JP2000131045A - 走査型荷電粒子ビーム装置 - Google Patents
走査型荷電粒子ビーム装置Info
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- JP2000131045A JP2000131045A JP10303710A JP30371098A JP2000131045A JP 2000131045 A JP2000131045 A JP 2000131045A JP 10303710 A JP10303710 A JP 10303710A JP 30371098 A JP30371098 A JP 30371098A JP 2000131045 A JP2000131045 A JP 2000131045A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 正確な測長を行うことができると共に、高画
質の像を表示することができる走査型荷電粒子ビーム装
置を実現する。 【解決手段】 試料3からの2次電子を検出する第1の
検出器4の出力信号は、第1の増幅器6に供給されて増
幅され、第2の検出器5の出力信号は、第2の増幅器7
に供給されて増幅される。第1と第2の増幅器6,7の
出力信号は、加算器8に供給されて加算される。加算器
8において加算され、正規化された信号は画像積算器9
に供給されて各画素ごとの信号は積算される。画像積算
器9において積算された信号は、陰極線管10に供給さ
れ。試料3の走査2次電子像が得られる。また、画像積
算器9において積算された信号は、測長ユニット11に
供給され、特定パターンの測長が行われる。画像積算器
9から読み出された信号は、ゲイン調節器12に供給さ
れる。ゲイン調節器12の出力は、第1と第2の増幅器
6,7に供給され、それらの増幅器のゲインの調節を行
う。
質の像を表示することができる走査型荷電粒子ビーム装
置を実現する。 【解決手段】 試料3からの2次電子を検出する第1の
検出器4の出力信号は、第1の増幅器6に供給されて増
幅され、第2の検出器5の出力信号は、第2の増幅器7
に供給されて増幅される。第1と第2の増幅器6,7の
出力信号は、加算器8に供給されて加算される。加算器
8において加算され、正規化された信号は画像積算器9
に供給されて各画素ごとの信号は積算される。画像積算
器9において積算された信号は、陰極線管10に供給さ
れ。試料3の走査2次電子像が得られる。また、画像積
算器9において積算された信号は、測長ユニット11に
供給され、特定パターンの測長が行われる。画像積算器
9から読み出された信号は、ゲイン調節器12に供給さ
れる。ゲイン調節器12の出力は、第1と第2の増幅器
6,7に供給され、それらの増幅器のゲインの調節を行
う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査電子顕微鏡な
どの走査型荷電粒子ビーム装置に関し、特に、正確な測
長を行うことができる走査型荷電粒子ビーム装置に関す
る。
どの走査型荷電粒子ビーム装置に関し、特に、正確な測
長を行うことができる走査型荷電粒子ビーム装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】走査電子顕微鏡では、電子銃から発生し
加速された電子ビームをコンデンサレンズと対物レンズ
によって集束し、試料上に照射すると共に、試料上で電
子ビームを2次元的に走査し、試料から発生した2次電
子や反射電子を検出し、検出信号を陰極線管に供給して
試料の走査像を得るようにしている。
加速された電子ビームをコンデンサレンズと対物レンズ
によって集束し、試料上に照射すると共に、試料上で電
子ビームを2次元的に走査し、試料から発生した2次電
子や反射電子を検出し、検出信号を陰極線管に供給して
試料の走査像を得るようにしている。
【0003】このような走査電子顕微鏡をマイクロメー
タオーダーの微小パターンの測長に用いることが行われ
ている。すなわち、電子ビームを同一方向(X方向また
はY方向)に走査した場合、この走査に伴う2次電子の
検出波形は、微小パターンの形状を反映しており、走査
検出波形から微小パターンの測長ができることになる。
タオーダーの微小パターンの測長に用いることが行われ
ている。すなわち、電子ビームを同一方向(X方向また
はY方向)に走査した場合、この走査に伴う2次電子の
検出波形は、微小パターンの形状を反映しており、走査
検出波形から微小パターンの測長ができることになる。
【0004】図1はこのような走査電子顕微鏡の要部の
一例を示しており、図示していない電子銃から発生し加
速された一次電子ビームEBは、インナーチューブ1を
通過して対物レンズ2によって試料3上に細く集束させ
られる。この試料3に照射される一次電子ビームEB
は、図示していない走査コイルにより、2次元的に走査
される。
一例を示しており、図示していない電子銃から発生し加
速された一次電子ビームEBは、インナーチューブ1を
通過して対物レンズ2によって試料3上に細く集束させ
られる。この試料3に照射される一次電子ビームEB
は、図示していない走査コイルにより、2次元的に走査
される。
【0005】試料3への一次電子ビームEBの照射によ
って試料3からは2次電子eが発生するが、この2次電
子eの検出効率を高めるため、複数の2次電子検出器が
設けられている。すなわち、インナーチューブ1の内部
に、上方に向かう2次電子を捕獲するための第1の検出
器(上方検出器)4が設けられ、対物レンズ2の横方向
に、対物レンズの外側に向かう2次電子を捕獲するため
の第2の検出器(下方検出器)5が設けられている。
って試料3からは2次電子eが発生するが、この2次電
子eの検出効率を高めるため、複数の2次電子検出器が
設けられている。すなわち、インナーチューブ1の内部
に、上方に向かう2次電子を捕獲するための第1の検出
器(上方検出器)4が設けられ、対物レンズ2の横方向
に、対物レンズの外側に向かう2次電子を捕獲するため
の第2の検出器(下方検出器)5が設けられている。
【0006】第1と第2の検出器4,5は、それぞれ入
射した2次電子の量に応じた強度の電気信号を発生す
る。なお、検出器としてシンチレータとフォトマルチプ
ライヤを用いた場合には、2次電子は最初に光信号に変
換され、その後光の強度に応じた電気信号に変換され
る。
射した2次電子の量に応じた強度の電気信号を発生す
る。なお、検出器としてシンチレータとフォトマルチプ
ライヤを用いた場合には、2次電子は最初に光信号に変
換され、その後光の強度に応じた電気信号に変換され
る。
【0007】第1の検出器4の出力信号は、第1の増幅
器6に供給されて増幅され、第2の検出器5の出力信号
は、第2の増幅器7に供給されて増幅される。第1と第
2の増幅器6,7の出力信号は、加算器8に供給されて
加算される。
器6に供給されて増幅され、第2の検出器5の出力信号
は、第2の増幅器7に供給されて増幅される。第1と第
2の増幅器6,7の出力信号は、加算器8に供給されて
加算される。
【0008】加算器8において加算され、正規化された
信号は画像積算器9に供給されて各画素ごとの信号は積
算される。すなわち、試料上の所定領域のX,Y2次元
走査は複数回行われ、各走査に基づいて得られた2次電
子検出信号は、画像積算器9においてフレーム積算さ
れ、SN比が向上させられる。
信号は画像積算器9に供給されて各画素ごとの信号は積
算される。すなわち、試料上の所定領域のX,Y2次元
走査は複数回行われ、各走査に基づいて得られた2次電
子検出信号は、画像積算器9においてフレーム積算さ
れ、SN比が向上させられる。
【0009】画像積算器9において積算された信号は、
陰極線管10に供給されることから、陰極線管10には
試料3の走査2次電子像が得られる。また、画像積算器
9において積算された信号は、測長ユニット11に供給
され、測長ユニット11において走査領域に含まれる特
定パターンの測長が行われる。
陰極線管10に供給されることから、陰極線管10には
試料3の走査2次電子像が得られる。また、画像積算器
9において積算された信号は、測長ユニット11に供給
され、測長ユニット11において走査領域に含まれる特
定パターンの測長が行われる。
【0010】図2(a)は一次電子ビームの走査領域に
含まれる試料3上に形成された凸状のパターンPを示し
ている。このパターンPは台形であり、左右が対称形状
となっている。このパターンP上を集束された一次電子
ビームEBで走査すると、2次電子eが発生する。この
2次電子eは、パターンPの形状を反映して発生量が場
所的に異なり、図2(b)に示すような2次電子信号に
よる走査波形W1が得られる。このような走査波形Wの
幅から、微小パターンPの測長(幅d1)が行われる。
含まれる試料3上に形成された凸状のパターンPを示し
ている。このパターンPは台形であり、左右が対称形状
となっている。このパターンP上を集束された一次電子
ビームEBで走査すると、2次電子eが発生する。この
2次電子eは、パターンPの形状を反映して発生量が場
所的に異なり、図2(b)に示すような2次電子信号に
よる走査波形W1が得られる。このような走査波形Wの
幅から、微小パターンPの測長(幅d1)が行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図1に示したような、
2次電子の検出効率を向上させるために2次電子検出器
を複数設けた場合、加算器8で加算された信号の波形
は、図2(a)で示したような対称形状のパターンPを
走査しても、複数の検出器の検出効率の違いから、対称
な形とはならない。
2次電子の検出効率を向上させるために2次電子検出器
を複数設けた場合、加算器8で加算された信号の波形
は、図2(a)で示したような対称形状のパターンPを
走査しても、複数の検出器の検出効率の違いから、対称
な形とはならない。
【0012】この図2(b)に示したような対称性のな
い走査波形W1を用いて測長した値は、試料、パターン
形状、観察条件によって値がばらつき、再現性がなくな
るという問題がある。また、測長における問題以外に
も、対称性のない検出波形を有した信号に基づいて陰極
線管10に表示される像は、輝度むらが生じるなど画質
が劣化する問題もある。
い走査波形W1を用いて測長した値は、試料、パターン
形状、観察条件によって値がばらつき、再現性がなくな
るという問題がある。また、測長における問題以外に
も、対称性のない検出波形を有した信号に基づいて陰極
線管10に表示される像は、輝度むらが生じるなど画質
が劣化する問題もある。
【0013】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、その目的は、正確な測長を行うことができると
共に、高画質の像を表示することができる走査型荷電粒
子ビーム装置を実現するにある。
もので、その目的は、正確な測長を行うことができると
共に、高画質の像を表示することができる走査型荷電粒
子ビーム装置を実現するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明に基づく走査
型荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビーム源と、荷電粒
子ビーム源からの荷電粒子ビームを試料上に細く集束す
るためのレンズと、試料上で荷電粒子ビームを2次元的
に走査するための走査手段と、試料への荷電粒子ビーム
の照射によって発生した信号を検出する第1と第2の検
出器と、第1の検出器の検出信号を増幅する第1の増幅
器と、第2の検出器の検出信号を増幅する第2の増幅器
と、第1の増幅器と第2の増幅器の出力信号を加算する
加算器と、加算器による加算信号に基づいて、第1の増
幅器と第2の増幅器のいずれかあるいはその両方のゲイ
ンを調節するゲイン調節器とを備えたことを特徴として
いる。
型荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビーム源と、荷電粒
子ビーム源からの荷電粒子ビームを試料上に細く集束す
るためのレンズと、試料上で荷電粒子ビームを2次元的
に走査するための走査手段と、試料への荷電粒子ビーム
の照射によって発生した信号を検出する第1と第2の検
出器と、第1の検出器の検出信号を増幅する第1の増幅
器と、第2の検出器の検出信号を増幅する第2の増幅器
と、第1の増幅器と第2の増幅器の出力信号を加算する
加算器と、加算器による加算信号に基づいて、第1の増
幅器と第2の増幅器のいずれかあるいはその両方のゲイ
ンを調節するゲイン調節器とを備えたことを特徴として
いる。
【0015】第1の発明では、荷電粒子ビームを試料に
照射することによって発生した信号を複数の検出器によ
って検出し、得られた検出信号を増幅する複数の増幅器
の出力信号を加算するようにした荷電粒子ビーム装置に
おいて、複数の増幅器のゲインを調整する。
照射することによって発生した信号を複数の検出器によ
って検出し、得られた検出信号を増幅する複数の増幅器
の出力信号を加算するようにした荷電粒子ビーム装置に
おいて、複数の増幅器のゲインを調整する。
【0016】第2の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム
装置は、第1の発明において、加算信号に基づいて試料
像を表示するようにしたことを特徴としている。第3の
発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置は、第1の発明
において、加算信号に基づいて特定パターンの長さを測
長するようにしたことを特徴としている。
装置は、第1の発明において、加算信号に基づいて試料
像を表示するようにしたことを特徴としている。第3の
発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置は、第1の発明
において、加算信号に基づいて特定パターンの長さを測
長するようにしたことを特徴としている。
【0017】第4の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム
装置は、第1の発明において、ゲイン調節器は、加算器
による加算信号から試料上の特定パターンの走査に基づ
く2つのピーク信号を検出し、その信号強度の差が所定
の値以内となるように、第1の増幅器と第2の増幅器の
いずれかあるいはその両方のゲインを制御するようにし
たことを特徴としている。
装置は、第1の発明において、ゲイン調節器は、加算器
による加算信号から試料上の特定パターンの走査に基づ
く2つのピーク信号を検出し、その信号強度の差が所定
の値以内となるように、第1の増幅器と第2の増幅器の
いずれかあるいはその両方のゲインを制御するようにし
たことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図3は本発明に基づく走査
電子顕微鏡の要部の一例を示しており、図1と同一ない
しは類似の構成要素には同一番号が付されている。
施の形態を詳細に説明する。図3は本発明に基づく走査
電子顕微鏡の要部の一例を示しており、図1と同一ない
しは類似の構成要素には同一番号が付されている。
【0019】図3において、図示していない電子銃から
発生し加速された一次電子ビームEBは、インナーチュ
ーブ1を通過して対物レンズ2によって試料3上に細く
集束させられる。この試料3に照射される一次電子ビー
ムEBは、図示していない走査コイルにより、2次元的
に走査される。
発生し加速された一次電子ビームEBは、インナーチュ
ーブ1を通過して対物レンズ2によって試料3上に細く
集束させられる。この試料3に照射される一次電子ビー
ムEBは、図示していない走査コイルにより、2次元的
に走査される。
【0020】試料3への一次電子ビームEBの照射によ
って試料3からは2次電子eが発生するが、この2次電
子eの検出効率を高めるため、インナーチューブ1の内
部に第1の検出器(上方検出器)4が設けられ、対物レ
ンズ2の外側に第2の検出器(下方検出器)5が設けら
れている。
って試料3からは2次電子eが発生するが、この2次電
子eの検出効率を高めるため、インナーチューブ1の内
部に第1の検出器(上方検出器)4が設けられ、対物レ
ンズ2の外側に第2の検出器(下方検出器)5が設けら
れている。
【0021】第1と第2の検出器4,5は、それぞれ入
射した2次電子の量に応じた強度の電気信号を発生す
る。なお、検出器としてシンチレータとフォトマルチプ
ライヤを用いた場合には、2次電子は最初に光信号に変
換され、その後光の強度に応じた電気信号に変換され
る。
射した2次電子の量に応じた強度の電気信号を発生す
る。なお、検出器としてシンチレータとフォトマルチプ
ライヤを用いた場合には、2次電子は最初に光信号に変
換され、その後光の強度に応じた電気信号に変換され
る。
【0022】第1の検出器4の出力信号は、第1の増幅
器6に供給されて増幅され、第2の検出器5の出力信号
は、第2の増幅器7に供給されて増幅される。第1と第
2の増幅器6,7の出力信号は、加算器8に供給されて
加算される。
器6に供給されて増幅され、第2の検出器5の出力信号
は、第2の増幅器7に供給されて増幅される。第1と第
2の増幅器6,7の出力信号は、加算器8に供給されて
加算される。
【0023】加算器8において加算され、正規化された
信号は画像積算器9に供給されて各画素ごとの信号は積
算される。すなわち、試料上の所定領域のX,Y2次元
走査は複数回行われ、各走査に基づいて得られた2次電
子検出信号は、画像積算器9においてフレーム積算さ
れ、SN比が向上させられる。
信号は画像積算器9に供給されて各画素ごとの信号は積
算される。すなわち、試料上の所定領域のX,Y2次元
走査は複数回行われ、各走査に基づいて得られた2次電
子検出信号は、画像積算器9においてフレーム積算さ
れ、SN比が向上させられる。
【0024】画像積算器9において積算された信号は、
陰極線管10に供給されることから、陰極線管10には
試料3の走査2次電子像が得られる。また、画像積算器
9において積算された信号は、測長ユニット11に供給
され、測長ユニット11において走査領域に含まれる特
定パターンの測長が行われる。
陰極線管10に供給されることから、陰極線管10には
試料3の走査2次電子像が得られる。また、画像積算器
9において積算された信号は、測長ユニット11に供給
され、測長ユニット11において走査領域に含まれる特
定パターンの測長が行われる。
【0025】画像積算器9から読み出された信号は、ゲ
イン調節器12に供給される。ゲイン調節器12は、図
4に示すようにピーク位置検出器13、ゲイン調節判断
器14、ゲイン演算器15より構成されている。このゲ
イン調節器12の出力は、第1と第2の増幅器6,7に
供給され、それらの増幅器のゲインの調節を行う。
イン調節器12に供給される。ゲイン調節器12は、図
4に示すようにピーク位置検出器13、ゲイン調節判断
器14、ゲイン演算器15より構成されている。このゲ
イン調節器12の出力は、第1と第2の増幅器6,7に
供給され、それらの増幅器のゲインの調節を行う。
【0026】さて、このような構成において、図5
(a)に示すように、試料3上の台形で対称形状のパタ
ーンP上を集束された一次電子ビームEBで走査する
と、2次電子eが発生する。この2次電子eは、パター
ンPの形状を反映して発生量が場所的に異なり、画像積
算器9で信号を積算してノイズを減らした信号の波形
は、理想的には図5(b)に示すような波形W0とな
る。この波形W0は、対称的な波形である。
(a)に示すように、試料3上の台形で対称形状のパタ
ーンP上を集束された一次電子ビームEBで走査する
と、2次電子eが発生する。この2次電子eは、パター
ンPの形状を反映して発生量が場所的に異なり、画像積
算器9で信号を積算してノイズを減らした信号の波形
は、理想的には図5(b)に示すような波形W0とな
る。この波形W0は、対称的な波形である。
【0027】しかしながら、2次電子検出器4,5のそ
れぞれの方向性、および、複数の2次電子検出器のそれ
ぞれの検出効率の差異により、現実には図5(b)に示
す対称的な波形とならず、図5(c)に示すような非対
称な波形W1となる。このような非対称な波形の信号に
基づいて測長を行うと、正確性が薄れ、また、再現性も
なくなり、更にこのような波形の信号に基づく像は画質
が悪くなることは既に述べた。
れぞれの方向性、および、複数の2次電子検出器のそれ
ぞれの検出効率の差異により、現実には図5(b)に示
す対称的な波形とならず、図5(c)に示すような非対
称な波形W1となる。このような非対称な波形の信号に
基づいて測長を行うと、正確性が薄れ、また、再現性も
なくなり、更にこのような波形の信号に基づく像は画質
が悪くなることは既に述べた。
【0028】本発明では、図5(c)の波形W1を、第
1の増幅器6と第2の増幅器7のいずれか、あるいはそ
の両方のゲインを調節することにより、図5(b)に示
すような対称的な波形W0とすることを特徴としてい
る。
1の増幅器6と第2の増幅器7のいずれか、あるいはそ
の両方のゲインを調節することにより、図5(b)に示
すような対称的な波形W0とすることを特徴としてい
る。
【0029】図5(c)に示す信号はゲイン調節器12
に供給され、ピーク位置検出器13において波形に含ま
れる2つのピークA,Bのピークの大きさが検出され、
その差Δε(A−B)の信号が得られる。この差信号Δ
εはゲイン調節判断器14に供給される。
に供給され、ピーク位置検出器13において波形に含ま
れる2つのピークA,Bのピークの大きさが検出され、
その差Δε(A−B)の信号が得られる。この差信号Δ
εはゲイン調節判断器14に供給される。
【0030】ゲイン調節判断器14は、差信号Δεが、
Δε>ε2、または、Δε<−ε2となったとき、第1
と第2の増幅器6,7のゲインの調整が必要と判断し、
Δεが、 −ε2≦Δε≦ε2 の場合には、ゲイン調整しないと判断する。
Δε>ε2、または、Δε<−ε2となったとき、第1
と第2の増幅器6,7のゲインの調整が必要と判断し、
Δεが、 −ε2≦Δε≦ε2 の場合には、ゲイン調整しないと判断する。
【0031】ゲイン演算器15は、ゲイン調節判断器1
4がゲイン調節をすると判断したときに、次の式からゲ
インgを演算する。 g=g0(1+α・Δε) ここで、g0は前回に設定されているゲインであり、ま
た、αは、設定パラメータである。このゲイン演算器1
5で求められたゲインの値は、第1と第2の増幅器6,
7のいずれかに供給され、そのゲインが調節される。こ
のゲインが調節されて、ゲイン調節判断器14において
調節不要の判断がなされるまで、すなわち、偏差Δε
が、Δε<|ε1|となるまでゲイン調節を行う。
4がゲイン調節をすると判断したときに、次の式からゲ
インgを演算する。 g=g0(1+α・Δε) ここで、g0は前回に設定されているゲインであり、ま
た、αは、設定パラメータである。このゲイン演算器1
5で求められたゲインの値は、第1と第2の増幅器6,
7のいずれかに供給され、そのゲインが調節される。こ
のゲインが調節されて、ゲイン調節判断器14において
調節不要の判断がなされるまで、すなわち、偏差Δε
が、Δε<|ε1|となるまでゲイン調節を行う。
【0032】図6はこのようなゲイン調節の様子を示し
ており、時刻t1においてゲイン調節が必要と判断さ
れ、時刻t2にゲイン調節終了と判断された場合を示し
ている。なお、制御のハンチング防止のため、パラメー
タε1、ε2は、ε1<ε2となるように設定されてい
る。
ており、時刻t1においてゲイン調節が必要と判断さ
れ、時刻t2にゲイン調節終了と判断された場合を示し
ている。なお、制御のハンチング防止のため、パラメー
タε1、ε2は、ε1<ε2となるように設定されてい
る。
【0033】このようにして増幅器のゲインが調節さ
れ、図5(c)に示した非対称な波形W1は、図5
(b)に示すように対称な波形W0とされる。この対称
波形の信号を測長ユニット11に供給すれば、正確な測
長値d0が得られる。また、対称波形となる信号を陰極
線管10に供給すれば、画質の優れた像を表示すること
ができる。
れ、図5(c)に示した非対称な波形W1は、図5
(b)に示すように対称な波形W0とされる。この対称
波形の信号を測長ユニット11に供給すれば、正確な測
長値d0が得られる。また、対称波形となる信号を陰極
線管10に供給すれば、画質の優れた像を表示すること
ができる。
【0034】以上本発明の一実施の形態を説明したが、
本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、
第1と第2の増幅器のいずれかのゲインを調節するよう
にしたが、両者を調節して対称波形の信号とするように
構成しても良い。また、測長機能を有した装置のみなら
ず、2次電子像の観察のみを行う装置にも本発明を適用
することができる。更に、走査電子顕微鏡を例に説明し
たが、ビームの走査によって画像を作る全ての装置にも
本発明を適用することができる。
本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、
第1と第2の増幅器のいずれかのゲインを調節するよう
にしたが、両者を調節して対称波形の信号とするように
構成しても良い。また、測長機能を有した装置のみなら
ず、2次電子像の観察のみを行う装置にも本発明を適用
することができる。更に、走査電子顕微鏡を例に説明し
たが、ビームの走査によって画像を作る全ての装置にも
本発明を適用することができる。
【0035】
【発明の効果】第1の発明では、荷電粒子ビームを試料
に照射することによって発生した信号を複数の検出器に
よって検出し、得られた検出信号を増幅する複数の増幅
器の出力信号を加算するようにした荷電粒子ビーム装置
において、複数の増幅器のゲインを調整するように構成
したので、加算信号を用いて測長を行えば、再現性の良
い測長を行うことができる。また、加算信号に基づいて
試料像を表示すれば、画質の優れた像を観察することが
できる。
に照射することによって発生した信号を複数の検出器に
よって検出し、得られた検出信号を増幅する複数の増幅
器の出力信号を加算するようにした荷電粒子ビーム装置
において、複数の増幅器のゲインを調整するように構成
したので、加算信号を用いて測長を行えば、再現性の良
い測長を行うことができる。また、加算信号に基づいて
試料像を表示すれば、画質の優れた像を観察することが
できる。
【0036】第2の発明では、第1の発明において、加
算信号に基づいて試料像を表示するようにしたので、画
質の優れた像を観察することができる。第3の発明に基
づく走査型荷電粒子ビーム装置は、第1の発明におい
て、加算信号に基づいて特定パターンの長さを測長する
ようにしたので、加算信号を用いて測長を行えば、再現
性の良い測長を行うことができる。
算信号に基づいて試料像を表示するようにしたので、画
質の優れた像を観察することができる。第3の発明に基
づく走査型荷電粒子ビーム装置は、第1の発明におい
て、加算信号に基づいて特定パターンの長さを測長する
ようにしたので、加算信号を用いて測長を行えば、再現
性の良い測長を行うことができる。
【0037】第4の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム
装置は、第1の発明において、ゲイン調節器は、加算器
による加算信号から試料上の特定パターンの走査に基づ
く2つのピーク信号を検出し、その信号強度の差が所定
の値以内となるように、第1の増幅器と第2の増幅器の
いずれかあるいはその両方のゲインを制御するようにし
たので、加算信号を用いて測長を行えば、再現性の良い
測長を行うことができる。また、加算信号に基づいて試
料像を表示すれば、画質の優れた像を観察することがで
きる。
装置は、第1の発明において、ゲイン調節器は、加算器
による加算信号から試料上の特定パターンの走査に基づ
く2つのピーク信号を検出し、その信号強度の差が所定
の値以内となるように、第1の増幅器と第2の増幅器の
いずれかあるいはその両方のゲインを制御するようにし
たので、加算信号を用いて測長を行えば、再現性の良い
測長を行うことができる。また、加算信号に基づいて試
料像を表示すれば、画質の優れた像を観察することがで
きる。
【図1】従来の走査電子顕微鏡の要部の一例を示す図で
ある。
ある。
【図2】試料上のパターン部分の一次電子ビームの走査
と2次電子検出信号波形を示す図である。
と2次電子検出信号波形を示す図である。
【図3】本発明に基づく走査電子顕微鏡の要部の一例を
示す図である。
示す図である。
【図4】ゲイン調節器の詳細を示す図である。
【図5】試料上のパターン部分の一次電子ビームの走査
と2次電子検出信号波形を示す図である。
と2次電子検出信号波形を示す図である。
【図6】ゲイン調節の様子を示す図である。
1 インナーチューブ 2 対物レンズ 3 試料 4,5 2次電子検出器 6,7 増幅器 8 加算器 9 画像積算器 10 陰極線管 11 測長ユニット 12 ゲイン調整器
Claims (4)
- 【請求項1】 荷電粒子ビーム源と、荷電粒子ビーム源
からの荷電粒子ビームを試料上に細く集束するためのレ
ンズと、試料上で荷電粒子ビームを2次元的に走査する
ための走査手段と、試料への荷電粒子ビームの照射によ
って発生した信号を検出する第1と第2の検出器と、第
1の検出器の検出信号を増幅する第1の増幅器と、第2
の検出器の検出信号を増幅する第2の増幅器と、第1の
増幅器と第2の増幅器の出力信号を加算する加算器と、
加算器による加算信号に基づいて、第1の増幅器と第2
の増幅器のいずれかあるいはその両方のゲインを調節す
るゲイン調節器とを備えた走査型荷電粒子ビーム装置。 - 【請求項2】 加算信号に基づいて試料像を表示するよ
うにした請求項1記載の走査型荷電粒子ビーム装置。 - 【請求項3】 加算信号に基づいて特定パターンの長さ
を測長するようにした請求項1記載の走査型荷電粒子ビ
ーム装置。 - 【請求項4】 ゲイン調節器は、加算器による加算信号
から試料上の特定パターンの走査に基づく2つのピーク
信号を検出し、その信号強度の差が所定の値以内となる
ように、第1の増幅器と第2の増幅器のいずれかあるい
はその両方のゲインを制御するようにした請求項1記載
の走査型荷電粒子ビーム装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10303710A JP2000131045A (ja) | 1998-10-26 | 1998-10-26 | 走査型荷電粒子ビーム装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10303710A JP2000131045A (ja) | 1998-10-26 | 1998-10-26 | 走査型荷電粒子ビーム装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000131045A true JP2000131045A (ja) | 2000-05-12 |
Family
ID=17924327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10303710A Withdrawn JP2000131045A (ja) | 1998-10-26 | 1998-10-26 | 走査型荷電粒子ビーム装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000131045A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011249273A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-08 | Jeol Ltd | 走査電子顕微鏡 |
JP2012503856A (ja) * | 2008-09-28 | 2012-02-09 | ビー−ナノ リミテッド | 真空化されたデバイス、および、走査型電子顕微鏡 |
WO2012140874A1 (ja) * | 2011-04-15 | 2012-10-18 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 荷電粒子顕微鏡装置および画像撮像方法 |
US8981294B2 (en) | 2008-07-03 | 2015-03-17 | B-Nano Ltd. | Scanning electron microscope, an interface and a method for observing an object within a non-vacuum environment |
US9466458B2 (en) | 2013-02-20 | 2016-10-11 | B-Nano Ltd. | Scanning electron microscope |
-
1998
- 1998-10-26 JP JP10303710A patent/JP2000131045A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9431213B2 (en) | 2008-07-03 | 2016-08-30 | B-Nano Ltd. | Scanning electron microscope, an interface and a method for observing an object within a non-vacuum environment |
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JP2012226842A (ja) * | 2011-04-15 | 2012-11-15 | Hitachi High-Technologies Corp | 荷電粒子顕微鏡装置および画像撮像方法 |
US9460889B2 (en) | 2011-04-15 | 2016-10-04 | Hitachi High-Technologies Corporation | Charged particle microscope device and image capturing method |
US9466458B2 (en) | 2013-02-20 | 2016-10-11 | B-Nano Ltd. | Scanning electron microscope |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |