JP2000138638A - Fm信号光伝送装置及び、fm信号光受信装置 - Google Patents

Fm信号光伝送装置及び、fm信号光受信装置

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JP2000138638A
JP2000138638A JP11014983A JP1498399A JP2000138638A JP 2000138638 A JP2000138638 A JP 2000138638A JP 11014983 A JP11014983 A JP 11014983A JP 1498399 A JP1498399 A JP 1498399A JP 2000138638 A JP2000138638 A JP 2000138638A
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宏之 朝倉
Masanori Iida
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来に比較して構成が簡単であって低コストで
受信感度の良いFM信号光伝送装置を提供すること。 【解決手段】光送信機1の設けられた狭帯域FM変調器
3は、複数の信号を副搬送波多重してなる多重信号に従
って、上記複数の信号の周波数よりも十分に高い高周波
の搬送波周波数を有する搬送波信号を、実質的に第1側
波帯のみを発生する様な小さい変調指数でFM変調する
ことにより、狭帯域FM信号に変換し、周波数変換器4
は、狭帯域FM信号を上記搬送波周波数よりも十分に低
い周波数を有する低域変換狭帯域FM信号に変換する。
半導体レーザ7は、低域変換狭帯域FM信号に従って、
光信号を変調することにより、FM光信号に変換して、
光ファイバーケーブル92を介して、光受信装機2に送
信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、光通信や
CATV、光計測、移動体通信等に用いられる、FM信
号光伝送装置及びFM信号光受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、映像監視システム,CATV,加
入者系,移動体通信等においては、光ファイバの低損
失、広帯域特性を活かして、多チャンネルの映像や音声
あるいはデータの光伝送を行うことが実用化されてい
る。このような光伝送装置においては、多チャンネルの
信号を各々周波数の異なる複数のサブキャリア(副搬送
波)によって電気的に多重化してAM信号としたうえ
で、このAM信号によって半導体レーザ等を直接変調し
て光信号に変換し光ファイバで伝送している。AM信号
の光伝送は、特に映像信号の伝送において変復調器の構
成が簡単で低コストとなるという特徴がある。
【0003】しかしながら、このような光伝送装置では
次のような不都合があった。すなわち、映像光伝送にお
いては、所望の信号特性(映像品質等)を確保するため
には十分なるC/N(キャリア対雑音比)を確保する必
要があるが、AM信号の映像光伝送において、高いC/
Nを得るためには受信器側で高い光入力パワーがどうし
ても必要となる。
【0004】また、移動体通信においては、伝送する音
声やデータ信号の強度レベルが端末の移動によって大き
く変動するため、信号変動に対する高いダイナミックレ
ンジが必要となる。さらに、半導体レーザでの光変換時
や光ファイバ伝送途中の反射波によって生じる歪みの影
響を受けやすい。さらにまた、AM信号の増幅器にも直
線性の良好な増幅器が必要になる。
【0005】このような不都合を解消して耐歪み、耐雑
音性を高めるために、従来から、サブキャリア多重され
たAM信号を一括してFM信号に変換して光伝送する光
伝送装置が提案されている。さらには、提案装置におい
てさらに変調指数を大きくして所望のC/Nを得るよう
にするために、半導体レーザの周波数を直接変調して変
調指数の高いFM信号を得ることも提案されている。こ
のように改良された光伝送装置の構造を図17に示す。
【0006】この光伝送装置は、光送信機81が有する
AM/FM変換部82において、多チャンネルのAM信
号(例えば、AM映像信号)30によって半導体レーザ
41を直接変調することで光周波数変調信号を出力して
いる。このとき、半導体レーザ41をAM信号30で直
接変調することによって光の振幅変調と同時にその発振
周波数にも変調をかけている。このようにして作成した
光周波数変調信号に対してわずかに発信周波数の異なる
光を局部発振光源42で作成し、この光と前記光周波数
変調信号とを合波器43で合波した後、合波した光をフ
ォトダイオード44に入力して光ヘテロダイン検波する
ことによって2つのレーザのビート信号として広帯域な
(例えば1〜6GHz)FM変調信号を作成して、電気
/光変換部83に出力する。
【0007】電気/光変換部83においてはFM変調信
号を半導体レーザ駆動アンプ88に入力し、この半導体
レーザ駆動アンプ88の出力によって送信用半導体レー
ザ89を直接変調してFM光信号を作成して光ファイバ
ーケーブル92に伝送する(以上の構成としては、例え
ば特許第2700622号参照)。
【0008】光ファイバーケーブル92に伝送されたF
M光信号は光ファイバーケーブル92の中途部に設けら
れた増幅器(図示省略)等により増幅された後、同じく
光ファイバーケーブル92の中途部に設けられた光分岐
器(図示省略)を介して各光受信部93に光ファイバ伝
送される。
【0009】光受信部93においては、まず、光/電気
変換部95を構成する光/電気変換器96および前置増
幅器97によりFM光信号を電気信号に変換して増幅し
た後、FM/AM復調部94によってAM信号31に復
調する。FM/AM復調部94は遅延型の復調回路で、
リミッタアンプ50を介して高速の論理IC51、53
(例えばANDゲート)と遅延部52並びにローパスフ
ィルタ54により構成されており、広帯域な復調が可能
である。
【0010】しかしながら、この様な従来のFM伝送シ
ステムでは、半導体レーザ41によりAM映像多重信号
をFM光信号に変換する際、半導体レーザ41の位相雑
音がFM光信号に付加されるためにCNR(キャリア対
雑音比)が大幅に劣化する。従って、光受信機93への
光受信強度を高くしてもある一定のCNR値以上の感度
の改善は得られない。光受信機93において所望のCN
Rを得るためには、上記従来のシステムに比べて、1/
10程度の線幅を持つ半導体レーザが必要であり、外部
共振器構造を有する半導体レーザなどを使用する必要が
ある。従って、これら半導体レーザ自体が高価であり、
しかも複数個の半導体レーザを使用しなければならない
という課題が有った。
【0011】又、AM信号を、低い周波数帯において直
接電気的なFM信号に変換する方法も考えられるが、F
M変調器での変調指数を大きくする(変調度≧10%)
とFM変調器で歪みが発生し、この歪みにより信号品質
が劣化し、良好な光伝送はできないという課題を有して
いた。
【0012】一方、従来の光伝送装置においては、1〜
6GHzまでの広帯域なFM信号を伝送するために、信
号の各周波数帯の位相の均一性が、光送信機81内のア
ンプや、光ファイバーケーブル92などの部品の遅延特
性等によって崩れてしまい、光受信部93で復調したA
M信号31には位相遅れに起因する歪みが発生するとい
う課題があった。
【0013】本発明は、上記従来の光伝送装置の課題に
鑑み、構成が簡単で、低コストで、従来に比べて信号品
質の良好なFM信号光伝送装置、及び伝送時の位相のず
れに起因する歪みを抑制出来るFM信号光受信装置を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の本発明(請求項1
記載の発明に対応)は、複数の信号を副搬送波多重して
なる多重信号を、所定の搬送波周波数を有するFM信号
に変換する変調手段と、 前記変調手段により変換され
たFM信号を、前記搬送波周波数に比べて低周波数側に
シフトさせる周波数変換手段と、光信号を、上記周波数
変換手段から出力されるFM信号に基づいて変調するこ
とによりFM光信号に変換し、そのFM光信号を光ファ
イバケーブルを介して送信する光変調手段とを備えたF
M信号光伝送装置である。
【0015】又、第2の本発明(請求項2記載の発明に
対応)は、上記搬送波周波数は、前記複数の信号の周波
数よりも十分に高く、前記FM信号への変換は、前記搬
送波周波数を有する搬送波信号を、実質的に第1側波帯
のみを発生する程度の変調指数によりFM変調すること
により狭帯域FM信号に変換することであり、前記狭帯
域FM信号の前記低周波数側へのシフトは、前記狭帯域
FM信号を前記搬送波周波数よりも十分に低い周波数を
有する低域変換狭帯域FM信号に変換することである上
記第1の本発明のFM信号光伝送装置である。
【0016】上記構成によれば、例えば、狭帯域FM変
調し低域変換した後強度変調することにより、送信用の
光信号を得ているので、付加回路及び光ヘテロダイン検
波回路が不要であって、それ故、従来例に比較して回路
構成が簡単でありかつ安定性と信頼性に優れ、安価なF
M信号伝送システムを提供することができる。また、狭
帯域FM信号を用いているので、上記変調手段でほとん
ど変調歪を発生することがないので、信号品質が劣化す
ることがない。
【0017】又、第3の本発明(請求項3記載の発明に
対応)は、上記変調手段から出力される前記FM信号を
複数逓倍して逓倍信号を出力する逓倍手段と、前記逓倍
手段から出力される逓倍信号のうち所望の狭帯域FM信
号を帯域ろ波して前記周波数変換手段に出力する第1の
帯域ろ波手段とをさらに備えた上記第1の本発明のFM
信号光伝送装置である。
【0018】上記構成によれば、例えば、狭帯域FM変
調し低域変換した後強度変調することにより、送信用の
光信号を得ているので、付加回路及び光ヘテロダイン検
波回路が不要であって、それ故、従来例に比較して回路
構成が簡単でありかつ安定性と信頼性に優れ、安価なF
M信号伝送システムを提供することができる。また、狭
帯域FM信号を用いているので、上記変調手段でほとん
ど変調歪を発生することがないので、信号品質が劣化す
ることがない。さらに、狭帯域FM信号を逓倍している
ので、従来例に比較してより大きな変調指数を有するF
M信号を得ることができ、光受信機で所望のCNRを得
ることができる。
【0019】又、第4の本発明(請求項4記載の発明に
対応)は、上記変調手段から出力される前記FM信号の
第1側波帯に含まれる第1上側波帯及び第1下側波帯の
内、いずれか一方のみを帯域ろ波する第2の帯域ろ波手
段をさらに備えた上記第1又は第3の本発明のFM信号
光伝送装置である。
【0020】上記構成によれば、例えば、より狭い帯域
で送信することができるので、伝送効率を高くすること
ができ、送信駆動する消費電力も少なくて済む。
【0021】又、第5の本発明(請求項5記載の発明に
対応)は、上記変調手段は、電圧制御型発振器、又は弛
緩発振器である上記第1〜4の本発明の何れか一つのF
M信号光伝送装置である。
【0022】上記構成によれば、例えば、従来例に比較
して回路構成を簡単にすることができ、安価な装置を提
供することができる。
【0023】又、第6の本発明(請求項6記載の発明に
対応)は、上記変調手段は、前記多重信号を位相変調し
て位相変調信号に変換した後、前記搬送波信号と合波す
ることにより狭帯域FM信号に変換して出力する上記第
1〜4の本発明の何れか一つのFM信号光伝送装置であ
る。
【0024】上記構成によれば、例えば、従来例に比較
して回路構成を簡単にすることができ、安価な装置を提
供することができる。
【0025】又、第7の本発明(請求項7記載の発明に
対応)は、上記変調手段から出力される前記FM信号中
の中心周波数成分を抑圧する抑圧手段を備え、前記抑圧
手段からの出力が、前記周波数変換手段に入力され、前
記シフトの対象となる上記本発明の何れか一つのFM信
号光伝送装置である。
【0026】上記構成によれば、簡単な構成でありなが
ら伝送信号の品質を従来に比べてより一層良好なものに
することが出来る。
【0027】又、第9の本発明(請求項9記載の発明に
対応)は、上記送信されるFM光信号に対して分散補償
もしくは群遅延補償を行う補償手段を備えた上記本発明
の何れか一つのFM信号光伝送装置である。
【0028】上記構成によれば、伝送時の位相特性の優
れた光伝送装置を安価に実現することが出来る。
【0029】又、第15の本発明(請求項15記載の発
明に対応)は、光ファイバーを介して送信されてくるF
M光信号に対して分散補償もしくは群遅延補償を行う補
償手段と、前記補償手段から出力されるFM光信号をF
M電気信号に変換する光/電気変換手段と、前記光/電
気変換手段により変換された前記FM信号をAM信号に
復調する復調手段とを備えたFM信号光受信装置であ
る。
【0030】上記構成によれば、伝送時の位相のずれに
起因する歪みを抑制出来る光受信送装置を安価に実現す
ることが出来る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態
を、図面を参照しながら説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明に係る第1の実施
の形態であるFM光伝送システムの構成を示すブロック
図である。本実施の形態のFM光伝送システムは、光フ
ァイバケーブル92で接続された光送信機1と光受信機
2とを備えて構成される。ここで、光送信機1は、狭帯
域FM変調器3と、周波数変換器4と、電気/光変換部
8とを備え、光受信機2は、光/電気変換部10と、F
M復調器11と、低域通過フィルタ12とを備える。
【0032】図1において、狭帯域FM変調器3に入力
される信号は、例えば、図2(a)に示すように、多チ
ャンネルのAM映像信号が副搬送波多重されたAM多重
映像信号20であり、狭帯域FM変調器3は、AM多重
映像信号20の周波数帯に比較して十分に高い、例えば
ミリ波帯の高周波の搬送波信号を内部で発生して、入力
されるAM多重映像信号20に従って上記搬送波信号
を、実質的にFM信号の搬送波及び第1側波帯(第1側
波帯は、第1上側波帯と第1下側波帯を含む。)のみが
発生するような比較的小さい変調指数(変調指数に対応
する変調度が10%以下)で周波数変調することによ
り、図2(b)に示す狭帯域FM信号27に変換して周
波数変換器4の混合器4aに出力する。ここで、狭帯域
FM信号27の搬送波信号の周波数が、元の入力信号に
比較して十分に高いので、光伝送に必要な大きな変調指
数を得ることができるという利点がある。
【0033】狭帯域FM変調器3としては、例えば、バ
ラクタ又はリアクタンストランジスタを用いた電圧制御
型発振器を用いてもよいし、もしくは、マルチバイブレ
ータによるデジタル的な弛緩発振器であってもよい。ま
た、AM多重映像信号20を積分した後位相変調し、さ
らに、上記位相変調信号に平衡変調器により搬送波信号
を合波して狭帯域FM信号を発生してもよい。
【0034】狭帯域FM変調器3から出力される狭帯域
FM信号27は、例えば非線形の電圧−電流特性を有す
るpin型ダイオードなどの非線形素子を備えた混合器
4aで、局部信号発振器4bからの局部発振信号と混合
した後、低域通過フィルタ5により低域ろ波することに
より、図3に示すように、例えば中心周波数(搬送波周
波数)が25GHzの狭帯域FM信号27は、例えば中
心周波数(搬送波周波数)が5GHzの低周波の低域変
換狭帯域FM信号27aにダウンコンバート(より低い
周波数への周波数変換)される。
【0035】尚、この様にFM信号27をFM信号27
aにダンウンコンバートする理由は次の通りである。即
ち、一般に、電気信号と光信号との間での信号変換が可
能な周波数の上限は、変換素子の周波数応答速度の限界
により制限される。通常、搬送波周波数が10GHz以
下でないと周波数応答が不可能となり、信号変換が行え
ないので、上記の様なダンウンコンバートが必要とな
る。
【0036】次に、上記の様にダウンコンバートされた
低域変換狭帯域FM信号27aは、電気/光変換器8に
おいて、駆動増幅器6により増幅された後、レーザダイ
オードを備えた半導体レーザ7に入力される。
【0037】半導体レーザ7は、入力された低域変換狭
帯域FM信号に従って、内部で発生した光信号を強度変
調することにより強度変調された光信号に変換して、変
換した光信号を光ファイバケーブル92を介して相手方
の光受信機2に送信する。
【0038】ここで、半導体レーザ7は、好ましい実施
の形態において、例えば、波長1.2〜1.6μm帯の
InP系材料の長波長半導体レーザ、0.98μm帯の
半導体レーザ、発振波長0.78μm帯のGaAlAs
系材料の半導体レーザなどを用いる。また、光ファイバ
ケーブル92は、好ましい実施の形態において、例え
ば、コア径10〜300μm程度の光ファイバケーブ
ル、もしくは、マルチモード光ファイバケーブル又はシ
ングルモード光ファイバケーブルなどを用いる。
【0039】光ファイバケーブル92を介して光受信機
2に受信された光信号は、光/電気変換部10に入力さ
れ、フォトダイオード又はアバランシェフォトダイオー
ドを備えた光電変換器13により電気信号に光電変換さ
れた後、低雑音増幅器14により所望の信号強度の電気
信号に増幅される。増幅後の電気信号は、FM復調器1
1で周波数復調されて元のAM多重映像信号20に戻さ
れる。ここで、FM復調器11としては、広帯域で直線
性の良好な遅延線型又はパルスカウント型のものが望ま
しく、図1においては遅延線型について示す。
【0040】本実施の形態において、狭帯域FM変調器
3は、搬送波信号を、実質的にFM信号の搬送波及び第
1側波帯のみが発生するような比較的小さい変調指数で
周波数変調して、狭帯域FM信号27を得ているので、
狭帯域FM信号27は、実質的にAM信号に近い信号と
なっているので、狭帯域FM信号27の第1上側波帯と
第1下側波帯のうちの一方のみを帯域通過フィルタでろ
波して伝送するように構成してもよい。この場合、光受
信機2では、光電変換後に振幅制限器(リミッタ)を通
過させることにより元の狭帯域FM信号27を再生する
ことができる。従って、より狭い帯域で送信することが
できるので、伝送効率を高くすることができ、送信駆動
する消費電力も少なくて済む。
【0041】尚、本実施の形態では、図1に示す通り、
遅延線型について示しており、高速のデジタル素子であ
る2出力素子16、及び論理積素子17、遅延回路16
0を用いたものである。又、FM復調器11としては、
上記構成に限定されるものではなく、複同調周波数弁別
器、フォスター・シーレーの弁別器、比率検波器等の周
波数弁別機能を有する回路を用いても良い。
【0042】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、狭帯域FM変調し低域変換した後半導体レーザ7で
強度変調することにより、送信用の光信号を得ているの
で、付加回路及び光ヘテロダイン検波回路が不要であっ
て、それ故、従来例に比較して回路構成が簡単でありか
つ安定性と信頼性に優れ、安価なFM信号伝送システム
を提供することができる。また、狭帯域FM信号27を
用いているので、狭帯域FM変調器3でほとんど変調歪
を発生することがないので、信号品質が劣化することが
ない。 (第2の実施の形態)図4は、本発明に係る第2の実施
の形態であるFM光伝送システムの光送信機1aの構成
を示すブロック図であり、図4において図1と同様のも
のについては同一の符号を付している。なお、光受信機
2は、第1の実施の形態の図1のものを使用する。この
第2の実施の形態は、図1の第1の実施の形態と比較し
て、狭帯域FM変調器3と周波数変換器4との間に、逓
倍器21及び低域通過フィルタ22を挿入したことを特
徴とし、狭帯域FM信号27を逓倍器21により複数逓
倍して、帯域通過フィルタ22により所望の帯域の信号
を帯域ろ波した後、周波数変換器4により、より低周波
の周波数に周波数変換することを特徴としている。以
下、第1の実施の形態との相違点について特に詳述す
る。
【0043】図4において、多チャンネルのAM映像信
号を副搬送波多重してなるAM多重映像信号20は、狭
帯域FM変調器3に入力され、狭帯域FM変調器3は、
元のAM映像信号周波数(500MHz程度)に比較し
て高い搬送波周波数(f0=5GHz)を有する搬送波
信号を、入力されるAM多重映像信号20に従って狭帯
域FM変調を行って狭帯域FM信号27に変換する。狭
帯域FM変換器3では、歪みによる信号劣化が発生せ
ず、かつ多チャンネルの副搬送波多重信号の各チャンネ
ルに対するFM変換スペクトルが第1側波帯以外の側波
帯が顕著に現れない程度の変調指数の低い狭帯域のFM
変調を行う。
【0044】狭帯域FM信号27は逓倍器21に入力さ
れて複数N逓倍され、狭帯域FM信号27の変調指数を
増大させる。これにより元のAM多重映像信号20に比
較して、図5に示すように、十分高い搬送波周波数(逓
倍数N=5のとき、25GHz)を有し、かつ、信号帯
域の広いFM信号に変換されることになる。従って、こ
の逓倍作用によって、当該FM光伝送システムの光受信
機2において必要となるCNRが得られるための変調指
数を有するFM信号を得ることができる。
【0045】次いで、このFM信号は帯域通過フィルタ
22に入力されて、FM信号帯域以外の不要帯域のスペ
クトルを除去するように1つの狭帯域FM信号27が取
り出された後、周波数変換器4により第1の実施の形態
と同様に、図5に示すように、低域変換狭帯域FM信号
27aにダウンコンバートされる。以下の処理は第1の
実施の形態と同様である。
【0046】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、狭帯域FM信号27を逓倍しているので、従来例に
比較してより大きな変調指数を有するFM信号を得るこ
とができ、光受信機2で所望のCNRを得ることができ
る。
【0047】この様に、第1の実施の形態で述べた狭帯
域FM変調器3が、元のAM多重映像信号20に比較し
て、十分高い周波数の搬送波信号を発生できない構成で
ある場合でも、図4に示す様に逓倍器21を付加するこ
とにより、第1の実施の形態と同様の効果を発揮する。 (第3の実施の形態)図6は、本発明に係る一実施の形
態のFM光伝送システムの構成図である。
【0048】以下に、同図を用いて本実施の形態の構成
を説明する。
【0049】同図に示す様に、FM光伝送システムは、
光送信機1001と光受信機1019から構成される。
光送信機1001はFM変調器1004a、帯域除去フ
ィルタ1005a、逓倍器1006a、帯域透過フィル
タ1007a、周波数変換器1008aからなるFM変
換部1002と、広帯域増幅器1009と半導体レーザ
1010からなる電気/光変換部1003で構成され
る。光送信機1001からの光信号は光ファイバ92で
伝送され光受信機1019に入力する。光受信機101
9は光/電気変換器1014、前置増幅器1015から
なる光/電気変換部1012とFM復調器1013、フ
ィルタ1018によって構成される。本発明の抑圧手段
は、帯域除去フィルタ1005aに対応する。
【0050】以上のような構成により、以下、本実施の
形態の動作を説明する。
【0051】即ち、図7(a)のような多チャンネルの
副搬送波多重された映像信号であるAM信号20はFM
変調器1004aによって、図7(b)に示すFM信号
300に変換される。
【0052】又、FM変調器1004aは、歪みが発生
せず、かつ変調度の低い狭帯域のFM変調を行う。ここ
で、変調度の程度は、多チャンネル副搬送波多重信号2
0の各チャンネルに対するFM変換信号1300のスペ
クトルとして、第1側帯波1032以外の側帯波が顕著
に現れない程度の低い値である。
【0053】従って、図7(b)の様に第1側帯波10
32はFM搬送波1031(周波数f0)か ら各々f1
離れた領域に現れる。このFM信号1300が帯域除去
フィルタ1005aを 通過した後の信号1301を図
7(c)に示す。帯域除去フィルタ1005aの中心周
波数は図7(b)のFM搬送波1031の周波数f0
調整されており、かつ中心周波 数での抑圧度は大きく
ない。従って帯域除去フィルタ1005a通過後はFM
搬送波1031からレベル差1035だけ下がったFM
搬送波1034となる。また側帯波1032はFM搬送
波1034から周波数がf1離れているため、位相変化
やレベル変動の影響が帯域除去フィルタ1005aによ
っておこらないようになっている。従って帯域除去フィ
ルタ1005aによりFM搬送波1034の部分だけを
選択的にレベル差1035だけ抑制することになる。こ
れによりFM変調器1004aで狭帯域FM変調された
信号は搬送波と側帯波とのレベル差1036が帯域除去
フィルタ1005a通過前のレベル差1033よりも小
さくなったことから帯域除去フィルタ1005aによっ
てFM変調度が見かけ上、増大したことになる。
【0054】この信号1301は逓倍器1006aに入
力しN逓倍され、さらに変調度を増大させる。これによ
り元のAM信号に比べ、図8(b)に示すように十分高
いFM搬送波(例えばN×f0=25GHz)を有し信
号帯域の広いFM信号1302に変換さ れることにな
る。従ってこの逓倍作用によって光伝送において光受信
機で必要なC/Nが得られるための変調度を有するFM
信号1302を得ることができる。そして、FM信号帯
域以外の不要帯域のスペクトルを帯域透過フィルタ10
07aで除去した後、周波数変換器1008a、たとえ
ばミキサーなどによって信号成分は低周波側にダウンコ
ンバートされる。このようにして図8(c)のようなF
M変換信号1027を得る。このFM変換信号1027
を広帯域増幅器1009を介して半導体レーザ1010
で光信号とし、光ファイバーケーブル92を伝搬する。
【0055】光受信機1019の動作に関しては、上記
実施の形態1で説明した光受信機2と同様である(図1
参照)。尚、本実施の形態では、図6に示す通り、遅延
線型について示しており、高速のデジタル素子である2
出力素子1016、及び論理積素子1017、遅延回路
1160を用いたものである。又、FM復調器1013
としては、上記構成に限定されるものではなく、複同調
周波数弁別器、フォスター・シーレーの弁別器、比率検
波器等の周波数弁別機能を有する回路を用いても良い。
【0056】以上のような構成により、FM変調度が小
さいFM変調器を用いてFM変換を行い、帯域除去フィ
ルタで1次的なFM変調度増大を図り、その後の逓倍に
よる2次的なFM変調度増大によって、所望のFM変調
度を得ることにより、逓倍器の逓倍数を大きくすること
なく、簡単な構成の電気回路による信号処理で副搬送波
多重されたAM多チャンネル信号を一括してFM信号に
変換できる。 (第4の実施の形態)図9は、本発明に係る一実施の形
態のFM光伝送システムの構成図である。以下、図7〜
図9を用いて、本実施の形態の構成を説明する。
【0057】図9において、光送信機1001は、FM
変調器1004b、周波数変換器1008b、帯域除去
フィルタ1005b、逓倍器1006b、帯域透過フィ
ルタ1007b、周波数交換器1008aからなるFM
変換部1002と、上記実施の形態3と同様の電気/光
交換部1003により構成される。尚、光受信機101
9に関しては、実施の形態3と同様のため説明は省略す
る。
【0058】以上のような構成により、以下、本実施の
形態の動作を説明する。
【0059】即ち、多チャンネルの副搬送波多重された
AM信号20は、元のAM信号周波数に比べ十分高いF
M搬送波(例えばfh=25GHz)を有する狭帯域F
M変調器1004bによって図8(a)のFM信号13
00aに変換される。
【0060】狭帯域FM変調器1004bでは歪みによ
る信号劣化が発生せず、かつ多チャンネル副搬送波多重
信号の各チャンネルに対するFM変換スペクトルとし
て、第1側帯波1032a以外の側帯波が顕著に現れな
い程度の変調度の低い狭帯域のFM変調を行う。この信
号を周波数変換器1008bにより低周波側にダウンコ
ンバートし、スペクトル1300bを得る。ここでは説
明の便宜上、周波数変換器1008bでダウンコンバー
トした際の中心周波数をf0 としておく。
【0061】以下、帯域除去フィルタ1005bにより
FM搬送波1031bのみを選択的にレベル差1035
だけ抑圧し、図8(b)のスペクトル1301の信号を
得る。以後の動作は第3の実施例と同様である。
【0062】このように本実施の形態では、第3の実施
の形態の効果に加えて、FM変調器として十分高いFM
搬送波を有するものを用いることにより周波数可変範囲
を拡大し、FM変調器に入力する信号の帯域をより広帯
域にする事ができる。
【0063】ところで、上述した各実施の形態における
FM変調器での変調度は、10%以下であることが望ま
しい。変調度が10%以下であれば、図7(b)の多チ
ャンネルの副搬送波多重された信号のFM変調スペクト
ル1300の周波数f0−f2からf0+f2までの周波数
域で信号エネルギーの98%以上を確保することが出
来、狭帯域FMが可能となる。
【0064】以上の様に、上記実施の形態によれば、例
えば、副搬送波多重された複数の信号をFM変調器にお
いてFM信号に変換し、帯域除去フィルタでFM信号中
の中心周波数成分を抑圧し、前記中心周波数成分の抑圧
されたFM信号を周波数逓倍器によって逓倍し、前記周
波数逓倍信号の所望の変調度の信号を周波数変換器にて
低周波側の光伝送帯域にシフトさせて光信号に変換して
伝送する。
【0065】又、上記実施の形態によれば、副搬送波多
重された複数のAM信号を、被変調波であるAM信号に
比べ十分に周波数の高いミリ波帯の高周波の搬送波信号
を発生するFM変調器においてFM信号に変換し、前記
FM信号を周波数変換器にて低周波側にシフトさせ、帯
域除去フィルタでそのシフトされたFM信号中の中心周
波数成分を抑圧し、所望の変調度を見かけ上高めた後、
前記信号を周波数逓倍器によって逓倍し、所望の変調度
の前記周波数逓倍信号を周波数変換器にて低周波側の光
伝送帯域にシフトさせ、光信号に変換して伝送するもの
である。
【0066】尚、以上述べた実施の形態では、FM信号
中の中心周波数成分を抑圧した後、中心周波数成分の抑
圧されたFM信号を逓倍し、低周波側にシフトする構成
について述べたがこれに限らず例えば、FM信号中の中
心周波数成分を抑圧するのみの構成でもよい。この場
合、単一の副搬送波を用いた信号、又は複数の副搬送波
により多重化された複数の信号をFM変調手段を利用し
てFM信号に変換し、抑圧手段により前記FM信号中の
中心周波数成分を抑圧し、前記中心周波数成分の抑圧さ
れたFM信号に基づいて光信号を生成し、前記光信号を
伝送する構成となる。これにより、AM信号を直接電気
的なFM信号に変換する場合に、FM変調器での変調指
数が見かけ上大きくとれるので、FM変調器で歪みを大
きくすることなく、より一層C/N値の改善が出来ると
いう効果を発揮する。
【0067】又、上記実施の形態では、帯域抑圧フィル
タは、例えば、FM変換する際の中心周波数付近のスペ
クトルを選択的に抑圧するフィルタであり、抑圧度は1
0dB程度あればよい。
【0068】又、本発明の抑圧手段は、上記実施の形態
では、帯域除去フィルタであり、第1周波数変換手段
(上記実施の形態では、図9の周波数変換器1008b
に対応する)により低周波側にシフトされたFM信号の
中心周波数成分を抑圧する場合について述べたが、これ
に限らず例えば、抑圧手段は、FM変調手段により変換
されたFM信号の中心周波数成分を、上記シフトがなさ
れる前の段階で抑圧し、その後、上記の様に低周波側に
シフトさせる構成でもよい。この場合の構成としては、
例えば、次のようになる。即ち、副搬送波多重された複
数のAM信号をキャリア周波数が被変調波であるAM信
号に比べ十分に周波数の高いミリ波帯においてFMキャ
リアを有するFM変調器においてFM信号に変換し、帯
域除去フィルタでFM信号中の中心周波数成分を抑圧
し、所望の変調度を見かけ上高めた後、前記信号を第1
周波数変換器にて低周波側にシフトさせ、前記信号を周
波数逓倍器によって逓倍し、所望の変調度の前記周波数
逓倍信号を第2周波数変換器にて低周波側の光伝送帯域
にシフトさせ、光信号に変換して伝送するものである。
この場合の構成図としては、図9において、周波数除去
フィルタ1005bと周波数変換器1008bの配置の
順番を入れ替えたものと同じである。
【0069】又、上記実施の形態では、副搬送波多重さ
れた複数の信号、即ち、複数の副搬送波により多重化さ
れた複数のチャンネルの信号をFM変調手段を利用して
FM信号に変換する場合を中心に述べたが、これに限ら
ず例えば、FM信号に変換される信号は、単一の副搬送
波を用いた単一のチャンネルの信号でも勿論良い。この
場合でも、上記と同様の効果を発揮する。 (第5の実施の形態)図10は、本発明の実施の形態5
のFM光伝送システムの構成を示すブロック図である。
同図を参照しながら、以下に本実施の形態の構成を説明
する。
【0070】同図に示す様に、本FM光伝送システムは
光送信機2001と光受信機2013とを備えており、
光送信機2001と光受信機2013とは光ファイバー
ケーブル92により接続されている。光送信機2001
はAM/FM変換部2002と、電気/光変換部200
3とを備えている。AM/FM変換部2002は、AM
/FM変換器2004と、逓倍器2005と、帯域透過
フィルタ2006と、周波数変換器2007とを備えて
いる。電気/光変換部2003は、広帯域増幅器200
8と、半導体レーザ2009と、光ファイバグレーティ
ング2011と、光サーキュレータ2010とを備えて
いる。
【0071】本FM光伝送システムは、上述した実施の
形態の構成とほぼ同様であるが、光ファイバグレーティ
ング2011を備えたことに特徴を有している。
【0072】図11,図12はこのFM光伝送システム
の動作を説明するための信号スペクトルの概念図であ
り、図13は光ファイバグレーティング2011から構
成される群遅延補償手段の構成図であり、図14(a)
〜図14(c)は光ファイバグレーティング2011の
動作を示すための概念図である。
【0073】これらの図を参照しながら、次に、本実施
の形態の光ファイバグレーティング2011の動作を中
心に説明する。
【0074】尚、図11(a)〜図12(b)に示す内
容は、上記実施の形態で説明したものと基本的に同じで
ある。即ち、図11(a)、図11(b)において、2
0は上述した元のAM信号(帯域f1〜f2)であり、2
061はAM/FM変換器2004によって変換された
FM信号である。2062はFM信号2061のスペク
トルにおける第1側波帯であり、FM搬送波2063
(周波数f0)を中心にして、それぞれf1離れた領域に
現れる。又、図12(a)、図12(b)において、2
064は、FM信号2061が逓倍器2005によりN
倍に逓倍されて得られた搬送波2063’を有する、信
号帯域の広いFM逓倍信号である。搬送波2063’の
周波数は、例えば、NF0(NXf0)=25GHzであ
り、元のAM信号20に比べて、十分周波数が高い。
【0075】即ち、上記実施の形態と同様にして得られ
たFM周波数変換信号2065を広帯域増幅器2008
を介して半導体レーザ2009に入力し、ここでFM光
信号2066に変換する。そして、作成したFM光信号
2066を光サーキュレータ2010を介して光ファイ
バグレーティング2011に入力する。
【0076】光ファイバグレーティング2011は、図
13に示すように、長尺方向で屈折率分布の間隔を変え
ることにより光ファイバグレーティング2011で反射
する光信号内の群遅延特性を任意に設定できるように構
成されている。
【0077】ここで、光ファイバグレーティング201
1を通過させない場合のFM光信号2066の群遅延特
性の例を図14(a)に示す。FM光信号2066は、
光送信機2001ならびに光ファイバ92を通過するこ
とにより、群遅延特性が周波数によって不揃いとなる。
図14(a)に示した例では、周波数が高くなるほど群
遅延量が小さくなっている。
【0078】これに対して、上述した光ファイバグレー
ティング2011の遅延調整量を、図14(b)に示す
ように、図14(a)の群遅延特性とは逆相の関係にな
るように設定する。これにより、図14(a)に示す群
遅延特性と図14(b)に示す群遅延調整量とが相殺さ
れて図14(c)に示すように、周波数に関係なく群遅
延特性が均一化される。
【0079】以上のような光ファイバグレーティング2
011の作用により群遅延特性が調整されたFM光信号
2066は、光サーキュレータ2010を介して光ファ
イバーケーブル92に伝送される。
【0080】一方、光ファイバーケーブル92から光受
信機2013に入力されたFM光信号2066は、光/
電気変換部2015(フォトダイオードまたはアバラン
シェフォトダイオードからなる光/電気変換器2016
と前置増幅器2017から構成されている)によって電
気信号に変換された後、FM/AM復調部2014(リ
ミッタアンプ2018、分岐素子2019、遅延回路2
020、ミキサ2021,ローパスフィルタ2022か
ら構成されている)に入力され、ここで、所望の信号強
度に増幅されて元のAM信号21に復調される。復調さ
れたAM信号21は光ファイバグレーティング2011
により伝送系での群遅延が相殺され位相特性の良好な信
号となっている。
【0081】以上のような構成により、FM変調度が小
さいAM/FM変換器2004を用いてAM/FM変換
を行い、その後の逓倍操作による2次的なFM変調度増
大によって、所望のFM変調度を得ることができる。こ
れにより、逓倍器2005の逓倍数を大きくすることな
く、簡単な構成の電気回路による信号処理で副搬送波多
重されたAM多チャンネル信号を一括してFM信号に変
換できると共に、変復調系並びに伝送系での群遅延を光
ファイバグレーティング2011及び光サーキュレータ
2010で構成される群遅延補償手段によって、位相特
性の優れたAM信号21に復調することができる。
【0082】なお、一般に、図14(a)に示す群遅延
特性は所要帯域で数十〜百数十psec程度である。そ
のため、光ファイバグレーティング2011で補償する
群遅延量は半導体レーザ2009の波長拡がり(数〜十
数GHz)を考慮すれば、光ファイバグレーティング2
011で数百psec/nmオーダーの屈折率分布を逆
相で形成して図14(b)の補償特性となるようにすれ
ばよい。
【0083】このような群遅延補償機能を実施して伝送
系全体で群遅延補償を行うことにより、群遅延特性の必
ずしも良くない安価な回路素子を用いても、全体として
の群遅延特性の優れたFM光伝送システムを構成すれこ
とができた。これにより、低コスト化を促進できて、加
入者系を含むアクセス網に対して導入が容易な構成を実
現できる。 (第6の実施の形態)図15は本発明の実施の形態6の
FM光伝送システムの構成を示すブロック図である。こ
のFM光伝送システムは、基本的には実施の形態5のF
M光伝送システムの構成と同様の構成を備えており、同
一ないし同様の構成には同一の符号を付し、それらにつ
いての説明は省略する。
【0084】このFM光伝送システムは、光ファイバグ
レーティング2011に温度制御部2025を備えたこ
とに特徴がある。温度制御部2025は、例えば、ヒー
ター及びサーモスタットといった構成を備えて任意に光
ファイバグレーティング2011の雰囲気温度を可変さ
せるものであって、雰囲気温度を変動させることで光フ
ァイバグレーティング2011の線膨張を調整してその
長尺方向寸法を伸縮させることができるようになってい
る。光ファイバグレーティング2011の長尺方向寸法
を伸縮させることで、このFM光伝送システムでは、光
ファイバグレーティング2011の屈折率分布の間隔を
変えることが可能となっている。
【0085】なお、上述した各実施の形態では、群遅延
補償素子として光ファイバグレーティング2011を用
いたが、伝送系の群遅延特性が線形的に変化する場合に
は分散補償ファイバを用いても良いのはいうまでもな
い。さらには、上述した各実施の形態では、副搬送波多
重された複数の信号を、FM変換→逓倍処理→低周波周
波数変換処理→光信号変換といった処理を施した後、送
信するFM光伝送システムにおいて本発明を実施した
が、本発明は、このようなFM光伝送システムに対して
のみ実施できるものではなく、副搬送波多重された複数
の信号を一括してFM光信号に変換して送信する光送信
機を備えたFM光伝送システムであれば、どのような構
成を備えたものであっても同様に実施できるのはいうま
でもない。
【0086】このような構成(温度制御部2025)を
備えることにより、実施の形態5の効果に加えて光ファ
イバグレーティング2011によって生じる群遅延補償
特性を可変することができ、システム上の伝送遅延の変
動に応じて、群遅延補償程度を微調整することができる
うえに、光ファイバグレーティング2011の設置環境
温度の変動により分散補償の程度が変動することを回避
することもできる。
【0087】なお、本実施の形態では温度制御部202
5を光ファイバグレーティング2011に設けたが、こ
の限りではなくファイバの長尺方向の張力を可変する事
によっても同様な作用効果を得ることができる。
【0088】また光ファイバグレーティング2011の
屈折率分布のある範囲の中で局所的に加熱・冷却する機
能又は、張力を可変する機能を有すれば所定の周波数域
のみの群遅延補償特性を変更することもできる。 (第7の実施の形態)図16は本発明の実施の形態7の
FM光伝送システムの構成図である。
【0089】本FM光伝送システムは、基本的には実施
の形態5と同様の構成を備えており、同一ないし同様の
部分には同一の符号を付し、それらについての説明は省
略する。
【0090】このFM光伝送システムは、光ファイバグ
レーティング2011及び光サーキュレータ2010を
光受信機2013内の光/電気変換部2015に設けた
点に特徴がある。このような構成を備えることにより、
実施の形態5における効果に加えて、光ファイバーケー
ブル92および光受信機2013で生じる群遅延のばら
つき(位相のずれ)をさらに補償することができるよう
になっている。
【0091】尚、上記実施の形態の周波数逓倍器は、例
えば、入力周波数に対してn倍の周波数に高めるもの
で、トランジスターやFET、可変容量ダイオードなど
の非直線性を利用して高調波を発生するものである。
【0092】又、上記実施の形態の周波数変換器は、周
波数逓倍器と同様に非線形回路素子の周波数混合作用を
利用して、周波数を高周波側もしくは低周波側に変換す
るものである。
【0093】尚、上記実施の形態では、補償手段は、上
記の通り1つの半導体レーザを有する光送信装置に設け
られた場合について述べたが、これに限らず例えば、図
17で述べた従来のFM信号光伝送システムの送信側又
は受信側に設ける構成でも勿論良い。
【0094】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、従来に比べて回路構成が簡単でありながら、安
定性、信頼性に優れ、信号品質が良好であるという長所
を有する。
【0095】又、本発明は、伝送時の位相のずれに起因
する歪みを抑制出来るという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のFM光伝送システ
ムの構成を示すブロック図
【図2】(a):図1の狭帯域FM変調器3の入力信号
であるAM多重映像信号20の周波数特性を示すスペク
トル図 (b):狭帯域FM変調器3の出力信号である狭帯域F
M信号27の周波数特性を示すスペクトル図
【図3】図1の周波数変換器4による周波数変換処理を
示すスペクトル図
【図4】本発明の第2の実施の形態のFM光伝送システ
ムの光送信機1aの構成を示すブロック図
【図5】図4の光送信機1aの処理を示すスペクトル図
【図6】本発明の第3実施の形態のFM信号光伝送装置
の構成図
【図7】(a):従来及び本発明により伝送されるAM
信号の説明図 (b):本実施の形態のFM変調器通過後のFM信号の
説明図 (c):本実施の形態の帯域除去フィルタ通過後の信号
のスペクトル図
【図8】(a)〜(c):本発明の第3及び第4の実施
の形態におけるFM信号の各部位での機能を説明するた
めの周波数変換図
【図9】本発明の第4の実施の形態のFM信号光伝送装
置の構成図
【図10】本発明の第5の実施の形態のFM光伝送シス
テムの構成を記すブロック図
【図11】(a):本発明の伝送されるAM信号を示す
図 (b):AM/FM変換器通過後のFM信号のスペクト
ル図
【図12】(a)、(b):本発明におけるFM信号の
各部位での機能を説明するための周波数変換図
【図13】本発明の第5の実施の形態の光ファイバグレ
ーティングを用いた群遅延補償手段の構成を示す図
【図14】(a)〜(c):本実施の形態5における伝
送系の群遅延特性の概念図
【図15】本発明の第6の実施の形態のFM光伝送シス
テムの構成を示すブロック図
【図16】本発明の第7の実施の形態のFM光伝送シス
テムの構成を示すブロック図
【図17】従来例のFM光伝送システムの全体の構成を
示すブロック図
【符号の説明】
1,1a…光送信機 2…光受信機 3…狭帯域FM変調器 4…周波数変換器 4a…混合器 4b…局部信号発振器 5…低域通過フィルタ 6…駆動増幅器 7…半導体レーザ 8…電気/光変換部 92…光ファイバケーブル 10…光/電気変換部 11…FM復調器 12…低域通過フィルタ 13…光電変換器 14…低雑音増幅器 20,20a…AM多重映像信号 21…逓倍器 22…帯域通過フィルタ 27…狭帯域FM信号 27a…低域変換狭帯域FM信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/18 H04N 7/22

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の信号を副搬送波多重してなる多重
    信号を、所定の搬送波周波数を有するFM信号に変換す
    る変調手段と、 前記変調手段により変換されたFM信号を、前記搬送波
    周波数に比べて低周波数側にシフトさせる周波数変換手
    段と、 光信号を、上記周波数変換手段から出力されるFM信号
    に基づいて変調することによりFM光信号に変換し、そ
    のFM光信号を光ファイバケーブルを介して送信する光
    変調手段と、を備えたことを特徴とするFM信号光伝送
    装置。
  2. 【請求項2】 前記搬送波周波数は、前記複数の信号の
    周波数よりも十分に高く、 前記FM信号への変換は、前記搬送波周波数を有する搬
    送波信号を、実質的に第1側波帯のみを発生する程度の
    変調指数によりFM変調することにより狭帯域FM信号
    に変換することであり、 前記狭帯域FM信号の前記低周波数側へのシフトは、前
    記狭帯域FM信号を前記搬送波周波数よりも十分に低い
    周波数を有する低域変換狭帯域FM信号に変換すること
    であることを特徴とする請求項1記載のFM信号光伝送
    装置。
  3. 【請求項3】 前記変調手段から出力される前記FM信
    号を複数逓倍して逓倍信号を出力する逓倍手段と、 前記逓倍手段から出力される逓倍信号のうち所望の狭帯
    域FM信号を帯域ろ波して前記周波数変換手段に出力す
    る第1の帯域ろ波手段とをさらに備えたことを特徴とす
    る請求項1記載のFM信号光伝送装置。
  4. 【請求項4】 前記変調手段から出力される前記FM信
    号の第1側波帯に含まれる第1上側波帯及び第1下側波
    帯の内、いずれか一方のみを帯域ろ波する第2の帯域ろ
    波手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は3
    記載のFM信号光伝送装置。
  5. 【請求項5】 前記変調手段は、電圧制御型発振器、又
    は弛緩発振器であることを特徴とする請求項1〜4の何
    れか一つに記載のFM信号光伝送装置。
  6. 【請求項6】 前記変調手段は、前記多重信号を位相変
    調して位相変調信号に変換した後、前記搬送波信号と合
    波することにより狭帯域FM信号に変換して出力するこ
    とを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載のFM
    信号光伝送装置。
  7. 【請求項7】 前記変調手段から出力される前記FM信
    号中の中心周波数成分を抑圧する抑圧手段を備え、 前記抑圧手段からの出力が、前記周波数変換手段に入力
    され、前記シフトの対象となることを特徴とする請求項
    1〜6の何れか一つに記載のFM信号光伝送装置。
  8. 【請求項8】 前記抑圧手段が帯域除去フィルタであ
    り、その帯域除去フィルタを通過後のFM信号の上側帯
    波もしくは下側帯波のいずれか一方が前記FM光信号と
    して伝送されることを特徴とする請求項7記載のFM信
    号光伝送装置。
  9. 【請求項9】 前記送信されるFM光信号に対して分散
    補償もしくは群遅延補償を行う補償手段を備えたことを
    特徴とする請求項1〜8の何れか一つに記載のFM信号
    光伝送装置。
  10. 【請求項10】 前記補償手段は、前記FM信号光伝送
    装置内の電気回路部、及び/又は前記光ファイバー内で
    生じる、前記FM光信号の群遅延の逆相特性を補償する
    ものであることを特徴とする請求項9記載のFM信号光
    伝送装置。
  11. 【請求項11】 前記補償手段は、光ファイバグレーテ
    ィングであることを特徴とする請求項9又は10記載の
    FM信号光伝送装置。
  12. 【請求項12】 前記光ファイバグレーティングの補償
    特性を制御する制御部を有することを特徴とする請求項
    11記載のFM信号光伝送装置。
  13. 【請求項13】 前記光ファイバグレーティングを構成
    する光ファイバの張力を制御する張力制御部を備えるこ
    とを特徴とする請求項11記載のFM信号光伝送装置。
  14. 【請求項14】 前記補償手段は、分散補償ファイバで
    あることを特徴とする請求項9又は10記載のFM信号
    光伝送装置。
  15. 【請求項15】 光ファイバーを介して送信されてくる
    FM光信号に対して分散補償もしくは群遅延補償を行う
    補償手段と、 前記補償手段から出力されるFM光信号をFM電気信号
    に変換する光/電気変換手段と、 前記光/電気変換手段により変換された前記FM信号を
    AM信号に復調する復調手段と、を備えたことを特徴と
    するFM信号光受信装置。
  16. 【請求項16】 前記補償手段は、前記FM光信号を送
    信するFM信号光送信装置内の電気回路部及び/又は前
    記光ファイバー内で生じる、前記FM光信号の群遅延の
    逆相特性を補償するものであることを特徴とする請求項
    15記載のFM信号光受信装置。
  17. 【請求項17】 前記補償手段は、光ファイバグレーテ
    ィングであることを特徴とする請求項15又は16記載
    のFM信号光受信装置。
  18. 【請求項18】 前記光ファイバグレーティングの補償
    特性を制御する制御部を有することを特徴とする請求項
    17記載のFM信号光受信装置。
  19. 【請求項19】 前記光ファイバグレーティングを構成
    する光ファイバの張力を制御する張力制御部を備えるこ
    とを特徴とする請求項17記載のFM信号光受信装置。
  20. 【請求項20】 前記補償手段は、分散補償ファイバで
    あることを特徴とする請求項15又は16記載のFM信
    号光受信装置。
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