JP2000126283A - 血液透析用装置 - Google Patents

血液透析用装置

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JP2000126283A
JP2000126283A JP10322927A JP32292798A JP2000126283A JP 2000126283 A JP2000126283 A JP 2000126283A JP 10322927 A JP10322927 A JP 10322927A JP 32292798 A JP32292798 A JP 32292798A JP 2000126283 A JP2000126283 A JP 2000126283A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 透析液の脱気機構を不要とし、更に炭酸カル
シウムの沈殿を押さえて頻繁な洗浄作業を軽減する。 【解決手段】 透析器2へ透析液と血液を供給し、透析
器内に設けられた半透膜を介し透析液と血液を接触さ
せ、血液から老廃物及び水分を除去する血液透析装置に
おいて、透析器に流入する透析液の流量と前記透析器か
ら流出する透析液の流量を等しく保つための閉回路式透
析液供給手段16、6、7と、閉回路式透析液供給手段
の閉回路部から所定の流量で透析液を閉回路外へ排出す
る除水手段8、11と、透析器の血液側圧力を所定の圧
に調節する圧力調節手段25とを有し、圧力調節手段に
より調節された血液側圧力と除水手段で発生する圧力損
失で決定される閉回路部内の透析液圧力を陽圧に保つよ
う制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腎不全患者の治療
に用いられる血液透析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】血液透析装置は腎不全の患者の治療を行
う装置として広く普及している。透析療法は単に血液中
の老廃物を除去するだけではなく、尿の出ない透析患者
から飲食した水分をも除去する、いわゆる除水の役割も
果たしている。従って、通常、血液透析装置には透析器
に透析液を供給する機能に付加して任意の量の除水を行
う機能が備わっている。図5は一般的な血液透析装置の
透析液供給及び除水の原理を示している。隔膜チャンバ
16は、変位可能な隔膜17で給液室18と廃液室19
に分割された変形不能な容器である。まず給液室18が
新鮮透析液で満たされ、隔膜17が廃液室19側に限界
まで変位した状態で電磁弁12、15を閉、電磁弁1
3、14を開にし、送液ポンプ9を停止、送液ポンプ1
0を運転したときの動作を考える。但しここでは除水ポ
ンプ11は無いものとする。給液室18内の透析液は送
液ポンプ10により吸引され透析器2の透析液室5を通
って廃液室19に移動する。この時透析液の流路は透析
器2から見て閉回路となっているため給液室18から透
析液室5に流れ込む透析液流量と透析液室5から流れ出
し廃液室19に流れ込む透析液流量は等しくなる。やが
て給液室18の透析液は全て廃液室19に移動し、隔膜
17は給液室18側に限界まで変位した状態となる。そ
こで、電磁弁12、15を開、電磁弁13、14を閉に
し、送液ポンプ9を運転、送液ポンプ10を停止すれば
透析器2への透析液の供給は中断され、廃液室19の使
用済み透析液が捨てられると同時に給液室18は新鮮透
析液で満たされ、再度隔膜17が廃液室19側に限界ま
で変位した状態になる。以降、この動作を繰り返せば透
析器2に断続的に一定量の透析液を供給でき、透析器2
に対する透析液の入出量を等しく保った状態で血液透析
を行うことができる。次に除水ポンプ11が加わった状
態を説明する。前述のように透析液の流路は透析器2か
ら見て常に閉回路を保っているので、除水ポンプ11を
所定の流量で運転した場合その送液量は透析器2の半透
膜3を介して血液室4から補われることになる。即ち、
血液中の水分が除水ポンプ11によって体外に排出され
る。以上から、一定量の透析液を供給しながら所定の量
の除水を行うことができるシステムを構成することがで
きる。但し図5のシステムでは透析器2に対する透析液
の供給は間欠的になるため実際には、特公昭56−82
号公報に示されるように隔膜チャンバを2個並列に接続
しお互いを補いながら連続的に透析液を供給するシステ
ムや、特開平5−146506号公報に示されるように
隔膜チャンバに直列にバッファを接続して連続的に透析
液を供給するシステムが考案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上に示
した従来技術においては、閉回路から除水ポンプによっ
て発生する吸引力によって除水を行うために閉回路内が
陰圧になりがちであり、そのために透析液に溶存する気
体(酸素や二酸化炭素)が気泡となって発生し、透析器
の半透膜へ付着して透析効率の低下を招いたり、発生し
た気泡が排出されることで等量の除水誤差が生じるた
め、閉回路の上流で脱気する必要がある。脱気には陰圧
を発生するポンプと発生させた気泡を集めて外部へ排出
する機構が必要であり、結果として血液透析装置を複雑
で大型なものにしていた。また、脱気することで透析液
中の二酸化炭素も抜けて透析液のpHが上がり、炭酸カ
ルシウムが沈殿しやすくなり、煩雑に炭酸カルシウムの
除去を行わなければならないという欠点もあった。以上
の点に鑑み、本発明は透析液の脱気を必要とすることな
く血液透析が行え、従来技術の問題点を改善した血液透
析装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、透析器へ透析
液と血液を供給し、透析器内に設けられた半透膜を介し
透析液と血液を接触させ、血液から老廃物及び水分を除
去する血液透析装置において、前記透析器に流入する透
析液の流量と前記透析器から流出する透析液の流量を等
しく保つための閉回路式透析液供給手段と、前記閉回路
式透析液供給手段の閉回路部から所定の流量で透析液を
閉回路外へ排出する除水手段と、前記透析器の血液側圧
力を所定の圧に調節する圧力調節手段とを有し、前記圧
力調節手段により調節された血液側圧力と前記除水手段
で発生する圧力損失で決定される前記閉回路部内の透析
液圧力を陽圧に保つよう制御することを特徴とするもの
である。
【0005】
【作用】以上のような構成にしたことにより、複雑な脱
気手段を用いることなく透析器を含む透析液閉回路内で
の気泡発生を抑えることができ、なお且つ炭酸カルシウ
ムの沈殿をも抑えることができる。
【0006】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は本発明の第1の実施例の構成を示すものであ
る。透析液の供給は1個の隔膜チャンバ16による閉回
路方式により間欠的に行われ、除水はその閉回路から除
水ポンプ11により吸引されることで行われるが、詳し
くは前述しているのでここでは省略する。患者1の血液
は血液ポンプ20にて透析器2に送られ再度患者1に返
血される。本例では返血路に絞り22を設けることで流
路抵抗を持たせ、透析器2の血液室4における圧力を調
節できるようにしている。今、透析器2にUFR(単位
圧力差を与えたときの単位時間当りの除水量)10ml
/mmHg/hのものを使用し、1時間あたり1000
mlの除水を行うものとする。すると透析器2の血液室
4透析液室5との間に発生する差圧(以下TMPと呼
ぶ)は100mmHgとなる。従って、絞り22を調整
して圧力計21が100mmHg以上を示すようにすれ
ば透析液室5の圧力、即ち閉回路内の透析液圧力を陽圧
に保つことができる。図2は本発明の第2の実施例であ
る。閉回路内の透析液圧を圧力計23で測定し、この値
が陰圧であればコントローラ24は絞り22の調節軸に
接続されたモーターを駆動し、血液回路を絞って流路抵
抗を増加させる。その結果、血液側の圧力が上がると同
時に透析液圧も上昇する。そして透析液圧が陽圧になっ
たところで絞り22は固定される。また、透析液圧が過
度に陽圧になった場合は絞り22は血液回路の流路抵抗
を減少させる方向に調節され、透析液圧が適切な陽圧に
なったところで固定される。図3は本発明の第3の実施
例である。本例ではコントローラを介することなく絞り
を調節できるように圧力調整機構25を設けている。圧
力調整機構25の詳細を図4に示す。透析器2から出た
透析液は圧力調整機構25の透析液入口26から入って
透析液出口27から出て行く。この時透析液圧がベロー
28に加わるがベロー28の内側は大気圧に開放される
と同時にバネ32で支えられており、その結果ペロー2
8は透析液圧=大気圧+バネ圧となる位置まで移動して
止まる。一方ベロー28の収縮は軸29で伝達されチュ
ーブ押さえ30で血液回路チューブ31を絞り、血液回
路の流路抵抗を変化させる。即ち、透析液圧が下がれば
ベロー28が下方へ移動し血液回路チューブ31を絞っ
て血液回路内の圧力及び透析液圧を上昇させ、透析液圧
が上がれば逆に血液回路チューブ31を開放して透析液
圧を低下させるように働くため、透析液圧を陽圧で一定
圧に保つことができる。これらの実施例は、1個の隔膜
チャンバによる閉回路方式の透析液供給システムを基本
にしているが、特公昭56−82号公報に示される2個
の隔膜チャンバを並列に接続したシステムや、特開平5
−146506号公報に示される隔膜チャンバにバッフ
ァを接続したシステムにも適用できることは容易に考え
得ることである。
【0007】
【発明の効果】以上のように本発明では、血液回路上に
圧力調整手段を設けて透析液の閉回路内の圧力を陽圧に
保つことにより、従来必要であった透析液の脱気機構を
不要とし、なお且つ、炭酸カルシウムの沈殿を押さえて
頻繁な洗浄作業を軽減することが可能となった。その結
果、信頼性、経済性そして保守性の高い透析装置を供給
することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液透析装置の第1の実施例を示す図
である。
【図2】本発明の血液透析装置の第2の実施例を示す図
である。
【図3】本発明の血液透析装置の第3の実施例を示す図
である。
【図4】本発明の血液透析装置の第3の実施例における
圧力調整機構の詳細を示す図である。
【図5】従来の血液透析装置における閉回路式透析液供
給方法及び除水方法を示す図である。
【符号の説明】
1 患者 2 透析器 3 半透膜 4 血液室 5 透析液室 6 透析液供給ライン 7 透析液廃液ライン 8 除水ライン 9,10 送液ポンプ 11 除水ポンプ 12,13,14,15 電磁弁 16 隔膜チャンバ 17 隔膜 18 給液室 19 廃液室 20 血液ポンプ 21,23 圧力計 22 絞り 24 コントローラ 25 圧力調整機構 26 透析液入口 27 透析液出口 28 ベロー 29 軸 30 チューブ押さえ 31 血液回路チューブ 32 バネ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透析器へ透析液と血液を供給し、透析器
    内に設けられた半透膜を介し透析液と血液を接触させ、
    血液から老廃物及び水分を除去する血液透析装置におい
    て、前記透析器に流入する透析液の流量と前記透析器か
    ら流出する透析液の流量を等しく保つための閉回路式透
    析液供給手段と、前記閉回路式透析液供給手段の閉回路
    部から所定の流量で透析液を閉回路外へ排出する除水手
    段と、前記透析器の血液側圧力を所定の圧に調節する圧
    力調節手段とを有し、前記圧力調節手段により調節され
    た血液側圧力と前記除水手段で発生する圧力損失で決定
    される前記閉回路部内の透析液圧力を陽圧に保つよう制
    御することを特徴とする血液透析装置。
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WO2009139523A1 (en) * 2008-05-14 2009-11-19 Bhk Co., Ltd. Blood dialyzing apparatus
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