JP2000115780A - 動画像符号化/復号装置および動画像伝送方法 - Google Patents

動画像符号化/復号装置および動画像伝送方法

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JP2000115780A
JP2000115780A JP28013698A JP28013698A JP2000115780A JP 2000115780 A JP2000115780 A JP 2000115780A JP 28013698 A JP28013698 A JP 28013698A JP 28013698 A JP28013698 A JP 28013698A JP 2000115780 A JP2000115780 A JP 2000115780A
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Masahiro Nakashika
正弘 中鹿
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非圧縮に近い高画質の動画像の伝送を行うこと
ができる動画像符号化装置・復号装置を提供する。 【解決手段】所定時間長、たとえば10秒から10分程
度の動画像信号を原画像蓄積部103から複数回繰り返
し入力し、第1回目に入力される所定時間長の動画像信
号に対しては通常の圧縮符号化を行う。第2回目以降に
入力される所定時間長の動画像信号に対しては所定時間
前の復号画像、すなわちローカル復号画像蓄積部116
に蓄積された同一の入力画像に対応する前回の復号画像
を、予測参照画像として予測符号化を行う。符号化の回
数を重ねるにつれて符号化誤差が減少していく。これに
より、簡単な構成により、非圧縮に近い高画質の動画像
の伝送が行える。また、通常画質から非圧縮に近い高画
質まで複数段階の画質を供給することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動画像符号化/復
号装置および動画像伝送方法に関し、特にディジタルビ
デオディスクやディジタル放送などにおける動画像の符
号化および復号に適した動画像符号化/復号装置および
動画像伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】より大量の映像信号を少ないデータ量で
伝送・蓄積するための動画像符号化技術は、たとえばM
PEG2ビデオ規格(ISO/IEC13818−2)
に代表されるように実用化が進んでいる。
【0003】MPEG2ビデオ規格では、1枚の画面を
複数の8画素×8画素のブロックに分割し、各ブロック
にDCT(離散コサイン変換)を施して、得られたDC
T係数を量子化して可変長符号化することを基本として
いる。また、動き補償画面間予測を併用することによっ
て、時間方向の画像の相関も利用して符号化効率を高め
ている。
【0004】図12は従来のMPEG2方式における動
き補償画面間予測の予測構造を示す図である。動画像を
構成する各画面はピクチャと呼ばれ、ピクチャはここで
はフレームに等しいものとする。ピクチャの種類(ピク
チャタイプ)には、画面内で完結した符号化を行うIピ
クチャの他に、過去(直前)のIまたはPピクチャから
の順方向予測符号化を行うPピクチャ、過去(直前)ま
たは未来(直後)のIまたはPピクチャからの順方向予
測・逆方向予測・双方向予測(平均による内挿予測)を
行うBピクチャの3種類がある。符号化対象画像に対し
て、予測の生成に用いられるIまたはPピクチャは参照
画像と呼ばれる。図12では、参照画像から符号化対象
画像への予測を矢印で示している。また、ここではIま
たはPピクチャの間隔を示すパラメータであるMは、3
ピクチャとしている。
【0005】図13は従来のMPEG2方式におけるピ
クチャの処理順序を示す図である。入力された原画像
は、図13に示すように入力順から符号化順への並べ替
え(リオーダー)が行われる。これは、Bピクチャの符
号化において未来のIまたはPピクチャも予測に使用す
るためであり、I・Pピクチャはすぐに符号化され、B
ピクチャは逆方向予測で参照するI・Pピクチャの符号
化が終わった後で符号化される。復号時には、符号化順
のままで伝送された圧縮データが復号された後、図13
に示すように再度リオーダーが行われ、復号順から元の
入力順と同じ出力順に戻されて復号画像が出力される。
すなわち、Bピクチャは復号と同時に出力され、I・P
ピクチャは次のI・Pピクチャの復号と同時に出力され
る。
【0006】図14は従来のMPEG2方式による動画
像符号化装置の概略構成図である。図14の動画像符号
化装置は、原画像入力端子101、リオーダー部10
2、予測誤差生成部104、DCT部105、量子化部
106、可変長符号化部107、多重部108、送信バ
ッファ109、ビットストリーム出力端子110、逆量
子化部111、IDCT部112、ローカル復号画像生
成部113、ローカル復号画像メモリ114、予測生成
部115、動き検出部118、量子化制御部119から
構成されている。
【0007】原画像入力端子101は、図示しないVT
Rなどの動画像再生装置に接続されており、ここから入
力された動画像は、リオーダー部102においてピクチ
ャタイプに基づいて入力順から符号化順への順序の入れ
替えが行われる。予測誤差生成部104では、リオーダ
ーされた原画像と予測生成部115から供給される予測
信号との差が予測誤差として計算される。得られた予測
誤差信号から、DCT部105においてDCT係数が求
められ、さらに量子化部106で量子化が行われる。可
変長符号化部107では、生起頻度の高いデータに短い
符号長を割り当てるエントロピー符号化により、情報量
が削減される。可変長符号化部107の出力は、多重部
108で動きベクトル133、モード情報134、量子
化制御情報132などと多重され、送信バッファ109
でいったんバッファリングされた後、ビットストリーム
出力端子110からビデオビットストリームとして出力
される。
【0008】量子化部106の出力は逆量子化部111
にも供給されて、ここで逆量子化が行われ、IDCT部
112でIDCT(逆離散コサイン変換)演算が行われ
る。IDCT部112の出力は、ローカル復号画像生成
部113において予測生成部115からの予測信号と加
算されてローカル復号画像が生成され、I・Pピクチャ
の場合はローカル復号画像メモリ114に記憶される。
ローカル復号画像メモリ114は2ピクチャ分の容量を
有し、それぞれ順方向および逆方向の予測のために用い
られる。予測生成部115では、ローカル復号画像メモ
リ114に記憶されているローカル復号画像(I・Pピ
クチャ)を参照画像として、動き検出部118から供給
される動きベクトル133およびモード情報134に基
づいて予測信号が生成される。
【0009】動き検出部118では、符号化対象画像と
参照画像との間のブロックマッチングに基づいて動きベ
クトル133が求められるとともにモード情報134が
生成され、これらが予測生成部115と多重部108に
供給される。動きベクトル133やモード情報134は
マクロブロックと呼ばれる16画素×16画素の矩形領
域を単位として生成される。モード情報134には、画
面内符号化を行うのか、あるいは順方向・逆方向・双方
向のいずれの予測を行うのか、フレーム予測・フィール
ド予測などのいずれの予測モードであるか、などの情報
が含まれる。なお、画面内符号化を行うマクロブロック
では、予測生成部115から出力する予測信号は0とさ
れる。
【0010】量子化制御部119は、量子化部106に
量子化制御情報132を与えて量子化スケールと量子化
マトリクスを制御し、発生符号量を調節する。すなわ
ち、値の小さな量子化スケールおよび量子化マトリクス
を用いれば、高品質の符号化ができるが発生符号量が多
くなり、逆に値の大きな量子化スケールと量子化マトリ
クスを用いれば、符号化誤差は大きくなるが発生符号量
は少なくなる。量子化制御部119には、送信バッファ
占有率情報131が供給されており、送信バッファ10
9の占有率が高い場合には量子化が粗くなるような制御
が行われる。もちろん、送信バッファ占有率131以外
の情報を用いて量子化制御を行ってもよい。
【0011】なお、MPEG2の符号化ビットストリー
ムは、VBV(Video Buffering Ve
rifier)と呼ばれるモデルに準拠することが義務
づけられており、これにより復号装置のバッファがオー
バーフロー・アンダーフローしないようにしている。
【0012】図15は従来のMPEG2方式による動画
像復号装置の概略構成図である。図15の動画像復号装
置は、ビットストリーム入力端子201、受信バッファ
202、分離部203、可変長復号部204、逆量子化
部205、IDCT部206、復号画像生成部207、
リオーダー部209、復号画像出力端子210、復号画
像メモリ211、予測生成部212から構成されてい
る。
【0013】ビットストリーム入力端子201から入力
されたビデオビットストリームは、受信バッファ202
でいったんバッファリングされた後、多重されていた動
きベクトル222、モード情報223、量子化制御情報
221などが分離部203において分離される。続い
て、可変長復号部204、逆量子化部205、IDCT
部206において、それぞれ可変長復号、逆量子化、I
DCT演算が行われる。この時、逆量子化部205にお
いては、分離部203から供給される量子化制御情報2
21が用いられる。復号画像生成部207では、IDC
T部206の出力と予測生成部212から供給される予
測信号との加算が行われて復号画像が生成される。さら
に、リオーダー部209においてピクチャタイプに基づ
いて符号化順から表示順への順序の入れ替えが行われた
後に、復号画像出力端子210から出力される。また、
復号画像生成部207の出力はI・Pピクチャの場合に
は復号画像メモリ211に記憶される。復号画像メモリ
211は2ピクチャ分の容量を有し、それぞれ順方向お
よび逆方向の予測のために用いられる。予測生成部21
2では、復号画像メモリ211に記憶されている復号画
像(I・Pピクチャ)を参照画像として、分離部203
から供給される動きべクトル222、モード情報223
に基づいて予測信号が生成される。
【0014】なお、図14および図15は機能上の構成
を示したものであり、実際の実現形態がこのとおりであ
る必要はない。たとえば、図14において、リオーダー
部102とローカル復号画像メモリ114は同じメモリ
上の別の領域を使用してもよいし、動き検出部118に
おいては原画像だけでなく原画像とローカル復号画像の
両方を用いて動きベクトル133を求めてもよい。また
図15において、リオーダー部209には特別にメモリ
を設ける必要はなく、復号されたBピクチャはそのまま
出力し、I・Pピクチャの復号時は、復号画像メモリ2
11に記憶されている(以前に復号された)IまたはP
ピクチャを出力することによりリオーダーが実現でき
る。
【0015】以上説明したように、MPEG2では、D
CT、量子化、可変長符号化、動き補償予測符号化、な
どの技術を複合して用いることにより圧縮効率を高めて
いる。
【0016】このMPEG2のような動画像符号化技術
を用いることにより、元々のビットレートが大きい動画
像であっても、ビットレートを充分小さくして、限られ
た伝送速度の伝送路を経由して伝送することが可能とな
った。また、限られた容量の記憶媒体に長時間の動画像
データを記憶することも可能となった。こうしたことか
ら、MPEG2はディジタルビデオディスクやディジタ
ル放送などにすでに応用されており、またHDTVのよ
うなさらに高速・高解像度の動画像の伝送・記憶も実用
化されようとしている。
【0017】一般に、MPEG2では圧縮率を自由に選
ぶことができ、得られる画質も圧縮率に依存して変わ
る。通常のディジタルビデオディスクやディジタル放送
で用いられる数十分の1程度の圧縮率でMPEG2圧縮
符号化された映像は、多くの場合については、充分満足
のできる画質を有している。
【0018】しかし、動画像信号の中には圧縮符号化が
易しいものもあれば難しいものもある。MPEG2など
の圧縮符号化方式で、比較的低い符号化レートで符号化
を行うと、一部の画像については、必ずしも画質が充分
ではないことがある。また、画質劣化とまでは言えなく
とも、元々の圧縮していないディジタル映像の有する質
感が充分再現できない場合もある。特に、HDTVの非
圧縮動画像は最高レベルのクオリティを有しているが、
それが圧縮符号化により失われてしまうことがある。も
ちろん、常に最高レベルの画質を供給する必要はない
が、応用や場面によっては、ぜひとも非圧縮に近い高画
質の映像が必要な場合がある。
【0019】しかし、こうした最高画質の動画像を供給
するには、再生側には、非圧縮映像、またはきわめて圧
縮率の小さい映像を記録・再生できる装置が必更になる
が、こうした装置は非常に高価である。また、非圧縮の
テスト動画像信号の発生などにも、やはり高価な専用の
テスト信号発生器が使われている。また、これらの装置
では、数十分の1の圧縮率で符号化した通常品質の動画
像との関連がなく、高画質再生専用の装置として使うし
かなかった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のMPEG2などの圧縮符号化方式により動画像を符号
化すると一部の画像については充分な画質または質感が
得られない場合がある、という問題点があった。一方、
非圧縮またはきわめて圧縮率の小さい高画質の映像を再
生するには専用の高価な装置が必要である、という問題
点があった。
【0021】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、簡単な構成により、非圧縮に近い高画質の
動画像の伝送が行えるとともに、通常画質から非圧縮に
近い高画質まで複数段階の画質を供給することができる
動画像符号化/復号装置および動画像伝送方法を提供す
ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、動画像信号を符号化する動画像符号化装
置において、動画像信号を符号化する符号化手段と、前
記動画像信号を構成するそれぞれの画面を前記符号化手
段に複数回入力する入力手段と、前記符号化手段から出
力される復号画像を記憶する記憶手段と、前記符号化手
段から出力されるそれぞれの画面に対する複数回の符号
化データを時間軸上で1つに多重して送信する送信手段
とを具備し、前記符号化手段は、前記入力手段から第1
回目に入力されるそれぞれの画面に対しては所定の圧縮
符号化を行い、第J回目(Jは2以上の整数)に入力さ
れるそれぞれの画面に対しては前記記憶手段から読み出
される第(J−1)回目の入力に対応する復号画像を予
測参照画像として予測符号化を行うようにしたものであ
る。
【0023】これにより、同一の入力画像が複数回符号
化手段に入力され、第2回目以降の符号化では同一の入
力画像に対応する前回の復号画像に対する予測誤差だけ
を符号化することになるため、符号化の回数を重ねるに
つれて予測誤差が減少し、最終的には非圧縮に近い高画
質の動画像データとして符号化することができる。
【0024】また、符号化の回数を重ねる度に符号化手
段による量子化を細かくしていくことが好ましい。これ
により、さらなる画質の向上を図ることが可能となる。
また、本発明は、所定時間長の動画像信号を符号化する
動画像符号化装置において、動画像信号を符号化する符
号化手段と、前記動画像信号を前記所定時間を単位とし
て前記符号化手段に複数回繰り返し入力する入力手段
と、前記符号化手段から出力される前記所定時間長の復
号画像を記憶する記憶手段と、前記符号化手段によって
前記所定時間長の動画像信号毎に得られた複数回分の符
号化データを時間軸上で1つに多重して送信する送信手
段とを具備し、前記符号化手段は、前記入力手段から第
1回目に入力される前記所定時間長の動画像信号に対し
ては所定の圧縮符号化を行い、第J回目(Jは2以上の
整数)に入力される前記所定時間長の動画像信号に対し
ては前記記憶手段から読み出される第(J−1)回目の
入力に対応する前記所定時間前の復号画像を予測参照画
像として予測符号化を行うようにしたものである。
【0025】これにより、所定時間、たとえば10秒あ
るいは10分というような長さの同一の入力画像が複数
回繰り返し符号化手段に入力され、第2回目以降の符号
化では同一の入力画像に対応する前回の復号画像に対す
る予測誤差だけを符号化することになるため、符号化の
回数を重ねるにつれて予測誤差が減少し、最終的には非
圧縮に近い高画質の動画像データとして符号化すること
ができる。
【0026】また、本発明は、動画像信号を符号化する
動画像符号化装置において、動画像信号を符号化する符
号化手段と、前記動画像信号を構成するそれぞれの画面
が前記符号化手段に複数回入力されるように、前記動画
像信号の各画面毎にその画面をK回(Kは2以上の整
数)連続して前記符号化手段に入力する入力手段と、前
記符号化手段から出力される復号画像を記憶する記憶手
段と、前記符号化手段によって前記動画像信号を構成す
るそれぞれの画面毎に得られたK回分の符号化データが
画面毎に時間軸上で連続するように、それぞれの画面の
K回分の符号化データを時間軸上で1つに多重して送信
する手段とを具備し、前記符号化手段は、前記入力手段
から第1回目に入力されるそれぞれの画面に対しては所
定の圧縮符号化を行い、第J回目(Jは2以上でK以下
の整数)に入力されるそれぞれの画面に対しては前記記
憶手段から読み出される第(J−1)回目の入力に対応
する直前の復号画像を予測参照画像として予測符号化す
るようにしたものである。
【0027】この動画像符号化装置においては、所定時
間長単位ではなく、入力画面単位で同一画面が繰り返し
符号化手段に入力される。このように、同一の入力画像
がK回、たとえば4回連続して符号化手段に入力される
ことにより、第2回目以降の符号化では同一の入力画像
に対応する前回の復号画像に対する予測誤差だけを符号
化することになるため、符号化の回数を重ねるにつれて
予測誤差が減少し、高画質の動画像データとして符号化
することができる。
【0028】また本発明は、符号化動画像データを復号
して動画像信号を出力する動画像復号装置において、前
記動画像信号を構成するそれぞれの画面に対する複数回
の符号化データが時間軸上で1つに多重された符号化デ
ータを受信する受信手段と、符号化データを復号する復
号手段と、前記復号手段から出力される復号画像を記憶
する記憶手段とを具備し、前記復号手段は、前記受信手
段から供給されるそれぞれの画面の第1回目の符号化デ
ータの復号では所定の圧縮復号を行い、それぞれの画面
の第J回目(Jは2以上の整数)の符号化データの復号
では前記記憶手段から読み出される第(J−1)回目の
復号画像を予測参照画像として予測復号を行うようにし
たものである。
【0029】これにより、同一の入力画像に対する複数
回の符号化データが受信され、第2回目以降の符号化デ
ータの復号では同一の入力画像に対応する前回の復号画
像に対する予測誤差だけを符号化したデータを復号する
ため、復号の回数を重ねるにつれて予測誤差が減少し、
通常の画質から非圧縮に近い高画質まで複数段階の画質
の動画像を得ることができる。
【0030】また、本発明は、符号化動画像データを復
号して所定時間長の動画像信号を出力する動画像復号装
置において、前記所定時間長の動画像信号に対する複数
回の符号化データが繰り返し時間軸上で多重された符号
化データを受信する受信手段と、符号化データを復号す
る復号手段と、前記復号手段から出力される前記所定時
間長の復号画像を記憶する記憶手段とを具備し、前記復
号手段は、前記受信手段から供給される第1回目の前記
所定時間長の符号化データの復号では所定の圧縮復号を
行い、第J回目(Jは2以上の整数)の前記所定時間長
の符号化データの復号では前記記憶手段から読み出され
る第(J−1)回目に対応する前記所定時間前の復号画
像を予測参照画像として予測復号を行うようにしたもの
である。
【0031】これにより、所定時間、たとえば10秒あ
るいは10分というような長さの同一の入力画像に対す
る複数回の符号化データが受信され、第2回目以降の符
号化データの復号では同一の入力画像に対応する前回の
復号画像に対する予測誤差だけを符号化したデータを復
号するため、復号の回数を重ねるにつれて予測誤差が減
少し、通常の画質から非圧縮に近い高画質まで複数段階
の画質の動画像を得ることができる。
【0032】また、本発明は、符号化動画像データを復
号して動画像信号を出力する動画像復号装置において、
前記動画像信号を構成するそれぞれの画面毎に連続して
得られたK回分の符号化データが画面毎に時間軸上で連
続するように1つに多重された符号化データを受信する
受信手段と、符号化データを復号する復号手段と、前記
復号手段から出力される復号画像を記憶する記憶手段
と、前記復号手段において前記受信手段から供給される
それぞれの画面の第L回目(Lは1以上K以下の整数)
の符号化データの復号により得られた復号画像を出力す
る出力手段とを具備し、前記復号手段は、前記受信手段
から供給されるそれぞれの画面の第1回目の符号化デー
タの復号では所定の圧縮復号を行い、それぞれの画面の
第J回目(Jは2以上L以下の整数)の符号化データの
復号では前記記憶手段から読み出される第(J−1)回
目に対応する直前の復号画像を予測参照画像として予測
復号を行うようにしたものである。
【0033】これにより、同一の入力画像に対するK
回、たとえば4回の符号化データが連続して受信され、
第2回目以降の符号化データの復号では同一の入力画像
に対応する前回の復号画像に対する予測誤差だけを符号
化したデータを復号するため、復号の回数を重ねるにつ
れて予測誤差が減少し、通常の画質から非圧縮に近い高
画質まで複数段階の画質の動画像を得ることができる。
前記Lは復号を打ち切る回数を示しており、1以上K以
下の値をとりうる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を説明する。 (第1の実施形態)まず、本発明の第1の実施形態につ
いて述べる。本実施形態の要点は、以下のとおりであ
る。
【0035】符号化装置側では、 (1) 符号化の対象となる所定時間T(たとえば10
秒間あるいは10分間など)の動画像をTを周期として
何度も繰り返し入力する。
【0036】(2) 時間長Tの動画像の第1回目の入
力時には、通常どおりの圧縮符号化を行う。この際、I
・P・Bピクチャの選択や、符号化レートの設定などは
従来のとおりとする。
【0037】(3) 時間長Tの同一の動画像の第2回
目以降の入力時には、FIFO(ファーストイン・ファ
ーストアウト)動作する蓄積部で時間Tだけ遅延させた
ローカル復号画像に予測参照画像を切り替え、常に時間
Tだけ前の復号画像を参照してあたかもPピクチャ(動
き補償なし)のようにして予測誤差を符号化する。
【0038】(4) その際、符号化の回数を重ねるた
びに徐々に量子化を細かくしていく。これに伴って、符
号化誤差は徐々に小さくなっていく。 (5) 復号側で必要になる、予測参照画像の切り替え
タイミングなどの情報は、ビットストリームに多重して
おく。
【0039】一方、復号装置側では、 (1) 時間長Tの動画像の第1回目の符号化に対応す
る符号化データの復号では、通常どおりの圧縮復号を行
う。この際、I・P・Bピクチャの選択や、符号化レー
トの選択などは従来のとおりであり、多重されている制
御信号に従う。
【0040】(2) 時間長Tの同一の動画像の第2回
目以降の符号化データの復号では、FIFO動作する蓄
積部で時間Tだけ遅延させた復号画像に予測参照画像を
切り替え、常に時間Tだけ前の復号画像を参照してあた
かもPピクチャ(動き補償なし)のようにして復号す
る。
【0041】(3) 上記蓄積部を備えた復号装置であ
れば、時間をかけて複数回の復号を繰り返すことによ
り、徐々に符号化誤差が小さくなり、最終的には非圧縮
に近い時間長Tの動画像が再生できる。もし復号装置に
上記蓄積部がない場合でも、第1回目の復号だけはでき
るので、通常画質の動画像は再生できる。
【0042】図1は本発明の第1の実施形態における動
画像符号化装置の概略構成図である。図1の動画像符号
化装置は、原画像入力端子101、リオーダー部10
2、原画像蓄積部103、予測誤差生成部104、DC
T部105、量子化部106、可変長符号化部107、
多重部108、送信バッファ109、ビットストリーム
出力端子110、逆量子化部111、IDCT部11
2、ローカル復号画像生成部113、ローカル復号画像
メモリ114、予測生成部115、ローカル復号画像蓄
積部116、予測切り替え部117、動き検出部11
8、量子化制御部119、予測切り替え制御部120か
ら構成されている。
【0043】図1の動画像符号化装置は、図14の従来
の動画像符号化装置に対して、原画像蓄積部103、ロ
ーカル復号画像蓄積部116、予測切り替え部117、
予測切り替え制御部120が追加された構成となってい
る。以下では、図14と異なる部分について説明する。
【0044】原画像蓄積部103は、リオーダー部10
2と予測誤差生成部104の間に位置し、時間長Tに相
当するピクチャ分の容量を有し、リオーダーされた時間
長Tの入力画像をFIFO動作的に蓄積する。そして、
予測切り替え制御部103からの予測切り替え制御情報
135に基づいて、第1回目の入力では入力画像をその
まま出力しながら同時に蓄積し、第2回目以降の入力で
は第1回目の入力時に蓄積した時間Tの動画像を繰り返
し出力する。
【0045】ローカル復号画像蓄積部116は、時間長
Tに相当するピクチャ分の容量を有し、第1回目、第2
回目、…の各符号化の際に、ローカル復号画像生成部1
13から出力されるローカル復号画像の全てを符号化順
にFIFO動作的に記憶する。
【0046】第1回目の符号化の際は、ローカル復号画
像メモリ114、予測生成部115、動き検出部118
も図14の従来の動画像符号化装置の場合と同様に動作
しているが、第2回目以降の符号化の際はこれらは動作
を停止する。
【0047】予測切り替え部117は、予測切り替え制
御信号135に基づいて、第1回目の符号化においては
予測生成部115から出力される通常の予測信号を選択
し、第2回目以降の符号化においてはローカル復号画像
蓄積部116から出力される時間長Tだけ前に復号され
たローカル復号画像を選択して、予測誤差生成部104
に予測信号として供給する。
【0048】予測切り替え制御部120は、時間長Tの
動画像の第1回目の符号化の終了タイミングに基づいて
予測切り替え制御信号135を発生し、原画像蓄積部1
03および予測切り替え部117を制御する。また、発
生された予測切り替え制御信号135は、多重部108
にも供給され、ビットストリームに多重される。
【0049】多重部108では、時間長Tの動画像信号
毎に得られた複数回分の符号化データが時間軸上で1つ
に多重されて伝送路または蓄積媒体に送られる。なお、
図示していないが、多重部108では符号化の終了(繰
り返し符号化の打ち切り)を示す情報もビットストリー
ムに多重される。
【0050】図2は本発明の第1の実施形態における動
画像復号装置の概略構成図である。図2の動画像復号装
置は、ビットストリーム入力端子201、受信バッファ
202、分離部203、可変長復号部204、逆量子化
部205、IDCT部206、復号画像生成部207、
出力画像切り替え部208、リオーダー部209、復号
画像出力端子210、復号画像メモリ211、予測生成
部212、復号画像蓄積部213、予測切り替え部21
4から構成されている。
【0051】図2の動画像復号装置は、図15の従来の
動画像復号装置に対して、出力画像切り替え部208、
復号画像蓄積部213、予測切り替え部214が追加さ
れた構成となっている。以下では、図15と異なる部分
について説明する。
【0052】復号画像蓄積部213は、時間長Tに相当
するピクチャ分の容量を有し、第1回目、第2回目、…
の各符号化データの復号の際に、復号画像生成部207
から出力される復号画像の全てを復号順にFIFO動作
的に記憶する。ビットストリームから符号化終了を示す
情報が検出されると、その時点でこの復号画像蓄積部2
13に蓄積されている時間長Tの復号画像がそのまま保
持される。あるいは、図示しない制御部から復号打ち切
りが指示されると、やはりその時点で復号画像蓄積部2
13に蓄積されている時間長Tの復号画像がそのまま保
持される。
【0053】第1回目の符号化データの復号の際は、復
号画像メモリ211、予測生成部212も図15の従来
の動画像復号装置の場合と同様に動作しているが、第2
回目以降の符号化データの復号の際はこれらは動作を停
止する。
【0054】予測切り替え部214は、予測切り替え制
御信号224に基づいて、第1回目の復号においては予
測生成部212から出力される通常の予測信号を選択
し、第2回目以降の復号においては復号画像蓄積部21
3から出力される時間長Tだけ前に復号された復号画像
を選択して、復号画像生成部207に予測信号として供
給する。
【0055】予測切り替え制御信号224は、分離部2
03においてビットストリームから分離されて予測切り
替え部214に供給される。出力画像切り替え部208
は、復号画像生成部207からの復号画像と復号画像蓄
積部213からの復号画像を切り替えてリオーダー部2
09に供給する。符号化中は復号画像生成部207から
の復号画像が選択されているが、ビットストリームから
符号化終了を示す情報が検出されると、あるいは図示し
ない制御部から復号打ち切りが指示されると、その時点
で復号画像蓄積部213からの復号画像が選択される。
その後、復号画像蓄積部213に最終的に保持された時
間長Tの復号画像は、1回だけ、または繰り返し読み出
され、リオーダー部209におけるリオーダーの後、復
号画像出力端子210から出力される。このような出力
画像切り替え部208による画像切り替えにより、第1
回目の符号化データを用いたリアルタイム再生と、復号
画像蓄積部213に最終的に保持された復号画像を用い
た高品質再生とを選択的に利用することが可能となる。
また、復号画像蓄積部213を有しない通常の復号装置
においても、第1回目の符号化データに対応する復号画
像を出力することにより、その再生が可能となる。
【0056】なお、リオーダー部209に特別にメモリ
を設けなくても、復号画像メモリ211をリオーダー用
メモリとして兼用してもよい。図3は本実施形態におけ
る動画像入力の様子を示す図である。原画像は有限の長
さTであるとし、これをTを単位として1回目、2回
目、…という具合に繰り返し符号化部に入力する。繰り
返しの回数には特に制約はない。なお、実際にはリオー
ダー部102でリオーダーされた後に原画像蓄積部10
3により後段の符号化部に繰り返し供給されるが、基本
的な考え方は図3のとおりである。
【0057】図4、図5は本実施形態における予測構造
を示す図である。図4は時間長Tの動画像の第1回目の
入力における予測構造を、図5は第2回目以降の入力に
おける予測構造を、それぞれ入力順で示している。
【0058】図4で示した第1回目の符号化における予
測構造は、図12で示した従来のMPEG2の予測構造
と全く同じであり、ピクチャタイプに応じて順方向・逆
方向・双方向の予測が行われる。図4ではM=3の符号
化を行う場合を示している。この第1回目の符号化で
は、MPEG2で用いうる任意の予測構造を自由に選ぶ
ことができ、たとえば全ての画面をIピクチャとした
り、あるいはBピクチャを全く使わないようにしたりし
てもよい。
【0059】図5で示した第2回目以降の符号化におけ
る予測構造は、所定時間Tだけ前の画面、すなわち現在
符号化しようとしている画面と全く同一の入力画面に対
する前回の復号画像を参照画像として予測符号化を行
う。図5において、ピクチャタイプPTは、時間Tだけ
前の画面からあたかもPピクチャのように予測するピク
チャタイプを示すものとする。第2回目以降の符号化で
は、符号化を繰り返すにつれて、予測画像(時間Tだけ
前の復号画像)と原画像の誤差は徐々に小さくなり、き
わめて高画質の符号化ができる。
【0060】この第2回目以降の符号化で用いられるピ
クチャタイプPTについては、動き補償なしの予測符号
化を行う。なぜならば、複数回の入力において、原画像
は全く同一であるから、動き補償を行う必要がないため
である。よって、図1の動画像符号化装置では、ローカ
ル復号画像蓄積部116の後段には予測生成部がない。
第2回目以降の符号化では、動き検出部118での動き
検出を行う必要もないので、装置を低電力化することが
でき、あるいはソフトウェアで符号化する場合には処理
時間が短くて済む。もちろん、第2回目以降の符号化に
おいても動き検出・動き補償を行っても差し支えない
が、その場合でもたいていは動き補償なしの予測が選択
されるはずである。同様に、図2の動画像復号装置で
は、復号画像蓄積部213の後段には予測生成部がな
い。
【0061】図6は本実施形態におけるピクチャの処理
順序を示す図である。第1回目の入力に対しては、図1
3に示した従来の処理順序と同様に、ピクチャタイプに
基づいたリオーダーが符号化前および復号後に行われ
る。第2回目以降の入力に対しては、第1回目の入力に
対して行ったのと全く同じリオーダー処理を行う。すな
わち、第2回目以降のリオーダー方法は、第1回目の予
測構造によって一義的に決まる。図1の動画像符号化装
置では、リオーダーした後に原画像蓄積部103に時間
長Tの原画像を蓄積するようにしているので、第2回目
以降のリオーダーは特に意識して制御する必要はない。
図2の動画像復号装置では、複数回の復号を繰り返した
後で最後に復号画像蓄積部213に保持された復号画像
について、第1回目の符号化デーダのピクチャタイプに
基づいたリオーダーをして出力する。
【0062】以下では、本実施形態のさらに詳細な説明
を行う。上述の所定時間長を表すパラメータであるT
は、原画像蓄積部103およびローカル復号画像蓄積部
116、復号画像蓄積部213の容量が確保できる限
り、特に制約はない。上記各蓄積部は、現時点ではハー
ドディスクで構成するのが最もコストパフォーマンスが
よいと考えられるが、もちろん半導体メモリや書き換え
型光ディスク等の記憶素子・記憶装置を使用することも
できる。現在のハードディスクの容量では、Tは10秒
から10分くらいが現実的であるが、将来、あるいは現
在でもコストを許容すれば、1時間以上の高画質の動画
像の伝送・蓄積も可能である。また、HDTVの場合で
も上記各蓄積部の容量の絶対値が大きくなるだけであ
り、基本的な原理は変わらない。
【0063】また以上の説明では、各蓄積部の動作はF
IFO動作としたが、必ずしも蓄積部自体がFIFOで
なくても、ランダムアクセスが可能な記憶メディアを使
用してもよい。また、説明の都合上、各蓄積部を別々の
ブロックとして説明したが、実際には単一の大容量の記
憶装置を分割してこれらの複数の蓄積機能を持たせても
よい。
【0064】なお、図1では原画像蓄積部103の位置
はリオーダー部102の直後としたが、これをリオーダ
ー部102の直前に変えることも可能である。また、図
示していない原画像再生装置自体がハードディスクのよ
うなランダムアクセス可能な装置であれば、特に原画像
蓄積部103を新たに設ける必要もなく、原画像再生装
置から直接複数回繰り返して読み出しを行って符号化装
置に入力するようにすればよい。また、原画像再生装置
がVTRのように巻き戻し操作等に時間がかかる場合で
あっても、複数回の読み出しのために必要な巻き戻しの
間は符号化装置全体を一時停止させておくようにしても
よく、この場合も原画像蓄積部103は必要ない。
【0065】次に、量子化制御部119における量子化
の制御について説明する。量子化制御は基本的には、送
信バッファ109からの送信バッファ占有率情報131
に基づいて行われる。第1回目の符号化の際は、これは
通常の量子化制御に相当する。第2回目以降の符号化の
際には量子化が徐々に細かくなっていく。そして、時間
長Tの全てのピクチャの全てのマクロブロックについて
量子化ステップが最小になった時点で、繰り返し符号化
を打ち切るようにする。量子化は、量子化スケールと量
子化マトリクスの両方を使ってDCT係数を割り算して
丸めることによって行われるが、この両方が最小値にな
った時点で符号化を打ち切るようにすれば、無駄な符号
化の繰り返しを避けることができる。前述のように、こ
の符号化打ち切りの情報も符号化終了情報としてビット
ストリームに多重しておき、復号側で用いる。なお、送
信バッファ占有率情報131によらず、符号化のたびに
量子化を強制的に細かくしていってもよい。
【0066】また、上述の複数回の符号化データが多重
された状態で、1本の系列としてVBV(Video Buffer
ing Verifier)モデルの制約を満足するように符号量を
制御するのが望ましい。そうすれば、復号側では従来の
MPEG2と同様のバッファ管理を行えばよく、特別な
バッファ管理制御を行う必要がない。
【0067】次に、演算誤差の累積とその対策について
述べる。一般に、任意の符号化装置と復号装置の組み合
わせを考えれば、符号化装置のIDCT部112と復号
装置のIDCT部206においてIDCT演算方式(手
順・丸めの方法)が異なっている。これにより符号化装
置でのローカル復号画像(ローカル復号画像生成部11
3の出力)と復号装置での復号画像(復号画像生成部2
07の出力)の間に誤差が発生する可能性がある。これ
は、IDCTミスマッチと呼ばれている。この誤差が累
積することを避けるために、元々MPEG2などでは、
各マクロブロックについて、画面内符号化を行わずに予
測符号化を行う回数を132回未満に制限している。
【0068】本発明においても、ピクチャタイプPT
示されるピクチャについては、複数回の画面間予測符号
化(および画面間予測復号)を繰り返すのであるから、
この繰り返し回数が多くなると、IDCTミスマッチの
影響が累積して、復号画質に悪影響を与える恐れがあ
る。
【0069】これを避ける第1の方法は、MPEG2な
どで行われているように、予測符号化の回数、すなわち
符号化の繰り返し回数に上限(たとえば132回未満)
を設けることである。同一の入力画像に対する予測誤差
のみを符号化していくのであるから、よほどビットレー
トを低くしない限りは、132回という符号化繰り返し
回数があればほとんどの場合は充分に高画質の動画像を
伝送することができる。もちろん、このように符号化繰
り返し回数に上限を設けることは必須ではない。
【0070】もう一つの方法として、符号化装置を識別
するための制御データ(符号化装置ID)をビットスト
リームに多重するなどの方法で伝送し、これをもとに復
号装置側で復号打ち切り回数を決めてもよい。すなわ
ち、復号装置側で受信した符号化装置IDから、符号化
側のIDCT演算方式と復号側のIDCT演算方式が完
全に同じものであることがわかっていれば、IDCTミ
スマッチを理由にした復号打ち切りを行う必要はない。
また、IDCT演算方式が完全に同じものでなくても、
既知のものであれば、IDCTミスマッチの発生確率が
あらかじめある程度わかるので、それに応じて復号打ち
切り回数を決めればよい。符号化装置IDが未知のもの
であれば、IDCTミスマッチの程度がわからないた
め、復号打ち切り回数を早めに設定する。
【0071】本実施形態では、所定時間Tの動画像信号
に対する複数回の符号化データが繰り返し時間軸上で多
重された形になっている。半永久的に符号化・復号を反
復することもでき、きわめて高画質の動画像を伝送する
ことができる。また、本実施形態では、符号化処理・復
号処理の速度は従来のままでよく、同一の符号化部を繰
り返し複数回使用して符号化を行い、同一の復号部を繰
り返し複数回使用して復号を行っている。従って、従来
の符号化装置・復号装置の大部分をそのまま使用するこ
とができる。
【0072】次に、本実施形態の具体的な応用例につい
て述べる。まず、第1の応用として、ディジタルビデオ
ディスクによる高画質の動画像の供給を考える。通常の
ディジタルビデオディスクでは、最大符号化レートの制
約やMPEG2のVBVバッファ容量の制約があるため
に、伝送できる動画像の画質には上限があった。しか
し、本実施形態を応用して、時間長Tに対応する複数回
の符号化データをディジタルビデオディスクに記録して
おき、通常のディジタルビデオディスクプレーヤに復号
画像蓄積部213(外付けハードディスク)を追加し、
複数回の復号を繰り返すことにより、非圧縮に近い動画
像の供給を行うことができる。これは、たとえば安価な
テスト信号発生器としても使うことができる。カラーバ
ーやゾーンプレートなどの静止画テスト信号のみなら
ず、動画テスト信号を、ディジタルビデオディスクの本
編以外の固定した領域に記録しておくようにすることも
できる。
【0073】また、第2の応用として、ディジタル放送
による高画質動画像の供給を考える。図7はこのような
応用を実現する動画像受信装置の構成を示す図である。
図7の受信装置はビットストリーム入力端子701、復
号部702、復号画像蓄積部703、出力画像切り替え
部704、画像出力端子705から構成されている。ビ
ットストリーム入力端子701から入力される受信ビッ
トストリームは、復号部702と復号画像蓄積部703
を用いて、本実施形態で説明したのと同様に複数回の復
号が繰り返され、最終的に復号画像蓄積部703には時
間長Tの高画質の復号画像が蓄積される。ビットストリ
ームに多重されている出力画像切り替え制御信号711
は出力画像切り替え部704に供給され、復号部702
から直接供給される復号画像と、復号画像蓄積部703
から供給される高画質の復号画像のいずれか一方を選択
して画像出力端子705に供給する。
【0074】この図7の受信装置の実際の使用例につい
て説明する。本実施形態の方法により所定時間Tの動画
像信号が複数回符号化された符号化データが、たとえば
夜間に放送されるものとする。図7の受信装置では、充
分な画質が得られるまで復号を複数回繰り返して復号画
像蓄積部703に時間長Tの非圧縮に近い復号画像を夜
間に蓄積しておく。翌日の放送では、該当する時間長T
の部分には第1回目の符号化データと同じ符号化データ
のみがリアルタイムで放送され、同時に出力画像切り替
え制御信号711も多重して放送される。復号画像蓄積
部703を備えた受信装置では、出力画像切り替え制御
信号711に基づいて、現在の放送データを復号した復
号画像か、前夜に蓄積した高画質の復号画像を出力画像
切り替え部704で切り替えて出力する。すなわち、該
当する時間長Tの部分でのみ、復号画像蓄積部703の
復号画像が選択される。これにより、時間長Tの部分に
ついては非常に高画質の映像を供給することができる。
しかも、視聴者はリアルタイムに復号していないことを
意識する必要はなく、連続して視聴を続けることができ
る。復号画像蓄積部703のない受信装置では、出力画
像切り替え制御信号711は無視されて、現在放送され
ている第1回目の符号化データを復号した画像、すなわ
ち通常画質の放送を見る。なお、復号画像蓄積部703
は、いわゆる大容量のホームサーバと兼用してもよい。
ホームサーバは、通常は圧縮したままの動画像を蓄積す
るためのものであるが、ここでは復号済みの動画像を蓄
積する。
【0075】また本実施形態は、たとえばネットワーク
系での高画質の動画像の伝送に適している。符号化動画
像データを時間をかけてダウンロードするような場合
に、まずは第1回目の符号化データのみを受信して復号
画像を表示し、その後複数回の符号化データを受信・復
号するたびに徐々に画質が上がっていくような応用が可
能である。
【0076】また、書き換え型記憶装置に符号化データ
を記憶する場合、1つの動画像当たりたとえば20回の
符号化を繰り返した符号化データを最初は記憶してお
き、記憶装置の容量が不足してきた時点で、それぞれの
符号化データの後半10回分を記憶していた領域を新し
いデータの記憶領域に割り当てて上書きするようにして
もよい。すなわち、容量に余裕があるうちは最大20回
の復号が繰り返せるのでより高画質の再生ができ、容量
が足りなくなってきたら最大復号回数(画質)を若干犠
牲にして容量をかせぐ、といった使い方ができる。
【0077】以上説明してきたように、本実施形態によ
れば、10秒から10分程度の所定時間の動画像信号を
繰り返し入力し、2回目以降は所定時間前のピクチャを
参照画像として予測符号化するようにしたので、 (1) 通常の単一のMPEG2符号化装置・復号装置
にわずかな変更を加えた簡単な構成により、非圧縮に近
い高画質の動画像を伝送することができる。
【0078】(2) 符号化・復号の回数に応じて通常
画質から最高画質まで複数段階の画質を得ることができ
る。特に、本実施形態では、半永久的に符号化・復号を
繰り返すことができるため、非常に画質の高い復号画像
を得ることができる。
【0079】(3) 限られた伝送レートの伝送路を用
いて伝送することができる。 (第2の実施形態)次に、本発明の第2の実施形態につ
いて述べる。本実施形態の要点は、以下のとおりであ
る。
【0080】符号化装置側では、 (1) 符号化の対象となる動画像の同一ピクチャをK
倍速(K≧2)、たとえば4倍速で動作する符号化部に
K回連続して入力する。
【0081】(2) 元の動画像を構成する各ピクチャ
どうし、すなわちK回連続して入力される同一ピクチャ
の第1回目の入力時には、中間の(K−1)枚のピクチ
ャがないものとして通常どおりの圧縮符号化を行う。こ
の際、I・P・Bピクチャの選択などは従来のとおりと
する。
【0082】(3) K回連続して入力される同一ピク
チャのうちの第2回目以降の(K−1)枚の入力時に
は、蓄積しておいた直前のローカル復号画像に予測参照
画像を切り替え、あたかもPピクチャ(動き補償なし)
のようにして予測誤差を符号化する。
【0083】(4) その際、符号化の回数を重ねる度
に徐々に量子化を細かくしていく。これに伴って符号化
誤差は徐々に小さくなっていく。 (5) 復号側で必要になる、予測参照画像の切り替え
タイミングなどの情報は、ビットストリームに多重して
おく。
【0084】一方、復号装置側では、 (1) 復号部全体をL倍速(L≦K)、たとえば3倍
速で動作させる。 (2) 同一ピクチャの第1回目の符号化に対応する符
号化データの復号では、中間の(K−1)枚のピクチャ
がないものとして通常どおりの圧縮復号を行う。この
際、I・P・Bピクチャの選択などは従来のとおりであ
り、多重されている制御信号に従う。
【0085】(3) 同一ピクチャの第2回目以降の符
号化データの復号では、蓄積部に記憶された復号画像に
予測参照画像を切り替え、同一ピクチャの直前の復号画
像を参照してあたかもPピクチャ(動き補償なし)のよ
うにして復号する。
【0086】(4) 上記蓄積部を備えてかつL倍速で
動作する復号装置であれば、同一ピクチャに対する第1
回目〜第L回目までの符号化データの復号をL倍速で行
うことにより、徐々に符号化誤差が小さくなり、リアル
タイムで高画質の動画像が再生できる。もし復号装置が
上記蓄積部を持たず、1倍速でしか動作しない場合で
も、第1回目の復号だけはできるので、通常画質の動画
像は再生できる。
【0087】本実施形態における動画像符号化装置の概
略構成図は図1と同じである。ただし、図1の原画像蓄
積部103の読み出し以降の部分がK倍速で動作するこ
とと、原画像蓄積部103、ローカル復号画像蓄積部1
16の容量がそれぞれ1画面分でよいことなどが異な
る。以下では、図1と異なる点を中心に説明する。
【0088】原画像蓄積部103は、1ピクチャ分の容
量を有し、リオーダーされた各ピクチャを1回書き込ん
でK回連続して読み出す動作を行う。この時、書き込み
は通常速度で、読み出しはK倍速で行う。本実施形態の
場合には、この原画像蓄積部103がリオーダー部10
2よりも後段に位置している方が、記憶容量の節約とい
う点で望ましい。
【0089】ローカル復号画像蓄積部116は、1ピク
チャ分の容量を有し、同一ピクチャのK回の符号化に対
するローカル復号画像を符号化のたびに記憶する。各ピ
クチャの第1回目の符号化の際は、I・Pピクチャの場
合はローカル復号画像メモリ114とローカル復号画像
蓄積部116の両方にローカル復号画像の書き込みが行
われ、Bピクチャの場合はローカル復号画像蓄積部11
6のみに書き込みが行われる。第2回目以降の符号化の
際には、ローカル復号画像メモリ114の内容は更新せ
ず、ローカル復号画像蓄積部116の内容のみを更新す
る。
【0090】予測切り替え制御部120は、各ピクチャ
の第1回目の符号化と第2回目〜第K回目までの符号化
のタイミングに応じて、予測切り替え制御信号135を
発生し、予測切り替え部117を制御する。予測切り替
え部117では、予測切り替え制御信号135に基づい
て、第1回目の符号化においては予測生成部115から
出力される通常の予測信号を選択し、第2回目〜第K回
目の符号化においてはローカル復号画像蓄積部116か
ら出力される直前のローカル復号画像を選択して、予測
誤差生成部104に予測信号として供給する。
【0091】多重部108では、動画像信号の画面毎に
連続して得られた複数回分の符号化データが時間軸上で
1つに多重されて伝送路または蓄積媒体に送られる。本
実施形態における動画像復号装置の概略構成図は図2と
同じである。ただし、リオーダー部209以前の部分が
L倍速で動作することと、復号画像蓄積部213の容量
が1画面分でよいことなどが異なる。以下では、図2と
異なる点を中心に説明する。
【0092】まず、復号装置はL倍速で動作する。装置
に応じて、Lは1からKのどの値をとってもよい。L=
1であれば通常画質の復号画像しか得られず、L=Kで
あれば符号化ビットストリームに含まれる全ての情報が
復号でき、高画質の復号画像が得られる。
【0093】復号画像蓄積部213は、1ピクチャ分の
容量を有し、同一ピクチャのK回の符号化データのうち
L回の符号化データに対する復号画像を復号のたびに記
憶する。
【0094】予測切り替え部214では、予測切り替え
制御信号224に基づいて、第1回目の復号においては
予測生成部212から出力される通常の予測信号を選択
し、第2回目以降の復号においては復号画像蓄積部21
3から出力される直前の復号画像を選択して、復号画像
生成部207に予測信号として供給する。
【0095】各ピクチャの第1回目の復号の際は、I・
Pピクチャの場合は復号画像メモリ211と復号画像蓄
積部213の両方に復号画像の書き込みが行われ、Bピ
クチャの場合は復号画像蓄積部213のみに書き込みが
行われる。第2回目以降の復号の際には、復号画像メモ
リ211の内容は更新せず、復号画像蓄積部213の内
容のみを更新する。
【0096】出力画像切り替え部208は、本実施形態
では省略可能であり、常に復号画像蓄積部213からの
復号画像を選択して、リオーダー部209に供給する。
図8は本実施形態における動画像入力の様子を入力順で
示す図である。原画像の各ピクチャの時間間隔はtであ
るとし、これを時間間隔t/Kで1回目、2回目、…、
K回目と言う具合にK回繰り返して連続的に符号化部に
入力する。なお、実際にはリオーダー後にこのような繰
り返しが行われるが、基本的な考え方は図8のとおりで
ある。
【0097】図9、図10は本実施形態における予測構
造を示す図である。図9は各ピクチャの第1回目の入力
における予測構造を、図10は各ピクチャの第2回目以
降の入力における予測構造を、それぞれ入力順で示して
いる。
【0098】図9で示した第1回目の符号化における予
測構造は、図12で示した従来のMPEG2の予測構造
と全く同じであり、時間間隔tを最小単位として、ピク
チャタイプに応じて順方向・逆方向・双方向の予測が行
われる。図9ではM=3の符号化を行う場合を示してい
る。この第1回目の符号化では、MPEG2で用いうる
任意の予測構造を自由に選ぶことができる。
【0099】図10で示した第2回目以降の符号化にお
ける予測構造は、直前の復号画像、すなわち現在符号化
しようとしている画面と全く同一の入力画面に対する前
回の復号画像を参照画像として予測符号化を行う。図1
0において、ピクチャタイプPtは時間t/Kだけ前の
画面から予測するピクチャタイプを示すものとする。第
2回目以降の符号化では、符号化を繰り返すにつれ、予
測画像(直前の復号画像)と原画像の誤差は徐々に小さ
くなり、高画質の符号化ができる。なお、このピクチャ
タイプPtについても、原則的には動き補償なしの予測
符号化を行う。
【0100】図11は本実施形態におけるピクチャの処
理順序を示す図である。本実施形態では、まず時間間隔
tの原画像についてピクチャタイプに基づくリオーダー
をしてから、K回(この図ではK=4としている)の連
続入力を行って符号化する。復号側では、第L回目(こ
の図ではL=4としている)の復号、すなわち最後の復
号で復号画像蓄積部213に保持された復号画像につい
て、第1回目の符号化のピクチャタイプに基づいたリオ
ーダーをして時間間隔tで出力する。
【0101】この第2の実施形態での複数回の符号化デ
ータは、1画面に対応する1回毎の符号化データを単位
として、時間軸上で多重された形になっている。また、
同一の符号化部を繰り返し複数回使用して符号化を行
い、同一の復号部を繰り返し複数回使用して復号を行っ
ている。動作速度自体は高速になっているが、装置の構
成自体は簡単な構成でよい。
【0102】このように、本実施形態によれば、同一の
ピクチャについてK倍速でK回の符号化を行い、L倍速
でL回の復号化を行うようにしたので、高画質の伝送を
行うことができ、符号化装置の倍速数および復号装置の
倍速数によって画質の上限が決まる。特に、復号側の能
力(復号速度)に応じた画質を得ることができる。
【0103】この第2の実施形態においては、符号化レ
ートが通常の符号化よりも上昇するため、高速の伝送路
が必要である。そのかわり、リアルタイムで再生・表示
を行うことができ、また第1の実施形態にあった所定時
間Tの制約は本実施形態にはない。よって本実施形態
は、十分な伝送路の転送レートが確保できて、かつ復号
側の復号能力が不足する可能性がある場合に適してい
る。また、前述の第1実施形態の場合と同様に、画面毎
の複数回の符号化で得られた符号化データを多重化した
ものをディジタルビデオディスクに蓄積して供給するこ
とにより、高画質の動画像供給が可能となる。
【0104】第1の実施形態と第2の実施形態のそれぞ
れの特徴の違いをまとめると、まず、第1の実施形態の
特徴は、 (1) 符号化装置・復号装置の動作速度は通常速度で
よく、低いレートの伝送路により高画質の動画像の伝送
ができる。
【0105】(2) 半永久的に符号化や復号を繰り返
すこともでき、ほぼ非圧縮に近い画質まで提供できる。 (3) 復号を反復する回数によって得られる画質が決
まる。
【0106】一方、第2の実施形態の特徴は、 (1) リアルタイムで処理を行うことができ、動画像
の長さの制約がない。 (2) 復号画像を記憶するための追加の蓄積部(記憶
部)の容量が小さくてよい。
【0107】(3) 復号する速度(回数)によって得
られる画質が決まる。 (変形例)本発明は上記第1・第2の実施形態にとどま
ることなく、たとえば下記(1)〜(5)に例示したよ
うに種々の変形・応用が可能である。
【0108】(1) 上記の各実施形態では、基本とな
る圧縮符号化方式としてMPEG2を想定したが、これ
以外の圧縮方式でもよい。また、ディジタルビデオディ
スクやディジタル放送以外にも種々の応用が可能であ
る。
【0109】(2) 伝送する原画像は、通常解像度で
もHDTVでもよい。HDTVであれば最高画質が伝送
できるという本発明の意義はさらに大きくなる。また、
原画像の色信号の形式は、420形式でも422形式で
もその他の形式でもよい。本発明が実現する高画質とい
う趣旨から言えば、422形式またはそれ以上の方が望
ましいが、必ずしもそれに限るものではない。
【0110】(3) 毎秒24コマのフィルム映像を毎
秒60フィールドの映像に変換する3:2プルダウンを
行った映像のように、入出力画像の1フレームと符号化
画像の1ピクチャが一致していなくてもよい。ただし、
複数回の原画像の入力時に、3:2プルダウンのパター
ンも毎回同一とする。
【0111】(4) また、第1の実施形態において、
符号化装置・復号装置の全体を通常速度よりも速い速度
で動作させるようにしてもよい。これにより短時間で高
画質の動画像の伝送が可能となる。
【0112】(5) また、第2の実施形態の変形とし
て、図8のように同一画面をK倍速でK回連続して入力
する点は第2の実施形態と同じとし、原画像の各ピクチ
ャの第1回目の符号化ではBピクチャを禁止して前ピク
チャの第K回目の復号画像からPピクチャのようにして
動き補償予測符号化を行うようにしてもよい。第2〜第
K回目の符号化では、第2の実施形態と同様に、前回
(直前)の復号画像から動き補償なしで予測符号化を行
い、徐々に量子化を細かくする制御を行う。すなわち、
図8のような配列で入力された画像を(シーケンスの一
番最初を除いて)全てPピクチャのように時間t/Kだ
け前の画像から予測符号化を行うこととする。この場
合、第2の実施形態に比べて、符号化装置のローカル復
号画像蓄積部116、予測切り替え部117、および復
号装置の復号画像蓄積部213、予測切り替え部214
などが不必要となる。ただしこの変形例の場合は、復号
装置においても、必ず符号化装置側での符号化繰り返し
回数と同じK回の復号を行って、全ての符号化データを
復号する必要がある。
【0113】(6) また、本発明は動画像信号を構成
するそれぞれの画面を複数回符号化かることが肝要であ
り、そのための符号化装置への動画像信号の入力方法は
第1および第2実施形態の例に限定されるものではな
い。
【0114】(7) 第1および第2実施形態で説明し
た動画像の符号化・復号処理の手順はソフトウェアによ
って実現することもでき、この場合には、その手順を有
するコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可
能な記録媒体を通じてコンピュータに導入するだけで本
実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単な構成により、非圧縮に近い高画質の動画像の伝送
が行えるとともに、通常画質から非圧縮に近い高画質ま
で複数段階の画質を供給することができる動画像符号化
装置・復号装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における動画像符号化
装置の構成を示すブロック図。
【図2】同第1実施形態における動画像復号装置の構成
を示すブロック図。
【図3】同第1実施形態における動画像の入力の様子を
示す図。
【図4】同第1実施形態における1回目の符号化での予
測構造を説明するための図。
【図5】同第1実施形態における2回目以降の符号化で
の予測構造を説明するための図。
【図6】同第1実施形態における処理順序を説明するた
めの図。
【図7】同第1実施形態を応用した動画像受信装置の構
成を示す図。
【図8】本発明の第2の実施形態における動画像の入力
の様子を示す図。
【図9】同第2実施形態における1回目の符号化での予
測構造を説明するための図。
【図10】同第2実施形態における2回目以降の符号化
での予測構造を説明するための図。
【図11】同第2実施形態における処理順序を説明する
ための図。
【図12】従来の動画像符号化方法における予測構造を
説明するための図。
【図13】従来の動画像符号化方法における処理順序を
説明するための図。
【図14】従来の動画像符号化装置の構成を示すブロッ
ク図。
【図15】従来の動画像復号装置の構成を示すブロック
図。
【符号の説明】
101 原画像入力端子 102 リオーダー部 103 原画像蓄積部 104 予測誤差生成部 105 DCT部 106 量子化部 107 可変長符号化部 108 多重部 109 送信バッファ 110 ビットストリーム出力端子 111 逆量子化部 112 IDCT部 113 ローカル復号画像生成部 114 ローカル復号画像メモリ 115 予測生成部 116 ローカル復号画像蓄積部 117 予測切り替え部 118 動き検出部 119 量子化制御部 120 予測切り替え制御部 131 送信バッファ占有率情報 132 量子化制御情報 133 動きベクトル 134 モード情報 135 予測切り替え制御情報 201 ビットストリーム入力端子 202 受信バッファ 203 分離部 204 可変長復号部 205 逆量子化部 206 IDCT部 207 復号画像生成部 208 出力画像切り替え部 209 リオーダー部 210 復号画像出力端子 211 復号画像メモリ 212 予測生成部 213 復号画像蓄積部 214 予測切り替え部 221 量子化制御情報 222 動きベクトル 223 モード情報 224 予測切り替え制御情報 701 ビットストリーム入力端子 702 復号部 703 復号画像蓄積部 704 出力画像切り替え部 705 画像出力端子 711 出力画像切り替え制御信号
フロントページの続き Fターム(参考) 5C053 FA27 GB05 GB06 GB21 GB28 GB29 GB37 KA01 KA04 KA24 LA06 5C059 KK01 KK22 KK35 MA04 MA05 MA23 MC11 NN01 PP04 RB01 RB15 RC02 RC11 RC24 RC26 TA21 TA45 TA46 TB01 TC18 TC20 TC39 TD11 UA02 UA05 UA06 UA33

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動画像信号を符号化する動画像符号化装
    置であって、 動画像信号を符号化する符号化手段と、 前記動画像信号を構成するそれぞれの画面を前記符号化
    手段に複数回入力する入力手段と、 前記符号化手段から出力される復号画像を記憶する記憶
    手段と、 前記符号化手段から出力されるそれぞれの画面に対する
    複数回の符号化データを時間軸上で1つに多重して送信
    する送信手段とを具備し、 前記符号化手段は、前記入力手段から第1回目に入力さ
    れるそれぞれの画面に対しては所定の圧縮符号化を行
    い、第J回目(Jは2以上の整数)に入力されるそれぞ
    れの画面に対しては前記記憶手段から読み出される第
    (J−1)回目の入力に対応する復号画像を予測参照画
    像として予測符号化を行うことを特徴とする動面像符号
    化装置。
  2. 【請求項2】 所定時間長の動画像信号を符号化する動
    画像符号化装置であって、 動画像信号を符号化する符号化手段と、 前記動画像信号を前記所定時間を単位として前記符号化
    手段に複数回繰り返し入力する入力手段と、 前記符号化手段から出力される前記所定時間長の復号画
    像を記憶する記憶手段と、 前記符号化手段によって前記所定時間長の動画像信号毎
    に得られた複数回分の符号化データを時間軸上で1つに
    多重して送信する送信手段とを具備し、 前記符号化手段は、前記入力手段から第1回目に入力さ
    れる前記所定時間長の動画像信号に対しては所定の圧縮
    符号化を行い、第J回目(Jは2以上の整数)に入力さ
    れる前記所定時間長の動画像信号に対しては前記記憶手
    段から読み出される第(J−1)回目の入力に対応する
    前記所定時間前の復号画像を予測参照画像として予測符
    号化を行うことを特徴とする動画像符号化装置。
  3. 【請求項3】 動画像信号を符号化する動画像符号化装
    置であって、 動画像信号を符号化する符号化手段と、 前記動画像信号を構成するそれぞれの画面が前記符号化
    手段に複数回入力されるように、前記動画像信号の各画
    面毎にその画面をK回(Kは2以上の整数)連続して前
    記符号化手段に入力する入力手段と、 前記符号化手段から出力される復号画像を記憶する記憶
    手段と、 前記符号化手段によって前記動画像信号を構成するそれ
    ぞれの画面毎に得られたK回分の符号化データが画面毎
    に時間軸上で連続するように、それぞれの画面のK回分
    の符号化データを時間軸上で1つに多重して送信する手
    段とを具備し、 前記符号化手段は、前記入力手段から第1回目に入力さ
    れるそれぞれの画面に対しては所定の圧縮符号化を行
    い、第J回目(Jは2以上でK以下の整数)に入力され
    るそれぞれの画面に対しては前記記憶手段から読み出さ
    れる第(J−1)回目の入力に対応する直前の復号画像
    を予測参照画像として予測符号化を行うことを特徴とす
    る動画像符号化装置。
  4. 【請求項4】 符号化動画像データを復号して動画像信
    号を出力する動画像復号装置であって、 前記動画像信号を構成するそれぞれの画面に対する複数
    回の符号化データが時間軸上で1つに多重された符号化
    データを受信する受信手段と、 符号化データを復号する復号手段と、 前記復号手段から出力される復号画像を記憶する記憶手
    段とを具備し、 前記復号手段は、前記受信手段から供給されるそれぞれ
    の画面の第1回目の符号化データの復号では所定の圧縮
    復号を行い、それぞれの画面の第J回目(Jは2以上の
    整数)の符号化データの復号では前記記憶手段から読み
    出される第(J−1)回目の復号画像を予測参照画像と
    して予測復号を行うことを特徴とする動画像復号装置。
  5. 【請求項5】 符号化動画像データを復号して所定時間
    長の動画像信号を出力する動画像復号装置であって、 前記所定時間長の動画像信号に対する複数回の符号化デ
    ータが繰り返し時間軸上で多重された符号化データを受
    信する受信手段と、 符号化データを復号する復号手段と、 前記復号手段から出力される前記所定時間長の復号画像
    を記憶する記憶手段とを具備し、 前記復号手段は、前記受信手段から供給される第1回目
    の前記所定時間長の符号化データの復号では所定の圧縮
    復号を行い、第J回目(Jは2以上の整数)の前記所定
    時間長の符号化データの復号では前記記憶手段から読み
    出される第(J−1)回目に対応する前記所定時間前の
    復号画像を予測参照画像として予測復号を行うことを特
    徴とする動画像復号装置。
  6. 【請求項6】 符号化動面像データを復号して動画像信
    号を出力する動画像復号装置であって、 前記動画像信号を構成するそれぞれの画面毎に連続して
    得られたK回分の符号化データが画面毎に時間軸上で連
    続するように1つに多重された符号化データを受信する
    受信手段と、 符号化データを復号する復号手段と、 前記復号手段から出力される復号画像を記憶する記憶手
    段と、 前記復号手段において前記受信手段から供給されるそれ
    ぞれの画面の第L回目(Lは1以上K以下の整数)の符
    号化データの復号により得られた復号画像を出力する出
    力手段とを具備し、 前記復号手段は、前記受信手段から供給されるそれぞれ
    の画面の第1回目の符号化データの復号では所定の圧縮
    復号を行い、それぞれの画面の第J回目(Jは2以上L
    以下の整数)の符号化データの復号では前記記憶手段か
    ら読み出される第(J−1)回目に対応する直前の復号
    画像を予測参照画像として予測復号を行うことを特徴と
    する動画像復号装置。
  7. 【請求項7】 動画像信号を符号化した符号化動画像デ
    ータを伝送する動画像伝送方法であって、 前記動画像信号を構成するそれぞれの画面に対する複数
    回の符号化データが時間軸上で1つに多重された符号化
    データを伝送するとともに、それぞれの画面の第1回目
    の符号化データは所定の圧縮符号化により生成された符
    号化データでありそれぞれの画面の第J回目(Jは2以
    上の整数)の符号化データは第(J−1)回目の復号画
    像を予測参照画像とする予測符号化により生成された符
    号化データであることを特徴とする動画像伝送方法。
  8. 【請求項8】 所定時間長の動画像信号を符号化した符
    号化動画像データを伝送する動画像伝送方法であって、 前記所定時間長の動画像信号に対する複数回の符号化デ
    ータが繰り返し時間軸上で多重された符号化データを伝
    送するとともに、前記所定時間長の動画像信号に対する
    第1回目の符号化データは所定の圧縮符号化により生成
    された符号化データであり前記所定時間長の動画像信号
    に対する第J回目(Jは2以上の整数)の符号化データ
    は第(J−1)回目に対応する前記所定時間前の復号画
    像を予測参照画像とする予測符号化により生成された符
    号化データであることを特徴とする動画像伝送方法。
  9. 【請求項9】 動画像信号を符号化した符号化動画像デ
    ータを伝送する動画像伝送方法であって、 前記動画像信号を構成するそれぞれの画面毎に連続して
    得られたK回分の符号化データが画面毎に時間軸上で連
    続するように1つに多重された符号化データを伝送する
    とともに、それぞれの画面の第1回目の符号化データは
    所定の圧縮符号化により生成された符号化データであり
    それぞれの画面の第J回目(Jは2以上K以下の整数)
    の符号化データは第(J−1)回目に対応する直前の復
    号画像を予測参照画像とする予測符号化により生成され
    た符号化データであることを特徴とする動画像伝送方
    法。
  10. 【請求項10】 動画像信号を符号化した符号化動画像
    データが蓄積された記録媒体であって、 前記符号化動画像データは、前記動画像信号を構成する
    それぞれの画面に対する複数回の符号化データが時間軸
    上で1つに多重された符号化データを含むと共に、それ
    ぞれの画面の第1回目の符号化データは所定の圧縮符号
    化により生成された符号化データであり、それぞれの画
    面の第J回目(Jは2以上の整数)の符号化データは第
    (J−1)回目の復号画像を予測参照画像とする予測符
    号化により生成された符号化データであることを特徴と
    する記録媒体。
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