入
し向心方向の圧力を加えながら溶接電源装置7により通
電を行い溶接を開始する。溶接条件、すなわち溶接電流
は最大値を300〜500Aとする波形電流とし、かつ
通電時間は10〜15sec の条件の下で溶接を行うよう
にする。なお、電流の最小値は特に規定しないが概ね1
00〜150A程度とするのが良い。
【0027】上側鉄筋1と下側鉄筋2とは、環状裏当て
材3部位では絶縁性が確保され、かつ溶加金属粉または
溶加金属粒材料5中に多くの空気が存在しこの溶加金属
粉または溶加金属粒材料5においても絶縁性若しくは低
電導性が確保されているため、鉄筋断面の中央に置かれ
た加熱スタート用固形金属材4を介してのみ通電が支配
的に行われる結果、この加熱スタート用固形金属材4部
位において電流密度が著しく上がり、接触面での接触抵
抗および固有抵抗により発熱する(以下、ジュール熱と
いう)。
【0028】昇温に伴い前記加熱スタート用固形金属材
4は溶融するとともに、この溶融熱が徐々に周囲に拡が
り溶加金属粉または溶加金属粒材料5を溶かし溶融域を
拡大していく(溶融化域を溶融金属柱として符号10と
する)。液相状態にある溶融金属柱10は周囲に流下し
ようとするが、図5に示されるように、不活性ガスによ
って向心方向の圧力が加えられているため、上側鉄筋1
と下側鉄筋2との間に跨る溶融金属柱状態が維持される
ためジュール熱による入熱が継続して行われるようにな
る。なお、前記溶融金属柱10と上側鉄筋1とが一時的
に離間するような事態になってもアーク発生によるアー
ク熱によって入熱が途切れることなく継続して行われ
る。
【0029】前記溶加金属粉または溶加金属粒材料5の
溶融化に伴い、溶融金属中に存在する酸素は、溶加金属
粉または溶加金属粒材料5中に混入した脱酸剤によって
除去されるとともに、周囲に逃げたガスは環状裏当て材
3の周壁に設けたガス抜き孔3a,3a…より外部に排
出される。また、図6に示されるように、不活性ガスの
供給によって酸素の供給が遮断されるとともに、溶融金
属柱10には常時、上側鉄筋1側に向けた圧力Pと下
側鉄筋2側に向けた圧力Pが作用するため、鉄筋1,
2に対する溶融金属の溶込みが促進されるようになり、
鉄筋のアプセット行為を行わなくても溶接金属と母材と
の積極的な融合が促進されるようになる。
【0030】その後、予め設定された通電時間が経過し
自動的に通電が停止されたならば、環状裏当て材3を撤
去して溶接作業を完了する。
【0031】ところで、開先隙間S内に設置される加熱
スタート用固形金属材4は、図8に示されるように、上
側鉄筋1との間に僅かの隙間dを空けた状態で配置され
ていてもよい。この場合には、溶接開始時に上側鉄筋1
と前記加熱スタート用固形金属材4との間でアークが発
生し、アーク熱によって加熱スタート用固形金属材4に
入熱が行われ溶融する。その後は、不活性ガスの圧入に
よる向心方向の圧力によって上側鉄筋1と下側鉄筋2と
の間に跨る溶融金属柱状態が維持されるためジュール熱
による入熱が継続して行われる。要するに、上側鉄筋1
と加熱スタート用固形金属材4とが接触しているか否か
は、溶接開始の初期に加熱スタート用固形金属材4への
入熱が抵抗加熱によるジュール熱によって行われるか、
アークによるアーク熱によって行われるかの違いであ
り、その後に上側鉄筋1と下側鉄筋2とに跨る溶融金属
柱10が形成された後は、全く同じようにジュール熱に
よる入熱によって溶加金属粉または溶加金属粒材料5の
溶融が行われ、かつ不活性ガスの圧力によって鉄筋1,
2への溶融金属の溶込みが促進される。
【0032】実際の施工においては、上側鉄筋1と加熱
スタート用固形金属材4とを接触させるか否かは不可避
的に起こり得ることがある。たとえば図9に示されるよ
うに、各PCa柱部材12A、12Bに埋設された各柱
鉄筋11A,…・11B、…同士を接合するに当たっ
て、上側柱鉄筋11B、…の全部を加熱スタート用固形
金属材4に接触させようとしても不可避的に何本かの鉄
筋は加熱スタート用固形金属材4から離れてしまうこと
がある。このような場合であっても、上側鉄筋1と加熱
スタート用固形金属材4とが離れたものはそのままで溶
接を行えばよい。
【0033】
【発明の効果】以上詳説のとおり本発明によれば、溶接
の際に鉄筋の加圧行為が不要となるため溶接後における
鉄筋長の縮み誤差を無くすことができるようになる。ま
た、面倒な3次元的溶接ワイヤの運棒操作が一切不要に
なるとともに、予め開先隙間に充填した金属粉または金
属粒材料が溶融してこれが溶着金属とするため溶込み不
足やアンダーカットなどの溶接欠陥を生じさせることが
ない。
【0034】さらに、従来のガスシールド溶接による鉄
筋のエンクローズ溶接やガス圧接などに比べてもごく短
時間で簡単に溶接を行うことができ、しかも入熱の偏り
が無いため溶接後の鉄筋の曲がりを発生させないなど、
種々の利点がもたらされるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法による縦方向鉄筋の溶接部側面図であ
る。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】図1のIII−III線矢視図である。
【図4】溶接開始時の電極設置要領図である。
【図5】溶接開始当初の溶接部断面図である。
【図6】溶接中期の溶接部断面図である。
【図7】環状裏当て材の他例図である。
【図8】上側鉄筋1と加熱スタート用固形金属材4との
非接触態様図である。
【図9】PCa柱部材の鉄筋接合要領図である。
【図10】従来の鉄筋エンクローズ溶接の問題点説明図
(その1)である。
【図11】従来の鉄筋エンクローズ溶接の問題点説明図
(その2)である。
【符号の説明】
1…上側鉄筋、2…下側鉄筋、3…環状裏当て材、4…
加熱スタート用固形金属材、5…溶加金属粉または溶加
金属粒材料、6…環状隙間、7…溶接電源装置、8・9
…電極クランプ、10…溶融金属柱、S…開先隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 37/06 301 B23K 37/06 301C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開先隙間分の離間を空けて、接合される鉄
    筋を縦方向または略縦方向に直列的に配置し、これら鉄
    筋間に跨って前記開先隙間の周囲を囲繞するとともに、
    この開先隙間周囲で上側鉄筋と下側鉄筋とが絶縁される
    条件の下で環状の裏当て材を設置し、 かつ前記開先隙間内部に加熱スタート材料となる固形金
    属材を上側鉄筋および下側鉄筋とに接触させた状態で、
    または上側鉄筋との間に僅かの隙間を空けた状態で配置
    するとともに、この固形金属材以外の開先隙間部分を溶
    加金属粉または溶加金属粒材料によって充填し、 前記環状裏当て材の周囲に設けられたガス注入口より不
    活性ガスを前記環状裏当て材内部に圧入し向心方向の圧
    力を加えながら前記上側鉄筋と下側鉄筋との間に通電を
    行うことを特徴とする鉄筋の突合わせ溶接方法。
  2. 【請求項2】前記加熱スタート用固形金属材を鉄筋断面
    のほぼ中央位置に1箇所配置とする請求項1記載の鉄筋
    の突合わせ溶接方法。
  3. 【請求項3】前記環状裏当て材の周囲にガス抜き孔を周
    方向に所定の間隔で複数形成してある請求項1,2いず
    れかに記載の鉄筋の突合わせ溶接方法。
  4. 【請求項4】前記加熱スタート用固形金属材として溶加
    金属材料またはこれと同等規格以上の金属材料を用い、
    かつ前記溶加金属粉または溶加金属粒材料にFe−M
    n、Fe−Si、Fe−Alなどの鉄合金、あるいは金
    属Mn、金属Alなどの粉粒状脱酸剤を混入する請求項
    1〜3いずれかに記載の鉄筋の突合わせ溶接方法。
  5. 【請求項5】前記加熱スタート用固形金属材としてFe
    −Mn、Fe−Si、Fe−Alなどの鉄合金、あるい
    は金属Mn、金属Alなどの固形脱酸剤を用いる請求項
    1〜3いずれかに記載の鉄筋の突合わせ溶接方法。
  6. 【請求項6】前記金属製裏当て材の内面に絶縁材料を塗
    布または積層することにより、或いは裏当て材をセラミ
    ックス製または固形フラックス製等の非伝導性材料によ
    って製作することにより開先隙間周囲において上側鉄筋
    と下側鉄筋との絶縁性を確保するようにする請求項1〜
    5いずれかに記載の鉄筋の突合わせ溶接方法。
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JP10319330A Withdrawn JP2000141036A (ja) 1998-11-10 1998-11-10 鉄筋の突合わせ溶接方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102564835B1 (ko) * 2022-12-15 2023-08-07 황영태 철근 융접합 개량 커플링장치

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KR102564835B1 (ko) * 2022-12-15 2023-08-07 황영태 철근 융접합 개량 커플링장치

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