JP2000116383A - ヒト癌退縮抗原タンパク質 - Google Patents

ヒト癌退縮抗原タンパク質

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JP2000116383A
JP2000116383A JP10291702A JP29170298A JP2000116383A JP 2000116383 A JP2000116383 A JP 2000116383A JP 10291702 A JP10291702 A JP 10291702A JP 29170298 A JP29170298 A JP 29170298A JP 2000116383 A JP2000116383 A JP 2000116383A
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polynucleotide molecule
peptide
cells
molecule
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Kyogo Ito
恭悟 伊東
Koichiro Kono
光一郎 河野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】腺癌等の幅広い腫瘍又は限られた腫瘍でも多く
の患者に応用でき、又は腫瘍の治療や診断を補完しつつ
各種腫瘍に応用できる癌療法の一助となる腫瘍抗原タン
パク質、腫瘍抗原ペプチド等を提供すること。 【解決手段】タンパク質の一部がMHCクラスI抗原と
結合してT細胞により認識される腫瘍抗原タンパク質を
コードするポリヌクレオチド分子、該ポリヌクレオチド
分子によりコードされる腫瘍抗原タンパク質、該ポリヌ
クレオチド分子の一部からなるオリゴヌクレオチド分
子、該オリゴヌクレオチド分子によりコードされる腫瘍
抗原ペプチド、該ポリヌクレオチド分子の塩基配列と相
補的な配列からなるオリゴヌクレオチド分子、該腫瘍抗
原タンパク質又はペプチドを含有する医薬、該腫瘍抗原
タンパク質又はペプチドに対する抗体、該ポリ又はオリ
ゴヌクレオチド分子を含有する医薬、該ポリ又はオリゴ
ヌクレオチド分子を有するプラスミド並びに該プラスミ
ドを含む形質転換体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医療分野に属し、詳
しくは癌または自己免疫疾患を処置する方法、さらに詳
しくは細胞傷害性T細胞によって攻撃を受けて退縮する
癌退縮抗原およびそれを利用する免疫療法等に関する。
【0002】生体による腫瘍の排除には免疫系、特にT
細胞が重要な役割を果たしていることが知られている。
実際、ヒトの腫瘍局所には腫瘍細胞に対して傷害活性を
示すリンパ球の浸潤が認められ(Arch.Surg.126:200-20
5,1990)、メラノーマから自己の腫瘍細胞を認識する細
胞傷害性T細胞(CTL)が分離されている(Immunol.T
oday 8:385、1987、J.Immunol.138:989,1987、Int.J.Ca
ncer 52:52-59 、1992等) 。また、T細胞移入によるメ
ラノーマ治療の臨床結果も腫瘍排除によるT細胞の重要
性を示唆している(J.Natl.Cancer.Inst.86:1159,1994)
【0003】自己の腫瘍細胞を攻撃するCTLは、腫瘍
抗原ペプチドが主要組織適合遺伝子複合体(MHC)ク
ラスI抗原に結合した複合体をT細胞受容体(TCR)
を用いて認識し、自己の腫瘍細胞を攻撃している。この
腫瘍抗原ペプチドは、腫瘍抗原(タンパク質)が細胞内
で合成された後、プロテオソームによって細胞質内でペ
プチドに分解されることによって生成される。一方、M
HCクラスI抗原は、上記の腫瘍抗原ペプチドと結合
し、シスゴルジを経て成熟側のトランスゴルジへと移動
し細胞表面に発現する(臨床免疫27(9):1034-1042 、19
95)。
【0004】
【従来の技術】ヒト癌細胞上のMHCクラスI抗原上に
提示され、宿主T細胞の標的分子となる腫瘍抗原タンパ
ク質が1991年にT.Boonにより同定された(Science254:16
43-1647,1991) 。この抗原は、この抗原を発現する癌細
胞がCTLによって攻撃を受け退縮することから癌退縮
抗原と呼ばれ、また、メラノーマ細胞から同定されたこ
とよりMelanoma antigen(MAGE)と名付けられてい
る。その後、CTLにより認識される腫瘍抗原タンパク
質がメラノーマ細胞などから相次いで同定された。今ま
でに同定された腫瘍抗原タンパク質はその由来、構造
(変異の有無)や発現様式により以下の4つのカテゴリ
ーに分類される(T.Boon et al.,J.Exp.Med.183:725-72
9,1996):
【0005】i)腫瘍特異的共有抗原(Tumor −Specif
ic Shared Antigens) ここに分類される抗原は正常組織では睾丸と胎盤でのみ
発現され、腫瘍組織ではメラノーマ、頭頚部癌、非小細
胞性肺癌、膀胱癌など各種の癌に広範に発現が認められ
る一群のタンパク質である。このカテゴリーの腫瘍抗原
タンパク質としては、上記のMAGE、その12種類以
上の類似するファミリーを形成するタンパク質群(J.Ex
p.Med.178:489-495,1993)、BAGE(Immunity 2:167-
175、1995)およびGAGE(J.Exp.Med.182:689-698,19
95)があり、いづれもメラノーマ細胞から同定されてい
る。また最近、メラノーマに限って広範に発現されるN
A17−Aが報告された。それは、N−アセチルグルコ
サミニルトランスフェラーゼV遺伝子のイントロンに相
当する部分が翻訳され、HLA−A2拘束性に抗原ペプ
チド(VLPOVFIRC)が癌退縮抗原として発現
し、CTLにより認識される。
【0006】ii)分化抗原(Differentiation Antigen
s ) ここに分類される腫瘍抗原タンパク質は、正常組織では
メラノサイトで発現しており、腫瘍組織ではメラノーマ
でのみ発現が認められる一群のタンパク質である。これ
らの組織特異的なタンパク質は腫瘍細胞のメラノーマに
強度に発現しているが、他の組織型の癌(腺癌や扁平上
皮癌)には認められないことから、メラノーマに特異的
な腫瘍抗原タンパク質と考えられる。このカテゴリーの
腫瘍抗原タンパク質としては、チロシナーゼ(J.Exp.Me
d.178:489-495,1993)、MART−1(Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 91: 3515, 1994)、gp100(J.Exp.Med. 17
9: 1005-1009, 1994) ,gp75(J.Exp.Med. 181: 799
-804, 1995)があり、これらの遺伝子はいづれもメラノ
ーマ細胞からクローニングされている。なお、他にMela
n-A (J.Exp.Med. 180: 35, 1994)が同定されたが、後
にMART−1と同一の分子であることが判明した。ま
た、ここに分類される抗原は正常のメラノサイトにも発
現していることから、メラノサイト破壊性自己免疫疾患
での標的分子としての可能性が存在する。特にMART
−1/melan-Aはvon −小柳−原田氏病における標的分
子と考えられる(S.Sugita, et al., Int.Immunol.8:79
9-803,1996)。gp100はそれを発現するメラノーマ
が免疫療法に高い感受性を示すので、in vivoでの癌退
縮抗原として作用している可能性がある。このカテゴリ
ーの腫瘍抗原タンパク質は、メラノーマ以外の腫瘍では
発現していないため、他の腫瘍に応用することはできな
い。
【0007】iii )個々の腫瘍に特異的な抗原(Antige
ns Specific for Individual Tumors ) この領域に分類される腫瘍抗原タンパク質は、正常細胞
が癌化する過程でおこる遺伝子変化に伴う癌特有の新し
い抗原である。遺伝子変化としては点突然変異(point
mutation、変異CDK4抗原、変異β−Catenin 抗原、
MUM−抗原)、alterative open reading frame
(変異gp75抗原)がこれまでに知られている。した
がって、このような抗原は癌に特異的であり特異免疫の
成立が容易に成立するものと考えられる。しかしなが
ら、一方で各々の遺伝子変化は個々の腫瘍もしくは個々
の腫瘍細胞に限って発現していることが殆どである。し
たがって発現頻度はきわめて低く、癌治療を目的とした
ワクチン分子として臨床応用され難いという欠点を有す
る。
【0008】iv)普遍性抗原(Ubiquitous Antigens) 殆どの正常細胞や癌細胞に非変異体として普遍的に発現
される(ubiquitous)抗原がCTLの癌認識分子になっ
ているケースとしては、p15が知られている。p15
分子はHLA−A24結合性ペプチドを有する。p15
は正常細胞に比して癌細胞により強く発現されている。
その観点からは、腺癌等に強発現している癌遺伝子タン
パク質であるHER−2/neu抗原も同類として分類
される。即ち、HER−2/neuはHLA−A2結合
性ペプチドを有し、癌退縮抗原として宿主キラーT細胞
により認識される。ここに分類される抗原を腫瘍抗原タ
ンパク質とした場合、普遍的に発現しているために広範
な癌に応用可能と考えられるが、疾病特異性に乏しいた
め、正常組織に障害を与える可能性があり、またCTL
誘導が困難である可能性(トランスのため)が考えられ
る。
【0009】MHC−非拘束性と考えられていたMUC
−1抗原特異的CTLが同抗原由来ペプチドSTAPP
AHGVをHLA−A11拘束性に認識すると報告さ
れ、またMAGE−3ペプチドを用いての臨床試験の初
期成績が報告された(M.Marchand,et al., Int.J.Cance
r 63:883-885,1995 )。これらは、癌退縮抗原を用いて
の癌ワクチン開発の可能性を示唆している。
【0010】これまでに同定された上記の抗原ペプチド
はHER−2/neuを除き、その殆どがメラノーマか
ら発見されており、発病頻度の高い扁平上皮癌や腺癌で
は全く報告されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、腺癌
等の幅広い腫瘍に応用でき、または応用可能な腫瘍が限
られていてもその腫瘍の患者のうち多くの人に応用で
き、またはその腫瘍の治療や診断を補完しつつ各種腫瘍
に応用できる癌療法の一助となる腫瘍抗原タンパク質、
腫瘍抗原ペプチド等を提供することにある。また、腫瘍
において高発現している腫瘍抗原タンパク質は、一方
で、正常組織にも発現しその腫瘍抗原タンパク質に由来
する免疫反応が過剰に起こることで、自己免疫疾患を引
き起こしているとも考えられている。例えば、化学療法
剤とIL−2を併用してメラノーマの治療を行った場
合、白斑症状の出現が認められるとの報告がある(J.Cli
n.Oncol.10:1338-1343,1992)。これは、メラノーマに出
現する腫瘍抗原タンパク質の断片ペプチドとMHC複合
体に対してCTLまたは抗体が誘導、産生され、正常組
織である皮膚組織に作用することで自己免疫疾患様の症
状である白斑症状が出現したためと考えられる。腫瘍抗
原タンパク質に由来する特異的免疫が過剰に惹起される
ことにより自己免疫疾患が発症した場合には、腫瘍抗原
タンパク質をコードする遺伝子の発現を妨ぐアンチセン
スDNA や腫瘍抗原ペプチドのアンタゴニストなどを用い
て、免疫反応を特異的にブロックする治療法が期待され
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】メラノーマ細胞以外の腫
瘍細胞、特に腺癌等の治療や診断に幅広く応用できる腫
瘍抗原タンパク質またはその対応する腫瘍抗原ペプチド
等を得るために、腺癌からの腫瘍抗原タンパク質の同定
を試みた。本発明者らは肺腺癌患者の腫瘍浸潤リンパ球
からリンパ球腫瘍混合培養法により、HLA-A2402 拘束性
の腫瘍抗原ペプチドを認識するCTL株(GK-CTL #8) を
樹立した。このCTL株が認識する腫瘍抗原タンパク質
遺伝子を同定するため、CTL反応性が最も高い膀胱癌
細胞株HT-1376(HLA-A2402)から作製したcDNAライブラリ
ーの組換えプラスミドとHLA-A2402 cDNAの組換えプラス
ミドを、サル腎細胞株COS7細胞に同時にトランスフェク
トし、そのトランスフェクタントにGK-CTL #8 細胞を作
用させ、GK-CTL #8 細胞が活性化されたか否かをIFN-γ
の産生量で測定しスクリーニングした。その結果、メラ
ノーマ以外の腫瘍細胞株HT-1376 から本発明の腫瘍抗原
タンパク質をコードする遺伝子をクローニングすること
に成功した。
【0013】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド分子、
(2)配列番号:1のアミノ酸配列において、1以上の
アミノ酸が置換、欠失、挿入または付加されたタンパク
質をコードするポリヌクレオチド分子、(3)配列番
号:2の塩基配列からなるポリヌクレオチド分子、
(4)配列番号:2の塩基配列において、1以上の塩基
が置換、欠失、挿入または付加されたポリヌクレオチド
分子、および(5)前記(1)〜(4)のいずれかのポ
リヌクレオチド分子にストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズするポリヌクレオチド分子からなる群より選
択されるポリヌクレオチド分子であって、該ポリヌクレ
オチド分子がコードするタンパク質の一部からなるペプ
チドが主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI抗
原と結合してT細胞により認識される腫瘍抗原ペプチド
であるポリヌクレオチド分子;本発明のポリヌクレオチ
ド分子によりコードされる腫瘍抗原タンパク質;本発明
の腫瘍抗原タンパク質の部分ペプチドであってMHCク
ラスI抗原と結合してT細胞により認識される腫瘍抗原
ペプチドまたはその誘導体;本発明の腫瘍抗原タンパク
質または腫瘍抗原ペプチドもしくはその誘導体を含有す
る医薬;本発明の腫瘍抗原タンパク質または腫瘍抗原ペ
プチドもしくはその誘導体に対する抗体;本発明の腫瘍
抗原ペプチドまたはその誘導体をコードするオリゴヌク
レオチド分子、好ましくは腫瘍抗原タンパク質をコード
している塩基配列が配列番号:2の塩基配列である該オ
リゴヌクレオチド分子;配列番号:1の腫瘍抗原タンパ
ク質をコードするポリヌクレオチド分子のコーディング
配列またはその5' ノンコーディング配列中の塩基配列
と相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド分子または
その化学的修飾体;本発明のポリヌクレオチドまたはオ
リゴヌクレオチド分子もしくはその化学的修飾体を含有
する医薬;本発明のポリヌクレオチドまたはオリゴヌク
レオチド分子を有するプラスミド;および本発明のプラ
スミドによって形質転換された形質転換体、に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本明細書中で使用している用語の
意義を明らかにするとともに、発明の実施形態を説明す
る。本発明のポリヌクレオチド分子は、新規な腫瘍抗原
タンパク質をコードするものであり、(1)配列番号:
1のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド分子、
(2)配列番号:1のアミノ酸配列において、1以上
(例えば、1もしくは複数個)のアミノ酸が置換、欠
失、挿入または付加されたタンパク質をコードするポリ
ヌクレオチド分子、(3)配列番号:2の塩基配列から
なるポリヌクレオチド分子、(4)配列番号:2の塩基
配列において、1以上(例えば、1もしくは複数個)の
塩基が置換、欠失、挿入または付加されたポリヌクレオ
チド分子、および(5)前記(1)〜(4)のいずれか
のポリヌクレオチド分子にストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズするポリヌクレオチド分子、からなる群
より選択され、該ポリヌクレオチド分子がコードするタ
ンパク質の一部からなるペプチドは、主要組織適合遺伝
子複合体(MHC)クラスI抗原と結合してT細胞によ
り認識される腫瘍抗原ペプチドである。
【0015】本発明のポリヌクレオチド分子はDNA また
はRNA の形態をとることができ、DNA にはcDNA、ゲノム
DNA および合成DNA が包含される。また、DNA およびRN
A は一本鎖または二本鎖であってよく、一本鎖の場合は
センス鎖またはアンチセンス鎖の両者が包含され得る。
【0016】ある塩基配列のうち一部が置換、欠失、挿
入または付加されたポリヌクレオチド分子は、Molecula
r Cloning: A Laboratory Manual第2版第1−3巻 Sam
brook, J. ら著、Cold Spring Harber Labolatory Pres
s 出版 New York 1989年などに記載の方法によって製造
することができ、例えば部位特異的変異誘発やPCR法
などにより製造できる。本発明のポリヌクレオチド分子
はこれらの変異型ポリヌクレオチド分子も包含する。か
かる変異型ポリヌクレオチド分子としては、例えば、配
列番号:2の塩基配列において1以上の塩基が置換、欠
失、挿入または付加されたポリヌクレオチド分子が挙げ
られる。また、本発明のポリヌクレオチド分子には「本
発明のポリヌクレオチド分子にストリンジェントな条件
下でハイブリダイズするポリヌクレオチド分子」も包含
される。ポリヌクレオチド分子としてDNA 分子を代表例
にとると、「DNA 分子にストリンジェントな条件下でハ
イブリダイズするDNA 分子」は、例えば前述のMolecula
r Cloning に記載の方法によって得ることができる。こ
こで、「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る」とは、例えば、6×SSC、0. 5%SDSおよび
50%ホルムアミドの溶液中で42℃にて加温した後、
0. 1×SSC、0. 5%SDSの溶液中で68℃にて
洗浄する条件でも依然として陽性のハイブリダイズのシ
グナルが観察されることを表す。
【0017】本発明の腫瘍抗原タンパク質は、前記ポリ
ヌクレオチド分子によりコードされるタンパク質であ
る。
【0018】「本発明のポリヌクレオチド分子がコード
するタンパク質の一部からなるペプチドがMHCクラス
I抗原と結合してT細胞により認識される腫瘍抗原ペプ
チド」とは、腫瘍抗原タンパク質の連続した少なくとも
7個、好ましくは7〜12個、特に好ましくは8〜11
個の連続するアミノ酸配列からなる部分ペプチドであっ
て、細胞表面のMHCクラスI抗原と結合して細胞表面
に提示された場合、その結合体に対して特異的に結合す
るT細胞が結合するとそのT細胞にシグナルを伝えるこ
とのできる、即ちT細胞に認識されるMHCクラスI抗
原との結合体を形成できるそのようなペプチドを意味す
る。なお、ここでいう「結合」とは非共有結合である。
【0019】ペプチドがMHCクラスI抗原に結合して
T細胞に認識されることを確かめる方法としては、例え
ば、ペプチドを適当な細胞に内因性に発現させるか、ま
たは外部から加える(パルスする)ことによりMHCク
ラスI抗原に結合させることで細胞表面にペプチドを提
示させ、つづいて、そのペプチド提示細胞に対して腫瘍
抗原タンパク質特異的なT細胞を作用させ、そのペプチ
ド提示細胞が傷害を受けた際に産生されるサイトカイン
(インターフェロンαやTNFα、およびCTLが産生
するサイトカイン)を測定する方法などがある。また、
ペプチド提示細胞の傷害を測定する方法として、51Cr
で標識したペプチド提示細胞を用いる方法も使用でき
る。ここで、認識するT細胞としては、CTLを用いる
のが好ましい。
【0020】本発明に係る腫瘍抗原タンパク質または腫
瘍抗原ペプチドは例えば、以下のようにして同定するこ
とができる。まず、これらの同定に際し、MHC−クラ
スIアレルの一致した腫瘍細胞およびこの細胞を攻撃す
るCTLのセットを用意する。次いで、腫瘍細胞のMH
CクラスI抗原に結合している腫瘍抗原ペプチドを酸性
化して抽出し、高速液体クロマトグラフィーで分離され
た種々のペプチドを、抗原提示MHCを発現しているが
腫瘍抗原タンパク質を発現していない細胞(例えば、同
一患者のB細胞など)にパルスし、CTLの反応を調べ
ることにより腫瘍抗原ペプチドを同定し、さらにマスス
ペクトロメタリーなどを用いて配列を決定する方法であ
る。この方法によって、メラノーマ細胞からgp100
と同一分子のPme117由来の腫瘍抗原ペプチドが同定され
ている(Science 264: 716-719, 1994)。
【0021】あるいは、上記のような腫瘍抗原ペプチド
を直接同定する方法とは異なり、腫瘍抗原タンパク質を
コードする遺伝子を決定してさらにその対応する腫瘍抗
原ペプチドを同定する方法もある。これは、分子生物学
的手法を用いて腫瘍抗原タンパク質をコードする遺伝子
をクローニングするものである。腫瘍細胞からcDNAを調
製し、そのcDNAを腫瘍抗原タンパク質を発現していない
細胞(例えばCOS 細胞など)に抗原提示MHCクラスI
抗原遺伝子とともにトランスフェクトして一過的にそれ
らを発現させ、それに対するCTLの反応性によりスク
リーニングを繰り返し行い、腫瘍抗原タンパク質をコー
ドする遺伝子を単離する。この方法により、上記のMA
GE、チロシナーゼ、MART−1、gp100、gp
75の遺伝子がクローニングされている。
【0022】この腫瘍抗原遺伝子の情報から実際にMH
CクラスI抗原に結合して提示されている腫瘍抗原ペプ
チドを推定、同定するためには次のような方法を用い
る。まず、PCR、エキソヌクレアーゼ、制限酵素など
により様々なサイズの腫瘍抗原タンパク質をコードする
遺伝子のフラグメントを作製し、抗原提示MHCクラス
I抗原遺伝子とともに腫瘍抗原タンパク質を発現してい
ない細胞(例えばCOS 細胞など)にトランスフェクトし
て一過性に発現させ、CTLの反応性により腫瘍抗原ペ
プチドを含む領域を限定する。その後、ペプチドを合成
し、抗原提示MHCクラスI抗原は発現しているが腫瘍
抗原タンパク質を発現していない細胞にパルスし、同様
にCTLの反応を調べることにより腫瘍抗原ペプチドを
同定できる(J.Exp.Med. 176: 1453, 1992 、J.Exp.Med.
179: 24,759、1994) 。
【0023】また、HLA-A1,-A0201,-A0205,-A11,A3
1 ,-A6801,-B7 ,-B8 ,-B2705,-37 ,-Cw0401 ,-C
w0602 などのMHCクラスI抗原の型については、結合
して提示されるペプチドの配列の規則性(モチーフ)が
判明しており (seminars inIMMUNOLOGY 5: 81-94, 199
3)、それを参考にして腫瘍抗原ペプチドの候補を調べ、
そのペプチドを結合して上記と同様な方法で確認する方
法も用いられる(Eur.J.Immunol,24: 759,1994, J.Exp.M
ed.180: 347,1994) 。
【0024】本発明においては、配列番号:1のアミノ
酸配列において、HLA-A24 抗原に結合して提示される9
マーのモチーフを参考にして腫瘍抗原ペプチドの候補を
調べたところ、それぞれ配列番号:3〜20に示される
P1〜P18のペプチドが腫瘍抗原ペプチドの候補とし
て挙げられる。CTLの反応性という観点から、P1
(配列番号:3)、P3(配列番号:5)、P6(配列
番号:8)、P7(配列番号:9)、P9(配列番号:
11)およびP16(配列番号:18)のペプチドが好
ましく、P3およびP6のペプチドがより好ましい。
【0025】
【表1】
【0026】この様にして決定されたペプチドは、通常
のペプチド化学において知られている方法で製造するこ
とができる。例えば、"Peptide Synthesis", Interscie
nce,New York. 1996、"The Proteins", Vol.2, Academi
c Press Inc., New York. 1976、「ペプチド合成」丸善
(株) 、1975、「ペプチド合成の基礎と実験」丸善
(株) 、1985、等に記載されている方法等が挙げられ
る。すなわち、C末端部位の構成により液相法、固相法
のいずれかを選択して合成することができ、なかでも液
相法がより好ましい。すなわち、アミノ酸の官能基を適
当な保護基で適宜保護および脱保護を行い、アミノ酸
を、1残基または数残基づつ結合させることでペプチド
を製造することができる。なお、アミノ酸の官能基の保
護基については、例えば前述のペプチド化学について記
載する書籍等に記載されている。
【0027】本明細書中、「本発明の腫瘍抗原ペプチド
の誘導体」とは、本発明の腫瘍抗原ペプチドのアミノ酸
配列のうち1つまたは複数個が置換、欠失、挿入または
付加されたペプチドを意味する。好ましい誘導体として
は、腫瘍抗原ペプチドのうちでCTLとの結合に関与す
るエピトープ領域はそのままであってMHCクラスI抗
原との結合に関与するアミノ酸残基が置換、欠失、挿入
または付加された誘導体が挙げられ、さらに好ましくは
その誘導体であって一つのアミノ酸残基のみを置換した
ものが挙げられる(Immunol. 84: 298-303,1995 )。か
かる誘導体は、CTLとの結合性はそのまま維持しつ
つ、MHCクラスI抗原により強く結合可能であるた
め、さらに有用な腫瘍抗原ペプチドとして適用ができ
る。
【0028】このような誘導体は、例えばMolecular Cl
oning: A Laboratory Manual第2版第1−3巻 Sambroo
k,J.ら著、Cold Spring Harber Labolatory Press 出版
NewYork 1989年に記載の方法で調製することができ、
部位特異的変異誘発やPCR法などの方法によって調製
することができる。
【0029】従って、本発明の腫瘍抗原ペプチドまたは
その誘導体は、後述の本発明のオリゴヌクレオチド分子
によりコードされるものである。
【0030】また、「本発明の誘導体」には、本発明の
腫瘍抗原ペプチドまたは該ペプチドの一部のアミノ酸残
基を置換、欠失、挿入または付加した誘導体のアミノ基
もしくはカルボキシル基を修飾した誘導体も包含され
る。
【0031】アミノ基の修飾基としては、例えばアシル
基が挙げられ、具体的には炭素数1から6のアルカノイ
ル基、フェニル基で置換された炭素数1から6のアルカ
ノイル基、炭素数5から7のシクロアルキル基で置換さ
れたカルボニル基、炭素数1から6のアルキルスルホニ
ル基、フェニルスルホニル基等が挙げられる。
【0032】カルボキシル基の修飾基としては、例えば
エステル基およびアミド基が挙げられ、エステル基の具
体例としては、炭素数1から6のアルキルエステル基、
フェニル基で置換された炭素数0から6のアルキルエス
テル基、炭素数5から7のシクロアルキルエステル基等
が挙げられ、アミド基の具体例としては、アミド基、炭
素数1から6のアルキル基1つまたは2つで置換された
アミド基、フェニル基で置換された炭素数0から6のア
ルキル基1つまたは2つで置換されたアミド基、アミド
基の窒素原子を含んで5から7員環のアザシクロアルカ
ンを形成するアミド基等が挙げられる。
【0033】本発明はさらに、本発明の腫瘍抗原タンパ
ク質または腫瘍抗原ペプチドもしくはその誘導体を含有
する医薬を提供する。本発明の腫瘍抗原タンパク質およ
び腫瘍抗原ペプチドは、細胞性免疫が効果的に成立する
ようにアジュバントとともに投与したり、粒子状の剤型
にして投与することができる。アジュバントとしては、
文献(Clin. Microbiol.Rev.7:277-289、1994)に記載
のものなどが応用可能である。また、剤型としては、リ
ポソーム製剤、直径数μm のビーズに結合させた粒子状
の製剤、リピッド(脂質)を結合させた製剤など外因性
の抗原ペプチドをMHCクラスI抗原へ効率良く抗原提
示させうる投与法が用いられる。また、腫瘍抗原ペプチ
ドをパルスした樹状細胞やマイクロファージなどの抗原
提示細胞や腫瘍抗原タンパク質をコードするDNA を導入
した細胞を投与する方法も考えられる。製剤中の本発明
の腫瘍抗原タンパク質および腫瘍抗原ペプチドの投与量
は、治療目的の疾患、患者の年齢、体重等により適宜調
整することができるが、通常0.0001mg〜1000mg、好まし
くは0.001mg 〜1000mgであり、これを数日ないし数月に
1回投与するのが好ましい。
【0034】本発明の腫瘍抗原タンパク質または腫瘍抗
原ペプチドもしくはその誘導体に対する「抗体」は、例
えば、Antibodies; A Laboratory Manual, Lane.H.
D.ら編、Cold Spring Harber Laboratory Press 出
版 New York 1989年などに記載の方法により、腫瘍抗
原タンパク質またはその断片ペプチドを用いて適切な方
法で適切な動物を免疫することにより、腫瘍抗原タンパ
ク質を認識する抗体、あるいはその活性を中和する抗体
を容易に作製できる。抗体の用途としては、アフィニテ
ィークロマトグラフィー、cDNAライブラリーのスクリー
ニング、免疫学的診断法、医薬等が挙げられる。免疫学
的診断法は、イムノブロット法、放射免疫測定法(RI
A)、酵素免疫測定法(ELISA)、蛍光あるいは発
光測定法等より適宜選択できる。
【0035】本発明はさらに、本発明の腫瘍抗原ペプチ
ドまたはその誘導体をコードするオリゴヌクレオチド分
子に関する。本発明のオリゴヌクレオチド分子はDNA ま
たはRNA の形態をとることができ、DNA にはcDNA、ゲノ
ムDNA および合成DNA が包含される。また、DNA および
RNA は一本鎖または二本鎖であってよく、一本鎖の場合
はセンス鎖またはアンチセンス鎖の両者が包含され得
る。
【0036】ある塩基配列のうち一部が置換、欠失、挿
入または付加されたオリゴヌクレオチド分子は、前記ポ
リヌクレオチド分子と同様の部位特異的変異誘発やPC
R法などにより製造できる。本発明のオリゴヌクレオチ
ド分子は、これらの変異型オリゴヌクレオチド分子も包
含する。かかる変異型オリゴヌクレオチド分子として
は、例えば、配列番号:2の塩基配列において1もしく
は複数個の塩基が置換、欠失、挿入または付加されたオ
リゴヌクレオチド分子が挙げられる。また、本発明のオ
リゴヌクレオチド分子には「本発明のオリゴヌクレオチ
ド分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
るオリゴヌクレオチド分子」も包含される。オリゴヌク
レオチド分子としてDNA 分子を代表例にとると、「DNA
分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
DNA 分子」は、例えば前記ポリヌクレオチド分子と同様
の条件によって得ることができ、ここで、「ストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズする」とは、例えば、
前記ポリヌクレオチド分子において記載された条件が挙
げられる。
【0037】また、本発明の腫瘍抗原タンパク質または
腫瘍抗原ペプチドをコードするDNAを発現させることに
よって、腫瘍抗原タンパク質または腫瘍抗原ペプチドを
大量に製造することが可能となる。
【0038】DNA を発現してタンパク質を生産するに
は、例えば、前述のMolecular Cloning 等の多くの成書
や文献に基づいて実施することができる。発現させたい
DNA の上流に翻訳開始コドンを、下流には翻訳終始コド
ンを付加し、転写を制御するプロモーター配列(例え
ば、trp、lac、T7、SV40初期プロモータ
ー)等の制御遺伝子を付加し、適当なベクター(例え
ば、pBR322、pUC19、pSV・SPORT1
など)に組み込むことにより、宿主細胞内で複製し、機
能する発現プラスミドを作製する。
【0039】次に、発現プラスミドを適当な宿主細胞に
導入して形質転換体細胞を得る。宿主細胞としては、大
腸菌などの原核生物、酵母のような単細胞真核生物、昆
虫、動物などの多細胞真核生物の細胞などが挙げられ
る。また、宿主細胞への遺伝子導入法としては、リン酸
カルシウム法、DEAE−デキストラン法、電気パルス
法などがある。形質転換体は、適当な培地で培養するこ
とによって目的とするタンパク質を生産する。以上のよ
うにして得られたタンパク質は一般的な生化学的方法に
よって単離精製することができる。
【0040】これらの本発明のプラスミドによって形質
転換された形質転換体も本発明の範囲に包含される。
【0041】本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチ
ド分子またはオリゴヌクレオチド分子もしくはその化学
的修飾体を含有する医薬に関する。本発明のポリヌクレ
オチド分子またはオリゴヌクレオチド分子を含有する
「医薬」は、例えば、本発明のDNA を腫瘍患者等に投与
することで腫瘍を治療または予防することができる。本
発明のDNA を投与し細胞内に導入する方法としては、ウ
イルスベクターによる方法およびその他の方法(日経サ
イエンス、1994年4 月号、20-45 頁、月刊薬事、36(1)2
3-48(1994)、実験医学増刊、12(15)、(1994)、およびこ
れらの引用文献等) のいずれの方法も適用することがで
きる。
【0042】ウイルスベクターによる方法としては、例
えばレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイ
ルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポック
スウイルス、ポリオウイルス、シンドビスウイルス等の
RNA ウイルスまたはDNA ウイルスに本発明のDNA を組み
込んで導入する方法が挙げられる。この中で、レトロウ
イルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ワクシ
ニアウイルス等を用いた方法が特に好ましい。
【0043】その他の方法としては、発現プラスミドを
直接筋肉内に投与する方法(DNA ワクチン法)、リポソ
ーム法、リポフェクチン法、マイクロインジェクション
法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法等
が挙げられ、特にDNA ワクチン法、リポソーム法が好ま
しい。
【0044】これらの本発明のポリヌクレオチド分子ま
たはオリゴヌクレオチド分子を有するプラスミドも本発
明の範囲に含まれる。
【0045】本発明の腫瘍抗原ペプチドをコードする遺
伝子を実際に医薬として作用させるには、遺伝子を直接
体内に導入するin vivo方法、およびヒトからある種の
細胞を採取し体外で遺伝子を該細胞に導入しその細胞を
体内に戻すex vivo方法がある(日経サイエンス、1994
年4 月号、20-45 頁、月刊薬事、36(1)23-48(1994)、実
験医学増刊、12(15)、(1994)、およびこれらの引用文献
等)。in vivo方法がより好ましい。
【0046】in vivo方法により投与する場合は、治療
目的の疾患、症状等に応じた適当な投与経路により投与
され得る。例えば、静脈、動脈、皮下、筋肉内などに投
与することが出来る。in vivo方法により投与する場合
は、例えば、液剤等の製剤形態をとりうるが、一般的に
は有効成分である本発明のDNA を含有する注射剤等とさ
れ、必要に応じて、慣用の担体を加えてもよい。また、
本発明のDNA を含有するリポソームまたは膜融合リポソ
ーム(センダイウイルス(HVJ)−リポソーム等)に
おいては、懸濁剤、凍結剤、遠心分離濃縮凍結剤等のリ
ポソーム製剤の形態とすることができる。
【0047】製剤中の本発明のDNA 含量は、治療目的の
疾患、患者の年齢、体重等により適宜調整することがで
きるが、通常本発明のDNA として、0.0001mg〜100mg 、
好ましくは0.001mg 〜10mgであり、これを数日ないし数
月に1回投与するのが好ましい。
【0048】本発明はさらに、配列番号:1のアミノ酸
配列を有する腫瘍抗原タンパク質をコードするポリヌク
レオチド分子のコーディング配列またはその5' ノンコ
ーディング配列中の塩基配列と相補的な配列からなるオ
リゴヌクレオチド分子またはその化学的修飾体に関す
る。好ましくは、配列番号:2の塩基配列(構造遺伝子
部分)からなるポリヌクレオチド分子のコーディング配
列またはその5' ノンコーディング配列中の塩基配列と
相補的な配列をもつ9塩基以上からなるDNA もしくはRN
A である。このようなDNA もしくはRNA とは、二本鎖DN
A のアンチセンス鎖のDNA またはそのアンチセンス鎖の
DNA に対応するRNA であって9塩基以上からなるもの
(以下、アンチセンスオリゴヌクレオチドという)をい
う。
【0049】このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、
例えば本発明の腫瘍抗原タンパク質をコードする遺伝子
の塩基配列を基にしてDNA として製造するか、またこの
DNAをアンチセンスの向きに遺伝子発現プラスミドに組
み込むことで容易に対応するRNA を製造することができ
る。
【0050】このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、
本発明の遺伝子であるcDNAのコーディング部分、5' ノ
ンコーディング部分のいずれの部分の相補的な配列であ
ってもよいが、好ましくは転写開始部位、翻訳開始部
位、5' 非翻訳領域、エクソンとイントロンとの境界領
域もしくは5'CAP 領域に相補的配列であることが望まし
い。
【0051】「オリゴヌクレオチド分子の化学的修飾
体」とは、DNA またはRNA の細胞内への移行性または細
胞内での安定性を高めることができる化学的修飾体を表
し、例えば、ホスホチオエート、ホスホロジチオエー
ト、アルキルホスホトリエステル、アルキルホスホナー
ト、アルキルホスホアミデート等の誘導体("Antisense
RNA and DNA" WILEY −LISS刊 1992 P.1-50)が挙げら
れる。この化学的修飾体は、同文献等に従って製造する
ことができる。
【0052】本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド
またはその化学的修飾体を用いて、腫瘍抗原タンパク質
をコードする遺伝子の発現を制御することができる。こ
の方法によって腫瘍抗原タンパク質の生産量を減らすこ
とで、自己免疫疾患を治療または予防することができ
る。このようなアンチセンスオリゴヌクレオチドを含有
する医薬も本発明に包含される。
【0053】アンチセンスオリゴヌクレオチドをそのま
ま投与する場合は、このアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドの好ましい長さとしては、例えば5〜200塩基のも
のが挙げられる。
【0054】また、アンチセンスオリゴヌクレオチドを
発現プラスミドに組み込む場合は、このアンチセンスオ
リゴヌクレオチドの好ましい長さとしては、例えば10
0塩基以上が挙げられ、好ましくは300塩基以上が挙
げられ、さらに好ましくは500塩基以上が挙げられ
る。
【0055】アンチセンスオリゴヌクレオチドを発現プ
ラスミドに組み込む場合、このアンチセンスオリゴヌク
レオチドを細胞に導入する方法としては例えば、実験医
学12巻 1994年に述べられている方法が挙げられ、リポ
ソームや組換えウイルスなどを利用した方法が挙げられ
る。アンチセンスオリゴヌクレオチドの発現プラスミド
は通常の発現ベクターを用いてプロモーターの後ろに逆
向きに、すなわち本発明の遺伝子が3' から5' の向き
に転写されるように、本発明の遺伝子をつなぐだけで簡
単に作製できる。
【0056】このようなアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドを有するプラスミドも本発明に包含される。アンチセ
ンスオリゴヌクレオチドまたはその化学的修飾体をその
まま投与する場合、安定化剤、緩衝液、溶媒などと混合
して製剤された後、投与時には抗生物質、抗炎症剤、麻
酔薬などと同時に用いることもできる。こうして作製さ
れた製剤は様々な方法で投与可能である。投与は連日ま
たは数日から数週間おきになされるのが好ましい。ま
た、この様な頻回の投与を避けるために徐放性のミニペ
レット製剤を作製し患部近くに埋め込むことも可能であ
る。あるいはオスモチックポンプなどを用いて患者に連
続的に徐々に投与することも可能である。通常投与量は
作用部位における濃度が0.1nM-10μM になるように調製
する。
【0057】このようなアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドまたはその化学的修飾体を含有する医薬も本発明に包
含される。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定
されるものではない。
【0059】参考例1 腺癌細胞株に対する細胞傷害性T細胞(CTL)株の樹
肺腺癌患者の腫瘍浸潤リンパ球をリンパ球腫瘍混合培養
法により、インターロイキン2存在下で約60日間、5
%炭酸ガス(95%空気)培養器にて培養した。その
間、培養28日目以降、頻回に培養して増殖するT細胞
の各種癌細胞に対する細胞障害能を51Cr遊離法とIF
N−γ測定法にて解析した。その結果、培養39日目〜
49日目のT細胞がCD8陽性のキラーT細胞を主体と
し、かつMHCクラスI抗原のうちのHLA-A2402 拘束性
のCTL活性を示すことが判明した。HLA-A2402 陽性の
癌細胞中、膀胱癌細胞株HT-1376 が最も高い感受性を上
記CTLに対して示した。そこで、上記CTL(GK-CTL
#8 と命名)を大量に液体窒素添加細胞凍結保存用タン
クに保存し、CTLの認識する癌退縮抗原遺伝子のクロ
ーニングに備えた。
【0060】参考例2 HLA-A2402 cDNAの組換えプラスミドの調製 七條ら著、J. Exp. Med. 187: 277-288 (1998)の教示に
従い、HT-1376 細胞株由来のHLA-A2402 cDNAを発現ベク
ターpCR3(INVITROGEN社製)に組込み、組換えプラスミ
ドを作製した。
【0061】参考例3 HT-1376 細胞cDNAライブラリー作製 mRNA精製システム(ファルマシアバイオテク社製)を用
い添付のプロトコールに従い、HT-1376 細胞株から全RN
A 画分の分離およびオリゴ(dT)カラムによるポリ(A) +
mRNAの調製を行った。mRNAよりスーパースクリプトプラ
スミドシステム(GIBCO BRL 社製) を用い添付のプロト
コールに従い、両端にNot 1アダプターとSal 1アダプ
ターを連結したcDNAを作製した後、このcDNAを発現ベク
ターpSV-SPORT1(GIBCO BRL社製)の制限酵素Not 1お
よびSal 1の切断部位に連結して組換えプラスミドを得
た。この組換えプラスミドをジーンパルサー(Bio-Rad社
製) を用いて25μF, 200Ω, 2.5kV の条件で、電気パル
スにより大腸菌のエレクトロマックスDH10B/p3TMセル
(GIBCO BRL社製)に導入し、アンピシリン(50μg/
ml)を含むLB培地(1%バクトトリプトンTM、0.5%NaC
l、pH7.3 )上にて組換えプラスミドが導入されている
形質転換体を選択した。
【0062】参考例4 インターフェロン−γの定量 インターフェロン−γ(IFN-γ)の定量は、エンザイム
イムノアッセイ(ELISA )により行った。96ウェルマ
イクロプレートに一次抗体として抗ヒトIFN-γマウスモ
ノクロール抗体を吸着させ、ウシ血清アルブミンで非特
異的結合をブロックした後、検体中のIFN-γを抗体に結
合させた。次に二次抗体として抗ヒトIFN-γウサギポリ
クロール抗体を結合させ、さらにペルオキシダーゼ標識
した抗ウサギ免疫グロブリンロバ抗体を結合した後、発
色剤としてTMBZ(テトラメチルベンジディン)を反
応させ、2N H2SO4 を等量加えて反応を停止させた後、
吸光度(450 nm)を測定した。これを標準品のIFN-γより
得られた値と比較することにより定量した。
【0063】実施例1 腫瘍抗原タンパク質遺伝子のスクリーニング まず、参考例3にて調製した形質転換体のプールから組
換えプラスミドDNA を回収する。アンピシリン(50μg
/ml)を含むLB培地の入った96ウェルU底マイクロプレ
ートにウェルあたり100-200 個の形質転換体を加え培養
後、その一部をウェル当たり0.3ml のTYGPN 培地(F.M.
Ausubelら編、CURRENT PROTCOLS IN MOLECULARBIOLOG
Y, John Wiley & Sons, Inc.)の入った別の96ウェルU
底マイクロプレートに移して37℃で48時間培養し、
残りのLB培地のマイクロプレートは凍結保存した。TYGP
N 培地で培養した形質転換体の組換えプラスミドDNA
は、マイクロプレートでアルカリ溶解法(F.M. Ausubel
ら編、CURRENT PROTCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John
Wiley & Sons, Inc.)により調製した。イソプロパノー
ル沈殿で回収した組換えプラスミドDNA は、50μlの20
ng /ml RN アーゼを含む10mMTris ,1mM EDTA,pH7.4
溶液に懸濁した。
【0064】次に、上記にて調製した組換えプラスミド
DNA と参考例2にて調製したHLA-A2402 cDNAの組換えプ
ラスミドをCOS7細胞(Gluzan,Y. Cell,23: 175-182, 19
81)にリポフェクチン法により同時にトランスフェクト
する。COS7細胞を96ウェル平底マイクロプレートのウェ
ル当たり1 ×104 個を加え、100 μlの10%FCS を含む
RPMI培養液で1 日培養した。形質転換体約100 個分のHT
-1376 cDNAの組換えプラスミド25μlに参考例2にて調
製したHLA-A2402 cDNAの組換えプラスミド100 ngを加
え、さらに約100 倍に希釈したリポフェクチン試薬(リ
ポフェクタミン、GIBCO-BRL 社製)25μlを加えた。得
られた混合液 50μl(リポソームと組換えプラスミド
の融合懸濁液)を、培養したCOS7細胞に加えてダブルト
ランスフェクトした。トランスフェクタントは2 点ずつ
用意した。トランスフェクタントは48〜72時間、37℃で
培養した後、培養液を除去し、ウェル当たり1 ×104
のGK-CTL #8 を加えて100 μlの10%ヒト血清と50U/
mlのIL-2を含む培養液で37℃で16〜24時間培養した。培
養液を回収し、IFN-γをELISA で測定した。
【0065】次いで、ELISA によって高いIFN −γ産生
が認められた8群について、該当する凍結保存しておい
たHT-1376 cDNAの組換えプラスミドによる形質転換体約
100〜200 クローン/ウェルのプールを用いてさらに以
下のようにスクリーニングを行う。形質転換体のプ―ル
を約6時間LB(アンピシリン50μg /mlを含む)培地に
て培養し、さらに培養物をアンピシリン(50μg /ml)
を含むLB寒天培地のプレートにまいて1日培養し、得ら
れた単一コロニー各群200 コロニー、合計8 ×200コロ
ニーをそれぞれ96穴マイクロプレートの各ウェルに移
し、ウェル当たりの形質転換体が1種類となる条件で上
記と同様の方法で培養し、HT-1376 cDNAの組換えプラス
ミドDNA を調製した。さらに上記と同様な方法によりHT
-1376 cDNAの組換えプラスミドとHLA-A2402 cDNAの組換
えプラスミドとをCOS7細胞にダブルトランスフェクト
し、引き続いてGK-CTL #8 との混合培養を行い、GK-CTL
#8 が反応して産生した培養液中のIFN-γを定量し、陽
性プラスミドを選択した。この操作により、GK-CTL #8
と反応するHT-1376 細胞cDNA組換えプラスミドクローン
が選択され、ART-4 と命名した。ART-4 について、さら
にもう一度、同様な操作を繰り返してGK-CTL #8 による
IFN-γの産生を確認した。
【0066】実施例2 腫瘍抗原遺伝子の塩基配列決定 目的の腫瘍抗原遺伝子のcDNAが組み込まれた組換えプラ
スミドを持つ形質転換体ART-4 をそれぞれ、500ml のア
ンピシリン(50μg /ml)を含むLB培地で37℃で14〜16
時間培養し、遠心分離にて菌体を回収した。菌体からPL
ASMID MAXI キット(QIAGEN社製)に従い、組換えプラ
スミドを回収した。cDNAは、SP6 RNAポリメラーゼプロ
モーター配列とT7 RNA ポリメラーゼプロモーター配列
に挟まれた部位に組み込まれている。そこで文献(DNA
4: 165,1985 )に記載のSP6 プロモータープライマーお
よびT7プロモータープライマーを合成した。次に、SP6
プロモータープライマーまたはT7プロモータープライマ
ーをFluore-dATP LabelingMix(ファルマシアバイオテ
ク社製)およびAutoRead Sequencing Kit (ファルマシ
アバイオテク社製)と組み合わせてジデオキシシークエ
ンシング反応を行い、蛍光DNA シーケンサー(ファルマ
シアバイオテク社製)を使用し、両端からcDNAの塩基配
列を決定した。ART-4cDNA の塩基配列は全長が1773塩基
対と決定され、配列番号:2の通りであった。また、AR
T-4cDNA の塩基配列から推定される最長のオープンリー
ディングフレームを有するアミノ酸配列を配列番号:1
に示す。
【0067】実施例3 ART-4 クローンのHLA-A2402 に対する反応性 HLA-A24 のMHCクラスI抗原の型については、結合し
て提示されるペプチドの配列の規則性(モチーフ)が判
明しており(seminars in IMMUNOLOGY 5:81-94,199
3)、それを参考にして腫瘍抗原ペプチドの候補を調べた
ところ、18個のペプチドP1〜P18(配列番号:3
〜20)が腫瘍抗原ペプチドの候補として挙げられた。
【0068】前記ペプチドを常法により合成し、最終濃
度10μg/mlとなるように10%FCS 添加RPMI640 培養液に
加え、HLA-A2402 cDNAをトランスフェクトしたCOS7細胞
にパルスし、参考例1に記載のようにIFN-γ産生量を調
べることにより腫瘍抗原ペプチドを同定した(図1)。
【0069】図1より、P1(配列番号:1)、P3
(配列番号:5)、P6(配列番号:8)、P7(配列
番号:9)、P9(配列番号:11)およびP16(配
列番号:9)が活性があり、このうちP3が最も活性が
高いことが示された。
【0070】実施例4 腫瘍抗原タンパク質のHLA-A2402 拘束性の同定 異なる量(0 〜200ng/ウエル) のART-4 遺伝子を含むプ
ラスミドベクターを、一定量(100ng/ウエル) のHLA-A2
402 cDNAまたはHLA-A2601 cDNAとダブルトランスフェク
トしたCOS7細胞それぞれに対して、GK-CTL #8 が用量依
存的に反応するかどうかをIFN-γ産生量を調べることに
より検討した(図2)。
【0071】図2より、ART-4 腫瘍抗原タンパク質は、
HLA-A2402 拘束性であることが示された。
【0072】実施例5 腫瘍抗原タンパク質のmRNAの発現 Molecular Cloning: A Laboratory Manual第2版第1−
3巻 Sambrook,J.ら著、Cold Spring Harber Labolator
y Press 出版 New York 1989年に記載の方法に従って、
種々のヒト正常組織のRNAブロット(CLONTECH社製)
を、32P標識ART-4 cDNAプローブを用いて、ノーザンブ
ロットハイブリダイゼーションを行なった(図3)。
【0073】図3より、ART-4 mRNAは、ヒト正常組織に
ユビキタスに発現していることがわかる。
【0074】また、種々の腺癌および扁平上皮癌の細胞
株を常法により培養してmRNAを単離し、前記と同様にノ
ーザンブロットハイブリダイゼーションを行なったとこ
ろ、調べた癌細胞株すべてにART-4 mRNAの発現が観察さ
れた。
【0075】実施例6 腫瘍抗原タンパク質の癌細胞における発現 実施例5で培養した種々の腺癌および扁平上皮癌の細胞
株を、七條ら著、J. Exp. Med. 187: 277-288 (1998)に
記載の方法に従って核画分と細胞質画分に分画した後、
各画分からタンパク質を溶出した。等量のタンパク質
を、前記Molecular Cloning: A Laboratory Manualに記
載の方法によりSDS−PAGEに付して膜に転写した
後、ART-4 融合タンパク質に対するポリクローナル抗体
を用いてウエスタンブロッティングを行なった。
【0076】その結果、43kdのバンドが種々の癌細
胞、特にその核画分に強く発現していることがわかっ
た。一方、正常細胞(末梢血単核細胞)では、43kd
のバンドが検出されなかった。
【0077】
【発明の効果】本発明の腫瘍抗原タンパク質および腫瘍
抗原ペプチドを用いた抗腫瘍免疫を活性化するための医
薬、本発明の腫瘍抗原タンパク質に対する抗体等を用い
た自己免疫疾患を治療するための医薬、および腫瘍抗原
タンパク質をコードするDNA 等を含有する医薬を提供す
ることができ、また腫瘍または自己免疫疾患の診断方法
を提供することができる。
【0078】
【配列表】SEQUENCE LISTING <110> ITOH, Kyogo <120> Human Cancer Regression Antigen Protein <130> SG-10-004 <160> 20
【0079】 <210> 1 <211> 412 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Met Ala Pro Val Glu His Val Val Ala Asp Ala Gly Ala Phe Leu Arg 5 10 15 His Ala Ala Leu Gln Asp Ile Gly Lys Asn Ile Tyr Thr Ile Arg Glu 20 25 30 Val Val Thr Glu Ile Arg Asp Lys Ala Thr Arg Arg Arg Leu Ala Val 35 40 45 Leu Pro Tyr Glu Leu Arg Phe Lys Glu Pro Leu Pro Glu Tyr Val Arg 50 55 60 Leu Val Thr Glu Phe Ser Lys Lys Thr Gly Asp Tyr Pro Ser Leu Ser 65 70 75 80 Ala Thr Asp Ile Gln Val Leu Ala Leu Thr Tyr Gln Leu Glu Ala Glu 85 90 95 Phe Val Gly Val Ser His Leu Lys Gln Glu Pro Gln Lys Val Lys Val 100 105 110 Ser Ser Ser Ile Gln His Pro Glu Thr Pro Leu His Ile Ser Gly Phe 115 120 125 His Leu Pro Tyr Lys Pro Lys Pro Pro Gln Glu Thr Glu Lys Gly His 130 135 140 Ser Ala Cys Glu Pro Glu Asn Leu Glu Phe Ser Ser Phe Met Phe Trp 145 150 155 160 Arg Asn Pro Leu Pro Asn Ile Asp His Glu Leu Gln Glu Leu Leu Ile 165 170 175 Asp Arg Gly Glu Asp Val Pro Ser Glu Glu Glu Glu Glu Glu Glu Asn 180 185 190 Gly Phe Glu Asp Arg Lys Asp Asp Ser Asp Asp Asp Gly Gly Gly Trp 195 200 205 Ile Thr Pro Ser Asn Ile Lys Gln Ile Gln Gln Glu Leu Glu Gln Cys 210 215 220 Asp Val Pro Glu Asp Val Arg Val Gly Cys Leu Thr Thr Asp Phe Ala 225 230 235 240 Met Gln Asn Val Leu Leu Gln Met Gly Leu His Val Leu Ala Val Asn 245 250 255 Gly Met Leu Ile Arg Glu Ala Arg Ser Tyr Ile Leu Arg Cys His Gly 260 265 270 Cys Phe Lys Thr Thr Ser Asp Met Ser Arg Val Phe Cys Ser His Cys 275 280 285 Gly Asn Lys Thr Leu Lys Lys Val Ser Val Thr Val Ser Asp Asp Gly 290 295 300 Thr Leu His Met His Phe Ser Arg Asn Pro Lys Val Leu Asn Pro Arg 305 310 315 320 Gly Leu Arg Tyr Ser Leu Pro Thr Pro Lys Gly Gly Lys Tyr Ala Ile 325 330 335 Asn Pro His Leu Thr Glu Asp Gln Arg Phe Pro Gln Leu Arg Leu Ser 340 345 350 Gln Lys Ala Arg Gln Lys Thr Asn Val Phe Ala Pro Asp Tyr Ile Ala 355 360 365 Gly Val Ser Pro Phe Val Glu Asn Asp Ile Ser Ser Arg Ser Ala Thr 370 375 380 Leu Gln Val Arg Asp Ser Thr Leu Gly Ala Gly Arg Arg Arg Leu Asn 385 390 395 400 Pro Asn Ala Ser Arg Lys Lys Phe Val Lys Lys Arg 405 410
【0080】 <210> 2 <211> 1733 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (17)...(1252) <400> 2 ctctcacgca gccaacatgg ctccagtgga gcacgttgtg gcggatgctg gggctttcct 60 gcggcatgcg gctctgcagg acatcgggaa gaacatttac accatccggg aggtggtcac 120 tgagattcgg gacaaggcca cacgcaggcg gctcgctgtc ctgccctacg agctgcggtt 180 caaggagccc ttaccggaat acgtgcggct ggtgactgag ttttcaaaga aaacaggaga 240 ctaccccagc ctctctgcca cggacatcca agtgcttgca ctcacatacc agttggaagc 300 agagtttgtt ggggtgtctc acctaaaaca agaaccacag aaggttaagg tgagctcatc 360 gattcagcac ccagaaacac ctctgcacat ttctggtttc catctgccct acaagcctaa 420 acccccacaa gaaacagaaa aaggacactc agcttgtgag cctgagaacc tggaatttag 480 ttccttcatg ttctggagaa accctttgcc caacatcgat catgaactgc aggagctgct 540 gattgacaga ggtgaggacg ttccaagtga ggaggaggag gaggaagaaa acgggtttga 600 agacagaaaa gatgacagcg atgacgacgg gggtggctgg ataaccccca gtaacatcaa 660 gcagatccag caggagctgg agcagtgtga cgtccccgag gacgtgcggg ttggctgcct 720 gaccacagac ttcgccatgc agaatgttct gctgcagatg gggctgcacg tgctggcggt 780 gaacggcatg ctgattcgtg aggcccggag ctacatcttg cgctgccatg gctgtttcaa 840 gacaacgtct gacatgagcc gagtgttctg ctcacactgt gggaacaaga ccctgaagaa 900 agtgtccgtg accgtcagcg acgacggcac cctgcacatg cacttctccc gcaaccccaa 960 ggtgctgaac ccccgcggcc tccggtactc gcttcccact cccaaagggg gcaaatacgc 1020 catcaacccc catctcaccg aggatcagcg cttccctcag ctgcgactct cccaaaaggc 1080 caggcagaaa accaacgtgt tcgcccctga ctacatcgcc ggggtgtcac cctttgtcga 1140 gaatgacatc tccagccgct cagctaccct gcaggtccgg gacagcacct tgggagctgg 1200 gcggagacgc ttaaatccca acgcttccag aaagaagttt gtgaagaaaa ggtgaagagc 1260 gagttcccgc aggcaaattg gatgggcgtc tggccgccgt ggagttccgg tgacccattt 1320 ccccagccgt gtcgtctcca ggaccacccg atggaaataa caggcgggct tcacggtgcg 1380 gctctgtccg cccatgcccc gctgggtctg cagggaactg gactgtccca tggcctgtga 1440 gcaccggagc gcctggctgc ctgccaagga agtgcaattg cataaaaaca gaaagaacaa 1500 cgccctggag ccaatcttca agaaaggaat ttccaaagga taatattttt ctaataaatg 1560 cggctgcaac ctcctgtgca tttaattaaa taggccaaat ttttgctgct taggtcatct 1620 caaggctgat acttgagctg tgtgcccaga gatcatgcat ttagatttat atttttgcca 1680 gaaaatacaa ggttataata aaactaagaa ctaccaaaaa aaaaaaaaaa aaa 1733
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、それぞれ配列番号:3〜20に示す推
定HLA-A24 結合ペプチドP1〜P18を用いて、IFN-γ
産生量をELISA によって測定したグラフである。
【図2】図2は、ART-4 遺伝子がコードする腫瘍抗原タ
ンパク質がHLA-A2402 拘束性であることを示すグラフで
ある。
【図3】図3は、ART-4 mRNAが種々のヒト正常組織で発
現していることを示す電気泳動の写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 5/00 B //(C12N 5/10 C12R 1:91) Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA36 BA80 CA04 DA02 DA06 EA04 GA13 GA18 GA27 HA13 HA14 HA19 4C085 AA02 BB01 EE01 GG02 GG03 GG04 4C086 AA01 AA03 EA16 MA01 MA04 NA14 ZB05 ZB26 4H045 AA11 AA20 AA30 CA40 CA41 DA75 DA86 EA28 EA51 FA74

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)配列番号:1のアミノ酸配列をコ
    ードするポリヌクレオチド分子、 (2)配列番号:1のアミノ酸配列において、1以上の
    アミノ酸が置換、欠失、挿入または付加されたタンパク
    質をコードするポリヌクレオチド分子、 (3)配列番号:2の塩基配列からなるポリヌクレオチ
    ド分子、 (4)配列番号:2の塩基配列において、1以上の塩基
    が置換、欠失、挿入または付加されたポリヌクレオチド
    分子、および (5)前記(1)〜(4)のいずれかのポリヌクレオチ
    ド分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
    るポリヌクレオチド分子、からなる群より選択されるポ
    リヌクレオチド分子であって、該ポリヌクレオチド分子
    がコードするタンパク質の一部からなるペプチドが主要
    組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI抗原と結合し
    てT細胞により認識される腫瘍抗原ペプチドであるポリ
    ヌクレオチド分子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリヌクレオチド分子に
    よりコードされる腫瘍抗原タンパク質。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリヌクレオチド分子の
    一部からなるオリゴヌクレオチド分子であって、MHC
    クラスI抗原と結合してT細胞により認識される腫瘍抗
    原ペプチドをコードするオリゴヌクレオチド分子。
  4. 【請求項4】 配列番号:1のアミノ酸配列中、連続し
    た少なくとも7個のアミノ酸残基を含む腫瘍抗原ペプチ
    ドをコードする請求項3記載のオリゴヌクレオチド分
    子。
  5. 【請求項5】 配列番号:1のアミノ酸配列を有する腫
    瘍抗原タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子の
    コーディング配列またはその5' ノンコーディング配列
    中の塩基配列と相補的な配列からなるオリゴヌクレオチ
    ド分子またはその化学的修飾体。
  6. 【請求項6】 請求項3または4記載のオリゴヌクレオ
    チド分子によりコードされる腫瘍抗原ペプチドまたはそ
    の誘導体。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の腫瘍抗原タンパク質また
    は請求項6記載の腫瘍抗原ペプチドもしくはその誘導体
    を含有する医薬。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の腫瘍抗原タンパク質また
    は請求項6記載の腫瘍抗原ペプチドもしくはその誘導体
    に対する抗体。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のポリヌクレオチド分子、
    請求項3もしくは4記載のオリゴヌクレオチド分子また
    は請求項5記載のオリゴヌクレオチド分子もしくはその
    化学的修飾体を含有する医薬。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のポリヌクレオチド分子
    または請求項3〜5いずれか記載のオリゴヌクレオチド
    分子を有するプラスミド。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のプラスミドによって
    形質転換された形質転換体。
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