JP2000131143A - 分光装置及びこの分光装置を備えた測定装置 - Google Patents

分光装置及びこの分光装置を備えた測定装置

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JP2000131143A
JP2000131143A JP10305925A JP30592598A JP2000131143A JP 2000131143 A JP2000131143 A JP 2000131143A JP 10305925 A JP10305925 A JP 10305925A JP 30592598 A JP30592598 A JP 30592598A JP 2000131143 A JP2000131143 A JP 2000131143A
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light
optical shutter
temperature
optical
incident
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JP10305925A
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Inventor
Yoshio Nagai
慶郎 長井
Shigeru Osaki
繁 大崎
Toru Kobayashi
徹 小林
Masao Nakamuro
正雄 中室
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学部品点数を低減して光学系を簡素に構成
する。 【解決手段】 印加電圧に応じて入射光を透過又は遮断
する光シャッタ素子が複数配列されてなる光シャッタア
レイ3と、各光シャッタ素子に電圧を印加して、各光シ
ャッタ素子において入射光を透過又は遮断させる電圧印
加手段5と、複数の波長成分を有する光を発光する光源
13と互いに異なる波長帯の光を透過する複数の帯域通
過フィルタF1 〜FM とを有し、光源13からの光を各
帯域通過フィルタを介して対応する光シャッタ素子に導
く照明手段1と、各光シャッタ素子を透過した透過光を
波長に応じて分散する凹面回折格子6とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光シャッタアレイ
を用いた分光装置及びこの分光装置を備えた測定装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、工業製品の製造プロセスにおいて
オンラインで近赤外分光分析による非破壊計測を行うこ
とへの要望が強い。そこで、従来、短時間で計測を行う
に好適なマルチスリット分光方式を採用するとともに、
更にマルチスリットを電気的に制御可能にした複数の光
シャッタ素子からなる光シャッタアレイを用いる分光装
置が提案されている(米国特許5,631,735
号)。
【0003】上記従来の米国特許5,631,735号
では、光源からの光が、回折格子によって波長毎に分散
され、集光レンズによって光シャッタアレイに集光さ
れ、光シャッタアレイの透過後、再度回折格子によって
分散されたあと、集光レンズによって検出器に集光され
るように構成され、各光シャッタ素子の開閉により任意
の波長の光が透過するようになっている。このように、
光シャッタアレイの両側の対称な位置に集光レンズが配
置され、光シャッタアレイの端部を透過する光の光量を
向上するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記米国特許
5,631,735号に記載の分光装置において、検出
器上で光源の像をぼけないように結像させるためには、
集光レンズの収差特性を良好にする必要があることか
ら、集光レンズを複数のレンズ部品で構成することとな
っていた。また、2個の回折格子を用いていることか
ら、多数の光学部品が必要となり、光学系が複雑になる
とともに、コストが上昇するという問題があった。
【0005】本発明は、上記課題を解決するもので、光
学部品点数を低減して光学系を簡素に構成した分光装置
及びこの分光装置を備えた測定装置を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、印加電圧に応
じて入射光を透過又は遮断する光シャッタ素子が複数配
列されてなる光シャッタアレイと、上記各光シャッタ素
子に電圧を印加して、上記各光シャッタ素子において入
射光を透過又は遮断させる電圧印加手段と、複数の波長
成分を有する光を発光する光源と、互いに異なる波長帯
の光を透過する複数の帯域通過フィルタとを有し、上記
光源からの光を上記各帯域通過フィルタを介して対応す
る上記光シャッタ素子に導く照明手段と、上記各光シャ
ッタ素子を透過した透過光を波長に応じて分散する分散
手段とを備えたことを特徴としている(請求項1)。
【0007】この構成によれば、光源から複数の波長成
分を有する光が発光され、互いに異なる波長帯の光を透
過する複数の帯域通過フィルタを介して対応する光シャ
ッタ素子に導かれ、光シャッタ素子に電圧が印加され、
印加電圧に応じて入射光が透過又は遮断され、光シャッ
タ素子を透過した透過光が波長に応じて分散されること
により、光源から光シャッタ素子までの光学系が簡易に
なり、これによって光学部品による光量の損失が発生す
るのが防止される。
【0008】また、請求項1記載の分光装置において、
上記帯域通過フィルタと上記光シャッタアレイとの間に
介設された偏光子をさらに備え、上記光シャッタアレイ
は、電気光学効果を有する材料で形成されていることを
特徴としている(請求項2)。
【0009】この構成によれば、帯域通過フィルタと光
シャッタアレイとの間に偏光子が介設されることによ
り、直線偏光成分を有する光のみが光シャッタアレイに
入射することとなり、電気光学効果を有する材料で形成
された光シャッタアレイにより確実に光の透過又は遮断
が行われる。このとき、帯域通過フィルタにより偏光子
に入射する光の波長成分が制限されているので、偏光子
の発熱が抑制される。
【0010】また、請求項1又は2記載の分光装置にお
いて、上記光源と上記帯域通過フィルタとの間に上記光
源からの光を集光する集光手段を介設したことを特徴と
している(請求項3)。
【0011】この構成によれば、光源と帯域通過フィル
タとの間に光源からの光を集光する集光手段が介設され
ていることにより、光シャッタアレイに光源からの光が
効率よく入射することとなる。
【0012】また、請求項1〜3のいずれかに記載の分
光装置により構成された分光手段と、入射光の強度に応
じた電気信号を出力する第1、第2の光検出手段と、上
記分散手段に関して上記光シャッタアレイと共役な位置
において上記分散手段により分散された分散光を各波長
毎に受光して上記第1の光検出手段に導く第1の導光手
段と、上記共役な位置において上記各波長と同一波長の
上記分散光を受光して測定試料に導いて照射し、当該測
定試料からの光を上記第2の光検出手段に導く第2の導
光手段と、上記第1、第2の光検出手段から出力された
電気信号を用いて上記測定試料の分光特性を算出する演
算手段とを備えたことを特徴としている(請求項4)。
【0013】この構成によれば、分散手段に関して光シ
ャッタアレイと共役な位置において分散光が各波長毎に
受光されて第1の光検出手段に導かれ、一方、上記共役
な位置において上記各波長と同一波長の分散光が受光さ
れ、測定試料に導かれて照射され、当該測定試料からの
光、例えば透過光又は反射光が第2の光検出手段に導か
れる。そして、第1、第2の光検出手段から出力された
電気信号を用いて測定試料の分光特性、例えば分光透過
特性又は分光反射特性が算出されることにより、簡易な
構成の光学系により測定試料の分光特性が好適に求めら
れることとなる。
【0014】また、請求項4記載の測定装置において、
上記電圧印加手段により所定の変調タイミングで上記各
光シャッタ素子に電圧を印加させる制御手段を備え、上
記演算手段は、上記電圧印加手段による電圧印加タイミ
ングに関する情報を用いて上記分光特性を算出するもの
であることを特徴としている(請求項5)。
【0015】この構成によれば、所定の変調タイミング
で各光シャッタ素子に電圧が印加され、この電圧印加タ
イミングに関する情報を用いて測定試料の分光特性が算
出されることにより、分光特性の算出が好適に行われる
こととなる。
【0016】また、請求項4又は5記載の測定装置にお
いて、上記第1、第2の導光手段は、それぞれ複数の光
ファイバで構成され、上記第1の導光手段を構成する光
ファイバの入射端と上記第2の導光手段を構成する光フ
ァイバの入射端とが、上記共役な位置において、所定の
方向に交互に並んで配設されていることを特徴としてい
る(請求項6)。
【0017】この構成によれば、第1の導光手段を構成
する光ファイバの入射端と第2の導光手段を構成する光
ファイバの入射端とが、上記共役な位置において、所定
の方向に交互に並んで配設されていることにより、第1
の導光手段と第2の導光手段とに、互いに同一波長の分
散光が受光されることとなり、これによって測定試料の
分光特性が好適に求められることとなる。
【0018】また、請求項4〜6のいずれかに記載の測
定装置において、上記第1、第2の光検出手段の温度を
変更する第1、第2の温度変更手段と、上記第1、第2
の光検出手段の温度を検出する第1、第2の温度検出手
段と、上記第1、第2の温度変更手段を駆動する第1、
第2の駆動手段と、上記第1、第2の光検出手段の温度
が所定値に維持されるように上記第1、第2の駆動手段
の動作を制御する第1、第2の温度制御手段とを備え、
上記第1、第2の駆動手段は、上記第1、第2の温度変
更手段を駆動する際の時定数が、それぞれ、第1の時定
数と第1の時定数より長い第2の時定数とで切替可能に
構成され、上記第1、第2の温度制御手段は、所定の切
替条件を満足したときに、上記第1、第2の駆動手段の
時定数を上記第1の時定数から上記第2の時定数に切り
替えるものであることを特徴としている(請求項7)。
【0019】この構成によれば、第1、第2の駆動手段
は、第1、第2の温度変更手段を駆動する際の時定数
が、それぞれ、第1の時定数と第1の時定数より長い第
2の時定数とで切替可能に構成され、所定の切替条件を
満足したとき、例えば第1、第2の光検出手段の温度が
所定値に到達したときや所定時間が経過したときに、第
1、第2の駆動手段の時定数が第1の時定数から第2の
時定数に切り替えられることにより、第1、第2の光検
出手段の温度の所定値への到達が素早く行われるととも
に、切替後は第1、第2の光検出手段の温度変動が低減
される。
【0020】なお、第1、第2の温度制御手段は、一方
の所定条件が満足されたときに、第1、第2の駆動手段
の時定数の切替を同時に行うようにしてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、図1〜図3を用いて、本発
明に係る分光装置を備えた測定装置の一実施形態の全体
構成について説明する。図1は同実施形態を模式的に示
す構成図、図2は光シャッタ素子を示す図、図3は2分
岐ファイバの構成図、図4は各部の位置関係を示す図で
ある。
【0022】この測定装置は、図1に示すように、照明
手段1、偏光子2、光シャッタアレイ3、検光子4、電
圧印加手段5、凹面回折格子(分散手段)6、2分岐フ
ァイバ7、光検出部8及び信号処理部9などを備え、測
定試料Mの分光透過特性を測定するものである。
【0023】照明手段1は、光源ユニット11及びフィ
ルタ12を備え、光源ユニット11は、光源13を備え
ている。光源13は、例えば直線状のフィラメントから
なり、複数の波長成分を有する光を発光する。フィルタ
12は、互いに異なる波長帯の光を透過するM個の帯域
通過フィルタF1 〜FM から構成される。
【0024】偏光子2、検光子4は、ポリビニルアルコ
ールとヨウ素からなる偏光フィルムやCaF2等の基板にア
ルミニウム導体を平行に線引きしたワイヤグリッド偏光
子等が用いられ、入射する光の直線偏光成分のみを透過
するもので、光シャッタアレイ3を挾んで、偏光子2が
入射光側に配置され、検光子4が透過光側に配置される
とともに、透過する光の偏光角度が互いに直角になるよ
うに配置されている。
【0025】光シャッタアレイ3は、例えばPLZT等
の電気光学効果の大きい材料で形成され、図2に示すよ
うに、スリット形状の光シャッタ素子S1 〜SN を備え
ている。電圧印加手段5は、光シャッタアレイ3に電圧
を印加して、各光シャッタ素子S1 〜SN を個別にオン
にして入射光を透過させるもので、電圧を印加しないと
きは入射光が遮断されることとなる。
【0026】凹面回折格子6は、入射光を波長に応じて
回折するもので、図1の長手方向Xにおいて各波長に応
じた位置に回折光を集光するように構成されている。こ
のため、光シャッタ素子S1 〜SN を透過した光は、凹
面回折格子6によって回折された後、2分岐ファイバ7
に入射する。
【0027】2分岐ファイバ7は、複数の光ファイバの
束で構成され、その口金はスリット形状をしており、図
3に示すように、各光ファイバの入射端が一方向に直線
状に並んで配置されている。
【0028】2分岐ファイバ7の光ファイバ(第1の導
光手段)71,…は、入射光を直接光検出部8に導く光
量モニタ用で、光ファイバ(第2の導光手段)72,…
は、入射光を測定試料Mを介して光検出部8に導く測定
用で、光ファイバ71の入射端と光ファイバ72の入射
端とが交互に配置されている。これによって、光量モニ
タ用と測定用とで入射光が同一波長になるようにしてい
る。
【0029】2分岐ファイバ7の入射端は、凹面回折格
子6に関して光シャッタ素子S1 〜SN と共役な位置に
配置されている。これによって、図4に示すように、光
が透過する光シャッタ素子Si (i=1,2,…,N)
のスリットの位置と、凹面回折格子6の位置と、2分岐
ファイバ7の口金70のスリットの位置とによって決ま
る特定の波長λi (i=1,2,…,N)の光を得るこ
とができる。
【0030】図1に戻り、光検出部8は、光量モニタ用
の受光センサ(第1の光検出手段)81と、測定用の受光
センサ(第2の光検出手段)82とを備えている。受光セ
ンサ81,82は、入射光の強度に応じた電気信号を出
力するもので、同一構成になっている。
【0031】そして、光ファイバ71により導かれた光
は、レンズ73aにより集光された後、更に光ファイバ
74aにより導かれ、レンズ73bにより受光センサ8
1の受光面に結像される。
【0032】一方、光ファイバ72により導かれた光
は、レンズ73cにより集光された後、更に光ファイバ
74bにより導かれ、レンズ73dにより平行光にされ
て測定試料Mに照射される。そして、測定試料Mの透過
光は、レンズ73eにより集光され、光ファイバ74c
により導かれ、レンズ73fにより受光センサ82の受
光面に結像される。
【0033】信号処理部9は、増幅器91,92、A/
Dコンバータ93及びCPU94を備えている。増幅器
91,92は、受光センサ81,82から出力される電
気信号を増幅するもので、A/Dコンバータ93は、各
電気信号をアナログ値からディジタル値に変換するもの
である。
【0034】CPU94は、以下の機能を有する。 (1) 電圧印加手段5による各光シャッタ素子S1 〜SN
への電圧印加タイミングを制御する制御手段としての機
能。 (2) 上記電圧印加タイミングに関する情報と、受光セン
サ81,82から出力される電気信号レベルとを用い
て、測定試料Mの分光透過特性を算出する演算手段とし
ての機能。 なお、CPU94が有する他の機能については後述す
る。
【0035】例えば、光シャッタ素子Si をオンにし
て、受光センサ81,82から出力される電気信号の比
を求めることにより、測定試料Mの特定の波長λi にお
ける透過率を求めることができる。また、透過率が既知
の標準試料を予め測定して出力値を校正しておくことに
より、測定試料Mの透過率の絶対値を求めることができ
る。
【0036】次に、図面を参照しながら、(A)項〜
(F)項に分けて、図1に示す各部の構成例、配置例や
動作例について説明する。
【0037】(A)光源ユニット11(図5〜図12参
照) 図5〜図12では、説明の便宜上、光源ユニット11と
光シャッタアレイ3との間に配置されたフィルタ12の
図示を省略している。
【0038】図5の光源ユニット11は、図1の光源1
3に代えて、先端にレンズ14aが設けられた小型ラン
プ14を一列に並べて構成された光源を備えている。こ
のようなレンズ付き小型ランプ14を用いることによ
り、それぞれ一方向を非常に効率よく照明することがで
き、これによって、光シャッタアレイ3の長方形のエリ
アを効率よく照明することができる。
【0039】図6(a)(b)の光源ユニット11は、
図5の光源ユニット11を改良したものである。図6
(a)はレンズ付き小型ランプ14を周辺に行くほど傾
斜させており、図6(b)はレンズ付き小型ランプ14
と光シャッタアレイ3との間にくさび形状の硝材14b
を介設している。これらによって、光シャッタアレイ3
を透過した光を、凹面回折格子6に効率よく入射させる
ことができる。
【0040】図7の光源ユニット11は、図1の光源1
3に加えて、後方に向けて出射された光を反射する凹面
ミラー15と、前方に向けて出射された光を集光するロ
ッドレンズ16とを備えている。図8の光源ユニット1
1は、図7のロッドレンズ16に代えて、レンズアレイ
17を備えている。これらの形態でも、図5の光源ユニ
ット11と同様に、光シャッタアレイ3の長方形のエリ
アを効率よく照明することができる。
【0041】図9の光源ユニット11は、内面が高反射
率で、その側面に長方形の開口部18aを有する円筒1
8の一端から凹面ミラー15を用いて効率よくランプ1
9の光を入射させるようにしたものである。この形態に
よれば、円筒18の内面における複数回の反射の後、側
面の長方形の開口部18aから一様な光が出射されるこ
ととなる。なお、図10に示すように、円筒18bの両
端からランプ19の光を入射させるようにしてもよい。
【0042】図11の光源ユニット11は、ランプ19
からの光を光ファイバの束からなるバンドルファイバ2
0の一端に凹面ミラー15を用いて集光し、バンドルフ
ァイバ20の出口側の形状を長方形にすることによっ
て、光シャッタアレイ3の長方形エリアを照明するよう
にしたものである。
【0043】図12の光源ユニット11は、セラミック
ヒータ21を光源として用いたものである。このよう
に、光源としては、フィラメントランプに限られず、測
定波長領域の波長成分を有する光を発光するものであれ
ばよい。
【0044】(B)フィルタ12(図13、図14参
照) フィルタ12を構成する各帯域通過フィルタF1 〜FM
は、図13に示すような分光透過特性を有する。すなわ
ち、帯域通過フィルタF1 は波長λ1 〜λ2 を透過し、
帯域通過フィルタF2 は波長λ2 〜λ3 を透過し、帯域
通過フィルタFM は波長λN-1 〜λN を透過する。な
お、本実施形態では測定波長範囲をλ1 〜λN とする。
【0045】そして、照明手段1は、光源ユニット11
により所定の照明エリア、すなわちフィルタ12全体を
照明し、光源ユニット11からの光を、図14に示すよ
うに、各帯域通過フィルタF1 〜FM を介して対応する
光シャッタ素子S1 〜SN に導くように構成されてい
る。
【0046】このように、帯域通過フィルタF1 〜FM
を光源ユニット11と光シャッタアレイ3との間に配置
し、光シャッタアレイ3の各光シャッタ素子S1 〜SN
の位置に応じて必要な波長成分の光を透過し、それ以外
の波長成分の光を遮断することにより、高次の回折光が
2分岐ファイバ7に入射しないようにすることができ
る。
【0047】高次の回折光が2分岐ファイバ7に入射し
ないようにするためには、各帯域通過フィルタFj (j
=1,2,…,M)の透過波長領域(λj,min
λj,max)において、下記数1の関係を満たしていれば
よい。
【0048】
【数1】λj,max<2・λj,min また、フィルタ12によって、必要な波長成分以外の光
を透過させないようにすることにより、偏光子2の発熱
を抑制することができる。特に、偏光子2として、フィ
ルムタイプのものを使用する場合には、偏光子2が光源
ユニット11からの光を吸収して発熱しても、偏光子2
の温度が使用温度範囲を越えてしまうことを防止するこ
とができる。この場合、各帯域通過フィルタF1 〜FM
の透過波長範囲(λj,max−λj,min)が小さいほど、偏
光子2の発熱を抑えることができる。
【0049】(C)光シャッタアレイ3(図15〜図1
8参照) 図15は光シャッタアレイ3の部分斜視図である。光シ
ャッタアレイ3は、薄板形状で、その入射光側には横長
で直方体形状の凸部31がN個並設されている。各凸部
31間に形成される凹部には、共通電極32及び個別電
極33(図中、ハッチング部分)が交互に櫛の歯状に蒸
着等によって形成配設されている。
【0050】共通電極32は、配線ケーブル32aを介
して接地され、個別電極33は、それぞれ配線ケーブル
33aを介して電圧印加手段5に接続されており、両電
極で挾まれた凸部31によって、上記図2に示す光シャ
ッタ素子S1 〜SN が形成される。そして、電圧印加手
段5により、共通電極32と個別電極33との間に電圧
が印加されると、挾まれた位置の光シャッタ素子S1
N (図2)がオンにされて入射光を透過し、電圧が印加
されないときは光シャッタ素子S1 〜SN (図2)はオフ
にされて入射光を遮断する。
【0051】図16は異なる構成の光シャッタアレイ3
を示す斜視図である。この光シャッタアレイ3は、凸部
31を2列に並べ、かつ各列が半ピッチずれるように形
成し、プリント配線基板34の孔に嵌め込まれている。
この光シャッタアレイ3によって、図17に示すように
光シャッタ素子S1 〜SN が形成される。従って、凸部
31を形成する際のピッチ縮小化の限界から更にピッチ
を1/2にすることができることから、分光スペクトル
の分解能を2倍にすることができる。
【0052】図18は図16の光シャッタアレイ3の周
辺のモジュール構成例を示す図で、(a)は正面図、
(b)は(a)のB矢視図、(c)は(a)のC−C線
断面図、(d)は(a)のD−D線断面図である。PL
ZTの特性は温度に依存して変化するので、測定精度向
上のためには環境温度が変化してもPLZTの温度を一
定に維持する必要がある。そこで、図18のモジュール
は、光シャッタアレイ3の温度を制御する手段を備えて
いる。
【0053】図18において、金属ブロック35は、光
シャッタアレイ3の光を透過しない非シャッタ部分に接
着され、光シャッタアレイ3の温度の安定化を図るもの
である。更に、金属ブロック35に接着されたヒータ又
はペルチエ素子からなる加熱手段36と、温度制御回路
37と、図18(d)に示すように金属ブロック35に
埋め込まれた温度センサ38とを備えている。
【0054】そして、温度制御回路37は、加熱手段3
6に電流を供給する電流供給手段を備え、温度センサ3
8によって検出される光シャッタアレイ3の温度が一定
になるように加熱手段36に供給する電流を制御するも
のである。
【0055】また、図18のモジュールは、測定波長範
囲の光を透過する光学材料からなる封止部材39によっ
て光シャッタアレイ3の表面を封止している。これによ
って、電圧印加手段5(図1)による光シャッタアレイ
3への印加電圧が百数十Vと非常に高いため、結露等に
よる短絡を防止することができる。
【0056】なお、CPU94が、温度センサ38によ
って検出される光シャッタアレイ3の温度を判定する機
能と、この温度が一定になるように加熱手段36に供給
する電流を制御する機能とを有するようにしてもよい。
【0057】(D)凹面回折格子6(図19〜図21参
照) 図19〜図21は凹面回折格子6の配置例を示す図であ
る。図19に示すように、光シャッタアレイ3の中心に
おける法線と、凹面回折格子6の中心軸とを一致させて
配置すると、光シャッタアレイ3上の点Q1を透過した
光による凹面回折格子6からの0次光(正反射光)は、
光シャッタアレイ3上の点Q2に集光され、光シャッタ
アレイ3の表面で反射された後、再び凹面回折格子6に
入射し、その回折光が2分岐ファイバ7に入射すると、
迷光が発生してしまう。
【0058】そこで、そのような迷光の発生を防止する
ために、図20に示すように、凹面回折格子6を角度θ
だけ水平方向に傾斜して配置すればよい。
【0059】すなわち、図20では、光シャッタアレイ
3の点Q1を透過した光による凹面回折格子6からの0
次光は、光シャッタアレイ3外の点Q3に集光するよう
に構成されている。この場合には、光シャッタアレイ3
の周囲の部材に反射率が低下するような処理を施すこと
により、点Q3に集光した光が再び凹面回折格子6に戻
って、2分岐ファイバ7に入射する迷光を非常に少なく
することができる。
【0060】また、図21に示すように、凹面回折格子
6の中心を通る法線が、光シャッタアレイ3の中心を通
る法線に対して光シャッタ素子の長手方向に寸法dだけ
ずれるように配置しても、同様に、2分岐ファイバ7に
入射する迷光を非常に少なくすることができる。
【0061】(E)光検出部8(図22、図23参照) 図22は受光センサ81,82の構成図である。一般
に、受光センサの温度が変化すると、その分光感度が変
化してしまう。そこで、本測定装置のように、受光セン
サ81,82から出力される電気信号の比を用いて測定
試料Mの透過率を求める場合には、各受光センサ81,
82の温度を一定にするとともに、温度変動が極力小さ
くなるように制御する必要がある。
【0062】受光センサ81(82)として、図22に
示すように、受光部L1(L2)とともに、ペルチエ素
子P1(P2)及び温度センサT1(T2)がセンサモ
ジュールに内蔵されたものが知られており、温度センサ
T1(T2)の検出温度が設定温度になるようにペルチ
エ素子P1(P2)に供給する電流を制御することによ
って、受光センサ81(82)の温度を一定に維持する
ことができる。
【0063】図23は受光センサ81,82の温度制御
回路を示す回路図である。抵抗Raは、温度センサT
1,T2の検出温度が設定温度Taのときの抵抗値に等
しい抵抗値のものが採用され、差動増幅器A1(A2)
は、温度センサT1(T2)の抵抗値と抵抗Raの抵抗
値との差を増幅するもので、ドライバD1(D2)は、
差動増幅器A1(A2)の出力値に応じた電流をペルチ
エ素子P1(P2)に供給するものである。
【0064】マルチプレクサM1(M2)は、抵抗R1
1,R12(R21,R22)を切り替えることにより
回路の時定数を切り替えるものである。ここで、抵抗R
11,R12,R21,R22は、抵抗値が、それぞれ
1 ,R2 ,R1 ,R2 のものが採用され、R1 ≪R2
に設定されており、コンデンサCの容量はCとする。従
って、マルチプレクサM1(M2)により、抵抗R11
(R21)を接続すると、回路の時定数が(C・R1)に
なり、抵抗R12(R22)を接続すると、回路の時定
数が(C・R2)になる。このとき、(C・R1 )≪(C・
2 )である。
【0065】抵抗Rbは、温度センサT1,T2の検出
温度が設定温度Taより多少高い温度Tbのときの抵抗
値に等しい抵抗値のものが採用されている。コンパレー
タCP1,CP2は、温度センサT1,T2の検出温度
が温度Tbに達しているか否かを検出し、検出温度が温
度Tbに達するまでは抵抗R11,R21を接続させて
おき、検出温度が温度Tbに達すると、マルチプレクサ
M1,M2のスイッチを切り替えて、抵抗R12,R2
2を接続させる。
【0066】この構成により、装置の電源投入時には受
光センサ81,82の温度を設定温度に早く到達させる
ことができ、設定温度に到達後には受光センサ81,8
2の温度変動を極力抑制することができる。
【0067】なお、ペルチエ素子P1,P2は、加熱又
は冷却のいずれでも、受光センサ81,82の温度が変
更できればよい。また、ペルチエ素子P1,P2に代え
てヒータを用いてもよい。また、図23の回路では、マ
ルチプレクサM1,M2を同時に制御するようにしてい
るが、それぞれ個別に制御するようにしてもよい。ま
た、コンパレータCP1,CP2に代えて、CPU94
が、マルチプレクサM1(M2)を制御して、装置の電
源投入時には抵抗R11(R21)を接続し、所定の切
替条件を満足したとき、例えば電源投入から所定時間が
経過したときに、抵抗R12(R22)を接続するよう
に切り替える機能を有するようにしてもよい。上記所定
時間は、受光センサ81,82が設定温度に到達するの
に要する時間程度に設定しておけばよい。なお、上記所
定の切替条件は、所定時間の経過に限られない。例え
ば、温度センサT1,T2からの出力信号をCPU94
に入力し、CPU94は、温度を判定するとともに、設
定温度に到達したときに切替条件を満足したとして、マ
ルチプレクサM1,M2の切替制御を行うようにしても
よい。
【0068】(F)信号処理部9(図24〜図27参
照) 図24はシーケンシャルスキャン法における光シャッタ
アレイ3の駆動を示すタイミングチャートである。図2
4の動作は、光シャッタ素子を1つずつ順番にオンにす
るもので、光シャッタ素子Si (i=1,2,…,N)
をオンにすると、その光シャッタ素子Siの位置に応じ
て、単色光λi (i=1,2,…,N)が得られる。そ
れぞれの波長λi の光について、受光センサ81,82
から出力される電気信号の比を求めることにより、測定
試料Mの各波長λi (i=1,2,…,N)に対する透
過率を求めることができる。
【0069】図25はフーリエ変換分光法における光シ
ャッタアレイ3の駆動を示すタイミングチャートであ
る。図25の動作は、光シャッタアレイ3を同時に、か
つ各光シャッタ素子i (i=1,2,…,N)毎に異な
る周波数fi (i=1,2,…,N)でオンオフさせる
ものである。これによって、2分岐ファイバ7には、各
波長λi (i=1,2,…,N)毎に異なる周波数fi
(i=1,2,…,N)で変調された信号がマルチプレ
クスされて入射することになる。そして、図1に示すよ
うに、光量モニタ用の光ファイバ71に入射した光はそ
のまま受光センサ81に入射し、測定用の光ファイバ7
2に入射した光は、測定試料Mの分光透過率による振幅
変調を受けた後、受光センサ82に入射する。受光セン
サ81,82から出力された電気信号は、それぞれ同時
に増幅され、A/D変換された後、CPU94に取り込
まれる。
【0070】そして、CPU94により高速フーリエ変
換演算をすることによって、図26に示すように、信号
の各周波数成分の振幅が求められる。
【0071】各光シャッタ素子Si (i=1,2,…,
N)の駆動周波数fi (i=1,2,…,N)が既知で
あるので、信号の各周波数fi の振幅が各波長λi (i
=1,2,…,N)の光強度に対応することとなる。
【0072】この方法によれば、シーケンシャルスキャ
ン法に比べて各波長毎の測定時間が長くなる分だけS/
Nの向上を図ることができる。
【0073】なお、特定の波長の透過率を求める場合に
は、それらの波長に対応する光シャッタ素子のみをオン
オフすればよい。
【0074】図27はアダマール変換分光法における光
シャッタアレイ3の駆動を示すタイミングチャートであ
る。図27の動作は、光シャッタアレイ3の各光シャッ
タ素子Si (i=1,2,…,N)を一定周期毎に時系
列的に開閉(オンオフ)させるもので、各光シャッタ素
子Si の開閉パターンは、アダマール行列[wij]の各行
の成分の1及び0の値に応じて、1のときは光シャッタ
素子Si を開き(オンにし)、0のときは光シャッタ素
子Si を閉じる(オフにする)ように設定する。
【0075】ここで、光シャッタ素子Si (i=1,
2,…,N)が開いたときに受光センサ81,82に入
射する光量をei (i=1,2,…,N)とすると、各
周期j(j=1,2,…,K)において受光センサ8
1,82に入射する光量xj(j=1,2,…,K)
は、その周期において開いている光シャッタ素子Si
(i=1,2,…,N)からの光量の和となる。従っ
て、列ベクトル{ei }と列ベクトル{xj }との関係は、
下記数2のようになる。
【0076】
【数2】{xj }={ei }・[wij] 但し、{xj }=[x1,x2,…,xK]、{ei }=
[e1,e2,…,eN]、wij=1or0(i=1,2,
…,N) (j=1,2,…,K) である。
【0077】K≧Nの場合には、各光シャッタ素子Si
(i=1,2,…,N)を透過して受光センサ81,8
2に入射する光量ei (i=1,2,…,N)は、受光
センサ81,82から出力される時系列データxj (j
=1,2,…,K)を用いて下記数3に従って算出され
る。
【0078】
【数3】{ei }={xj }・[wji]([wij]・[wji])-1 各光シャッタ素子Si (i=1,2,…,N)を透過し
て受光センサ81,82に入射する光の波長はλi (i
=1,2,…,N)であり、受光センサ81,82から
出力される電気信号により求めた各波長λi の光量ei
(i=1,2,…,N)の比をそれぞれ求めることによ
り、測定試料Mの分光透過率を求めることができる。
【0079】このアダマール変換分光法も、フーリエ変
換分光法と同様に、各波長毎の測定時間が長くなる分だ
けS/Nの向上を図ることができる。また、特定の波長
の透過率を求める場合には、それらの波長に対応する光
シャッタ素子Si のみを開閉すればよい。
【0080】このように、本実施形態によれば、複数の
波長成分を有する光を発光する光源ユニット11と、互
いに異なる波長帯の光を透過する複数の帯域通過フィル
タF1 〜FM を有するフィルタ12を介して対応する光
シャッタ素子Si に導くようにしたので、光源ユニット
11から光シャッタアレイ3までの光学系を簡易にする
ことができ、これによって光学部品による光量の損失が
発生するのを防止することができる。
【0081】また、光源ユニット11として発光波長範
囲の広い光源を用いているので、測定波長範囲を広くす
ることができる。また、入射光の波長成分の透過又は遮
断を電気的に行う光シャッタアレイ3を用いることによ
り、可動部がなく、耐振動性や信頼性を向上できる。
【0082】なお、本発明は、上記実施形態に限られ
ず、以下の変形形態を採用することができる。 (1)図1に一点鎖線で示すように、光源ユニット11
と光シャッタアレイ3との間に拡散板41を配置するよ
うにしてもよい。この形態によれば、光源ユニット11
からの光を一様にすることができ、照度むらの発生を抑
制することができる。
【0083】(2)図28に示すように、光シャッタア
レイ3と凹面回折格子6との間に集光レンズ42を配置
するようにしてもよい。この形態によれば、光シャッタ
アレイ3の端部を透過した光の2分岐ファイバ7への入
射光量を増大することができる。
【0084】(3)図29に示すように、2分岐ファイ
バ7に代えて、複数チャネルを有する多分岐ファイバ5
0を備え、L個の測定試料M1 〜ML を同時に測定でき
るようにしてもよい。
【0085】多分岐ファイバ50は、2分岐ファイバ7
における光ファイバが複数列並んで各列がそれぞれチャ
ネルを形成している。すなわち、多分岐ファイバ50の
口金は、図30に示すように、各チャネル毎にスリット
形状をしており、各チャネル毎に光ファイバの入射端が
一方向に直線状に並んで配置されている。
【0086】そして、CPU94は、マルチプレクサ9
5を制御して、チャネル毎に順に光検出部8からの電気
信号を取り込むようにすればよい。
【0087】なお、図30の形状の多分岐ファイバ50
を用いて複数チャネルの測定を行う場合には、同一の光
シャッタ素子Si がオンしても、光が入射する光ファイ
バの位置が各チャネル毎に異なるので、各チャネル毎に
入射波長を予め調べて波長校正を行う必要がある。
【0088】(4)図31は複数の発光ダイオード22
を長手方向に並べて構成した照明手段1を示す図であ
る。この形態によれば、各発光ダイオード22の発光波
長帯が狭いので、光シャッタアレイ3の位置に応じて必
要な波長成分の光を発光する発光ダイオードを配置する
ことによって、光源ユニット11及びフィルタ12の役
割を兼用させることができる。
【0089】(5)図1、図28、図29では、それぞ
れ測定試料の透過光を光検出部8に導くように構成して
いるが、測定試料の反射光を光検出部8に導くように構
成することにより、測定試料の反射率を測定することが
できる。
【0090】(6)上記実施形態では、PLZTで形成
した光シャッタアレイ3を用いているが、これに限られ
ず、他の電気光学効果を有する材料や、液晶等で形成し
たものを用いてもよい。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、光源から複数の波長成分を有する光を発光し、
互いに異なる波長帯の光を透過する複数の帯域通過フィ
ルタを介して対応する光シャッタ素子に導くようにした
ので、光源から光シャッタ素子までの光学系を簡易な構
成することができ、これによって、光学部品による光量
の損失が発生するのを防止することができる。
【0092】また、請求項2の発明によれば、帯域通過
フィルタと光シャッタアレイとの間に偏光子を介設する
ことにより、電気光学効果を有する材料で形成された光
シャッタアレイにより確実に光の透過又は遮断を行うこ
とができるとともに、帯域通過フィルタにより偏光子に
入射する光の波長成分を制限することができ、これによ
って、偏光子の発熱を抑制することができる。
【0093】また、請求項3の発明によれば、光源と帯
域通過フィルタとの間に光源からの光を集光する集光手
段を介設することにより、光シャッタアレイに光源から
の光が効率よく入射することができる。
【0094】また、請求項4の発明によれば、分散手段
に関して光シャッタアレイと共役な位置において分散光
を各波長毎に受光して第1の光検出手段に導き、一方、
上記共役な位置において上記各波長と同一波長の分散光
を受光し、測定試料に導いて照射し、当該測定試料から
の光を第2の光検出手段に導いて、第1、第2の光検出
手段から出力された電気信号を用いて測定試料の分光特
性を算出することにより、簡易な構成の光学系により測
定試料の分光特性を好適に求めることができる。
【0095】また、請求項5の発明によれば、所定の変
調タイミングで各光シャッタ素子に電圧を印加し、この
電圧印加タイミングに関する情報を用いて測定試料の分
光特性を算出することにより、分光特性の算出を好適に
行うことができる。
【0096】また、請求項6の発明によれば、第1の導
光手段を構成する光ファイバの入射端と第2の導光手段
を構成する光ファイバの入射端とを、上記共役な位置に
おいて、所定の方向に交互に並んで配設することによ
り、第1の導光手段と第2の導光手段とに、互いに同一
波長の分散光を受光させることができ、これによって測
定試料の分光特性を好適に求めることができる。
【0097】また、請求項7の発明によれば、第1、第
2の駆動手段を、第1、第2の温度変更手段を駆動する
際の時定数が、それぞれ、第1の時定数と第1の時定数
より長い第2の時定数とで切替可能に構成し、所定の切
替条件を満足したときに、第1、第2の駆動手段の時定
数を第1の時定数から第2の時定数に切り替えることに
より、第1、第2の光検出手段の温度の所定値への到達
を素早く行うことができるとともに、切替後は第1、第
2の光検出手段の温度変動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分光装置を備えた測定装置の一実
施形態を模式的に示す構成図である。
【図2】光シャッタ素子を示す図である。
【図3】2分岐ファイバの構成図である。
【図4】各部の位置関係を示す図である。
【図5】光源ユニットの構成例を示す図である。
【図6】(a)(b)は光源ユニットの構成例を示す図
である。
【図7】光源ユニットの構成例を示す図である。
【図8】光源ユニットの構成例を示す図である。
【図9】光源ユニットの構成例を示す図である。
【図10】光源ユニットの構成例を示す図である。
【図11】光源ユニットの構成例を示す図である。
【図12】光源ユニットの構成例を示す図である。
【図13】フィルタを構成する各帯域通過フィルタの分
光透過特性を示す図である。
【図14】照明手段の光源ユニットによる照明状態を示
す図である。
【図15】光シャッタアレイの部分斜視図である。
【図16】異なる構成の光シャッタアレイを示す斜視図
である。
【図17】図16の光シャッタアレイに形成される光シ
ャッタ素子を示す図である。
【図18】図16の光シャッタアレイの周辺のモジュー
ル構成例を示す図で、(a)は正面図、(b)は温度制
御回路を模式的に示す平面図、(c)は(a)のC−C
線断面図、(d)は(a)のD−D線断面図である。
【図19】凹面回折格子の配置例を示す図である。
【図20】凹面回折格子の配置例を示す図である。
【図21】凹面回折格子の配置例を示す図である。
【図22】受光センサの構成図である。
【図23】受光センサの温度制御回路を示す回路図であ
る。
【図24】シーケンシャルスキャン法における光シャッ
タアレイの駆動を示すタイミングチャートである。
【図25】フーリエ変換分光法における光シャッタアレ
イの駆動を示すタイミングチャートである。
【図26】信号の各周波数成分の振幅の一例を示す図で
ある。
【図27】アダマール変換分光法における光シャッタア
レイの駆動を示すタイミングチャートである。
【図28】分光装置を備えた測定装置の変形形態を模式
的に示す構成図である。
【図29】分光装置を備えた測定装置の変形形態を模式
的に示す構成図である。
【図30】多分岐ファイバの構成図である。
【図31】複数の発光ダイオードを長手方向に並べて構
成した照明手段を示す図である。
【符号の説明】
1 照明手段 11 光源ユニット 12 フィルタ 13 光源 3 光シャッタアレイ 5 電圧印加手段 6 凹面回折格子(分散手段) 7 2分岐ファイバ 71 光ファイバ(第1の導光手段) 72 光ファイバ(第2の導光手段) 8 光検出部 81 受光センサ(第1の光検出手段) 82 受光センサ(第2の光検出手段) 9 信号処理部 94 CPU(演算手段、制御手段、第1の温度制御手
段、第2の温度制御手段) D1 ドライバ(第1の駆動手段) D2 ドライバ(第2の駆動手段) F1 〜FM 帯域通過フィルタ P1 ペルチエ素子(第1の温度変更手段) P2 ペルチエ素子(第1の温度変更手段) S1 〜SN 光シャッタ素子 T1 温度センサ(第1の温度検出手段) T2 温度センサ(第2の温度検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 徹 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 中室 正雄 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2G020 AA03 BA02 BA17 CB21 CB27 CB42 CC05 CC26 CC27 CC29 CC42 CC48 CC51 CD12 CD22 CD31 CD32 CD34 CD35 CD41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印加電圧に応じて入射光を透過又は遮断
    する光シャッタ素子が複数配列されてなる光シャッタア
    レイと、 上記各光シャッタ素子に電圧を印加して、上記各光シャ
    ッタ素子において入射光を透過又は遮断させる電圧印加
    手段と、 複数の波長成分を有する光を発光する光源と、互いに異
    なる波長帯の光を透過する複数の帯域通過フィルタとを
    有し、上記光源からの光を上記各帯域通過フィルタを介
    して対応する上記光シャッタ素子に導く照明手段と、 上記各光シャッタ素子を透過した透過光を波長に応じて
    分散する分散手段とを備えたことを特徴とする分光装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の分光装置において、上記
    帯域通過フィルタと上記光シャッタアレイとの間に介設
    された偏光子をさらに備え、上記光シャッタアレイは、
    電気光学効果を有する材料で形成されていることを特徴
    とする分光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の分光装置におい
    て、上記光源と上記帯域通過フィルタとの間に上記光源
    からの光を集光する集光手段を介設したことを特徴とす
    る分光装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の分光装
    置により構成された分光手段と、 入射光の強度に応じた電気信号を出力する第1、第2の
    光検出手段と、 上記分散手段に関して上記光シャッタアレイと共役な位
    置において上記分散手段により分散された分散光を各波
    長毎に受光して上記第1の光検出手段に導く第1の導光
    手段と、 上記共役な位置において上記各波長と同一波長の上記分
    散光を受光して測定試料に導いて照射し、当該測定試料
    からの光を上記第2の光検出手段に導く第2の導光手段
    と、 上記第1、第2の光検出手段から出力された電気信号を
    用いて上記測定試料の分光特性を算出する演算手段とを
    備えたことを特徴とする測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の測定装置において、上記
    電圧印加手段により所定の変調タイミングで上記各光シ
    ャッタ素子に電圧を印加させる制御手段を備え、 上記演算手段は、上記電圧印加手段による電圧印加タイ
    ミングに関する情報を用いて上記分光特性を算出するも
    のであることを特徴とする測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の測定装置におい
    て、 上記第1、第2の導光手段は、それぞれ複数の光ファイ
    バで構成され、 上記第1の導光手段を構成する光ファイバの入射端と上
    記第2の導光手段を構成する光ファイバの入射端とが、
    上記共役な位置において、所定の方向に交互に並んで配
    設されていることを特徴とする測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載の測定装
    置において、 上記第1、第2の光検出手段の温度を変更する第1、第
    2の温度変更手段と、 上記第1、第2の光検出手段の温度を検出する第1、第
    2の温度検出手段と、 上記第1、第2の温度変更手段を駆動する第1、第2の
    駆動手段と、 上記第1、第2の光検出手段の温度が所定値に維持され
    るように上記第1、第2の駆動手段の動作を制御する第
    1、第2の温度制御手段とを備え、 上記第1、第2の駆動手段は、上記第1、第2の温度変
    更手段を駆動する際の時定数が、それぞれ、第1の時定
    数と第1の時定数より長い第2の時定数とで切替可能に
    構成され、 上記第1、第2の温度制御手段は、所定の切替条件を満
    足したときに、上記第1、第2の駆動手段の時定数を上
    記第1の時定数から上記第2の時定数に切り替えるもの
    であることを特徴とする測定装置。
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