JP2000135706A - 木質調成形体及びその製造方法 - Google Patents
木質調成形体及びその製造方法Info
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Abstract
調成形体を提供する。 【解決手段】 木質繊維と樹脂を含む複合材料から圧縮
成形によりブロック状の成形体を形成し、得られたブロ
ック状成形体を圧縮方向に切断して、この切断面を表面
とした木質調成形体を得る。
Description
を有し、触感及び質感等の表面特性に優れた木質調成形
体及びその製造方法に関する。
た木質系成形体は、従来、例えばチップ等の木片を解繊
機等により解繊して得られた木質繊維に合成樹脂を添加
し、これを成形することにより製造されている。この木
質系成形体は、風合い、触感を木材に近づけた合成木材
として、木材の代用用途に用いられている。
系成形体は、木質繊維が成形体内にランダムに存在して
おり、表面意匠性が乏しく、すなわち天然木材に似た木
目を表面に再現することが困難であり、従って自動車の
内装品、電気製品のキャビネット及び家具等において芯
材としてのみ用いられていた。そして表面に天然木材の
木目を表そうとする場合には、塩化ビニルフィルム、メ
ラミンフィルム、上質紙等のような木目模様を印刷した
表皮材を表面に設けることが必要であった。しかしなが
ら、このような表皮材では天然木材の風合い、触感を再
現することは困難であった。さらに、この従来の木質系
成形体は表面が多孔質であるため、この表面を塗装して
も塗料の吸い込みが多く、光沢のある平滑な塗装を設け
ることが困難であり、さらに吸水性、吸油性が高いとい
った問題もあった。
の問題を解決し、自然な木目の外観を有し、かつ天然木
材の有する微細な風合い、触感等の表面特性を有する木
質調成形体及びその製造方法を提供する。
めに1番目の発明によれば、木質調成形体の製造方法に
おいて、木質繊維と樹脂を含む複合材料から圧縮成形に
よりブロック状の成形体を形成し、得られたブロック状
成形体を圧縮方向に切断することにより、この切断面を
表面とした木質調成形体が得られる。
の発明によれば、木質調成形体の製造方法において、木
質繊維と樹脂を含む複合材料から圧縮成形により複合板
を形成し、この複合板を板厚方向に複数枚積層し接合さ
せて積層体を形成し、この積層体を積層方向に切断する
ことにより、この切断面を表面とした木質調成形体が得
られる。
の発明によれば、木質調成形体の製造方法において、周
囲に樹脂が配されるように木質繊維をその繊維方向をそ
ろえて複数配列し、繊維方向に対して垂直方向に圧縮成
形することにより、圧縮面を表面とした木質調成形体が
得られる。
の発明によれば、木質調成形体の製造方法において、木
質繊維と熱可塑性樹脂繊維をその繊維方向をそろえて複
数配列し、繊維方向に対して垂直方向に加熱圧縮成形す
ることにより、圧縮面を表面とした木質調成形体が得ら
れる。
するために1〜3番目の発明において、樹脂として熱可
塑性樹脂が用いられる。また、6番目の発明では上記問
題点を解決するために1〜5番目の発明において、得ら
れた木質調成形体を芯材に接合する工程をさらに含む。
の発明によれば、木質繊維が一定方向に配向しており、
この木質繊維の周囲に樹脂が配されている、上記1〜6
番目の発明により得られる木質調成形体が提供される。
複合材料を圧縮成形することにより、木質繊維は圧縮方
向に対して直交方向に配向し、自然な木目の外観を呈す
ることになる。そこで、この木目の現れた面に沿って、
すなわち圧縮方向に沿って切断し、この切断面を表面と
すると、表面に自然な木目を発現させることができる。
縮成形により得られた成形体を板厚方向に積層すること
により、配向した木質繊維を積層することになり、より
木目が明瞭に現れることになる。
質繊維をその繊維方向をそろえて複数配列しておいて圧
縮成形することにより、確実に木目を再現することがで
きる。4番目の発明では、木質繊維と熱可塑性樹脂繊維
をその繊維方向をそろえて複数配列しておいて加熱圧縮
成形することにより、溶融した熱可塑性樹脂によって木
質繊維が接合し、確実に木目を再現することができる。
脂を用いることにより、加熱圧縮成形により溶融した熱
可塑性樹脂によって木質繊維が接合し、確実に木目を再
現することができる。
られた木質調成形体を表皮材として用い、これを芯材に
接合することにより、確実に木目を再現することができ
る。
明する。図1は、木質繊維と樹脂を含む複合材料を圧縮
成形により成形して得られたブロック状成形体の略図で
ある。本発明において用いる木質繊維としては、木材、
麻、ヤシ、竹等の天然素材を解繊することにより得られ
たものを用いることができる。この解繊方法は特に限定
されず、従来の方法を用いることができる。例えば、ヒ
ノキ、アカマツ、スギ、ラワン、ブナ等の木材を加圧し
て蒸煮し、そのままの圧力で機械的にほぐす方法や、蒸
煮した後、常圧で機械的にほぐす方法等を用いることが
できる。
一体的に結合し、成形体を形成するものであればよく、
熱可塑性樹脂、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレ
ン、ポリエステル、ナイロン、エチレン−プロピレン共
重合体、ポリエチレンテレフタレート等、並びに熱硬化
性樹脂、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエ
ステル等を用いることができるが、成形性、加工性等の
観点から熱可塑性樹脂が好ましい。
り他の添加剤を添加し、圧縮成形により、図1に示すよ
うなブロック状の成形体1が得られる。樹脂の含有量
は、木質繊維と樹脂の混合物全体の20〜50重量%である
ことが好ましい。20重量%より少ないと成形体に十分な
結合が得られず、50重量%より多いとコストが高くな
り、さらに木質調の外観が乏しくなるからである。圧縮
成形の条件は、使用する木質繊維と樹脂に応じて、ブロ
ック状の成形体が得られるように適宜決定する。
との混合物中にランダムに存在していた木質繊維は圧縮
方向に対して直交方向に配向する。そこで、図2に示す
ように、このブロック状成形体を圧縮方向に切断する
と、得られた成形体2は、切断面3から見た場合にこの
木質繊維が木目のように配向し、木質調の外観が得られ
るのである。
含む複合材料から圧縮成形により複合板4を形成し、こ
れを図3に示すように板厚方向に積層して、図1に示す
ようなブロック状成形体を形成してもよい。こうして得
られたブロック状成形体を、図4に示すように、積層方
向に切断すると、得られた成形体2は、切断面3から見
た場合にこの木質繊維が木目のように配向しており、さ
らに複合板の間の界面5が明確になり、木目がより明確
になる。
長繊維をその繊維方向をそろえて配列し、かつこの繊維
の周囲に樹脂を配して圧縮成形することにより、ブロッ
ク状成形体を製造してもよい。木質繊維の長繊維の長さ
は、作製する成形体の木目方向の長さと同程度であるこ
とが好ましく、直径は100 μm 〜5mmであることが好ま
しい。樹脂としては、上記と同様、熱可塑性樹脂及び熱
硬化性樹脂共に使用することができる。
き、この樹脂を含浸させた長繊維をその繊維方向をそろ
えて束ね、圧縮成形する。このように、予め繊維の方向
をそろえてから成形するため、得られた成形体において
は、繊維の配向性が一層向上することになり、木目がよ
り明確になる。
の熱可塑性樹脂を長繊維として用いることが好ましい。
すなわち、図5に示すように、木質繊維の長繊維6と熱
可塑性樹脂の長繊維7を束ねる。この際、熱可塑性樹脂
の繊維7の比率は、上記と同様に20〜50重量%であるこ
とが好ましい。
の束を、その繊維方向をそろえて成形型に入れ、加熱圧
縮する。この際の加熱温度は用いる熱可塑性樹脂によっ
てきまり、すなわち樹脂が溶融するに十分な温度に加熱
する。この加熱圧縮により、繊維束中において熱可塑性
樹脂繊維は溶融し、木質繊維の間の隙間を埋める。この
後、冷却することにより溶融した熱可塑性樹脂は固化
し、成形体が得られる。この成形において、木質繊維の
繊維方向を一方向にそろえて成形しているため、得られ
た成形体において木質繊維はその繊維方向が一定方向に
配向されており、表面に天然木材に類似した外観を呈し
ている。
成形体を表皮材として用い、芯材に接合してもよい。図
1に示すような、ブロック状成形体から切断する際に、
その厚さを薄く、具体的には0.5 〜1mm程度の厚さにス
ライスすることが好ましい。こうして得られた薄い表皮
材は芯材に接合する際に、芯材の表面形状、例えば曲面
に適合させることができる。具体的には、図6に示すよ
うに、表皮材8を芯材9の上にのせ、例えば接着材によ
り接合する。木質調成形体の製造において、樹脂として
熱可塑性樹脂を用いた場合、表皮材8の上からホットプ
レスによって樹脂を溶融させ、表皮材8を芯材9に溶着
させることができる。また、芯材として熱可塑性樹脂よ
り製造されたものを用いた場合も同様にホットプレスに
よって表皮材を溶着させることができる。このようにホ
ットプレスで溶着させると、表皮材中の熱可塑性樹脂が
成形体の表面全体を覆うことになるため、表面平滑性、
吸収性、塗装性等の表面特性が向上する。
成形体は、木質繊維が一定方向に配向しており、木質繊
維の微細な凹凸が天然木材の微細な凹凸を再現し、天然
木材に匹敵する触感及び質感を有し、木質感に優れてい
る。
ポリプロピレン樹脂30重量%を混合し、圧縮成形により
大きさ90mm×50mm、板厚70mmのブロック状成形体を成形
した。この成形体を圧縮方向に厚さ1mmにスライスし、
90mm×70mm×1mmの木質調成形体を得た。また比較材と
して、木質繊維をメラミン・ユリア樹脂で結合させたミ
ディアムデンシティファイバーボード(MDF)を用い
た。
外観は、木目が表面に現れており、また触感も天然木に
近いものであった。これに対して、MDFは、触感は天
然木に近いが、木質繊維がランダムに配向しているため
木目が現れておらず、意匠性に乏しいものであった。
用い、同様にして製造した大きさ90mm×70mm、厚さ3mm
の芯材上にのせ、加熱圧縮により芯材に溶着させた。こ
うして得た木質調成形体は塗料の染み込みが少なく平滑
性において優れていたが、一方、MDFは塗料の吸い込
みが多く、多量の塗料を塗布しなければ平滑性は発現し
なかった。また、40℃、90%RHに5時間放置後の吸水
量は、本発明の木質調成形体では25g/m2であったが、M
DFでは126g/m2 であった。さらに、MDFでは吸水に
よるそりがみられた。
ポリプロピレン樹脂30重量%を混合し、加熱圧縮成形に
より大きさ90mm×50mm、板厚3mmの平板を20枚成形し
た。この平板を再加熱し、表面を溶融させて積層し、ブ
ロック状の成形体を得た。この成形体を圧縮方向に厚さ
1mmにスライスし、90mm×70mm×1mmの木質調成形体を
得た。この木質調成形体では木質繊維が一方向に配列し
ており、天然木材の微細な凹凸を再現していた。
より作製した直径200〜400 μm の撚糸である木質繊維
を液状エポキシ樹脂の槽の中に浸した後、150mm ×200m
m 、板厚3mmの鋼板の長手方向に巻き付けて一方向に配
列させた。この巻付けは、繊維の厚さが5mmに達するま
で行った。この樹脂が含浸した麻繊維が巻き付けられて
いる鋼板を、繊維部の厚さが3mmに達するまで圧縮し、
120 ℃で2時間、樹脂を硬化させた。硬化した材料を鋼
板から剥がして取り出した。こうして得られた木質調成
形体では麻繊維が一方向に配列しており、天然木材の微
細な凹凸を再現していた。
と、直径10〜100 μm 、繊維長5〜50mmのポリプロピレ
ン樹脂繊維30重量%を収束させ、直径5mmの繊維束を形
成した。この繊維束を240mm の長さに切断し、240mm ×
90mm×3mmの大きさの平板に相当する重量を秤量した。
そして170 ℃に加熱しておいた240mm ×90mm×3mmの平
板型に投入し、170 ℃において50kgf/cm2(4.9MPa) の圧
力で圧縮した。1分後、型ごと取り出し、冷却を十分に
行った後、型から成形体を取り出した。そして木工用カ
ンナで表面仕上げを行った。
び木目をプリントした塩化ビニルフィルムと比較した。
目視で比較すると、本発明の成形体には、図7に示すよ
うに、一方向に配列した微細な凹凸が認められ、木材の
風合いが得られている。一方、塩化ビニルフィルム製品
は、模様は印刷のため木材と類似しているが、凹凸が荒
く、木材成分を含んでいないため、天然木材の風合いが
感じられない。
散させた従来の木質系成形体の表面写真である。この写
真より明らかなように、従来の木質系成形体の表面には
木目が現れておらず、図7に示す本発明の成形体とは明
らかに区別される。
塩化ビニルフィルムについて接触式表面粗さ計(東京精
密社製)により表面粗さを測定した。操作速度0.3mm/se
c 、水平方向200 倍、垂直方向1000倍で測定した結果の
チャートを図8に示す。図8中、8aは天然木材につい
て、8bは塩化ビニルフィルムについて、8cは実施例
2で得られた成形品について、8dは実施例3で得られ
た成形品について、そして8eは実施例4で得られた成
形品についてのチャートである。このチャートより、本
発明の成形体は天然木材に匹敵する表面粗さを有するこ
とがわかる。
然繊維により、天然木材に近い微細な凹凸の木目が得ら
れ、印刷木目よりも木質感に優れた成形体を得ることが
できる。
ロック状成形体の略図である。
断する際の略図である。
合板を積層する際の略図である。
略図である。
ある。
る写真である。
来の木質系成形体の表面状態を示す、図面にかわる写真
である。
ビニルフィルムについて接触式表面粗さ計により測定し
た結果を示すチャートである。
Claims (7)
- 【請求項1】 木質繊維と樹脂を含む複合材料から圧縮
成形によりブロック状の成形体を形成し、得られたブロ
ック状成形体を圧縮方向に切断して、この切断面を表面
とした木質調成形体を得ることを特徴とする木質調成形
体の製造方法。 - 【請求項2】 木質繊維と樹脂を含む複合材料から圧縮
成形により複合板を形成し、この複合板を板厚方向に複
数枚積層し接合させて積層体を形成し、この積層体を積
層方向に切断して、この切断面を表面とした木質調成形
体を得ることを特徴とする木質調成形体の製造方法。 - 【請求項3】 周囲に樹脂が配されるように木質繊維を
その繊維方向をそろえて複数配列し、繊維方向に対して
垂直方向に圧縮成形して、圧縮面を表面とした木質調成
形体を得ることを特徴とする木質調成形体の製造方法。 - 【請求項4】 木質繊維と熱可塑性樹脂繊維をその繊維
方向をそろえて複数配列し、繊維方向に対して垂直方向
に加熱圧縮成形して、圧縮面を表面とした木質調成形体
を得ることを特徴とする木質調成形体の製造方法。 - 【請求項5】 前記樹脂が熱可塑性樹脂である、請求項
1〜3のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項6】 得られた木質調成形体を芯材に接合する
工程をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載
の木質調成形体の製造方法。 - 【請求項7】 木質繊維が一定方向に配向しており、こ
の木質繊維の周囲に樹脂が配されている、請求項1〜6
のいずれか1項に記載の方法により得られる木質調成形
体。
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1999
- 1999-08-19 JP JP23273499A patent/JP3799886B2/ja not_active Expired - Fee Related
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