JP2000125469A - 配電系統監視制御装置とそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

配電系統監視制御装置とそのプログラムを記録した記録媒体

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JP2000125469A
JP2000125469A JP10307852A JP30785298A JP2000125469A JP 2000125469 A JP2000125469 A JP 2000125469A JP 10307852 A JP10307852 A JP 10307852A JP 30785298 A JP30785298 A JP 30785298A JP 2000125469 A JP2000125469 A JP 2000125469A
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system monitoring
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JP10307852A
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Yumiko Kosakata
由美子 小坂田
Sachiko Nakabe
佐知子 中部
Masakazu Hattori
雅一 服部
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配電系統の融通形態をさしするに際し、計算
時間を短縮し、融通形態の算出経緯及び計算量を少なく
する。 【解決手段】 配電系統の事故時、平常時操作時等の系
統切替え(負荷融通)に際し、開閉器の操作手順を自動
的に算出する機能を有する配電系統監視制御装置におい
て、複数の融通手順解の候補を作成する融通解候補作成
手段2と、前記複数の融通解の候補を途中解5として保
存する途中解保存手段4と、前記保存された途中解を評
価関数8によって評価する評価手段6とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配電系統事故時及
び平常時操作時に開閉器を操作して配電系統の負荷融通
を行なうための配電系統監視制御装置とそれを実行する
ためのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】図42は従来装置の図である。図42におい
て配電系統監視制御装置1は、配電系統を構成する設備
の機器種別,接続情報等を定義した系統定義データa
と、予め設定されたあるいは通信線等を経由して入力さ
れる区間負荷,配電線電流値,開閉器入切状態等の系統
状態データbとを有している。又、配電系統監視制御装
置1の有する融通形態計算手段91は、系統定義データa
と系統状態データbとから融通形態を計算し、その答え
を融通形態データ92に出力する。
【0003】融通形態計算手段91の処理について図43に
示す。融通形態計算手段91は融通対象区間に隣接する連
系開閉器の選択条件(条件1〜n)をチェックする。選
択条件とは、連系点への供給配電線の予備力(以下、連
系点の予備力と称す),開閉器種別,操作可能状態など
である。複数の条件がある場合は、優先度の高い条件か
ら順にチェックしていき、条件を満たさない連系開閉器
は除外して計算を続ける。
【0004】このようにして融通対象区間に融通が終了
すると、融通後の系統状態について定められた条件pを
チェックする。条件pは、例えば融通終了後の配電線予
備力のばらつきが一定量以下であること、等である。以
上のような条件を全て満たした時、融通形態データ92に
結果を出力する。
【0005】条件1〜n及び条件pを満たさず、融通形
態が算出できなかった場合は、条件1〜n及びpを、よ
り緩い条件1′〜n′及びp′に変更して最初から処理
をやり直す。条件を緩くするとは、遠方制御不可能な連
系開閉器を操作対象とする/融通後の予備力のばらつき
幅を大きくする、等である。
【0006】条件を緩くすることにより、対象となる開
閉器や系統の形態の候補数が増え、融通形態が求まる可
能性が高まる。このようにして、全ての条件を満たすよ
うな融通形態が求まるまで処理を繰り返す。従来方法の
他の例として、融通対象区間及びその区間に隣接する開
閉器の代わりに、融通対象区間群及び連系開閉器の組合
せを、予めある条件に基づいて限定し、図43の処理フロ
ーにおけるループ回数を削減することもできる。
【0007】従来技術では、初期の負荷融通形態に対し
て最初に融通すべき融通不能区間を選択し、その区間に
対する融通ルートを仮に生成して融通不能を解消すると
いう処理を、融通不能区間がなくなるまで繰り返すとい
う処理で融通形態を求めていた。融通形態の検索におい
ては、図43で説明したように、ある条件に合致する融通
対象区間に隣接する連系開閉器の組合せを見つけ出さな
ければならない。
【0008】しかし、初期系統での融通対象区間に隣接
する連系開閉器だけでは融通不能区間が残ってしまう場
合、「玉突き融通」や「健全融通」と呼ばれる融通形態
を求めるため、融通対象区間に隣接する配電線を選択
し、その配電線に隣接する連系開閉器も検索対象に含め
る、というように検索対象を拡大していた。
【0009】「玉突き融通」とは、融通不能区間に隣接
する配電線の予備力を増加させるため、融通不能区間に
隣接する配電線の負荷の一部を他の配電線に肩代わりさ
せるようにするものである。「玉突き融通」には、融通
配電線の更に隣接する配電線へ、負荷を肩代わりさせる
複数回の「玉突き融通」も含まれる。「健全融通」と
は、融通不能区間が隣接するフィーダから供給を受けな
いで、更にその先のフィーダから供給を受けるものであ
る。
【0010】以上説明したように、この従来方法では、
融通に使用する連系開閉器を1つずつ順に検討対象と
し、複数の条件を順にチェックして、全ての条件を満た
すものが見つかればその連系開閉器を採用する、という
処理を繰り返し、1つの融通形態を求める。検討対象の
連系開閉器や、融通後の系統がある1つの条件を満たさ
なかった場合は、再度最初から検討を行なう。
【0011】又、この従来方法によれば、融通対象区間
と連系開閉器の組合せを限定したり、連系開閉器毎の条
件1〜n,融通後系統の条件pを緩く又は厳しくした
り、条件の種類を増減することによって、最終目的であ
る融通形態が変化し、算出までの時間は増減する。
【0012】運用時の種々の事情を融通手順に反映させ
るためには計算条件の種類と数が多くなるが、条件の種
類が多いほど、又、条件が厳しいほど、融通形態算出に
は時間を要する。更に従来方法では、融通形態計算の結
果として、融通するために使用する開閉器(操作対象開
閉器)の集合を出力していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来技術
では、融通対象区間や連系開閉器を1つずつ計算対象と
しているため、一度にひととおりの融通形態候補しか検
討せず、最初に求めた融通形態を結果とするため、他に
もっとより融通形態が考えられたとしても、その解を導
き出すことはできなかった。
【0014】又、従来の方法では融通対象区間とそれに
隣接する各連系開閉器、又は予め定められたある条件で
抽出した融通対象区間群と連系開閉器の組合せのいずれ
かについて、夫々の融通対象区間(又は融通対象区間
群)と連系開閉器に対して、又、融通後の系統状態に対
しても夫々複数の条件が定められていた。
【0015】したがって、この条件を各区間(区間群)
や連系開閉器,融通後系統に当てはめて順次チェックす
ることにより融通形態を算出していたため、条件が増え
たり細かくなるほど計算に時間がかかっていた。又、計
算時間を短縮するために運用上考慮すべき条件を省略し
たり、簡単になるように設定してしまうと、算出した融
通形態は実用に合わないものとなっていた。
【0016】更に、従来の方法では、算出した融通形態
は、その融通形態に移行するために操作すべき開閉器の
集合として1種類しか出力されないため、運用者は、融
通形態算出時に最も影響を及ぼした条件や、他の融通解
候補など、融通形態算出の経緯を知ることができなかっ
た。
【0017】又、従来技術で、融通対象区間への融通負
荷が、周辺の隣接配電線の予備力で賄えない場合、「玉
突き融通」,「健全融通」の融通形態を検索するために
融通対象区間に隣接する全ての連系開閉器のみならず、
隣接する配電線群に隣接する連系開閉器も含めた全ての
開閉器が条件を満たす組合せを形成できるかどうかを検
索しなければならなかったため、計算量が膨大なものと
なっていた。これにより、「玉突き融通」や「健全融
通」を行なう場合、実用的な応答性を保証することがで
きなかった。
【0018】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、計算時間を短縮するばかりか、融通形態
算出の経緯及び計算量を少なくして実用的な応答性を保
証することの可能な配電系統監視制御装置とそれを実行
するためのプログラムを記録した記録媒体を提供するこ
とを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の[請求項1]に
係る配電系統監視制御装置は、配電系統の事故時、平常
時操作時等の系統切替え(負荷融通)に際し、開閉器の
操作手順を自動的に算出する機能を有する配電系統監視
制御装置において、複数の融通手順解の候補を作成する
融通解候補作成手段と、前記複数の融通解の候補を途中
解として保存する途中解保存手段と、前記保存された途
中解を評価関数によって評価する評価手段とを備えた。
即ち、負荷融通形態の候補を複数作成して途中解として
保存し、途中解を評価関数によって評価する。
【0020】本発明の[請求項2]に係る配電系統監視
制御装置は、[請求項1]において、評価関数の評価値
が最もよいものを融通解として採用する解決定手段を備
えた。
【0021】本発明の[請求項3]に係る配電系統監視
制御装置は、[請求項1]において、複数の融通解を評
価する評価関数の各評価項目に対して、条件としての重
要度を示す評価係数を設定する評価係数設定手段を設け
た。
【0022】本発明の[請求項4]に係る配電系統監視
制御装置は、[請求項1]において、操作開閉器候補の
選出条件として、当該開閉器や区間等の配電系統を構成
する設備の種別,設置場所及び所属配電線等の情報に基
づく評価値を設定する評価値設定手段を設けた。
【0023】本発明の[請求項5]に係る配電系統監視
制御装置は、[請求項1]において、融通解の評価関数
として、融通後の系統全体を評価する大局的な評価項目
と、個々の開閉器や区間の状態を評価する局所的な評価
項目とを設けた。
【0024】本発明の[請求項6]に係る配電系統監視
制御装置は、配電系統の事故時、平常時操作時等に負荷
融通手順を作成する機能を有する配電系統監視制御装置
において、融通対象区間を所定範囲に限定する手段と、
前記所定範囲内にて融通手順を作成しても融通不能範囲
が残る場合に、融通対象範囲を適切な方向に順次拡大す
る手段と、拡大した融通対象範囲に対して再度融通手順
を計算する手段とを備え、広範囲な融通対象に対する融
通手順を迅速に算出可能とする。
【0025】本発明の[請求項7]に係る配電系統監視
制御装置は、[請求項3]において、計算の結果提供し
た融通手順を対話形式で修正する融通解修正手段と、運
用者が融通手順を修正した場合に修正前後の手順を分析
する修正内容分析手段と、前記分析結果に基づいて評価
項目毎の重要度を示す評価係数を調整する評価係数調整
手段とを備え、運用者の修正を次回からの融通手順作成
に反映する。
【0026】本発明の[請求項8]に係る配電系統監視
制御装置は、[請求項7]において、運用者の修正内容
を分析する修正内容分析手段の分析結果に基づいて設備
毎の評価値を調整する評価値調整手段を備え、運用者の
修正を次回からの融通手順作成に反映する。
【0027】本発明の[請求項9]に係る配電系統監視
制御装置は、[請求項7]又は[請求項8]において、
運用者が融通手順を対話形式で修正する際に、合わせて
修正理由を示す情報を入力する修正理由入力手段を備え
た。
【0028】本発明の[請求項10]に係る配電系統監
視制御装置は、配電系統の事故時、平常時操作時の負荷
融通計算手段を有する配電系統監視制御装置において、
計算開始時の系統状態及び融通対象範囲などの条件を保
存する手段と、各条件下で融通計算した時の融通ルート
を条件と関連付けて保存する手段と、新たに融通計算を
実施する必要が生じた場合に、今回計算する系統状態,
融通対象範囲などの条件と既に保存してある条件との類
似状況を判断する手段と、条件に類似性がある場合に保
存してある融通ルートを結果として提供する手段と、類
似性がない場合には融通ルートの計算を開始する手段と
を備え、融通計算の実施回数を減らしてより迅速な融通
手順の提供を行なえるようにした。
【0029】本発明の[請求項11]に係る配電系統監
視制御装置は、[請求項10]において、今回計算する
系統状態,融通対象範囲などの条件と既に保存してある
条件との類似性の程度に応じて、既に保存してある融通
ルートを補正修正する事例調整手段を備えた。
【0030】本発明の[請求項12]に係る配電系統監
視制御装置は、負荷融通計算手段を有する配電系統監視
制御装置において、融通ルートの候補が複数生じた場合
にいったん計算を中断して、当該融通ルートの候補を運
用者に示す融通ルート出力手段と、運用者による融通ル
ート候補の選択を受け付ける融通ルート選択手段と、前
記選択された候補に基づいて計算を再開し、融通ルート
を決定する融通手順作成手段とを備え、運用に即した融
通手順を作成する。
【0031】本発明の[請求項13]に係る配電系統監
視制御装置は、配電系統の事故時、平常時操作時の負荷
融通計算を実施する配電系統監視制御装置において、融
通計算実施時に、融通ルートを決定するための融通計算
の経緯及び融通計算に使用するデータ(開閉器の状態や
区間負荷,配電線の予備力など)の変化を、運用者に示
すべく随時説明的に出力する融通計算説明手段を備え、
融通計算の経過を提供する。
【0032】本発明の[請求項14]に係る配電系統監
視制御装置は、[請求項13]において、融通計算の進
行に従って変化する配電系統の状態を、配電系統図上に
随時出力する配電線路図出力手段を備え、融通計算の経
緯を視覚的に提供する。
【0033】本発明の[請求項15]に係る配電系統監
視制御装置は、[請求項1]において、途中解の評価に
使用した評価関数を説明的に順次表示する評価関数説明
手段を備えた。
【0034】本発明の[請求項16]に係る配電系統監
視制御装置は、[請求項7]において、運用者に応じた
各種係数を保存する評価係数保存手段と、監視制御装置
の運用者を識別する運用者識別手段と、融通計算開始時
に運用者に応じた各種係数を設定する手段とを備え、よ
りきめこまかい融通手順を作成する。
【0035】本発明の[請求項17]に係る配電系統監
視制御装置は、[請求項2乃至[請求項16]におい
て、前記手段のうちのいずれかの手段を予めあるいは必
要に応じて活殺する手段を備えた。
【0036】本発明の[請求項18]に係る記録媒体
は、コンピュータによって配電系統監視制御装置を制御
するための制御プログラムを記録した記録媒体であっ
て、複数の融通手順解の候補を作成する機能と、これら
の複数の融通手順解の候補を途中解として保存する機能
と、これらの保存された途中解を評価関数によって評価
する機能を、コンピュータに実現させるためのプログラ
ムを記録した記録媒体である。
【0037】
【発明の実施の形態】([請求項1]に対応)図1は本
発明の[請求項1]に係る実施の形態を示す構成図であ
る。図1において配電系統監視制御装置1は、配電系統
を構成する設備の機器種別,接続情報等を定義した系統
定義データaと、予め設定されたあるいは通信線等を経
由して入力される区間負荷,配電線電流値,開閉器入切
状態等の系統状態データbとからなる系統データdと、
前記系統定義データaと系統状態データbとから融通解
候補3を作成する融通解候補作成手段2と、融通解候補
3を途中解5として保存する解保存手段4と、保存した
途中解5を評価関数8によって評価する評価手段6と、
評価手段6によって評価した結果を記憶する評価結果7
とから構成されている。
【0038】融通解候補作成手段2は、系統定義データ
aと系統状態データb(以下、2つを総称して系統デー
タdと称す)から、融通解候補3を作成する。図2を使
用して融通解候補の作成例を説明する。図2は融通対象
系統を示している。
【0039】図中、F1,F2,…は配電線、S1,S
2,…は区分開閉器、T1,T2,…は連系開閉器を表
す。又、K1,K2,…は区間を、区間上の20,70など
は区間負荷(単位A)を表す。配電線名下の250Aな
どは、その配電線の予備力を示す。又、図2において、
配電線の容量は全て400Aとする。
【0040】図3は融通候補作成手段2の処理内容を示
すフローチャートである。夫々のステップでは次の処理
を行なう。ステップS21では融通対象区間(停電してい
る区間)の中から、最初に融通すべき区間を選択する。
ステップS22は選択した区間に融通する可能性のある配
電線までの供給経路(融通ルート)を検索する。ステッ
プS23は検索した各融通ルート上の、通過区間の区間負
荷累積値と、供給元配電線の容量を夫々比較し、区間負
荷累積値が配電線容量より大であるとき、その融通ルー
トを候補から除外する。
【0041】ステップS24は残った融通ルートに対し、
融通ルートを実行する。融通ルートの実行では、融通ル
ートで通過する配電線の融通ルート上の区間を充電にす
る。又、融通ルート上の連系点の予備力が不足する場合
は、供給元配電線の融通ルート以外の区間を停電にす
る。ステップS25ではまだ停電のままである区間を新た
な融通対象区間とし、第1ステップに戻る。
【0042】以下、図2の融通対象系統をもとにして具
体例を説明する。図2において、区間K1,K2,K3
が融通対象区間であるとき、融通対象区間のうち、最初
に融通すべき区間を選択する(ステップS21)。この選
択条件としては、連系点から最も遠い区間,区間負荷が
最も大きい区間,連系点が最も少ない区間などが考えら
れるが、その他の条件もしくは任意の区間でもよい。
【0043】最初に融通すべき区間としてK3を選択し
た後、K3への電源供給の可能性のある配電線を検索す
る(ステップS22)。検索は例えば、K3に物理的に接
続している開閉器→区間→開閉器…とたどり、供給元で
ある配電線(F1,F2…)を見つけるという方法をと
る。この方法で検索した場合のK3への融通ルートは、
以下の3通りとなる。
【0044】 K3−T1−K5−S4−K4−F2。 K3−S3−K2−T2−K8−S6−K7−F
3。 K3−S3−K2−T2−K8−S7−K9−T3
−K11−S8−K10−F4。
【0045】これら3つの融通ルートについて、融通ル
ートの通過区間の区間負荷累計と供給元配電線の容量と
を比較し、融通ルートを候補はから除外する(ステッ
プS23)。即ち、融通ルートでは予備力が280Aで
あり、その上負荷合計は420Aになるのに対して配電
線容量が400Aであるためである。
【0046】残った融通ルートについて、融通ルートを
実行する(ステップS24)。融通ルートの実行の結果
(実行結果とする)、図4に示すように、区間K1,
K2が新たな融通対象区間となる。同様に図5に融通ル
ートの実行結果(実行結果とする)を示す。実行結
果では、新たな融通対象区間はK1である(ステップ
S25)。
【0047】実行結果,夫々で、停電区間まだ残っ
ているため、ステップS21に戻って同様の処理を繰り返
す。この時、実行結果ととで夫々ステップS21〜S
25を実行する。このようにして、他の融通対象区間につ
いても同様に融通ルートを検索し、融通対象区間全てが
融通できるような融通解候補を複数個求める。と同時
に、夫々の解について、融通前後の系統状態を比較する
ことにより、融通のために操作が必要な開閉器を抽出し
ておく。
【0048】図6,図7,図8,図9は、図4,図5
(実行結果,)から求めた融通解候補である。途中
解保存手段はこれらの解候補と、夫々の解の操作開閉
器、融通に使用した配電線等の情報を組合せ、途中解と
して保存する。図10に解保存手段4が保存している途中
解5の一例を示す。このようにして保存した途中解の候
補を、評価手段6は評価関数8を使用して評価する。評
価関数8の評価項目としては、下記のものが考えられる
が、その他の項目でもよい。
【0049】操作開閉器の数 ・玉突き融通の有無(融通対象区間の隣接配電線以外の
配電線を融通配電線に使用したかどうか)。 ・融通後の予備力バランス。 ・融通後の最大電圧降下量。 ・融通によって供給元配電線が変化した区間数。
【0050】図10の例で、評価項目を下記評価項目1〜
3項目とする。 ・評価項目1:操作開閉器の数。 ・評価項目2:玉突き融通の有無。 ・評価項目3:融通後の予備力バランス。
【0051】そして、夫々初期値100ポイントから、
(1) 操作開閉器数1つにつき5ポイント減点、(2) 玉突
き融通ありの場合10ポイント減点、(3) 融通後の予備
力バランスがよい順に1,3,6,10ポイント夫々減
点、という評価関数で評価値をつけるとすると下記のよ
うになる。
【0052】・解アは 100−(5×4+0+10)=
70ポイント。 ・解イは 100−(5×3+0+6)=79ポイン
ト。 ・解ウは 100−(5×5+10+3)=62ポイン
ト。 ・解エは 100−(5×6+10+1)=59ポイン
ト。 評価手段6はこの結果を評価結果7として出力する。図
11に評価結果7の一例を示す。
【0053】本実施の形態によれば、融通対象に関して
複数の融通解候補を作成すると共に、それらを途中解と
して保存しておき、複数の条件をもとに予め定めた評価
関数で評価することができる。
【0054】([請求項2]に対応)図12は他の実施の
形態を示す構成図である。図12において図1と同一部分
については同一符号を付して説明を省略する。そして図
1との差異は第2の評価関数28を設けて評価手段6に入
力すると共に、途中解5と評価結果7と解決定条件22と
に接続された解決定手段21を設け、この解決定手段21か
らの出力を導出する融通解23とを設けたことである。
【0055】次に作用について説明する。先ず配電系統
監視制御装置1は、[請求項1]の実施の形態と同様の
方法で、融通対象の系統に対して最初に融通すべき区間
を決定し、その区間への融通ルート候補を検索する。
又、検索した融通ルート候補の中で、適切でないものを
除外する。
【0056】[請求項1]で説明したように、最初に融
通すべき区間への融通ルート候補を実行し、実行結果を
夫々求めるが、ここで、本実施の形態の説明として、実
行の結果得られた系統を途中解の一種とし、これらを評
価手段6で評価すると共に、その評価結果7を作成する
場合を考える。この場合、新たに考慮する途中解にはま
だ停電区間が残っているため、これを有停電解、停電区
間の残っていない解を最終解と定義する。
【0057】有停電解,最終解を、[請求項1]の評価
関数8で評価することにしたとき、実行結果,実行結
果を夫々有停電解,有停電解とすると、有停電解
,では、まだ停電区間(融通対象区間)が残ってい
るため、評価項目3の「融通後の予備力バランス」につ
いては適用できないが、評価項目3以外の項目について
は評価することができる。
【0058】最終解のための評価関数8に対し、有停電
解用の評価関数を第2の評価関数28とすれば、第2の評
価関数28で解,を評価した結果は、夫々90ポイン
ト,85ポイントとなる。仮に、有停電解が,の他
にあと2通り(解,)存在し、それらを第2の評価
関数28で評価した結果が夫々66ポイント,77ポイン
ト、,の解から派生する最終解としてオ,カ,キが
ある。
【0059】それら最終解の評価関数8での評価値が6
0,55,45で、有停電解と最終解との派生関係,評
価値の推移を考えると、解ア,イ,エはいずれも解か
ら、解ウは解から派生したものであるから、夫々の解
の評価値の推移は図13の通りとなる。
【0060】今、解決定手段21の解決定方法を、「解候
補の評価結果によって順位づけ、順位のよいものを作用
する」としたとき、評価結果が悪いことが明らかなもの
を事前に除外できれば、融通解の比較検討に要する時間
を削減できる。
【0061】例えば、上記の有停電解がある時、解決定
条件22を「評価値70ポイント以上のものの中で最も順
位のよいもの」とすると、有停電解については、第2
の評価関数28の結果が出た時点で除外することができ
る。これにより、有停電解から派生するはずの最終解
カ,キの検討をする必要がなくなり検討時間を削減する
ことができる。
【0062】又、解の検索順序として、上記のような
「有停電解を全て見つけたあと、夫々の有停電解から派
生する最終解を検討する」という方法でなく、1つの有
停電解から派生する最終解を最初に算出し、その解の評
価値のうち最もよい値を解決定条件22に与えて、その後
検索/検討する有停電解や最終解の採用/不採用を、解
決定手段21でその都度判定する方法をとることもでき
る。
【0063】この方法をとれば、解検索及び評価の順序
は、有停電解(90)→解ア(70)→(解決定条件
22の限界値を70ポイントとする)→解イ(79)(解
決定条件22の限界値を79ポイントとする)→解エ(5
9)(失格)→有停電解(85)(合格)→解ウ(6
2)(失格)→有停電解(66)(失格)→有停電解
(77)(失格)となり、解の検索と評価は、合計8
回でよい。
【0064】又、有停電解が失格となり、最終解とし
て解イよりも評価値がよいものが発見できる可能性がな
くなった時点で融通解の算出が終了できるため、評価結
果による順位付け等に要する時間は不要となる。
【0065】上記実施の形態によれば、融通対象に関し
て作成し、評価した複数の融通解候補を、予め定めた条
件で判定して融通解を決定することができる。又、評価
対象解の検索順序や解決決定条件によっては、融通解の
検索/評価/決定までに要する時間を削減することこと
ができる。
【0066】([請求項3]に対応)図14は更に他の実
施の形態を示す構成図である。図14において、図1と同
一部分については同一符号を付して説明を省略する。本
実施の形態の特徴部分は、評価関数8の評価係数31に重
みづけができるようにしたことである。したがって新た
に付加したものは評価係数設定手段32である。
【0067】次に採用について説明する。既に説明した
ように配電系統監視制御装置1において、融通解候補作
成手段2によって系統データdより融通候補3を作成
し、解保存手段4によって融通解候補3を途中解5とし
て保存するまでは、[請求項1]に同じである。
【0068】次に、評価手段6は保存した途中解5を、
評価関数8を使用して評価するが、評価関数8の評価項
目及び評価の方法については、[請求項1]と同様であ
る。評価係数設定手段32は各評価項目に対して重要度の
係数、つまり、評価係数31を設定する。例えば、融通後
の予備力バランスが多少悪くても、操作開閉器が少ない
方がよい場合は、操作開閉器数の係数を予備力バランス
の係数より大きくする。
【0069】このようにして、評価項目の係数を下記の
1〜3項目とする。 ・評価項目1(操作開閉器の数)に対し、係数0.5。 ・評価項目2(玉突き融通の有無)に対し、係数0.
3。 ・評価項目3(融通後の予備力バランス)に対し、係数
0.2。
【0070】評価結果は下記の通りとなる。 ・解アは 100 −(0.5×5×4+0.3×0+0.2×10)
=88ポイント。 ・解イは 100 −(0.5×5×3+0.3×0+0.2×6)
=91.3ポイント。 ・解ウは 100 −(0.5×5×5+0.3×10+0.2×3)
=83.9ポイント。 ・解エは 100 −(0.5×5×6+0.3×10+0.2×1)
=81.8ポイント。
【0071】評価手段6はこの結果を評価結果7として
出力する。図15に評価結果7の一例を示す。又、上記の
説明において、ある評価項目の係数を0に設定すれば、
評価関数を変更することなくその評価項目を評価関数か
ら除外することができる。
【0072】上記実施の形態によれば、評価項目に対し
て任意の重みづけができるため、運用に即した評価関数
を柔軟に作成することができる。
【0073】([請求項4]に対応)図16は更に他の実
施の形態を示す構成図である。図16において、図1と同
一部分については同一符号を付して説明を省略する。本
実施の形態の特徴部分は、評価関数8の設備評価値41に
評価値設定ができるようにしたことである。したがって
新たに付加したものは評価値設定手段42である。
【0074】次に採用について説明する。したがって配
電系統監視制御装置1において、融通解候補作成手段2
によって系統データdより融通候補3を作成し、解保存
手段4によって融通解候補3を途中解5として保存する
までは、[請求項1]に同じである。
【0075】次に、評価手段6は保存した途中解5を、
評価関数8を使用して評価するが評価関数8の評価項目
として考えられるものの中には、操作開閉器の数,融通
によって供給元配電線が変化した区間数など、開閉器や
区間等の設備に関連する評価項目も含まれる。
【0076】図10の例で評価項目を、操作開閉器の数,
融通によって供給元配電線が変化した区間数の2点と
し、夫々初期値100ポイントから、操作開閉器数1つ
につきAポイント原点、融通によって供給配電線が変化
した区間1つにつきBポイント減点、という評価関数で
評価値をつける場合を考えることにする。
【0077】A,Bポイントの付け方として、評価値設
定手段42の設定する設備情報に基づく設備評価値41を使
用する。例えば、ポイントAの付け方として下記とす
る。 遠制操作開閉器の場合:1ポイント減点。 手動操作開閉器の場合:10ポイント減点。 交通の便の悪い場所にある手動開閉器の場合:20ポ
イント減点。
【0078】又、ポイントBの付け方として、下記が考
えられる。 供給配電線が近い場合:1ポイント減点。 供給配電線が遠い:場合5ポイント減点。 供給配電線の上位系統が元の配電線の上位系統と同じ
である場合:1ポイント減点。 供給配電線の上位系統が元の配電線の上位系統と異なる
場合:10ポイント減点。
【0079】ポイントAとしてを、ポイントBとして
を採用すると、下記の評価となる。 ・解アは 100 −((1×2+5×2)+(1×1+10×
2))=67ポイント。 ・解イは 100 −((1×2+5×1)+(1×3+10×
0))=90ポイント。 ・解ウは 100 −((1×3+5×2)+(1×1+10×
3))=56ポイント。 ・解エは 100 −((1×4+5×2)+(1×2+10×
2))=64ポイント。
【0080】ただし、供給元である配電線F1とF2、
F3とF4は夫々同系統、かつ、F1(F2)とF3
(F4)は異系統、更に開閉器番号が奇数の開閉器(T
1,T3,S1,S3,…)は遠制開閉器、偶数の開閉
器(T2,T4,S2,S4,…)は手動開閉器と仮定
した。評価手段6はこの結果を評価結果7として出力す
る。図17に評価結果7の一例を示す。
【0081】上記実施の形態によれば、設備情報に基づ
いたきめのこまかい評価値設定ができるため、運用に即
した評価関数を柔軟に作成することができる。
【0082】([請求項5]に対応)図18は更に他の実
施の形態を示す構成図である。図18において、図1と同
一部分については同一符号を付して説明を省略する。本
実施の形態の特徴部分は、評価関数8に大局的評価項目
51と、局所的評価項目52とを設けて、自由度の高い評価
を可能としたものである。
【0083】次に作用について説明する。配電系統監視
制御装置1において、融通解候補作成手段2によって系
統データdより融通候補3を作成し、解保存手段4によ
って融通解候補3を途中解5として保存するまでは、
[請求項1]に同じである。
【0084】次に、評価手段6は保存した途中解5を、
評価関数8を使用して評価するが、評価関数8の評価項
目として融通後の系統全体を評価するための大局的評価
項目51と、個々の開閉器や区間の状態を評価する局所的
評価項目52を組合せる。大局的評価項目51としては、個
々の設備ではなく、系統全体に着目したものとして、融
通後の予備力バランス,融通後の最大電圧降下量などが
考えられる。
【0085】又、局所的評価項目52としては下記のもの
が考えられる。 ・操作開閉器の数。 ・融通によって供給元配電線が変化した区間数。 ・玉突き融通の有無(融通対象区間の隣接配電線以外の
配電線を融通配電線に使用したかどうか)。 ・未復旧の停電区間数。
【0086】図10の例で評価項目を下記の2点とする。 ・操作開閉器の数(局所的評価項目)。 ・融通後の予備力バランス(大局的評価項目)。 夫々初期値100ポイントから、 ・操作開閉器数1つにつき、 遠制開閉器の場合、1ポイント減点。 手動開閉器の場合、10ポイント減点。 ・融通後の予備力バランスがよい順に、1,3,6,1
0ポイント夫々減点。という評価関数で評価値をつけ
る。
【0087】又、各評価項目に対して、下記のように評
価係数を設定する。 ・操作開閉器の数に対し、係数0.5。 ・融通後の予備力バランスの評価に対し、係数0.5。
上記各々の場合の評価結果は下記となる。
【0088】・解アは 100 −(0.5×(1×2+5×
2)+0.5×10)=89ポイント。 ・解イは 100 −(0.5×(1×2+5×1)+0.5×6)
=93.5ポイント。 ・解ウは 100 −(0.5×(1×3+5×2)+0.5×3)
=92ポイント。 ・解エは 100 −(0.5×(1×4+5×2)+0.5×1)
=92.5ポイント。
【0089】ただし、開閉器番号が奇数の開閉器(T
1,T3,S1,S3,…)は遠制開閉器、偶数の開閉
器(T2,T4,S2,S4,…)は手動開閉器と仮定
した。又、評価手段6はこの結果を評価結果7として出
力する。図19に評価結果7の一例を示す。
【0090】上記実施の形態によれば、停電区間のある
途中解の評価に局所的評価項目を使用し、停電区間のな
い途中解の評価には大局的評価項目を使用するなど、途
中解の形態に従って、自由度の高い評価関数を作成する
ことができる。又、局所的評価項目のうち、玉突き融通
の有無や未復旧の停電区間数などは、[請求項2]にお
ける最適評価の融通解探索をする上で重要な項目である
ため、これら局所的,大局的評価項目をうまく組合せる
ことにより、最適評価の融通解をより早く探索すること
ができる。
【0091】([請求項6]に対応)図20は更に他の実
施の形態を示す構成図である。図20において、図1と同
一部分については同一符号を付して説明を省略する。本
実施の形態では融通ルートの検索に際して隣接する配電
線以外からのルートを検討対象とし、隣接配電線から融
通ができない場合に融通範囲を拡大するようにしたもの
である。従って、本実施の形態において新たに付加され
たものは、融通範囲データ63を設定又は拡大する融通範
囲限定手段61と、融通範囲拡大手段62とである。
【0092】次に作用について説明する。配電系統監視
制御装置1の有する融通範囲限定手段61は、融通解候補
の作成を開始する時に、与えられた系統データdから融
通範囲データ63を初期設定する。融通解候補作成手段2
が融通範囲データ63に対する融通解候補を作成していく
過程は[請求項1]で説明した通りであるが、この過程
である途中解について、融通しようとする配電線の予備
力が不足しているなどの理由で、適当な融通解候補を検
索することができないことが判明した場合、評価手段6
は融通範囲拡大手段62を起動すると共に、該当する途中
解を融通範囲拡大手段62に通知する。
【0093】融通範囲拡大手段62は、通知された途中解
及びその時の融通範囲データ63から、融通範囲の拡大方
向,拡大範囲を決定し、融通範囲データ63を更新する。
融通範囲データ63の更新(融通範囲の拡大)が終了する
と、融通範囲拡大手段62は再度融通解候補作成手段2を
起動し、融通解候補の作成を再開する。
【0094】図21は上記処理の流れを示すフローチャー
トである。先ず、ステップS61において、融通対象区間
を融通不能区間に限定し、初期設定を行なう。ステップ
S62では最初に融通すべき融通不能区間を選択する。融
通不能区間の選択が失敗すれば、即ち、融通不能区間が
なければ、融通が完了したと解釈し、処理を終了する
(ステップS63)。ステップS64では選択された融通不
能区間に対して、融通ルートを検索する。
【0095】融通ルートの作成には、[請求項1]で説
明したような、物理的につながっているルートを検索す
る方法をとり、融通不能区間から融通不能区間が隣接す
る配電線までをつなぐルートだけでなく、それを超える
範囲に至るルートも含めて作成する。ステップS65では
融通ルートの内容を分析する。
【0096】融通ルートの分析とは、この融通ルートを
仮に実行する際、融通範囲データ63に隣接する配電線の
予備力で融通ルートの累積負荷を供給することができる
かどうかを判定することである。ステップS66において
分析の結果、供給できなければ融通範囲の拡大が必要と
判断し、融通対象範囲を適切な方向に順次拡大する。こ
こまでの処理により、ステップS62で選択した区間の融
通不能は解消する。又、融通ルートを実行した結果、充
電となった区間についても融通不能は解消する。以上ス
テップS62〜ステップS66を繰り返す。
【0097】上記で説明した融通ルートでは、融通範囲
を拡大することによって、「多区間融通」の実現だけで
なく、「玉突き融通」や「健全融通」も実現している。
しかし、「玉突き融通」や「健全融通」に当たる融通範
囲の拡大を繰り返せば、隣接配電線の連系開閉器を全て
検索対象としていた従来の方法とほぼ同じ計算量を必要
としてしまうのは明らかである。
【0098】これを改善するために、本実施の形態では
ステップS64の融通ルートの生成において、以下の基本
戦略を導入することで、計算量を必要最小限に押さえる
ことができる。 ・優先的に、「多区間融通」タイプの融通ルートを生成
する。 ・評価手段6をステップS64に組み込み、最良の評価値
を持つ途中解のみ優先的に実行する。
【0099】上記実施の形態によれば、融通ルートの検
索において、隣接する配電線以外からのルートを検討対
象とし、隣接配電線から融通ができない場合に適宜融通
範囲を拡大していくことによって、従来の「玉突き融
通」,「健全融通」に相当する融通形態の生成が可能な
ばかりでなく、融通ルートの検索時に与える基本戦略に
よって計算量を減らすことができ、広範囲な融通範囲に
対する融通解を迅速に求めることができる。
【0100】([請求項7]に対応)図22は更に他の実
施の形態を示す構成図である。図22において、図1,図
12及び図14と同一部分については同一符号を付して説明
を省略する。本実施の形態では運用者による修正を融通
解に反映しようとするものであり、そのために新たに付
加したものは、融通解修正手段71と修正内容分析手段72
と評価係数調整手段73である。
【0101】次に作用について説明するが、配電系統監
視制御装置1の有する融通解候補作成手段2,解保存手
段4,評価手段6,評価手段6の有する評価関数8は、
[請求項1]及び[請求項3]で説明した方法と同様の
方法で融通解の候補を作成して途中解5として保存し、
評価係数31に基づいて途中解を評価して評価結果7を作
成する。又、解決定手段21は[請求項2]と同様の方法
で融通解23を決定し、運用者に提供する。
【0102】今、提供された融通解の修正を行なう必要
がある時、運用者は融通解修正手段71を用いて融通解を
修正する。融通解修正手段71は運用者の修正結果を修正
内容分析手段72に通知する。これを受けた修正内容分析
手段72は、修正後の融通解を評価関数8で評価し、評価
結果7に追加する。ここで、修正後の融通解が途中解5
に保存してある解のいずれかと一致する場合は、評価結
果7への追加は不要である。
【0103】更に、修正内容分析手段72は追加した評価
結果と、当初の融通解23の評価結果とで評価項目毎の評
価値を比較するなどの方法によって、運用者の考えてい
る評価係数と、設定されている評価係数との差異を分析
し、解析結果を評価係数調整手段73に通知する。評価係
数調整手段73は通知に基づいて評価係数31を調整する。
【0104】ここで調整した評価係数31は、運用者が修
正を加える都度蓄積される。従って、運用者が融通解に
対して同様の修正を繰り返すことによって、同じような
評価係数の調整が繰り返され、運用者の修正傾向に沿っ
て評価結果、即ち、評価順位が変化する。
【0105】評価係数の調整例を[請求項1]の例を用
いて説明する。図2の系統に対して図10に示す途中解候
補を作成し、それを[請求項1]及び[請求項3]にお
いて説明した評価関数8,評価係数31に基づいて図15の
ように評価したとする。解決定手段21は評価値の最もよ
い解イを融通解23と決定して運用者に提供する。
【0106】図7に示す通り、解イは全ての融通区間を
配電線F2から融通する解であり、操作する開閉器はT
1入,S3入,S2入である。この融通解に対して、運
用者がS3入を削除,S3切を追加,T2入を追加,S
7切を追加,T3切を追加という修正を行なったとす
る。
【0107】修正内容分析手段72はこの修正によって融
通後の系統にループや停電,過負荷等の矛盾が発生しな
いことをチェックした上で、修正結果が途中解5に保存
してある融通解と一致するかどうかを確認する。この例
の場合は、運用者の修正は他の融通解候補「解エ」と一
致しているため、修正内容の再評価と、再評価結果の評
価結果7への追加は不要である。
【0108】次に、修正内容分析手段72は最初に提供し
た解「解イ」と運用者が選択した解(修正することによ
って結果的に選択した解)「解エ」との差異を分析す
る。図15の評価結果によれば、評価係数を考慮する前の
各評価項目毎の各々の解の順位は、評価項目1では解イ
→解ア→解ウ→解エ、評価項目2では解ア=解イ→解ウ
=解エ、評価項目3では解エ→解ウ→解イ→解アとなっ
ている。
【0109】運用者の修正した解が解エであることか
ら、この例において運用者の判断した評価項目毎の重要
度は、評価項目3が最も高いということができる。修正
内容分析手段72は以上のような分析結果を評価係数調整
手段73に通知する。
【0110】評価係数調整手段73は修正内容分析手段72
からの通知内容に基づき、評価係数31を調整する。調整
の方法は、評価項目3の評価係数を若干上げる、評価項
目1〜3の評価係数の中で評価項目3の係数の相対値を
上げるために他の2つの評価係数を下げる、等によって
行なう。
【0111】このような評価係数の調整が一定回数繰り
返され、調整結果が蓄積されることにより、評価関数の
評価値が変化し、配電系統監視制御装置1が提供する融
通解が変化する。例えば、解算出時(運用者による修正
前)の評価係数設定値は、評価項目1=0.5,評価項
目2=0.3,評価項目3=0.2であるが、評価項目
3の評価係数を相対的に上げるという調整を繰り返した
結果、評価係数設定値が、評価項目1=0.2,評価項
目2=0.2,評価項目3=1.2まで変化したとき、
評価関数全体の評価値は、解エ→解ウ→解イ→解アの順
位となり、最も評価値のよいものとして解エが採用され
る。これは運用者の修正内容と同様の結果である。
【0112】上記実施の形態によれば、運用者の修正内
容を評価係数の調整として蓄積することにより、提供す
る融通解に、運用者の修正を反映することができる。
【0113】([請求項8]に対応)図23は更に他の実
施の形態を示す構成図である。図23において、図1,図
2及び図16と同一部分については同一符号を付して説明
を省略する。本実施の形態では運用者による修正を融通
解に反映しようとするものであり、そのために新たに付
加したものは、融通解修正手段71と修正内容分析手段72
と評価値調整手段81である。即ち、図22では評価係数を
調整するのに対し、本実施の形態では設備評価値を修正
するものである。
【0114】次に作用について説明するが、配電系統監
視制御装置1の有する融通解候補作成手段2,解保存手
段4,評価手段6,評価手段6の有する評価関数8は、
[請求項1]及び[請求項4]で説明した方法と同様の
方法で融通解の候補を作成して途中解5として保存し、
設備評価値41に基づいて途中解を評価して評価結果7を
作成する。又、解決定手段21は[請求項2]と同様の方
法で融通解23を決定し、運用者に提供する。
【0115】今、提供された融通解の修正を行なう必要
がある時、運用者が融通解を修正すると、融通解修正手
段71は[請求項7]と同様の方法で修正内容分析手段72
に通知する。修正内容分析手段72は修正後の融通解を評
価関数8で評価し、修正前の評価値と比較する等の方法
によって、設備評価値を調整する。ここで調整した設備
評価値は、[請求項7]の場合と同様に蓄積される。従
って、融通解に対して同様の修正を繰り返すことによっ
て解の評価結果が変化する。
【0116】設備評価値の調整例を[請求項4]の例を
用いて説明する。図10の途中解に対して、[請求項4]
の設備評価値及び評価関数を用いて、図17のように評価
し、評価値の最もよい解イを提供したとする。解イに対
し、運用者が解ウに相当する修正を行なったとき、修正
内容分析手段72は両方の解を比較し、違いを抽出する。
【0117】この場合の違いは、融通配電線としてF2
を使用するしかないか,開閉器T1を使用するしかない
か、であり、両方とも解イでは使用しているが、解ウで
は使用していない。従って、上記の修正内容から、設備
比較値の調整としては、下記が考えられる。・配電線F
1とF2は同系統であるが、融通配電線として使用しな
くするために減点ポイントを上げる。・開閉器T1は遠
制開閉器であるが、融通解として使用しなくするために
減点ポイントを上げる。
【0118】例えば、配電線F1とF2については、減
点ポイントを1でなく5とする,開閉器T1についえ
は、減点ポイントを1でなく6とする、と調整したと
き、解イの比較値は(解イ)100−(1+6+5)−
(5×3+10×0)=73ポイントとなり、解ウとの
差は修正前に比べて小さくなる。このような調整を繰り
返すことにより、上記例のような「融通解としてなるべ
く使用しない配電線」あるいは「なるべく使用しない開
閉器」が含まれる解候補の評価が悪くなり、解として採
用されにくくなる。
【0119】上記実施の形態によれば、運用者の修正内
容を設備評価値の調整として蓄積することにより、提供
する融通解に、運用者の修正を反映することができる。
【0120】([請求項9]に対応)図24は更に他の実
施の形態を示す構成図である。図24において、図1,図
12,図14,図16,図22及び図23と同一部分については同
一符号を付して説明を省略する。本実施の形態では運用
者が融通解を修正するときに、修正理由を入力するよう
にしたものである。そのために新たに付加したものは修
正理由入力手段91である。なお、この場合の評価関数8
としては、評価係数31と設備評価値41とを有しており、
従って、夫々に対応した評価係数調整手段73と設備評価
値調整手段81を備えている。
【0121】次に作用について説明するが、配電系統監
視制御装置1の有する融通解候補作成手段2,解保存手
段4,評価手段6,評価手段6の有する評価関数8は、
[請求項1]及び[請求項3]で説明した方法と同様の
方法で融通解の候補を作成して途中解5として保存し、
途中解を評価して評価結果7を作成する。又、解決定手
段21は[請求項2]と同様の方法で融通解23を決定し、
運用者に提供する。
【0122】今、提供された融通解の修正を行なう必要
がある時、運用者は融通解修正手段71を用いて融通解を
修正すると共に、修正理由入力手段91を用いて修正した
理由を入力する。この時、運用者が入力できる修正理由
として、評価関数8の各評価項目の順位づけ、即ち、評
価係数31の優先順位を入力することにすれば、修正内容
分析手段72は評価係数調整手段73にその優先順位を通知
することができる。修正理由の入力項目としては、他
に、特定の設備に対して、[請求項4]で述べた設備毎
の評価値が高すぎる/低すぎる、など、設備評価値につ
いての内容でもよい。
【0123】上記実施の形態によれば、運用者が融通解
を修正する際に修正理由を入力することにより、修正理
由から、調整の必要な各種係数を容易に導き出すことが
できる。
【0124】([請求項10]に対応)図25は更に他の
実施の形態を示す構成図である。図25において、図1,
図12及び図22と同一部分については同一符号を付して説
明を省略する。本実施の形態では類似事例をデータベー
ス化して設けたものである。そのために新たに設けたも
のは、系統編集手段101 、事例保存手段102 、類似事例
検索手段103 、編集前系統状態データd1、編集後系統
データd2、事例データベース104 、類似事例105 を有
している。なお、系統データdは、融通解候補作成開始
時の系統データである系統データd0を有している。
【0125】次に作用について説明するが、配電系統監
視制御装置1の有する融通解候補作成手段2,解保存手
段4,評価手段6は、[請求項1]及び[請求項3]で
説明した方法と同様の方法で融通解の候補を作成/評価
して評価結果7を作成する。又、解決定手段21は[請求
項2]と同様の方法で融通解23を決定し、運用者に提供
する。
【0126】今、提供された融通解の修正を行なう必要
がある時、運用者は融通解修正手段71を用いて融通解を
修正するが、この融通解修正手段71は運用者からの修正
を受け付けると、系統編集手段101 を起動する。系統編
集手段101 は系統データd0に融通解23を反映させた系
統データを編集前系統データd1、系統データd1に運
用者の修正内容を反映した系統データを編集後系統デー
タd2として、夫々保存すると共に、事例保存手段102
を起動する。事例保存手段102 は系統データd0,d
1,d2を関連付け、一組として(d0,d1,d2)
の形で事例データベース104 に保存する。ここで、夫々
の系統データdn(n=0,1,2)は、以下のものが
あるが、その他の項目でもよい。
【0127】・フィーダの供給量,供給予備力。 ・開閉器のオン/オフ。 ・負荷の融通有無、融通されていれば供給フィーダ。 ・計算開始時の予備力バランス。 ・計算開始時の最大電圧降下量。
【0128】この事例データベース104 は配電系統監視
制御装置1が出力した融通解23を、運用者が修正するた
びに蓄積される。又、事例データベース104 はリレーシ
ョナルデータベース,オブジェクト指向データベース,
ISAMファイルシステムなど、様々なモデルのデータ
ベースで構築してもよい。
【0129】上記のようにして、事例データベース104
に事例が数多く蓄積された後、新たに融通解を求める必
要が生じた場合、融通解候補作成手段2は、先ず、類似
事例計算手段103 を起動する。類似事例計算手段103 は
これから作成しようとしている融通解の計算開始時の系
統データd0x と、事例データベース104 に保存されて
いるn個の事例が持つ計算開始時の系統データd01 ,
d02 ,…,d0n を比較して、類似している事例の候
補を検索する。
【0130】事例が類似しているとは、下記のような系
統状態についての各データ項目を比較し、データどうし
の近さ遠さを総合的に判断した結果、データどうしが
「近い」と判断されることである。 ・フィーダの供給量、供給予備力。 ・開閉器のオン/オフ。 ・負荷の融通有無、融通されていれば供給フィーダ。 ・計算開始時の予備力バランス。 ・計算開始時の最大電圧降下量。
【0131】この総合的な判断を行なうために、例え
ば、類似度関数TSim(d0x ,d0n )=ΣWi×
Sim(i,d0x ,d0n )などの加重平均型の関数
を用いる。ここで、d0x は今回の計算開始時の系統状
態、d0n は事例nにおける計算開始時の系統状態、W
iは系統状態における各データ項目iの重み、Simは
各データ項目i単位での類似度計算関数を表している。
ここでは、d0x とd0n が類似していればいるほど、
TSim(d0x ,d0n )の値が大きくなると仮定す
る。
【0132】類似事例検索手段103 の検索の結果、類似
している事例が発見された場合には、類似事例検索手段
103 は類似事例105 を融通解23の代わりとして運用者に
提供する。類似事例が発見できなかった場合、融通解候
補検索手段2は[請求項1]で述べた融通解の探索/評
価を実施し、融通解23を提供する。
【0133】上記実施の形態によれば、類似事例が事例
データベースに存在する場合、融通解候補を作成,評価
するという手段を用いる必要がないため、迅速に融通解
を提供することができる。
【0134】([請求項11]に対応)図26は更に他の
実施の形態を示す構成図である。図26において、図1,
図12及び図25と同一部分については同一符号を付して説
明を省略する。本実施の形態では類似事例がデータベー
スに存在するとき、運用者の修正を検索された事例に照
らし合わせて評価関数及び評価関数の構成要素を自動調
整するようにしたものである。又、そのために新たに付
加された構成は事例調整手段111 である。
【0135】次に作用について説明するが、配電系統監
視制御装置1の有する融通解候補作成手段2,解保存手
段4,評価手段6は、[請求項1]及び[請求項3]で
説明した方法と同様の方法で融通解の候補を作成/評価
して評価結果7を作成する。又、解決定手段21は[請求
項2]と同様の方法で融通解23を決定し、運用者に提供
する。
【0136】今、提供された融通解の修正を行なう必要
がある時、運用者は融通解修正手段71を用いて融通解を
修正する。融通解修正手段71が系統編集手段101 を起動
し、事例保存手段102 によって事例データベース104 に
事例を蓄積する方法については、[請求項10]にて説
明した通りである。事例データベース104 は[請求項1
0]にて説明したように、(計算開始時の系統状態、融
通後の系統状態、編集後の系統状態)=(d0,d1,
d2)の形をとる。系統状態dnの内容は[請求項1
0]で説明した通りである。
【0137】新たに融通解を求める必要が生じた場合、
[請求項10]の場合と同様に、融通解候補作成手段2
は類似事例検索手段103 を起動し、類似事例105 を検索
する。類似事例105 が検索されると、類似事例検索手段
103 は事例調整手段111 を起動する。事例調整手段111
は検索された類似事例105 から融通解を補正/修正す
る。
【0138】事例調整手段111 が融通解を補正する方法
を、例を用いて説明する。本発明においては、融通解を
求める際には、評価手段6の有する評価関数8及び評価
係数31を利用することから、事例調整手段111 の説明で
は、評価係数31の調整例を使用する。
【0139】今、評価関数8の評価項目として下記の4
項目を考えると、評価関数8は、評価関数8:F=ΣW
i×Fi(i=1,4)と表すことができる。ここで、
Wiは評価項目Fiの評価係数31である。 ・評価項目F1:操作開閉器の数。 ・評価項目F2:融通後の予備力バランス。 ・評価項目F3:融通後の最大電圧降下量。 ・評価項目F4:融通によって供給元配電線が変化した
区間数。
【0140】[請求項10]に説明した方法で、類似事
例105 を検索すると、事例調整手段111 は類似事例105
の持つ系統データ(d0n ,d1n ,d2n )及び今回
修正し事例として保存した系統データ(d0x ,d1x
,d2x )について、NWi=Wi+C×TSim
(d0x ,d0n )×[Fi(d2x )−Fi(d1x
)]の計算を行ない、調整結果であるところの新たな
評価係数NWi(i=1〜4)を得る。
【0141】上記計算式で、d0x は今回の計算開始時
の系統状態、d0n は事例nにおける計算開始時の系統
状態、Cは定数値、TSim(d0x ,d0n )はd0
x とd0n の類似度、Fi(djx )(j=1,2)は
今回の編集前後の系統状態に対する評価関数Fの各評価
項目Fiの値を夫々示す。
【0142】ここでは、[請求項10]と同様にd0x
とd0n が類似していればいるほど、TSim(d0x
,d0n )の値が大きくなると仮定しているので、類
似していればいるほど大きな調整を与えることになり、
その結果、運用者の意図を調整に反映させることができ
る。
【0143】上記実施の形態によれば、類似事例が事例
データベースに存在する場合、運用者の修正を検索され
た事例に照らし合わせて評価関数及び評価関数の構成要
素を自動調整することにより、運用者の修正内容を蓄積
し、融通解の作成に反映することができる。
【0144】([請求項12]に対応)図27は更に他の
実施の形態を示す構成図である。本実施の形態では融通
手順の作成の途中で複数の候補が生じた場合に、運用者
の判断で候補を選択するものである。図27において、配
電系統監視制御装置1は、系統定義データaと系統状態
データbとからなる系統データdと、融通手順作成手段
121 、ルート候補122 、融通ルート出力手段123 、融通
ルート選択手段124 を有している。
【0145】次に作用について説明すると、配電系統監
視制御装置1の有する融通手順作成手段121 は、融通手
順を作成する過程で候補として挙がった融通ルートが複
数ある場合に手順の作成処理を中断し、それらをルート
候補122 に保存し、融通ルート出力手段123 を起動す
る。
【0146】融通ルート出力手段123 はルート候補122
内の融通ルートを、運用者にわかりやすい形で出力す
る。運用者は出力された融通ルート候補の中から、使用
したいルートを選択する。融通ルート選択手段124 は運
用者が選択した融通ルートを、融通手順作成手段121 に
通知する。そして、融通手順作成手段121 は運用者が選
択した融通ルートを採用して、融通手順の作成を再開す
る。
【0147】図28は融通手順作成の方法を表すフローチ
ャートである。以下、図28の処理について[請求項1]
の実施の形態で説明した系統の例を用いて説明する。説
明に際し、融通手順作成手段121 の手順作成方法を、
[請求項1]の融通解候補作成手段2での方法と同様と
する。図28で[請求項1]の図3と同様の部分には同じ
番号を付ける。
【0148】融通手順作成手段121 は[請求項1]に述
べた方法で、最初に融通すべき区間及びその区間への融
通ルートを検索する(ステップS21〜ステップS23)。
検索の結果、融通ルート(K3−T1−K5−S4−
K4−F2)及び融通ルート(K3−S3−K2−T
2−K8−S6−K7−F3)をルート候補として発見
した時点で手順作成処理を中断し(ステップS121 )、
これらをルート候補122 に保存すると共に、融通ルート
出力手段123 に出力を要求する(ステップS122 )。
【0149】融通ルート出力123 は2つの融通ルート候
補を運用者に対して出力する。出力の方法は、融通対象
区間及びその区間への融通ルートを通過する設備名称を
列挙する/配電系統図上の融通ルートに相当する部分を
色替えする/などが考えられるが、その他の方法でもよ
い。
【0150】出力された融通ルートのうち、運用者は各
自の判断でどれを融通ルートとして採用するかを選択す
る。運用者の判断としては、例えば、「融通ルートを
採用した場合は残りの融通対象区間K1,K2を配電線
F3から融通することができるが、融通ルートの場合
はF3の予備力(30A)では残りの融通対象区間K1
に融通することができないため、融通ルートを選択す
る」というようなものが考えられる。
【0151】融通ルート選択手段124 はこのようにして
選択された結果を、融通手順作成手段121 に通知する。
融通手順作成手段121 は融通ルート選択手段124 からの
通知を受け、融通手順の作成を再開する(ステップS12
3 )。融通手順作成手段121は融通ルートを実行(ステ
ップS24)し、融通対象区間の再設定(ステップS25)
と処理を続け、最終的な融通解として図6の解アと同様
の解を導き出すことができる。これは運用者が融通ルー
トを選択する際に想定した融通解と同じものである。
【0152】上記実施の形態によれば、融通手順を作成
する途中で複数の候補が生じた場合に、運用者の判断で
候補を選択して、最終的な融通解を決定するため、運用
者にとってわかりやすく、納得のできる融通手順を作成
することができる。
【0153】([請求項13]に対応)図29は更に他の
実施の形態を示す構成図である。本実施の形態では融通
ルートの検索の経緯及び融通ルートの実行による系統状
態の変化を出力するようにしたものである。図29におい
て、図1と同一部分については同一符号を付して説明を
省略する。図29において新たに付加したものは、融通計
算説明手段131 、融通ルート検索情報132 、仮系統状態
データ133 、出力手段134 である。
【0154】次に作用について説明する。図30は融通解
候補作成手段2と融通計算説明手段131 との連動関係を
表すフローチャートである。図30において、図3と同様
の部分には同一符号をつける。そして、夫々のステップ
では次の処理を行なう。
【0155】融通解候補作成手段2は初めに融通計算説
明手段131 を起動する(ステップS131 )。融通ルート
を検索すると(ステップS22)、融通ルート上の累積負
荷を配電線容量と比較をした後(ステップS23)、融通
ルート検索情報132 を作成し、融通検索説明手段131 に
通知する。
【0156】ここで、融通検索説明手段131 としては、
今回融通対象となっている停電区間,供給配電線,融通
ルート上の経由設備群,融通ルート上の累積負荷,融通
によって新たに生じる停電区間群の有無等が考えられ
る。融通計算説明手段131 は融通解候補作成手段2から
通知を受けると、融通ルート検索情報132 を取得し、出
力手段134 を通じて運用者に出力する(ステップS134
)。
【0157】次に、融通解候補作成手段2は融通ルート
を実行する(ステップS24)。その際、初期の系統状態
データbとは、充停電状態や負荷状況が異なるため、融
通ルート実行後の系統を、仮系統状態データ133 として
保存する(ステップS133 )。
【0158】ここで、仮系統状態データ133 としては、
全設備又は状態に変化のあった設備の区間負荷,配電線
電流値,開閉器入切状態等が考えられる。融通計算説明
手段131 は融通解候補作成手段2から通知を受けると、
仮系統状態データを取得し、出力手段134 を通じて運用
者に出力する(ステップS135 )。
【0159】図2において既に説明した通り、区間K
1,K2,K3が融通対象区間であるとき、融通解候補
作成手段2は融通対象区間のうち、最初に融通すべき区
間を選択する(ステップS21)。選択条件としては、連
系点から最も遠い区間/区間負荷が最も大きい区間/連
系点が最も少ない区間等が考えられるが、その他の条件
もしくは任意の区間でもよい。
【0160】最初に融通すべき区間としてK3を選択し
た後、K3への電源供給の可能性のある配電線を計算す
る(ステップS22)。計算は、例えば、K3に物理的に
接続している開閉器→区間→開閉器…とたどり、供給元
である配電線(F1,F2,…)を見つけるという方法
をとる。
【0161】この方法で検索した場合のK3への融通ル
ートとして、先ず、K3−T1−K5−S4−K4−
F2を見つけたとする。融通ルート上の累積負荷を配電
線容量と比較した後(ステップS23)、融通ルート検索
情報132 として、例えば、以下のような情報を保存する
(ステップS132 )。
【0162】 ・融通対象停電区間:K3。 ・供給配電線:F2。 ・経由設備群;K3−T1−K5−S4−K4−F2。 ・融通ルート累積負荷:70+50+30=150A。 ・融通実施による新たな停電区間発生:無。
【0163】融通検索説明手段131 は取得した融通ルー
ト検索情報132 を、運用者に向けて出力する(ステップ
S134 )。出力例を図31に示す。次に、融通解候補作成
手順2は融通ルートを実行する(ステップS24)。融
通ルート実行により系統状態は変化する。仮系統状態て
て133 として、例えば、以下のような情報を保存する
(ステップS133 )。
【0164】 ・停電から充電に変化した区間:K3。 ・充電から停電に変化した区間:なし。 ・切から入に変化した開閉器:T1。 ・入から切に変化した開閉器:なし。
【0165】融通検索説明手段131 は取得した仮系統状
態データ133 を、運用者に向けて出力する(ステップS
135 )。出力例を図32に示す。このようにして、融通解
候補作成手段2が融通ルートの検索・実行を繰り返すこ
とにより(ステップS21〜ステップS133 )、融通ルー
ト情報132 と仮系統状態データ133 がその都度出力され
る(ステップS134 ,S135 )。
【0166】上記の融通計算説明手段131 による出力
は、融通ルートの検索・実行の都度ではなく、融通計算
終了後に一括して出力してもよい。融通計算説明手段13
1 が一括出力する場合の、融通解候補作成手段2と融通
計算説明手段131 との連動関係を表すフローチャートを
図33に示す。以下、相違する部分のみ説明する。
【0167】融通解候補作成手段2は融通ルートを計算
すると(ステップS22)融通ルート検索情報132 を(ス
テップS132 )、又、融通ルートを実行すると(ステッ
プS24)仮系統状態データ133 を(ステップS133 )、
夫々累積保存しておく。融通解候補作成手段2は融通解
を作成終了すると、融通計算説明手段131 を起動する
(ステップS131 )。
【0168】融通計算説明手段131 は融通解候補作成手
段2において保存した融通ルート検索情報132 と仮系統
状態データ133 を取得し、出力手段134 を通じて運用者
に出力する(ステップS134 ,S135 )。出力例は、図
31及び図32と同様である。
【0169】上記実施の形態によれば、運用者は融通ル
ートの探索の経緯及び融通ルートの実行による系統状態
の変化を知ることにより、融通計算の経緯を検証、又は
融通解の妥当性を判断することができる。
【0170】([請求項14]に対応)図34は更に他の
実施の形態を示す構成図である。本実施の形態では融通
ルートの検索や実行による系統状態の変化を配電線路図
上に視覚的に表示しようとするものである。図34におい
て、図1,図14と同一部分については同一符号を付して
説明を省略する。図34において新たに付加されたもの
は、配電線路図出力手段141 、融通ルート検索情報132
、仮系統状態データ133 、出力手段134 である。
【0171】次に作用について説明する。図35は融通解
候補作成手段2と配電線路図出力手段141 との連動関係
を表すフローチャートである。図35において、図3,図
30と同様の部分には同一符号をつける。夫々のステップ
では次の処理を行なう。
【0172】融通解候補作成手段2は初めに配電線路図
出力手段141 を起動する(ステップS141 )。融通ルー
トを検索すると(ステップS22)、融通ルート上の累積
負荷を配電線容量と比較をした後(ステップS23)、融
通ルート検索情報132 を作成し、配電線路図出力手段14
1 に通知する。融通ルート検索情報132 については、
[請求項3]で述べた通りである。
【0173】配電線路図出力手段141 は融通解候補作成
手段2から通知を受けると、融通ルート検索情報132 を
取得し、当該融通ルートを、色替え・強調・点滅・シン
ボル変更など、視覚的に識別できる方法により配電線路
図上に表示する(ステップS142 )。
【0174】次に、融通解候補作成手段2は融通ルート
を実行する(ステップS24)。その際、初期の系統状態
データbとは、充停電状態や負荷状況が異なるため、融
通ルート実行後の系統を、仮系統状態データ133 として
保存する(ステップS133 )。仮系統状態データ133 に
ついては、[請求項13]で述べた通りである。
【0175】配電線路図出力手段141 は仮系統状態デー
タ133 を取得し、配電線路図上に表示されている系統状
態(開閉器の入切状態や区間の充停電状態を表す色表
示,区間/配電線負荷を表す数値データなど)を更新す
る(ステップS143 )。
【0176】融通解候補作成手段2は融通解を見つける
まで融通ルートの探索及び融通を繰り返すため、融通解
候補作成手段2と連動する配電線路図出力手段141 によ
り、配電線路図上には検討中の融通ルート及び仮系統状
態の変化が動画的に表示される。
【0177】図2における融通解候補作成手段2の融通
ルート検索情報132 及び仮系統状態データ133 の作成方
法については、[請求項13]の実施の形態と同様であ
る。[請求項13]の実施の形態において融通ルート
を検索・実行した場合の、配電線路図出力手段141 が行
なう融通ルート検索情報132 の出力例を図36に、仮系統
状態データ133 の出力例を図37に、夫々示す。
【0178】上記実施の形態によれば、運用者は融通ル
ートの探索や実行による系統状態の変化を配電線路図上
に視覚的にとらえられることにより、融通計算の経緯を
検証、又は融通解の妥当性をより正確に判断することが
できる。
【0179】([請求項15]に対応)図38は更に他の
実施の形態を示す構成図である。本実施の形態では評価
基準となるデータを出力するものである。図38におい
て、図1,図14と同一部分については同一符号を付して
説明を省略する。図38における構成上の特徴は評価関数
説明手段151 、出力手段134 を設けたことである。
【0180】次に作用について説明する。配電系統監視
制御装置1において、融通解候補作成手段2によって系
統データdより融通解候補3を作成し、解保存手段4に
よって融通解候補3を途中解5として保存するまでは、
[請求項1]に同じである。評価手段6は保存してある
途中解5を評価関数8によって評価すると共に、評価関
数説明手段151 を起動する。評価関数説明手段151 は評
価手段6が使用する評価関数8のデータ及び評価結果7
を取得する。
【0181】評価関数8のデータとしては、例えば、下
記のものが考えられる。 ・評価に使用した開閉器操作の設備評価値。 ・評価に使用した供給元配電線変化区間の設備評価値。 ・各評価項目に対する評価係数。
【0182】評価結果7のとしては、例えば、下記のも
のが考えられる。 ・全開閉器操作に関する総評価値。 ・全供給元配電線変化区間の総評価値。 ・玉突き融通の回数に対する評価値。 ・融通後の予備力バランスに対する評価値。 ・融通後の最大電圧降下量に対する評価値。
【0183】評価関数説明手段151 はこれら評価関数8
のデータ及び評価結果7を、出力手段134 を通じて運用
者に出力する。
【0184】図10の例において、解アの評価についての
評価関数説明手段151 の出力例を図39に示す。ただし、
評価項目を下記の3点とする。 ・操作開閉器の数。 ・玉突き融通の数。 ・融通後の予備力バランス。 夫々初期値100ポイントから、 ・操作開閉器数1つにつき5ポイント減点。 ・玉突き融通ありの場合10ポイント減点。 ・融通後の予備力バランスがよい順に1,3,6,10
ポイント夫々減点。という評価関数で評価値をつけると
する。
【0185】又、各評価項目に対して、下記のように評
価係数を設定する。 ・操作開閉器の数に対し、係数0.5。 ・玉突き融通有無の評価に対し、係数0.3。 ・融通後の予備力バランスの評価に対し、係数0.2。
【0186】上記実施の形態によれば、運用者は評価基
準となるデータを知ることによって最適と評価される融
通解の妥当性をより正確に検証することができる。又、
[請求項7]などのように、計算機が運用に即した融通
解を学習可能である場合には、運用者は計算機の学習結
果を認知することができる。
【0187】([請求項16]に対応)図40は更に他の
実施の形態を示す構成図である。本実施の形態では融通
手順作成時の運用者の好み,癖などを反映した融通解を
得ようとするものである。図40において、図1,図22,
図23と同一部分については同一符号を付して説明を省略
する。そして構成上の特徴は、評価係数保存手段161 、
運用者識別手段162 、運用者毎係数データ163 にある。
【0188】次に作用について説明する。配電系統監視
制御装置1において、融通解候補作成手段2によって系
統データdより融通解候補3を作成し、解保存手段4に
よって融通解候補3を途中解5として保存し、評価手段
6によって評価結果7を出力し、解決手段21によって融
通解23を決定することについては、[請求項1]及び
[請求項2]の実施の形態に同じである。
【0189】又、運用者が融通解修正手段71を用いて手
順を修正した内容が、修正内容分析手段72によって分析
され、評価係数調整手段73と設備評価値調整手段81によ
って評価関数8の評価係数31及び設備評価値41が調整さ
れることについては、[請求項7]及び[請求項8]の
実施の形態にて述べた通りである。
【0190】運用者識別手段162 は運用者を名前・パス
ワード等で識別しておく。評価係数保存手段161 は調整
済みの評価係数31及び設備評価値41を、運用者識別手段
162によって識別された運用者情報と共に、運用者毎係
数データ163 に保存する。
【0191】運用者毎係数データ163 としては、例え
ば、下記のものなどが考えられるが、これらの一部又は
その他の項目でもよい。 ・運用者情報(ID番号,名前,パスワード等)。 ・各評価項目に関する評価係数。 ・全設備(開閉器,区間)の設備評価値。
【0192】次に、運用者が配電系統監視制御装置1に
おいて、融通解23の手順を作成する際の実施の形態を説
明する。運用者識別手段162 は運用者を名前,パスワー
ド等で識別する。運用者識別手段162 は識別した運用者
に該当する運用者毎係数データ163 を取出し、評価係数
調整手段73及び設備評価値調整手段81に通知する。
【0193】評価係数調整手段73及び設備評価値調整手
段81は、評価手段6で使用する評価関数8の、評価係数
31と設備評価値41を運用者毎係数データ163 に置き換え
る。その後、運用者の指示に従って、融通解候補作成手
段2の実行を開始する。以降の処理は、[請求項1],
[請求項2],[請求項7]及び[請求項8]の実施の
形態にて述べた通りである。
【0194】上記実施の形態によれば、融通手順作成時
の運用者の好み,癖などを反映した融通解を作成するよ
うな学習が可能である。使用回数に伴なって、各運用者
にとって最適と思われる融通手順を算出することができ
るようになる。
【0195】([請求項17]に対応)図41は更に他の
実施の形態を示す構成図である。本実施の形態では配電
系統監視制御装置内の各手段を必要により活殺できるよ
うにしたものである。図41において、図1と同一部分に
ついては同一符号を付して説明を省略する。図41の図1
との差異は機能活殺手段171 を設けたことである。
【0196】次に採用について説明する。[請求項1]
から[請求項16]に述べた手段を有する配電系統監視
制御装置1において、予めあるいは運用者の指示によ
り、機能活殺手段171 によって[請求項1]から[請求
項16]の任意の機能を活殺する。配電系統監視制御装
置1は機能活殺手段171 によって指定された配電系統の
負荷融通形態決定方式に従い、上述した[請求項1]か
ら[請求項16]の該当手段を起動する。各手段の機能
については、[請求項1]から[請求項16]の実施の
形態にて説明した通りである。
【0197】上記実施の形態によれば、[請求項1]か
ら[請求項16]から述べた手段を予めあるいは必要に
応じて活殺できることにより、配電系統の負荷融通形態
決定方式を状況又は必要に応じて変更することができ
る。
【0198】上記した各説明において記載した手法は、
コンピュータに実行させることのできるプログラムとし
て、例えば磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリな
どの記録媒体に書き込んで、各種装置に適用したり、通
信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能で
ある。又、これらを実現するコンピュータは、記録媒体
に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムに
よって動作が制御されることにより、上述した処理を実
行する。
【0199】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば計
算時間を短縮すると共に、融通形態算出の経緯及び計算
量を少なくして、実用的な応答性と保証性を保証でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の[請求項1]の構成を示す図。
【図2】本発明の[請求項1]の融通解候補作成例にて
使用する融通対象系統を示す図。
【図3】本発明の[請求項1]の融通解候補作成手段の
処理の流れを示す図。
【図4】本発明の[請求項1]の融通解候補作成手段に
よる融通ルートの実行結果を示す図。
【図5】本発明の[請求項1]の融通解候補作成手段に
よる融通ルートの実行結果を示す図。
【図6】本発明の[請求項1]の融通解候補作成手段に
て求めた融通解候補アを示す図。
【図7】本発明の[請求項1]の融通解候補作成手段に
て求めた融通解候補イを示す図。
【図8】本発明の[請求項1]の融通解候補作成手段に
て求めた融通解候補ウを示す図。
【図9】本発明の[請求項1]の融通解候補作成手段に
て求めた融通解候補エを示す図。
【図10】本発明の[請求項1]の途中解保存手段にて保
存される途中解の一例を示す図。
【図11】本発明の[請求項1]の評価手段にて出力され
る評価結果の一例を示す図。
【図12】本発明の[請求項2]の構成を示す図。
【図13】本発明の[請求項2]の評価手段による解の評
価推移を示す図。
【図14】本発明の[請求項3]の構成を示す図。
【図15】本発明の[請求項3]の評価手段にて出力され
る評価結果の一例を示す図。
【図16】本発明の[請求項4]の構成を示す図。
【図17】本発明の[請求項4]の評価手段にて出力され
る評価結果の一例を示す図。
【図18】本発明の[請求項5]の構成を示す図。
【図19】本発明の[請求項5]の評価手段にて出力され
る評価結果の一例を示す図。
【図20】本発明の[請求項6]の構成を示す図。
【図21】本発明の[請求項6]の融通解候補作成の処理
の流れを示す図。
【図22】本発明の[請求項7]の構成を示す図。
【図23】本発明の[請求項8]の構成を示す図。
【図24】本発明の[請求項9]の構成を示す図。
【図25】本発明の[請求項10]の構成を示す図。
【図26】本発明の[請求項11]の構成を示す図。
【図27】本発明の[請求項12]の構成を示す図。
【図28】本発明の[請求項12]の融通手順作成の処理
の流れを示す図。
【図29】本発明の[請求項13]の構成を示す図。
【図30】本発明の[請求項13]の融通解候補作成手段
と融通計算説明手段の処理の流れを示す図。
【図31】本発明の[請求項13]の融通計算説明手段の
出力する融通ルート検索情報を示す図(8その1)。
【図32】本発明の[請求項13]の融通計算説明手段の
出力する仮系統状態データを示す図。
【図33】本発明の[請求項13]の融通解候補作成手段
と融通計算説明手段の処理の流れを示す図(その2)。
【図34】本発明の[請求項14]の構成を示す図。
【図35】本発明の[請求項14]の融通解候補作成手段
と融通計算説明手段の処理の流れを示す図。
【図36】本発明の[請求項14]の配電線路図出力手段
の出力する融通ルート検索情報を示す図。
【図37】本発明の[請求項14]の配電線路図出力手段
の出力する仮系統状態データを示す図。
【図38】本発明の[請求項15]の構成を示す図。
【図39】本発明の[請求項15]の評価関数説明手段の
出力する評価関数及び評価結果を示す図。
【図40】本発明の[請求項16]の構成を示す図。
【図41】本発明の[請求項17]の構成を示す図。
【図42】従来装置の構成を示す図。
【図43】従来装置の融通形態検索手段の処理の流れを示
す図。
【符号の説明】
1 配電系統監視制御装置 2 融通解候補作成手段 3 融通解候補 4 解保存手段 5 途中解 6 評価手段 7 評価結果 8 評価関数 21 解決定手段 22 解決定条件 23 融通解 28 第2の評価関数 31 評価係数 32 評価係数設定手段 41 設備評価値 42 評価値設定手段 51 大局的評価項目 52 局所的評価項目 61 融通範囲限定手段 62 融通範囲拡大手段 63 融通範囲データ 71 融通解修正手段 72 修正内容分析手段 73 評価係数調整手段 81 評価値調整手段 91 修正理由入力手段 101 系統編集手段 102 事例保存手段 103 類似事例検索手段 104 事例データベース 105 類似事例 111 事例調整手段 121 融通手段作成手段 122 ルート候補 123 融通ルート出力手段 124 融通ルート選択手段 131 融通計算説明手段 132 融通ルート検索情報 132 仮系統状態データ 141 配電線路図出力手段 151 評価関数説明手段 161 評価係数保存手段 162 運用者識別手段 163 運用者毎係数データ 171 機能活殺手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 雅一 神奈川県川崎市幸区柳町70 株式会社東芝 柳町工場内 Fターム(参考) 5G064 AC05 AC08 BA07 BA12 CB03 CB14 DA01 5G066 AA04 AA07 AA08 AE04 AE05 AE07 AE09

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配電系統の事故時、平常時操作時等の系
    統切替え(負荷融通)に際し、開閉器の操作手順を自動
    的に算出する機能を有する配電系統監視制御装置におい
    て、複数の融通手順解の候補を作成する融通解候補作成
    手段と、前記複数の融通解の候補を途中解として保存す
    る途中解保存手段と、前記保存された途中解を評価関数
    によって評価する評価手段とを備えたことを特徴とする
    配電系統監視制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の配電系統監視制御装置に
    おいて、評価関数の評価値が最もよいものを融通解とし
    て採用する解決定手段を備えたことを特徴とする配電系
    統監視制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の配電系統監視制御装置に
    おいて、複数の融通解を評価する評価関数の各評価項目
    に対して、条件としての重要度を示す評価係数を設定す
    る評価係数設定手段を設けたことを特徴とする配電系統
    監視制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の配電系統監視制御装置に
    おいて、操作開閉器候補の選出条件として、当該開閉器
    や区間等の配電系統を構成する設備の種別,設置場所及
    び所属配電線等の情報に基づく評価値を設定する評価値
    設定手段を設けたことを特徴とする配電系統監視制御装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の配電系統監視制御装置に
    おいて、融通解の評価関数として、融通後の系統全体を
    評価する大局的な評価項目と、個々の開閉器や区間の状
    態を評価する局所的な評価項目とを設けたことを特徴と
    する配電系統監視制御装置。
  6. 【請求項6】 配電系統の事故時、平常時操作時等に負
    荷融通手順を作成する機能を有する配電系統監視制御装
    置において、融通対象区間を所定範囲に限定する手段
    と、前記所定範囲内にて融通手順を作成しても融通不能
    範囲が残る場合に、融通対象範囲を適切な方向に順次拡
    大する手段と、拡大した融通対象範囲に対して再度融通
    手順を計算する手段とを備え、広範囲な融通対象に対す
    る融通手順を迅速に算出可能とすることを特徴とする配
    電系統監視制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の配電系統監視制御装置に
    おいて、計算の結果提供した融通手順を対話形式で修正
    する融通解修正手段と、運用者が融通手順を修正した場
    合に修正前後の手順を分析する修正内容分析手段と、前
    記分析結果に基づいて評価項目毎の重要度を示す評価係
    数を調整する評価係数調整手段とを有し、運用者の修正
    を次回からの融通手順作成に反映することを特徴とする
    配電系統監視制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の配電系統監視制御装置に
    おいて、運用者の修正内容を分析する修正内容分析手段
    の分析結果に基づいて設備毎の評価値を調整する評価値
    調整手段を備え、運用者の修正を次回からの融通手順作
    成に反映することを特徴とする配電系統監視制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は請求項8記載の配電系統監
    視制御装置において、運用者が融通手順を対話形式で修
    正する際に、合わせて修正理由を示す情報を入力する修
    正理由入力手段を備えたことを特徴とする配電系統監視
    制御装置。
  10. 【請求項10】 配電系統の事故時、平常時操作時の負
    荷融通計算手段を有する配電系統監視制御装置におい
    て、計算開始時の系統状態及び融通対象範囲などの条件
    を保存する手段と、各条件下で融通計算した時の融通ル
    ートを条件と関連付けて保存する手段と、新たに融通計
    算を実施する必要が生じた場合に、今回計算する系統状
    態,融通対象範囲などの条件と既に保存してある条件と
    の類似状況を判断する手段と、条件に類似性がある場合
    に保存してある融通ルートを結果として提供する手段
    と、類似性がない場合には融通ルートの計算を開始する
    手段とを備え、融通計算の実施回数を減らしてより迅速
    な融通手順の提供を行なえることを特徴とする配電系統
    監視制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の配電系統監視制御装
    置において、今回計算する系統状態,融通対象範囲など
    の条件と既に保存してある条件との類似性の程度に応じ
    て、既に保存してある融通ルートを補正修正する事例調
    整手段を備えたことを特徴とする配電系統監視制御装
    置。
  12. 【請求項12】 負荷融通計算手段を有する配電系統監
    視制御装置において、融通ルートの候補が複数生じた場
    合にいったん計算を中断して、当該融通ルートの候補を
    運用者に示す融通ルート出力手段と、運用者による融通
    ルート候補の選択を受け付ける融通ルート選択手段と、
    前記選択された候補に基づいて計算を再開し、融通ルー
    トを決定する融通手順作成手段とを備え、運用に即した
    融通手順を作成することを特徴とする配電系統監視制御
    装置。
  13. 【請求項13】 配電系統の事故時、平常時操作時の負
    荷融通計算を実施する配電系統監視制御装置において、
    融通計算実施時に、融通ルートを決定するための融通計
    算の経緯及び融通計算に使用するデータ(開閉器の状態
    や区間負荷,配電線の予備力など)の変化を、運用者に
    示すべく随時説明的に出力する融通計算説明手段を備
    え、融通計算の経過を提供することを特徴とする配電系
    統監視制御装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の配電系統監視制御装
    置において、融通計算の進行に従って変化する配電系統
    の状態を、配電系統図上に随時出力する配電線路図出力
    手段を備え、融通計算の経緯を視覚的に提供することを
    特徴とする配電系統監視制御装置。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の配電系統監視制御装置
    において、途中解の評価に使用した評価関数を説明的に
    順次表示する評価関数説明手段を備えたことを特徴とす
    る配電系統監視制御装置。
  16. 【請求項16】 請求項7記載の配電系統監視制御装置
    において、運用者に応じた各種係数を保存する評価係数
    保存手段と、監視制御装置の運用者を識別する運用者識
    別手段と、融通計算開始時に運用者に応じた各種係数を
    設定する手段とを備え、よりきめこまかい融通手順を作
    成することを特徴とする配電系統監視制御装置。
  17. 【請求項17】 請求項2乃至請求項16記載の配電系
    統監視制御装置において、前記手段のうちのいずれかの
    手段を予めあるいは必要に応じて活殺する手段を備えた
    ことを特徴とする配電系統監視制御装置。
  18. 【請求項18】 コンピュータによって配電系統監視制
    御装置を制御するための制御プログラムを記録した記録
    媒体であって、複数の融通手順解の候補を作成する機能
    と、これらの複数の融通手順解の候補を途中解として保
    存する機能と、これらの保存された途中解を評価関数に
    よって評価する機能を、コンピュータに実現させるため
    のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒
    体。
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