JP2000116007A - ハイブリッド式の太陽電池を備えた風力発電システム - Google Patents

ハイブリッド式の太陽電池を備えた風力発電システム

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一成 高橋
Kazunori Nagase
和則 永瀬
Masami Kariyone
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽光発電出力と風力発電出力とを充分に利
用可能な経済性に富んだハイブリッド式の発電システム
を構築する。 【解決手段】 風力発電機１の出力を風力発電制御盤１
８を構成する整流ダイオード３により変換した直流出力
と蓄電池９の出力とを、太陽電池２の出力特性に近似し
た出力垂下特性を有するコンバータ１２に入力させたう
えで、第１のインバータ１３において交流電力に変換さ
せると共に、太陽電池２の出力を開閉器５と逆流阻止ダ
イオード４より成る集電箱１７を介して第２のインバー
タ１０において交流電力に変換させ、前記第１と第２の
インバータ１０と１３の交流出力を合成したうえで同期
並入機能を備えた遮断器１６によって外部電力系統と系
統連系運転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリーンな自然エ
ネルギーである風力と太陽光とを利用した小型の発電シ
ステムであって、特に外部電力系統と連系運転を行うこ
とのできる発電システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】風力発電機の出力は風力によって変動す
るものであるから、設置点の地形や季節風等に起因する
変動要因が多く甚だ不安定であるので、風力発電機の出
力変動を緩和させるために、必ず蓄電池電源が接続して
ある。即ち、充分な風力発電エネルギーが得られるとき
は、先ず蓄電池を充電させたうえで余剰電力を検出して
負荷に電力を供給するようにしておき、風力発電エネル
ギーが低下したときは蓄電池出力によって低下分を補
い、安定した電力供給が行えるように発電システムを構
築している。また、太陽光発電出力は、天候と日照時間
によって大きく変化するものであるから、単独で使用さ
れることは特別な場合を除いて稀であり、蓄電池、イン
バータ、系統連系制御装置などと組み合わせた発電シス
テムとして利用されることが多い。風力エネルギーと太
陽光エネルギーとを同時に利用可能なハイブリッド式の
太陽電池を備えた風力発電システムの回路構成を図２に
示す。
【０００３】図２において、太陽電池１０２の出力は、
開閉器１０５と逆流阻止ダイオード１０４より成る集電
箱１１２に入力し、配線用遮断器１０６を介してインバ
ータ１１０に入力する。また、風力発電機１０１の出力
は、風力発電制御盤１１３を構成する整流ダイオード１
０３によって直流電力に変換され、配線用遮断器１０７
を介してインバータ１１０の入力側において太陽電池１
０２の出力と並列接続される。さらに、インバータ１１
０の入力側には蓄電池１０９が配線用遮断器１０８を介
して並列接続してあり、共用のインバータであるインバ
ータ１１０において直・交変換された交流電力は、同期
並入機能を備えた遮断器１１１を介して外部電力系統に
連系される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】風力発電機１０１の発
電出力は先ず蓄電池１０９を充電させ、蓄電池１０９が
完全に充電された後の余剰電力を検出したうえで外部電
力系統に供給するように出力電力制御を行っている。従
って、蓄電池１０９が完全に充電されていない状態にお
いては、蓄電池１０９の充電が完了するまでは負荷に電
力を供給できないので、晴天の場合においても、太陽電
池１０２の出力を負荷に供給できない事態が発生してい
た。即ち、蓄電池１０９の充電状態により太陽電池１０
２と風力発電機１０１の出力が影響を受けるので、発電
システムとしての効率は良くなかった。また、風力発電
出力、太陽光発電出力および蓄電池出力を直・交変換す
るインバータ１１０は、出力電力制御方式が特殊である
ばかりでなく定格容量などもケース・バイ・ケースによ
って設計変更しなくてはならず、その製造コストは高価
となり、外形寸法も大きくなっていた。
【０００５】本発明は従来方式の欠陥を解消するために
なされたものであって、太陽光発電出力と風力発電出力
とを相互干渉なしに充分に利用できるようにしたハイブ
リッド式の発電システムを構築すると共に、電気試験所
による認証品であるインバータを利用することにより、
発電システムの低価格化と外部電力系統への系統連系に
関する電力会社との協議の簡素化を図ろうとするもので
ある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】外部電力系統と連系させ
るハイブリッド式の太陽電池を備えた風力発電システム
において、太陽電池の出力特性に近似した出力垂下特性
を有するコンバータを風力発電機と蓄電池との出力回路
に設けると共に、前記コンバータの出力側に風力発電出
力と蓄電池出力とに共有の第１のインバータを設け、さ
らに、太陽電池出力に専用の第２のインバータの設け、
前記第１と第２のインバータにより変換された交流電力
を並列接続したうえで、外部電力系統と連系運転させる
ようにした。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるハイブリッド
式の太陽電池を備えた風力発電システムの実施を図面を
参照にしながら説明する。図１は、本発明に係る発電シ
ステムの回路構成を示すブロック図である。風力発電機
１の発生電力は風力発電制御盤１８を構成する整流ダイ
オード３によって直流電力に変換され、配線用遮断器７
を介してコンバータ１２に入力する。蓄電池９は配線用
遮断器８を介して前記配線用遮断器７の入力側に接続し
てあるので、蓄電池が充分に充電されていない状態にお
いては、風力発電機１によって充電されるように構成し
てある。
【０００８】太陽電池２の出力特性（照度依存のＩ−Ｖ
特性）は図３に示す通りであり、太陽光から受ける照度
により太陽電池の出力は著しく変化し、垂下特性を有す
ることが判る。太陽電池２の発生電力は開閉器５と逆電
流阻止ダイオード４より成る集電箱１７と配線用遮断器
６を介して専用の第２のインバータ１０へ入力する。
【０００９】コンバータ１２はＤＣ−ＤＣコンバータで
あって、その出力特性は、太陽電池２の出力特性に近似
した垂下特性を備えたものを選定しており、その出力特
性を図４に示す。コンバータ１２の直流出力は第１のイ
ンバータ１３に入力して交流電力に変換され、配線用遮
断器１５を介して太陽電池２の発生電力専用の第２のイ
ンバータ１０の出力側に設けてある配線用遮断器１４の
出力側に並列接続してある。上述したように、コンバー
タ１２を介しての風力発電機１の直流出力特性を、太陽
電池２の出力特性に近似させてあるので、第１と第２の
インバータの出力特性を近似させることができ、第１と
第２のインバータ同士の並列運転は容易になる。また、
外部電力系統との責任分界点に設けてある遮断器１６
は、外部電力系統と連系運転可能な同期並入機能を備え
たものであって、その入力側には配線用遮断器１４と１
５が並列接続してある。
【００１０】
【発明の効果】第１と第２のインバータは、夫々太陽電
池出力と風力発電出力に対応した容量を有する電気試験
所による認証品を適用できるので、太陽光インバータと
して広く使用されている安価なインバータでよい。ま
た、本発電システムによって外部系統と連系運転する場
合には、認証品であるインバータを使用していることに
よって、電力会社との協議を簡素化させることが可能で
ある。
【００１１】本発明によるハイブリッド式の発電システ
ムにおいては、蓄電池の充電は風力発電のみで行えばよ
いので、太陽光発電は単独で負荷への電力供給が可能で
あり、発電システムとしての運用効率が向上する。ま
た、特別仕様のインバータを使用する必要がなく、発電
システムの構成の自由度も増加するので発電システム全
体のコストを著しく低減でき、さらに、太陽光発電によ
る供給電力と風力発電による供給電力とを任意に設定さ
せることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるハイブリッド式の発電システムの
構成を示すブロック図。
【図２】従来技術によるハイブリッド式の発電システム
の構成を示すブロック図。
【図３】太陽電池の出力特性を示す特性曲線。
【図４】ＤＣ−ＤＣコンバータの出力特性を示す特性曲
線。
【符号の説明】
１ 風力発電機 ２ 太陽電池 ３，４ ダイオード ５ 開閉器 ９ 蓄電池 ６〜８，１４〜１５ 配線用遮断器 １６ 遮断器 １０，１３ インバータ １２ コンバータ
フロントページの続き (72)発明者 苅米 正美 東京都墨田区堤通１丁目19番９号 日本電 気精器株式会社内 Ｆターム(参考） 3H078 AA01 AA05 AA26 AA34 BB11 CC22 CC32 CC56 CC66 CC72 5G015 GA05 HA16 JA05 JA21 JA52 5G066 HA30 HB03 HB06 HB09 5H590 AA02 AA04 AA11 CA14 CA29 CA30 CD01 CD03 CE01 CE05 EA14 EB04 FC17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 風力発電機の発生出力を交・直変換した
    直流出力と太陽電池が発生する直流出力とを合成する直
    流出力回路に、蓄電池の出力回路を並列接続したうえで
    共用のインバータに入力させ、該インバータにより直・
    交変換した交流電力を遮断器を介して外部電力系統と連
    系運転するハイブリッド式の太陽電池を備えた風力発電
    システムにおいて、 前記風力発電機と蓄電池とに共用の直流出力回路にコン
    バータを介して第１のインバータを設けると共に、太陽
    電池の直流出力回路に専用の第２のインバータを設け、 前記第１と第２のインバータにより直・交変換された交
    流電力を遮断器を介して並列接続したうえで、外部電力
    系統との責任分界点に設けた遮断器に接続し、該遮断器
    を介して外部電力系統と連系運転するようにしたことを
    特徴とするハイブリッド式の太陽電池を備えた風力発電
    システム。
  2. 【請求項２】 太陽電池の出力特性に近似した出力垂下
    特性を有するコンバータを第１のインバータの入力側に
    設けることにより、第２のインバータに入力する太陽電
    池の出力特性と第１のインバータに入力するコンバータ
    の出力特性とを近似させるようにしたことを特徴とする
    請求項１に記載のハイブリッド式の太陽電池を備えた風
    力発電システム。
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